(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145612
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】投影システム及び画像投影方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20220926BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220926BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220926BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20220926BHJP
B66B 3/02 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 530H
G09G5/36 520D
G09G5/00 X
H04N5/74 Z
B66B3/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038831
(22)【出願日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】202110285052.8
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】彭 健鈞
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ ▲勲▼城
(72)【発明者】
【氏名】林 奇▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】錢 俊霖
【テーマコード(参考)】
2K203
3F303
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA75
2K203FA82
2K203FB06
2K203GB35
2K203GB37
2K203GB48
2K203GB62
2K203GC22
2K203GC23
2K203GC30
2K203HA10
2K203HB25
2K203KA56
2K203MA23
3F303DA07
3F303DB12
5C058BA08
5C058BA35
5C058EA02
5C182AA04
5C182AA11
5C182BA14
5C182BA25
5C182BA26
5C182CB11
5C182CC26
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】本発明は投影システムを提供し、前記投影システムは投影目標、投影装置、画像取得装置及びプロセッサ回路を含む。
【解決手段】投影目標は反射表面、及び反射表面に貼り付けられた反射防止膜層を含む。反射防止膜層は投影範囲を定義する。画像取得装置は投影目標を含む第1取得画像を取得する。第1取得画像は反射防止膜層の画像を含む。プロセッサ回路は第1取得画像に基づいて反射防止膜層が第1取得画像における位置及び形状を決定する。投影装置は投射画像を投影目標に投射する。投影装置は反射防止膜層の位置及び形状に基づいて投射画像を調整し、かつ、投射画像を投影範囲に対応させて調整する。また、画像投影方法を提供する。本発明の投影システム及び画像投影方法は、自動的に投射図像を投影範囲に対応させて調整することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影システムであって、
前記投影システムは投影目標、投影装置、画像取得装置及びプロセッサ回路を含み、
前記投影目標は反射表面、及び前記反射表面に貼り付けられた反射防止膜層を含み、前記反射防止膜層が投影範囲を定義し、
前記画像取得装置は、前記投影目標を含む第1取得画像を取得し、前記第1取得画像が前記反射防止膜層の画像を含み、
前記プロセッサ回路は、前記第1取得画像に基づいて、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における位置及び形状を決定し、
前記投影装置は投射画像を前記投影目標に投射し、
前記投影装置は、前記反射防止膜層の前記位置及び前記形状に基づいて前記投射画像を調整し、かつ、前記投射画像を前記投影範囲に対応させて調整することを特徴とする、投影システム。
【請求項2】
前記投影装置は補正パターンを有する補正画像を投射し、
前記画像取得装置は前記補正画像を含む第2取得画像を取得し、
前記プロセッサ回路は、前記第2取得画像中の前記補正パターンに基づいて、前記投影装置及び前記画像取得装置の座標変換情報を決定することを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記投影装置はさらに、前記座標変換情報に基づいて前記投射画像を調整し、かつ、前記投射画像を前記投影範囲に対応させて調整することを特徴とする、請求項2に記載の投影システム。
【請求項4】
前記反射防止膜層はグレースケール数値範囲及び/またはカラー数値範囲を有し、
