(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145643
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】塞栓インプラントの分離のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20220926BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A61B17/12
A61M25/06 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022042317
(22)【出願日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】17/205,085
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ブルームンズティック
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ソラウン
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160DD53
4C160DD63
4C160NN04
4C160NN09
4C160NN11
4C267AA05
4C267BB02
4C267BB52
4C267CC10
(57)【要約】
【課題】簡略化された機械的インプラント配置装置を提供すること。
【解決手段】イントロデューサーシースと送達システムとの組み合わせが塞栓インプラントの配置装置として使用され得るように集合的に設計された塞栓インプラントと、送達システムと、イントロデューサーシースと、を含み得る動脈瘤治療システムが開示される。イントロデューサーシースは、干渉機構を送達チューブから分離させ、それによってプルワイヤを引っ張り、インプラントを解放するために、プルワイヤに取り付けられた干渉機構に対して近位に移動され得る。代替的に、治療システムは、塞栓インプラントと、送達システムと、を含んでもよく、送達システムは、送達チューブと、近位延長部と、近位延長部に取り付けられたプルワイヤと、近位延長部及びプルワイヤが送達チューブに対して近位に並進されることを可能にするために破断され得る切り離し機構と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込みシステムであって、
内部を通るルーメン、近位端、及び遠位端を含む送達チューブと、
前記送達チューブの前記近位端に近接して位置決めされた近位延長部と、
前記送達チューブの前記ルーメン内に配設され、前記近位延長部に取り付けられた細長い部材と、
前記送達チューブの前記遠位端に近接して前記送達チューブに取り付けられる塞栓コイルであって、前記細長い部材の近位並進の際に前記送達チューブから分離するように構成された、塞栓コイルと、
前記送達チューブに対する前記近位延長部の位置を固定する切り離し機構であって、前記送達チューブに対する前記近位延長部及び前記細長い部材の近位並進を可能にするよう操作されるように構成された、切り離し機構と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記切り離し機構は、操作されたことに応答して破断するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記近位延長部は、前記送達チューブから分離可能であり、
前記細長い部材は、前記近位延長部の前記近位並進に応答して、前記送達チューブの前記近位端から抜け出すように移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含み、前記近位延長部は前記ハイポチューブの近位部分を含み、前記切り離し機構は、前記ハイポチューブの前記遠位部分と前記ハイポチューブの前記近位部分との間に配設されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記切り離し機構は、前記ハイポチューブ内の周方向レーザー切断開口部を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記切り離し機構は、前記近位延長部が前記送達チューブに対して曲げられたときに前記ハイポチューブを前記切り離し機構において破断させるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記近位延長部は、内部を通るルーメンを含んだチューブを備え、
前記細長い部材は、前記近位延長部の前記チューブの前記ルーメン内に配設されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
埋め込みアセンブリであって、
内部を通るルーメン、近位端、及び遠位端を含む送達チューブと、
前記送達チューブの前記近位端から近位に延在する近位延長部と、
前記近位延長部の位置が前記送達チューブに対して固定されるように前記送達チューブに前記近位延長部を接合する切り離し機構であって、前記送達チューブに対する前記近位延長部の近位並進を可能にするために開放されるように構成されている、切り離し機構と、
前記送達チューブの前記遠位端に取り付けられた塞栓インプラントと、
前記送達チューブの前記ルーメン内に配設されたプルワイヤであって、前記近位延長部が前記送達チューブに対して近位に並進されたときに、前記送達チューブから前記塞栓インプラントを分離するために近位に移動するように構成された、プルワイヤと、を備えるアセンブリ。
【請求項9】
前記近位延長部は前記送達チューブから分離可能であり、前記プルワイヤは、前記送達チューブに対する前記近位延長部の前記近位並進に応答して、前記送達チューブの前記近位端から抜け出すように移動可能である、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含み、前記近位延長部は前記ハイポチューブの近位部分を含み、前記切り離し機構は、前記ハイポチューブの前記遠位部分と前記ハイポチューブの前記近位部分との間に配設されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記切り離し機構は、前記ハイポチューブ内の周方向レーザー切断開口部を含む、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記切り離し機構は、前記近位延長部が前記送達チューブに対して曲げられたときに前記ハイポチューブを前記切り離し機構において破断させるように構成されている、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記近位延長部は、内部を通るルーメンを含んだチューブを備え、
前記プルワイヤは、前記近位延長部の前記チューブの前記ルーメン内に配設されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記塞栓インプラントは塞栓コイルを含む、請求項8に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、既に出願された米国特許出願第16/218,342号(2018年12月12日出願)の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、動脈瘤治療機器に関し、より具体的には塞栓インプラント用の送達システム関する。
