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▶ 溝端 信喜の特許一覧

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  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図1
  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図2
  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図3
  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図4
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  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図8
  • 特開-エリザベスカラー用サイズ調整器具 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145372
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】エリザベスカラー用サイズ調整器具
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A01K13/00 N
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021078833
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】517317152
【氏名又は名称】溝端 信喜
(72)【発明者】
【氏名】溝端 信喜
(57)【要約】
【課題】スナップボタン式のエリザベスカラーはボタンの間隔でしかボタンを留められず、サイズの微調整ができないため、装着対象動物からエリザベスカラーが脱げてしまったり、きつすぎて装着できないなど、意図したサイズでの調整が難しい問題があったが、サイズの調整器具を加えることによりこれを解決する。
【解決手段】スナップボタンの単体部品である、凸側のボタン、凹側のボタンを表裏に打ち込む特徴を持つベルト状のサイズ調整器具(エ)を形成し、本来エリザベスカラー本体で凸3bと凹4bとで噛み合せる予定だったものに、サイズ調整器具の凸1aと凹4b、凹2aと凸3bをそれぞれ組み合わせ、意図的なボタン位置のズレによりサイズ調整を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スナップボタンの単体部品である凸側のボタン、凹側のボタンを表裏に打ち込みベルト状に形成し、エリザベスカラーに組み合わせ、本来のボタン一致する場所からボタン位置をずらすことによって動物の首周りに当たる部分だけサイズの調整をするエリザベスカラー用サイズ調整器具。
【請求項2】
ボタンをずらす方向をサイズ調整に直接影響する横方向だけでなく、斜め下方向にずらす事でエリザベスカラーの変形を外側にそらす形にするボタンの配置特徴を持つ請求項1に記載するエリザベスカラー用サイズ調整器具。
【請求項3】
ボタンを追加しサイズの延長器具としても機能する請求項1に記載するエリザベスカラー用サイズ調整器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本案件は動物の手術や傷口の治療等に必要なエリザベスカラーのサイズ調整に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より動物が手術後などに傷口や幹部、発疹などを舐めて悪化させたりしないために使用されるエリザベスカラーにおいて、スナップボタン式のエリザベスカラーはボタンが決められた配置であることから、ボタンの間隔でしかボタンを留められずサイズの微調整ができないため、装着対象動物からエリザベスカラーが脱げてしまったり、きつすぎて装着できないなど、意図したサイズでの調整が難しい問題があった。
【0003】
図4(カ)や特許文献1で示す従来のエリザベスカラーはボタンが3箇所並んでおり、3段階のサイズ調整が可能である。しかし3段階では不十分な部分もあった。既製品ではS,M,L,XLの固有規格によりボタンの間隔が3cm~7cmの幅があり、細かいサイズ調整ができなかった。動物の毛の柔らかさに頼って装着している事が実態であり、毛の短い動物ほどサイズが合いにくい問題がある。
【0004】
動物は生き物なので短い期間に太ったり冬毛に増えたりサイズが変わることがある。一日の中でも活動的な日中に使用する時、就寝中に使用する時、適切なサイズというのは変わるものである。適切なサイズでない場合は動物に対してストレスを与えている事が実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5186640号(段落番号0015 図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、スナップボタン式のエリザベスカラーに於いて、決められたボタン配置以外の箇所でボタンを留め、より細かいサイズ調整ができるようにすることである。これによって動物の様々な個体に対応しやすくなり、装着対象動物もストレスが少なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
スナップボタンの単体部品である、凸側のボタン、凹側のボタンを表裏に打ち込む特徴を持つベルト状のサイズ調整器具。これをエリザベスカラーに組み合わせ、本来のボタン一致する場所からボタン位置をずらすことによって動物の首周りに当たる部分だけサイズ調整をする。ボタンを追加し、サイズ調整だけでなくサイズの延長器具としても機能する。
【発明の効果】
【0008】
サイズ調整器具を加えることによって、エリザベスカラー本体のボタン間隔以外の細かいサイズ調整でボタンを留める事ができる。適切なサイズで装着する事で装着対象動物の負担が少なくて済む。
