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特開2022-145541玩具に用いられるポータルユニット、ポータルユニットを使用するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145541
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】玩具に用いられるポータルユニット、ポータルユニットを使用するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 11/00 20060101AFI20220926BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220926BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A63F11/00 Z
A63H33/00 Z
A63H33/22 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024589
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】10 2021 106 803.7
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522068304
【氏名又は名称】ゲオブラ ブランドステッター スチフツング ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク ミューラー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮想現実の概念を使用して新しいプレイオプションを提供する玩具ようにポータルユニットを提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイ8と背景照明装置14とを有する表示装置6が配置されたハウジング4と、少なくとも1つの玩具用の収容部と玩具認識装置とを有し、該表示装置6の内部空間を形成する壁のうちの少なくとも1つの内壁を外側から見ることができ、該背景照明装置14は、該内部空間の後壁に、該液晶ディスプレイ8から距離を置いて配置されるポータルユニット2とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具(42、54)に用いられるポータルユニットであって、前記ポータルユニット(2)はハウジング(4)を有し、ディスプレイ装置(6)は、前記ハウジング(4)に配置され、表示装置(6)は、液晶ディスプレイ(8)と背景照明装置(14)とを有し、前記液晶ディスプレイ(8)は透明であり、前記表示装置(6)は内部空間(16)を形成し、そのうちの少なくとも1つの内壁(20)が外側から見えることができ、前記背景照明装置(14)は、前記内部空間(16)の後壁(18)に、前記液晶ディスプレイ(8)から距離を置いて配置され、前記ポータルユニット(2)は、少なくとも1つの玩具(42、54)用の収容部(44、46.1、46.2、48)と玩具認識装置(50)とを有するポータルユニット。
【請求項2】
前記表示装置(6)は、少なくとも1つの切り替え可能な偏光フィルタ(12)を有する、請求項1に記載のポータルユニット。
【請求項3】
前記ポータルユニット(2)は、前記表示装置(6)および/または前記玩具認識装置(50)を制御するための演算ユニット(22)を有する、請求項1又は2に記載のポータルユニット。
【請求項4】
前記玩具認識装置は、NFCスキャナ(50)、カメラ、光学スキャナおよび/または近距離通信装置の少なくとも1つを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項5】
前記背景照明装置(14)と前記液晶ディスプレイ(8)との間で相互に整列される表面間の距離(d)は、前記液晶ディスプレイ(8)の高さ(h)の1/10~3/4、または、1/4~1/2、または、1/3である、請求項1から4のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項6】
前記ポータルユニット(2)は、コンピュータ(34)とのインターフェース(28)を備え、前記インターフェース(28)を介して前記コンピュータ(34)と前記ポータルユニット(2)との間でデータを双方向に伝送することができる、請求項1から5のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項7】
前記収容部は、前記玩具(42、54)のためのドアまたはフラップを有し、前記玩具認識装置は、前記収容部内に置かれた玩具が認識可能であるように、及び/又は、前記収容部(44、46.1、46.2、48)が前記玩具(42、54)のためのリフト(44)を有するように配置され、前記リフト(44)は、前記玩具認識装置(50)が前記リフト(44)上に置かれた前記玩具(42、54)を認識することができるように前記玩具認識装置(50)を通過してガイドされる、請求項1から6のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項8】
