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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145438
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】骨伝導イヤホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20220926BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20220926BHJP
   H04R 1/28 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
H04R1/00 317
H04R1/28 310E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153599
(22)【出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】202110287469.8
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】320011971
【氏名又は名称】東莞立訊精密工業有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN LUXSHARE PRECISION INDUSTRY CO.LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor1,Building5,no.313,Beihuan Road,Qingxi Town,Dongguan City Guangdong Province 523650,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳思
(72)【発明者】
【氏名】賀立洪
(72)【発明者】
【氏名】甘少明
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
5D005BE01
5D017AB11
5D018AD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】周波数応答を改善する骨伝導イヤホンを提供する。
【解決手段】骨伝導スピーカー2及びパッシブラジエーター3は、背中合わせに本体の相反する両側に向いて取り付けられる。パッシブラジエーターは、骨伝導スピーカーに連結されている振動膜を有する。骨伝導スピーカーは、オーディオ信号により励起されて振動する際に、振動膜を同期的に振動させるように駆動する。これにより、パッシブラジエーターと骨伝導スピーカーとが同期的に振動する。
【効果】振幅周波数応答を向上させ、振動品質を効果的に向上させ、音場の放射効果を向上させ、一致する位相応答を効果的に確保するだけでなく、骨伝導スピーカーがパッシブラジエーターの振動のための動力源を提供するので、余分な消費電力を増加する必要がない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)と、
前記本体(1)内に取り付けられた骨伝導スピーカー(2)と、
前記本体(1)内に取り付けられたパッシブラジエーター(3)と、を含む骨伝導イヤホンであって、
前記骨伝導スピーカー(2)および前記パッシブラジエーター(3)は、背中合わせに前記本体(1)の相反する両側に向いており、
前記パッシブラジエーター(3)には、振動膜(31)が含まれ、前記骨伝導スピーカー(2)が前記振動膜(31)に連結され、
前記骨伝導スピーカー(2)は、オーディオ信号により励起されて振動する際に、前記振動膜(31)を同期的に振動させるように駆動する、骨伝導イヤホン。
【請求項2】
前記骨伝導スピーカー(2)には、トランスデューサー主体(21)および振動ダイヤフラム(22)が含まれ、
前記トランスデューサー主体(21)がオーディオ信号により励起される際に前記振動ダイヤフラム(22)を駆動させるように駆動し、
前記トランスデューサー主体(21)が前記振動膜(31)に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項3】
前記トランスデューサー主体(21)が、伝動筒(23)によって前記振動膜(31)に連結されている、ことを特徴とする請求項2に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項4】
前記本体(1)に第1収容溝(1110)が設けられ、
前記振動ダイヤフラム(22)が前記第1収容溝(1110)に配置され、
前記振動ダイヤフラム(22)の上に第1覆い板(4)が覆設され、
前記第1収容溝(1110)の溝底に主動アコースティックホール(1111)が開設され、
前記トランスデューサー主体(21)が前記主動アコースティックホール(1111)を通過して前記振動ダイヤフラム(22)に連結されている、ことを特徴とする請求項2に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項5】
前記振動ダイヤフラム(22)の外周縁に環状突起(221)が凸設され、
前記第1収容溝(1110)の溝底に前記主動アコースティックホール(1111)を囲んで環状凹溝(1112)が凹設され、
前記環状突起(221)が前記環状凹溝(1112)に嵌装されている、ことを特徴とする請求項4に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項6】
