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特開2022-145393日程調整装置、日程調整方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145393
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】日程調整装置、日程調整方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220927BHJP
【FI】
G06Q10/10 344
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094279
(22)【出願日】2021-06-04
(62)【分割の表示】P 2021046719の分割
【原出願日】2021-03-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (A1)令和2年3月22日掲載,サービスサイト(https://eeasy.jp/login) (A2)令和2年3月22日掲載,サービスサイト(https://eeasy.jp/) (B1)令和2年5月12日掲載,ニュースページ(https://eeasy.jp/news/n0011) (B2)令和2年6月25日掲載,ニュースページ(https://eeasy.jp/news/n0013) (B3)令和2年6月30日掲載,ニュースページ(https://eeasy.jp/news/n0014) (B4)令和2年9月25日掲載,ニュースページ(https://eeasy.jp/news/n0015) (B5)令和2年11月25日掲載,ニュースページ(https://eeasy.jp/news/n0016) (C1)令和2年5月12日掲載,プレスリリース(https://www.atpress.ne.jp/news/212281) (C2)令和2年6月25日掲載,プレスリリース(https://www.atpress.ne.jp/news/216203) (C3)令和2年11月25日掲載,プレスリリース(https://www.atpress.ne.jp/news/236592) (D1)令和2年5月12日掲載,プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000057389.html) (D2)令和2年6月30日掲載,プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000057389.html) (D3)令和2年9月25日掲載,プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000057389.html) (E1)令和2年10月29日掲載,紹介記事(https://mitsu-karu.com/single-document/?f=3850&a=) (E2)令和2年10月29日掲載,ダウンロード提供用資料 (F1)令和2年12月24日掲載,紹介記事(https://dl.liskul.com/article/?id=1000737) (F2)令和2年12月24日掲載,ダウンロード提供用資料
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (G1)令和3年1月20日掲載,紹介記事(https://news.mynavi.jp/itsearch/product/communication/628) (G2)令和3年1月20日掲載,ダウンロード提供用資料 (H1)令和3年2月15日掲載,サービス紹介ページ(https://symphonict.nesic.co.jp/eeasy/)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521090874
【氏名又は名称】株式会社E4
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 太一朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】 同一組織に属する人の中から会合への参加者を自由に選択したり、同一組織に属する人が利用可能な会場の中から会合に利用する会場を自由に選択したりして、ダブルブッキングすることなく会合の日程調整を容易に行う。
【解決手段】 日程調整装置は、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者及び所属者が使用する会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部を備え、前記認証部は、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、所属者情報及び会場情報を、前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日程調整装置であって、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、を備え、
前記認証部は、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定部は、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する
日程調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載の日程調整装置であって、
前記認証部は、
前記調整開始者が前記外部システムに対する自身のユーザアカウントを用いて前記日程調整装置に初めてログインした場合、前記調整開始者が前記ログインに用いた前記ユーザアカウントを用いて前記外部システムに対して第2の認証処理を行い、前記第2の認証処理が成功し、且つ、前記調整開始者が前記ログインに用いた前記ユーザアカウントが前記外部システムから取得した前記所属者情報に含まれていることを確認した場合、前記調整開始者を前記日程調整装置のユーザとして前記所属者情報に関連付ける
日程調整装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の日程調整装置であって、
前記調整条件設定部は、
前記調整条件を設定するための条件設定画面を前記調整開始者が用いる第1の端末装置に表示させ、前記条件設定画面に対する前記調整開始者の入力に応じて前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
前記外部システムが管理する前記参加者のスケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程を第1の候補日程として抽出し、
抽出した前記第1の候補日程を編集するための日程編集画面を前記第1の端末装置に表示させ、前記日程編集画面に対する前記調整開始者の入力に応じて編集された第2の候補日程を決定し、
前記日程調整画面への前記アクセス情報を発行し、
前記アクセス情報に基づいて前記調整相手が用いる前記第2の端末装置がアクセスしてきた場合、前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程であり、且つ、前記第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出し、
抽出した前記第3の候補日程を表す前記日程調整画面を前記第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記第3の候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する
日程調整装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の日程調整装置であって、
前記調整条件設定部は、
調整条件雛形を作成するための雛形作成画面を前記調整開始者が用いる第1の端末装置に表示させ、
前記雛形作成画面に対する前記調整開始者の指定に応じて、異なる会合の日程調整に対して繰り返し使用できる前記調整条件雛形、及び前記調整条件雛形に対応する前記アクセス情報を登録する
日程調整装置。
【請求項5】
請求項4に記載の日程調整装置であって、
前記調整条件設定部は、
予め作成された前記調整条件雛形を選択するための雛形一覧画面を前記第1の端末装置に表示させ、前記雛形一覧画面に対する前記調整開始者の選択に応じて、選択した前記調整条件雛形に対応するアクセス情報を前記調整開始者に表示する
日程調整装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の日程調整装置であって、
前記参加者は、前記調整開始者自身である、または、前記調整開始者以外であって前記調整開始者と同一の前記組織に属する前記所属者である
日程調整装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の日程調整装置であって、
前記日程調整部は、前記調整条件として複数の前記参加者が指定された場合、
前記アクセス情報に基づいて前記調整相手がアクセスしてきたことに応じ、前記外部システムが管理する前記参加者全員の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者全員の共通の空き日程である前記候補日程を抽出する
日程調整装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の日程調整装置であって、
前記日程調整部は、前記調整条件として複数の前記参加者が指定された場合、
前記アクセス情報に基づいて前記調整相手がアクセスしてきたことに応じ、前記外部システムが管理する前記参加者全員のスケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者全員のうちの少なくとも1名の空き日程である前記候補日程を抽出する
日程調整装置。
【請求項9】
日程調整装置であって、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、を備え、
前記認証部は、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定部は、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する
日程調整装置。
【請求項10】
請求項9に記載の日程調整装置であって、
前記調整条件設定部は、
