IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社奥村組の特許一覧

<>
  • 特開-支保体の設置方法 図1
  • 特開-支保体の設置方法 図2
  • 特開-支保体の設置方法 図3
  • 特開-支保体の設置方法 図4
  • 特開-支保体の設置方法 図5
  • 特開-支保体の設置方法 図6
  • 特開-支保体の設置方法 図7
  • 特開-支保体の設置方法 図8
  • 特開-支保体の設置方法 図9
  • 特開-支保体の設置方法 図10
  • 特開-支保体の設置方法 図11
  • 特開-支保体の設置方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145316
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】支保体の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20220926BHJP
   E21D 11/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
E21D11/10 C
E21D11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046672
(22)【出願日】2021-03-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・土木施工 第61巻第7号・通巻763号 (令和2年6月22日 株式会社オフィス・スペース発行) ・令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会[講演概要集]DVD-ROM版(令和2年8月1日 公益社団法人土木学会発行)
(71)【出願人】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 昌克
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝也
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
(72)【発明者】
【氏名】楢崎 雄一
(72)【発明者】
【氏名】大野 誠
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155BA01
2D155BB01
2D155CA03
2D155DA01
2D155GC06
2D155KA02
2D155KB04
2D155KC06
2D155LA06
2D155LA16
2D155LA18
(57)【要約】
【課題】既設のトンネル覆工体を補強する際に、複数の支保体ピースを連結してなる支保体を、内周面部分に精度良く当接させて設置できるようにする支保体の設置方法を提供する。
【解決手段】支保体11は、複数の支保体ピース11’を周方向に連結することにより形成されており、所定の連結箇所18における隣接する支保体ピース11’間に、支保体11の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキ17を取り付ける。支保体ピース11’を仮組みして、支保体11を既設のトンネル覆工体55の内周面に沿って配置した後に、連結箇所18の接合状態を開放し、伸縮ジャッキ17を伸長させることにより連結箇所18を離間させて、当接面部11bをトンネル覆工体55の内周面部分55bに当接させる。離間部分に補助ピース19を介設して連結箇所18を接合し直すことで、トンネル覆工体55に支保体11を圧着させて固定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体を補強する補強構造を形成するリング状の支保体の設置方法であって、
前記補強構造は、トンネルの延長方向に所定の間隔をおいて取り付けられ、内側にパネル取付け面部を備えると共に外側に当接面部を備える複数の前記支保体と、各隣接する前記支保体の前記パネル取付け面部に跨るようにして、前記支保体に支持されて周方向に連設して取り付けられた複数の被覆パネル部材と、前記被覆パネル部材と前記トンネル覆工体との間の空間に充填されて、前記支保体と前記被覆パネル部材と前記トンネル覆工体とを一体化させる硬化性材料とを含んで構成され、
前記支保体は、複数の支保体ピースを周方向に連結することによって形成されていると共に、少なくとも一カ所の連結箇所における周方向に隣接する前記支保体ピース間に、前記支保体の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキが取り付けられており、
前記複数の支保体ピースを仮組みした状態で、前記支保体を前記トンネル覆工体の内周面に沿って配置した後に、前記連結箇所の接合状態を開放し、前記伸縮ジャッキを伸長させることにより前記連結箇所を離間させて、前記当接面部を前記トンネル覆工体の内周面部分に当接させ、さらに前記連結箇所の離間部分に補助ピースを介設して接合し直すことによって、前記トンネル覆工体に前記支保体を圧着させた状態とする支保体の設置方法。