前記収容部(44、46.1、46.2、48)は、前記表示装置(6)とは異なる側(4.2)に配置される、請求項1から7のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項9】
前記表示装置(6)は、タッチ感知面(10)を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載のポータルユニット。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のポータルユニットの少なくとも1つと、少なくとも1つの玩具(42、54)とを備えるシステム。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載のポータルユニットを使用する方法であって、玩具(42、54)は、前記玩具認識装置(50)を用いて認識され、前記認識された玩具(42、54)に割り当てられた少なくとも1つのデータセットが計算ユニット(22)からロードされ、前記表示装置(6)を用いて前記認識された玩具(42、54)と対応する仮想玩具(42、54)の再生物が表示される、方法。
【請求項12】
仮想光源(40)がエミュレートされ、前記表示装置(6)には、前記玩具(42、54)に対する前記仮想光源(40)の相対位置に応じて前記仮想玩具(30)の陰影(32)が表示される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記認識された玩具(42、54)を識別するデータセットは、コンピュータ(34)に送信され、少なくとも1つのゲームシナリオが、前記コンピュータ(34)上で選択、作成、または処理され、前記ゲームシナリオは、前記表示装置(6)に表示される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記玩具認識装置(50)を用いて、少なくとも1つのさらなる玩具(42、54)が認識及び表示される、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記仮想玩具(42、54)は、少なくとも1つの目に見える内壁(20)に配置されるように表示される、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に用いられるポータルユニット、ポータルユニットを使用するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
玩具に用いられるポータルユニット、並びに、ポータルユニットを使用するためのシステムおよび方法は、先行技術においてその一部が知られている。
【0003】
計算能力の継続的な向上、人工知能の使用による可能性の拡大、および、ハードウェアの低価格化により、仮想現実のアプリケーションは、専門的範囲および娯楽活動の領域を含む個人的範囲においてますます多くのユーザを見出している。例えば、多くの場合においてキーボードを備えていない携帯電話やポータブルタブレットを利用し、組み込まれたカメラを用いて周辺エリアの画像を記録し、その周辺エリアにおける表面、輪郭および物体の一部を識別し、これらの情報を用いて、対応する装置の画面上の適切な位置に表示される仮想画像を計算により生成することが知られている。例えば、実際のカメラ画像を仮想コンテンツで補完することができる。これは、アプリケーション目的とプレイ目的の両方のために行うことができる。しかしながら、対応するシステムでは、使用される技術デバイスを取り扱うときに、いくつかの既存の知識および経験を必要とする。しかしながら、この経験は一般に子供には存在しない。
【0004】
KR20160027384Aは、ショップウィンドウ用のプレゼンテーション装置を開示しており、この装置は透明ディスプレイと背景照明装置とを有し、ディスプレイと背景照明装置とが互いに距離を置いて配置されている。この場合の透明ディスプレイは、観察者と背景照明装置との間に配置される。
【0005】
従って、目的は、経験の無いユーザグループのために、仮想現実の概念を使用して新しいプレイオプションを明示することであり、プレイオプションが容易に使用されることが意図され、これにより、関連の対象となるグループが、仮想現実の知覚のためおよびそこでプレイするために双方向の実現性を利用することが可能となる。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の玩具に用いられるポータルユニット、請求項10に記載のポータルユニットの少なくとも1つと玩具の少なくとも1つとからなるシステム、および、請求項11に記載のポータルユニットを使用する方法によって達成される。