前記調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された複数の選択会場を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記複数の選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記複数の選択会場のうちの少なくとも1つの会場の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる前記第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
前記外部システムが管理する、前記複数の選択会場のうちの決定した前記会合日程が空き日程である前記選択会場の前記スケジュール情報に決定した前記会合日程を登録する
日程調整装置。
【請求項11】
日程調整装置による日程調整方法であって、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証ステップと、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定ステップと、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整ステップと、を含み、
前記認証ステップは、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定ステップは、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整ステップは、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する
日程調整方法。
【請求項12】
日程調整装置として機能させるコンピュータに、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、して機能させ、
前記認証部は、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定部は、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する
プログラム。
【請求項13】
日程調整装置による日程調整方法であって、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証ステップと、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定ステップと、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整ステップと、を含み、
前記認証ステップは、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定ステップは、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整ステップは、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する
日程調整方法。
【請求項14】
日程調整装置として機能させるコンピュータを、
前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、
会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、
前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、して機能させ、
前記認証部は、
前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、
前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、
前記調整条件設定部は、
前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、
前記日程調整部は、
アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、
抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、
決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日程調整装置、日程調整方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスにおける会合の日程調整は、各参加者のスケジュールを確認したり、会場を確保したりする等の数多くの手順があるため、非常に面倒で手間の掛かる作業である。
【0003】
なお、参加者のスケジュール確認については、昨今、多くのビジネスパーソンがインターネット上に提供されているカレンダツールを用いて予定を管理しているため、該カレンダツールを参照することが考えられる。
【0004】
カレンダツールに関連し、例えば、特許文献1には「インターネットを介してスケジュール情報を配信し共有するシステムの会員であって、スケジュール情報の配信を申請する複数の申請者、及び配信のスケジュール情報を利用する複数の利用者が、それぞれ入会登録するステップ、スケジュール管理を行なうスケジューラが以下に実行するステップであって、前記申請者により前記スケジュール情報を前記利用者に公開して配信するステップ、前記利用者により、前記公開されたスケジュール情報の配信を所望する対象を登録するステップ、及び前記利用者の登録された所望配信対象に基づき、これに関連する前記スケジュール情報を、すべての利用者端末のカレンダに同期してプリセットするステップ、を含むスケジュール情報共有方法。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-219831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、システムの会員である複数の利用者が互いにスケジュール情報を共有することができるので、会合の日程調整に利用できる。しかしながら、該システムを使用したとしても、打合わせ等の参加者のスケジュールは時々刻々と更新、変更され得るため、各参加者それぞれの既存予定と、会合の開催時刻が重複することなく、すなわち、ダブルブッキングすることなく会合の日程調整を行うことは困難である。
【0007】
また、企業に属する社員が共通のカレンダツールを利用していることを前提とし、該カレンダツールと連携して、会合の日程調整を行う日程調整ツールは存在する。しかしながら、従来の日程調整ツールは、カレンダツール上の管理者権限を有さない一般社員のアカウントだけで利用できるようになることを前提としているため、管理者権限を有するアカウントを使用しないと取得できないカレンダツール上の情報を取得したり、活用したりする仕組みを持たない。そのため、該日程調整ツールにおいて、会合の参加者に指定できるのは、該日程調整ツールを利用している社員、及び該社員に対してスケジュール情報を意図的に特別な設定によって共有させている一部社員に限られてしまう。また、該日程調整ツールでは、日程調整時に確保する会合の会場(会議室等)として、会場を全く選択できないか、選択できたとしても一部の会場に限られる。つまり、会合の同席者として同じ企業の社員を自由に選択する、会合で使用する会場を自由に選択する、といったカレンダツール上の予定の登録操作において可能なことが、従来の日程調整ツールを使用した日程調整時には実現できない。
【0008】
本発明は、このような現状を鑑みてなされたものであり、同一組織に属する人の中から会合への参加者を自由に選択し、ダブルブッキングすることなく、会合の日程調整を容易に行えるようにすること、また、同一組織に属する人が利用可能な会場の中から会合に利用する会場を自由に選択し、ダブルブッキングすることなく、会場の確保を含む会合の日程調整を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る日程調整装置は、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、を備え、前記認証部は、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定部は、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整部は、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する。
【0011】
前記認証部は、前記調整開始者が前記外部システムに対する自身のユーザアカウントを用いて前記日程調整装置に初めてログインした場合、前記調整開始者が前記ログインに用いた前記ユーザアカウントを用いて前記外部システムに対して第2の認証処理を行い、前記第2の認証処理が成功し、且つ、前記調整開始者が前記ログインに用いた前記ユーザアカウントが前記外部システムから取得した前記所属者情報に含まれていることを確認した場合、前記調整開始者を前記日程調整装置のユーザとして前記所属者情報に関連付けることができる。
【0012】
前記調整条件設定部は、前記調整条件を設定するための条件設定画面を前記調整開始者が用いる第1の端末装置に表示させ、前記条件設定画面に対する前記調整開始者の入力に応じて前記調整条件を設定することができ、前記日程調整部は、前記外部システムが管理する前記参加者のスケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程を第1の候補日程として抽出し、抽出した前記第1の候補日程を編集するための日程編集画面を前記第1の端末装置に表示させ、前記日程編集画面に対する前記調整開始者の入力に応じて編集された第2の候補日程を決定し、前記日程調整画面への前記アクセス情報を発行し、前記アクセス情報に基づいて前記調整相手が用いる前記第2の端末装置がアクセスしてきた場合、前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程であり、且つ、前記第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出し、抽出した前記第3の候補日程を表す前記日程調整画面を前記第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記第3の候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録することができる。
【0013】
前記調整条件設定部は、調整条件雛形を作成するための雛形作成画面を前記調整開始者が用いる第1の端末装置に表示させ、前記雛形作成画面に対する前記調整開始者の指定に応じて、異なる会合の日程調整に対して繰り返し使用できる前記調整条件雛形、及び前記調整条件雛形に対応する前記アクセス情報を登録することができる。
【0014】
前記調整条件設定部は、予め作成された前記調整条件雛形を選択するための雛形一覧画面を前記第1の端末装置に表示させ、前記雛形一覧画面に対する前記調整開始者の選択に応じて、選択した前記調整条件雛形に対応するアクセス情報を前記調整開始者に表示することができる。