【請求項2】
前記支保体の前記当接面部を当接させる前記トンネル覆工体の内周面部分が、前記既設のトンネル覆工体の内周面の少なくとも一部である請求項1記載の支保体の設置方法。
【請求項3】
前記支保体の前記当接面部を当接させる前記トンネル覆工体の内周面部分が、前記トンネル覆工体の内周面に取り付けられた台座プレート部材によるものとなっている請求項1記載の支保体の設置方法。
【請求項4】
前記連結箇所の離間部分に介設される補助ピースは、周方向の長さ又は厚さの異なるピースを含む複数の単位補助ピースから選択されるものとなっており、前記連結箇所の離間部分の離間幅に応じて、選択された1又は複数の単位補助ピースを適宜重ね合わせて用いられるようになっている請求項1~3のいずれか1項記載の支保体の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支保体の設置方法に関し、特に、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体を補強する補強構造を形成するリング状の支保体の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円形状の内周断面形状を備えるトンネル覆工体を有する既設のトンネルとして、例えばシールドトンネルでは、老朽化すると、トンネルの内壁面を覆うセグメントやコンクリート等による既設のトンネル覆工体に、例えば周囲の地盤の圧密沈下や、海に近い地域では塩害等の影響によって、ひび割れや腐食等による損傷個所が生じる場合がある。
【0003】
このような円形状の内周断面形状を備える既設のトンネルの覆工体に、ひび割れや腐食等による損傷個所が生じた場合の補修方法として、損傷個所が生じたトンネルの覆工体の内側に、支保工材やコンクリート等を用いて、新たに補強用の覆工体を形成することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-271599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体の内側に、支保工材やコンクリート等を用いて新たに補強用の覆工体を形成する場合には、例えば既設のトンネル覆工体が、地下鉄等の鉄道トンネル用のものや、道路トンネル用のものであると、例えば電車や車両の走行に支障を生じないようにしながら施工することが必要である。このようなことから、好ましくはコンクリートを打設して補強用の覆工体を形成する際に、型枠を支持するための仮設の支保構造をトンネルの内部空間に設けるのではなく、コンクリートと一体となって補強用の覆工体を形成する本設用の構造部材である支保体を、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体の内周面に沿って延設させて固定し、この支保体に支持させることで型枠となる被覆パネル部材を取り付けて、支保体と被覆パネル部材とコンクリートとが一体となった補強構造を形成するようにする技術が、本願出願人の出願に係る特願2019-221505号において提案されている。
【0006】
特願2019-221505号に開示された既設トンネルの補強構造では、既設のトンネル覆工体の内周面に沿って延設させて固定される、好ましくは鋼製支保部材による支保体は、支保体ピースである単位鋼製支保部材を周方向に複数連結して形成されるものであり、設置現場において複数の支保体ピースを周方向に連結して支保体を設置する際に、トンネル覆工体の内周面部分に支保体を圧着させた状態で固定することが難しく、精度良く支保体を当接させて効率良く荷重を支持できるようにするには、多くの手間を要することになる。このため、複数の支保体ピースを連結して形成される支保体を、既設のトンネル覆工体の内周面部分に精度良く当接させて容易に設置することができるように、施工方法の改善が望まれている。
【0007】
本発明は、既設のトンネル覆工体を補強する補強構造を形成する際に、複数の支保体ピースを周方向に連結して形成される支保体を、既設のトンネル覆工体の内周面部分に精度良く当接させて容易に設置することのできる支保体の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体を補強する補強構造を形成するリング状の支保体の設置方法であって、前記補強構造は、トンネルの延長方向に所定の間隔をおいて取り付けられ、内側にパネル取付け面部を備えると共に外側に当接面部を備える複数の前記支保体と、各隣接する前記支保体の前記パネル取付け面部に跨るようにして、前記支保体に支持されて周方向に連設して取り付けられた複数の被覆パネル部材と、前記被覆パネル部材と前記トンネル覆工体との間の空間に充填されて、前記支保体と前記被覆パネル部材と前記トンネル覆工体とを一体化させる硬化性材料とを含んで構成され、前記支保体は、複数の支保体ピースを周方向に連結することによって形成されていると共に、少なくとも一カ所の連結箇所における周方向に隣接する前記支保体ピース間に、前記支保体の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキが取り付けられており、前記複数の支保体ピースを仮組みした状態で、前記支保体を前記トンネル覆工体の内周面に沿って配置した後に、前記連結箇所の接合状態を開放し、前記伸縮ジャッキを伸長させることにより前記連結箇所を離間させて、前記当接面部を前記トンネル覆工体の内周面部分に当接させ、さらに前記連結箇所の離間部分に補助ピースを介設して接合し直すことによって、前記トンネル覆工体に前記支保体を圧着させた状態とする支保体の設置方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