【背景技術】
【0003】
多数の血管内インプラント装置が、当該分野において知られている。多くは、送達のために1つ又は2つ以上のカテーテルとワイヤとを組み合わせるシステムを介して機械的に配置される。機械的に送達され得るインプラントの例としては、塞栓要素、ステント、移植片、薬物送達インプラント、フローダイバータ、フィルタ、刺激リード線、感知リード線、又はマイクロカテーテルを通して送達される他の埋め込み可能な構造体が挙げられる。いくつかの産科用及び胃腸用インプラントもまた、1つ又は2つ以上のカテーテル及びワイヤを組み合わせる同様のシステムを介して埋め込まれ得る。機械的手段によって解放又は配置され得る装置は、設計が大きく異なるが、同様の送達カテーテル及びワイヤシステムを用いることができる。多くのこうしたカテーテルベースの送達システムは、装置の解放時までカテーテル内にインプラントを保持するためのワイヤを含む。これらのシステムは、続いてワイヤをカテーテルに対して後退させるか又は引くことによって作動される。こうしたワイヤは本明細書では「プルワイヤ」と称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プルワイヤを近位に引いてインプラントを配置するために、医師は、多くの既知の配置装置のうちの1つを使用することができる。このような機械的配置装置は、典型的には、送達システムとは別個であり、プルワイヤを把持し、プルワイヤを近位に移動させるための移動部品を有する。補助構成要素及び/又は複雑な移動部品を必要としない配置方法及び装置は、処置手順を簡略化し、コストを低減することができる。したがって、簡略化された機械的インプラント配置装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、上記の必要性に対処することができる、本発明の様々な例示的なシステム、装置、及び方法を開示する。実施例は、一般に、動脈瘤治療システムを含み得、このシステムは、イントロデューサーシースと送達システムとの組み合わせが塞栓インプラントの配置装置として使用され得るように集合的に設計されている、塞栓インプラントと、送達システムと、イントロデューサーシースとを含む。送達システムは、プルワイヤと、送達チューブと、プルワイヤに取り付けられ、送達チューブの近位端に位置決めされた干渉機構とを有することができる。イントロデューサーシースは、干渉機構と係合するまで、送達チューブの上を近位に移動させることができる。インプラントを配置するためには、イントロデューサーシースを干渉機構に押し付けて、干渉機構を送達チューブに対して近位に移動させ、それによって、干渉機構が取り付けられたプルワイヤを近位に引いて、インプラントを配置することができる。
【0006】
例示的なインプラントシステムは、送達チューブ、塞栓コイル、イントロデューサーシース、干渉機構、及び細長い部材を含むことができる。塞栓コイルは、送達チューブの遠位端に分離可能に取り付けられ得る。干渉機構は、送達チューブの近位端に位置決めされ、送達チューブに対して移動可能であり得る。細長い部材は、送達チューブのルーメン内に位置決めされ、干渉機構に取り付けられ得る。イントロデューサーシースは、送達チューブ及び塞栓コイルを摺動可能に受容するようにサイズ決めされたルーメンを有することができる。イントロデューサーシースは、送達チューブの上を送達チューブの遠位端から送達チューブの近位端まで並進可能であり得る。イントロデューサーシースは、干渉機構と係合するようにサイズ決めすることができる。干渉機構は、イントロデューサーシースによって干渉機構に加えられる力に応答して、送達チューブに対して移動可能であり得る。細長い部材は、干渉機構の近位移動に応答して、送達チューブに対して移動可能であり得る。
【0007】
干渉機構は、送達チューブから分離可能であり得る。細長い部材は、分離された干渉機構の近位移動に応答して、送達チューブの近位端から出るように移動可能であり得る。
【0008】
送達チューブは、送達チューブの遠位端付近に軟区分を有することができる。埋め込まれていない塞栓コイルの遠位端から軟区分の近位端まで測定された塞栓コイル及び軟区分の長さは、イントロデューサーシースが、埋め込まれていない塞栓コイル及び軟区分を完全に包囲するようにサイズ決めされるように、イントロデューサーシースのエンドツーエンド長さよりも短くてよい。イントロデューサーシースは、塞栓コイル及び軟区分の長さよりも約5cm長くてよい。
【0009】
システムは、マイクロカテーテルを含むことができ、送達チューブは、イントロデューサーシースのエンドツーエンド長さとマイクロカテーテルのエンドツーエンド長さとの合計よりも長いエンドツーエンド長さを有することができる。
【0010】
イントロデューサーシースのエンドツーエンド長さは、約46cm~約105cmであってよい。
【0011】
イントロデューサーシースは、イントロデューサーシースが、軟区分及び塞栓コイルを完全に包囲するように位置決めされたパッケージ構成から、イントロデューサーシースが干渉機構と係合される配置構成に移動可能であり得る。
【0012】
塞栓コイルは、細長い部材を送達チューブに対して近位に移動させることによって送達チューブから分離することができる。
【0013】
干渉機構は、イントロデューサーシースの近位端と係合するように位置決めされた略円形の表面を有することができる。
【0014】
イントロデューサーシースの遠位端は、マイクロカテーテルと係合して、塞栓コイル及び送達チューブの少なくとも一部分が通過することができる密閉境界面を形成するようにサイズ決めすることができる。
【0015】
例示的な埋め込みアセンブリは、送達チューブ、塞栓インプラント、プルワイヤ、係合隆起、及び管状シースを含むことができる。塞栓インプラントは、送達チューブの遠位端に取り付けられ得る。プルワイヤは、送達チューブのルーメン内に配設され、塞栓インプラントを送達チューブから分離するように移動可能であり得る。係合隆起は、プルワイヤの近位端上に配設され、送達チューブの近位端の近くに位置決めされ得る。管状シースは、塞栓インプラント及び送達チューブ上を塞栓インプラントの遠位端から送達チューブの近位端まで搬送可能であり得る。管状シースは、係合隆起と係合するようにサイズ決めされ得る。係合隆起及びプルワイヤは、管状シースによって係合隆起に加えられる力に応答して、送達チューブに対して移動可能であり得る。
【0016】
送達チューブは、送達チューブの遠位端から近位に延在する軟区分を有することができ、管状シースは、塞栓インプラントが送達チューブに取り付けられ、非埋め込み構成で延在するとき、塞栓インプラントの遠位端から軟区分の近位端まで測定された長さよりもエンドツーエンドで約5cm長くてよい。
【0017】
アセンブリは、マイクロカテーテルを含むことができ、送達チューブは、イントロデューサーシース及びマイクロカテーテルの長さの合計よりも長いエンドツーエンド長さを有することができる。
【0018】
管状シースは、管状シースが軟区分及び塞栓コイルを完全に包囲するように位置決めされたパッケージ構成から、管状シースが係合隆起と係合する配置構成に移動可能であり得る。