【0015】
前記参加者は、前記調整開始者自身である、または、前記調整開始者以外であって前記調整開始者と同一の前記組織に属する前記所属者であるようにすることができる。
【0016】
前記日程調整部は、前記調整条件として複数の前記参加者が指定された場合、前記アクセス情報に基づいて前記調整相手がアクセスしてきたことに応じ、前記外部システムが管理する前記参加者全員の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者全員の共通の空き日程である前記候補日程を抽出することができる。
【0017】
前記日程調整部は、前記調整条件として複数の前記参加者が指定された場合、前記アクセス情報に基づいて前記調整相手がアクセスしてきたことに応じ、前記外部システムが管理する前記参加者全員のスケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者全員のうちの少なくとも1名の空き日程である前記候補日程を抽出することができる。
【0018】
本発明の他の態様に係る日程調整装置は、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、を備え、前記認証部は、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定部は、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整部は、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する。
【0019】
前記調整条件設定部は、前記調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された複数の選択会場を含む前記調整条件を設定することができ、前記日程調整部は、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記複数の選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記複数の選択会場のうちの少なくとも1つの会場の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる前記第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、前記外部システムが管理する、前記複数の選択会場のうちの決定した前記会合日程が空き日程である前記選択会場の前記スケジュール情報に決定した前記会合日程を登録することができる。
【0020】
本発明のさらに他の態様に係る日程調整方法は、日程調整装置による、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証ステップと、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定ステップと、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整ステップと、を含み、前記認証ステップは、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定ステップは、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整ステップは、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する。
【0021】
本発明のさらに他の態様に係るプログラムは、日程調整装置として機能させるコンピュータに、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、して機能させ、前記認証部は、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する所属者情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定部は、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記所属者情報に基づく所属者一覧の中から選択された前記会合への参加者を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整部は、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記参加者の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記参加者の前記スケジュール情報に登録する。
【0022】
本発明のさらに他の態様に係る日程調整方法は、日程調整装置による、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証ステップと、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定ステップと、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整ステップと、を含み、前記認証ステップは、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定ステップは、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整ステップは、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する。
【0023】
本発明のさらに他の態様に係るプログラムは、日程調整装置として機能させるコンピュータを、前記日程調整装置の会員である組織に属する所属者が会合に用いる会場のスケジュール情報を管理する外部システムに対して認証処理を行う認証部と、会合に関する調整条件を設定する調整条件設定部と、前記調整条件に基づいて会合日程の調整を行う日程調整部と、して機能させ、前記認証部は、前記外部システムの管理者権限アカウントを用いて前記外部システムに対して第1の認証処理を行い、前記第1の認証処理が成功した後、前記外部システムの管理者権限を有さないアカウントでは取得できない情報を含む、前記外部システムが管理する会場情報を前記管理者権限アカウントを用いて前記外部システムから取得し、前記調整条件設定部は、前記組織の前記所属者であり、且つ、前記日程調整装置のユーザである調整開始者の入力に応じて、前記会場情報に基づく会場一覧の中から選択された選択会場を含む前記調整条件を設定し、前記日程調整部は、アクセス情報に基づいて、調整相手がアクセスしてきた場合、前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報を参照して、前記調整条件を満たす前記選択会場の空き日程である候補日程を抽出し、抽出した前記候補日程を表す日程調整画面を前記調整相手が用いる第2の端末装置に表示させ、前記日程調整画面に対する前記調整相手の選択操作に応じて前記候補日程から会合日程を決定し、決定した前記会合日程を前記外部システムが管理する前記選択会場の前記スケジュール情報に登録する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、同一組織に属する人の中から会合への参加者を自由に選択し、ダブルブッキングすることなく、会合の日程調整を容易に行うことができる。また、同一組織に属する人が利用可能な会場の中から会合に利用する会場を自由に選択し、ダブルブッキングすることなく、会場の確保を含む会合の日程調整を容易に行うことができる。
【0025】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る日程調整システムの構成例を示す図である。
図2図2は、会員情報、ユーザ情報、調整条件雛形情報、及び日程調整情報それぞれの一例を示す図である。
図3図3は、日程調整システムによる利用登録時の処理の一例を説明するシーケンス図である。
図4図4は、日程調整システムによる日程調整処理の一例(カスタム調整)を説明するシーケンス図である。
図5図5は、条件設定画面の表示例を示す図である。
図6図6は、日程編集画面の表示例を示す図である。
図7図7は、日程調整画面の表示例を示す図である。
図8図8は、日程確認画面の表示例を示す図である。
図9図9は、日程通知画面の表示例を示す図である。
図10図10は、調整条件雛形作成処理の一例を説明するシーケンス図である。
図11図11は、雛形一覧画面の表示例を示す図である。
図12図12は、雛形作成画面の表示例を示す図である。
図13図13は、雛形作成画面の表示例を示す図である。
図14図14は、日程調整システムによる日程調整処理の他の一例(調整条件雛形使用)を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、一実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合、及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0028】
<本発明の一実施形態に係る日程調整システム10>
図1は、本発明の一実施形態に係る日程調整システム10の構成例を示している。
【0029】
該日程調整システム10は、会合の日程調整を支援するためのものである。日程調整システム10は、ネットワーク11を介して接続された日程調整装置20、外部システム30、及び端末装置40A,40M,40Xを含む。
【0030】
ネットワーク11は、インターネット、携帯電話通信網等に代表される双方向通信網である。
【0031】
日程調整装置20は、調整開始者Aからの要求に応じ、調整相手Xと会合の日程調整を行うものである。なお、会合には、調整開始者A、調整開始者Aが属する組織(企業等。後述する法人会員)の所属者B,C,D等(調整開始者Aが属する組織のシステム管理者Mを含む)、及び調整相手Xの参加が想定される。ただし、本明細書において、会合の「参加者」を、実際に会合に参加する人のうち、調整開始者A、及び調整開始者Aが属する組織の所属者と定義し、会合に参加する調整相手Xは「参加者」に含まない(「参加者」と称しない)ものとする。
【0032】
外部システム30は、Webアプリケーションとしてのカレンダツール31を有償または無償で一般消費者や法人等に広く提供しているシステムを指す。カレンダツール31としては、例えば、Googleカレンダー(商標)やMicrosoft Outlook(商標)を採用できる。カレンダツール31は、カレンダツール31の利用者の行動予定や、利用者が利用可能な会合の会場の予約状況が登録されているスケジュール情報311を保持する。
【0033】