そして、本発明の支保体の設置方法は、前記支保体の前記当接面部を当接させる前記トンネル覆工体の内周面部分が、前記既設のトンネル覆工体の内周面の少なくとも一部であっても良い。
【0010】
また、本発明の支保体の設置方法は、前記支保体の前記当接面部を当接させる前記トンネル覆工体の内周面部分が、前記トンネル覆工体の内周面に取り付けられた台座プレート部材によるものとなっていることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の支保体の設置方法は、前記連結箇所の離間部分に介設される補助ピースは、周方向の長さ又は厚さの異なるピースを含む複数の単位補助ピースから選択されるものとなっており、前記連結箇所の離間部分の離間幅に応じて、選択された1又は複数の単位補助ピースを適宜重ね合わせて用いられるようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の支保体の設置方法によれば、既設のトンネル覆工体を補強する補強構造を形成する際に、複数の支保体ピースを周方向に連結して形成される支保体を、既設のトンネル覆工体の内周面部分に精度良く当接させて容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の好ましい一実施形態に係る支保体の設置方法を用いた補強構造によって補強される、既設のトンネル覆工体を例示するシールドトンネルの略示横断面図である。
図2図1のA部拡大図である。
図3】(a)は被覆パネル部材を取り付ける前の状態の図2のB部拡大図、(b)は(a)のC-Cに沿った断面図、(c)は(a)を左側から見た正面図である。
図4】挟み込みプレート片を説明する、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図5】複数の支体保ピースを連結して仮組みした状態の支保体の略示側面図である。
図6】(a)は、伸縮ジャッキを伸長させて仮組みした支保体の支保体ピースによる連結箇所を離間させた状態の略示側面図、(b)は、離間させた連結箇所に補助ピースを介設した状態の略示側面図である。
図7】支保体のパネル取付け面に固着されたナット部材を説明する、(a)は支保体の断面図、(b)は支保体の部分内面図である。
図8】(a)は被覆パネル部材の正面図、(b)は背面図、(c)は(b)のD-Dに沿った断面図、(d)は(c)のE部拡大図である。
図9】複数の被覆パネル部材を既設のトンネル覆工体の内周面に沿って周方向に連設して取り付けた状態を説明する、被覆パネル部材の展開配置図である。
図10】一対の支保体のパネル取付け面に跨るようにして、複数の被覆パネル部材を取り付ける状況を説明する、(a)は部分略示内面図、(b)は(a)のF-Fに沿った略示縦断面図、(c)は(a)のG-Gに沿った部分略示横断面図である。
図11】本発明の好ましい一実施形態に係る既設トンネルの補強構造を説明する、図2のH-Hに沿った、押付け固定部材が取り付けられると共に硬化性材料が充填されて固化した状態の部分縦断面図である。
図12】本発明の設置方法によって設置される支保体の他の形態を例示する略示側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい一実施形態に係る支保体の設置方法は、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体として、例えば図1に示すように、円形状の断面形状を備えるシールドトンネルの内周面55aを覆う、好ましくは鉄筋コンクリート製セグメントや合成セグメントによる既設のトンネル覆工体55を補強する補強構造10を形成する際に、当該補強構造10を構成する好ましくは鋼製部材からまるリング状の支保体11を、既設のトンネル覆工体55の内周面55aに沿って延設させて、トンネル覆工体55の内周面部分51に当接させた状態で設置させるための方法として採用されたものである。本実施形態の支保体の設置方法は、既設のトンネル覆工体55の内周面55aの少なくとも一部である、例えばインバート部57を除いた部分を内周面部分51として、複数の支保体ピース11’を周方向に連結することで、インバート部57を介在させた状態でリング状に形成される支保体11を、既設のトンネル覆工体55の内周面部分51に精度良く当接させて容易に設置できるようにするものである。
【0015】
