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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014555
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】オーガー充填装置および充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 37/10 20060101AFI20220113BHJP
   B65B 1/12 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B65B37/10
B65B1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116926
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】596092595
【氏名又は名称】三光機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】細川 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】梅田 英之
【テーマコード(参考)】
3E055
3E118
【Fターム(参考)】
3E055AA03
3E055BB02
3E055BB08
3E055CA04
3E055DA03
3E055DA06
3E055EB01
3E055FA10
3E118AA02
3E118AB01
3E118BB02
3E118BB04
3E118BB14
3E118CA02
3E118EA03
3E118FA01
(57)【要約】
【課題】包装袋内に粉末または粘体を充填するオーガー充填装置において、充填物の予期しない包装袋内への落下や、包装袋内に充填物が突出して堆積してしまうことによる包装袋のシール部分への噛み込みを防止する。
【解決手段】ホッパーは、粉末状または粘体状の充填物を収容する。パイプ状のファンネルは、ホッパーの下端部に垂設されて、ホッパーから供給される充填物を下端の吐出口から吐出する。スクリューは、ホッパーおよびファンネルの内部を挿通して回転自在に設置される。スクリュー駆動部は、所定の充填開始タイミングでスクリューの回転駆動を開始して充填物を吐出させ、所定の充填終了タイミングでスクリューの回転駆動を停止して充填物の搬送を止める。吐出分岐蓋は、ファンネルの吐出口に設置されて、充填物の吐出方向を斜め左下方向と斜め右下方向に分岐させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状または粘体状の充填物を収容するホッパーと、
前記ホッパーの下端部に垂設されて前記ホッパーから供給される前記充填物を下端の吐出口から吐出するパイプ状のファンネルと、
前記ホッパーおよび前記ファンネルの内部を挿通して回転自在に設置されるスクリューと、
所定の充填開始タイミングで前記スクリューの回転駆動を開始して前記充填物を吐出させ、所定の充填終了タイミングで前記スクリューの回転駆動を停止して前記充填物の搬送を止めるスクリュー駆動部と、
前記ファンネルの前記吐出口に設置されて前記充填物の吐出方向を斜め左下方向と斜め右下方向に分岐させる吐出分岐蓋と
を具備するオーガー充填装置。
【請求項2】
前記吐出分岐蓋によって分岐された一方の充填物を斜め左下方向に吐出する斜め左下吐出口と、
前記吐出分岐蓋によって分岐された他方の充填物を斜め右下方向に吐出する斜め右下吐出口と、
前記吐出分岐蓋の外周縁と係合する筒形状であって前記ファンネルを覆うように上下自在に設置されて前記斜め左下吐出口および前記斜め右下吐出口を開閉するシャッター筒と、
前記充填開始タイミングで前記シャッター筒を上動させて前記斜め左下吐出口および前記斜め右下吐出口を開き、前記充填終了タイミングで前記シャッター筒を下動させて前記斜め左下吐出口および前記斜め右下吐出口を閉じるシャッター駆動部と
をさらに具備する請求項1記載のオーガー充填装置。
【請求項3】
前記吐出分岐蓋は、前記充填物が垂下方向に吐出するのを妨げるように設置され、前記充填物を前記ファンネルの吐出口から斜め左下方向に分岐案内する左坂部と、前記充填物を前記ファンネルの吐出口から斜め右下方向に分岐案内する右坂部とを備える
請求項1または2に記載のオーガー充填装置。
【請求項4】
前記吐出分岐蓋は、前記左坂部および前記右坂部の垂直方向に対してなす角度が非対称である
請求項3記載のオーガー充填装置。
