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特開2022-145640スマートトーチを備えるつながれた協働ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145640
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】スマートトーチを備えるつながれた協働ロボット
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/127 20060101AFI20220926BHJP
   B23K 9/12 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B23K9/127 509G
B23K9/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022042108
(22)【出願日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/162,639
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/503,437
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボージャン ヴィダコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ブラント
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド イー.オシキー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エル.ファン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ティー.グリフィス
(57)【要約】
【課題】 スマートトーチを備えるつながれた協働ロボットを提供する。
【解決手段】 ロボットによって使用するためのトーチ。トーチはロボットのアームに接続可能な本体を有する。本体上の第1のアクチュエータは、所望の溶接又は切断経路の開始地点で記録サイクルを開始し、経路の終了地点で記録サイクルを終了するために、ユーザが作動することができる。本体上の第2のアクチュエータは、ユーザが経路に沿ってトーチを移動するときに、開始地点から終了地点まで通過地点を示すためにユーザが作動することができる。第1のアクチュエータは、コントローラで記録サイクルを開始及び終了するために、第1の情報を、ロボットに動作可能に接続され且つロボットから離れて配置されたロボットコントローラに送信する。第2のアクチュエータ装置は、記録サイクルの間、コントローラで記録されるように、通過地点を第2の情報としてコントローラに送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
協働ロボットによって使用するための溶接又は切断トーチであって、
前記協働ロボットの可動アームに動作可能に接続されるように構成されたトーチ本体と、
所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断開始地点で記録サイクルを開始し、3次元空間内で前記所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断終了地点で前記記録サイクルを終了するために人間のユーザによって手動で作動されるように構成された前記トーチ本体上の第1のアクチュエータ装置と、
実際に溶接も切断もすることなく、前記所望の溶接又は切断経路に沿って、前記協働ロボットの前記アームに接続された前記溶接又は切断トーチを前記人間のユーザが手動で移動するときに、3次元空間内で、前記溶接又は切断開始地点及び前記溶接又は切断終了地点で、及びそれらの間で、溶接又は切断通過地点を示すために前記人間のユーザによって手動で作動されるように構成された前記トーチ本体上の第2のアクチュエータ装置とを備え、
前記第1のアクチュエータ装置は、第1のデータ又は信号を、前記協働ロボットに動作可能に接続され且つ前記協働ロボットから離れて配置されたロボットコントローラに送信して、前記ロボットコントローラにおいて前記記録サイクルを開始及び終了するように構成され、
前記第2のアクチュエータ装置は、実際に溶接も切断もすることなく、前記記録サイクルの間、前記所望の溶接又は切断経路に沿って示される前記溶接又は切断通過地点を、前記ロボットコントローラで記録されるように、第2のデータ又は信号として前記ロボットコントローラに送信するように構成される、
溶接又は切断トーチ。
【請求項2】
前記第1のアクチュエータ装置が、前記第1のデータ又は信号を有線方式で前記ロボットコントローラに送信するように構成される、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項3】
前記第1のアクチュエータ装置が、前記第1のデータ又は信号を無線方式で前記ロボットコントローラに送信するように構成される、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項4】
前記第2のアクチュエータ装置が、前記第2のデータ又は信号を有線方式で前記ロボットコントローラに送信するように構成される、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項5】