調整開始者Aが用いる端末装置40Aは、ネットワーク11を介して日程調整装置20に接続可能なパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の一般的なコンピュータからなる。同様に、システム管理者Mが用いる端末装置40M、及び調整相手Xが用いる端末装置40Xは、一般的なコンピュータからなる。端末装置40Aは本発明の第1の端末装置に相当し、端末装置40Xは本発明の第2の端末装置に相当する。
【0034】
なお、本実施形態においては、会合に参加する調整相手Xが端末装置40Xを操作することにしているが、実際には調整相手Xの代理人(秘書等)が端末装置40Xを操作してもよい。また、調整開始者Aが、自身と同じ組織(後述する法人会員)の所属者の中から複数の参加者を選択し、調整開始者Aが複数の参加者を代表して日程調整を行うようにしてもよい。
【0035】
さらに、図1には、会議に参加する調整相手として調整相手Xだけを例示しているが、調整相手は複数存在してもよい。
【0036】
調整開始者Aは、該日程調整装置20への利用登録を済ませた企業等の所属者である。以下、日程調整装置20への利用登録を済ませた企業等を法人会員と称する。また、法人会員(企業等)に属する所属者のうち、日程調整装置20のユーザアカウントを有する所属者をユーザと定義する。調整開始者Aはユーザであることが必須である。よって、以下、調整開始者AをユーザAと称することがある。
【0037】
システム管理者M、調整開始者Aと同じ法人会員に属する調整開始者A以外の所属者B,C,D等は、ユーザであってもよいが必須ではない。
【0038】
日程調整装置20の法人会員に属する所属者は、自身の予定を、外部システム30が提供しているカレンダツール31を用いて管理しているものとする。また、日程調整装置20の法人会員は、会合の会場として所属者が利用可能な会議室、応接室、予備室等の予約状況を、外部システム30が提供しているカレンダツール31を用いて管理しているものとする。
【0039】
したがって、いまの場合、カレンダツール31は、会合の参加者となり得る調整開始者A等の予定、及び、調整開始者A等が利用可能な会合の会場の予約状況がそれぞれ登録されているスケジュール情報311を保持しているものとする。
【0040】
なお、調整相手Xは、日程調整装置20のユーザであってもよいが必須ではない。また、調整相手Xは、カレンダツール31を利用していてもよいが必須ではない。また、調整相手Xは、調整開始者Aが利用するカレンダツール31とは別のベンダーが提供するカレンダツールを利用していてもよい。
【0041】
日程調整装置20は、処理部21、記憶部22、及び通信部23の各機能ブロックを備える。日程調整装置20は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイス、ディスプレイ等の出力デバイス、及び、NIC(Network Interface Card)等の通信モジュール(いずれも不図示)を備えるサーバコンピュータ等の一般的なコンピュータからなる。
【0042】
処理部21は、コンピュータのプロセッサにより実現される。処理部21は、認証部211、調整条件設定部212、及び日程調整部213の各機能ブロックを有する。これらの機能ブロックは、コンピュータのプロセッサがメモリにロードされた所定のプログラムを実行することによって実現される。ただし、これらの機能ブロックの一部または全部を集積回路等によりハードウェアとして実現してもよい。
【0043】
認証部211は、例えば、端末装置40Mを用いたシステム管理者Mによる、会員登録を受け付けて会員情報221を作成する。また、認証部211は、例えば、端末装置40Aを用いた調整開始者Aによる、ユーザによる初回のログインに応じ、所定の条件を満たしている場合にユーザ情報222を作成する。
【0044】
さらに、認証部211は、ネットワーク11を介して外部システム30にアクセスし、例えば、OAuth等のプロトコルに従い、記憶部22が保持する会員情報221に含まれる管理者権限アカウントや調整開始者(ユーザ)Aに対応するユーザ情報222に含まれるユーザアカウント(いずれも図2)を用いて認証処理を行う。ただし、管理者権限アカウントやユーザアカウントは1回目の認証処理に用いればよく、2回目以降の認証処理では1回目の認証処理が終了した際に外部システム30から送信される管理者認証情報(アクセストークン等)やユーザ認証情報(アクセストークン等)(いずれも図2)を用いることができる。
【0045】
調整条件設定部212は、会合の日程調整に必要な複数の項目からなる調整条件を設定するための条件設定画面を端末装置40Aに表示させ、条件設定画面に対する調整開始者Aからの入力に応じて調整条件を設定し、記憶部22が保持する、調整開始者Aに対応する日程調整情報224に登録する。調整条件の項目については後述する。
【0046】
日程調整部213は、カレンダツール31が管理する、会合の参加者(調整開始者Aが含まれる場合と含まれない場合がある)のスケジュール情報311を参照し、参加者の予定が存在しない空き日程であり、且つ、設定された調整条件を満たす第1の候補日程を抽出する。そして、日程調整部213は、第1の候補日程を編集するための日程編集画面を端末装置40Aに表示させ、日程編集画面に対する調整開始者Aからの編集操作に応じて第2の候補日程を決定する。また、第2の候補日程を調整開始者Aに対応する日程調整情報224に登録する。調整開始者Aによって第1の候補日程が編集されなかった場合は、第1の候補日程と第2の候補日程は同じになる。
【0047】
また、日程調整部213は、調整相手Xが日程調整画面にアクセスするための調整用URL(Uniform Resource Locator)を発行する。ただし、調整用URLは日程調整部213が発行せず、調整開始者Aが調整用URLを指定する場合もある(詳細後述)。なお、調整用URLは、テキストで発行してもよいし、QRコード等の画像として発行してもよい。発行された調整用URLは、調整開始者Aにより電子メール等を用いて調整相手Xに送信される。調整用URLは、本発明のアクセス情報に相当する。
【0048】
さらに、日程調整部213は、調整相手Xが端末装置40Xを用いて調整用URLにアクセスしてきた場合、その時点において、再びカレンダツール31が管理する、参加者のスケジュール情報311を参照し、参加者の予定が存在しない空き日程であり、且つ、設定された調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出する。そして、日程調整部213は、第3の候補日程を表す日程調整画面を端末装置40Xに表示させる。
【0049】
第3の候補日程を抽出することにより、調整用URLが発行されてから調整相手Xがアクセスしてくるまでの間に参加者のスケジュールに変更があった場合でも、それに起因するダブルブッキングの発生を抑止できる。
【0050】
またさらに、日程調整部213は、日程調整画面に表示された第3の候補日程の中から調整相手Xが会合日程を選択し、確認画面で確定した会合日程をカレンダツール31が管理する参加者のスケジュール情報311に登録するとともに、記憶部22が保持する、調整開始者Aに対応する日程調整情報224に登録する。なお、日程調整画面に表示された第3の候補日程の中から調整相手Xが会合日程を選択し、確認画面で確定するまでの短い時間においても参加者のスケジュールは変更され得る。よって、日程調整部213は、確認画面にて会合日程が確定される直前において、選択された会合日程が参加者の空き日程であり、且つ、調整条件を満たすことを最終確認するようにしてもよい。そして、選択された会合日程が空き日程ではなくなっていた場合、例えば「指定した時間は埋まってしまいました。再度選択し直してください」等のメッセージを端末装置40Xに表示し、日程調整画面に操作を差し戻すようにすればよい。これにより、ダブルブッキングの発生をさらに抑止できる。
【0051】
記憶部22は、コンピュータのメモリ及びストレージによって実現される。記憶部22には、会員情報221、ユーザ情報222、調整条件雛形情報223、及び日程調整情報224が保持される。なお、記憶部22には、上述した情報以外の情報を格納してもよい。
【0052】
通信部23は、コンピュータの通信モジュールによって実現される。通信部23は、ネットワーク11を介し、外部システム30、端末装置40A,40M,40X等と接続して各種のデータや情報を通信する。
【0053】
なお、日程調整装置20を構成する上述した機能ブロックの一部または全部は集積回路等のハードウェアによって実現してもよい。また、日程調整装置20は、複数のコンピュータによって実現してもよく、その場合、上述した機能ブロックは複数のコンピュータに分散して配置してもよい。
【0054】
次に、図2は、記憶部22に保持される会員情報221、ユーザ情報222、調整条件雛形情報223、及び日程調整情報224の一例を示している。
【0055】
会員情報221は、日程調整装置20への利用登録を済ませた法人会員に関する情報からなる。具体的には、会員情報221は、会員アカウント、管理者権限アカウント、管理者認証情報、基本情報、所属者情報、及び会場情報を含む。
【0056】
会員アカウントは、法人会員(企業等)のシステム管理者等が日程調整装置20にログインするための情報である。管理者権限アカウントは、法人会員(企業等)のシステム管理者等が外部システム30に管理者権限でアクセスするための情報である。なお、会員アカウントは、管理者権限アカウント(例えば、システム管理者等のメールアドレス)と共通であることが望ましいが異なってもよい。会員アカウントと管理者権限アカウントとが共通である場合、会員情報221に対する管理者権限アカウントの登録は省略できる。
【0057】
管理者認証情報は、日程調整装置20の認証部211が管理者権限アカウントを用い、外部システム30に初めて認証処理を行った際に認証処理の成功結果として外部システム30から得られるアクセストークン等である。管理者認証情報が得られた以降、認証部211は、管理者権限アカウントを用いることなく、管理者認証情報を用いてより速やかに外部システム30に対して認証処理を行うことができる。
【0058】
基本情報は、法人会員の名称(企業名等)等である。基本情報は、会員登録時に記録される。所属者情報は、法人会員(企業等)に属する所属者の氏名及び外部システム30にアクセスするためのユーザアカウント等の一覧である。所属者情報は、調整開始者A側の参加者となり得る法人会員の所属者がカレンダツール31を既に使用していることを前提とし、外部システム30から取得して記録する。
【0059】
会場情報は、法人会員に属する所属者が会合に利用できる会議室、応接室、予備室等の会場の名称、及び外部システムにおける会場の識別ID等の一覧である。会場情報は、日程調整に必要な全ての会場のスケジュールがカレンダツール31によって既に管理されていることを前提とし、外部システム30から取得して記録する。
【0060】