継続的構成は、それぞれの従属請求項の主題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、玩具に用いられるポータルユニットであって、ポータルユニットはハウジングを有し、ディスプレイ装置は、ハウジングに配置され、表示装置は、液晶ディスプレイと背景照明装置とを有し、液晶ディスプレイは透明であり、表示装置は内部空間を形成し、そのうちの少なくとも1つの内壁が外側から見えることができ、背景照明装置は、内部空間の後壁に、液晶ディスプレイから距離を置いて配置され、ポータルユニットは、少なくとも1つの玩具用の収容部と玩具認識装置とを有する。
【0008】
ハウジングは、概して直方体の設計を有し、ハウジングの側面を6つ有し得る。一変形例によれば、ハウジングは主にとりわけ射出成形可能なプラスチック材料により構成される。ハウジングは、分解され、衝撃および飛散防止から保護され、異なる色で着色されることが可能である。ハウジングには電力接続が設けられ得る。バッテリまたはバッテリコンパートメントが、ハウジング内に配置されてもよい。
【0009】
表示装置は、ハウジングのいくつかのハウジング側面のうちの1つに配置され、ハウジング側面のいくつか、大部分または全てを覆い得る。表示装置は、ハウジング内に凹むように配置され得る。その結果、表示装置の外側に面する前面は、ポータルユニットの対応するハウジング側面と同一平面となるか、またはポータルユニットに対して凹んでいる。
【0010】
表示装置は内部空間を形成し、その内部空間における後壁に背景照明装置が液晶ディスプレイから距離を置いて配置されるので、液晶ディスプレイによって生成されるプレゼンテーションは、ホログラムのような効果を有する深度の印象を与えることが可能であり、これにより、柔軟さの増加および現実感の向上をもたらす。
【0011】
特に内壁に対する位置が見えるように、表示されるプレゼンテーションが位置決めされる場合に、ホログラム効果が強化され得る。例えば、内部空間の底部に配置されたプレイフィギュアは、プレイフィギュアが内部空間に立っているという印象を与える。ホログラム効果は、陰影をシミュレートする表示装置によってグラフィカル的に強化され得る。
【0012】
陰影は、底部に表示され得、シミュレートされる照明状況および表示された物体のサイズによっては、一部が後壁または背景照明装置に表示され得る。ポータルユニットの使用者がプレゼンテーションの少し上の適切な角度から表示装置を見れば、明確な立体感を得ることができる。
【0013】
ポータルユニットが、少なくとも1つの玩具のための収容部と玩具認識装置とを有することにより、ポータルユニットのユーザの玩具を認識することが可能となる。このような場合には、玩具の仮想的な再現像(以下、「仮想玩具」)が表示装置に表示されてもよい。仮想玩具は、とりわけ動画に取り込まれることができ、移動や変形等が可能となる。
【0014】
これは、収容部内に配置されている玩具があたかも仮想現実に移植されるかのような印象をユーザ、特に子供にもたらし、これにより多種多様なプレイオプションが切り開かれる。
【0015】
第1の継続的構成では、ディスプレイ装置は、少なくとも1つの切り替え可能な偏光フィルタを有してもよい。
【0016】
少なくとも1つの切り替え可能な偏光フィルタの使用は、特定の領域で背景照明装置を減光することによって、表示装置のコントラストを向上させることを可能にする。その結果、多種多様なシーンを表示することができ、ポータルユニットの適用範囲を広げることができる。
【0017】
さらなる継続的構成では、ポータルユニットは、表示装置および/または玩具認識装置を制御するための計算ユニットを有してもよい。
【0018】
計算ユニットは、プロセッサおよび不揮発性メモリを有し得る。例えば画像及び動画データの解釈及び再生のために必要な表示ソフトウェアに加えて、ポータルデバイスを操作するためにオペレーティングシステムが不揮発性メモリに記憶され得る。さらに、不揮発性メモリには、様々な玩具を含むデータベース及びそのグラフィカルプレゼンテーションが格納され得る。さらに、玩具に関するアプリケーションオプションのデータが記憶され得る。このような計算ユニットの使用は、認識された玩具に基づく仮想表示の計算、操作および動画の再生を可能にする。
【0019】
さらなる継続的構成では、玩具認識装置は、NFCスキャナ、カメラ、光学スキャナおよび/または近距離通信装置のうちの少なくとも1つを有してもよい。
【0020】
NFC(Near Field Communication)は、近距離無線通信システムを示す既知の略語である。NFCは、疎結合コイルを用いた電磁誘導によりデータの非接触交換を短距離で行うためのRFID(Radio Frequency Identification)技術に基づく国際伝送規格である。この距離は、典型的には、数センチメートルの距離である。NFCスキャナの使用は、NFCタグ(NFC貼付物)を備えた玩具の信頼できる認識を可能にする。NFCは、片側のみに電力が供給されればよく、その結果、NFCタグはエネルギー貯蔵装置を必要としないという技術的利点を有する。加えて、NFCタグは費用対効果が高く、目立たないように配置することができる。
