(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145676
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】靴紐留め具
(51)【国際特許分類】
A43C 11/18 20060101AFI20220926BHJP
A43C 11/24 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A43C11/18
A43C11/24
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079993
(22)【出願日】2022-05-16
(62)【分割の表示】P 2021080050の分割
【原出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】519049684
【氏名又は名称】真崎 魁
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】真崎 魁
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050HA44
4F050HA53
4F050HA99
4F050JA01
4F050MA05
4F050MA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】靴の着用時に靴紐を結ぶ・ほどくといった動作を不要とし、靴の脱ぎ履きを迅速かつ容易に行うことができる靴紐の緩みが無い運動靴等に最適な靴紐留め具に関する。
【解決手段】靴紐通し孔9を有する厚みのある第一留め具本体2と第二留め具本体3からなり、磁石15により分離可能に連結する機能を備える靴紐留め具1であって、靴紐通し孔9は留め具本体2、3の側面にあり、少なくとも1回以上蛇行した靴紐通し孔を有していることを特徴とする靴紐留め具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴紐通し孔を有する厚みのある第一及び、第二留め具本体からなる磁石により分離可能に連結する機能を備える靴紐留め具であって、靴紐通し孔は留め具本体の側面にあり、少なくとも1回以上蛇行した靴紐通し孔を有していることを特徴とする靴紐留め具。
【請求項2】
請求項1に記載の靴紐留め具であって、第一及び、第二留め具本体は弾力性を有する素材からなることを特徴とする靴紐留め具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ2つであり、それぞれの靴紐通し孔は入口、出口で位置が異なって、1回蛇行していることを特徴とする靴紐留め具。
【請求項4】
請求項1または2に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ1つであり、該孔の蛇行はそれぞれ3回であることを特徴とする靴紐留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はどんな靴に対しても適用可能な靴紐留め具に関する。さらに詳しくは、予め靴紐を靴紐留め具に固定することで、靴の着用時に靴紐を結ぶ・ほどくといった動作を不要とし、靴の脱ぎ履きを迅速かつ容易に行うことができる靴紐の緩みが無い運動靴等に最適な靴紐留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では子どもや老人、障害のある方や介護する方でも靴紐を緩めたり締めたりする動作を容易にすることを目的としており、靴紐留め具として使用する際に履いている間に靴紐がゆるんだりほどけたりすることが無いように予め靴紐を切断してから複数の靴紐通し孔に通し、靴紐留め具と靴紐との固定具合を調整して靴紐の固定、固定解除を行う技術と、靴紐留め具を付けることによる結び目の装飾性が提案されている。また特許文献2では、靴の羽を広げやすくすることによって履きやすくすることを目的としており、靴甲部に取り付ける靴紐留め具に複数の靴紐通し孔が付属しており、内部の磁石の脱着によって容易に脱ぎ履きができるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-220908