なお、所属者情報及び会場情報は、外部システム30に対して管理者権限アカウントでアクセスした場合にだけ、その一部または全部を外部システム30から取得できる情報であり、例えば、管理者権限アカウントの代わりに管理者権限を有さないアカウントを用いた場合や、管理者権限アカウントと同等の権限を持つアカウントであるが、ユーザアカウントとして外部システム30にアクセスした場合には取得できない(ただし、その一部を取得できることもある)。
【0061】
ユーザ情報222は、法人会員に属する所属者のうちの日程調整装置20の利用登録を済ませたユーザに関する情報からなる。ユーザ情報222は、各ユーザが日程調整装置20に初めてログインした際、外部システム30との認証処理に成功し、且つ、該ユーザが会員情報221の所属者情報に含まれていることが確認できた場合に作成されて、会員情報221と関連付けられる。
【0062】
ユーザ情報222は、ユーザアカウント、ユーザ認証情報、及びユーザ基本情報を含む。
【0063】
ユーザアカウントは、調整開始者A等のユーザが日程調整装置20にログインするための情報である。ユーザアカウントは、ユーザが外部システム30にアクセスするためのアカウントと共通であることが望ましいが異なってもよい。以下、ユーザアカウントは、外部システム30にアクセスするためのアカウントと共通であることを前提として説明する。
【0064】
ユーザ認証情報は、認証部211がユーザアカウントを用い、外部システム30に初めて認証処理を行った際に認証処理の成功結果として外部システム30から得られるアクセストークン等である。ユーザ認証情報が得られた以降、認証部211は、ユーザアカウントを用いることなく、ユーザ認証情報を用いてより速やかに外部システム30に対して認証処理を行うことができる。
【0065】
ユーザ基本情報は、ユーザの氏名等であり、ユーザが日程調整装置20に初めてログインした際のユーザアカウントに基づいて会員情報221の所属者情報から読み出されて記録される。
【0066】
調整条件雛形情報223は、会合の目的に応じてユーザが予め指定した調整条件、調整用URL、日程確定時の挙動制御情報(参加者等のスケジュール情報311に登録する予定の件名等)及び画面表示情報(調整条件雛形の名称(例えば、新卒採用一次面接用等)や説明等)を含む。調整条件雛形は、ユーザによって作成されるため、調整条件雛形情報223はユーザ情報222に関連付けられているが、例えば、調整条件雛形情報223を会員情報221に関連付けて、該会員情報221に対応する法人会員に属するユーザ間で調整条件雛形情報223を共有できるようにしてもよい。また、あるユーザが作成した調整条件雛形を他のユーザが利用できるようにしてもよい。
【0067】
日程調整情報224は、各ユーザに対応付けて、ユーザが調整開始者となる会合毎に作成される。なお、雛形情報を作成したユーザとは別のユーザが日程調整雛形情報を使用して日程調整することを踏まえ、日程調整情報224をユーザが属する会員の会員情報221に直接関連付けてもよい。
【0068】
日程調整情報224には、調整用URL、調整条件、候補日程(第2及び第3の候補日程)、調整相手の情報(メールアドレス、通知メールの送信タイミング等)、確定した会合日時等が記録される。
【0069】
<日程調整システム10による利用登録時の処理>
次に、図3は、日程調整システム10による利用登録時の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0070】
前提として、調整開始者A及びシステム管理者Mが属する法人会員の所属者の予定や、会合の会場の空き状況の管理にはカレンダツール31が利用されており、カレンダツール31は、会員情報221に記録される所属者情報及び会場情報を既に管理しているものとする。そして、カレンダツール31は、その仕様として、管理者権限アカウント(または管理者認証情報)を用いてアクセスした日程調整装置20からの要求に応じ、会員情報221に記録される所属者情報及び会場情報の少なくとも一方を日程調整装置20に供給するものとする。
【0071】
はじめに、システム管理者Mが、端末装置40Mを用い、ネットワーク11を介して日程調整装置20に会員登録を行うと(ステップS1)、日程調整装置20の認証部211が、会員情報221を作成して記憶部22に記録する(ステップS11)。ただし、ここで、作成された会員情報221には、会員アカウント、及び基本情報だけが含まれており、管理者権限アカウント、管理者認証情報、所属者情報、及び会場情報は含まれていない。
【0072】
次に、システム管理者Mが、カレンダツール31に対する管理者権限アカウントを入力して日程調整装置20に認証処理を要求すると(ステップS2)、次に、認証部211が、該管理者権限アカウントを用い、外部システム30に対して認証処理を行う(ステップS12)。ステップS12の認証処理は、本発明の第1の認証処理に相当する。
【0073】
なお、変形例として、ステップS2,S12を実行した後にステップS1,S11を実行するようにしてもよい。
【0074】
そして、ステップS12の認証処理の成功結果として外部システム30から日程調整装置20に管理者認証情報(アクセストークン等)が送信されるので、次に、認証部211が、ステップS11で作成、記録した会員情報221に管理者権限アカウント及び管理者認証情報を登録する(ステップS13)。なお、認証処理には、例えばOAuthを使用することができ、一時的に認証部211を介さず外部システム30に対してシステム管理者Mにパスワードを入力させることで、システム管理者Mの入力した管理者権限アカウントが外部システム30によって認証される。調整開始者A等の他の者の認証処理についても同様である。
【0075】
次に、認証部211が、会員情報221の管理者認証情報を用いて外部システム30に接続し、外部システム30が管理する、システム管理者Mが属する法人会員の所属者情報及び会場情報を取得する(ステップS14)。次に、認証部211が、ステップS11で作成、記録した会員情報221に、ステップS14で取得した所属者情報及び会場情報を登録する(ステップS15)。
【0076】
この後、調整開始者Aが、自身のユーザアカウントにより、端末装置40Aを用い、ネットワーク11を介して日程調整装置20に初めてログインすると(ステップS31)、日程調整装置20の認証部211が、調整開始者Aのユーザアカウントを含む所属者情報が登録されている会員情報221の存在を確認し、所属者情報から調整開始者Aの氏名(ユーザ基本情報)を取得する(ステップS16)。次に、認証部211が、調整開始者Aのユーザアカウントを用い、外部システム30に対して認証処理を行う(ステップS17)。ステップS17の認証処理は、本発明の第2の認証処理に相当する。
【0077】
そして、ステップS17の認証処理の成功結果として外部システム30から日程調整装置20にユーザ認証情報(アクセストークン等)が送信されるので、次に、認証部211が、調整開始者Aに対応するユーザ情報222を作成して、ステップS16で確認した会員情報221に関連付けて記憶部22に記録し、調整開始者Aのユーザアカウント、ユーザ認証情報、及びステップS16で取得したユーザ基本情報をユーザ情報222に登録する(ステップS18)。以上で、利用登録時の処理は終了される。
【0078】
以上に説明した利用登録時の処理によれば、調整開始者Aが属する法人会員の会員情報221と、調整開始者Aのユーザ情報222とが関連付けられたので、これ以降、システム管理者Mが日程調整装置20にログインしていなくても、ユーザである調整開始者Aが日程調整装置20にログインしていれば、日程調整装置20の日程調整部213は、例えばWebAPI(Application Programming Interface)を通じて、カレンダツール31に保持されている、調整開始者A及び調整開始者Aと同じ法人会員に属する所属者の予定が登録されているスケジュール情報311、並びに、調整開始者A及び調整開始者Aと同じ法人会員に属する所属者が利用可能な会合の会場(会議室等)の予定が登録されているスケジュール情報311を、参照したり、更新したりすることが可能となる。
【0079】
なお、上述した利用登録時の処理では、法人会員の会員情報221が存在することを前提とし、法人会員に属するユーザのユーザ情報を生成した。変形例として、属する組織が法人会員ではなく会員情報221が存在しない場合に、ある個人が日程調整装置20にログインしてユーザ情報222を作成し、その後、該個人が管理者権限アカウントで外部システム30に対して新たに認証処理を行うことにより、該個人を法人会員と見做し、該個人のユーザアカウントを会員アカウントと見做して、該個人のユーザ情報222に基づいて、該個人に関連付けた会員情報221を生成するようにしてもよい。この場合、法人会員となった該個人は、管理者権限アカウントを有するので、属する組織の所属者情報及び会場情報を外部システム30から取得することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態においては、カレンダツール31から取得した所属者情報及び会場情報を記憶部22に記憶されている会員情報221に登録するようにしたが、所属者情報及び会場情報を会員情報221に登録せず、所属者情報及び会場情報を参照すべき時(後述する図5で参加者や会場を選択する際等)に、その都度、カレンダツール31から取得するようにしてもよい。
【0081】
<日程調整システム10による日程調整処理>
次に、図4は、日程調整システム10による日程調整処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0082】
はじめに、調整開始者Aが、端末装置40Aを用い、ネットワーク11を介して日程調整装置20にログインを行う(ステップS101)。そして、調整開始者Aのログインに応じ、日程調整装置20の認証部211が、記憶部22が保持する調整開始者Aに対応するユーザ情報222に含まれるユーザアカウント(またはユーザ認証情報)を用い、外部システム30に対して認証処理を行う(ステップS111)。
【0083】
次に、日程調整装置20の調整条件設定部212が、日程調整の方法として「カスタム調整」または「雛形使用」のどちらかを選択するための選択画面(不図示)を端末装置40Aに表示させ(ステップS112)、次に、該選択画面において、調整開始者Aが日程調整の方法を選択する(ステップS102)。いまの場合、調整開始者Aがカスタム調整を選択したとして説明を継続する。
【0084】
<日程調整の方法として「カスタム調整」が選択された場合>
次に、日程調整装置20の調整条件設定部212が、調整条件を設定するための条件設定画面500(図5)を端末装置40Aに表示させる(ステップS113)。
【0085】
図5は、端末装置40Aに表示される条件設定画面500の表示例である。条件設定画面500には、会合件名を入力するための入力欄510、会合の所要時間を入力するための選択入力欄511、会合の前後それぞれの確保時間を入力するための選択入力欄512、候補日程の抽出期間を年月日で入力するための選択入力欄513、会合可能時間帯を入力するための選択入力欄514、会員情報221の会場情報に基づく会場一覧の中から会合に用いる会議室等を1つ以上選択、指定するための選択入力欄515が設けられている。ここで、会合の前後それぞれの確保時間とは、会場への移動、準備作業、撤収作業、休憩等のための時間である。
