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特開2022-145687眼科用薬物送達のための自己乳化薬物送達システム(SEDDS)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145687
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】眼科用薬物送達のための自己乳化薬物送達システム(SEDDS)
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/08 20060101AFI20220926BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220926BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220926BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20220926BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A61K9/08
A61K47/14
A61K47/44
A61K31/573
A61P27/02
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111083
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2021060095の分割
【原出願日】2016-03-02
(31)【優先権主張番号】62/128,798
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】シャバイク ユンナ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ジム
(72)【発明者】
【氏名】プジャラ チェタン ピー
(57)【要約】
【課題】本発明は、自己乳化することができる新規な眼科用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明により、所定量の油、難水溶性薬物、及び1種以上の界面活性剤を含む、水相との接触時に自然にナノサイズのエマルジョンを生じさせる非水性の自己乳化系を含む局所眼科用製剤及びそれを調製するための方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油、難水溶性薬物、及び1種以上の界面活性剤を含む非水性局所眼科用組成物であって、
前記組成物は、眼への滴下時における、水溶液との混合時に自己乳化することができ、且つ前記組成物の約5%~約60%(w/w)が油からなる、前記組成物。
【請求項2】
前記組成物が1重量%未満の水を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、さらに1種以上の共溶媒を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
水性媒体中で再構成した際、組成物が安定な水中油型ナノサイズエマルジョンを形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ナノサイズエマルジョンは、自己乳化後のサイズ範囲が10~200nmにある分散油滴を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記油が、単一の長鎖トリグリセリド、単一の中鎖トリグリセリド、中鎖モノグリセリド、及び中鎖ジグリセリドからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記油は、長鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドとブレンドされたモノグリセリドまたはジグリセリドのブレンドである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記油は、ヒマシ油である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記油は、Captex(登録商標)355またはCapmul(登録商標)MCM、またはこれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤は、Cremophor(登録商標)ELP、Cremophor(登録商標)RH-40、及びポリソルベート80からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記共溶媒は、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項3~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、約10%~約40%w/wの油を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記油は、ヒマシ油、Captex(登録商標)355、Capmul(登録商標)MCM及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記油は、ヒマシ油である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール300を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約10%w/wのポリエチレングリコール300を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記油は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの1:1w/w混合物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール300を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約27%w/wのポリエチレングリコール300を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は、約5%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約30%w/wのポリエチレングリコール300を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記油は、Captex(登録商標)355である、請求項12に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物は、さらにポリソルベート80及びポリエチレングリコール400を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物は、約10%w/wのCaptex(登録商標)355、約67.5%w/wのポリソルベート80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記油はCapmul(登録商標)MCMである、請求項12に記載の組成物。
【請求項25】
前記油は、さらにCremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールを含む、請求項24に記載の組成物
【請求項26】
前記組成物は、約30%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約47%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約24%w/wのプロピレングリコールを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びプロピレングリコールを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
さらにポリソルベート80及びポリエチレングリコール400を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約67.5%w/wのPS80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記油はヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの3:1w/w混合物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール400を含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物は、約15%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約20%w/wのポリエチレングリコール400を含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記油は、Captex(登録商標)355とCapmul(登録商標)MCMの2:1混合物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール400を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物は、約27%w/wのCaptex(登録商標)355、約13%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約48%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約12%w/wのポリエチレングリコール400を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記難水溶性薬物は、加水分解による分解を受けやすい眼疾患または障害の局所治療に有用である、請求項1~39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記難水溶性薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体、麻酔剤、ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症剤等の抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、及び高血圧低下剤からなる群から選択される、請求項1~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記水難溶性薬物は、シクロスポリン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、デキサメタゾン、テストステロン、デクロメタゾン、リメクソロン、フルオロメトロン、ベタキソロール、レボベタキソロール、セファロスポリン、アンホテリシン、フルコナゾール、テトラサイクリン、ブリモニジン、ブリンゾラミド、ネパフェナク、ベシフロキサシン、ナタマイシン、ネオマイシン、及びレボカバスチンからなる群から選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記水難溶性薬物は、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体である、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