【0021】
無線通信オプション、例えばBluetooth、特にその低消費エネルギー規格も可能である。
【0022】
カメラ及び他の光学スキャナは、特別な貼付物を全く必要とせずに光学認識方法を可能にするが、特定の状況下、特に改造された玩具の場合には、低い認識精度となり得る。光学的方法では、光学的コードを使用することによって認識精度を高めることが可能である。一変形例では、そのようなコードはQRコード(登録商標)であってもよく、他の変形例では、コードはパターンまたは構造等の目立たない光学特徴であってもよい。
【0023】
さらなる継続的構成では、背景照明装置と液晶ディスプレイとの間で相互に整列される表面間の距離は、液晶ディスプレイの高さの1/10~3/4、または、1/4~1/2、または、1/3であってもよい。
【0024】
このような距離であれば、充分に大きな立体感やホログラム効果を得ることが可能となる。
【0025】
さらなる継続的構成では、ポータルユニットは、コンピュータとのインターフェースを備えてもよく、これを介してコンピュータとポータルユニットとの間でデータを双方向に伝送することができる。
【0026】
このようなインターフェースは、無線であってもよく、および/または有線設計を有してもよい。したがって、様々な変形例では、USBまたはWLAN、Bluetoothなどのインターフェース規格または通信規格を、通信およびデータ交換のために使用することができる。一変形例によれば、ポータルユニットは、自身をそのようなものとして知らせることができる。対応するドライバは、不揮発性メモリに記憶され、少なくともコンピュータとポータルユニットとの間の最初の接続時に送信され得る。
【0027】
このようなコンピュータとのインターフェースにより、コンピュータをゲーム、ゲームデザインまたはゲームの準備に組み込むことが可能となり、この目的のために、一変形例において、データがコンピュータによってポータルユニットに転送される。逆に、認識された玩具を介してデータをコンピュータに送信することができる。これにより、コンピュータを用いて、シーンを計画し、およびシーンに対して影響を与え、すなわち映像等の作成を行うことができる。そして、対応する作成されたデータは、ポータルユニットの不揮発性メモリに記憶され、ポータルユニットの表示装置上に提示され得る。これにより、ポータルユニットのゲームオプションの多様性が増し、ゲームのモチベーションが長期間にわたって維持される。
【0028】
継続的構成では、収容部は、玩具のためのドアまたはフラップを有し、玩具認識装置は、収容部内に置かれた玩具が認識可能であるように配置されてもよい。
【0029】
このようなドアまたはフラップは閉じることができ、その結果、ドアまたはフラップの背後の玩具は見えなくなる。
【0030】
さらなる継続的構成では、収容部が玩具のためのリフトを有し、リフトは、玩具認識装置がリフト上に置かれた玩具を認識することができるように、玩具認識装置を通過してガイドされてもよい。
【0031】
一変形例によれば、このようなリフトは、リフトシャフト内の1つまたは複数のレール上でガイドされ得る。種々の実施形態において、リフトは、電気的、バネ荷重式、またはもっぱら機械的に駆動することができ、これらの方式は、コストおよび複雑さだけでなく、動作の容易さにも影響を及ぼす。
【0032】
対応するリフトにより、ポータルユニットのハウジングの内部で玩具を下降させることが可能となる。
【0033】
前述の2つの構成により、導入された玩具を表示装置に移植するような印象が高まり、プレイヤーに肯定的で驚きの効果および感情をもたらすことができる。
【0034】
一変形例では、玩具認識装置は、リフトの可動プラットフォームに配置することができる。他の変形例では、玩具認識装置は、リフトの移動経路の近くのハウジングに配置することができる。
【0035】
リフト内に位置する玩具を認識できるように玩具認識装置を配置することにより、実質的にプレイヤーに気付かれることなく玩具認識を行うことができる。
【0036】
別の継続的構成では、玩具認識装置は、複数の玩具を認識するように構成することができる。
【0037】
例えば、複数の玩具、並びに、少なくとも1つの玩具及び少なくとも1つの付属品を、同時に認識して表示装置に表示することができる。
【0038】
リフトについて言えば、ある構成では、リフトは玩具認識装置を通過してガイドされる少なくとも2つ以上のプラットフォームを有し得る。
【0039】
さらなる継続的構成では、収容部は表示装置とは異なる側に配置されてもよい。
【0040】
これにより、ポータルユニットの構成をコンパクトにすることができ、表示装置に必要なスペースを最大限大きくできる。加えて、プレイフィギュアが仮想プレイフィギュアから遠く離れているように見えるので、移植の効果が増す。
【0041】
さらなる継続的構成では、表示装置は、タッチ感知面を有してもよい。
【0042】
