IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 外門 功の特許一覧 ▶ 住本 充弘の特許一覧

<>
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図1
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図2
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図3
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図4
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図5
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図6
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図7
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図8
  • 特開-RFID付きPTPの製造法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145368
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】RFID付きPTPの製造法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220926BHJP
   A61J 1/00 20060101ALI20220926BHJP
   A61J 1/03 20060101ALI20220926BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06K19/077 296
G06K19/077 280
G06K19/077 220
A61J1/00 410
A61J1/03 370
B65D25/20 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021078829
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】521192031
【氏名又は名称】外門 功
(71)【出願人】
【識別番号】508241370
【氏名又は名称】住本 充弘
(72)【発明者】
【氏名】外門 功
(72)【発明者】
【氏名】住本 充弘
【テーマコード(参考)】
3E062
4C047
【Fターム(参考)】
3E062AA20
3E062AC02
3E062AC03
3E062BA07
3E062BB02
3E062BB06
3E062BB10
3E062DA08
4C047AA25
4C047BB04
4C047BB08
4C047BB11
4C047BB28
4C047CC15
4C047DD26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医薬品用のPTP(press through pack)シートに付されたRFIDの読み取り距離を長くする。
【解決手段】錠剤等の包装用のPTPシ一卜上の金属箔を一部加工し、無線ICタグのアンテナとして利用する技術において、一枚のPTPのシートを、RFIDラベル6が取り付けられるサイズに打ち抜きシート打ち抜き部3を形成し、アルミ箔をアンテナに利用するため、アルミ箔とRFIDのアンテナの一部と重ね合わせて一体化し、アルミ箔部とRFIDのアンテナの一部が重なった部分7を形成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品包装のPTPのアルミ箔をUHF帯の920MHzのRFIDのアンテナとして利用する方法において、より通信距離を得るためにRFIDのアンテナ回路の一部をPTPのアルミ箔に重ね合わせてRFIDの通信距離を延ばすことを特徴したPTP。
【請求項2】
RFIDタグのサイズに合わせた空間をPTP成形シートの端面に作りアルミ箔とRFIDのアンテナの一端を貼り合わせた構造を有することを特徴とする請求項1記載のPTP。
【請求項3】
アルミ箔とRFIDが接着剤を介して一体化していることを特徴とする請求項1記載のPTP
【請求項4】
PTPにアルミ箔がなく蓋材が紙製あるいはプラスチックフィルム製の場合は、極小の金属でアンテナ代わりを貼るか、導電性印刷の個所にUHF帯の920MHzのRFIDを貼ることを特徴とする請求項1記載のPTP
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品のPTP(press through pack)の偽造防止及び製品管理のために非可視化できるUHF帯の920MHzのRFIDを複数錠包装されているPTPシートのデータの読み取り距離を長くするために、その一部を打ち抜くかあるいはシート材を成形してRFIDを取り付けることを特徴とするRFID付きPTPに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品の偽造品が流通しており、間違って服用すると健康を害する場合がある。偽造品防止のために各種の技術が利用されている。RFIDのUHF及びNFCの利用も行われており、医薬品、医療分野でも利用されている。PTPにRFIDを利用する事例はいくつか提案されているが、まだ普及度合いが低い。普及のために、より安価で、より製造しやすい方法が求められている。