前記プロセッサ回路は、前記グレースケール数値範囲及び/または前記カラー数値範囲に基づいて、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を決定することを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路は前記第1取得画像のグレースケール数値及び/またはカラー数値を分析し、かつ、前記反射防止膜層の前記グレースケール数値範囲及び/または前記カラー数値範囲に比較して、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を判断することを特徴とする、請求項4に記載の投影システム。
【請求項6】
前記反射防止膜層の前記画像が前記第1取得画像中に占める割合は50%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項7】
前記投影目標はエレベーターを含み、
前記エレベーターは前記反射表面としての金属表面を含み、かつ、前記反射防止膜層が前記エレベーターの前記金属表面に貼り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項8】
前記投影範囲の縦横比は1より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項9】
前記投影装置は前記画像取得装置及び/または前記プロセッサ回路を含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項10】
前記画像取得装置が前記投影目標を含む前記第1取得画像を取得する時に、前記投影装置は画像を投射しない、または、前記投影装置は単一色の画像を投射することを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
【請求項11】
投影システムに用いる画像投影方法であって、
前記投影システムは投影装置及び画像取得装置を含み、
前記画像投影方法は、
前記画像取得装置によって投影目標を有する第1取得画像を取得し、前記投影目標が反射表面及び前記反射表面に貼り付けられた反射防止膜層を含み、前記反射防止膜層が投影範囲を定義するステップと、
前記第1取得画像が基づいて、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における位置及び形状を決定するステップと、
前記投影装置によって前記投影目標に投射画像を投射するステップと、
前記反射防止膜層の前記位置及び前記形状に基づいて前記投射画像を調整し、かつ、前記投射画像を前記投影範囲に対応させて調整するステップとを含むことを特徴とする、画像投影方法。
【請求項12】
前記画像投影方法はさらに、
前記投影装置によって補正パターンを有する補正画像を投射するステップと、
前記画像取得装置によって前記補正画像を含む第2取得画像を取得するステップと、
前記第2取得画像中の前記補正パターンに基づいて、前記投影装置及び前記画像取得装置の座標変換情報を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項11に記載の画像投影方法。
【請求項13】
前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状に基づいて前記投射画像を調整し、かつ前記投射画像を前記投影範囲に調整するステップにおいて、さらに、前記座標変換情報に基づいて前記投射画像を調整し、かつ、前記投射画像を前記投影範囲に対応させて調整することを特徴とする、請求項12に記載の画像投影方法。
【請求項14】
前記反射防止膜層はグレースケール数値範囲及び/またはカラー数値範囲を有し、
前記第1取得画像に基づいて前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を決定するステップにおいて、前記グレースケール数値範囲及び/または前記カラー数値範囲に基づいて、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を決定することを特徴とする、請求項11に記載の画像投影方法。
【請求項15】
前記第1取得画像に基づいて前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を決定するステップにおいて、前記第1取得画像のグレースケール数値及び/またはカラー数値を分析し、かつ、前記反射防止膜層の前記グレースケール数値範囲及び/または前記カラー数値範囲に比較して、前記反射防止膜層が前記第1取得画像における前記位置及び前記形状を判断することを特徴とする、請求項14に記載の画像投影方法。
【請求項16】
前記反射防止膜層の画像が前記第1取得画像中に占める割合は50%以上であることを特徴とする、請求項11に記載の画像投影方法。
【請求項17】
前記投影目標はエレベーターを含み、
前記エレベーターは前記反射表面としての金属表面を含み、かつ、前記反射防止膜層が前記エレベーターの前記金属表面に貼り付けられることを特徴とする、請求項11に記載の画像投影方法。
【請求項18】
前記投影範囲の縦横比は1より小さいことを特徴とする請求項11に記載の画像投影方法。
【請求項19】