【0009】
本来エリザベスカラーの綺麗な立体(円錐の先端を切ったメガホン型)を作ろうとすれば、円が広い動物の鼻先方向に設置されるボタンと円が狭い首周りのボタンの上下均等にボタン配置が必要なために、動物の鼻先方向のボタンに対するサイズ調整器具も検討しなければならないが、本案件は動物の鼻先方向のボタンに対するサイズ調整器具は必要とせず首周りのサイズ調整器具だけを使用する事から重さを小さくおさえ、取り付ける人間の装着の手間も少なくて済む。
【0010】
サイズ調整器具はサイズの延長器具としても機能する。エリザベスカラーの装着対象動物の中には、首周りだけ太い犬種や猫種などもいる。市販のエリザベスカラーはS、M、L、XLなどの固有規格があるが、動物の種類、個体によっては、首周りだけ長さが足りない事も多い。その場合、重くて大きい規格のエリザベスカラーに変えずに済むことができ、装着対象動物の負担も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】サイズ調整器具の平面図表側、側面図、平面図裏側
図2】サイズ調節器具とエリザベスカラーの取付けボタン番号を示す図
図3】サイズ調節器具をエリザベスカラーと動物に装着させた時の斜視図
図4】従来のエリザベスカラーとサイズ調整器具をつけた時のエリザベスカラーのボタン位置の比較図。
図5】エリザベスカラーを立体にした時のボタン位置関係を示す斜視図
図6】エリザベスカラーの変形を外側にそらす斜め下方向のボタン配置において、動物が装着した際の真横から見た断面図とその拡大図
図7】ボタンの配置が斜め下方向でない不採用の試作において動物が装着した際の真横から見た断面図とその拡大図
図8】従来のエリザベスカラーとサイズ調整器具を延長器具としての使い方を示したボタン位置の比較図
図9】サイズ延長器具としての最大幅の使い方を示す図
【実施例0012】
本案件では立体で形成されるエリザベスカラーにおいて首周りの部分だけボタンの位置をずらすため、硬く少しの変形も許さない素材では実現できない。本案件では動物の鼻先方向の部分が透明のプラスチック素材、首周り部分が曲げやすいウレタン素材で組み合わさって作られたエリザベスカラーをモデルにする。サイズ調整器具は曲げやすく伸縮性の少ない合成革を使用する。麻布もその特徴を有するため素材として適合する。
【0013】
図4はエリザベスカラー本来の立体(カ)(メガホン型)とサイズ調整器具を取りつけた際の一部変形した立体(キ)のボタン位置の比較図である。スナップボタン式のエリザベスカラーは立体にした時に、図の上側の動物の鼻先方向のボタン、下の首周りボタンに対する配置位置は本来それぞれ決まっているものである(ボタンC1とB1、C3とB3、C5とB5)。これにサイズ調整器具(ク)を組み合わせる。サイズ調整器具(ク)のA1、A3、A5のボタンの位置で正確に留まるところ、斜め下方向にあるA2、A4、A6でボタン位置をずらしてサイズ調整する。
【0014】
図5は首周り側から見た視点でのボタン位置関係を示す斜視図である。曲げやすい素材でもサイズ調整に直結する横方向の位置関係が変わらず、視覚的に分かりやすいようボタン設置点A2とA4を最大限曲げて広げている。既成品で本来A1でとめる位置をA2が横方向にずれている分、サイズを伸ばしたものになる。この時サイズ調整器具をつけていても動物の鼻先方向のボタンC1の位置は変わらない。次のサイズが適切な場合はサイズ調整器具を外したC3のエリザベスカラーが元々備え付けているサイズ段階を選択する。
【0015】
図6は動物が装着した際の真横から見た断面図とその拡大図である。ボタンを留めるために重ね合わせ首周り外側を周るウレタンに設置している凸ボタン(B3)とサイズ調整器具の斜め下方向にずらした凹ボタン(A4)を噛み合わせる。組み合わさった両者が外側下方向に引っ張る形で力が加わりエリザベスカラーの本体の一部分を外側にそらす形で変形させる。
【0016】
サイズ調整器具を装着した時点で立体を形づくるプラスチックとウレタンが元の形に戻ろうとする力、サイズ調整器具によってボタンに距離をおこうとする力があり、もしサイズ調整器具のボタン位置を真横もしくは斜め上方向にずらした場合、力の作用によりウレタンと一緒にボタンが内側に巻き込まれ(図7)ボタンが鋭利な角度で装着動物にあたると動物の皮膚が擦れてしまったり新たな傷の要因になってしまう可能性がある。これを防ぐために、ボタン位置をサイズ調整に必要な横方向に加え、斜め下方向にずらす事によってエリザベスカラーの変形を外側にそらす形になるようルールつけする。
【0017】
本案件のサイズ調整器具はボタン幅の中間の位置取りでのサイズ調整だけでなく、サイズの延長器具の機能を有する。図4(ク)のサイズ調整器具(A7)の位置にボタンを追加した。図8において既製品(ケ)ではB1の位置が最大の首周り幅の調整のところ、サイズ調整器具を使用した場合にはA6、A7の二段階にサイズを延長する事ができる。
【0018】
図9においてサイズ調整器具は独立した物体である事から、3箇所留めるボタン位置に限らずボタン位置を変更をする事ができ、理論上はボタン間の組み合わせの長さが最大となるA1からA7までのサイズ延長が可能である。
【符号の説明】
(ア)…サイズ調整器具平面図表側
(イ)…サイズ調整器具側面図
(ウ)…サイズ調整器具平面図裏側
(エ)…サイズ調整器具
(オ)…エリザベスカラー
(カ)…従来のエリザベスカラー
(キ)…サイズ調整器具を装着時のエリザベスカラー
(ク)…サイズ調整器具におけるボタンの位置
(ケ)…従来のエリザベスカラー最大の首周り幅を示す
(コ)…サイズ調整器具によりサイズを延長した使い方のエリザベスカラー
1a、2a、3b、4b…サイズ調整器具を装着する際のボタンのまとまり
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7…サイズ調整器具のボタン位置番号
B1、B2、B3、B4、B5、B6…エリザベスカラー本体の首周りのボタン位置番号
C1、C3、C5…エリザベスカラー本体の鼻先方向のボタン位置番号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9