【特許文献2】WO2015/168055A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の靴紐留め具では、靴紐留め具として使用する際に靴紐の切断や、靴紐を取り付ける機構によって靴紐が傷ついてしまう課題があった。また脱ぎ履き時に毎回靴紐との固定具合を調整する必要もあり、固定作業の迅速性や容易性の面で十分な機能を有してはいなかった。
【0005】
特許文献2の靴紐留め具では、着用時に複数の靴紐通し孔を使用するため迅速性の面で十分な機能を有してはいなかった。また靴紐の末端部の処理方法に問題があり、靴紐留め具の固定とは別に靴紐を結ばなければいけなかったため靴の着用に迅速性の面で不十分であり、靴紐が緩む可能性があった。
【0006】
本願発明の目的は、上記課題が解決された靴紐留め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決のため、磁石を用いた靴紐留め具の側面に靴紐通し孔をあけることを見出した。
【0008】
本願発明は以下の通りである。
【0009】
第一の発明は靴紐通し孔を有する厚みのある第一及び、第二留め具本体からなる磁石により分離可能に連結する機能を備える靴紐留め具であって、靴紐通し孔は留め具本体の側面にあり、少なくとも1回以上蛇行した靴紐通し孔を有していることを特徴とする靴紐留め具である。
【0010】
第二の発明は第一の発明に記載の靴紐留め具であって、第一及び、第二留め具本体は弾力性を有する素材からなることを特徴とする靴紐留め具である。
【0011】
第三の発明は第一の発明または第二の発明に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ2つであり、それぞれの靴紐通し孔は入口、出口で位置が異なって、1回蛇行していることを特徴とする靴紐留め具である。
【0012】
第四の発明は第一の発明または第二の発明に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ1つであり、該孔の蛇行はそれぞれ3回であることを特徴とする靴紐留め具である。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の靴紐留め具はどんな靴に対しても適用可能であるが、靴紐の緩みが無い運動靴等に最適である。本願発明は靴紐を通した第一及び、第二留め具本体の接合後は結び目が整った外観になり、磁石の連結によって老若男女誰でも簡単に紐靴を履くことができる。
【0014】
第一及び、第二留め具本体は左右に分かれているため各靴紐の長短の調節が容易であり、同形状のため左右入れ替えても使用可能で、異なる形状の同部品と組み合わせて使用することもできる。
【0015】
靴紐留め具の靴紐通し孔の数と内部の蛇行形状によって、靴の脱ぎ履き時に毎回靴紐との固定具合を調整する必要が無い。靴紐の取り付け後は内部の締め付けによって、靴紐を切断せずに緩むことなく固定することができ、靴紐が土に触れることも無いので衛生的である。靴紐通し孔が1つの場合でも短い靴紐や多数回蛇行させた靴紐留め具を使用することで同様の効果を得られる。
【0016】
第一及び、第二留め具本体は、通した靴紐が少なくとも2回以上蛇行することになるため、靴着用時に左右の靴紐部が緩むことが無く、紐靴を快適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1の態様の靴紐留め具の斜視模式図。第一留め具本体(2)と第二留め具本体(3)は、接合面(6)に関して対称形である。
【
図2】第一留め具本体の下面に平行な面での断面図。
【
図4】靴紐20を通した実施例1の態様の靴紐留め具の斜視図。
【
図5】第一留め具本体の下面に平行な面での断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明は
図1に示すように、靴紐通し孔を有する厚みのある第一及び、第二留め具本体からなっている。第一及び第二留め具本体の形状は対称で一組となっていることが好ましいが、装飾性の観点から必ずしも対象である必要はない。第一及び第二留め具本体は磁石により分離可能に連結する機能をそなえており、磁石は分離可能な接合面に配置されている。各留め具本体の磁石配置部とは反対側には少なくとも1回以上蛇行した貫通した靴紐通し孔を有している。靴紐通し孔の数は一つまたはそれ以上配置することができる。