そして、本実施形態の支保体の設置方法は、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体55を補強する補強構造10を形成する、リング状の支保体11の設置方法であって、補強構造10は、トンネルの延長方向X(図11参照)に所定の間隔をおいて取り付けられ、内側にパネル取付け面11aを備えると共に外側に当接面部11bを備える複数の支保体11と、各隣接する支保体11のパネル取付け面11aに跨るようにして、支保体11に支持されて周方向に連設して取り付けられた複数の被覆パネル部材13と、被覆パネル部材13とトンネル覆工体55との間の空間に充填されて、支保体11と被覆パネル部材13とトンネル覆工体55とを一体化させる硬化性材料14(図11参照)とを含んで構成されている。支保体11は、複数の支保体ピース11’を周方向に連結することによって形成されていると共に、少なくとも一カ所の連結箇所18における周方向に隣接する支保体ピース11’間に、支保体11の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキ17が取り付けられている(図5参照)。複数の支保体ピース11’を仮組みした状態で、支保体11をトンネル覆工体55の内周面に沿って配置した後に、連結箇所18の接合状態を開放し、伸縮ジャッキ17を伸長させることにより連結箇所18を離間させて(図6(a)参照)、当接面部11bをトンネル覆工体55の内周面部分55bに当接させ、さらに連結箇所18の離間部分に補助ピース19を介設して接合し直すことによって(図6(b)参照)、トンネル覆工体55に支保体11を圧着させた状態とする。
【0016】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、支保体11の当接面部11bを当接させるトンネル覆工体55の内周面部分55bが、トンネル覆工体の内周面55aに取り付けられた台座プレート部材12によるものとなっている。
【0017】
本実施形態では、シールドトンネル50の内壁面を覆う、既設のトンネル覆工体55は、好ましくは鉄筋コンクリート製セグメントや合成セグメントによる覆工体となっており、シールドトンネル50が例えば円形状の断面形状の内壁面を有していることで、円形状の内周断面形状を備えている。例えば鉄筋コンクリート製セグメントや合成セグメントによる既設のトンネル覆工体55の内周面55aにおける、コンクリートの露出した部分に、所定の深さでアンカー孔を削孔し、削孔したアンカー孔に好ましくはアンカーボルトの基部を埋設固定することにより、面板部12dを所定の高さ位置に支持固定するための雄ネジボルト部材12a(図3(a)、(b)参照)を、これらのアンカーボルトの突出部分によって、所定の位置に精度良く容易に取り付けることができるようになっている。
【0018】
また、本実施形態では、支保体11は、好ましくは亜鉛メッキされたI形鋼又はH形鋼(本実施形態では、H150×75のI形鋼)からなり、内側フランジ部によってパネル取付け面11aが形成されている。例えばI形鋼による支保体11は、図5にも示すように、好ましくは予め工場等において、底部のインバートコンクリート部57(図1参照)よりも上方の、トンネル50の側壁部から上部に至るまでの既設のトンネル覆工体55の内周面55aに沿った形状を、適宜分割した形状に加工された、複数の支保体ピース11’として搬入される。支保体11は、ボルト部材等を用いた公知の方法により、端面同士を互いに連結することで一体化される複数の支保体ピース11’によって形成されることで、トンネル50の側壁部から上部に至るまでの内周面55aに沿って、周方向に延設させて容易に設置することができる。例えばI形鋼による支保体11は、トンネル50の延長方向Xに例えば900mm程度の所定の中心間ピッチで、複数体設置される。
【0019】
さらに、本実施形態では、支保体11のパネル取付け面11aとなる内側フランジ部の内側面には、周方向に好ましくは後述する被覆パネル部材13の連設方向Y(図10(a)参照)の幅と同様の間隔をおいて、図5及び図7(a)、(b)に示すように、後述する押付け固定部材20を支保体11に締着させるためのナット部材21が、好ましくは横幅方向の中央部分に溶接等によって固着されている。
【0020】
そして、本実施形態では、I形鋼による支保体11は、上述のように、既設のトンネル覆工体55の内周面55aにおいて、トンネルの延長方向Xおよび周方向に所定の間隔をおいて配置・固定された、面板部12dを有する複数の台座プレート部材12(図3(a)~(c)参照)を介することによって、これらの台座プレート部材12を既設のトンネル覆工体55の内周面部分51として、トンネル50の延長方向Xに所定の間隔をおいて、周方向に延設して精度良く安定した状態で取り付けられることになる。
【0021】
台座プレート部材12を構成する面板部12dは、好ましくは亜鉛メッキされた9mm程度の厚さの鋼製プレートからなり、例えば一辺が250~280mm程度の大きさの、矩形又は正方形の平面形状を備えるように形成されている。面板部12dには、上述のアンカーボルトの突出部分による雄ネジボルト部材12aの位置に対応させて、4箇所の角部分の内側に、外側締着孔12cが4箇所に配置されて各々開口形成されている。4箇所の外側締着孔12cの内側には、例えば縦60mm程度、横105mm程度の大きさの仮想の矩形の角部に配置されて、内側締着孔12eが4箇所に配置されて各々開口形成されている。