前記画像取得装置によって前記投影目標を含む前記第1取得画像を取得するステップにおいて、前記投影装置は画像を投射せず、または、前記投影装置は単一色の画像を投射することを特徴とする、請求項11に記載の画像投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投影システム及び画像投影方法に関し、特に投射画像を投影範囲に対応させて調整できる投影システム及び画像投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
投影システムをエレベーター扉の投影に用いた場合、エレベーター扉上に位置する投影領域にフィルムを貼り付けることで、投射画面が金属表面に反射される問題を解決できるが、結像画面不良または補正不備の問題がある。一方、投影画面を指定位置(例えば、フィルム貼り付け領域)に合わせる調整方法は手動的に画面変形を調整するため、ユーザにとって相当不便である。つまり、現在のエレベーター扉の投影画面の調整には手動調整の方法が用いられ、変形した画面に対し自動的に調整を行うことができない。
【0003】
「背景技術」部分は本発明の内容に対する理解を促すためにあり、「背景技術」部分に開示された内容には当業者が既知の従来技術以外の一部構成が含まれている可能性がある。「背景技術」部分に開示された内容は、当該内容または本発明の一つ若しくは複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に把握または認識されていたことを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は投影システム及び画像投影方法を提供し、自動的に投射画像を投影範囲に対応させて調整することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のその他の目的と利点について、本発明が開示する技術特徴からさらに理解を深めることができる。
【0006】
前記一つ、一部若しくはすべての目的、またはその他の目的を実現するために、本発明の一実施例は投影システムを提供し、投影目標、投影装置、画像取得装置及びプロセッサ回路を含む。投影目標は反射表面、及び反射表面に貼り付けられた反射防止膜層を含む。反射防止膜層は投影範囲を定義する。画像取得装置は投影目標を含む第1取得画像を取得する。第1取得画像は反射防止膜層の画像を含む。プロセッサ回路は第1取得画像に基づいて、反射防止膜層が第1取得画像における位置及び形状を決定する。投影装置は投射画像を投影目標に投射する。投影装置は反射防止膜層の位置及び形状に基づいて投射画像を調整し、かつ、投射画像を投影範囲に対応させて投射する。
【0007】
前記一つ、一部若しくはすべての目的、またはその他の目的を実現するために、本発明の別の実施例は投影システムに用いられる画像投影方法を提供する。投影システムは投影装置及び画像取得装置を含む。前記画像投影方法は、画像取得装置によって投影目標を有する第1取得画像を取得するステップ、第1取得画像に基づいて反射防止膜層が第1取得画像における位置及び形状を決定するステップと、投影装置によって投射画像を投影目標に投射するステップと、反射防止膜層の位置及び形状に基づいて投射画像を調整し、かつ、投射画像を投影範囲に対応させて投射するステップとを含み、投影目標が反射表面及び反射表面に貼り付けられた反射防止膜層を含み、反射防止膜層が投影範囲を定義する。
【0008】
以上により、本発明の実施例は少なくとも以下の一つの利点または効果を有する。本発明の実施例の投影システム及び画像投影方法は、第1取得画像に基づいて、反射防止膜層が第1取得画像における位置及び形状を決定し、自動的に投射画像を対応させて投影範囲に調整することができる。
【0009】
本発明の前記特徴と利点をより明確、簡単に示すために、以下は実施例を挙げて、かつ図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例の投影システムを示す概略図。
【
図2】
図1の実施例の投影装置が投影画像を投影目標に投射する前を示す概略図。
【
図3】
図1の実施例の投影装置が投影画像を投影目標に投射した後を示す概略図。
【
図4A】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図4B】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図4C】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図4D】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図4E】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図4F】本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図。
【
図5】本発明の一実施例の画像投影方法のステップを示すフローチャート。
【
図6】本発明の別の実施例の画像投影方法のステップを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の前記及びその他の技術内容、特徴と効果は、以下に図面を参照して行う好ましい実施例の詳細説明においてより明確に示されている。以下の実施例に言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前または後などは図面を参照する方向のみである。従って、使用される方向用語は説明を目的とし、本発明を制限するものではない。