前記環状突起(221)の前記環状凹溝(1112)に向かった一方側がジグザグ状となる、ことを特徴とする請求項5に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項7】
前記振動膜(31)には、中心エリア(311)、内環エリア(312)および外環エリア(313)が含まれ、
前記内環エリア(312)が前記中心エリア(311)の外周に環状に設けられて連結され、前記外環エリア(313)が前記内環エリア(312)の外周に環状に設けられて連結され、
前記パッシブラジエーター(3)には、ケーシング(32)がさらに含まれ、
前記中心エリア(311)が前記骨伝導スピーカー(2)に連結され、前記外環エリア(313)が前記ケーシング(32)に連結されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項8】
前記本体(1)に第2収容溝(1120)が設けられ、
前記第2収容溝(1120)に第2覆い板(5)が配置され、前記第2収容溝(1120)の溝底に、前記ケーシング(32)に連通された受動アコースティックホール(1121)が開設されている、ことを特徴とする請求項7に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項9】
前記ケーシング(32)と前記本体(1)とが一体成形して設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項10】
前記ケーシング(32)が柱状構造であり、
前記柱状構造の端面に第1溝(321)が設けられ、
前記第1溝(321)の溝底に第2溝(322)が設けられ、
前記外環エリア(313)が前記第1溝(321)の溝底に連結され、
前記受動アコースティックホール(1121)が前記第2溝(322)の溝底に連通されている、ことを特徴とする請求項9に記載の骨伝導イヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンの技術分野に関し、特に骨伝導イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なイヤホンに対して、骨伝導イヤホンは、人間の頭蓋骨、骨迷路、内耳リンパ液、コルチ器官、聴神経、聴覚中枢によって音波を伝導するものである。一般的なイヤホンの音波伝導形態に対して、骨伝導イヤホンが用いられる場合、多くの音波伝導のステップを省き、ノイズの多い環境下で、外部からの干渉を回避してクリアな音声再現を実現することができるとともに、音波が空気中で拡散することで他人に影響を与えることもない。
【0003】
しかしながら、従来の骨伝導イヤホンは、技術や装着などの要因による制限・影響を受けており、通常、単一の骨伝導スピーカーを用いて音声の伝導を実現している。このような設計は、骨伝導イヤホンの音声漏れがひどく、音場効果が悪く、一部の周波数帯が不良で、特に低周波数の質感や量感での欠陥が顕著で、ユーザ体験に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、消費電力を増加させることなく、二重振動システムを形成し、振動品質を効果的に向上させ、音場の放射効果を向上させ、周波数応答を改善することができる骨伝導イヤホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0006】
本体と、
前記本体内に取り付けられた骨伝導スピーカーと、
前記本体内に取り付けられたパッシブラジエーターと、を含む骨伝導イヤホンであって、
前記骨伝導スピーカーおよび前記パッシブラジエーターは、背中合わせに前記本体の相反する両側に向いており、前記パッシブラジエーターには、振動膜が含まれ、前記骨伝導スピーカーが前記振動膜に連結され、
前記骨伝導スピーカーは、オーディオ信号により励起されて振動する際に、前記振動膜を同期的に振動させるように駆動する。
【0007】
好ましくは、前記骨伝導スピーカーには、トランスデューサー主体および振動ダイヤフラムが含まれ、前記トランスデューサー主体が、オーディオ信号により励起される際に前記振動ダイヤフラムを振動させるように駆動し、前記トランスデューサー主体が前記振動膜に連結されている。
【0008】
好ましくは、前記トランスデューサー主体が、伝動筒によって前記振動膜に連結されている。
【0009】
好ましくは、前記本体に第1収容溝が設けられ、前記振動ダイヤフラムが前記第1収容溝に配置され、前記振動ダイヤフラムの上に第1覆い板が覆設され、前記第1収容溝の溝底に主動アコースティックホールが開設され、前記トランスデューサー主体が前記主動アコースティックホールを通過して前記振動ダイヤフラムに連結されている。
【0010】
好ましくは、前記振動ダイヤフラムの外周縁に環状突起が凸設され、前記第1収容溝の溝底に前記主動アコースティックホールを囲んで環状凹溝が凹設され、前記環状突起が前記環状凹溝に嵌装されている。
【0011】
好ましくは、前記環状突起の前記環状凹溝に向かった一方側がジグザグ状となる。
【0012】
好ましくは、前記振動膜には、中心エリア、内環エリアおよび外環エリアが含まれ、前記内環エリアが前記中心エリアの外周に環状に設けられて連結され、前記外環エリアが前記内環エリアの外周に環状に設けられて連結され、
前記パッシブラジエーターには、ケーシングがさらに含まれ、前記中心エリアが前記骨伝導スピーカーに連結され、前記外環エリアが前記ケーシングに連結されている。
【0013】