【0086】
なお、選択入力欄511~515については、調整開始者Aに対応付けられた日程調整情報224が参照され、調整開始者Aが直近で調整開始者となった会合の調整条件の内容が反映された状態で表示される。これにより、調整開始者Aによる調整条件の入力の手間を軽減できる。なお、選択入力欄511~515に、直近の会合の調整条件を自動的に反映するか否かは、調整開始者Aの指定により選択できるようにしてもよい。また、事前に1つ以上の調整条件のパターンを別の情報として登録しておき、該パターンの1つを指定して呼び出すことで簡単に調整条件を反映できるようにしてもよい。また、既に登録されている調整条件雛形情報の調整条件(候補日程の抽出期間以外の情報)をコピーして、簡単に調整条件を反映できるようにしてもよい。
【0087】
またさらに、条件設定画面500には、会員情報221の所属者情報に基づく所属者一覧の中から調整開始者A側の参加者(調整開始者Aを含んでもよいし、含まなくてもよい)を1名以上選択、指定するための選択入力欄516、選択入力欄516にて指定した参加者の会合参加条件を選択するためのラジオボタン517、日程確認画面900(図8)において調整相手Xによるメールアドレスの入力を省略するため入力欄518、会合の予定を非公開で登録するか否かを選択するためのチェックボックス519、及び、入力された各項目を確定して会合の候補日程の抽出を指示するための候補日程抽出ボタン520が設けられている。
【0088】
なお、選択入力欄516にて複数の参加者を指定し、指定した参加者の全員が会合に参加する必要がある場合、ラジオボタン517にて「全員参加」を選択すればよい。また、選択入力欄516にて複数の参加者を指定し、指定した参加者のうちの少なくとも1名が参加すればよい場合、ラジオボタン517にて「誰か1名だけ参加」を選択すればよい。選択入力欄516に参加者を1名だけ入力した場合、ラジオボタン517は自動的に「全員参加」が選択されるが、参加者が1名の場合は、「全員参加」または「誰か1名だけ参加」のいずれが選択された場合であっても、候補日程の抽出等のその後の動作は全て同じものとなる。
【0089】
図4に戻る。端末装置40Aに表示された条件設定画面500において、調整開始者Aが調整条件の各項目を入力し、候補日程抽出ボタン520を操作すると(ステップS103)、この操作に応じ、日程調整装置20の調整条件設定部212が、調整開始者Aのユーザ情報222に関連付けて新たな日程調整情報224を作成して記憶部22に保持させ、設定された調整条件を日程調整情報224に登録する(ステップS114)。
【0090】
いまの場合、例えば、図5に示されたように、調整条件として、会合件名は「○×商事 ××様との新製品の商談」、会合の所要時間は「60分」、会合の前後それぞれの確保時間は「30分」、候補日程の抽出期間は「2020年12月16日」~「2020年12月25日」の8営業日、可能時間帯は「09:00~18:00」、会場は「指定なし」、参加者入力は「A,B,C」の3名、入力した参加者の会合参加条件は「全員参加」、調整相手のメールアドレスは「指定なし」、会合の予定の登録は「公開」に設定されたものとして以降の説明を継続する。
【0091】
次に、日程調整部213が、記憶部22から調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件を読み出し、外部システム30のカレンダツール31が管理する、参加者のスケジュール情報311を参照して、現時点において参加者の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第1の候補日程を抽出する(ステップS115)。具体的には、いまの場合、参加者A,B,Cの共通の空き日程であり、且つ、2020年12月16日から2020年12月25日の間の営業日における09:00から18:00までの時間帯であって、会合の所要時間60分が確保できる時間を抽出し、さらに、会合前の確保時間30分と会合後の確保時間30分が確保できない時間を除外することで、第1の候補日程を決定する。
【0092】
なお、条件設定画面500の選択入力欄516に、複数の参加者が入力され、且つ、ラジオボタン517にて「全員参加」が選択されている場合、参加者全員のスケジュール情報311が参照され、参加者全員の共通の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第1の候補日程が抽出されることになる。反対に、条件設定画面500の選択入力欄516に、複数の参加者が入力され、且つ、ラジオボタン517にて「誰か1名だけ参加」が選択されている場合、参加者全員のスケジュール情報311が参照され、参加者全員のうちの少なくとも1名の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第1の候補日程が抽出されることになる。後述する第2及び第3の候補日程を抽出する際も同様である。
【0093】
次に、日程調整部213が、第1の候補日程を表す日程編集画面600(図6)を端末装置40Aに表示させる(ステップS116)。
【0094】
図6は、端末装置40Aに表示される日程編集画面600の表示例を示している。日程編集画面600には、候補日程期間枠601、日付を横軸、時刻を縦軸として格子状に表示したカレンダ602、及び、第1の候補日程が日毎に一覧化された候補日程一覧605が表示される。また、日程編集画面600には、URL発行ボタン606、及び、戻るボタン607が設けられている。
【0095】
候補日程期間枠601は、条件設定画面500(図5)の選択入力欄513に入力された候補日程の抽出期間のうち、第1の候補日程が存在する期間を表す。
【0096】
カレンダ602には、カレンダツール31が管理する、参加者のスケジュール情報311に基づき、カレンダ602上の表示期間における参加者全員それぞれの予定を表す既存予定枠604と、第1の候補日程枠603とが区別できるように色等を変えて表示される。なお、参加者が複数である場合、誰の既存予定であるのかを区別できるように、既存予定枠604内に参加者名を表示したり、既存予定枠604を色分けしたりしてもよい。
【0097】
候補日程一覧605には、第1の候補日程が日毎に一覧化して表示される。
【0098】
調整開始者Aは、カレンダ602における第1の候補日程枠603を選択することにより表示されるポップアップ画面(不図示)を用いて第1の候補日程を編集することができる。例えば、12月17日(木)10:30~15:30の枠を選択して表示されるポップアップ画面にて、当該枠の開始時刻10:30を遅くしたり、終了時刻15:30を早くしたりすることができる。また、当該枠の一部、例えば、12:00~13:00を第1の候補日程から除外できる。カレンダ602における第1の候補日程の編集結果は候補日程一覧605に反映される。なお、第1の候補日程の編集は、端末装置40Aが備える入力デバイス(マウス、タッチパネル等)の操作に応じて、画面上のドラッグアンドドロップ等の操作により行えてもよい。端末装置40A,40Xにおけるその他の画面操作についても同様とする。
【0099】
なお、調整開始者Aは、候補日程一覧605においても第1の候補日程を編集することができる。
【0100】
URL発行ボタン606は、カレンダ602において調整開始者Aによる第1の候補日程の編集結果(第2の候補日程)を確定し、調整相手が日程調整画面にアクセスするための調整用URLの発行を指示するためのボタンである。戻るボタン607は、条件設定画面500に戻るためのボタンである。
【0101】
いまの場合、調整開始者Aが日程編集画面600にて、第1の候補日程から12月16日(水)15:00~16:00を除外したとして以降の説明を継続する。
【0102】
図4に戻る。端末装置40Aに表示された日程編集画面600において、調整開始者Aが必要に応じて第1の候補日程を編集し、URL発行ボタン606を操作すると(ステップS104)、次に、日程調整装置20の日程調整部213が、調整用URLを発行し、調整用URLと第2の候補日程を、調整開始者Aに対応する日程調整情報224(ステップS114で作成したもの)に登録する(ステップS117)。なお、第2の候補日程は、日程調整情報224に登録されている第1の候補日程に上書きしてもよい。
【0103】
次に、日程調整部213が、発行した調整用URLと、該調整用URLを調整相手に送信するように指示するメッセージとを端末装置40Aに表示させる(ステップS118)。
【0104】
該メッセージに応じ、次に、調整開始者Aが、端末装置40Aに表示された調整用URLをコピーし、電子メール等にペーストして調整相手Xの端末装置40Xに送信する(ステップS105)。
【0105】
次に、調整用URLを受信した調整相手Xが端末装置40Xを用いて調整用URLにアクセスすると(ステップS131)、日程調整装置20の日程調整部213が、記憶部22から当該調整用URLに対応する調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件と第2の候補日程を読み出し、カレンダツール31が管理する参加者のスケジュール情報311を参照して、現時点において参加者の空き日程であり、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出する(ステップS119)。
【0106】
いまの場合、調整用URLが発行されてから調整相手Xがアクセスしてくるまでの間に、参加者である調整開始者Aのスケジュール情報311に12月17日(木)13:00~14:00の予定が追加されたものとする。この場合、第3の候補日程は、第2の候補日程から、会合の前後の確保時間「30分」を加味した12月17日(木)12:30~14:30を除外したものとなる。すなわち、調整開始者Aの追加された予定に対しても調整条件の「前後の確保時間」は適用される。
【0107】
次に、日程調整部213が、日程調整画面800(図7)を端末装置40Xに表示させる(ステップS120)。
【0108】
図7は、日程調整画面800の表示例を示している。日程調整画面800には、日付を横軸、時刻を縦軸として格子状に表示したカレンダ801、及び、第3の候補日程が日毎に一覧化された候補日程一覧803が表示される。また、日程調整画面800には、不都合ボタン804、及び、確認画面ボタン805が設けられている。
【0109】
カレンダ801には、第3の候補日程枠802がその他の枠と区別できるように色等を変えて表示される。なお、カレンダ801には、日程編集画面600(図6)のカレンダ602とは異なり、参加者の既存予定は表示されない。よって、調整相手Xに対して参加者のプライバシを守ることができる。
【0110】
候補日程一覧803には、会合の所要時間と、日毎に一覧化された第3の候補日程が表示される。
【0111】