【請求項5】
前記吐出分岐蓋は、前記左坂部および前記右坂部の案内斜面を延材させた交点が前記ファンネルの軸中心と異なる
請求項3または4に記載のオーガー充填装置。
【請求項6】
前記シャッター筒は、当該シャッター筒の先端縁の前方が突出した前垂部と、後方が突出した後垂部とを備え、
前記前垂部および前記後垂部は、前記シャッター筒が上動して前記斜め左下吐出口および前記斜め右下吐出口がそれぞれ開いたときに前記吐出分岐蓋の前方および後方を塞ぐように配置される
請求項2から5のいずれかに記載のオーガー充填装置。
【請求項7】
粉末状または粘体状の充填物が充填包装される包装袋を製造する充填包装機であって、
長尺の包装フィルムが巻き返された包装フィルムロールから包装フィルムを引き出して搬送する包装フィルム送り装置と、
前記搬送されてきた包装フィルムを前記包装袋の形状に合わせて、2枚の包装フィルムまたは半折された包装フィルムに成形するフォーミング装置と、
前記成形された包装フィルムに搬送方向に沿った縦シールを施して筒状の包装フィルムを成形する縦シール装置と、
前記筒状の包装フィルムに搬送方向と直交する横シールを施して連続した包装袋を製袋する横シール装置と、
前記製袋途中の上部開口した包装袋内に前記充填物を充填する請求項1から6のいずれかに記載のオーガー充填装置と、
前記連続した包装袋の前記横シールの所定位置を切断して個別の包装袋とするカッター装置と
を具備する充填包装機。
【請求項8】
前記筒状の包装フィルムに対して内側から斜め左下吐出口の吐出方向および斜め右下吐出口の吐出方向の少なくとも一方向に向かって内接して前記筒状の包装フィルムの幅方向の張りを維持させるガイド部材をさらに具備する請求項7記載の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーガー充填装置に関し、特に、回転搬送によって包装袋内に充填物を充填するオーガー充填装置および充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微粉末や、固まり易い粉末または粘粉などの充填物を包装袋やカップ容器に充填する場合、原料を貯留したホッパーの下部にファンネルを接続し、ファンネル内に係合して挿入されたスクリューの回転搬送によって包装袋内に充填物を充填するオーガー充填装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなオーガー充填装置は、通常、それぞれの包装袋毎に間欠的に充填を行うように動作するが、充填間でスクリューが一時停止している時もファンネル吐出口のわずかな充填物が予期しないタイミングで落下することがあり、包装袋のシール間に充填物が噛み込まれて不良品が発生するおそれがある。そのため、円錐形状のテーパ面を備えるシャッター部をスクリューの先端に設けて、充填物を包装袋内で放射状に吐出する充填装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-018902号公報
【特許文献2】特許第4125050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、充填物を包装袋内で放射状に吐出しており、これにより、包装袋内で充填物を滑らかに拡散しつつ放出している。しかしながら、充填物を包装袋内で放射状に吐出した場合、製袋中の包装袋が全周方向に揺さぶられてしまい、これによって製袋不良が生じるおそれがある。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、包装袋内に粉末または粘体を充填するオーガー充填装置において、充填物の予期しない包装袋内への落下や、包装袋内に充填物が突出して堆積してしまうことによる包装袋のシール部分への噛み込みを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、粉末状または粘体状の充填物を収容するホッパーと、上記ホッパーの下端部に垂設されて上記ホッパーから供給される上記充填物を下端の吐出口から吐出するパイプ状のファンネルと、上記ホッパーおよび上記ファンネルの内部を挿通して回転自在に設置されるスクリューと、所定の充填開始タイミングで上記スクリューの回転駆動を開始して上記充填物を吐出させ、所定の充填終了タイミングで上記スクリューの回転駆動を停止して上記充填物の搬送を止めるスクリュー駆動部と、上記ファンネルの上記吐出口に設置されて上記充填物の吐出方向を斜め左下方向と斜め右下方向に分岐させる吐出分岐蓋とを具備するオーガー充填装置である。