タッチ感知面は、ポータルユニットと直接の相互作用、例えば、表示装置上で玩具を移動又は変更することを可能にする。この目的のために、種々の実施形態では、異なるシーンの選択、照明の変化、選択による特定の付属品の追加またはその除去、玩具の特定の姿勢または位置の適用などが可能になり得る。これらが可能となることは、第1にそれぞれの玩具に依存し、次に異なる他のインセンティブシステムに依存し得る。
【0043】
継続的構成では、隣り合って配置されるポータルユニットは、特に無線で相互接続可能であってもよい。このような接続は、例えば、Bluetooth接続またはBluetoothローエナジー接続の形態をとり得る。このようにして、隣り合って配置された2つ以上のポータルユニットのプレイフィギュアの相互作用が可能となる。例えば、プレイフィギュアは、握手により互いに挨拶することや、互いに対戦することができる。
【0044】
第1の独立主題は、少なくとも1つの前述のタイプのポータルユニットと、少なくとも1つの玩具とのシステムに関する。
【0045】
このような玩具は、実施形態に応じて、プレイフィギュア又はプレイフィギュア用の付属品であってもよい。様々な構成において、プレイフィギュアは人又は動物であってもよい。アクセサリは、実施形態に応じて、衣類またはバッグなどのアクセサリ、日常生活の道具または他の物体などの物体、食品などであってもよい。また、アクセサリはプレイフィギュアのペットや交換可能な毛髪などを含んでもよい。
【0046】
さらなる独立主題は、上述のタイプのポータルユニットを使用する方法に関するものであって、この方法においては、玩具は、玩具認識装置を使用して認識され、認識された玩具に割り当てられた少なくとも1つのデータセットが演算ユニットからロードされ、表示装置を用いて認識された玩具と対応する仮想玩具の再生物が表示される。
【0047】
このようにして、表示装置上に玩具の仮想の再生物を表示することができ、ポータルユニットのユーザは仮想玩具との相互作用が可能となる。
【0048】
第1の継続的構成では、仮想光源がエミュレートされ、表示装置には、玩具に対する仮想光源の相対位置に応じて、仮想玩具の陰影が表示されてもよい。
【0049】
仮想光源を用いることにより、表示装置のホログラム効果を高めることができる。
【0050】
さらなる継続的構成では、認識された玩具を識別するデータセットは、コンピュータに送信され、少なくとも1つのゲームシナリオが、コンピュータ上で選択、作成および/または処理され、そして、ゲームシナリオは、ポータルユニットに送信で戻されて表示装置に表示されてもよい。
【0051】
独自の表示装置(ディスプレイ)を有するコンピュータを用いることで、ポータルユニットの選択肢を拡張することができる。
【0052】
1つの可能な変形例では、コンピュータは、対応するプログラムを備えるホームコンピュータ、タブレットまたはスマートフォンであってもよい。そして、ポータルユニットとコンピュータとの間で直接接続を確立してもよい。
【0053】
1つの代替的な可能な変形例では、コンピュータは中央コンピュータであってもよく、ポータルユニットへの接続は、遠隔通信プロトコルを介して確立し得る。そして、新しいフィギュアまたはゲームシーンに関する更新を、例えばインターネットを介してポータルユニットのメモリにロードすることができる。
【0054】
ポータルユニット内に置かれた玩具がポータルユニット内で未知の場合には、玩具認識装置を用いて玩具に関する情報を確認し、コンピュータに送信することが可能である。そして、後者は、玩具に割り当てられたデータを提供し、または中央コンピュータからそのようなデータを取り出し、それらをポータルユニットに送信することができる。
【0055】
さらなる継続的構成では、玩具認識装置を用いて、少なくとも1つのさらなる玩具が認識され表示されてもよい。
【0056】
少なくとも1つのさらなる別の玩具を認識することにより、ポータルユニットの表示装置に複雑なシーンを表示することができる。したがって、いくつかの実施形態では、プレイフィギュア及び組み合わされるアクセサリをポータルユニットに次々と配置し、それらを認識することを可能にし、複数の玩具、例えばプレイフィギュアとツール、プレイフィギュアと衣類、又はプレイフィギュアとペット、を組み合わせて使用することが可能となる。
【0057】
さらなる継続的構成では、仮想玩具は、少なくとも1つの目に見える内壁に配置されるように表示されてもよい。
【0058】
少なくとも1つの目に見える内壁に仮想玩具を配置することによって、仮想玩具が表示面ではなく、目に見える内壁に位置するという印象を作り出すことができる。これにより、空間深度の印象が高まる。
【0059】
さらなる独立主題は、恒久的なコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品に関するものであって、この記憶媒体にはコマンドが埋め込まれており、このコマンドは、少なくとも1つの計算ユニットによって実行されると、少なくとも1つの計算ユニットに対して上述のタイプの方法を実行するように構成するようにさせる。
【0060】