調整相手Xは、カレンダ801における第3の候補日程枠802のいずれかを選択することにより会合日程を選択することができる。なお、会合の所要時間「60分」よりも長い枠が選択された場合にはポップアップ画面(不図示)が表示される。調整相手Xは、該ポップアップ画面において、選択した枠の時間内の所要時間「60分」を選択することにより、会合日程を決定することができる。
【0112】
いまの場合、調整相手Xが日程調整画面800にて、12月17日(木)11:00~12:00を会合日程に決定したとして以降の説明を継続する。
【0113】
不都合ボタン804は、日程調整画面800に示された第3の候補日程が不都合である場合に操作するボタンである。調整相手Xが不都合ボタン804を操作した場合、提案された候補日程が不都合である旨が調整開始者Aに通知される。この場合、調整開始者Aは、調整条件を変更し、改めて日程調整処理を実行することになる。
【0114】
確認画面ボタン805は、決定した会合日程を確認するためのボタンである。調整相手Xが確認画面ボタン805を操作すると、端末装置40Xには、第3の候補日程の中から選択、決定した会合日程を調整相手X自身が確認するための日程確認画面900(図8)が表示される。
【0115】
図8は、日程確認画面900の表示例を示している。日程確認画面900には、日付を横軸、時刻を縦軸として格子状に表示したカレンダ901、及び、会合詳細903が表示される。
【0116】
カレンダ901には、日程調整画面800(図7)にて調整相手X自身が選択、決定した会合日程枠902がその他の枠と区別できるように色等を変えて表示される。会合詳細903には、選択、決定した会合の日程(いまの場合、12月17日(木)11:00~12:00)が表示される。
【0117】
また、日程確認画面900には、調整相手Xが自身のメールアドレスを入力するための入力欄904、自身に対する会合の開催を通知する通知メールの送信タイミングを設定するためのチェックボックス905、日程調整画面800に戻るための戻るボタン906、及び、日程確認画面900に表示された内容を確定するための確定ボタン907が設けられている。
【0118】
図4に戻る。端末装置40Xに表示された日程確認画面900(図8)において、調整相手Xが自身のメールアドレスを入力欄904に入力し、確定ボタン907を操作すると(ステップS132)、日程調整部213が、カレンダツール31が管理する参加者のスケジュール情報311を参照して、日程確認画面900にて確定された会合日程が、現時点において参加者の空き日程であり、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内であることを最終確認する(ステップS121)。ここで、確定された会合日程が、参加者の空き日程ではなくなっていたり、調整条件を満たさなくなっていたりした場合、例えば「指定した時間は埋まってしまいました。再度選択し直してください」等のメッセージを端末装置40Xに表示し、処理をステップS119に戻して、日程調整画面800に対する調整相手Xの操作からやり直せばよい。反対に、確定された会合日程が、参加者の空き日程であって、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内であることが最終確認できた場合、端末装置40Xには、調整相手X自身が確定した会合の日程等を表す日程通知画面1000(図9)が表示される(ステップS122)。
【0119】
図9は、日程通知画面1000の表示例を示している。日程通知画面1000には、確定した会合の日程等が表示される。また、日程通知画面1000には、カレンダツールへの登録ボタン1001、及び、スケジュールアプリへの登録ボタン1002が設けられている。調整相手Xは、自身がカレンダツール31を利用している場合、登録ボタン1001を操作することにより、確定された会合の予定を調整相手X自身の予定としてカレンダツール31に登録することができる。また、調整相手Xは、登録ボタン1002を操作することにより、自身が利用しているスケジュール管理用のアプリケーションプログラム(例えば、Outlook(商標)等)に、確定された会合の予定を登録することができる。
【0120】
図4に戻る。また、ステップS121の最終確認にて、確定された会合日程が、参加者の空き日程であって、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内であることを最終確認できた場合、日程調整部213が、カレンダツール31が管理する参加者のスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録する。また、日程調整部213が、記憶部22が保持する調整開始者Aに対応する日程調整情報224(ステップS114で作成したもの)に、調整相手Xのメールアドレス、通知メールの送信タイミング、会合の日時を登録する(ステップS123)。
【0121】
いまの場合、条件設定画面500(図5)の選択入力欄516にて参加者A,B,Cが参加者に指定され、ラジオボタン517にて「全員参加」が選択されているので、日程調整部213が、カレンダツール31が管理する、参加者A,B,Cそれぞれのスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録する。反対に、ラジオボタン517にて「誰か1名だけ参加」が選択されていた場合、選択入力欄516に入力された参加者A,B,Cのうち、確定された会合日程が空き日程である人全員のスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録するようにしてもよいし、確定された会合日程が空き日程である人の中から1名を選抜して、選抜した1名のスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録するようにしてもよい。なお、参加者の選抜は、日程調整部213が所定のルールに従って選抜するようにしてもよいし、調整開始者Aが選抜できるようにしてもよい。
【0122】
次に、日程調整部213が、調整相手Xが自身で選択した送信タイミングに従い、調整相手Xに会合の開催を通知する通知メールを調整相手Xが指定したメールアドレスに送信する(ステップS124)。
【0123】
ただし、本実施形態では、調整相手Xが端末装置40Xにて電子メールを受信することを想定し、ステップS124として、日程調整装置20から端末装置40Xへの矢印を図示しているが、調整相手Xは端末装置40X以外の電子機器により日程調整装置20からの通知メールを受信してもよい。以上で、日程調整システム10による日程調整処理が終了される。
【0124】
なお、いまの場合、調整開始者Aは会合の会場を指定していないが、条件設定画面500(図5)の選択入力欄515にて、会場を指定した場合には、さらに会場の空き日程であることを満たすように第1の候補日程、及び第3の候補日程を抽出するようにすればよい。
【0125】
具体的には、例えば、会場として「第1会議室」だけを指定した場合には、ステップS115では、日程調整部213が、記憶部22から調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件を読み出し、外部システム30のカレンダツール31が管理する、参加者及び第1会議室のスケジュール情報311を参照して、現時点において参加者及び第1会議室の共通の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第1の候補日程を抽出すればよい。また、ステップS119では、日程調整部213が、記憶部22から、アクセスされた調整用URLに対応する調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件と第2の候補日程を読み出し、カレンダツール31が管理する参加者及び第1会議室のスケジュール情報311を参照して、現時点において参加者及び会議室の共通の空き日程であり、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出すればよい。さらに、ステップS123では、日程調整部213が、カレンダツール31が管理する参加者及び第1会議室それぞれのスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録すればよい。
【0126】
また、例えば、会場として「第1会議室、第2会議室」の2室を指定した場合には、ステップS115では、日程調整部213が、記憶部22から調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件を読み出し、外部システム30のカレンダツール31が管理する、参加者並びに第1会議室及び第2会議室のスケジュール情報311を参照して、現時点において、参加者の空き日程であり、且つ、第1会議室及び第2会議室の少なくとも1室の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第1の候補日程を抽出すればよい。また、ステップS119では、日程調整部213が、記憶部22から、アクセスされた調整用URLに対応する調整開始者Aの日程調整情報224に登録されている調整条件と第2の候補日程を読み出し、カレンダツール31が管理する参加者並びに第1会議室及び第2会議室のスケジュール情報311を参照して、現時点において、参加者の空き日程であり、且つ、第1会議室及び第2会議室の少なくとも1室の空き日程であり、且つ、調整条件を満たし、且つ、第2の候補日程の範囲内である第3の候補日程を抽出すればよい。さらに、確定した会合日程において、第1会議室及び第2会議室の2室が空いている場合、第1会議室または第2会議室の1室を選択して、選択した会場のスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録するようにする。なお、会場の選択は、日程調整部213が所定のルールに従って選択するようにしてもよいし、調整開始者Aが選択できるようにしてもよい。そして、ステップS123では、日程調整部213が、カレンダツール31が管理する参加者、及び選択された会場それぞれのスケジュール情報311に、調整相手Xとの会合の予定を登録すればよい。
【0127】
以上に説明した日程調整処理によれば、ユーザアカウントを用いて日程調整装置20にログインした調整開始者Aが、自身が属する組織の所属者一覧の中から自由に1名以上の参加者を指定し、さらに、自身が属する組織の所属者が利用できる会場一覧の中から自由に1つ以上の会場を指定して、調整相手Xと会合の日程を、ダブルブッキングを生じさせることなく、容易、且つ、効率的に設定することができる。
【0128】
また、日程調整処理によれば、確定した会合の日程等を参加者が利用するカレンダツール31に登録することができる。よって、従来必要であった人手によるカレンダツール31に対するスケジュール登録の手間を省くことができる。
【0129】