角膜を通る薬物の透過または吸収を付与または促進する方法であって、請求項1~43のいずれか1項に記載の組成物の投与を含む前記方法。
【請求項45】
眼の表面の涙液との接触時に、組成物の相が、改善された眼滞留時間を有する高粘度製剤に移行する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
水性媒体中での再構成時に、組成物が安定な水中油型ナノサイズエマルジョンを形成する、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
本明細書に実質的に記載の組成物。
【請求項48】
本明細書に実質的に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2015年3月5日に出願された米国仮出願第62/128,798号の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本明細書において、自己乳化することができる新規な眼科用組成物が提供される。これらの組成物は、涙液膜の水性媒体(これに限定されない)等の水性媒体と接触すると自発的に自己乳化する。得られるエマルジョンは、液滴サイズについてはサブミクロンからナノメートルの範囲にある。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
局所眼科投与によって送達される薬物の生物学的利用能は、適用される投与量の約5%であると推定される。この標的部位での生理学的条件は、角膜の透過性が低いこと、涙液流出により滞留時間が短いこと等の薬物送達のための複数の課題を提示する。これら及び他の因子は、眼組織の薬物への曝露を制限し、極めて低い生物学的利用能が観察される。
【0004】
眼科治療のための製剤は、例えば、米国特許公開第2006/0182771号A1に記載されている。脂溶性活性成分の投与のための眼科用組成物は、WO2011/154985 A1に記載されている。増粘剤の添加、もしくは熱、pHまたはイオン感受性ゲル化特性を有するポリマーの使用が、眼の滞留時間を増加させるために使用されてきた。増粘剤の使用は、粘度が滴下瓶からの適用容易性を妨害すべきではなく、ポリマーの添加は生体適合性の理由から排除されるかもしれないとの事実によって制限される。
【0005】
自己乳化薬物送達系(SEDDS)は、穏やかに攪拌しながら水性媒体に暴露した時に、自然に(自発的に)乳化する、油、界面活性剤(共界面活性剤を含む、または含まない)及び共溶媒の等方性混合物である。SEDDSは経口投与による水難溶性薬物の生物学的利用能を改善するために最も一般的に研究されている。共溶媒の添加は、界面張力を著しく低下させるので、自己乳化系の形成には重要である。その際、広い組成範囲にわたってマイクロエマルションを形成するために必要な異なる曲率を吸収するのに十分な柔軟性を有する流体界面膜を作り出す。
【0006】
予備濃縮油、界面活性剤及び共溶媒の組成は、水性相において分散後に得られるエマルションの性質を決定する。SMEDDS(自己マイクロエマルジョン化薬物送達システム)から生じるマイクロエマルジョンは熱力学的に安定であり、普通のエマルジョンは動力学的に安定である。脂質製剤分類システム(LFCS)によれば、SMEDDSは水溶性成分の含有量が高いことを特徴としている。これらのシステムは、より小さいサイズの液滴分散及び光学的透明度を達成することができ、これは現存する眼科用エマルジョン製剤を改善するための望ましい特性である。SNEDDS(自己ナノエマルジョン化薬物送達系)及びその得られたナノエマルジョンは、SMEDDS及びマイクロエマルションの多くの有利な特性を共有するが、動力学的にのみ安定な分散であるとの限界がある。
【0007】
背景として、以下の参考文献を提供する:
・眼内薬物送達系としての相転移油中水滴型マイクロエマルジョン:インビトロ及びインビボ評価、International Journal of Pharmaceutics,328(2007)65-71
・眼内送達のための水中油マイクロエマルジョン:眼の刺激及び前角膜の保持の評価、Journal of Controlled Release、111(2006)145-152
・自己乳化薬物送達システムの処方、Advanced Drug Delivery Reviews,25(1),pp.47-58
・難溶性薬物の経口送達のための脂質及び界面活性剤ベースの薬物送達システムに関する新しい視点、Journal of Pharmacy and Pharmacology,62(11),pp.1622-1636
・自己ナノエマルジョン化薬物送達システムにおける潜在的可能性と課題、2012,Expert Delivery on Drug Delivery,9(10),pp.1305-1317
・自己乳化/マイクロエマルジョン化薬物送達システム(SEDDS/SMEDDS)の成功した開発における賦形剤の役割、Drug Development and Industrial Pharmacy、39(1)、pp.1-19
・自己乳化薬物送達システム(SEDDS):製剤開発、特性評価、及び応用、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,26(5),pp.427-521
・自発的乳化:メカニズム、物理化学的側面、モデリング、及び応用、Journal of Dispersion Science and Technology,23(1-3),pp.219-268
【0008】
改善された眼内薬物送達の必要性が満たされたものはない。眼科用の自己乳化組成物を記載しているものもあるが、これらは例えば水中油型エマルジョンがすでに存在している水性組成物であり、例えば水性感受性薬物の眼内薬物送達のために使用され得る所望の非水性SEDDではない。米国特許公開第2004/0185068号を参照。
【0009】
非水性SEDDS製剤における眼内薬物送達は、これまでに開示されておらず、それはいくつかの利点を提供する可能性を有する。界面活性剤/補助界面活性剤の組み合わせは、多くの場合、薬物の眼組織への浸透効果を増強することができる。SEDDS処方物からの生物学的利用能の改善は、含水量の変化が粘性を増加させて眼の保持時間を延長させることができる相変換系に起因することもあり得る。生物学的利用能はまた、薬物が可溶化状態で送達され、そして眼組織によるナノサイズ粒子の直接取り込みの可能性があることにより、改善することができる。SEDDS製剤の他の利点としては、これらの系が非水性であり、製造中の高温での処理を必要としないため、熱または加水分解に敏感な活性医薬成分(API)の安定性が向上することが挙げられる。
【0010】
自己乳化系は難水溶性薬物を製剤化して送達する方法として当業界で知られているが、涙液中で迅速かつ自発的な乳化を達成する目的で、点眼薬の形で自己乳化前濃縮物(即ち、非水性製剤)を使用することは新規な用途である。現在、SNEDDSまたはSMEDDS予備濃縮物として製剤化された市販の局所眼科用薬剤は知られていない。
【発明の概要】
【0011】
自己乳化可能な非水性製剤並びにその使用及び調製方法が記載されている。特定された製剤は、涙液をシミュレートする水性媒体中で自己乳化することができる眼科用薬物送達ビヒクル(vehicle)としての使用が意図されている。いくつかの実施形態では、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)製剤の油成分は、単一の長鎖または中鎖トリグリセリド、または中鎖モノ/ジグリセリドからなる。他の実施形態では、油成分は、長鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドのいずれかとブレンドされたモノ/ジグリセリドからなる2種以上の油のブレンドである。
【0012】
いくつかの実施形態では、油成分は、ヒマシ油等の天然油またはCaptex(登録商標)355またはCapmul(登録商標)MCM等の合成油であり得る。Captex(登録商標)油成分は、これらの油の組み合わせであり得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、界面活性剤は、Cremophor(登録商標)ELP、Cremophor(登録商標)RH-40またはPolysorbate(ポリソルベート)80であり得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、共溶媒は、PEG400、PEG300またはプロピレングリコールであり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、SEDDS製剤は、眼科的状態を治療するために使用され、眼に局所的に送達され得る治療薬と組み合わせて使用され得る。
【0016】