好ましくは、前記本体に第2収容溝が設けられ、前記第2収容溝に第2覆い板が配置され、前記第2収容溝の溝底に、前記ケーシングに連通された受動アコースティックホールが開設されている。
【0014】
好ましくは、前記ケーシングと前記本体とが一体成形して設けられている。
【0015】
好ましくは、前記ケーシングが柱状構造であり、前記柱状構造の端面に第1溝が設けられ、前記第1溝の溝底に第2溝が設けられ、前記外環エリアが前記第1溝の溝底に連結され、前記受動アコースティックホールが前記第2溝の溝底に連通されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
【0017】
骨伝導スピーカーに加えてパッシブラジエーターが設けられ、パッシブラジエーターの振動膜と骨伝導スピーカーとが連結されて二重振動システムが形成されることで、パッシブラジエーターと骨伝導スピーカーとが同期的に振動することができる。そのため、振幅周波数応答を向上させ、振動品質を効果的に向上させ、音場の放射効果を高め、一致する位相応答を効果的に確保し、周波数応答、特に低周波数応答が十分ではないという問題を改善するだけでなく、骨伝導スピーカーがパッシブラジエーターの振動のための動力源を提供するので、余分な消費電力を増加する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例における骨伝導イヤホンの一方向視での構造模式図である。
図2】本発明の実施例における骨伝導イヤホンの他の方向視での構造模式図である。
図3】本発明の実施例における外蓋と骨伝導スピーカー、パッシブラジエーターおよび第1覆い板とが嵌合された構造模式図である。
図4】本発明の実施例における外蓋とパッシブラジエーターとが嵌合された構造模式図である。
図5】本発明の実施例における外蓋とケーシングとが嵌合された構造模式図である。
図6】本発明の実施例における骨伝導スピーカーの一方向視での構造模式図である。
図7】本発明の実施例における骨伝導スピーカーの他の方向視での構造模式図である。
図8】本発明の実施例におけるベースの構造模式図である。
図9】本発明の実施例におけるベースの第1覆い板を除いた構造模式図である。
図10】本発明の実施例におけるベースの第1覆い板および骨伝導スピーカーを除いた構造模式図である。
図11】本発明の実施例におけるベースの第2覆い板を除いた構造模式図である。
図12】本発明の実施例におけるハンガー、第1クッションカバーおよび第2クッションカバーが嵌合された構造模式図である。
図13】本発明の実施例におけるハンガーの構造模式図である。
図14】本発明の実施例における第1クッションカバーの構造模式図である。
図15】本発明の実施例における第2クッションカバーの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図面において実施例の例示が示される。そのうち、同一または類似する符号は、常に、同一または類似する部品、若しくは同一または類似する機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的であり、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと理解してはならない。
【0020】
本発明の説明において、別途明確な規定と限定がない限り、「繋がる」、「連結」、「固定」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、固定連結であってもよく、取り外し可能な連結であってもよく、機械的連結であってもよく、電気的接続であってもよく、直接繋がってもよく、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解できる。
【0021】
本発明の説明において、別途明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが直接接触せず、それらの間に他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、或いは単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、或いは単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを示す。
【0022】
従来技術では、通常、パッシブラジエーターがオーディオ機器に用いられている。パッシブラジエーターを用いたオーディオ機器には、通常、1つの主動スピーカーユニットおよび1つの受動ユニット(すなわち、パッシブラジエーター)が含まれる。そのうち、通常、受動ユニットは、外形が主動スピーカーユニットと類似するが、ボイスコイルおよび駆動磁石がない。オーディオ機器の内部において、主動ユニットが箱体内の空気の駆動下で受動発音を行って、小さい箱体の音質を調節し、より良好な低音パフォーマンスを有するようにする。
【0023】
以下、図面に結び付けて、具体的な実施形態によって本発明の技術案をさらに説明する。
【0024】
図1図15に示すように、本発明は、本体1、骨伝導スピーカー2およびパッシブラジエーター3を含む骨伝導イヤホンを提供する。そのうち、骨伝導スピーカー2およびパッシブラジエーター3は、いずれも本体1内に取り付けられ、背中合わせに本体1の相反する両側に向いている。パッシブラジエーター3には、振動膜31が含まれる。骨伝導スピーカー2が振動膜31に連結されている。骨伝導スピーカー2は、オーディオ信号により励起されて振動する際に、振動膜31を同期的に振動させるように駆動する。
【0025】