前記第2のアクチュエータ装置が、前記第2のデータ又は信号を無線方式で前記ロボットコントローラに送信するように構成される、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項6】
前記溶接又は切断トーチが接続されている前記協働ロボットの前記アームを、3次元空間内で前記人間のユーザが手動で移動することを可能にするために、前記人間のユーザによって手動で作動されるように構成された前記トーチ本体上の第3のアクチュエータ装置をさらに含む、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項7】
前記第3のアクチュエータ装置が、有線方式で前記ロボットコントローラと通信するように構成される、請求項6に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項8】
前記第3のアクチュエータ装置が、無線方式で前記ロボットコントローラと通信するように構成される、請求項6に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項9】
前記溶接又は切断トーチが、アーク溶接トーチ又はプラズマ切断トーチの一方である、請求項1に記載の溶接又は切断トーチ。
【請求項10】
溶接又は切断のためのシステムであって、
可動アームを有する協働ロボットと、
前記協働ロボットに動作可能に接続されたロボットコントローラと、
前記協働ロボットの前記可動アームに動作可能に接続されるように構成されたトーチ本体を有する溶接又は切断トーチとを備え、
前記溶接又は切断トーチは、
所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断開始地点で記録サイクルを開始し、3次元空間内で前記所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断終了地点で前記記録サイクルを終了するために人間のユーザによって手動で作動されるように構成された前記トーチ本体上の第1のアクチュエータ装置と、
実際に溶接も切断もすることなく、前記所望の溶接又は切断経路に沿って、前記協働ロボットの前記アームに接続された前記溶接又は切断トーチを前記人間のユーザが手動で移動するときに、3次元空間内で、前記溶接又は切断開始地点及び前記溶接又は切断終了地点で、及びそれらの間で、溶接又は切断通過地点を示すために前記人間のユーザによって手動で作動されるように構成された前記トーチ本体上の第2のアクチュエータ装置とを含み、
前記ロボットコントローラは、前記記録サイクルを開始及び終了するために前記第1のアクチュエータ装置から第1のデータ又は信号を受信するように構成され、
前記ロボットコントローラは、実際に溶接も切断もすることなく、前記記録サイクルの間、前記所望の溶接又は切断経路に沿って示される前記溶接又は切断通過地点を、前記第2のアクチュエータ装置から受信した第2のデータ又は信号として受信及び記録するように構成される、
溶接又は切断のためのシステム。
【請求項11】
前記溶接又は切断トーチが接続された前記協働ロボットの前記アームを3次元空間内で前記人間のユーザが手動で移動することを可能にするように前記人間のユーザによって作動位置に手動で配置され保持されるように構成された前記トーチ本体上の第3のアクチュエータ装置をさらに備え、前記人間のユーザが前記第3のアクチュエータ装置を解放すると前記アームは移動できない、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3のアクチュエータ装置が、前記ロボットコントローラと通信するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記溶接又は切断トーチに動作可能に接続された溶接又は切断電源をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記協働ロボットから離れて配置された装置ポーチをさらに備え、前記ロボットコントローラ及び前記溶接又は切断電源は前記装置ポーチに配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記溶接又は切断トーチがアーク溶接トーチである、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記溶接又は切断トーチはプラズマ切断トーチである、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記ロボットコントローラが、前記溶接又は切断トーチを使用して、前記通過地点によって定められた前記所望の溶接又は切断経路に沿って実際の溶接又は実際の切断を実行するように前記協働ロボットを自動的に制御するようにプログラムされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記協働ロボットが、ラグボルトを介してコンクリートの床に取り付けられるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記協働ロボットが、磁気ベースを介して金属面に取り付けられるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
前記協働ロボットが、リフティングフレーム内に囲まれ、フォークリフト又はクレーンによって持ち上げられるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照/参照による援用
この米国特許出願は、2021年3月18日に提出された米国仮特許出願第63/162,639号の優先権及び利益を主張するものであり、仮特許出願は参照により完全な形で本明細書に援用される。
【0002】