【0019】
係合隆起は、管状シースによって係合隆起に加えられる力に応答して、送達チューブから分離可能であり得る。プルワイヤは、管状シースによって係合隆起に加えられる力に応答して、塞栓インプラントを送達チューブから分離するように移動可能であり得る。
【0020】
動脈瘤を治療するための例示的な方法は、塞栓インプラント、イントロデューサーシース、送達チューブ、干渉機構、及びプルワイヤを含む埋め込みシステムを提供することと、プルワイヤを干渉機構に固定することと、プルワイヤを送達チューブのルーメン内に位置決めすることと、干渉機構を送達チューブの近位端に取り付けることと、塞栓インプラントを送達チューブの遠位端に取り付けることと、イントロデューサーシースを、塞栓インプラント及び送達チューブの第1の部分を包囲するように位置決めすることと、イントロデューサーシースを送達チューブの上で近位に摺動させることと、イントロデューサーシースを近位に引いて、イントロデューサーシースから干渉機構に力を加えることと、力に応答して、干渉機構及びプルワイヤを送達チューブに対して近位に移動させることと、を含み得る。
【0021】
この例示的な方法での、イントロデューサーシースがその上に配置される送達チューブの第1の部分は、軟区分を有することができる。本方法は、塞栓インプラント及び軟区分の長さよりも約5cm大きい長さを有するように、イントロデューサーシースをサイズ決めすることを含み得る。本方法は、約46cm~約105cmの長さを有するようにイントロデューサーシースをサイズ決めすることを含んでもよく、その長さは、イントロデューサーシースの遠位端から近位端まで測定可能である。
【0022】
本方法は、送達チューブに対して干渉機構及びプルワイヤを近位方向に移動させることに応答して、塞栓インプラントを送達チューブから分離することを含んでよい。本方法は、干渉機構を送達チューブから分離することを含んでよい。干渉機構は、干渉機構及びプルワイヤを送達チューブに対して近位に移動させることに応答して、分離され得る。
【0023】
本方法は、マイクロカテーテルを提供することと、塞栓インプラント及び送達チューブの第1の部分をインデューサーシース内に維持しながら、イントロデューサーシースをマイクロカテーテルと係合するように位置決めすることと、塞栓インプラント及び送達チューブを遠位方向に並進させて、塞栓インプラント及び送達チューブの第1の部分をマイクロカテーテル内に位置決めすることと、を含み得る。
【0024】
別の例示的な埋め込みシステムは、送達チューブと、近位延長部と、細長い部材と、塞栓コイルと、切り離し機構と、を含み得る。送達チューブは、内部を通るルーメンと、近位端と、遠位端と、を有し得る。近位延長部は、送達チューブの近位端付近に位置付けられ得る。細長い部材は、送達チューブのルーメン内に位置付けされてよく、また近位延長部に取り付けられてもよい。塞栓コイルは、送達チューブの遠位端付近で送達チューブに取り付けられ得る。塞栓コイルは、細長い部材の近位並進時に送達チューブから分離するように構成され得る。切り離し機構は、送達チューブに対する近位延長部の位置を固定し得る。切り離し機構は、送達チューブに対する近位延長部及び細長い部材の近位並進を可能にするよう操作されるように構成され得る。
【0025】
切り離し機構は、操作されたことに応答して破断するように構成され得る。
【0026】
近位延長部は、送達チューブから分離可能であり得る。細長い部材は、分離された近位延長部の近位移動に応答して、送達チューブの近位端から抜け出すように移動可能であり得る。
【0027】
送達チューブは、ハイポチューブの遠位部分を含み得る。近位延長部は、ハイポチューブの近位部分を含み得る。切り離し機構は、ハイポチューブの遠位部分とハイポチューブの近位部分との間に配設され得る。
【0028】
切り離し機構は、ハイポチューブ内に周方向レーザー切断開口部を含み得る。
【0029】
切り離し機構は、近位延長部が送達チューブに対して曲げられたときにハイポチューブを切り離し機構において破断させるように構成され得る。
【0030】
近位延長部は、内部を通るルーメンを有するチューブを含み得る。細長い部材は、近位延長部のチューブのルーメン内に配設され得る。
【0031】
別の例示的な埋め込みアセンブリは、送達チューブと、近位延長部と、切り離し機構と、塞栓インプラントと、プルワイヤと、を含み得る。送達チューブは、内部を通るルーメンと、近位端と、遠位端と、を有し得る。近位延長部は、送達チューブの近位端から近位に延在し得る。切り離し機構は、近位延長部の位置が送達チューブに対して固定されるように、近位延長部を送達チューブに接合し得る。切り離し機構は、送達チューブに対する近位延長部の近位並進を可能にするよう開放されるように構成され得る。塞栓インプラントは、送達チューブの遠位端に取り付けられ得る。プルワイヤは、送達チューブのルーメン内に配設され得、また、近位延長部が送達チューブに対して近位に並進されたときに、送達チューブから塞栓インプラントを分離するために近位に移動するように構成され得る。
【0032】
近位延長部は、送達チューブから分離可能であり得る。プルワイヤは、分離された近位延長部の近位移動に応答して、送達チューブの近位端から抜け出すように移動可能であり得る。
【0033】
送達チューブは、ハイポチューブの遠位部分を含み得る。近位延長部は、ハイポチューブの近位部分を含み得る。切り離し機構は、ハイポチューブの遠位部分とハイポチューブの近位部分との間に配設され得る。
【0034】
切り離し機構は、ハイポチューブ内に周方向レーザー切断開口部を含み得る。
【0035】
切り離し機構は、近位延長部が送達チューブに対して曲げられたときにハイポチューブを切り離し機構において破断させるように構成され得る。
【0036】
近位延長部は、内部を通るルーメンを有するチューブを含み得る。プルワイヤは、近位延長部のチューブのルーメン内に配設され得る。
【0037】
塞栓インプラントは塞栓コイルを含み得る。
【0038】
動脈瘤を治療するための別の例示的な方法が、送達チューブの遠位端に取り付けられた塞栓インプラントを位置決めするために送達チューブを操作するステップと、送達チューブの近位端から延在する近位延長部から送達チューブを切り離すステップと、送達チューブに対して近位方向に近位延長部を移動させ、それによって、近位延長部に固定されたプルワイヤを送達チューブに対して近位方向に移動させ、それによって塞栓インプラントを送達チューブの遠位端から分離させるステップと、を含み得る。
【0039】
本方法は、送達チューブに対して近位方向に近位延長部を移動させたことに応答して、送達チューブの近位端から抜け出すようにプルワイヤを移動させることを更に含み得る。
【0040】
送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含んでもよく、近位延長部はハイポチューブの近位部分を含んでもよい。近位延長部から送達チューブを切り離すステップは、ハイポチューブを破断し、それによってハイポチューブの近位部分からハイポチューブの遠位部分を切り離すことを含み得る。
【0041】
送達チューブは、ハイポチューブの遠位部分とハイポチューブの近位部分との間に周方向レーザー切断開口部を含み得る。近位延長部から送達チューブを切り離すステップは、周方向レーザー切断開口部間でハイポチューブの材料を破断することを含み得る。