【0012】
図1は本発明の一実施例の投影システムを示す概略図である。
図2は
図1の実施例の投影装置が投影画像を投影目標に投射する前を示す概略図である。
図3は
図1の実施例の投影装置が投影画像を投影目標に投射した後を示す概略図である。
【0013】
図1ないし
図3を参照すると、本実施例の投影システム100は投影目標110、投影装置120、画像取得装置130及びプロセッサ回路140を含む。投影目標110は反射表面S1及び反射表面S1に貼り付けられた反射防止膜層S2を含む。反射防止膜層S2は投影範囲S3を定義する。本実施例において、投影目標110は例えばエレベーターである(図面ではエレベーターの扉が示されている)。エレベーターの金属表面は反射表面S1であり、かつ、反射防止膜層S2はエレベーターの金属表面に貼り付けらる。従って、反射防止膜層S2が定義する投影範囲S3の縦横比が1より小さい。つまり、投影範囲S3は幅Wが高さHより小さい長方形であり、かつ、高さHの方向が例えば重力方向であるが、本発明はこれに限定されない。投影目標110の種類、投影範囲S3の形状及び大きさは例示説明のみを意味し、本発明を限定するものではない。
【0014】
画像取得装置130は第1取得画像200を取得する。第1取得画像200は投影目標110及び反射防止膜層S2の画像を含む。本実施例において、反射防止膜層S2の画像が第1取得画像200中に占める割合は50%より大きい。一実施例において、反射防止膜層S2の画像が第1取得画像200中に占める割合は略50%であってもよい。本実施例において、画像取得装置130が第1取得画像200を取得する時に、投影装置120は画像を投射しない、または、単一色の画像を投射する。前記単一色の画像は例えば黒色、赤色、青色、緑色または白色などの背景画像であり、その色が本発明を限定するものではない。
【0015】
プロセッサ回路140は第1取得画像200に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定する。投影装置120は投射画像300を投影目標110に投射する。投影装置120は反射防止膜層S2の位置及び形状に基づいて投射画像300を調整し、かつ、投射画像300を投影範囲S3に対応させて調整する。
【0016】
一実施例において、画像取得装置130は投影装置120内に設置されたカメラ、または投影装置120の外に設置されたカメラであってもよい。一実施例において、プロセッサ回路140は投影装置120内に設置されたチップ回路、またはメインフレームシステム内に設置されたチップ回路であってもよく、前記メインフレームシステムは投影装置120の外の装置である。つまり、投影装置120は画像取得装置130及び/またはプロセッサ回路140を含んでもよい。
【0017】
本実施例において、プロセッサ回路140は例えば中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、プログラマブルコントローラー、プログラマブルロジック装置(Programmable Logic Device,PLD)またはその他の種類の装置、またはこれらの装置の組み合わせであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
図4Aないし
図4Fは本発明の一実施例の投影システムが投射画像を投影範囲に対応させて調整する流れを示す概略図である。
図4Aないし
図4Fを参照すると、
図4Aにおいて、投射画像300がまだ調整されていない場合、それを投影目標110に投射した時に、変形または投影範囲S3を超える現象が起こり得る。
図4Bにおいて、投影装置120は補正パターンを有する補正画像400を投射し、かつ、画像取得装置130は補正画像400を含む第2取得画像500を取得する。これと同時に、プロセッサ回路140は第2取得画像500中の補正パターンに基づいて、投影装置120及び画像取得装置130の座標変換情報を決定する。本実施例において、補正パターンは例えば
図4Bが示すような格子点パターンであるが、そのパターン内容は本発明を限定するものではない。本実施例において、座標変換情報を決定する方法の詳細ステップ及びその実施形態について、当業者の通常知識から十分な教示、示唆と実施説明が得ることができる。
【0019】
図4Cにおいて、画像取得装置130は第1取得画像200を取得する。第1取得画像200は投影目標110及び反射防止膜層S2の画像を含む。
図4Dにおいて、反射防止膜層S2が有するグレースケール数値範囲及び/またはカラー数値範囲を示している。前記カラー数値範囲は例えばHSLまたはHSV色空間を利用して反射防止膜層の色の数値範囲を示す。HSLは即ち色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness)である。HSVは即ち色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)である。本発明がカラー数値範囲を示す方法はこれに限定されない。反射防止膜層S2のグレースケール数値範囲及び/またはカラー数値範囲などの情報は予めプロセッサ回路140中に記憶することができる。
【0020】