本発明の実施形態は、溶接又は切断のための協働ロボット(コボット)の使用に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、「スマート」溶接又は切断トーチと共に非従来式の方法でコボットを使用するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遠隔溶接(例えば、造船所の制限された区画での溶接)は、一般にロボットを使用して行うことはできない。ロボットは協働的でなく、サイズ及び重量のためにポーチ装置に結び付けられていた。さらに、制限された離れた環境で動作するようにロボットをプログラミングすることは困難であることが判明している。現在のロボットの設計では、オペレータはタブレット型ティーチペンダントのデッドマンスイッチを保持する必要がある。溶接経路に沿って溶接地点を記録し、アークを開始させるためには、ティーチペンダントを使用しなければならない。ティーチペンダントのデッドマンスイッチを保持することは非常に不便で、溶接経路のプログラミング中にオペレータが両手を使えなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ベース(例えば磁気ベース)に取り付けられた協働ロボット(コボット)を使用し、装置ポーチからベースにすべての溶接及び制御ラインを走らせた状態で、コボットをポーチから離れて配置して、任意の数の位置(例えば垂直又は水平)に取り付けることができる。コボットは、離れた場所、特に制限された空間での溶接作業を実行するようにコボットを簡単にプログラミングするのに役立つ「スマート」トーチ又は溶接ガンを使用する。このようにして、ユーザは、通常であれば手動又は半自動溶接のために人間が介入する場合を除いて到達できない離れた場所(ポーチから距離を置いて)へコボットを移動するために柔軟性を与えられる。
【0005】
例えば、一実施形態において、「スマート」溶接トーチを有するコボットは、ラグボルトを介して床に取り付けられる間、及び溶接電源及びロボットコントローラを有するポーチから離れて配置される間、水平位置でコンクリートの床に取り付けることができる。別の実施形態では、「スマート」溶接トーチを有するコボットは、溶接電源及びロボットコントローラを有するポーチから離れて配置される間、水平位置又は垂直位置で(ラグボルトを介した取り付けを回避するために)金属面に磁気的に取り付けることができる。「スマート」溶接トーチは、一実施形態によれば、オペレータが、ティーチペンダントタブレットを保持することなく、溶接地点及びアーク開始/アーク終了地点を記録しながら「スマート」溶接トーチ上のデッドマンスイッチを保持することによってコボットのアームを安全に移動し、プログラムを作成することを可能にする。コボットはオペレータが操作及びプログラムを作成するのにより作業しやすくなる。
【0006】
本発明の一実施形態は、協働ロボットによって使用するための溶接又は切断トーチである。溶接又は切断トーチは、協働ロボットの可動アームに動作可能に接続されるように構成されたトーチ本体を含む。トーチはまた、所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断開始地点で記録サイクルを開始し、3次元空間内で所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断終了地点で記録サイクルを終了するために人間のユーザによって手動で作動されるように構成されたトーチ本体上の第1のアクチュエータ装置を含む。トーチはさらに、実際に溶接も又は切断もすることなく、所望の溶接又は切断経路に沿って、協働ロボットのアームに接続された溶接又は切断トーチを人間のユーザが手動で移動するときに、3次元空間内で、溶接又は切断開始地点及び溶接又は切断終了地点で、及びそれらの間で、溶接又は切断通過地点を示すために人間のユーザによって手動で作動されるように構成されたトーチ本体上の第2のアクチュエータ装置を含む。第1のアクチュエータ装置は、第1のデータ又は信号を、協働ロボットに動作可能に接続され且つ協働ロボットから離れて配置されたロボットコントローラに送信して、ロボットコントローラにおいて記録サイクルを開始及び終了するように構成される。第2のアクチュエータ装置は、実際に溶接も又は切断もすることなく、記録サイクルの間、所望の溶接又は切断経路に沿って示される溶接又は切断通過地点を、ロボットコントローラで記録されるように、第2のデータ又は信号としてロボットコントローラに送信するように構成される。一実施形態において、トーチはまた、溶接又は切断トーチが接続されている協働ロボットのアームを、3次元空間内で人間のユーザが手動で移動することを可能にするために、人間のユーザによって手動で作動されるように構成されたトーチ本体上の第3のアクチュエータ装置を含む。一実施形態において、第3のアクチュエータ装置は、有線方式でロボットコントローラと通信するように構成される。別の実施形態では、第3のアクチュエータ装置は、無線方式でロボットコントローラと通信するように構成される。一実施形態において、第1のアクチュエータ装置は、第1のデータ又は信号を有線方式でロボットコントローラに送信するように構成される。別の実施形態では、第1のアクチュエータ装置は、第1のデータ又は信号を無線方式でロボットコントローラに送信するように構成される。一実施形態において、第2のアクチュエータ装置は、第2のデータ又は信号を有線方式でロボットコントローラに送信するように構成される。別の実施形態では、第2のアクチュエータ装置は、第2のデータ又は信号を無線方式でロボットコントローラに送信するように構成される。一実施形態において、溶接又は切断トーチは、アーク溶接トーチ又はプラズマ切断トーチの一方である。