【0022】
開口形成された4箇所の外側締着孔12cに、上述のアンカーボルトによる雄ネジボルト部材12aを挿通し、各々の雄ネジボルト部材12aに螺着した一対のナット部材12bにより当該面板部12dを挟み込んだ状態で、これらのナット部材12bを外側締着孔12cの周囲に締着することによって、台座プレート部材12を構成する面板部12dを、既設のトンネル覆工体55の内周面55aからの高さを適宜調整可能にすると共に、傾きを適宜調整可能にした状態で、既設のトンネル覆工体55から離間させた所定の位置に、精度良く固定することが可能になる。なお、面板部12dが固定される所定の位置は、雄ネジボルト部材12aが埋設される位置よりも優先されることから、雄ネジボルト部材12aが所定の位置からずれて固定されている場合には、設置現場において、外側締着孔12cを広げたり開け直したりすることによって、位置のずれた雄ネジボルト部材12aの雄ネジ部分を挿通させて、面板部12dが所定の位置に精度良く取り付けられるようにすることができる。
【0023】
また、各々の面板部12dに開口形成された4箇所の内側締着孔12eには、面板部12dと、上述の挟み込みプレート片15の挟み込み本体部15aとの間に、支保体11の当接面部11bとなる外側フランジを挟み込んだ状態で、合致した当該内側締着孔12e及び挟み込みプレート片15の締着孔15b(図4(a)、(b)参照)に挿通されるボルトナット部材16が、締着されるようになっている。これによって、台座プレート部材12の面板部12dを既設のトンネル覆工体55の内周面部分51として機能させて、支保体11の当接面部11bが当接する位置を調整した状態で、支保体11を、既設のトンネル覆工体55の内周形状に沿って容易に固定して、予め所定の位置に精度良く取り付けられた台座プレート部材12に、安定して支持させることができるようになっている。
【0024】
そして、本実施形態では、図5に示すように、支保体11は、複数の支保体ピース11’を周方向に連結することによって形成されていると共に、少なくとも一カ所として、両側の側部における2箇所の連結箇所18に、周方向に隣接する一対の支保体ピース11’に跨るようにして、これらの間に、支保体11の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキ17を取り付けておく。すなわち、2箇所の連結箇所18の各々を挟んだ上下―対の支保体ピース11’には、当該連結箇所18に近接する部分において、パネル取付け面11aから内側に張り出すようにして、支持ブラケット17aを、例えば溶接等によって仮固定しておき、これらの上下の支持ブラケット17aの間の部分に装着されて、伸縮ジャッキ17が各々取り付けられている。これによって、伸縮ジャッキ17を伸長することにより、左右両側の連結箇所18を、安定した状態で離間させることが可能になる。
【0025】
また、本実施形態では、好ましくは仮組みされた複数の支保体ピース11’の、各々の連結箇所18の接合状態を緩めると共に、伸縮ジャッキ17が取り付けられた部分の左右両側の2箇所の連結箇所18における、接合状態を開放してから、伸縮ジャッキ17を伸長させることにより、連結箇所18の上下―対の支保体ピース11’を離間させると、支保体11は、その全体が拡径するようにして変形することになるので(図6(a)参照)、これによって支保体11の当接面部11bを、トンネル覆工体55の内周面部分51となっている台座プレート部材12の面板部12dに、容易に当接させることが可能になる。
【0026】
伸縮ジャッキ17を伸長させて、支保体11の当接面部11bをトンネル覆工体55の内周面部分51に当接させたら、さらに、離間されて連結箇所18の離間部分となっている、上下―対の支保体ピース11’の間の部分に、補助ピース19を介設する(図6(b)参照)。また補助ピース19を介設させた2箇所の連結箇所18を接合し直すと共に、接合状態が緩められている、仮組みされた複数の支保体ピース11’の他の連結箇所18を接合し直すことにより、本組みをすることによって、支保体11を、台座プレート部材12を介してトンネル覆工体55に圧着させた状態で、強固に固定することが可能になる。
【0027】
ここで、離間させた連結箇所18の離間部分に介設される補助ピース19として、支保体ピース11’と同様のI形鋼からなるものや、相当の厚さを備える鋼製のプレート片等からなるものを用いることができる。補助ピース19は、支保体11の周方向の長さ又は厚さの異なるピースを含む複数の単位補助ピースから、適宜選択して用いることができ、また離間させた連結箇所18の離間幅に応じて、選択された1又は複数の単位補助ピースを適宜重ね合わせて用いることもできる。
【0028】