【0003】
より製造しやすく、データを読む距離が長くて扱いやすいRFID付きのPTPが望まれている。PTPは非常に合理的な包装形態であり、医薬品をコンパクトに包装するには適している。偽造防止、調剤時に扱いやすいRFID付きPTPについて鋭意研究開発した結果、本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-60407号公報
【特許文献2】WO2015/020042A1
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】平成16年度特許出願技術動向調査報告書 ICタグ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献、特開2007-60407号公報の技術では、無線ICタグは、2.45GHz帯のマイクロ波を利用することが想定されている。無線ICタグのスロッ卜の長さが約50mmあるいは約25mm前後となっている。したがつて、インピーダンスマッチングを施したインレツ卜およびスペースパターンのサイズは比較的小さくて済む。アルミ箔をアンテナとして利用することは広く知られている。先行特許WO2015/020042A1では、、錠剤等の包装用のPTPシ一卜上の金属箔を一部加工し、無線ICタグのアンテナとして利用する技術において、波長の長いUHF帯の無線ICタグとして利用した場合にも、安定して十分な通信距離を確保することができる無線ICタグ付き包装体を提供することを目的としており、更に、その実施例は、複数のPTPシ一卜をまとめて収容した場合であっても通信可能とすることができる無線ICタグ付き包装体を提供することを目的とすると述べている。
【0007】
特許文献、WO2015/020042A1では、一実施例によるところ、所定のスロットパターンが形成された金属シ一卜、および樹脂シ一卜を有する包装部と、ICチップ、および該ICチップに電力を供給する電極部材を備えたICチップ部と、を有する無線ICタグ付き包装体であって、前記スロットパターンの端部が前記包装部のコーナ一領域に配置されることを特徴とする無線ICタグ付き包装体が提供されている。
【0008】
本発明は、UHF帯の920MHzのRFIDをPTPのアルミ箔の一部とRFIDのアンテナの一部を重ね合わせてアンテナの面積を大きくしRFIDの読み取り距離を延ばす構造を有するPTP及び製造法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、PTPのアルミ箔をRFIDのアンテナとして利用するものである。アルミ箔は17μmあるいは20μmが使用され、その構成は、オーバーコートニス(OP)/印刷/アルミ箔/印刷/ヒートシール剤の構成である。
【0010】
PTPの1枚のシート図1の1には複数の医薬品の錠剤が図1の2に示すように包装されている。PTPシートのサイズは、錠剤の大きさや1シートの錠剤数によって異なる。PTPシートは、250μm前後のPVCあるいはPP(ポリプロピレン)、PVC/アクラーフィルム、PVC/PVDCコートが必要とする水蒸気透過度を勘案して使用されている。
【0011】
RFIDは、UHF帯の920MHzを利用することができ、PETフィルム50μm前後の厚さの上にICチップ及びアンテナが形成されている。アンテナは、価格面でアルミ箔が使用されている。
RFIDの構成は、PETフィルム/アンテナ+ICチップ/PETフィルム/粘着剤(接着剤)の構成である。
【0012】
RFIDのアンテナの一部とPTPのアルミ箔の粘着剤を介して重ね合わせて接着させるため、図2の3に示すように打ち抜く。その部分に図3のRFIDのアンテナの一部を重ね合わせ。図4の7のようになる。
【0013】
PTPシートを打ち抜く代わりに、重ね合わせ部を打ち抜かないで、この部分を成形して図5に示すPTPの断面のように、RFIDのアンテナとアルミ箔を部分的に重ね合わせても良い。
【0014】
PTP生産時は、図6に示すように横に2列並んで成形・錠剤充填・アルミ箔シールが行われ、例えば10錠単位で1枚のシートに打ち抜かれる。この時に同時にRFIDを貼り付ける部分を打ち抜き、インラインあるいは別ラインでRFIDを本発明に基づき取り付ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明の結果、RFID付きのPTPは、1枚のシートごと製品が管理でき、製品名、製造年月日、ロット番号、服用期限がRFIDのリーダーで確認できる。
【0016】
製品在庫管理とRFIDを紐づけして偽造医薬品対策としても利用でき、患者の健康被害を防止できる。
【0017】