本明細書で示される組成物は、製造が容易であり、簡単で、直進的な製造工程である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書で提供されるSEEDSの製造方法の例を示す。
図2】ヒマシ油、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG300からなるシステムのナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図3】ヒマシ油、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールからなるシステムのナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図4】Captex(登録商標)355、PS80及びPEG400からなる系のナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図5】Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールからなる系のナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図6】Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP及びプロピレングリコールからなる系のナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図7】Capmul(登録商標)MCM、PS80及びPEG400からなる系のナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図8】ヒマシ油、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400からなるシステムのナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図9】ヒマシ油、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400からなる系の水性希釈の関数として粘度をプロットしている。
図10】Captex(登録商標)355、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400からなるシステムのナノ/マイクロエマルジョン領域を示す擬三元状態図を示す。
図11】Captex(登録商標)355、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400からなる系の水性希釈の関数として粘度をプロットしている。
図12A-F】図12A図12Fは、模擬(シミュレートした)涙液(STF)を用いた製剤F1~F11の希釈適合性を示す。
図13A-D】図13A図13Dは、薬剤配合製剤F12及びF13の希釈性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
油、界面活性剤及び共溶媒の等方性混合物を含む新規な非水性眼科用組成物が特定されている。これらの組成物は自己乳化性であり、水中油滴分散を形成するために、高剪断均質化または他の形態の高エネルギー機械的撹拌を必要としない。得られる水中油型エマルジョンは、ナノサイズの液滴を含み、光学的に透明または透過性に見える。
【0019】
特定の組成物は、さらに、非水性、予備濃縮物SEDDS製剤として眼に直接適用されたときに、涙液膜の水性媒体中でその場で自己乳化することができる。さらに、特定の製剤は、いくつかの簡単な工程で容易に調製することができる。油、界面活性剤及び共溶媒のすべての成分を適切な量で一緒に添加し、均質に混ぜ合わされるまで混合する。その後、親油性で水難溶性の薬物を添加し、完全に溶解するまで撹拌することができる。
【0020】
特定の組成物は、種々の適応症の治療のために、眼の表面への治療薬の局所送達のためのビヒクルとして好適である。製剤の模擬涙液との適合性は、涙液の組成が、SEDDS製剤が自発的に分散する能力に悪影響を及ぼさないことを保証するために、すべての製剤について確認された。本明細書で使用される模擬涙液は、pHを約7.2に調整した、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二ナトリウム、リゾチーム、アルブミン、ムチン及び精製水からなる。
【0021】
本明細書で記載されているように、「非水性」眼科用組成物または製剤は、組成物の要素または成分として実質的に水を添加することは意図されていない。いくつかの実施形態では、「非水性」眼科用組成物または製剤は、1重量%以下の水を含有するものである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される非水性眼科用組成物は、0.5重量%未満、0.25重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、または0.01重量%未満の水を含有する。水の特定のパーセンテージ「未満」は、当業者に知られている計器による水の検出の許容可能な範囲内で、ゼロから特定の量までを指すことが理解される。
【0022】
本明細書に提供されているように、「難水溶性薬物」は、水への溶解度が低い薬理活性物質を指す。本明細書に提供されている組成物において、投与経路は、局所適用または目への滴下(点眼)である。従って、本明細書に提供されているように、「難水溶性薬物」は、薬物の局所的な眼内送達を実現不可能にするほど低い溶解度を指す。歴史的に、米国薬局方(USP34,5.30)によって提供された基準は、経口薬の溶解性について開業医を案内してきた。バイオ医薬品分類システム(「BCS」)はまた、薬物を、溶解度、透過性、及び生物学的利用能に関連する他のパラメータに基づいて分類するために開発されている。Gordon L. Amidon等,AAPS Journal,2009,11(4):740-746を参照。BCSシステムを、局所眼科用途に適合させた場合、本明細書に提供されている局所眼科用組成物に有用な「難水溶性薬物」を分類するために使用され得る。溶解係数は、本明細書に提供されているような模擬涙液に適応させることができ、透過係数は、眼の表面における特定の条件に適応させることができる。
【0023】
一般に、「難水溶性薬物」は、許容可能なpH範囲(約4.5~8.0のpH)内で単純な局所点眼液を介してその治療用量の投与を達成することができず、薬物を可溶化するために、ミセル系、共溶媒、錯化、乳化、または他のアプローチ等の可溶化手段を適用する必要がある薬剤を指す。
【0024】
いくつかの実施形態では、水難溶性薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体、麻酔剤、ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症剤等の抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、及び高血圧低下剤からなる群から選択される。好適な薬剤の例としては、シクロスポリン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、デキサメタゾン、テストステロン、デコロメタゾン、リメクソロン、フルオロメトロン、ベタキソロール、レボベタキソロール、セファロスポリン、アンホテリシン、フルコナゾール、テトラサイクリン、ブリモニジン、ブリンゾラミド、ネパフェナク、ベシフロキサシン、ナタマイシン、ネオマイシン、及びリボカバスチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
いくつかの実施形態では、水難溶性薬物は、式Iの4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体、またはそのエナンチオマー、そのジアステレオ異性体、その水和物、その溶媒和物、その互変異性体またはその薬学的に許容される塩である:
式I
【0026】
上式において、
R1は、任意に置換されていてもよいC7-C11アルキル基、任意に置換されていてもよいC2-C8アルケニル基、任意に置換されていてもよいC2-C8アルキニル基、任意に置換されていてもよいC4またはC6-8シクロアルキル基、任意に置換されていてもよいアリール、置換ベンジル、任意に置換されていてもよい複素環、任意に置換されていてもよいC3-C10シクロアルケニル、任意に置換されていてもよいC5-C10シクロジエン、置換されていてもよい(C3-C6)アルキル基、アミノ基、スルホンアミド基、アミド基であるが、フェニル基を除く。
【0027】
これらの4-プレゲニン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体は、米国特許公開第2013/0123223号(出願番号13/673,623として出願)に記載されており、その全体が参照によって組み込まれる。式Iの範囲内のさらなる例を以下に示す。
【0028】
いくつかの実施形態において、水難溶性薬物は、上記式Iで表され、且つR1が
である化合物である。
【0029】
いくつかの実施形態において、難水溶性薬物は、R1が置換アリールである、式Iの化合物である。
【0030】
いくつかの実施形態において、水難溶性薬物は、上記式Iで表され、且つR1が
である化合物である。
【0031】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
である。
【0032】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
である。
【0033】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
である。
【0034】
いくつかの実施形態では、水難溶性薬物化合物は、以下の4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体の1つであり、米国特許公開第2013/0123226号(米国特許出願第13/673,074号として出願)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルフェニルアセテート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルブチレート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルプロピオネート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルオクタノエート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルヘキサノエート;