本実施例において、プロセッサ回路140はグレースケール数値範囲に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定する。具体的に言うと、プロセッサ回路は第1取得画像200のグレースケール数値を分析し、かつ、反射防止膜層S2のグレースケール数値と第1取得画像200中のその他の範囲のグレースケール数値との差を得て、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を判断する。一実施例において、プロセッサ回路140はカラー数値範囲に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定してもよい。一実施例において、プロセッサ回路140はグレースケール数値範囲及びカラー数値範囲を同時に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定してもよい。
【0021】
図4Eにおいて、投影装置120が投射画像300を投影目標110に投射する状態を示している。これと同時に、プロセッサ回路140の分析結果に基づいて、反射防止膜層S2の位置及び形状が既に決定されている。従って、
図4Fにおいて、投影装置120は反射防止膜層S2の位置及び形状に基づいて投射画像300を調整し、かつ、投射画像300を投影範囲S3に対応させて調整する。
【0022】
図5は本発明の一実施例の画像投影方法のステップを示すフローチャートである。
図1及び
図5を参照すると、本実施例の画像投影方法は少なくとも
図1の投影システム100に用いられる。ステップS100において、投影システム100は画像取得装置130によって、投影目標110を有する第1取得画像200を取得する。ステップS110において、投影システム100は第1取得画像200に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定する。ステップS120において、投影システム100は投影装置120によって、投射画像300を投影目標110に投射する。ステップS130において、投影システム100は反射防止膜層S2の位置及び形状に基づいて投射画像300を調整し、かつ、投射画像300を投影範囲S3に対応させて調整する。ここで、投影範囲S3は例えば反射防止膜層S2によって定義される。
【0023】
また、本発明の実施例の画像投影方法について、
図1ないし
図4Fの実施例の説明から十分な教示、示唆及び実施説明を得ることができる。
【0024】
図6は本発明の別の実施例の画像投影方法のステップを示すフローチャートである。
図1及び
図6を参照すると、本実施例の画像投影方法は少なくとも
図1の投影システム100に用いられる。ステップS200において、投影装置120は補正パターンを有する補正画像400を投影目標110投射する。ステップS210において、画像取得装置130は補正画像400を含む第2取得画像500を取得し、かつ、プロセッサ回路140は第2取得画像500中の補正パターンに基づいて、投影装置120及び画像取得装置130の座標変換情報を取得する。ステップS220において、画像取得装置130は第1取得画像200を取得し、第1取得画像200は投影目標110及び反射防止膜層S2の画像を含む。このステップにおいて、投影装置120は如何なる画像も投射しなくてよい。ステップS230において、プロセッサ回路140は第1取得画像200に基づいて、反射防止膜層S2が第1取得画像200における位置及び形状を決定する。ステップS240において、投影装置120は反射防止膜層S2の位置及び形状に基づいて投射画像300を調整し、かつ、投射画像300を投影範囲S3に対応させて調整する。ここで、投影範囲S3は例えば反射防止膜層S2によって定義される。
【0025】
また、本発明の実施例の画像投影方法について、
図1ないし
図5の実施例の説明から十分な教示、示唆及び実施説明を得ることができる。
【0026】
以上を纏めると、本発明の実施例は少なくとも以下の一つの利点または効果を有する。本発明の実施例において、投影目標の反射表面が投射画像を反射して結像不備の問題を起こすことがあるため、反射表面上に反射防止膜層を貼り付けることで、結像の明晰度とコントラストを高めることができる。また、画像取得装置が投影目標を含む取得画像を取得する時に、反射または散乱が比較的に少ない画像を取得することができる。プロセッサ回路は取得した画像に基づいて反射防止膜層が取得画像中の位置及び形状を決定するため、投影装置は反射防止膜層の位置及び形状に基づいて、自動的に投射画像を調整し、かつ、投射画像を投影範囲に対応させて調整する。
【0027】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、これを以って本発明の実施範囲を制限すべきではない。即ち、本発明の請求の範囲及び発明の内容を基に行った簡単かつ等価な変更と修正はすべて本発明の範囲内に属する。また、本発明の任意の実施例または請求項は必ずしも本発明で開示されたすべての目的または利点または特徴を備えるとは限らない。また、要約書と発明の名称は特許文献検索に利用されるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、明細書または請求の範囲で言及される「第1」、「第2」等の用語は素子(element)の名称を示し、または異なる実施例や範囲を区別するものであり、素子の数の上限または下限を制限するものではない。