これにより、充填物の吐出方向を斜め左下方向と斜め右下方向に分岐させるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記吐出分岐蓋によって分岐された一方の充填物を斜め左下方向に吐出する斜め左下吐出口と、上記吐出分岐蓋によって分岐された他方の充填物を斜め右下方向に吐出する斜め右下吐出口と、上記吐出分岐蓋の外周縁と係合する筒形状であって上記ファンネルを覆うように上下自在に設置されて上記斜め左下吐出口および上記斜め右下吐出口を開閉するシャッター筒と、上記充填開始タイミングで上記シャッター筒を上動させて上記斜め左下吐出口および上記斜め右下吐出口を開き、上記充填終了タイミングで上記シャッター筒を下動させて上記斜め左下吐出口および上記斜め右下吐出口を閉じるシャッター駆動部とをさらに具備してもよい。これにより、シャッター筒を上下動させてファンネルの吐出口から充填物が意図せずに落下することを防ぐという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記吐出分岐蓋は、上記充填物が垂下方向に吐出するのを妨げるように設置され、上記充填物を上記ファンネルの吐出口から斜め左下方向に分岐案内する左坂部と、上記充填物を上記ファンネルの吐出口から斜め右下方向に分岐案内する右坂部とを備えるようにしてもよい。
【0010】
この場合において、上記吐出分岐蓋は、上記左坂部および上記右坂部の垂直方向に対してなす角度が非対称であってもよい。これにより、斜め左下吐出口と斜め右下吐出口の開口面積が互いに異なるようにして、充填物を吐出する量の配分を設定するという作用をもたらす。
【0011】
また、上記左坂部および上記右坂部の案内斜面を延材させた交点が上記ファンネルの軸中心と異なるにしてもよい。これにより、充填物を吐出する量の配分や方向を設定するという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記シャッター筒は、当該シャッター筒の先端縁の前方が突出した前垂部と、後方が突出した後垂部とを備え、上記前垂部および上記後垂部は、上記シャッター筒が上動して上記斜め左下吐出口および上記斜め右下吐出口がそれぞれ開いたときに上記吐出分岐蓋の前方および後方を塞ぐように配置されるようにしてもよい。これにより、前方または後方からの吐出を防ぐという作用をもたらす。
【0013】
また、本発明の第2の側面は、粉末状または粘体状の充填物が充填包装される包装袋を製造する充填包装機であって、長尺の包装フィルムが巻き返された包装フィルムロールから包装フィルムを引き出して搬送する包装フィルム送り装置と、上記搬送されてきた包装フィルムを上記包装袋の形状に合わせて、2枚の包装フィルムまたは半折された包装フィルムに成形するフォーミング装置と、上記成形された包装フィルムに搬送方向に沿った縦シールを施して筒状の包装フィルムを成形する縦シール装置と、上記筒状の包装フィルムに搬送方向と直交する横シールを施して連続した包装袋を製袋する横シール装置と、上記製袋途中の上部開口した包装袋内に上記充填物を充填する上述の第1の側面のオーガー充填装置と、上記連続した包装袋の上記横シールの所定位置を切断して個別の包装袋とするカッター装置とを具備する充填包装機である。
【0014】
また、この第2の側面において、上記筒状の包装フィルムに対して内側から斜め左下吐出口の吐出方向および斜め右下吐出口の吐出方向の少なくとも一方向に向かって内接して上記筒状の包装フィルムの幅方向の張りを維持させるガイド部材をさらに具備してもよい。これにより、筒状の包装フィルムの幅方向の張りを維持させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、包装袋内に粉末または粘体を充填するオーガー充填装置において、充填物の予期しない包装袋内への落下や、包装袋内に充填物が突出して堆積してしまうことによる包装袋のシール部分への噛み込みを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態における縦型充填包装機1の外観例を示す正面図である。
図2】本発明の実施の形態におけるオーガー充填装置2のシャッター開閉機構の一例に関するシャッター開状態の断面図である。
図3】本発明の実施の形態におけるオーガー充填装置2のシャッター開閉機構の一例に関するシャッター閉状態の断面図である。
図4】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第1の例のシャッター開状態の断面図である。