(8R,9R,10S,11R,13R,14R,17S)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルベンゾエート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルヘプタノエート;
(8S,9S,10R,11S,13S,14S,17R)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル2-メチルプロパノエート;及び
(8R,9R,10S,11R,13R,14R,17S)-17-グリコロイル-11-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-3-オキソ-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルrel-シクロペンタンカルボキシレート。
【0035】
従来のエマルジョンは、比較的大きな液滴サイズを有する熱力学的に不安定な系であり、典型的には乳白色の外観を示す。エマルジョンは、界面活性剤のみによって安定化された水または油の分散液であるが、エマルジョン液滴は時間の経過とともに融合する傾向があり、これは相分離をもたらし得る。
【0036】
対照的に、本明細書で提供されるSEDDS製剤は、「ナノサイズのエマルジョン」を形成し、このようなエマルジョンは、界面活性剤及び任意に共界面活性剤によって安定化された親水性相及び疎水性相(例えば、油及び水)の分散物を含み、このような分散物はナノサイズの液滴を含有することを特徴とする。本明細書に提供されているように、「ナノサイズの」液滴は、約1000nm未満、例えば約5~800nm、約10~600nm、約10~約500nm、約20~約200nm、約10~約200nm、及びこれらに含まれるより小さな範囲の平均液滴サイズを有し得る。 ナノサイズの液滴のために、ナノサイズのエマルジョンは、通常、光学的に透明である。
【0037】
本明細書において記載されているように、ナノサイズのエマルジョンは、マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンを形成し得る。「マイクロエマルジョン」は、界面張力を低下させるために界面活性剤及び共界面活性剤を使用することによって安定化された水または油の分散液であり、通常は小さな液滴サイズ(典型的には直径200nm未満の液滴)、熱力学的安定性、及び透明外観を特徴としている。「ナノエマルジョン」は、ナノメートル範囲(典型的には200nm未満の直径)の小滴サイズ及び透明外観を有するエマルジョンを指すが、油及び水の界面における高い界面張力のために熱力学的に不安定である。ナノエマルジョンは、既存のエマルジョンにせん断力を加えることによって時々作り出されることがある。
【0038】
SEDDS製剤の使用は、以下に要約されるような複数の利点を提供する:
1.SEDDSを用いて親油性及び難水溶性薬物を可溶化状態で送達することによって、固液相転移及び遅い溶解プロセスに関連するエネルギー投入が回避される。これは、薬物の生物学的利用能を改善することができる。
2.高粘度液晶系へのその場での相転移が、涙液で希釈される時に起こりうる。これは、角膜上の製剤滞留時間を増加させ、薬剤の生物学的利用能を改善することができる。
3.分散時のナノサイズの液滴の形成は、ナノサイズの粒子が組織によって直接取り込まれる可能性があるため、薬剤の生物学的利用能をさらに改善することができる。
4.SEDDSを調製する際に使用される特定の界面活性剤/補助界面活性剤の組み合わせは、角膜を横切る薬剤の浸透に対して増強効果を有し得る。
5.自発的自己乳化は、小さな液滴サイズ(例えば、200nm未満)のために透明な外観を有するナノサイズのエマルジョンを形成させる。このようなナノサイズのエマルジョンは、より大きな液滴サイズ及び乳白色の外観に起因する従来のエマルジョンで一般に経験されるような、ぼやけた視界を引き起こさない。これは、患者満足度とコンプライアンスを改善するのに役立つ。
6.水相中に分散した際にマイクロエマルジョンを生じるSMEDDSの場合、得られるマイクロエマルジョンは熱力学的に安定な系であり、経時的に破壊されることはない。
7.最終製剤から水性成分を排除することにより、不安定なAPIが加水分解を受けないように保護し、潜在的に製品の貯蔵寿命を延ばすことができる。
8.SEDDSの製造は、周囲温度で実施することができ、エネルギーの大きな投入を必要としない、少しの工程を伴う簡単なプロセスである。結果として、これは、製造中の熱感受性APIの安定性を高めることができる。
【0039】
本明細書で提供されるSEDDS組成物において、界面活性剤は好ましくは、HLB>12を有する非イオン性界面活性剤から選択されるが、これに限定されない。「HLB」は親水性/親油性バランスを指す。HLB(親水性-親油性バランス)は、エマルジョンを安定化する能力に関して非イオン性界面活性剤をランク付けする計算値である。HLBは、典型的には1~20の尺度を有する。高いHLB値(例えば>10)を有する界面活性剤は水中油型エマルションを安定化するために使用されるが、低HLB値(例えば<8)を有する界面活性剤は油中水型エマルジョンを安定化するために使用される。
【0040】
HLB>12を有する非イオン性界面活性剤の例としては、Polysorbate80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、Polysorbate40(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート)、Polysorbate20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、Cremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシ35ヒマシ油)、Cremophor(登録商標)RH-40(ポリオキシ40水素化ヒマシ油)、Cremophor(登録商標)A25(ポリオキシル25ステアリルアルコールエーテル)、Gelucire(登録商標)44/14(ラウロイルポリオキシルグリセリド)、Gelucire(登録商標)50/13(ステアロイルポリオキシグリセリド)、Labrasol(登録商標)(カプリルカプロイルポリオキシル-8グリセリド)、Capryol(商標)90(プロピレングリコールモノカプリレート)、Lauroglycol(商標)90(プロピレングリコールモノラウレート)、Brij(登録商標)97(ポリオキシエチレン10オレイルエーテル) 及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、Cremophor(登録商標)ELP、Cremophor(登録商標)RH-40またはPolysorbate 80(「PS80」)からなる群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物で使用される共溶媒は、とりわけ、Transcutol(登録商標)HP、PEG(ポリエチレングリコール)300、PEG400、プロピレングリコール及びこれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態では、共溶媒は、PEG400、PEG300及びプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0042】
本明細書で提供されるSEDD組成物に使用される油は、天然由来、合成由来、または半合成由来であり得る。油は、単一の長鎖トリグリセリド、単一の中鎖トリグリセリド、中鎖モノグリセリド、及び中鎖ジグリセリドからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、油は、長鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドのいずれかとブレンドされたモノグリセリドまたはジグリセリドのブレンドである。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるSEDD組成物は、約5%~約60%w/wの油から構成される。いくつかの実施形態では、組成物は、約10%~約40%w/wの油を含有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、油は、ヒマシ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、トウモロコシ油、ベニバナ油、ゴマ油、カプリル/カプリン酸グリセリド(Imwitor(登録商標)742等)、グリセリルトリカプリレート/トリカプレート(Captex(登録商標)355等)、プロピレングリコールジカプリロカプリレート(Captex(登録商標)200P等)、中鎖モノ及びジグリセリド(Capmul(登録商標)MCM)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えば、Miglyol(登録商標)812及び/またはLabrafac(商標)Lipophile WL1349)、グリセリルオレエート(Peceol(商標)等)、グリセリルモノリノレート(Maisine(登録商標)35-1等)、トリアセチン、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール(Labrafac(商標)PG等)、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本明細書の組成物中に1種類の油のみ提供される。いくつかの実施形態において、油は、ヒマシ油、Captex(登録商標)355及びCapmul(登録商標)MCMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、油はヒマシ油である。いくつかの実施形態では、油はCaptex 355である。いくつかの実施形態では、油はCapmul(登録商標)355である