【0042】
近位延長部から送達チューブを切り離すステップは、ハイポチューブを曲げ、それによってハイポチューブを破断させることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の上記の及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
【
図1】本発明の態様による例示的な埋め込みシステムの図である。
【
図2A】本発明の態様による、マイクロカテーテルと相互作用する、
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムの図である。
【
図2B】本発明の態様による、マイクロカテーテルと相互作用する、
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムの図である。
【
図3A】本発明の態様による、
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムで実施することができる埋め込み工程の図である。
【
図3B】本発明の態様による、
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムで実施することができる埋め込み工程の図である。
【
図3C】本発明の態様による、
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムで実施することができる埋め込み工程の図である。
【
図4A】本発明の態様による破断可能な切り離し機構を有する例示的な埋め込みシステムを示す。
【
図4B】
図4Aに示され、本発明の態様による
図4Aの例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【
図5A】本発明の態様による、ツイストロック切り離し機構を有する例示的な埋め込みシステムを示す。
【
図5B】
図5Aに示され、本発明の態様による、
図5Aの例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【
図6A】本発明の態様による、摺動トラックを有する例示的な埋め込みシステムを示す。
【
図6B】
図6Aに示され、本発明の態様による
図6Aの例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【
図7A】本発明の態様による伸縮性セグメントを有する例示的な埋め込みシステムを示す。
【
図7B】
図7Aに示され、本発明の態様による
図7Aの例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【
図8A】本発明の態様による、伸縮性セグメント及び切り離し機構を有する例示的な埋め込みシステムの切欠図を示す。
【
図8B】本発明の態様による、伸縮性セグメント及び切り離し機構を有する例示的な埋め込みシステムの切欠図を示す。
【
図8C】本発明の態様による、伸縮性セグメント及び切り離し機構を有する例示的な埋め込みシステムの切欠図を示す。
【
図9】当該技術分野において既知の送達システム、マイクロカテーテル、及びイントロデューサーシースの相対寸法を示す。
【
図10A】本発明の態様による、別の例示的なシステムの一連のプルワイヤ並進を示す。
【
図10B】本発明の態様による、別の例示的なシステムの一連のプルワイヤ並進を示す。
【
図10C】本発明の態様による、別の例示的なシステムの一連のプルワイヤ並進を示す。
【
図11】本発明の態様による、穿孔切り離し機構の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本明細書に提示される実施例は、インプラントの機械的設置を容易にするイントロデューサーシースを利用する。送達され得るインプラントの例としては、塞栓要素、ステント、移植片、薬物送達インプラント、フローダイバータ、フィルタ、刺激リード線、感知リード線、又はマイクロカテーテルを通して送達可能な他の埋め込み可能な構造体を挙げることができる。いくつかのインプラントは、現在、装置から取り外され、埋め込み手順の開始近くで廃棄されるイントロデューサーシースと共にパッケージ化されている。例えば、既存のシステムでは、塞栓コイル及び他の塞栓インプラントを使用して、様々な医療用途において血管を閉塞することができる。多くの場合、埋め込み前、及び患者の外側での塞栓インプラントの取り扱い中に、塞栓インプラントはイントロデューサーシース内に収容される。本治療方法では、いったん塞栓インプラントがマイクロカテーテルに移されると、イントロデューサーシースは送達システムから除去され、塞栓インプラントが治療部位に到達する前に廃棄される。本明細書に提示される実施例では、本発明により、イントロデューサーシースは、廃棄されるのではなく、近位に摺動させることができ、塞栓インプラントの配置、すなわち送達システムからの塞栓インプラントの分離を容易にすることができる。イントロデューサーシースを使用して配置を容易にするために、送達システムは、送達チューブの近位端に位置決めされ、プルワイヤに取り付けられた干渉機構を有することができ、そして、イントロデューサーシース、送達チューブ、プルワイヤ、及び干渉機構の組み合わせは、イントロデューサーシースが干渉機構と係合し、干渉機構を送達チューブに対して近位に移動させ、それによってプルワイヤを近位方向に引いて、塞栓インプラントを配置することができるように構成することができる。送達チューブ、マイクロカテーテル、及びイントロデューサーシースはそれぞれ、イントロデューサーシースが、塞栓インプラント及び送達システムの感受性部分を覆うのに十分な長さであり得、送達チューブが、マイクロカテーテルの全長及びイントロデューサーシースの全長にわたって延在するのに十分な長さであり得るようにサイズ決めされたそれぞれの長さを有することができる。
【0045】
図1は、例示的な埋め込みシステム100の図である。埋め込みシステム100は、塞栓コイル、塞栓編組、又は動脈瘤嚢を充填するための他のこうしたインプラントなどの塞栓インプラント140と、塞栓インプラント140を治療部位に送達するための送達チューブ110と、塞栓インプラント140を配置するために近位に引かれ得る、送達チューブ内に配設されたプルワイヤ130と、プルワイヤ130を近位に引くために近位に引かれ得る、プルワイヤ130に取り付けられた送達チューブ110の近位端112に配設された干渉機構120と、近位に動かされて干渉機構120と係合し、干渉機構120を近位に引くことができるイントロデューサーシース180と、を有することができる。
【0046】
イントロデューサーシース180は、送達チューブ110及び塞栓インプラント140を摺動可能に受容するようにサイズ決めされた内部を通るルーメンを有することができる。イントロデューサーシース180は、
図1に示す位置から送達チューブ110の長さにわたって近位に並進することができ、送達チューブ110の近位端112に位置決めされた干渉機構120と係合するようにサイズ決めすることができる。
【0047】
干渉機構120は、送達チューブ110に対して移動可能であり得る。例えば、干渉機構120は、送達チューブ110の近位端112に分離可能に取り付けられ得、システム100は、ホックを外され、引き裂かれ、破断され、捩じられ、又は別の方法で操作されて、干渉機構120を送達チューブ110から切り離し得る切り離し機構122を含むことができる。
