(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145711
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】画素アレイ基板およびこれを備えるディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220926BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220926BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20220926BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220926BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220926BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220926BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G09F9/30 349E
G09F9/00 302
G09F9/00 366Z
G09F9/302 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 309
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/04
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116032
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2020205703の分割
【原出願日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173115
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン クヮンミン
(72)【発明者】
【氏名】ユン サンウク
(57)【要約】
【課題】ディスプレイ装置の表示領域内にセンサを実装したディスプレイ装置において、表示領域を実質的に全面に拡張すること。
【解決手段】本発明に係るディスプレイ装置は、基板と、基板の上に配されたTFT層と、TFT層の上に配され、第1電極、発光層および第2電極を含む発光ダイオードを有する画素アレイと、画素アレイの上に配された偏光層と、偏光層の上に配されたカバーガラスと、基板の下に配置されたセンサとを備え、画素アレイは、第1解像度を有し、センサと重畳される第1領域、および第1解像度より高い第2解像度を有する第2領域を含み、偏光層は、第1領域に対応する第1偏光部および第2領域に対応する第2偏光部を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配されたTFT層と、
前記TFT層の上に配され、第1電極、発光層および第2電極を含む発光ダイオードを有する画素アレイと、
前記画素アレイの上に配された偏光層と、
前記偏光層の上に配されたカバーガラスと、
前記基板の下に配置されたセンサと、
を備え、
前記画素アレイは、第1解像度を有し、前記センサと重畳される第1領域、および前記第1解像度より高い第2解像度を有する第2領域を含み、
前記偏光層は、前記第1領域に対応する第1偏光部および前記第2領域に対応する第2偏光部を含む、
ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1偏光部の有する第1透過率は、前記第2偏光部の有する第2透過率よりも高い、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記偏光層は、前記第1偏光部に開口部を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1偏光部の第1光学特性は、前記第2偏光部の第2光学特性と異なる、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記画素アレイと前記偏光層との間に配置された屈折層を更に含み、
前記屈折層は、第1屈折率を有する第1屈折部と、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部を含む、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1屈折部は、前記第1領域に複数のレンズを含む、請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1屈折部は、前記第1領域および前記第1領域に隣接した前記第2領域の一部を少なくとも部分的に覆うように配置され、
前記第2屈折部は、前記第1領域および前記第2領域の全体を覆い、前記第1屈折部と重畳する、
請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数のレンズは、複数の半球形の凸レンズを含む、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1屈折部および前記第2屈折部は、アクリレート系樹脂を含む、請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
外光の反射光は、前記第1屈折部によって2以上の方向に沿って散乱し、
前記画素アレイから放射された光の屈折光は、前記第1屈折部によって正面方向に沿って出力される、
請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記センサは、カメラ装置を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記センサが活性化された場合、前記第1領域の前記TFT層および前記発光ダイオードは非活性化される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記発光ダイオードを覆う封止層を更に含み、
前記偏光層は、前記封止層の上に配される、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記封止層は、金属層または有機物層および無機物層を有する2層以上の積層を含む、請求項13に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置およびその画素アレイ基板に関するものである。さらに具体的に、本発明は、各種センサを含むディスプレイ装置、およびその画素アレイ基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像データを利用して映像を表示するディスプレイ装置として、液晶を用いた液晶ディスプレイ装置(Liquid Crystal Display;LCD)と、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED)を用いた有機発光ディスプレイ装置が主に利用されている。
【0003】