図5】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第1の例のシャッター閉状態の断面図である。
図6】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第2の例のシャッター開状態の断面図である。
図7】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第2の例のシャッター閉状態の断面図である。
図8】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第3の例のシャッター開状態の断面図である。
図9】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第3の例のシャッター閉状態の断面図である。
図10】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第4の例のシャッター開状態の正面の断面図である。
図11】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第4の例のシャッター開状態の右側面の断面図である。
図12】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第4の例のシャッター閉状態の正面の断面図である。
図13】本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第4の例のシャッター閉状態の右側面の断面図である。
図14】本発明の実施の形態におけるシャッター筒504の形状変形例のシャッター開状態の断面図である。
図15】本発明の実施の形態におけるシャッター筒504の形状変形例のシャッター閉状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における縦型充填包装機1の外観例を示す正面図である。
【0018】
縦型充填包装機1は、充填物を包装してその充填物を内包する包装袋を形成する装置である。この縦型充填包装機1は、オーガー充填装置2、シャッター開閉装置3、製袋装置4、製袋パイプ5、縦シール装置6、横シール装置7、カッター装置8、搬送スベリ台9、および、制御装置10を備える。
【0019】
オーガー充填装置2は、スクリュー(オーガー)の回転によって充填物を攪拌しながら搬送し、吐出する装置である。シャッター開閉装置3は、オーガー充填装置2の吐出口を開閉する装置である。
【0020】
製袋装置4は、帯状の包装フィルムから包装袋を製造する装置である。製袋パイプ5は、帯状の包装フィルムを誘導するパイプである。
【0021】
縦シール装置6は、製袋装置4によって成形された包装フィルムF2に対して、搬送方向に沿った縦シールを施す装置である。
【0022】
横シール装置7は、縦シール装置6の下方に設けられ、縦シール装置6によって縦シールを施された筒型の包装フィルムF3に対して、搬送方向に直交する横シールを施す装置である。横シールを施された連続包装袋F4の上方にはオーガー充填装置2の吐出口が挿入されており、充填物が供給される。充填物が充填された連続包装袋F4は、同様に縦シールが施される。このようにして、充填物は連続包装袋F4の各々に格納されていく。
【0023】
カッター装置8は、横シール装置7の下方に設けられ、横シール装置7によって横シールを施された連続包装袋F4に対して、横シールの中央線部分を上下に両断して個別の包装袋F5にする装置である。
【0024】
搬送スベリ台9は、充填物が充填された個別の包装袋F5を製品として搬出するためのものである。
【0025】
制御装置10は、操作入力を受け付けて縦型充填包装機1の全体動作を制御するコントローラである。
【0026】
この実施の形態では、充填対象として包装袋を想定している。より具体的には、ピロー包装袋、三方シール包装袋、四方シール包装袋などに好適である。また、インスタントラーメンやカップスープを収容するカップ容器を充填対象としてもよい。すなわち、吐出方向や量を制御することにより充填物の堆積を回避可能なものが、充填対象として想定される。
【0027】
図2および図3は、本発明の実施の形態におけるオーガー充填装置2のシャッター開閉機構の一例に関する断面図である。図2はシャッター開状態を示し、図3はシャッター閉状態を示している。
【0028】
オーガー充填装置2は、充填物貯留ホッパー100、スクリュー101、ファンネル102、ガイド棒103、シャッター筒104、シャッター筒上下シリンダ105、および、吐出分岐蓋106を備える。