【0048】
送達チューブ110は、送達チューブ110の遠位端114付近に位置決めされた軟区分116を有することができ、送達チューブ110の残部(近位部分)118よりも高い可撓性を有する。塞栓インプラント140は、送達チューブ114の遠位端114に分離可能に取り付けられ得る。軟区分116は、塞栓インプラント140の埋め込み及び配置の間、送達チューブ110の遠位端114のより高い制御及び安定性を可能にするように設計することができる。軟区分116は、レーザー切断ノッチ又は溝を有することができ、かつ/又は、軟区分116は、送達チューブ110の残部118と比較して、より可撓性のある材料で作製することができる。
【0049】
イントロデューサーシース180は、システム100が患者の治療処置の前及び開始時に取り扱われる際に、塞栓インプラント140及び送達チューブ110の軟区分116を保護(パッケージング)する目的を果たすことができる。したがって、この目的のために、イントロデューサーシース180は、治療手順の前に塞栓インプラント140及び軟区分116を完全に包囲するのに十分な長さであることが望ましい。塞栓インプラント140と軟区分116とが結合された長さは、塞栓インプラント140の遠位端144から軟区分116の近位端117まで測定され得る。イントロデューサーシース180は、塞栓インプラント140と軟区分116との結合された長さよりも数センチメートル長くサイズ決めされ得る、イントロデューサーシースの遠位端184から近位端182まで測定可能な長さを有して、システム100の一部が治療処置の前の取り扱い中に移動する場合に、塞栓インプラント140及び軟区分116が保護されたままであることを保証することができる。イントロデューサーシース180は、塞栓インプラント140と軟区分116とが結合された長さよりも約5cm長い長さを有し得る。例えば、塞栓インプラント140は、約1cm~約60cmの長さを有することができ、軟区分116は約40cmの長さを有することができ、イントロデューサーシースは、塞栓インプラント140の長さと軟区分116の長さとの合計より約5cm長い長さ、すなわち約46cm~約105cm、を有することができる。
【0050】
図2A及び
図2Bは、マイクロカテーテル200と相互作用する
図1に示されるような例示的な埋め込みシステムの図である。
図2Aは、イントロデューサーシース180が塞栓インプラント140を覆うように位置決めされ、送達チューブ110の軟部分116がパッケージ構成であり、イントロデューサーシース180の遠位端184がマイクロカテーテル200の近位端と嵌合されるか、又は係合されている、治療手順開始間近の治療手順の瞬間を示す。
図2Aに示すように、イントロデューサーシース180の遠位端184は、マイクロカテーテル200と係合して、塞栓インプラント140及び送達チューブ110の軟部分116が通過することができる密閉境界面を形成するようにサイズ決めされ得る。塞栓インプラント140及び送達チューブ110は、遠位に並進されて塞栓インプラント140及び送達チューブ110の一部をマイクロカテーテル200内に押し込むことができる。
【0051】
図2Bは、塞栓インプラント140及び軟部分116がマイクロカテーテル200内に位置決めされている治療手順の瞬間を示す。
図2Bに示される瞬間では、塞栓インプラント140及び軟部分116は、マイクロカテーテル200によって保護され、ここで、送達チューブ110及び塞栓インプラント140が遠位に更に並進されるとき、イントロデューサーシースは、近位180に引かれるか、又は定位置に残され得る。
【0052】
図3A~
図3Cは、一連の例示的な埋め込み工程の間の例示的な埋め込みシステムの図である。
図3Aは、マイクロカテーテル200内に位置決めされた送達チューブ110の塞栓インプラント140及び軟部分116と、送達チューブ110の近位部分118の上で近位に並進されているイントロデューサーシース180とを示す。
図3Aに示すように、イントロデューサーシース180は、マイクロカテーテル200から係合解除され、塞栓インプラント140及び軟区分116がマイクロカテーテル200内にいったん保護された後だが、塞栓インプラント140が治療部位又は動脈瘤内に位置決めされる前に、近位に引くことができる。あるいは、イントロデューサーシース180は、塞栓インプラント140が治療部位に位置決めされるか、又は送達チューブ110から配置される準備が整うまで、マイクロカテーテルに係合したままであり、次いで塞栓インプラント140が治療部位に位置決めされた後で近位に引くことができる。
【0053】
図3Bは、イントロデューサーシース180が、送達チューブ110の近位端112の近くに位置決めされた干渉機構120と係合する配置構成にあるイントロデューサーシース180を示す。イントロデューサーシース180は、干渉機構120に対して力Fを与えて示されている。この力は、干渉機構120を送達チューブ110に対して近位に移動させるのに十分であり得る。力Fの適用の前に、干渉機構120は、送達チューブ110の近位端112に分離可能に取り付けられ得、また干渉機構120は、力Fに応答して送達チューブ110の近位端112から分離され得る。代替的に、干渉機構120は、送達チューブ110に取り付けられたまま残存してもよく、力Fは、送達チューブ110に対して干渉機構120を移動させるのに十分であり得る。
【0054】
イントロデューサーシース180は、干渉機構120と係合するようにサイズ決めすることができる。図示されるように、イントロデューサーシース180は管状であってよく、円形の近位端182を有してもよく、干渉機構120は、送達チューブ110の円周を越えて半径方向に突出することができる。干渉機構120は、イントロデューサーシース180の近位端182の円周よりも大きい円周を有する円形であってよい。干渉機構120は、イントロデューサーシース180の近位端182が押圧され得る平坦な表面を提供することができる。加えて、又は代替的に、干渉機構は、イントロデューサーシース180を受容するための傾斜又は溝を有し得る平坦でない表面を有することができる。干渉機構120は、送達チューブの遠位端の近くに位置決めされた隆起であってよく、送達チューブの周囲を越えて延在し、かつ、イントロデューサーシース180が、送達チューブ110の上を近位に摺動されたときに、送達チューブ110の近位端112を完全に越えて摺動する前に、インターレファレンス機構120と係合しなければならないように延在する。
【0055】
図3Cは、イントロデューサーシース180からの力Fに応答して、送達チューブ110に対して近位に移動した後の干渉機構120を示す。干渉機構120はプルワイヤ130に取り付けられ得、プルワイヤ130は、干渉機構180が近位に移動されるときに近位に引かれ得る。干渉機構120は、干渉機構120の近位への移動の前に送達チューブ110に分離可能に取り付けられ得、分離機構122は、干渉機構120の分離を容易にするように操作され得る。干渉機構120は、いったん分離されると、送達チューブ110から離れて近位に引かれ得、プルワイヤ130は、干渉機構120を引くことに応答して、移動されて送達チューブ110の近位端112から出ることができる。プルワイヤ130は、送達チューブ110のルーメンを通って塞栓インプラント140に向かって延在する細長い部材であってよい。プルワイヤ130は、送達チューブ110の遠位端114において塞栓インプラント140を解放するための配置システムの構成要素を構成することができる。プルワイヤ130が近位に引かれると、プルワイヤ130は塞栓インプラント140の配置を開始することができる。塞栓インプラント140は、送達チューブ110に対するプルワイヤ130の近位移動に応答して、送達チューブ110から分離され得る。