RFIDを読み取ることで、どこで販売されたか、あるいは医師あるいは介護者がリーダーでアクセスして薬の公開情報を知ることができ、服薬管理にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態を行う前の通常のPTPの平面図
図2】本発明の実施形態を行うためのRFID取り付け部分を打ち抜いた状態のPTP平面図
図3】本発明に使用する13.56MHz、NFC,の平面図
図4】本発明の実施例でPTPのアルミ箔とRFIDのアンテナ部の一部を重ね合わせた部分
図5】本発明の実施例でPTPのシートを成形してその部分でPTPのアルミ箔とRFIDのアンテナ部の一部を重ね合わせた部分の断面図
図6】本発明を実施する例でRFID貼り付け部が両サイドにある例
図7】本発明を実施する例でPTP製造時にアルミ箔を節約するため、必要幅でヒートシールした平面図
図8】本発明を実施する例でPTPの蓋材が紙あるいはプラスチックフィルムの場合に金属箔を部分的に貼った平面図
図9】本発明を実施する例でPTPの蓋材が紙あるいはプラスチックフィルムの場合に導電性インキを部分的に印刷した平面図
【発明を実施するための形態】
【実施例0019】
CKD社のPTP成形充填機、FBP-300Eにて成形シートとしてPVC250μm、アルミ箔蓋材としてアルミ箔20μmに所定の印刷及びHS剤コート品を使用し、打抜きシート数250ショット/分で錠剤を詰めた。この時にPVCシートの両サイドに図6に示すようにPTPの1枚シートに抜くときに同時にRFIDをセットする部分を抜いた。その後、別ラインでRFIDをPTPにセットしRFID付きのPTPを製造した。この時にRFIDに製品名、製造年月日、製造番号を入力した。入力データは同じラインで読み取り、正しく入力されていることを確認した。
【0020】
CKD社のPTP成形充填機、FBP-300Eにて成形シートとして、両面アルミタイプを使用し、[0019]と同様に充填包装を行い、抜いた部分に別ラインでRFIDをPTPにセットしRFID付きのPTPを製造した。この時にRFIDに製品名、製造年月日、製造番号を入力した。入力データは同じラインで読み取り、正しく入力されていることを確認した。
【0021】
PTPのアルミ箔蓋材が成形シートの一部にヒートシールされないようにアルミ箔を節約してPTPシートを製造した。この場合は、RFIDタグのアンテナの一部をアルミ箔の端面で重なり合うように貼り付けた。図7に平面図を示す。
【0022】
PTPの蓋材は、紙あるいはプラスチックフィルムが使用されている場合もある。この場合を想定してアルミ箔15μmを、接着剤を介して紙あるいはプラスチックフィルムの端面に近い部分にあり合わせ、その上からRFIDタグを貼り付けた。アルミ箔は15μmにこだわらない。入手可能な7~20μmあるいはそれ以上の厚さでも構わない。接着剤は、包装材料に使用する強粘着接着剤、あるいはスポット的にドライラミネート接着剤を塗布して貼り合わせても良い。ラベラーで所定位置にアルミ箔ラミネートのラベルを貼っても良い。図8に平面図を示す。
【0023】
PTPの蓋材は、紙あるいはプラスチックフィルムが使用されている場合もある。この場合を想定して銀を含む導電性インキを紙あるいはプラスチックフィルムの上に任意の幅、3mmに印刷した。この部分とRFIDタグのアンテナの一部が重なるようにRFIDタグを貼り付けた。使用インキは東洋インキのRA FS FD 076、UV硬化インキ、体積低効率4×10-5Ω・cmを使用したが、類似のインキは多数あり、それらを利用しても良い。図9に平面図を示す。
【0024】
使用済みのPTPは病院内で回収、あるいは患者が薬局などの所定の回収ボックスに入れれば、PVC、アルミ箔、RFIDは剥離処理を行い分別できる。RFIDは分解が難しく、また再利用での誤作動を防ぐため、焼却処分とするが、PVCやアルミ箔は別途再生し再利用可能である。PTPのPVCとアルミ箔の分離は実際現在行われている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
RFID付きのPTPは、各社から独自の形態で提案されている。いずれも偽造防止、製造確認ができ、データの書き換えも可能である。薬局の店頭では、箱に入ったまま、リーダーで箱の中のPTPシート、例えば、5シートのデータ、UID((Unique Item identification)を読みとり、欠品及び偽造品でないことが確認できる。
【符号の説明】
【0026】
1---PTPシート
2---錠剤
3――シート打ち抜き部
4――RFIDのアンテナ
5――ICチップ
6――RFIDラベル
7――PTPのアルミ箔部とRFIDのアンテナの一部が重なった部分
8――連続した生産時のPTP
9――アルミ箔が成形底材にヒートシールされている幅
10――成形シート
11――RFIDのアンテナの一部がアルミ箔蓋材と部分的に重なりあう予定の部分
12――PTPの蓋材が紙またはプラスチックフィルムの場合
13――PTPの蓋材が紙またはプラスチックフィルムの場合に部分的に金属箔を貼った部分
14――PTPの蓋材が紙またはプラスチックフィルムの場合に部分的にアンテナ部と重なるように導電性インキで印刷した部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9