【0007】
本発明の一実施形態は、溶接又は切断のためのシステムである。システムは、可動アームを有する協働ロボットと、協働ロボットに動作可能に接続されたロボットコントローラとを含む。システムはまた、協働ロボットの可動アームに動作可能に接続されるように構成されたトーチ本体を有する溶接又は切断トーチを含む。溶接又は切断トーチは、所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断開始地点で記録サイクルを開始し、3次元空間内で所望の溶接又は切断経路の溶接又は切断終了地点で記録サイクルを終了するために人間のユーザによって手動で作動されるように構成されたトーチ本体上の第1のアクチュエータ装置を含む。溶接又は切断トーチはまた、実際に溶接も又は切断もすることなく、所望の溶接又は切断経路に沿って、協働ロボットのアームに接続された溶接又は切断トーチを人間のユーザが手動で移動するときに、3次元空間内で、溶接又は切断開始地点及び溶接又は切断終了地点で、及びそれらの間で、溶接又は切断通過地点を示すために人間のユーザによって手動で作動されるように構成されたトーチ本体上の第2のアクチュエータ装置を含む。ロボットコントローラは、記録サイクルを開始及び終了するために第1のアクチュエータ装置から第1のデータ又は信号を受信するように構成される。また、ロボットコントローラは、実際に溶接も又は切断もすることなく、記録サイクルの間、所望の溶接又は切断経路に沿って示される溶接又は切断通過地点を、第2のアクチュエータ装置から受信した第2のデータ又は信号として受信及び記録するように構成される。一実施形態において、システムはさらに、溶接又は切断トーチが接続された協働ロボットのアームを3次元空間内で人間のユーザが手動で移動することができるように人間のユーザによって作動位置に手動で配置され保持されるように構成されたトーチ本体上の第3のアクチュエータ装置を含み、人間のユーザが第3のアクチュエータ装置を解放するとアームは移動できない。第3のアクチュエータ装置は、ロボットコントローラと通信するように構成される。一実施形態において、システムはまた、溶接又は切断トーチに動作可能に接続された溶接又は切断電源を含む。一実施形態において、システムはさらに、協働ロボットから離れて配置された装置ポーチを含み、ロボットコントローラ及び溶接又は切断電源は装置ポーチに配置される。一実施形態において、溶接又は切断トーチはアーク溶接トーチであり、別の実施形態では、溶接又は切断トーチはプラズマ切断トーチである。一実施形態において、ロボットコントローラは、溶接又は切断トーチを使用して、通過地点によって定められた所望の溶接又は切断経路に沿って実際の溶接又は実際の切断を実行するように協働ロボットを自動的に制御するようにプログラムされる。様々な実施形態によれば、協働ロボットは、ラグボルトを介してコンクリートの床に取り付けられるように、又は磁気ベースを介して金属面に取り付けられるように構成される。一実施形態において、協働ロボットは、リフティングフレーム内に囲まれ、フォークリフト又はクレーンによって持ち上げられるように構成される。
【0008】
一般発明概念の多数の態様は、例示的な実施形態の以下の詳細な記載、請求項、及び添付の図面から容易に明らかになるであろう。
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態を示す。図中の示された要素境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)は、境界の一実施形態を表していることが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素が1つの要素として設計されてもよい。いくつかの実施形態では、他の要素の内部構成要素として示された要素が、外部構成要素として実装されてもよく、その逆もまた同様である。さらに、要素は一定の縮尺で描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】溶接電源とロボットコントローラを有する装置ポーチから離れて配置された協働ロボットを有する溶接システムの一実施形態を示す。
図2A】ラグボルトを介してコンクリートの床に取り付けられるように構成されたベース上に協働ロボットを有する図1の溶接システムの一実施形態を示す。
図2B】磁気ベースを介して金属面に取り付けられるように構成された協働ロボットを有する図1の溶接システムの一実施形態を示す。
図2C】(例えば、フォークリフト又はクレーンによって)持ち上げられるようにリフティングフレーム内に囲まれるように構成された協働ロボットを示す図1の溶接システムの一実施形態を示す。
図3】協働ロボットによって(又はその一部として)採用されるように構成された「スマート」溶接トーチの一実施形態を示す。
図4】協働ロボットによって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチの一実施形態の第1の図を示す。
図5図4の「スマート」溶接トーチの実施形態の第2の図を示す。
図6】協働ロボットによって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチの別の実施形態を示す。
図7】協働ロボットによって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチのさらに別の実施形態を示す。
図8】溶接トーチの本体に対応する図7の「スマート」溶接トーチの一部の引き伸ばされた図を示す。