【0045】
いくつかの実施形態では、油の組み合わせが提供される。いくつかの実施形態では、油の組み合わせは、ヒマシ油、Captex(登録商標)355及びCapmul(登録商標)MCMのうちの2つ以上である。
【0046】
いくつかの実施形態において、油は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの重量で1:1の混合物である。いくつかの実施形態において、油は、重量で2:1のヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの混合物である。いくつかの実施形態では、油は、重量で3:1のヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの混合物である。
【0047】
いくつかの実施形態において、油は、重量で1:1のCapmul(登録商標)MCMとCaptex(登録商標)355の混合物である。いくつかの実施形態において、油は、重量で2:1のCapmul(登録商標)MCMとCaptex(登録商標)355の混合物である。いくつかの実施形態では、油は、重量で3:1のCapmul(登録商標)MCMとCaptex(登録商標)355の混合物である。
【0048】
いくつかの実施形態では、組成物はヒマシ油、Cremophor(登録商標)ELP及びPEG300を含む。いくつかの実施形態では、組成物はヒマシ油と、重量で2:1のCremophor ELP:PEG 300とを含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、組成物はヒマシ油、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)RH-40、及びプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、重量で1:1のヒマシ油:Capmul(登録商標)MCM及び重量で2:1のCremophor(登録商標)RH-40:プロピレングリコールを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、Captex(登録商標)355、PS80及びPEG400を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、Captex(登録商標)355及び重量で3:1のPS80:PEG400を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物は、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)RH-40、及びプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、Capmul(登録商標)MCMと、重量で2:1のCremophor(登録商標)RH-40:プロピレングリコールとを含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、組成物は、Capmul(登録商標)MCM、Cremophor(登録商標)ELP、及びプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Capmul(登録商標)MCMと、重量で2:1のCremophor(登録商標)ELP:プロピレングリコールとを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、組成物はCapmul(登録商標)MCM、PS80及びPEG400を含む。いくつかの実施形態では、組成物はCapmul(登録商標)MCMと、重量で3:1のPS80:PEG 400とを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、重量で3:1のヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの油混合物、及び重量で3:1のCremophor(登録商標)ELPとPEG 400の混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、重量で2:1のCaptex(登録商標)355とCapmul(登録商標)MCMの油混合物、及び重量で4:1のCremophor(登録商標)ELPとPEG 400の混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0056】
一実施形態では、組成物は約10%w/w~約40%w/wのヒマシ油を含み、且つ組成物はさらにCremophor(登録商標)ELP及びPEG300を含む。一実施形態では、組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約10%w/wのPEG 300を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0057】
一実施形態では、組成物は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの1:1混合物を約10%~約40%w/wで含み、且つ組成物はさらにCremophor(登録商標)ELP及びPEG 300を含む。一実施形態において、組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約27%w/wのPEG 300を含む。一実施形態において、組成物は、約5%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約30%w/wのPEG 300を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0058】
一実施形態では、組成物は約10%~約40%w/wのCaptex(登録商標)355を含み、且つ組成物はさらにPS80及びPEG 400を含む。一実施形態において、組成物は、約10%w/wのCaptex(登録商標)355、約67.5%w/wのPS80、及び約22.5%w/wのPEG 400を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0059】
一実施形態では、組成物は約10%~約40%w/wのCapmul(登録商標)MCMを含み、且つ組成物はさらにCremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールを含む。一実施形態では、組成物は、約30%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約47%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約24%w/wのプロピレングリコールを含む。一実施形態では、組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む。一実施形態では、組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0060】
一実施形態では、組成物は約10%~約40%w/wのCapmul(登録商標)MCMを含み、且つ組成物はさらにCremophor(登録商標)ELP及びプロピレングリコールを含む。一実施形態では、組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む。一実施形態では、組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0061】
一実施形態では、組成物は約10%~約40%w/wのCapmul(登録商標)MCMを含み、且つ組成物はさらにPS80及びPEG 400を含む。一実施形態では、組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約67.5%w/wのPS80、及び約22.5%w/wのPEG400を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0062】
一実施形態では、組成物は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの3:1混合物を約10%~約40%w/wで含み、且つ組成物はさらにCremophor(登録商標)ELP及びPEG 400を含む。一実施形態において、組成物は、約15%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約20%w/wのPEG 400を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0063】
一実施形態では、組成物は、Captex(登録商標)355とCapmul(登録商標)MCMの2:1混合物を約10%~約40%w/wで含み、且つ組成物はCremophor(登録商標)ELP及びPEG 400をさらに含む。一実施形態において、組成物は、約27%w/wのCaptex(登録商標)355、約13%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約48%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約12%w/wのPEG 400を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに酢酸プレドニゾロンを含む。
【0064】