複数の支保体ピース11’の連結箇所18を接合し直すことにより本組みをして、支保体11を、台座プレート部材12を介してトンネル覆工体55に圧着させた状態で固定したら、支保体11のパネル取付け面11aに仮固定されていた支持ブラケット17aを、伸縮ジャッキ17と共に撤去することで、パネル取付け面11aに被覆パネル部材13を取り付ける作業を行うことが可能になる。
【0029】
本実施形態では、各隣接する一対の支保体11のパネル取付け面11aに、跨るようにして取り付けられる複数の被覆パネル部材13は、各々、図8(a)~(d)に示すように、例えば20mm程度の厚さを有する、好ましくは繊維補強コンクリート製のパネル部材となっている。被覆パネル部材13は、各隣接する一対の支保体11のパネル取付け面11aに跨る大きさとして、支保体11のトンネル50の延長方向Xの中心間ピッチよりも若干小さい、870mm程度の延長方向Xの横幅を備えると共に、470mm程度の、周方向である連設方向Yの縦幅を備える、矩形状の平面形状を有している。
【0030】
また、被覆パネル部材13は、既設のトンネル覆工体55の内周面と対向して配置される背面側が、凹凸面13aとなっており、この凹凸面13aは、例えば均等に分散して配置された多数の陥没穴13bによって形成されている。本実施形態では、陥没穴13bは、六角形や円形の陥没穴となっている。被覆パネル部材13の背面側が凹凸面13aとなっていることにより、後に注入充填される無収縮モルタル14との付着面積を広くして、被覆パネル部材13の背面に無収縮モルタル14をより強固に付着させることが可能になる。また、凹凸面13aが均等に分散して配置された多数の六角形や円形の陥没穴13bによって形成されていることにより、鋭角部をなくすことで、陥没穴13b内での無収縮モルタル14の未充填箇所が生じないようにして、無収縮モルタル14を被覆パネル部材13の背面により強固に一体化させることが可能になる。
【0031】
さらに、本実施形態では、好ましくは既設のトンネル覆工体55の内周面と対向して配置される背面側には、アンカー筋13e(図10(b)、図11参照)を取り付けるための、ナット部材13cが埋設固定されている。ナット部材13cは、M10程度の大きさの、フランジ付きナットとなっている。ナット部材13cは、フランジ部を繊維補強コンクリート中に埋設すると共に、雌ネジ孔を背面側に開口させて状態で、分散配置されて4箇所に固定されている。各々のナット部材13cには、L字状に折れ曲がった形状の例えばD10程度の太さのアンカー筋13eを、被覆パネル部材13と、既設のトンネル覆工体55の内周面との間の空間56に突出させて、着脱可能に取り付けることができる。
【0032】
複数の被覆パネル部材13は、例えば後述する押付け固定部材20を用いて、支保体11に支持させて、図1及び図9に示すように、トンネル50のインバートコンクリート部57よりも上方の側壁部から上部に至るまでのトンネル50の内周面に沿って、周方向に連設して配置されることになる。連設して配置される複数の被覆パネル部材13の中央部のパネルである、トンネル50の天端部に配置される被覆パネル部材13’には、硬化性材料として好ましくは無収縮モルタルを空間56に供給して充填するための、φ60程度の大きさのモルタル供給孔13dが開口形成されている。モルタル供給孔13dは、例えばソケット部材を用いて、開閉可能に閉塞しておくことができる。
【0033】
本実施形態では、被覆パネル部材13は、好ましくは繊維補強コンクリートを用いて、平坦な矩形状の平面形状を備えるように形成されている。被覆パネル部材13は、トンネル50の湾曲断面形状部分の湾曲形状に沿った、湾曲形状を備えるように形成することもできる。被覆パネル部材13を、トンネル50の湾曲断面形状部分の湾曲形状に沿った湾曲形状を備えるように形成することにより、地山側からの外力に対して、より強固なアーチアクション効果を発揮させることが可能になる。
【0034】
そして、本実施形態では、図10(a)~(c)に示すように、トンネル50の延長方向Xに所定の中心間ピッチで、湾曲断面形状部分を有するトンネル50の内壁面51に沿って複数設置されたI形鋼による支保体11の、各隣接する一対の支保体11のパネル取付け面11aに跨るようにして、上述の被覆パネル部材13を、複数、周方向に連設して取り付けると共に、図11に示すように、取り付けられた被覆パネル部材13と既存のトンネル覆工体55との間の空間56に、硬化性材料として、好ましくは無収縮モルタル14を充填して硬化させることにより、補強用の覆工体58を形成する。
【0035】
本実施形態では、被覆パネル部材13は、図10(a)~(c)に示すように、当該被覆パネル部材13を支保体11のパネル取付け面11aに押付けた状態で固定するための、押付け固定部材20を用いて、周方向に連設して支保体11に支持させた状態で各々取り付けられる。押付け固定部材20は、例えば1辺が60mm程度の大きさの矩形断面を有する角パイプからなり、各隣接する一対の支保体11のパネル取付け面11aの外側辺部の間の間隔よりも僅か長い、1100mm程度の長さを備えている。押付け固定部材20は、周方向に連設して配置された各々の被覆パネル部材13における、連設方向Yの縦幅の中央部分において、トンネルの延長方向Xに延設させると共に、隣接する一対の支保体11の各々と垂直に交差させるようにして取り付けられる。