図9】例えば図1の溶接システムで使用することができるコントローラの例示的な実施形態のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、協働ロボットのアームに取り付けられた「スマート」溶接トーチであって、「スマート」溶接トーチ上のアクチュエータを介して協働ロボットのコントローラに所望の溶接経路をプログラムするために所望の溶接経路に沿って移動させることができる「スマート」溶接トーチを含み得る。代替の実施形態において、トーチは、溶接動作の代わりに切断動作を行うための「スマート」切断トーチであり得る。一実施形態において、協働ロボットは、溶接電源及びロボットコントローラを有する装置ポーチから離れて取り付けられる。協働ロボットでは、従来のロボットで使用される物理的なガードなどの追加の安全特徴部は不要である。離れて取り付けられた協働ロボットは、協働ロボットの柔軟性を可能にし、溶接電源装置とロボットコントローラを有するポーチから切り離すために、ケーブルをアンビリカルコードとして使用する。保護スリーブは、例えば、荒れた地形でケーブルが損傷するのを保護するために使用されてもよい。一実施形態では、離れた場所にある協働ロボットを任意の所望の位置(例えば、水平、垂直、斜め)に取り付けるために、磁気を使用してもよい。一実施形態において、協働ロボットは、例えばフォークリフト又はクレーンのどちらかを用いてピックアップされ、運搬され得る。
【0012】
本明細書における例及び図は例示に過ぎず、請求項の範囲及び趣旨によって定められる主題発明を限定するものではない。ここで図面を参照するが、その表示はもっぱら主題発明の例示的な実施形態を例示するためのものであり、それを限定するためのものではなく、図1は溶接システム100の一実施形態を示す。本明細書のほとんどの例が溶接システムに言及しているにもかかわらず、本明細書に開示された新規な態様は、金属ワークピースを切断するための切断システム(例えば、プラズマ切断システム)にも等しく適用される。
【0013】
図1を参照すると、溶接システム100は、装置ポーチ300から離れて位置する協働ロボット(コボット)200を含む。協働ロボットは共有エリア内でのコボットとの直接的なユーザ相互作用及び接触を可能にする。この方法において、協働ロボット及びユーザは、共に緊密に作業することができる。装置ポーチ300は、アーク溶接を支持する溶接電源310(例えばインバータに基づく電源)と、その上に位置するロボットコントローラ320とを有する。別の実施形態によれば、電源はプラズマ切断を支持する切断電源であり得る。この場合も、装置ポーチ300は協働ロボット200から離れて位置する。すなわち、装置ポーチ300及び協働ロボット200は、何フィート(例えば10~100フィート)か互いに離される。
【0014】
協働ロボット200は、「スマート」溶接トーチ(別名、「スマート」溶接ガン)220を保持する(アタッチメントを介して)ように構成される。「トーチ」及び「ガン」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。「スマート」という用語は、本明細書において、ロボットコントローラ320によって支援される溶接トーチ/ガン220によって提供される特定のプログラム可能な能力を指すために使用される。溶接電源310は、例えば溶接及び/又はコントロールケーブルを介して溶接トーチ220に直接又は間接的に(例えばワイヤフィーダを介して)動作可能に接続され得る。協働ロボット200は、例えばロボットケーブル(例えばコントロール及び通信ケーブル)を介してロボットコントローラに動作可能に接続され得る。
【0015】
協働ロボット200は、(例えば、複数の自由度にわたる運動を支援するために)ロボットコントローラ320の命令下に協働ロボット200のアーム210を動かすように構成されたサーボ機構装置230も含む。一実施形態によれば、ケーブル330(例えば、溶接電力/コントロール/通信ケーブル及びロボット電力/コントロール/通信ケーブル)は装置ポーチ300と協働ロボット200の離れた位置との間に延び、アーク溶接及びロボットコントロールを支援する。一実施形態において、協働ロボット200は、溶接ワイヤを「スマート」溶接トーチ220にフィードするためにワイヤフィーダ(図示せず)を含む。別の実施形態において、装置ポーチ300は、溶接ワイヤを「スマート」溶接トーチ220にフィードするためにワイヤフィーダ(図示せず)を含む。
【0016】
図2Aは、図1の溶接システム100の一実施形態を示し、例えばラグボルトを介してコンクリートの床に取り付けられるように構成されたベース201上の協働ロボット200を有する。図2Bは、図1の溶接システム100の一実施形態を示し、磁気ベース205を介して金属面に取り付けられるように構成された協働ロボット200を有する。図2Cは、図1の溶接システム100の一実施形態を示し、(例えばフォークリフト又はクレーンによって)持ち上げられるリフティングフレーム240に囲まれるように構成された協働ロボット200を示す。ワークピースを溶接するための特定の位置にロボットを置くのに役立つように協働ロボット200を持ち上げることが望ましいかもしれない。
【0017】
図3は、協働ロボット200によって利用されるように(又はその一部として)構成された「スマート」溶接トーチ220の一実施形態を示す。別の実施形態によれば、トーチは「スマート」プラズマ切断トーチであり得る。「スマート」溶接トーチ220は、一実施形態において、協働ロボット200のアーム210に動作可能に接続される(取り付けられる)ように構成される。そのようなアタッチメントは、妥当な工学的判断によれば、多数の可能な形態のうちの1つを取り得る。例えば、クイック接続/分離アタッチメント手段が、ロボット200のアーム210上のクイック接続/分離ボタン215を押し、放すことによって容易にされるように提供されてもよい。別の実施形態では、トーチ220は、可動アーム210の一体部分として構成される。本発明の代替実施形態によれば、クイック接続/分離ボタン215は、ロボット200のアーム210の代わりに、トーチ220の本体226に位置し得る。そのような代替実施形態は、アーム210の代わりに特定の接続の態様がトーチ220に組み込まれる接続構成をもたらす。