付け加えると、調整開始者Aの立場では、候補日程の抽出から、調整相手Xへの送付までの作業を、短時間(例えば30秒程度)で行うことが可能であり、調整相手Xに候補日程を送った後は、待っているだけで、日程の決定だけでなく、会場の確保、予定の登録まで、日程調整に関わる重要な作業を自動的に完了することができる。日程調整に関わる作業の手間を大幅に削減することが可能である。
【0130】
<日程調整の方法として「雛形使用」が選択された場合>
次に、調整開始者Aが日程調整の方法として「雛形使用」を選択した場合について説明する。雛形使用の場合、調整開始者A自身が予め作成した調整条件雛形を選択し、調整開始者A自身が予め指定した調整用URLをコピーすることにより、カスタム調整に比べてより速やかに、調整用URLを調整相手Xに対して送信できる。なお、調整開始者Aが予め作成した調整条件雛形を、他のユーザが指定して、編集したり、調整用URLをコピーして日程調整に利用できるようにしたりしてもよい。
【0131】
調整開始者A等のユーザは、例えば、新卒採用一次面接用、新卒採用二次面接用、新卒採用最終面接用、問合わせ営業用等の会合の用途に応じて調整条件雛形を予め作成することができる。
【0132】
なお、カスタム調整の場合、調整条件は会合の日程調整を行う毎に設定されるが、調整条件雛形は異なる会合の日程調整に何度でも繰り返して使用することができる。
【0133】
<調整条件雛形作成処理>
次に、図10は、調整条件雛形作成処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0134】
該調整条件雛形作成処理は、図4に示された日程調整処理と同様のステップS101,S111,S112,S102を経る。そして、ステップS102にて、調整開始者Aが日程調整の方法として「雛形使用」を選択すると、次に、日程調整装置20の調整条件設定部212が、調整開始者Aに対応するユーザ情報222に関連付けられた調整条件雛形情報223を参照し、調整開始者Aが使用可能な調整条件雛形の一覧を表す雛形一覧画面1100(図11)を端末装置40Aに表示させる(ステップS141)。
【0135】
図11は、端末装置40Aに表示される雛形一覧画面1100の表示例を示している。
【0136】
雛形一覧画面1100には、新規作成ボタン1101、及び調整開始者Aが利用可能な調整条件雛形の一覧を示す雛形一覧1102が設けられている。雛形一覧1102には、雛形毎に管理用名称、説明、調整用URL、編集ボタン1103、及びURLコピーボタン1104が表示される。
【0137】
新規作成ボタン1101は、調整条件雛形を新たに作成できる雛形作成画面1200(図12及び図13)への移動を指示するためのボタンである。編集ボタン1103は、作成済みの調整条件雛形を編集できる画面(不図示。雛形作成画面1200と同様)への移動を指示するためのボタンである。URLコピーボタン1104は、調整用URLのコピーを指示するためのボタンである。
【0138】
図10に戻る。端末装置40Aに表示された雛形一覧画面1100において調整開始者Aが新規作成ボタン1101を操作すると(ステップS151)、次に、調整条件設定部212が、雛形作成画面1200を端末装置40Aに表示させる(ステップS142)。
【0139】
図12及び図13は、雛形作成画面1200の表示例を示している。図12は、雛形作成画面1200の上方部分、図13図12に示された上方部分を下方向にスクロールすることにより表示される雛形作成画面1200の下方部分を示している。
【0140】
雛形作成画面1200には、図12に示されるように、雛形の管理用名称を入力するための入力欄1201、雛形の説明を入力するための入力欄1202、ユーザが調整用URLを指定するための入力欄1203、調整相手Xの入力項目として会社名/学校名、氏名、及びメールアドレスを指定するためのチェックボックス124、及び、日程確定後にカレンダツール31に登録する時の予定の件名を入力するための入力欄1206が設けられている。
【0141】
さらに、雛形作成画面1200には、図13に示されるように、会合の所要時間を入力するための選択入力欄1210、会合の前後それぞれの確保時間を入力するための選択入力欄1211、候補日程の抽出期間を入力するための選択入力欄1212、抽出期間の抽出日数を計算する方法(例えば、営業日で計算、暦日で計算等)を選択入力するための選択入力欄1213、会合可能時間帯を曜日及び祝日毎に指定するための入力欄1214(枠1215は会合可能時間帯として指定された時間帯を示す)、会員情報221の所属者情報に基づく所属者一覧の中から参加者(調整開始者Aを含んでもよいし、含まなくてもよい)を1名以上選択、指定するための選択入力欄1216、選択入力欄1216にて指定した参加者の会合参加条件を選択するためのラジオボタン1217、会員情報221の会場情報に基づく会場一覧の中から会合に用いる会場を1つ以上選択、指定するための選択入力欄1218、及び、入力した内容の保存を指示するための保存ボタン1219が設けられている。
【0142】
なお、雛形作成画面1200における、候補日程の抽出期間を入力するための選択入力欄1212は、カスタム調整に対応する条件設定画面500(図5)における、同様の目的の選択入力欄513のように具体的な年月日を選択するのではなく、汎用性が効くように、調整相手が調整用URLに基づいてアクセスしてきた日時を起点とする抽出期間の開始タイミング(同図の場合、翌日)と、開始タイミングからの期間(同図の場合、10日間)とを指定できる。よって、調整条件雛形は、異なる会合の日程調整に何度でも繰り返して利用することができる。
【0143】
図10に戻る。端末装置40Aに表示された雛形作成画面1200において、調整開始者Aが調整条件の各項目の入力を終えて保存ボタン1219を操作すると(ステップS152)、次に、調整条件設定部212が、調整条件雛形情報223を作成して、雛形作成画面1200にて設定された調整条件及び調整用URLを登録し、該調整条件雛形情報223を調整開始者Aのユーザ情報222に関連付けて記憶部22に記録する(ステップS143)。以上で、調整条件雛形を作成する処理は終了される。
【0144】
<調整条件雛形を使用する日程調整処理>
次に、図14は、調整条件雛形を使用する日程調整処理の他の一例を説明するシーケンス図である。
【0145】
該他の一例は、図10に示された調整条件雛形作成処理と同様のステップS101,S111,S112,S102,S141を経る。そして、ステップS141にて、端末装置40Aに表示された雛形一覧画面1100(図11)において調整開始者Aがいずれかの雛形を選び、URLコピーボタン1104を操作して調整用URLをコピーし、電子メール等にペーストして調整相手Xの端末装置40Xに送信する(ステップS161)。
【0146】
これ以降については、図4の日程調整処理と同様であるので、その説明は省略する。ただし、いまの場合、ステップS119においては、第2の候補日程が存在しないので、現時点において参加者の空き日程であり、且つ、調整条件を満たす第3の候補日程を抽出すればよい。また、いまの場合、ステップS132にて表示される日程確認画面900(図8)には、メールアドレスを入力するための入力欄904の代わりに、または追加して、雛形作成画面1200(図12)の調整相手の入力項目としてチェックボックス1204で選択された項目に対応する入力欄(会社名/学校名を入力するための入力欄、氏名を入力するための入力欄)が設けられる。さらに、いまの場合、ステップ123において、参加者のスケジュール情報311に登録する予定の件名は、固定の文言と、チェックボックス1204で選択された項目に対応する入力欄によって調整相手Xが入力した会社名/学校名、氏名等を組合わせて生成することができる。
【0147】
以上に説明した日程調整処理の他の一例(調整条件雛形使用を選択した場合)によれば、図4の日程調整処理(カスタム調整を選択した場合)と同様の作用、効果に加え、調整開始者Aの操作としては調整条件雛形を選択して調整用URLを送信するだけなので、カスタム調整の場合に比べて、調整開始者Aの手間を大幅に軽減できる。
【0148】
付け加えると、ビジネス上の日程調整は、面接、営業訪問、来客、Web会議等、シチュエーション(会合の種類)毎に、参加者や会場、時間帯等のパターンがある程度決まっているため、シチュエーション毎の調整条件雛形を事前に作成、登録しておけば、雛形を選択するだけで、調整相手Xに対して即座に調整用URLを送信することができる。
【0149】
また、調整条件雛形は繰り返し使用でき、調整条件雛形に対応する調整用URLは固定されているため、例えば、企業のホームページの問合せフォームの後に調整用URLのリンクを張っておくことにより、調整相手Xに調整用URLを送信する手間を省いて日程調整を行うことができる。
【0150】
また、一斉配信メール等に調整用URLを記載することにより、複数の調整相手Xに対して同時に調整用URLを送信することができる。
【0151】
本実施形態の日程調整装置は、典型的には例えばWebページとして各種の操作画面を用意し、端末装置のWebブラウザに表示させることができる。しかし、この態様に限られない。例えば、端末装置に各種の操作画面を備える専用アプリケーションをインストールしてもよい。この場合、日程調整装置は、各種の操作画面に表示させる一部内容(候補日程などのデータ)を端末装置に送信するだけで、端末装置の専用アプリケーションに各種操作画面を表示させることができる。すなわち、本発明の日程調整装置は、端末装置に画面を表示させることができる様々な態様も含むことができる。
【0152】
本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態や変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある変形例の一部を他の変形例に置き換えたり、変形例を組み合わせたりすることが可能である。
【0153】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0154】
10・・・日程調整システム、11・・・ネットワーク、20・・・日程調整装置、21・・・処理部、211・・・認証部、212・・・調整条件設定部、213・・・日程調整部、22・・・記憶部、221・・・会員情報、222・・・ユーザ情報、223・・・調整条件雛形情報、224・・・日程調整情報、23・・・通信部、30・・・外部システム、31・・・カレンダツール、311・・・スケジュール情報、40A,40M,40X・・・端末装置、500・・・条件設定画面、600・・・日程編集画面、800・・・日程調整画面、900・・・日程確認画面、1000・・・日程通知画面、1100・・・雛形一覧画面、1200・・・雛形作成画面
図1
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図10
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