【0036】
押付け固定部材20は、支保体11のパネル取付け面11aに固着されたナット部材21に螺着される、例えばリブ座金や締着ナットを備える固定ボルト部材22を当該ナット部材21に締め着けることにより、リブ座金との間に挟み込むようにして両側の端部を支保体11に締着することで、連設する被覆パネル部材13を、支保体11に押付けた状態で各々強固に固定しておくことができる。本実施形態では、隣接する一対の支保体11に跨るようにして設置される、周方向に連設する各々の段の被覆パネル部材13について、トンネルの延長方向Xに隣接する各一対の被覆パネル部材13を各々押え付ける押付け固定部材20を、被覆パネル部材13の縦幅方向の中央部分において上下にずらして配置することにより、これらの隣接する被覆パネル部材13の中央部に配置される支保体11に、これらの隣接する被覆パネル部材13を各々押え付ける一対の押付け固定部材20の端部を、一本の固定ボルト部材22によって、リブ座金を介して同時に締着できるようになっている。これらの押付け固定部材20、ナット部材21、固定ボルト部材22によって被覆パネル部材13を支保することができるので、1日の作業終了後に、これらの部材の内側に被覆パネル部材13を取付けるための部材が存在しなくなって、例えば車両限界を侵すことになるのを、確実に回避することが可能になる。
【0037】
押付け固定部材20及び固定ボルト部材22を用いて、支保体11のパネル取付け面11aに被覆パネル部材13を、複数、周方向に連設して取り付けることによって、各隣接する一対の支保体11により挟まれる部分には、取り付けられた被覆パネル部材13と、既存のトンネル覆工体55の内周面との間に、硬化性材料として好ましくは無収縮モルタル14が充填される空間56が形成される。被覆パネル部材13の背面側に、アンカー筋13eを取り付けておくことで、これらのアンカー筋13eを硬化性材料14が充填される空間56に突出させておくことができる。アンカー筋13eによって、被覆パネル部材13と、空間56に充填される無収縮モルタル14との一体性を高めることができる。被覆パネル部材13と無収縮モルタル14との一体性を効果的に高める観点、及び上下の被覆パネル部材13、13間で干渉しないようする観点から、L字状に折れ曲がった形状のアンカー筋13eは、折れ曲がり方向が、トンネルの延長方向Xに沿うように配置することが好ましい(図10(b)参照)。
【0038】
また、硬化性材料14が充填される空間56には、好ましくは被覆パネル部材13を支保体11のパネル取付け面11aに取り付けるのに先立って、内部に鉄筋(図示せず)を配設しておくこともできる。硬化性材料14が充填される空間56の内部に鉄筋が配設されていることにより、形成される補強用の覆工体58の強度を効果的に高めることができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、図1に示すように、湾曲断面形状部分を有する既存のトンネル覆工体55の下部から硬化性材料14が充填される空間56に突出して、硬化性材料14に埋設される下部アンカー部材29が取り付けられていることが好ましい。下部アンカー部材9は、例えばD19程度の太さの鉄筋棒からなり、硬化性材料14とトンネル覆工体55との界面のせん断耐力向上と両者の付着力向上による一体化を目的として、アンカー筋13eと同様に、L字状に折れ曲がった形状を備えている。下部アンカー部材9は、上記にように、好ましくは鉄筋コンクリート製セグメント又は合成セグメントによる既設のトンネル覆工体55のコンクリート部分に基部を埋設して固定された、アンカーボルトによるものとなっており、好ましくは折れ曲がり方向をトンネル50の周方向に沿わせた状態で、両側の側壁部の各々3箇所に固定される。既存のトンネル覆工体55の下部から硬化性材料14が充填される空間56に突出して、下部アンカー部材9が設けられていることにより、補強用の覆工体58の自重を含めた大きな荷重が作用する、補強用の覆工体58の下部と既存のトンネル覆工体55との界面を、効果的に補強し、且つ両者の連成構造を形成して強固な覆工体とすることが可能になる。
【0040】
本実施形態によれば、上述のようにして形成された、各隣接する一対の支保体11によって挟まれる部分における、周方向に連設して配置された被覆パネル部材13と既存のトンネル覆工体55との間の、1又は2以上の各空間56に、硬化性材料として好ましくは無収縮モルタル14を各々充填することにより、円形状の内周断面形状を備える既存のトンネル覆工体55の内周面を覆う、補強用の覆工体58による補強構造10を形成することができる。
【0041】