この方法は、1つまたは複数の計算ユニットにわたって分散して実行することができ、その結果、特定の方法ステップが1つの計算ユニット上で実行され、他の方法ステップが少なくとも1つのさらなる計算ユニット上で実行され、計算されたデータは必要に応じて計算ユニット間で送信することができる。
【0061】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言から、および図面を参照して例示的な実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、ポータルユニットの概略側面図である。
図2図2は、図1によるポータルユニットの概略正面図である。
図3図3は、図1のポータルユニットに接続可能なコンピュータを示す図である。
図4図4は、ポータルユニットにプレイフィギュアを移植するためのシーケンスの異なる段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、ポータルユニット2を示す。
【0064】
ポータルユニット2は、実質的に直方体であるハウジング4を有する。表示装置6は、前面4.1に配置される。
【0065】
表示装置6は、タッチ感知面10を有する透明な液晶ディスプレイ8を有する。タッチ感知面10は、例えば、静電容量式の設計を有してもよい。
【0066】
液晶ディスプレイ8の後方に、偏光フィルタ12が配置されている。偏光フィルタは切り替え可能であり、背景照明装置の透過率を変化させることができ、その結果、表示装置6をより明るくまたはより暗く見せることができる。
【0067】
背景照明装置14は、距離dだけ窪んだ位置に配置され、この距離dは、この例においては液晶ディスプレイ8の高さhの1/3である。背景照明装置14は、液晶ディスプレイ8を後方から照明する。背景照明装置14から出射された光は、液晶ディスプレイ8を透過して外部に出射される。この例では、背景照明装置14は、発光手段として格子状のLEDを用いる。
【0068】
表示装置6は、後壁18を有する内部空間16をさらに有し、背景照明装置14は、後壁18に配置される。
【0069】
内部空間16はさらに、外部から見える底部20を有する。底部20は、以下で説明するように、プレゼンテーションおよびゲームプレイに組み込むことができる。
【0070】
ポータルユニット2はさらに、プロセッサ24および不揮発性メモリ26を備える計算ユニット22を有する。不揮発性メモリ26には、とりわけオペレーティングシステム、表示装置6および玩具認識装置(図1において不図示)の制御プログラム、ならびに表示装置6でこのようなグラフィック情報を再生するために画像及び映像データを読み取り解釈するためのコーデックなどが格納されている。さらに、互換性のある玩具および付属品ならびにそれらのグラフィック表現、自由度、動作オプションなどについてのデータベースが記憶される。
【0071】
さらに、コンピュータ(図1において不図示)とのインターフェース28が設けられる。インターフェース28は、このケースでは無線設計を備えるが、代替構成で有線設計を有してもよい。ある構成では、様々なインターフェース、例えばUSBおよびWLANがあり得る。
【0072】
図2は、前面4.1から見たポータルユニット2を示す。
【0073】
表示装置6には、底部20の上に立って見えるように配置されたプレイフィギュア30が表示されている。さらに、表示装置6は、奥行き効果を高める陰影32を作り出す。
【0074】
表示装置が実質的にプレイフィギュア30および陰影32以外を表示しないということと、背景照明装置14が表示装置上のプレイフィギュア30および陰影32の配置と関連して使用されるということにより、プレイフィギュア30がホログラムであり内部空間16の内部に位置している印象を与える。
【0075】
図3は、コンピュータ34を示す。
【0076】
コンピュータ34は、スクリーン36を備える。コンピュータ34が備えるインターフェース38を介して、ポータルユニット2のインターフェース28への接続を確立することや、ポータルユニット2とコンピュータ34との間で双方向にデータを送信することが可能である。
【0077】
プレイフィギュア30に加えて、ポータルユニット2の内部空間16の再生物がコンピュータ34のスクリーン36に表示される。さらに、仮想光源40が表示される。そして、コンピュータ34のユーザは、例えば仮想光源40の位置を変更することができ、その結果、仮想プレイフィギュア30の陰影が位置に応じて適合するように表示装置6が動作される。さらに、例えば、明るい色を適合させることができ、さらに、動的効果などの仮想プレイフィギュア30に対するさらなる動作を行うことができる。また、動画等を呼び出して編集することも可能である。
【0078】
コンピュータ34とポータルユニット2との間の同期は、同時にまたはタイムラグを伴って実行可能である。その結果、ポータルユニット2は、コンピュータ34から送信されたデータを使用することにより、コンピュータ34とは独立して使用されることも可能となる。
【0079】
図4は、実際のプレイフィギュア42に関連するポータルユニット2の使用のシーケンスを示す。