有機発光ディスプレイ装置は、自ら発光する自己発光素子を用いたディスプレイ装置であって、液晶ディスプレイ装置に比べて、応答速度が速く、発光効率や輝度が高く、視野角が広いというメリットがある。また、プラスチックのようなフレキシブルな基板上に素子を形成することができるので、フレキシブルなディスプレイ装置を具現化することができる。
【0004】
ディスプレイ装置は、様々な機能が付加されて複合的機能を備える。例えば、電子装置は、移動通信機能、データ通信機能、映像撮影機能、音声録音機能などを備えることができる。最近は、ディスプレイ装置に、マルチメディア機能を具現化するためのカメラやセンサなど多様な要素を取り入れている。ところが、かかる要素は、表示領域の外側に配置されることから、ディスプレイ装置の少なくとも一面の表示領域が実質的に全面に拡張したディスプレイ装置への要望が強まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ディスプレイ装置の少なくとも一面の表示領域が実質的に全面に拡張したフルスクリーンディスプレイ装置と、その画素アレイ基板を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、ディスプレイ装置の表示領域内にセンサを実装したディスプレイ装置と、その画素アレイ基板を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は上述した目的に制限されず、言及されていない他の課題は、次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るディスプレイ装置は、第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向にマトリクス状に配列された画素を含む画素アレイと、前記画素アレイの下に配置されたセンサと、前記画素アレイ上に配置された屈折層とを備え、前記画素アレイは、前記センサと重畳する低解像度の第1領域、および前記第1領域に隣接して配置される高解像度の第2領域を含み、前記屈折層は、第1屈折率を有する第1屈折部、および前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部を含む。
【0010】
他の観点からみた本発明に係るディスプレイ装置は、TFTアレイ層と、前記TFTアレイ層上に順次積層された第1電極、有機発光物質、および第2電極を含む複数の画素が配列された画素アレイを含むディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを覆う封止層と、前記封止層上に配置された屈折層と、前記ディスプレイパネルの下に配置されたセンサとを備え、前記画素アレイは、前記センサと重畳する低解像度の第1領域、および前記第1領域に隣接して配置される高解像度の第2領域を含み、前記屈折層は、第1屈折率を有する第1屈折部、および前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部を含む。
【0011】
さらに他の観点からみた本発明に係る画素アレイ基板は、第1画素領域と、前記第1画素領域に比べて高い解像度を持つ第2画素領域と、前記第1画素領域内に配置される少なくとも1つのレンズを含み、前記第1画素領域に光を集光させる第1屈折部と、前記第2画素領域の少なくとも一部に配置され、前記第2画素領域へ光を透過させる第2屈折部を含み、前記第1屈折部の屈折率は、前記第2屈折部の屈折率より高い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態に係るディスプレイ装置および画素アレイ基板は、画素アレイの下にカメラ装置などのセンサを実装することで、フルスクリーンを提供することができる。
【0013】
本発明の実施形態に係るディスプレイ装置、および画素アレイ基板は、異種屈折層を備えることで、画素アレイの下に実装されたカメラ装置などのセンサが外部から視認されないディスプレイ装置を提供することができる。
【0014】
本発明の効果は、上述した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施例に係るディスプレイ装置の概略的なブロック図である。
【
図2】
図1に示した副画素の概略的な回路構成図である。
【
図3】
図2に示した副画素の詳細な回路構成の例示図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係るディスプレイ装置の一部領域を示す例示図である。
【
図7】
図4のI-I’に沿った断面図であって、第2実施例を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置における光の経路を示す図であり、
図9(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置における光の経路を示す図である。
【
図10】
図10(a)は、第1実施形態に係るディスプレイ装置を示す図であり、
図10(b)は、第2実施形態に係るディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のメリットおよび特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付する図面とともに詳述する実施形態を参照すると明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、相違する様々な形に具現化することができる。但し、実施形態は、本発明の開示が完全となるようにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0017】
本発明の実施形態を説明するための図面に開示した形状や大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであって、本発明がそれに限定されるものではない。明細書全体に亘り、同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。
【0018】
本明細書で「備える」、「含む」、「有する」、「なる」などが記載された場合、「のみ/だけ」がともに記載されていない限り、他の部分を追加することができる。また、構成要素を単数形で記載した場合は、特に明示的な記載がない限り、複数形に解釈することができる。
【0019】
また、構成要素を解釈するに当たり、明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0020】
また、位置関係の説明において、例えば「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの構成要素同士の位置関係を説明する場合、「直」または「直接」と記載されていなければ、1つ以上の他の構成要素が該2つの構成要素間に位置することもできる。
【0021】
また、構成要素を区分するため、「第1」や「第2」などの用語が用いられるが、構成要素の機能や構造が、かかる用語に制限されるものではない。
【0022】
なお、実施形態は、部分的に、または全体的に互いに結合、または組み合わされてもよく、技術的に様々な連動や駆動が可能である。そして、各実施形態は、独立して実施されてもよく、相互関連性を持って一緒に実施されてもよい。