【0056】
図4Aは、破断可能な切り離し機構122aを有する例示的な埋め込みシステムを示す。埋め込みシステムは、破断可能な切り離し機構122aによって送達チューブ110に分離可能に取り付けられた干渉機構120を有し得る。送達チューブ110は、材料が送達チューブ110から除去される領域であるノッチ115を含むことができる。ノッチ115は、送達チューブ110の近位端112に位置決めされ得る。送達チューブ110の近位端112は、接着、溶接、又は他の手段によって干渉機構120に取り付けられ得る。ノッチ115は、送達チューブ110の破断可能部分122aであってよい。イントロデューサーシース180が干渉機構120に対して押圧されると、干渉機構120からの力によって破断可能部分122aが破壊され、次いで干渉機構120が送達チューブ110に対して近位に移動され得る。干渉機構120は、イントロデューサーシース180が押圧され得る円形表面124を有することができる。
図4Bは、
図4Aに示される例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図である。
【0057】
図5Aは、ツイストロック切り離し機構122bを有する例示的な埋め込みシステムを示す。埋め込みシステムは、近位端112で切られた溝113を有する送達チューブ110と、隆起123又は溝113と係合することができる別の機構を有する干渉機構120とを有することができる。干渉機構120は、ツイストロック切り離し機構(及び/又はバヨネットコネクタ)122bによって送達チューブ110に分離可能に取り付けることができる。干渉機構120は、送達チューブ110の近位端112における送達チューブ110のルーメン内に延在することができ、送達チューブ110の溝113内に位置決めされて、干渉機構120と送達チューブ110との間の取り付けを維持することができる隆起又は突出部123を有することができる。隆起又は突出部123は、溝113を通って摺動して、干渉機構120を送達チューブ110から分離することができる。溝113はL字形であってよく、干渉機構120は、送達チューブ110に対して捩じられ、その後、送達チューブ110に対して近位に引かれて、ツイストロック切り離し機構122bを切り離すことができる。
図5Bは、
図5Aに示される例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【0058】
図4A~
図5Bは、送達チューブ110から分離された後に送達チューブ110に対して移動可能な干渉機構120の例を示しているが、干渉機構は分離される必要はなく、分離せずに送達チューブ110に対して移動可能であり得る。
図6A~
図8Cは、干渉機構120が送達チューブ110に少なくとも部分的に取り付けられたままの状態の例示的なシステムを示す。
【0059】
図6Aは、摺動トラック113a及び隆起又は突出部123aを有する例示的な埋め込みシステムを示す。摺動トラック113aは、送達チューブ110の一部分から送達チューブ110の近位端112付近で切り離すことができる。干渉機構120は、トラック113a内で摺動するように位置決めされた係合用の隆起又は突出部123aを有することができる。トラック113aは、送達チューブ110の長さの一部に沿って延在することができ、隆起123aは、トラック113a内で摺動することができ、干渉機構120は、送達チューブ110に対して近位に移動することができる。トラック113aはL字形であってもよく、干渉機構120は、送達チューブ110に対して捩じられ、次いで送達チューブ110に対して近位に引かれて、送達チューブ110に対して干渉機構120を移動させることができる。干渉機構120はプルワイヤ130に取り付けられてよく、干渉機構120の移動は、プルワイヤ130を移動させて塞栓インプラント140を配置することができる。
【0060】
図6Bは、
図6Aに示される例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【0061】
図7Aは、伸縮性セグメント126を有する例示的な埋め込みシステムを示す。埋め込みシステムは、送達チューブ110の近位端112付近に位置決めされた伸縮性セグメント126を有する送達チューブ110を有することができる。伸縮性セグメント126は、伸縮性セグメント126を含む送達チューブ110の長さに沿って張力を生み出す力に応答して伸張する傾向のある送達チューブ110の領域であり得る。伸縮性セグメント126は、
図7Aに示すような初期状態で圧縮されるコイル、チューブのレーザー切断部分、及び/又はより大きな弾性を有する管の一部を含むことができる。伸縮性セグメント126は、イントロデューサーシース180によって干渉機構120に対して与えられる力に応答して延在し得る。伸縮性セグメント126は、干渉機構120が送達チューブ110から切り離されることなく、プルワイヤ及び干渉機構120が送達チューブ110に対して近位に移動することを可能にすることができる。伸縮性セグメント126は、伸縮性セグメント126の材料特性及び/又は構造によって決定される完全に伸張した長さを有し得る。完全に伸張した長さは、干渉機構120が送達チューブ110に対して近位に移動することができる距離を制限することができる。
図7Bは、
図7Aに示される例示的な埋め込みシステムの近位端付近の断面図を示す。
【0062】
図8A~
図8Cは、伸縮性要素126a及び分離機構122cを有する例示的な埋め込みシステムを示す。
図8A~
図8Cに示す切り離し機構122cは、
図4及び
図4Bに示されるものと同様の送達チューブ110内にノッチ115Bを含むことができる。
図1、
図3A~
図3C、
図5、又は
図5Bに示され、かつそれらの図に関連して説明される切り離し機構を含む、他の切り離し機構が、本明細書に記載の又は他の既知のもののような伸縮性セグメントと組み合わせることができることが企図されている。伸縮性セグメント126aと組み合わせて使用される場合、切り離し機構122cは、伸縮性セグメント126aの、又はその付近の送達チューブ110の長さに沿って位置決めされ得る。伸縮性セグメント126a及び切り離し機構122cの両方を、送達チューブ110の近位端112の近くに位置決めすることができる。
【0063】
図8Aは、送達チューブ110の近位端112付近の送達チューブ110のルーメン内に位置決めされた伸縮性要素126aを示す。
図8Aでは、送達チューブ110は、内部の伸縮性要素126aのコイルを示すために切り取られて示されている。
図8Aに示す構成では、干渉機構120は、伸縮性要素126a及び分離機構122cを介して送達チューブ110に取り付けられ得る。
【0064】