【0029】
充填物貯留ホッパー100は、包装対象となる充填物Pを収容し、貯留しておくためのホッパーである。この実施の形態では、充填物として、固まりやすい粉末状または粘体状のものを想定する。例えば、カレーフレーク、ココアパウダー、きな粉、片栗粉などが挙げられる。
【0030】
ファンネル102は、充填物貯留ホッパー100の下端部に垂設され、充填物貯留ホッパー100から供給される充填物を下端の吐出口から吐出するパイプ状のものである。
【0031】
スクリュー101は、充填物貯留ホッパー100およびファンネル102の内部を挿通して、回転自在に設置されるものである。このスクリュー101は、回転することによって充填物をファンネル102の吐出口に向けて搬送する。
【0032】
ガイド棒103は、製袋パイプ5に誘導され、縦シール装置6によって縦シールが施された包装フィルムを幅方向に広げるガイド部材である。これにより、筒状の包装フィルムF3は袋幅方向に扁平に伸長され、包装フィルムF3Aのように袋幅方向の張りが維持される。
【0033】
シャッター筒104は、ファンネル102を覆う筒形状のシャッターである。このシャッター筒104は、上下自在に設置されて、ファンネル102の吐出口を開閉する。シャッター筒上下シリンダ105は、シャッター筒104の上下動作を駆動して、シャッター筒104に吐出口の開閉を行わせるものである。すなわち、シャッター筒104を上動させることにより図2に示すようにシャッター開状態となり、シャッター筒104を下動させることにより図3に示すようにシャッター閉状態となる。なお、この例では、シャッター筒104は、先端がV字型に形成されている。
【0034】
吐出分岐蓋106は、ファンネル102の吐出口に設置されて、充填物の吐出方向を斜め左下方向と斜め右方向に分岐させるものである。この吐出分岐蓋106は、充填物が垂下方向に吐出するのを妨げるように設置される。これにより、ファンネル102の吐出口から吐出された充填物は、斜め左下方向の充填物P1と、斜め右下方向の充填物P2とに分岐される。
【0035】
2方向に分岐した吐出方向は、包装袋の包装や容器の搬送に影響が少ない方向であることが好ましい。例えば、偏平な包装袋であれば包装袋の横幅方向をそれぞれの吐出方向とすることが好ましい。また、カップ状の容器であれば、容器側面をガイドレールなどで規制された搬送方向と直交した方向をそれぞれの吐出方向とすることが好ましい。
【0036】
図4および図5は、本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第1の例の断面図である。図4はシャッター開状態を示し、図5はシャッター閉状態を示している。
【0037】
この第1の例における吐出分岐蓋106は、ファンネル102の吐出口107からの充填物を左右に分岐させるために、左坂部108および右坂部109を備える。すなわち、左坂部108は、ファンネル102の吐出口107から左下に分岐した充填物LP1を、斜め左下方向の左下吐出口110に案内するものである。また、右坂部109は、ファンネル102の吐出口107から右下に分岐した充填物RP1を、斜め右下方向の右下吐出口111に案内するものである。
【0038】
この第1の例では、左坂部108が垂直方向に対してなす角度α1と、右坂部109が垂直方向に対してなす角度β1とが等しい。すなわち、この第1の例における吐出分岐蓋106は、左下と右下に左右対称向きで、左右に均等流量の吐出を行う。
【0039】
図6および図7は、本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第2の例の断面図である。図6はシャッター開状態を示し、図7はシャッター閉状態を示している。
【0040】
この第2の例における吐出分岐蓋206は、ファンネル102の吐出口107からの充填物を左右に分岐させるために、左坂部208および右坂部209を備える。すなわち、左坂部208は、ファンネル102の吐出口107から左下に分岐した充填物LP2を、斜め左下方向の左下吐出口210に案内するものである。また、右坂部209は、ファンネル102の吐出口107から右下に分岐した充填物RP2を、斜め右下方向の右下吐出口211に案内するものである。
【0041】
この第2の例では、左坂部208が垂直方向に対してなす角度α2は、右坂部209が垂直方向に対してなす角度β2よりも小さい。すなわち、この第2の例における吐出分岐蓋206は、上述の第1の例と比べて、左下吐出口210の吐出方向が下方寄りになり、右下吐出口211の吐出方向が右方寄りになる。これにより、充填物を吐出する方向を予め設定することができる。また、開口面積が左右で異なるため、充填物を吐出する量の配分を予め設定することができる。