【0018】
「スマート」溶接トーチ220は、第1のアクチュエータ装置222(例えばモメンタリプッシュボタン装置)と、第2のアクチュエータ装置224(例えばモメンタリプッシュボタン装置)とを含む。第1のアクチュエータ装置222及び第2のアクチュエータ装置224は、それぞれ、トーチ本体226(これは図3において実質的に点線の楕円形内にあるように示されるトーチの部分である)上にある。第1のアクチュエータ装置222は、溶接開始地点227において記録サイクルを開始し、3次元空間において溶接終了地点229で記録サイクルを終了するように、人間のユーザによって手動で作動されるように構成される。記録サイクルは本明細書でさらに説明されるようにコントローラ320によって溶接通過地点が記録される時間に対応する。溶接は溶接トーチ220を使用して溶接開始地点227から溶接終了地点229まで協働ロボット200によって所望の溶接経路に沿って(例えばワークピースに沿って)行われる。一実施形態によれば、第1のアクチュエータ装置222がユーザによって最初に押される時に、記録サイクルは開始される。第1のアクチュエータ装置222がユーザによって2回目に押される時に、記録サイクルは終了される。
【0019】
トーチ本体226上の第2のアクチュエータ装置224は、図3に示されるように溶接開始地点227、中間溶接地点228及び溶接終了地点229を含む所望の溶接経路に沿って3次元空間において溶接地点(例えば溶接通過地点)の記録を開始するために人間のユーザによって手動で作動されるように構成される。記録サイクル中、第2のアクチュエータ装置224がユーザによって押されるたびに、溶接地点(溶接通過地点)は3次元空間内の地点としてロボットコントローラ320によって記録される。このようにして、「スマート」溶接トーチ220が、(実際の溶接が行われる前に)所望の溶接経路に沿って人間のユーザによって手動で移動され、ユーザが(記録サイクルを開始し、溶接地点(227、228及び229)を記録し、記録サイクルを終了するために)アクチュエータ装置222及び224を作動するとき、溶接通過地点(所望の溶接経路を表す)はロボットコントローラ320において記録される。
【0020】
ロボットコントローラ320は、第1のデータ又は信号(例えば、デジタル及び/又はアナログの形態の第1の情報)を第1のアクチュエータ装置222から受信し、第2のデータ又は信号(例えば、デジタル及び/又はアナログの形態の第2の情報)を第2のアクチュエータ装置224から受信する。データ及び/又は信号は、少なくとも制御信号及び記録された溶接通過地点を表す。ロボットコントローラ320とアクチュエータ装置222及び224との間の通信は、様々な実施形態によれば、無線手段(例えば、Bluetooth(登録商標)又はIEEE 802.11規格に基づくWiFi)、又は有線手段(例えば、ロボットコントローラ320と協働ロボット200に動作可能に接続される溶接トーチ220との間の1つ又は複数の有線通信プロトコールを支援するコントロール/通信ケーブル)を介するものであり得る。ここでも、一実施形態によれば、ロボットコントローラ320は協働ロボット200から離れて(距離を置いて)位置する(例えば、互いに少なくとも10フィートの距離を置いて)。
【0021】
一実施形態によれば、第1のアクチュエータ装置222及び第2のアクチュエータ装置224はそれぞれ発光ダイオードを含む。アクチュエータ装置222又は224が押されると、対応する発光ダイオードが、点滅する緑色を発光する。アクチュエータ装置222又は224が離されると、対応する発光ダイオードは一定した(点滅しない)緑色を発光する。アクチュエータ装置は、様々な実施形態によれば、モメンタリプッシュボタン装置、スイッチ、又は他のタイプのアクチュエータ装置であり得る。
【0022】
図4は、協働ロボット200によって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチ400の一実施形態の第1の図を示す。図5図4の「スマート」溶接トーチ400の実施形態の第2の図を示す。「スマート」溶接トーチ400は、図3の「スマート」溶接トーチ220と同様であり、第1のアクチュエータ装置222及び第2のアクチュエータ装置224に関して同様に動作する。しかしながら、「スマート」溶接トーチ400は、第3のアクチュエータ装置410(例えば、デッドマンスイッチとして構成される)も含む。第3のアクチュエータ装置410は同じくトーチ本体226(実質的に図4及び図5の点線の楕円形内にあるように示されたトーチの部分)上にある。
【0023】
第3のアクチュエータ装置410は、「スマート」溶接トーチ400が接続された協働ロボット200のアーム210を、協働ロボット200によってその後溶接が行われるべき所望の溶接経路に沿って人間のユーザが動かすことができる(例えば、アームはロック解除されている)ように人間のユーザによって作動される(例えば、作動位置に手動で置かれ、押さえられる)ように構成される。ユーザが第3のアクチュエータ装置410を解放すると、ロボットアーム210はユーザによって動かすことができない(例えば、アームはロックされる)。「スマート」溶接トーチ400は、溶接が行われる前に、溶接通過地点の記録を介して、溶接経路プログラムの作成を支援するために、ユーザがロボット200のアーム210を安全に且つ手動で動かすことを可能にする。