【0019】
靴紐通し孔の数は2つの場合が最も好ましい。この場合はそれぞれの靴紐通し孔は一回蛇行していることが好ましい。合計二回の蛇行により靴紐の緩みが防止される。靴紐通し孔が1つの場合は、蛇行が一回では、靴紐の緩みが発生する可能性があるからである。
【0020】
靴紐通し孔の断面形状及び大きさは靴紐が通るような形状であれば特に制限はないが、加工の容易さから円形であることが好ましい。
【0021】
またそれぞれの留め具本体に靴紐通し孔が2つの場合は、
図4に示すように靴紐を通した後に整った状態、すなわち、蝶結びに結んだような外観にすることができるので好ましい。
【0022】
靴紐通し孔の数と蛇行の回数は靴紐の緩みやすさと密接な関係性がある。蛇行が無い場合と比べて蛇行があることによって、靴紐の摩擦面積が上がるため靴紐が緩みにくくなり、蛇行の角度をより鋭角にすることでも緩みにくくなる。
【0023】
靴紐留め具の靴紐通し孔の口径は、使用する靴紐の口径の-3mmから+3mm以内に収まる口径が好ましい。断面積が円以外の靴紐の口径は、靴紐の断面積に等しい円の直径と定義する。
【0024】
各靴紐留め具に形成された貫通している靴紐通し孔の深さは、浅いと靴紐と靴紐留め具の接触面積が減少し摩擦力が小さくなることから、通した靴紐が外れにくく、整った状態の外観になるように靴紐通し孔の出入口で深さが異なっている。深さが異なるため、靴紐留め具を断面形状で見た時には内部で斜め方向になるように繋がって靴紐通し孔が形成されていることが分かる。通した靴紐が外れにくく整った状態の外観になるのであれば、摩擦力の観点から出入口の深さは同様でも良く、靴紐が内部で密着して固定するのに適した深さで変化しているのが好ましい。
【0025】
本願発明の靴紐留め具の第一及び第二留め具本体には紐通し孔に沿って溝を付けることができる。溝は紐通し孔に繋がっており、溝を付ける理由としては、靴紐留め具を広げて靴紐を容易靴紐通し孔に挿入しやすくするためである。そのため靴紐を容易に挿入できるのであれば必ずしも必要とされるものではないが、本発明の靴紐留め具として機能して靴紐を容易に挿入するのに必要であれば溝は付けても良い。溝の形状は
図1~
図3で示すように靴紐通し孔の下部に付属して下面まで縦に細長い空洞が続いている形状となっている。また溝の形状は利便性の観点から靴紐通し孔の数や形状等に合わせて、靴紐を挿入する際に指をかけて挿入しやすい形状等、靴紐留め具として使用しやすい形状へ変更しても良い。
【0026】
靴紐留め具の縦横の大きさは靴紐を通した際の靴紐通し孔の形状、数を考慮している。そのため、一般的に売られている靴紐を快適に使用できる長さまで入れられ、磁石を付けることができる大きさが靴紐留め具には必要とされ、持ち運び面の観点から約1.5cm~3cm以内の小型の物が好ましいが、靴紐止め具として使用した際に負荷とならない大きさの物であればどのような大きさでも良い。
【0027】
靴紐留め具の厚みも同様に、靴紐を通した際の靴紐通し孔の形状、数を考慮している。そのため、一般的に売られている靴紐を入れられ、磁石を付けることができる厚みが靴紐留め具には必要とされる。靴紐止め具として使用した際に負荷とならない約1cm~2cmの厚みが好ましいが、靴紐留め具として使用できるのであればどのような厚さでも良い。
【0028】
靴紐留め具の装飾面は主に上面4、側面5であり、該当箇所は自由に装飾を加えて良い。本発明の機能を有するのであれば、他の箇所も機能を制限しない形で装飾面として扱っても良い。靴紐通し孔の形状や数、厚みを考慮して靴紐留め具の使用者が不快に感じない装飾が望ましく、
図1~3の靴紐通し孔が2つの場合や、
図6,7の靴紐通し孔が1つの場合のように靴紐通し孔の数や形状を変更し、様々な装飾を付けても良い。また第一及び、第二留め具本体同士が非対称となる装飾でも良く、靴紐留め具として使用できるのであれば、どのような装飾を付けても良い。
【0029】
第一及び、第二留め具本体のそれぞれの表面は、留め具本体の紐留め付け時で靴甲部とは反対側に位置して外方に臨む面であり、第一及び、第二留め具本体との前記表面それぞれに、目視可能な装飾を施してなる装飾面部が設けても良い。装飾の形状は本発明の機能を発揮できるのであればどのような形状でも良い。