さらに、共界面活性剤は、任意に、本明細書で提供される界面活性剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、補助界面活性剤は、HLB<10で非イオン性であり、Span 83、Span 80、Span 60、Span 40、Span 20、Capryol(商標)90及びLauroglycol(商標)90またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、作用の理論または作用機構に縛られることなく、本明細書で提供される非水性SEDD組成物は、前記組成物中に水性環境がないので、防腐剤を含有しないかまたは必要としない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される非水性SEDD組成物は、抗菌防腐剤を含有しない。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるSEDD組成物を含むキットが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、キットは、眼科投与に適した複数用量ボトルである。いくつかの実施形態では、キットは、眼科投与に好適な単回用量バイアルまたは容器である。このようなキットは、眼の疾患または障害の治療を必要とする患者の眼に直接適用するのに有用である。
【0067】
いくつかの実施形態では、キットは2つのボトル、容器またはコンパートメントを含み、その1つは本明細書で提供される非水性SEDDS組成物を含み、もう1つは眼科的に許容される水溶液を含む。これらの2つの部分からなるシステムは、医者または患者によって組み合わせた直後に、その混合溶液を患者の眼に投与することができる。
【0068】
製造方法
本明細書で提供される自己乳化系は、以下の簡単な工程によって調製することができる(図1参照)。
1.適切な量の界面活性剤を計量する(室温でペースト状の固体である界面活性剤の場合、穏やかな加熱が必要である)。
2.必要に応じて、適切な量の共界面活性剤を加え、混ぜ合わせる。
3.適切な量の共溶媒を加え、混ぜ合わせる。
4.必要な量の油を加え、混ぜ合わせる。
5.薬学的に活性な成分を加え、混合して溶解させる。
6.適切な滅菌方法と製品充填を使用する。
【実施例0069】
実施例1
以下の実施例は、油成分が植物原料由来の長鎖トリグリセリドであるSEDDS製剤に関する。油対界面活性剤/共溶媒の比は、1:9または2:8のいずれかで変化する。95%w/wの最終含水量まで水で希釈することによるエマルションの外観に対する効果は、図2の下の状態図に見ることができる。界面活性剤対共溶媒の比は2:1で一定に保たれ、これにより自己乳化して、透明なナノサイズ化エマルジョンを生成する能力についての、油含量を増加させる効果を取り出すことができる。製剤F1(表2)では、状態図に示される好ましい希釈率に基づいて10%w/wの油含量が選択される。次いで、模擬涙液を用いたF1の希釈が確認され、ナノサイズの乳剤形成に影響の無いことが示された(図12)。
【0070】
表2
【0071】
実施例2
以下の実施例は、油成分が、1:1の比で中鎖モノ/ジグリセリドとブレンドされた長鎖トリグリセリドであるSEDDS製剤に関する。油成分中に中鎖モノ/ジグリセリドを含めることは、長鎖トリグリセリドのみを使用することと比較してナノサイズ乳化領域を改善することを意図している。界面活性剤対共溶媒の比は2:1で一定に保たれ、油の含量を製剤の10%w/wから50%まで増加させる。製剤を95%w/wの最終含水量まで希釈し、結果を図3の下の状態図に示す。製剤F2及びF3を選択し、20%及び10%w/wの油含量をそれぞれ含有する。組成は、以下の表3及び表4に見ることができる。その後、模擬涙液による希釈も確認され、ナノサイズのエマルジョン形成に影響を与えないことが示された(図12)。
【0072】
表3
【0073】
表4
【0074】
実施例3
以下の実施例は、油成分として、55:45の比のカプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)の混合物からなる、中鎖トリグリセリド、Captex(登録商標)355を含有するSEDDS製剤に関する。製剤F4は、水による良好な希釈に基づいて状態図(図4)から選択された。その希釈は、模擬涙液でさらに確認された(図12)。F4の組成は表5に見ることができる。
【0075】
表5
【0076】
実施例4
以下の例は、油相としてCapmul(登録商標)MCM及び界面活性剤及び共溶媒としてCremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールからそれぞれ構成される系に関する。Capmul(登録商標)MCMは83%w/wのカプリル酸(C8)と17%w/wのカプリン酸(C10)からなる中鎖長モノ(60%)とジグリセリド(35%)の合成油である。製剤F5、F6、F7及びF8が、水による良好な希釈に基づいて状態図(図5)から選択された。この希釈は、さらに製剤F7及びF8(図12)の模擬涙液でさらに確認された。これらの製剤の組成は、表6、7、8及び9に見ることができる。
【0077】
表6
【0078】
表7
【0079】
表8
【0080】
表9
【0081】
実施例5
以下の実施例は、Capmul(登録商標)MCMを油相として、そしてCremophor(登録商標)ELP及びプロピレングリコールを界面活性剤及び共溶媒としてそれぞれ含む系に関するものである。製剤F9及びF10を擬三元状態図(図6)から選択し、そして模擬涙液による希釈もまた後で確認した(図12)。これらの製剤の組成は、以下の表10及び表11に列挙する。
【0082】
表10
【0083】
表11
【0084】
実施例6
この実施例では、Capmul(登録商標)MCMを油相として使用し、PS80及びPEG 400を界面活性剤及び共溶媒としてそれぞれ使用した。製剤F11は、以下の表12にその組成が列挙された、以下の疑似三元状態図(図7)から選択された。再び、模擬涙液を用いて、この製剤の希釈との適合性が確認された(図12)。
【0085】
表12
【0086】
実施例7
この実施例では、3:1の比のヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMのブレンドを油相として使用した。Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400を界面活性剤及び共溶媒としてそれぞれ使用した。製剤F12は水で良好な希釈性を示し、このため選択された。組成を表13に列挙する。この製剤は、水性希釈中に粘度がかなりの変化を起こしたことが注目された。このように、希釈時の粘度の変化を測定し、製剤中の25%含水量で約1300cPの最大値が観察された(図9)。
【0087】
表13
【0088】
実施例8
この実施例では、中間鎖長のCaptex(登録商標)355及びCapmul(登録商標)MCMの2種の合成油の2:1ブレンドを油相として使用した。Cremophor(登録商標)ELP及びPEG400を界面活性剤及び共溶媒としてそれぞれ使用した。製剤F13は水で良好に希釈され、組成は表14に列挙されている。この製剤は水性希釈の間に粘度の変化を示したことが注目された。このように、粘度に対する水性希釈の効果を測定した。約600cPの最大値が、製剤中の50%含水量で観察された(図11)。
【0089】
表14
【0090】
選択された製剤(F1~F13)への親油性薬物の取り込みを調べた。プレドニゾロンアセテート、プレドニゾロン(無水)、及び4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体(「コルチゾール類似体」)の3種のモデル薬物が使用された。これらの化合物は、通常の懸濁液または溶液製剤におけるその低い水溶性及び分解感受性に基づいて選択された。下記(表15)は、製剤F1~F13において達成され得るであろうこれらの化合物の最大平衡溶解度を示す。
【0091】
【0092】
水性媒体で希釈した時の、自己乳化能への製剤への薬剤組み込みの影響が確認された。F12及びF13を選択し、薬物負荷製剤をリン酸緩衝生理食塩水で希釈した。希釈時のナノサイズエマルジョンの形成は、両方の製剤において薬物の存在による影響を受けなかった(図13)。
【0093】
眼の耐容性研究:
本発明の製剤で使用された様々な医薬グレードの賦形剤の眼許容性を、ニュージーランドホワイト雌ウサギを用いてインビボで評価した。それぞれ3匹のウサギを有する合計10の試験群を用いて、以下の表16に列挙する材料を試験した。各群における投薬は、第1ウサギの左目に最低濃度の材料を1滴点滴することによって行った。許容されない場合、投薬を停止した。許容された場合、同じ濃度の1滴を第2ウサギの左眼に注入し、その後再び第3ウサギに対しても滴下した。濃度が3匹のウサギに許容された場合、適用可能であれば、次のより高い濃度で同じパターンで投薬を続けた。
【0094】
最大許容投与量及び「許容されない」と観察された理由を以下の表16に列挙する。サンプル組成物、具体的には、試験された材料を希釈するために使用されるビヒクルを、次の表(表17)に列挙する。
【0095】
【0096】
*Cremophor(登録商標)ELP 濃度≦60% w/w
【0097】
試験した3種の油のうち、ヒマシ油及びCaptex(登録商標)355は100%で耐容性が良好であったが、Capmul(登録商標)MCMは100%で耐容されなかった。試験した3つの界面活性剤のうち、Cremophor(登録商標)ELPが最も耐容性があり(60%の最大試験濃度まで耐容性)、Cremophor(登録商標)RH-40とPS80の両方が30%まで耐容性であった。PEG400は10%で許容される唯一の共溶媒であったが、PEG300及びプロピレングリコールは10%で許容されなかった。PEG300及びプロピレングリコールの最も低い試験濃度(10%)では中程度(+3)不快感が観察され、100%Capmul(登録商標)MCMでは軽度(+2)結膜膨潤が観察された。
【0098】
本明細書で(特に添付の特許請求の範囲において)使用される用語「a」、「an」、「the」及び類似の指示対象は、本明細書中で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むと解釈されるべきである。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で特段の指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意の及びすべての例、または例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、請求項の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0099】