【0080】
ここで、図4は、ポータルユニット2を使用するための方法の典型的なシーケンスを示す。上段はそれぞれポータルユニット2の側面断面図を示し、下段はそれぞれポータルユニット2を正面4.1から見た図を示す。
【0081】
ステップa)は、初期状態のポータルユニットを示す。上下に配置された2つのプラットフォーム46.1、46.2を有するリフト44は、プレイフィギュア42のための収容部として後側4.2の側方に配置される。リフト44は、レール(不図示)に沿って上下方向に直線的にガイドされ、ポータルユニット2のハウジング4の上面4.3から押し出されることが可能である。
【0082】
リフト44の後側には、NFCスキャナ50が配置されており、本実施形態例では、リフト44のリフトシャフト48の軸壁に配置されている。NFCスキャナ50は、プレイフィギュア42の上に見えないように配置されたプレイフィギュア42のNFCタグ52を読み取るように実現される。対応する方法ステップa)では、表示装置6には何も表示されない。
【0083】
方法ステップb)において、リフト44は完全に上部に移動されており、これは、この時点において下側プラットフォーム46.1はアクセス可能で使用可能であることを意味する。そして、プレイフィギュア42を下側プラットフォーム46.1上に配置することができる。
【0084】
NFCタグ52は、プレイフィギュア42の種類に関する情報を含む。各プレイフィギュアは、自身の識別子を有してもよく、識別子は、いくつかの変形例ではユニークであってもよく、他の変形例では種類に応じたものであってもよい。例えば、同じ種類の異なるプレイフィギュアは、それぞれ同じNFCタグを使用してもよく、したがって交換可能となる。固有の識別子の使用によりさらなる機能が実現できる。
【0085】
方法ステップd)では、リフト44が下方に移動され、したがって、プレイフィギュア42がリフトシャフト48内で下降される。そのような動作において、NFCタグ52は、NFCスキャナ50を通過するように直接ガイドされる。そして、NFCスキャナ50は、NFCタグ52を読み取り、その情報を計算ユニット22に渡すことができる。
【0086】
計算ユニット22は、その後、そのデータを評価してもよい。プレイフィギュア42がリフトシャフト48内にさらに押し込まれると、計算ユニット22は、不揮発性メモリ26から適切なデータをロードし、プロセッサ24を使用してそれらを処理して、仮想プレイフィギュア30の表示を準備してもよい。
【0087】
方法ステップe)に示すように、プレイフィギュア42が完全に押し込まれてリフト44がその初期位置に戻ると、表示装置6が起動され、仮想プレイフィギュア30が表示装置6に表示される。リフト44が完全に押し込まれたことを検出するために、例えばスイッチ装置(不図示)を使用してもよい。
【0088】
ここで、ポータルユニット2のユーザは、表示装置6のタッチ感知面10を介して仮想プレイフィギュア30と関わり合うことができる。
【0089】
方法ステップf)は任意である。ポータルユニット2のユーザは、とりわけアクセサリ、この場合は同様にNFCタグ56を備える飲用カップ54を、他方のプラットフォーム46.2上に配置することできる。上部プラットフォーム46.2がNFCスキャナ50の近傍に位置しているため、NFCタグ56はNFCスキャナ50の送受信範囲内に位置する。
【0090】
アクセサリ、ここでは飲用カップ54が上部プラットフォーム46.2上に配置されていることをNFCスキャナ50が検出した直後に、この情報は計算ユニット22に送信され、計算ユニットによって処理される。これにより、表示装置6には仮想の飲料カップ58が現れる。そして、ポータルユニット2のユーザは、仮想の飲料カップ58を使用し、それをゲームプレイに組み込むことができる。
【0091】
本発明は、前述の実施形態のいずれにも限定されず、様々な方法で変更可能である。
【0092】
特許請求の範囲、明細書、および図面から導き出される設計特徴、空間配置、および方法ステップを含む全ての特徴および利点は、個々に、および非常に多種多様な組み合わせで、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0093】
2 ポータルユニット
4 ハウジング
4.1 前側
4.2 後側
4.3 上側
6 表示装置
8 液晶ディスプレイ
10 タッチ感知面
12 偏光フィルタ
14 背景照明装置
16 内部空間
18 後壁
20 底部
22 計算ユニット
24 プロセッサ
26 不揮発性メモリ
28 インターフェース
30 仮想プレイフィギュア
32 陰影
34 コンピュータ
36 スクリーン
38 インターフェース
40 仮想光源
42 プレイフィギュア
44 リフト
46.1、46.2プラットフォーム
48 リフトシャフト
50 NFCスキャナ
52 NFCタグ
54 飲料カップ
56 NFCタグ
58 仮想飲料カップ
d 距離
h 高さ
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】