【0042】
図8および図9は、本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第3の例の断面図である。図8はシャッター開状態を示し、図9はシャッター閉状態を示している。
【0043】
この第3の例における吐出分岐蓋306は、ファンネル102の吐出口107からの充填物を左右に分岐させるために、左坂部308および右坂部309を備える。すなわち、左坂部308は、ファンネル102の吐出口107から左下に分岐した充填物LP3を、斜め左下方向の左下吐出口310に案内するものである。また、右坂部309は、ファンネル102の吐出口107から右下に分岐した充填物RP3を、斜め右下方向の右下吐出口311に案内するものである。
【0044】
この第3の例では、左坂部308が垂直方向に対してなす角度α3と、右坂部309が垂直方向に対してなす角度β3とが等しい。ただし、吐出分岐蓋306の吐出分岐点とファンネル102の中心との間に、ずれ量γのずれが設定されている。例えば、吐出分岐蓋306の吐出分岐点が右寄りに設定された場合、開口面積が左右で異なるため、上述の第1の例と比べて、左下吐出口310の吐出量が多くなり、右下吐出口311の吐出量が少なくなる。これにより、充填物を吐出する量の配分を予め設定することができる。
【0045】
図10から図13は、本発明の実施の形態におけるファンネル102の吐出口107付近の分岐構造の第4の例の断面図である。図10はシャッター開状態の正面図であり、図11はシャッター開状態の右側面図である。また、図12はシャッター閉状態の正面図であり、図13はシャッター閉状態の右側面図である。
【0046】
この第4の例におけるシャッター筒404は、シャッター筒404の先端縁の前方が突出した前垂部413と、後方が突出した後垂部414とを備える。前垂部413および後垂部414は、シャッター筒404が上動して斜め左下吐出口410および斜め右下吐出口411がそれぞれ開いたときに、吐出分岐蓋106の前方および後方を塞ぐように配置される。これにより、規制した吐出口(斜め左下吐出口410および斜め右下吐出口411)以外の前後からの吐出を防ぐことができる。
【0047】
図14および図15は、本発明の実施の形態におけるシャッター筒504の形状変形例の断面図である。図14はシャッター開状態を示し、図15はシャッター閉状態を示している。
【0048】
上述の実施の形態では、シャッター筒104の先端がV字型に形成されていたが、この形状変形例のシャッター筒504のように先端が水平であってもよい。この場合、シャッター筒104を閉状態にした際に、図15に示すように、吐出分岐蓋106を横方向から隠れた状態にすることができる。また、製造が容易になるという利点がある。
【0049】
このように、本発明の実施の形態によれば、オーガー充填装置において、ファンネルからの充填物の吐出方向を2方向に分岐して包装袋内の充填物が堆積して突出することを防止し、かつ、この2分岐した吐出口を筒状のシャッターで開閉自在とすることで、充填物が予期しないタイミングで落下することを防止し、併せて包装袋のシール部分への充填物の噛み込みを防止することができる。
【0050】
これに対し、棒状のストッパーによってフィルムを潰すことにより簡易的なシャッター構造を実現することも考えられるが、その場合には横シール部までの落下距離が遠くなるという問題がある。この実施の形態によれば、そのようなストッパーは不要であり、横シール部への到達時間を短縮することができ、装置全体のコンパクト化を実現することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 縦型充填包装機
2 オーガー充填装置
3 シャッター開閉装置
4 製袋装置
5 製袋パイプ
6 縦シール装置
7 横シール装置
8 カッター装置
9 搬送スベリ台
10 制御装置
100 充填物貯留ホッパー
101 スクリュー
102 ファンネル
103 ガイド棒
104、404、504 シャッター筒
105 シャッター筒上下シリンダ
106、206、306 吐出分岐蓋
107 吐出口
108、208、308 左坂部
109、209、309 右坂部
110、210、310、410 左下吐出口
111、211、311、411 右下吐出口
413 前垂部
414 後垂部
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