本明細書に開示された代替要素または実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーまたは本明細書に見られる他の要素と、任意の組み合わせで参照され、請求されることがあり得る。利便性及び/または特許性の理由から、1つ以上のグループのメンバーがグループに含まれるか、グループから削除されることが予想される。そのような包含または欠損が生じた場合、明細書は、変更されたグループを含むとみなされ、従って、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのグループの記述を満たすものとみなされる。
【0100】
最後に、本明細書に開示された実施形態は、請求項の原理の例示であることを理解されるべきである。使用され得る他の改変は、請求項の範囲内である。従って、限定ではなく例として、別の実施形態を、本明細書の教示に従って利用することができる。従って、特許請求の範囲は、図示及び説明された実施形態に正確には限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図13A
図13B
図13C
図13D
【手続補正書】
【提出日】2022-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油、難水溶性薬物、種以上の界面活性剤、及び一種以上の共溶媒を含む非水性局所眼科用組成物であって、
前記組成物は、眼への滴下時における、水溶液との混合時に自己乳化することができ、且つ前記組成物の約5%~約60%(w/w)が油からなり、及び
前記一種以上の共溶媒は、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールからなる群から選択される、前記組成物。
【請求項2】
前記組成物が1重量%未満の水を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
水性媒体中で再構成した際、組成物が安定な水中油型ナノサイズエマルジョンを形成し、
好ましくは、前記ナノサイズエマルジョンは、自己乳化後にサイズ範囲が10~200nmにある分散油滴を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記油が、単一の長鎖トリグリセリド、単一の中鎖トリグリセリド、中鎖モノグリセリド、及び中鎖ジグリセリドからなる群から選択され、または
前記油は、長鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドのいずれかとブレンドされたモノグリセリドまたはジグリセリドのブレンドである、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記油は、ヒマシ油である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記油は、Captex(登録商標)355(グリセリルトリカプリレート/トリカプレート)またはCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、またはこれらの組み合わせである、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は、Cremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)、Cremophor(登録商標)RH-40(ポリオキシル40水素化ヒマシ油)、及びポリソルベート80からなる群から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、約40%~約60%w/wの油を含
好ましくは、前記油は、ヒマシ油、Captex(登録商標)355(グリセリルトリカプリレート/トリカプレート)、Capmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記油は、ヒマシ油である、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及びポリエチレングリコール300を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及び約10%w/wのポリエチレングリコール300を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、約10%~約40%w/wの油を含み、前記油は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)の1:1w/w混合物である、請求項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及び約27%w/wのポリエチレングリコール300を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物は、約5%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及び約30%w/wのポリエチレングリコール300を含または
前記組成物は、約10%w/wのCaptex(登録商標)355(グリセリルトリカプリレート/トリカプレート)、約67.5%w/wのポリソルベート80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含み、または
前記組成物は、約30%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約47%w/wのCremophor(登録商標)RH-40(ポリオキシル40水素化ヒマシ油)、及び約24%w/wのプロピレングリコールを含み、または
前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約53%w/wのCremophor(登録商標)RH-40(ポリオキシル40水素化ヒマシ油)、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含み、または
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約60%w/wのCremophor(登録商標)RH-40(ポリオキシル40水素化ヒマシ油)、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含み、または
前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含み、または
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含み、または
前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約67.5%w/wのPS80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含み、または
前記組成物は、約15%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及び約20%w/wのポリエチレングリコール400を含み、または
前記組成物は、約27%w/wのCaptex(登録商標)355(グリセリルトリカプリレート/トリカプレート)、約13%w/wのCapmul(登録商標)MCM(中鎖モノ及びジグリセリド)、約48%w/wのCremophor(登録商標)ELP(精製ポリオキシル35ヒマシ油)及び約12%w/wのポリエチレングリコール400を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項15】
前記難水溶性薬物は、眼疾患または障害の局所治療に有用であり、及び加水分解による分解を受けやすい、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記難水溶性薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体、麻酔剤、ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症剤等の抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、及び高血圧低下剤からなる群から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記水難溶性薬物は、シクロスポリン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、デキサメタゾン、テストステロン、デクロメタゾン、リメクソロン、フルオロメトロン、ベタキソロール、レボベタキソロール、セファロスポリン、アンホテリシン、フルコナゾール、テトラサイクリン、ブリモニジン、ブリンゾラミド、ネパフェナク、ベシフロキサシン、ナタマイシン、ネオマイシン、ボカバスチン及び4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体からなる群から選択され、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
角膜を通る薬物の透過または吸収を付与または促進する方法において使用するための、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物であって、
好ましくは、眼の表面の涙液との接触時に、前記組成物の相が、改善された眼滞留時間を有する高粘度製剤に移行する、上記組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
最後に、本明細書に開示された実施形態は、請求項の原理の例示であることを理解されるべきである。使用され得る他の改変は、請求項の範囲内である。従って、限定ではなく例として、別の実施形態を、本明細書の教示に従って利用することができる。従って、特許請求の範囲は、図示及び説明された実施形態に正確には限定されない。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕油、難水溶性薬物、及び1種以上の界面活性剤を含む非水性局所眼科用組成物であって、