図8Bは、近位に移動されて干渉機構120に係合し、分離機構122cを破壊し、伸縮性要素126aを伸張させ始めるイントロデューサーシース180を示す。送達チューブ110及びイントロデューサーシース180が、切り取られて示されている。プルワイヤ130は、送達チューブ110内に位置決めされ得る。プルワイヤ130は、干渉機構120が近位に移動される際に近位に引かれ得る。伸縮性要素126aは、溶接、接着剤、又は他の接続125を用いて干渉機構120に取り付けることができる。伸縮性要素126aは、溶接、接着剤、又は他の接続127を用いて送達チューブ110に取り付けることができる。分離機構122cが分離された後、伸縮性要素126aは、干渉機構120と送達チューブ110との間の取り付けを維持することができる。
【0065】
図8Cは、更に近位に移動して、干渉機構120及びプルワイヤ130を更に近位に移動させ、更に伸縮性要素126aを伸張させるイントロデューサーシース180を示す。伸縮性要素126aは、伸縮性要素126aの材料特性及び/又は構造によって決定される完全に伸長した長さを有し得る。完全に伸張した長さは、干渉機構120が送達チューブ110に対して近位に移動することができる距離を制限することができる。
【0066】
図9は、当該技術分野において既知の、送達システム、マイクロカテーテル、及びイントロデューサーシースの相対寸法を示す。既知の送達システムは、典型的には長さ200cmであり、既知のマイクロカテーテルは、典型的には長さ165cmであり、既知のイントロデューサーシースは、典型的には、長さ130cmである。既知の実務では、イントロデューサーシースは典型的には、塞栓インプラント、及び送達システムの任意の感受性部分がマイクロカテーテル内に挿入された後に除去される。既知の実務によれば、既知のマイクロカテーテルとイントロデューサーとを結合した長さは、既知の送達システムよりも数センチメートル長いため、イントロデューサーシースは、塞栓インプラントの配置工程中に送達システムの周囲に留まることができない。本発明の一態様は、イントロデューサーシースが塞栓インプラント配置工程を通じて送達システム上に留まることができるように、送達システム及びイントロデューサーシースをサイズ決めすることである。本明細書に提示されるシステム例では、埋め込みシステムは、送達システム、マイクロカテーテル、及びイントロデューサーシースを含むことができ、送達システムは、マイクロカテーテル及びイントロデューサーシースの結合された長さよりも長い。
【0067】
動脈瘤は、本発明に関連して本明細書に開示される埋め込みシステムのいずれかなどの埋め込みシステムで、必ずしも順序どおりではないが、以下の工程のいくつか又は全てを実行することによって治療することができる。塞栓インプラント140と、イントロデューサーシース180と、送達チューブ110と、干渉機構120と、プルワイヤ130とを有する埋め込みシステム100を提供することができる。プルワイヤ130は、干渉機構120に固定され得る。プルワイヤ130は、送達チューブ110のルーメン内に位置決めされ得る。干渉機構120は、送達チューブ110の近位端112に取り付けられ得る。塞栓インプラント140は、送達チューブ110の遠位端114に取り付けられ得る。イントロデューサーシース180は、塞栓インプラント140及び送達チューブ110の第1の部分を包囲するように位置決めされ得る。送達チューブ110の第1の部分は、軟区分116を含み得る。イントロデューサーシースは、塞栓インプラント140の遠位端144から軟区分116の近位端117まで測定可能な長さよりも約5cm長いエンドツーエンド長さを有するようにサイズ決めされ得る。イントロデューサーシース180は、エンドツーエンド長さが約46cm~約105cmになるようにサイズ決めされ得る。マイクロカテーテル200が提供され得る。イントロデューサーシース180は、塞栓インプラント140及び送達チューブ110の第1の部分をイントロデューサーシース180内に維持しながら、マイクロカテーテル200と係合するように位置決めされ得る。塞栓インプラント140及び送達チューブ110は、遠位に並進されて、塞栓インプラント140及び送達チューブ110の第1の部分をマイクロカテーテル200内に位置決めし得る。イントロデューサーシース180は、送達チューブ110の上を近位に摺動され得る。イントロデューサーシース180は、近位に引かれて、イントロデューサーシース180から干渉機構120に力を加え得る。干渉機構120及びプルワイヤ130は、この力に応答して、送達チューブ110に対して近位に移動され得る。干渉機構120は、送達チューブ110から分離され得る。塞栓インプラント140は、干渉機構120及びプルワイヤ130を送達チューブ110に対して近位に移動させることに応答して、送達チューブ110から分離され得る。
【0068】
図10A~
図10Cは、近位延長部120aを有する別の例示的な埋め込みシステム100aの図であり、該近位延長部120aは、イントロデューサーシース180を使用することなく手で操作され得ることを除いて、本明細書の他の箇所で例示される干渉機構120と同様に機能する。埋め込みシステム100aは、塞栓コイル、塞栓編組などの塞栓インプラント140、又は動脈瘤嚢に充填するための他のそのようなインプラントと、塞栓インプラント140を治療部位に送達するための送達チューブ110と、塞栓インプラント140を展開するために近位に引っ張られ得る、送達チューブ内に配設されたプルワイヤ130と、を有し得る。
【0069】
図10Aは、送達構成にあるシステム100aを示す。システム100aが送達構成にある間、送達チューブ110は、イントロデューサーシース180を通して導入され得、イントロデューサーシース180は廃棄され得、塞栓インプラント140は治療部位に位置付けられ得る。
【0070】
図10Bは、塞栓インプラント140を展開するための準備のためのステップにおけるシステム100aを示す。システム100aは、送達チューブ110と近位延長部120aとの間に、送達チューブ110を近位延長部120aから分離するように操作され得る切り離し機構122dを含み得る。図示されるように、切り離し機構122dは、送達チューブ110に対して近位延長部120aを曲げることによって破壊され得る。
【0071】
図10Cは、近位延長部120aが近位に引かれ、それによってプルワイヤ130が近位に引っ張られ、塞栓インプラント140が解放されることを示す。
【0072】
図11は、切り離し機構122dの拡大図を示す。図示のように、送達チューブ110及び近位延長部120aは、連続したハイポチューブから形成される。切り離し機構122dは、ハイポチューブ内にレーザー切断機構を含み得るが、該レーザー切断機構は、レーザー切断機構の間の物質に応力が集中するようにサイズ決定及び離間されており、そのため、ハイポチューブは、
図10Bに示されるように曲げられたときに切り離し機構122dにおいて破断する。送達チューブ110が曲げに応答して所定の位置で破断するようにするため、レーザー切断機構は、代替的に、ハイポチューブ材料に応力を集中させるようにサイズ決定され、成形され、また別様に構成され得る。
【0073】
代替的に、切り離し機構は、関連する技術分野の当業者によって理解されるように、本明細書に例示される他の切り離し機構122a~c、その変形形態、及びその代替形態と同様に構成されてもよい。例えば、