【0030】
一般的な靴紐を使用する時には、第一及び、第二留め具本体は靴紐通し孔が2つで蛇行回数が1回のものが使用時の迅速性、容易性の観点から最も好ましい態様ではあるが、靴紐通し孔の数や蛇行回数は本発明の機能を発揮できるのであれば、多様性の観点からそれぞれ変更しても良い。内部の蛇行形状が
図6,7のように蛇行が1回では靴紐が緩みやすくなるため、蛇行は3回以上が好ましい。この場合は靴紐の余剰分が長くなるが靴紐通し孔の内部の蛇行回数が多いことで余剰分を吸収することができる。また本発明の靴紐留め具として機能して靴紐を固定できるのであれば、内部の蛇行形状を変更しても良い。
【0031】
弾力性を有する材料としては、ABS樹脂、PLE樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂(Polyethelene)、ポリスチレン樹脂(Polystyrene)等の樹脂や、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等が挙げられ、容易性の観点からゴムライクの使用が好ましい。弾力性が小さい材料としてはステンレスやアルミニウム合金等といった金属等の材料が挙げられる。他にも靴紐留め具として使用する上で本発明の機能を十分に発揮することに適した材料が好ましい。
【0032】
図4,5に示すように第一及び、第二留め具本体の取り付け及び使用方法としては、紐靴、第一留め具本体2,第二留め具本体3、靴紐20を用意し、紐靴に靴紐20を通す。鳩目22から出た靴紐20を第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔へ靴紐を入れる順序としては、9i→9o→10i→10oの順に靴紐を通すことで靴紐留め具として機能する。最初に9cの溝を広げて靴紐を挿入し、9oと10iの間の靴紐20は空間的な輪を描くようにして10oから残りの靴紐20を通すことで整った状態で使用することができる。
【0033】
図4,5に示すように、本発明は靴紐を通した第一及び、第二留め具本体を合致することによって左右の靴紐を固定して使用することができる。第一及び、第二留め具本体を靴紐に取り付けた後は、靴紐通し孔9iと鳩目22間を可能な限り近づかせることによって靴の足を入れる部分にある羽が広がり、靴が履きやすくなる。靴を脱ぐ際も第一及び、第二留め具本体に取り付けられている磁石同士の連結が足を少し動かすだけで解除され、靴紐通し孔9iと鳩目22間を可能な限り近づかせることによって容易に脱ぐことができる。
【0034】
次に本願発明で使用する磁石について説明する。
図1の第一及び、第二留め具本体の接合面6に示すように、接合面に配置された磁石15(
図4,5では非表示)が互いに引きつけ合い、第一及び、第二留め具本体が互いに吸着固定される。第一留め具本体と第二留め具本体は、それぞれの磁石15の極性が、一方はプラス(+)、他方はマイナス(-)になっており、互いに吸着するようになっている。
【0035】
第一留め具本体において、靴紐通し孔の側面5とは反対側である接合面6を第二留め具本体との接合部としており、接合部の中央には磁石15を配置しても良い。配置箇所は接合部である接合面6が最も望ましいが、本発明の機能を発揮できるのであれば接合面6ではなく、例えば、側面5や上面4、下面8などに磁石を配置しても良い。磁石15は靴紐留め具に品質の観点から内蔵することが望ましく、靴紐留め具の品質が低下した際に磁石が靴紐留め具本体と分離して外れる可能性があるからである。本発明の機能が十分に発揮できるのであれば内蔵せずに外部から磁石15を取り付けて設置しても良い。(
図1,2参照)
【0036】
第一及び、第二留め具本体の接合部に配置された磁石の大きさは、快適に使用できるのであれば制限はないが、基本的に靴紐留め具の接合面6からはみ出さない大きさの物が好ましい。磁石の数も第一及び、第二留め具本体同士を連結するのに必要であれば、合致をする磁力の観点から1つ以上の磁石を用いても良い。また形状も円板状が好ましいが、本発明の機能を発揮できるのであれば、円柱型、円柱型留め穴付き、丸型、四角型、三角型、角型、角棒型、角型留め穴付き、ドーム型、U字型、ボール型、セグメント型、台形型、カプセル型、リング型等の様々な形状の磁石でも良い。それぞれの磁石は市販品であるものを利用することが可能であり好ましいとされるが、本発明の機能を発揮できるのであれば市販品ではなく、工場等で使用される物でも良い。