本発明において、骨伝導スピーカー2に加えてパッシブラジエーター3が設けられ、パッシブラジエーター3の振動膜31と骨伝導スピーカー2とが連結されて二重振動システムが形成されることで、パッシブラジエーター3と骨伝導スピーカー2とが同期的に振動することができる。そのため、振幅周波数応答を向上させ、振動品質を効果的に向上させ、音場の放射効果を高め、一致する位相応答を効果的に確保し、周波数応答、特に低周波数応答が十分ではないという問題を改善するだけでなく、骨伝導スピーカー2がパッシブラジエーター3の振動のための動力源を提供するので、余分な消費電力を増加する必要がない。
【0026】
具体的には、骨伝導スピーカー2には、トランスデューサー主体21および振動ダイヤフラム22が含まれる。トランスデューサー主体21は、オーディオ信号により励起される際に振動ダイヤフラム22を振動させるように駆動する。トランスデューサー主体21は、振動膜31に連結され、振動膜31をより直接的に励起することができる。上記トランスデューサー主体21および振動ダイヤフラム22は、当該分野における慣用部材であり、ここでその具体的な構造および作動原理については説明しない。
【0027】
より具体的には、トランスデューサー主体21は、伝動筒23によって振動膜31に連結されている。伝動筒23を設置することにより、トランスデューサー主体21および振動膜31の位置の配置がより柔軟になるとともに、伝動部材が筒状であるため、伝動効果を確保した上で、振動膜31に対する干渉がより小さくなる。
【0028】
具体的には、本体1において第1収容溝1110が設けられている。振動ダイヤフラム22が第1収容溝1110に配置され、振動ダイヤフラム22の上に第1覆い板4が覆設されている。第1収容溝1110の溝底に主動アコースティックホール1111が開設されている。トランスデューサー主体21は、主動アコースティックホール1111を通過して振動ダイヤフラム22に連結されている。上記第1収容溝1110と主動アコースティックホール1111とが嵌合されることにより、骨伝導スピーカー2の発音エネルギーをよりスムーズに導出することができる。第1覆い板4を配置することにより、人体に接触して、使用体験を向上させることができる。
【0029】
より具体的には、振動ダイヤフラム22の外周縁に環状突起221が凸設されている。第1収容溝1110の溝底に主動アコースティックホール1111を囲んで環状凹溝1112が凹設されている。環状突起221は、環状凹溝1112に嵌装されている。環状突起221と環状凹溝1112とが嵌合されることにより、振動ダイヤフラム22をより確実に第1収容溝1110に配置することができる。
【0030】
本実施例において、環状突起221の環状凹溝1112に向かった一方側がジグザグ状となる。ジグザグ状の構造を設けることにより、環状突起221と環状凹溝1112との摩擦力を増加し、取り付けの信頼性および安定性を向上させることができる。
【0031】
具体的には、振動膜31には、中心エリア311、内環エリア312および外環エリア313が含まれる。内環エリア312は、中心エリア311の外周に環状に設けられて連結されている。外環エリア313は、内環エリア312の外周に環状に設けられて連結されている。パッシブラジエーター3には、ケーシング32がさらに含まれる。中心エリア311は、骨伝導スピーカー2に連結されている。外環エリア313は、ケーシング32に連結されている。上記振動膜31の具体的な構造を設けることにより、固定・取り付けがより確実であり、骨伝導スピーカー2との連携効果がより良い。
【0032】
より具体的には、本体1に、第2収容溝1120が設けられ、第2収容溝1120に第2覆い板5が配置されている。第2収容溝1120の溝底に、ケーシング32に連通された受動アコースティックホール1121が開設されている。第2収容溝1120と受動アコースティックホール1121とが嵌合されることで、パッシブラジエーター3の発音エネルギーをよりスムーズに導出することができる。第2覆い板5を配置することにより、密封・防塵の効果を果たすことができる。
【0033】
本実施例において、ケーシング32と本体1とが一体成形して設けられることで、製造がよりシンプルであり、取り付けがより便利である。
【0034】
より具体的には、ケーシング32が柱状構造である。柱状構造の端面において第1溝321が設けられている。第1溝321の溝底に第2溝322が設けられている。外環エリア313が第1溝321の溝底に連結され、受動アコースティックホール1121が第2溝322の溝底に連結されている。上述した配置により、振動膜31が振動して発生した音波エネルギーが直接受動アコースティックホール1121を介して第2覆い板5を通過して導出することができる。
【0035】
好ましくは、本体1には、ベース11およびハンガー12が含まれる。そのうち、骨伝導スピーカー2およびパッシブラジエーター3は、それぞれベース11に取り付けられる。ハンガー12は、ベース11に取り外し可能に連結され、人の耳の外周、具体的に耳殻の外周に引っ掛かり、骨伝導スピーカー2と協働して人の耳、具体的に耳殻における軟骨をクランプすることができる。上述した配置により、ユーザの使用習慣および快適性に応じて、サイズが異なるハンガー12を交換することに便利である。
【0036】
具体的には、ハンガー12およびベース11の両者のうち、一方に挿接溝101および挿接溝101の側壁を貫通した係合孔102が設けられ、他方に挿接柱201および挿接柱201の外壁に連結された係合突起202が設けられている。挿接柱201が挿接溝101に挿入され、係合突起202が係合孔102に係着されている。上述した配置により、取り外しやすい上、ハンガー12およびベース11の両者の連結をより安全・確実にする。