すなわち、周方向に連設して配置された複数の被覆パネル部材13のうちの、トンネル50の上部の天端部に配置される被覆パネル部材13’には、硬化性材料14を空間56に供給するためのモルタル供給孔13dが形成されているので(図1参照)、例えばこれらのモルタル供給孔13dにモルタルの供給配管(図示せず)を接続して、無収縮モルタル14を供給することにより、被覆パネル部材13と既存のトンネル覆工体55との間の空間56に、無収縮モルタル14を各々充填することができる。充填した無収縮モルタル14が硬化して被覆パネル部材13と一体化した時点で、被覆パネル部材13を支保体11に締着固定していた、固定ボルト部材22や押付け固定部材20を取り外すことにより、支保体11、複数の被覆パネル部材13、及び硬化した無収縮モルタル14が一体となった、既存のトンネル覆工体55の内周面を覆う補強用の覆工体58による補強構造10が、容易に形成されることになる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、内側にパネル取付け面11aを備える複数の支保体11を、湾曲断面形状部分を有する既設のトンネル覆工体55の内周部分の複数箇所に配置・固定された台座プレート部材12を介することで、トンネル50の延長方向Xに所定の間隔をおいて、周方向に延設させて取り付ける支保部材設置工程と、トンネルの延長方向Xに隣接する各一対の支保体11のパネル取付け面11aに跨るようにして、複数の被覆パネル部材13を、支保体11に支持させて周方向に連設して取り付けるパネル部材設置工程と、被覆パネル部材13と既存のトンネル覆工体55との間の空間に、支保体11と被覆パネル部材13と既設のトンネル覆工体55とを一体化させる硬化性材料14を充填する裏込め充填工程とを含んで構成される既設トンネルの補強方法によって、円形状の内周断面形状を備える既設のトンネル覆工体55を、効率良く且つ効果的に補強してゆくことが可能になる。
【0043】
そして、上述の構成を備える本実施形態の支保体の設置方法によれば、既設のトンネル覆工体55を補強する補強構造10を形成する際に、複数の支保体ピース11’を周方向に連結して形成される支保体11を、既設のトンネル覆工体55の内周面部分51に精度良く当接させて容易に設置することが可能になる。
【0044】
すなわち、本実施形態によれば、支保体11は、複数の支保体ピース11’を周方向に連結することによって形成されていると共に、好ましくは左右両側の2箇所の連結箇所18における周方向に隣接する支保体ピース11’間に、支保体11の周方向の長さを調整可能な伸縮ジャッキ17が取り付けられており(図5参照)、複数の支保体ピース11’を仮組みした状態で、支保体11をトンネル覆工体55の内周面に沿って配置した後に、連結箇所18の接合状態を開放し、伸縮ジャッキ17を伸長させることにより連結箇所18を離間させて(図6(a)参照)、当接面部11bをトンネル覆工体55の内周面部分55bに当接させ、さらに連結箇所18の離間部分に補助ピース19を介設して接合し直すことによって(図6(b)参照)、トンネル覆工体55に支保体11を圧着させた状態で固定するようになっている。
【0045】
これによって、本実施形態によれば、設置現場において複数の支保体ピースを周方向に連結して支保体11を設置する際に、仮組みした複数の支保体ピース11’間の所定の連結箇所18に設けた伸縮ジャッキ17を伸長させることにより、当該連結箇所18を離間させることで、支保体11の全体を拡径するように変形させることが可能なので、支保体11の当接面部11bをトンネル覆工体55の内周面部分55bにスムーズに且つ確実に、精度良く当接させることが可能になると共に、この状態で離間部分に補助ピース19を介設して接合し直すことによって、多くの手間を要することなく、支保体11を、効率良く荷重を支持できるように、容易に設置することが可能になる。
【0046】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の支保体の設置方法を採用して既設のトンネル覆工体が補強されるトンネルは、シールドトンネル以外の、山岳トンネルや、その他の種々のトンネルであっても良い。既設のトンネル覆工体の内周面に沿ってリング状に形成される支保体11は、インバート部を介在させた状態でリング状に形成されるものである必要は必ずしも無く、例えば図12に示すように、既設のトンネル覆工体が、インバート部のない下水道トンネル等の内周面を覆うものである場合に、円形に連続するリング状に形成されるものであっても良い。支保体の当接面部を圧着させるトンネル覆工体の内周面部分は、トンネル覆工体の内周面に取り付けられた台座プレート部材によるものである必要は必ずしも無く、トンネル覆工体の内周面自体を内周面部分として、支保体の当接面部を圧着させるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0047】
10 補強構造
11 支保体(I形鋼)
11’ 支保体ピース
11a パネル取付け面
11b 当接面部
12 台座プレート部材
12d 面板部
13 被覆パネル部材
14 無収縮モルタル(硬化性材料)
15 挟み込みプレート片
16 ボルトナット部材
17 伸縮ジャッキ
17a 支持ブラケット
18 連結箇所
19 補助ピース
50 トンネル
51 内周面部分
55 既設のトンネル覆工体
55a 内周面
56 空間
57 インバートコンクリート部
58 補強用の覆工体
X トンネルの延長方向
Y 被覆パネル部材の連設方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12