【0037】
磁石15は十分に強力な磁気特性を有するもので、例としてネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石、サマリウム鉄窒素磁石のような希土類焼結磁石等が好ましく、アルニコ磁石、フェライト磁石、白金磁石も必要であれば代替として使用しても良い。
【0038】
第一及び、第二留め具本体を合致している磁石の解除方法としては、靴を簡単に脱ぐ、履くといった動作を行うために片手で靴紐留め具同士を離して解除することが望ましいが、もし容易に解除できるのであれば両手の使用や、道具を用いたりや体や足を動かすことによって解除を行っても良い。
【実施例0039】
以下、具体的実施態様により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
[実施例1]
実地例1では金属用の3Dプリンターを使用した成型方法を採用し、ここで用いる素材はアルミニウムとする。
【0041】
図1~3に示すように、実地例1となる靴紐通し孔が2つの靴紐留め具は、上面4、側面5、接合面6、斜面7、下面8からなる。斜面7は曲面として形成されている。(
図1参照)靴紐留め具は入口、出口からなる2つの靴紐通し孔から構成され、靴紐を挿入しやすく、靴紐を挿入した後に整った状態の外観にすることができる。(
図4,5参照)貫通している靴紐通し孔は靴紐が緩むことが無いように靴紐を1回鈍角に蛇行させた内部形状にし、挿入した靴紐が外れにくく、整った状態の外観になるように靴紐通し孔の出入口で深さが異なっている。また靴紐通し孔の断面形状は円であり、ここでは約2~4mmの靴紐を用いるため、靴紐通し孔の口径は3mmとなっている。それに伴い、靴紐留め具本体の厚さは10mmとなっている。
【0042】
図1~
図3に示すように、靴紐留め具の一方側である側面5側には靴紐を挿入しやすくするために靴紐通し孔と下部の溝が繋がって形成されている。靴紐通し孔は9iと9o、10iと10oで靴紐留め具の内部で繋がって鈍角の形状で曲がりくねっており、下部の溝も沿うように繋がっている。溝があることによって靴紐通し孔に靴紐を挿入しやすくすることができる。今回は弾力性を有していないアルミニウムを使用しており、容易性の観点から溝が付けた方が靴紐留め具として良いため、下部の溝を取り付けて靴紐を靴紐通し孔へ挿入して使用する。
【0043】
[実施例2]
樹脂の中でも柔らかな素材であるゴムライク樹脂を用い、実施例1と同様に3Dプリンターを使用して靴紐留め具を製造した。
図7に示すように靴紐通し孔を1つにし、3回の蛇行した内部形状とした。蛇行の角度は使用する靴紐が傷つかないようにゆるやかなカーブを描くように設定している。実施例1と同様に、蛇行回数、角度に合わせて靴紐を挿入しやすくなるように、靴紐通し孔に沿って繋がっている溝を下部に形成した。ゴムライク樹脂の場合は高い柔軟性を持つため、靴紐通し孔に沿った溝を広げることによって第一及び、第二留め具本体に靴紐を容易に挿入することができる。
【0044】
靴紐通し孔を2つの靴紐留め具よりも短い靴紐を使用することで靴紐通し孔を2つの靴紐留め具と同様の効果を発揮できる。そのため
図6,7のような靴紐通し孔が1つの靴紐留め具の使用方法としては、鳩目22から出た靴紐を靴紐留め具の下部の溝を利用して蛇行に合わせて内部へ挿入して使用する。
【0045】
靴紐通し孔の深さは靴紐通し孔を2つの場合とは異なって出入口で同様の深さにしており、靴紐が外れにくくなるように内部で複数回の蛇行を採用したことで、靴紐末端部が短くなり快適に使用しやすくなっている。
請求項1または請求項2に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ2つであり、それぞれの靴紐通し孔は入口、出口で位置が異なって、1回蛇行していることを特徴とする靴紐留め具。
請求項1または2に記載の靴紐留め具であって、該第一及び、第二留め具本体の靴紐通し孔はそれぞれ1つであり、該孔の蛇行はそれぞれ3回であることを特徴とする靴紐留め具。