【0024】
ユーザは、第3のアクチュエータ装置410を押さえ、アーム210を動かす一方、アーク開始/アーク終了位置を確立し(第1のアクチュエータ装置222を使用して記録サイクルを開始し、記録サイクルを終了し)、溶接地点を記録する(第2のアクチュエータ装置224を使用して)。例えば、ユーザは、キルスイッチ(kill switch)アクチュエータ装置410を押さえるために片手を使い、他の2つのアクチュエータ装置222及び224を操作するためにもう片方の手を使うことができる。このようにして、ユーザは、ティーチペンダントタブレットを持つ必要がなく、その結果、ユーザにとってより人間工学的に優しい体験がもたらされる。第1、第2、及び第3のアクチュエータ装置222、224、及び410は、本明細書に記載の機能を達成するために、ロボットコントローラ320と直接的又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線手段を介して)通信する。例えば、間接的な通信は、ロボット200それ自体の中の配線及び/又は回路を介したものであり得る(すなわち、トーチからロボット、コントローラへ)。直接通信は、例えば、直接的にトーチとロボットコントローラ320との間のケーブルを介したものであり得る(例えば、図7のケーブル715を参照)。ロボットコントローラ320は、溶接トーチ400を用いて、記録された溶接通過地点によって定められる所望の溶接経路に沿って実際の溶接を行うために協働ロボット200を自動的に制御するようにプログラムされている。
【0025】
図6は、協働ロボット200によって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチ600の別の実施形態を示している。「スマート」溶接トーチ600は、アクチュエータ装置222及び224を有する図4及び図5の「スマート」溶接トーチ400と同様の方法で動作する。しかしながら、「スマート」溶接トーチ600は、先の図の本体226とは異なるように構成された本体620(図6において実質的に破線の楕円内にあるように示されたトーチの部分)を有する。また、溶接トーチ600は、図4の「スマート」溶接トーチ400のそれとは異なるトーチ600の本体620上の位置に、第3のアクチュエータ装置610(デッドマンスイッチ)を有している。第3のアクチュエータ装置610は、図4及び図5の第3のアクチュエータ装置410と同様の方法で動作する。
【0026】
図7は、協働ロボット200によって使用されるように構成された「スマート」溶接トーチ700のさらに別の実施形態を示す。「スマート」溶接トーチ700は、アクチュエータを有する図6の「スマート」溶接トーチ600と同様の方法で動作する。しかしながら、「スマート」溶接トーチ700は、図6の本体620とはわずかに異なるように構成された本体720(図7において実質的に破線の楕円内にあるように示されたトーチの部分)を有する。また、溶接トーチ700は、図6の本体620上の第3のアクチュエータ装置610と非常によく似た本体720上の第3のアクチュエータ装置710(デッドマンスイッチ)を有している。図7の本体720上のアクチュエータ装置222、224及び710のより良い図を得るために、図8は、本体720に対応する図7の「スマート」溶接トーチ700の一部の引き伸ばされた図を示す。
【0027】
「スマート」溶接トーチ上の第1、第2及び第3のアクチュエータ装置の他の構成も、他の実施形態により可能である。そのような構成は、特定のシナリオ又は用途向けの人間工学的な考察に依存し得る。
【0028】
図9は、例えば図1の溶接システム100で使用できるコントローラ900の例示的な実施形態のブロック図を示す。例えば、コントローラ900は、ロボットコントローラ320及び/又は溶接電源310内のコントローラとして使用することができる。図9を参照すると、コントローラ900は、バスサブシステム912を介して多数の周辺装置と通信する少なくとも1つのプロセッサ914(例えば、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置、画像処理ユニット)を含む。これらの周辺装置は、例えばメモリサブシステム928及びファイル記憶サブシステム926を含む記憶サブシステム924、ユーザインターフェース入力装置922、ユーザインターフェース出力装置920及びネットワークインターフェースサブシステム916を含み得る。入力及び出力装置はコントローラ900とのユーザ相互作用を可能にする。ネットワークインターフェースサブシステム916は、外部ネットワークへのインターフェースを提供し、他の装置の対応するインターフェース装置に結合される。
【0029】
ユーザインターフェース入力装置922は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド又はグラフィックスタブレットなどのポインティングデバイス、スキャナ、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システムなどのオーディオ入力装置、マイクロフォン、及び/又は他のタイプの入力装置を含み得る。一般に、「入力装置」という用語の使用は、情報をコントローラ900又は通信ネットワークに入力するすべての可能なタイプの装置及び方法を含むように意図される。
【0030】