前記組成物は、眼への滴下時における、水溶液との混合時に自己乳化することができ、且つ前記組成物の約5%~約60%(w/w)が油からなる、前記組成物。
〔2〕前記組成物が1重量%未満の水を含有する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記組成物が、さらに1種以上の共溶媒を含む、前記〔1〕または〔2〕に記載の組成物。
〔4〕水性媒体中で再構成した際、組成物が安定な水中油型ナノサイズエマルジョンを形成する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔5〕前記ナノサイズエマルジョンは、自己乳化後のサイズ範囲が10~200nmにある分散油滴を含む、前記〔3〕に記載の組成物。
〔6〕前記油が、単一の長鎖トリグリセリド、単一の中鎖トリグリセリド、中鎖モノグリセリド、及び中鎖ジグリセリドからなる群から選択される、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔7〕前記油は、長鎖トリグリセリドまたは中鎖トリグリセリドとブレンドされたモノグリセリドまたはジグリセリドのブレンドである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔8〕前記油は、ヒマシ油である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔9〕前記油は、Captex(登録商標)355またはCapmul(登録商標)MCM、またはこれらの組み合わせである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔10〕前記界面活性剤は、Cremophor(登録商標)ELP、Cremophor(登録商標)RH-40、及びポリソルベート80からなる群から選択される、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔11〕前記共溶媒は、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールからなる群から選択される、前記〔3〕~〔9〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔12〕前記組成物は、約10%~約40%w/wの油を含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔13〕前記油は、ヒマシ油、Captex(登録商標)355、Capmul(登録商標)MCM及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔12〕に記載の組成物。
〔14〕前記油は、ヒマシ油である、前記〔12〕に記載の組成物。
〔15〕前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール300を含む、前記〔14〕に記載の組成物。
〔16〕前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約10%w/wのポリエチレングリコール300を含む、前記〔15〕に記載の組成物。
〔17〕前記油は、ヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの1:1w/w混合物である、前記〔13〕に記載の組成物。
〔18〕前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール300を含む、前記〔17〕に記載の組成物。
〔19〕前記組成物は、約10%w/wのヒマシ油、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約27%w/wのポリエチレングリコール300を含む、前記〔18〕に記載の組成物。
〔20〕前記組成物は、約5%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約30%w/wのポリエチレングリコール300を含む、前記〔18〕に記載の組成物。
〔21〕前記油は、Captex(登録商標)355である、前記〔12〕に記載の組成物。
〔22〕前記組成物は、さらにポリソルベート80及びポリエチレングリコール400を含む、前記〔21〕に記載の組成物。
〔23〕前記組成物は、約10%w/wのCaptex(登録商標)355、約67.5%w/wのポリソルベート80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含む、前記〔22〕に記載の組成物。
〔24〕前記油はCapmul(登録商標)MCMである、前記〔12〕に記載の組成物。
〔25〕前記油は、さらにCremophor(登録商標)RH-40及びプロピレングリコールを含む、前記〔24〕に記載の組成物
〔26〕前記組成物は、約30%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約47%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約24%w/wのプロピレングリコールを含む、前記〔24〕に記載の組成物。
〔27〕前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む、前記〔24〕に記載の組成物。
〔28〕前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)RH-40、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む、前記〔24〕に記載の組成物。
〔29〕前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びプロピレングリコールを含む、前記〔24〕に記載の組成物。
〔30〕前記組成物は、約20%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約53%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約27%w/wのプロピレングリコールを含む、前記〔29〕に記載の組成物。
〔31〕前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP、及び約30%w/wのプロピレングリコールを含む、前記〔29〕に記載の組成物。
〔32〕さらにポリソルベート80及びポリエチレングリコール400を含む、前記〔24〕に記載の組成物。
〔33〕前記組成物は、約10%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約67.5%w/wのPS80、及び約22.5%w/wのポリエチレングリコール400を含む、前記〔32〕に記載の組成物。
〔34〕前記油はヒマシ油とCapmul(登録商標)MCMの3:1w/w混合物である、前記〔13〕に記載の組成物。
〔35〕前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール400を含む、前記〔34〕に記載の組成物。
〔36〕前記組成物は、約15%w/wのヒマシ油、約5%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約60%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約20%w/wのポリエチレングリコール400を含む、前記〔35〕に記載の組成物。
〔37〕前記油は、Captex(登録商標)355とCapmul(登録商標)MCMの2:1混合物である、前記〔13〕に記載の組成物。
〔38〕前記組成物は、さらにCremophor(登録商標)ELP及びポリエチレングリコール400を含む、前記〔37〕に記載の組成物。
〔39〕前記組成物は、約27%w/wのCaptex(登録商標)355、約13%w/wのCapmul(登録商標)MCM、約48%w/wのCremophor(登録商標)ELP及び約12%w/wのポリエチレングリコール400を含む、前記〔38〕に記載の組成物。
〔40〕前記難水溶性薬物は、加水分解による分解を受けやすい眼疾患または障害の局所治療に有用である、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔41〕前記難水溶性薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体、麻酔剤、ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症剤等の抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、及び高血圧低下剤からなる群から選択される、前記〔1〕~〔40〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔42〕前記水難溶性薬物は、シクロスポリン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、デキサメタゾン、テストステロン、デクロメタゾン、リメクソロン、フルオロメトロン、ベタキソロール、レボベタキソロール、セファロスポリン、アンホテリシン、フルコナゾール、テトラサイクリン、ブリモニジン、ブリンゾラミド、ネパフェナク、ベシフロキサシン、ナタマイシン、ネオマイシン、及びレボカバスチンからなる群から選択される、前記〔41〕に記載の組成物。
〔43〕前記水難溶性薬物は、4-プレゲネン-11β-17-21-トリオール-3,20-ジオン誘導体である、前記〔41〕に記載の組成物。
〔44〕角膜を通る薬物の透過または吸収を付与または促進する方法であって、前記〔1〕~〔43〕のいずれか1項に記載の組成物の投与を含む前記方法。
〔45〕眼の表面の涙液との接触時に、組成物の相が、改善された眼滞留時間を有する高粘度製剤に移行する、前記〔44〕に記載の方法。
〔46〕水性媒体中での再構成時に、組成物が安定な水中油型ナノサイズエマルジョンを形成する、前記〔44〕または〔45〕に記載の方法。
〔47〕本明細書に実質的に記載の組成物。
〔48〕本明細書に実質的に記載の方法。
【外国語明細書】