【0037】
本実施例において、挿接柱201および挿接柱201の外壁に連結された係合突起202は、ベース11に設けられている。そのうち、係合突起202は、2つ設けられ、挿接柱201の向かい合う両側に設けられている。挿接溝101および挿接溝101の側壁を貫通した係合孔102は、ハンガー12に設けられている。そのうち、係合孔102は、2つ設けられ、挿接溝101の向かい合う両側に設けられている。
【0038】
より具体的には、挿接溝101の溝口に側壁を貫通した位置制限溝103がさらに設けられている。挿接柱201の外壁に位置制限突起203がさらに連結されている。位置制限突起203が位置制限溝103に係着されている。上述した配置により、ポカヨケ(fool-proofing)の作用を果たして、ハンガー12およびベース11の両者を連結する際に位置が逆になることを回避することができる。
【0039】
好ましくは、ベース11には、内蓋111および外蓋112が含まれる。内蓋111の開口がハンガー12から乖離して設けられている。主動アコースティックホール1111が内蓋111に設けられ、受動アコースティックホール1121が外蓋112に設けられている。骨伝導スピーカー2が主動アコースティックホール1111に正対して取り付けられ、パッシブラジエーター3が受動アコースティックホール1121に正対して取り付けられている。
【0040】
本実施例において、挿接柱201、係合突起202および位置制限突起203は、いずれも内蓋111の一端に設けられている。内蓋111の他の一端に充電端子1113がさらに設けられている。外部機器は、該充電端子1113を介して内蓋111内の電源を充電することができる。外蓋112の外側にコントロールボタン1122がさらに設けられている。該コントロールボタン1122は、内蓋111内の回路基板に電気的接続され、骨伝導イヤホンのオン・オフを制御することができる。
【0041】
具体的には、ハンガー12は、バー状であり、互いに連結された第1円弧段121および第2円弧段122を含む。第1円弧段121の自在端がベース11に連結されている。第1円弧段121は、ベース11に向かって屈曲し、人の耳の外周に引っ掛かることができる。第2円弧段122は、ベース11から離れて屈曲して、外側面が第1覆い板4に突き当られている。ユーザが装着するときに、第1円弧段121が耳殻の外周に引っ掛かり、第2円弧段122が第1覆い板4と協働して耳殻の後側における軟骨をクランプすることで、装着がより確実であり、使用時に脱落しにくい。
【0042】
具体的には、本体1には、第1クッションカバー13がさらに含まれる。第1クッションカバー13が第1円弧段121の外側に嵌装されている。第1円弧段121が第1クッションカバー13によって人の耳の外周に引っ掛かる。第1クッションカバー13は、ゴムなどの柔らかい材料により製造される。第1クッションカバー13を配置することにより、ユーザの装着時の快適性をより向上させることができる。
【0043】
本実施例において、第1円弧段121に突出ブロックが設けられている。第1クッションカバー13に貫通孔が設けられている。第1クッションカバー13が第1円弧段121に嵌装された場合、突出ブロックが貫通孔に穿設され、貫通孔の外端口に位置合せる。上述した配置により、取り外し可能な上、第1クッションカバー13の移動および変位を回避し、快適性を向上させることができる。
【0044】
より具体的には、本体1には、第2クッションカバー14がさらに含まれる。第2クッションカバー14が第2円弧段122に嵌装されている。第2円弧段122の外側面が第2クッションカバー14によって第1覆い板4に突き当られている。
【0045】
本実施例において、第2クッションカバー14は、同様に、ゴムなどの柔らかい材料により製造される。第2クッションカバー14を配置することにより、ユーザの装着時の快適性を向上させることができる。
【0046】
勿論、本発明の上記実施例は、本発明を明確に説明するための例示的なものにすぎず、本発明の実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記の説明に基づいて他の異なる形の変形または修正を行うことができる。すべての実施形態を列挙する必要も方法もない。本発明の精神及び原則内で行われるあらゆる修正、同等の置換及び改良などは、本発明の請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0047】
1、本体
11、ベース
111、内蓋
1110、第1収容溝
1111、主動アコースティックホール
1112、環状凹溝
1113、充電端子
112、外蓋
1120、第2収容溝
1121、受動アコースティックホール
1122、コントロールボタン
12、ハンガー
121、第1円弧段
122、第2円弧段
13、第1クッションカバー
14、第2クッションカバー
2、骨伝導スピーカー
21、トランスデューサー主体
22、振動ダイヤフラム
221、環状突起
23、伝動筒
3、パッシブラジエーター
31、振動膜
311、中心エリア
312、内環エリア
313、外環エリア
32、ケーシング
321、第1溝
322、第2溝
4、第1覆い板
5、第2覆い板
101、挿接溝
102、係合孔
103、位置制限溝
201、挿接柱
202、係合突起
203、位置制限突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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