ユーザインターフェース出力装置920は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、又は音声出力装置などの非視覚ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネル装置、プロジェクション装置、又は可視画像を生成する他の機構を含み得る。ディスプレイサブシステムはまた、音声出力装置を介するなど、非視覚ディスプレイを提供し得る。一般に、「出力装置」という用語の使用は、情報をコントローラ900からユーザ又は別の機械若しくはコンピュータシステムに出力するすべての可能なタイプの装置及び方法を含むように意図される。
【0031】
記憶サブシステム924は、本明細書に記載される機能の一部又は全部を提供するプログラミング及びデータ構成体を記憶する。例えば、コンピュータ実行可能な命令及びデータは、一般に、プロセッサ914単独で又は他のプロセッサとの組み合わせで実行される。記憶サブシステム924で使用されるメモリ928は、プログラム実行中の命令及びデータを記憶するためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)930、及び固定された命令が記憶されるリードオンリーメモリ(ROM)932を含むいくつかのメモリを含むことができる。ファイル記憶サブシステム926は、プログラム及びデータファイルのための永続的な記憶を提供することができ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、関連するリムーバブルメディアと共にフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、光学ドライブ、又はリムーバブルメディアカートリッジを含み得る。特定の実施形態の機能を実装するコンピュータ実行可能な命令及びデータは、ファイル記憶サブシステム926及びメモリサブシステム928によって記憶サブシステム924に、又はプロセッサ914によってアクセス可能な他の機械に記憶されてもよい。例えば、一実施形態では、溶接通過地点(人間のユーザが所望の溶接経路に沿って溶接トーチを移動させるときに、ロボットのアームの端部にある溶接トーチのアクチュエータを操作すると生成される)は、コントローラ900に伝達され、記憶サブシステム924のメモリサブシステム928のRAM 930に記憶される。溶接通過地点は、ロボットを制御して所望の溶接経路に沿って溶接トーチを自動的に移動させるための溶接プログラムを形成するためにコントローラ900によって使用される。
【0032】
バスサブシステム912は、コントローラ900の様々な構成要素及びサブシステムを意図した通りに互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム912は、単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実施形態は、複数のバスを使用し得る。
【0033】
コントローラ900は、様々なタイプのものとすることができる。コンピューティングデバイス及びネットワークの常に変化する性質のため、図9に描かれたコントローラ900の記載は、いくつかの実施形態を説明する目的のための特定の例としてのみ意図されるものである。コントローラの多くの他の構成が可能であり、図9に描かれたコントローラ900よりも多い又は少ない構成要素を有する。
【0034】
開示された実施形態はかなり詳細に示され、記載されているが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に制限すること、又はいかなる方法でも限定することは意図していない。言うまでもないが、主題の様々な態様を記載する目的で、構成要素又は方法論の考えられ得るすべての組み合わせを記載することは不可能である。したがって、本開示は、示され、記載された特定の詳細又は例示に限定されるものではない。したがって、本開示は、米国特許法第101条の法定主題要件を満たす、添付の請求項の範囲内に入る変更、修正、及び変形を包含することを意図している。特定の実施形態に関する上の記載は、例として与えられたものである。与えられた開示内容から、当業者は、一般的な発明概念及び付随する利点を理解するだけでなく、開示された構造及び方法に対する明白な様々な変更及び修正を見出すであろう。したがって、添付の請求項及びその等価物によって定義される一般的な発明概念の趣旨及び範囲内に入るすべてのそのような変更及び修正を網羅することが追求される。
【符号の説明】
【0035】
100 溶接システム
200 協働ロボット
201 ベース
205 磁気ベース
210 アーム
215 クイック接続/分離ボタン
220 「スマート」溶接トーチ
222 第1のアクチュエータ装置
224 第2のアクチュエータ装置
226 トーチ本体
227 溶接開始地点
228 中間溶接地点
229 溶接終了地点
230 サーボ機構装置
240 リフティングフレーム
300 装置ポーチ
310 溶接電源
320 ロボットコントローラ
330 ケーブル
400 「スマート」溶接トーチ
410 第3のアクチュエータ装置
600 「スマート」溶接トーチ
610 第3のアクチュエータ装置
620 トーチ本体
700 「スマート」溶接トーチ
710 第3のアクチュエータ装置
715 ケーブル
720 トーチ本体
900 コントローラ
912 バスサブシステム
914 プロセッサ
916 ネットワークインターフェース
920 ユーザインターフェース出力装置
922 ユーザインターフェース入力装置
924 記憶サブシステム
926 ファイル記憶サブシステム
928 メモリサブシステム
930 RAM
932 ROM
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】