図10A~
図11に示されるシステム100aの切り離し機構122dは、
図5Aに示される切り離し機構122b又は送達チューブ110に対して近位延長部120aを捻回することを含むその変形形態と同様に構成され得る。図示されていないが、システム100aは、送達チューブ110及び近位延長部120aに取り付けられた伸縮性スリーブを含んでもよく、該伸縮性スリーブは、
図10Cに示されるように近位延長部120aが近位に引っ張られるときに延伸するように構成される。
【0074】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、システム構成要素の代替的な幾何学的形状、代替的な材料、追加的又は代替的な方法工程などを含めて、埋め込みシステム及び関連する方法の多くの変形形態及び修正形態を企図するものである。関連分野の当業者に明らかな修正形態が、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) 埋め込みシステムであって、
内部を通るルーメン、近位端、及び遠位端を含む送達チューブと、
前記送達チューブの前記近位端に近接して位置決めされた近位延長部と、
前記送達チューブの前記ルーメン内に配設され、前記近位延長部に取り付けられた細長い部材と、
前記送達チューブの前記遠位端に近接して前記送達チューブに取り付けられる塞栓コイルであって、前記細長い部材の近位並進の際に前記送達チューブから分離するように構成された、塞栓コイルと、
前記送達チューブに対する前記近位延長部の位置を固定する切り離し機構であって、前記送達チューブに対する前記近位延長部及び前記細長い部材の近位並進を可能にするよう操作されるように構成された、切り離し機構と、を備えるシステム。
(2) 前記切り離し機構は、操作されたことに応答して破断するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記近位延長部は、前記送達チューブから分離可能であり、
前記細長い部材は、前記近位延長部の前記近位並進に応答して、前記送達チューブの前記近位端から抜け出すように移動可能である、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含み、前記近位延長部は前記ハイポチューブの近位部分を含み、前記切り離し機構は、前記ハイポチューブの前記遠位部分と前記ハイポチューブの前記近位部分との間に配設されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記切り離し機構は、前記ハイポチューブ内の周方向レーザー切断開口部を含む、実施態様4に記載のシステム。
【0076】
(6) 前記切り離し機構は、前記近位延長部が前記送達チューブに対して曲げられたときに前記ハイポチューブを前記切り離し機構において破断させるように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(7) 前記近位延長部は、内部を通るルーメンを含んだチューブを備え、
前記細長い部材は、前記近位延長部の前記チューブの前記ルーメン内に配設されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 埋め込みアセンブリであって、
内部を通るルーメン、近位端、及び遠位端を含む送達チューブと、
前記送達チューブの前記近位端から近位に延在する近位延長部と、
前記近位延長部の位置が前記送達チューブに対して固定されるように前記送達チューブに前記近位延長部を接合する切り離し機構であって、前記送達チューブに対する前記近位延長部の近位並進を可能にするために開放されるように構成されている、切り離し機構と、
前記送達チューブの前記遠位端に取り付けられた塞栓インプラントと、
前記送達チューブの前記ルーメン内に配設されたプルワイヤであって、前記近位延長部が前記送達チューブに対して近位に並進されたときに、前記送達チューブから前記塞栓インプラントを分離するために近位に移動するように構成された、プルワイヤと、を備えるアセンブリ。
(9) 前記近位延長部は前記送達チューブから分離可能であり、前記プルワイヤは、前記送達チューブに対する前記近位延長部の前記近位並進に応答して、前記送達チューブの前記近位端から抜け出すように移動可能である、実施態様8に記載のアセンブリ。
(10) 前記送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含み、前記近位延長部は前記ハイポチューブの近位部分を含み、前記切り離し機構は、前記ハイポチューブの前記遠位部分と前記ハイポチューブの前記近位部分との間に配設されている、実施態様8に記載のアセンブリ。
【0077】
(11) 前記切り離し機構は、前記ハイポチューブ内の周方向レーザー切断開口部を含む、実施態様10に記載のアセンブリ。
(12) 前記切り離し機構は、前記近位延長部が前記送達チューブに対して曲げられたときに前記ハイポチューブを前記切り離し機構において破断させるように構成されている、実施態様10に記載のアセンブリ。
(13) 前記近位延長部は、内部を通るルーメンを含んだチューブを備え、
前記プルワイヤは、前記近位延長部の前記チューブの前記ルーメン内に配設されている、実施態様8に記載のアセンブリ。
(14) 前記塞栓インプラントは塞栓コイルを含む、実施態様8に記載のアセンブリ。
(15) 動脈瘤を治療するための方法であって、
送達チューブの遠位端に取り付けられた塞栓インプラントを位置決めするために前記送達チューブを操作することと、
前記送達チューブの近位端から延在する近位延長部から前記送達チューブを切り離すことと、
前記送達チューブに対して近位方向に前記近位延長部を移動させ、それによって、前記近位延長部に固定されたプルワイヤを前記送達チューブに対して前記近位方向に移動させ、それによって前記塞栓インプラントを前記送達チューブの前記遠位端から分離させることと、を含む方法。
【0078】
(16) 前記送達チューブに対して前記近位方向に前記近位延長部を移動させたことに応答して、前記送達チューブの前記近位端から抜け出すように前記プルワイヤを移動させること、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記送達チューブはハイポチューブの遠位部分を含み、
前記近位延長部は前記ハイポチューブの近位部分を含み、
前記近位延長部から前記送達チューブを切り離すことは、前記ハイポチューブを破断し、それによって前記ハイポチューブの前記近位部分から前記ハイポチューブの前記遠位部分を切り離すことを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記送達チューブは、前記ハイポチューブの前記遠位部分と前記ハイポチューブの前記近位部分との間に周方向レーザー切断開口部を備え、
前記近位延長部から前記送達チューブを切り離すことは、前記周方向レーザー切断開口部間で前記ハイポチューブの材料を破断することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記近位延長部から前記送達チューブを切り離すことは、前記ハイポチューブを曲げ、それによって前記ハイポチューブを破断させることを更に含む、実施態様17に記載の方法。
【外国語明細書】