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るディスプレイ装置について説明する。明細書全体に亘り、同一の参照符号は、実質的に同一の構成要素を意味する。以下の説明で、本明細書に関連する公知機能、または構成に対する具体的な説明が本明細書の要旨を曖昧にすると判断された場合は、その詳細な説明を省略、または簡略にする。
【0024】
本発明に係るディスプレイ装置は、ディスプレイ装置の一例であって、有機発光ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置などを用いることができるが、本発明では、有機発光ディスプレイ装置を例に挙げて説明する。有機発光ディスプレイ装置は、アノードである第1電極とカソードである第2電極の間に、有機物からなる有機発光層を含むが、第1電極からの正孔と第2電極からの電子が有機発光層内で結合して、正孔-電子対の励起子(exciton)が形成され、該励起子が基底状態へ遷移する際に生じるエネルギーによって発光する自己発光ディスプレイ装置である。
【0025】
図1は、有機発光ディスプレイ装置の概略的なブロック図であり、
図2は、副画素の概略的な回路図であり、
図3は、副画素の具体的な回路図である。
【0026】
図1に示すように、有機発光ディスプレイ装置10は、映像処理部11、タイミング制御部12、データ駆動部13、ゲート駆動部14、およびディスプレイパネル20を備える。
【0027】
映像処理部11は、外部から供給されたデータ信号(DATA)とともに、データイネーブル信号(DE)などを出力する。映像処理部11は、データイネーブル信号(DE)の他に、垂直同期信号、水平同期信号、およびクロック信号のうち、1つ以上を出力することができるが、説明の便宜上、図示を省略する。
【0028】
タイミング制御部12は、映像処理部11からデータイネーブル信号(DE)、または垂直同期信号、水平同期信号、およびクロック信号などを含む駆動信号とともにデータ信号(DATA)の供給を受ける。タイミング制御部12は、駆動信号に基づき、スキャン駆動部14の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号(GDC)と、データ駆動部13の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号(DDC)を出力する。
【0029】
データ駆動部13は、タイミング制御部12から供給を受けたデータタイミング制御信号(DDC)に応じ、タイミング制御部12から供給されるデータ信号(DATA)をサンプリングしてラッチし、ガンマ基準電圧に変換して出力する。データ駆動部13は、データ線(DL1~DLn)を介してデータ信号(DATA)を出力する。データ駆動部13は、IC(Integrated Circuit)の形に形成することができる。
【0030】
スキャン駆動部14は、タイミング制御部12から供給を受けたゲートタイミング制御信号(GDC)に応じ、スキャン信号を出力する。スキャン駆動部14は、ゲート線(GL1~GLm)を介してスキャン信号を出力する。スキャン駆動部14はICの形に形成してもよく、ディスプレイパネル20にゲートインパネル(GIP)方式に形成してもよい。
【0031】
ディスプレイパネル20は、データ駆動部13とスキャン駆動部14から供給を受けたデータ信号(DATA)とスキャン信号に応じ、映像を表示する。ディスプレイパネル20は、映像を表示するように働く副画素50を含む。
【0032】
副画素50は、赤色・緑色・青色の副画素を含むか、または白色・赤色・緑色・青色の副画素を含む。副画素50は、発光特性によって1つ以上の異なる発光面積を有することができる。
【0033】
図2に示すように、1つの副画素には、スイッチングトランジスタ30、駆動トランジスタ35、キャパシタ40、補償回路45、および有機発光ダイオード60が含まれる。
【0034】
スイッチングトランジスタ30は、第1ゲート線32を介して供給されたスキャン信号に応じ、第1データ線36を介して供給されるデータ信号が、キャパシタ40にデータ電圧で保存されるようにスイッチング動作する。駆動トランジスタ35は、キャパシタ40に保存されたデータ電圧により、電源線42(高電位電圧)とカソード電源線44(低電位電圧)の間に駆動電流が流れるように動作する。有機発光ダイオード60は、駆動トランジスタ35によって形成された駆動電流により、光を発するように動作する。
【0035】
補償回路45は、駆動トランジスタ35の閾値電圧などを補償するために副画素内に追加された回路である。補償回路45は、1つ以上のトランジスタで構成される。補償回路45の構成は、外部補償方法によって様々であるが、例えば次のようなものがある。
【0036】
図3に示すように、補償回路45には、センシングトランジスタ65とセンシング線70(またはレファレンス線)が含まれる。センシングトランジスタ65は、駆動トランジスタ35のソース電極と有機発光ダイオード60のアノード電極の間(以下、センシングノード)に接続される。センシングトランジスタ65は、センシング線70を介して伝達される初期化電圧(またはセンシング電圧)を駆動トランジスタ35のセンシングノードに供給するか、または駆動トランジスタ35のセンシングノード、若しくはセンシング線70の電圧や電流をセンシングできるように動作する。
【0037】
スイッチングトランジスタ30は、第1データ線36に第1電極が接続され、駆動トランジスタ35のゲート電極に第2電極が接続される。駆動トランジスタ35は、電源線42に第1電極が接続され、有機発光ダイオード60のアノード電極に第2電極が接続される。キャパシタ40は、駆動トランジスタ35のゲート電極に第1電極が接続され、有機発光ダイオード60のアノード電極に第2電極が接続される。有機発光ダイオード60は、駆動トランジスタ35の第2電極にアノード電極が接続され、カソード電源線44にカソード電極が接続される。センシングトランジスタ65は、センシング線70に第1電極が接続され、センシングノードである有機発光ダイオード60のアノード電極および駆動トランジスタ35の第2電極に第2電極が接続される。
【0038】
センシングトランジスタ65の動作時間は、外部補償アルゴリズム(または補償回路の構成)によって、スイッチングトランジスタ30と類似または同一であるか、または異なる。一例として、スイッチングトランジスタ30は、第1ゲート線32にゲート電極を接続し、センシングトランジスタ65は、第2ゲート線34にゲート電極を接続することができる。この場合、第1ゲート線32にはスキャン信号(Scan)が伝達され、第2ゲート線34にはセンシング信号(Sense)が伝達される。他の例として、スイッチングトランジスタ30のゲート電極に接続された第1ゲート線32と、センシングトランジスタ65のゲート電極に接続された第2ゲート線34は、共通して共有するように接続することができる。
【0039】
センシング線70は、データ駆動部13に接続することができる。この場合、データ駆動部は、リアルタイムで、映像の非表示期間、またはNフレーム(Nは、1以上の定数)期間の間、副画素のセンシングノードをセンシングし、センシング結果を生成することができる。一方、スイッチングトランジスタ30とセンシングトランジスタ65は、同じ時間にターンオンすることができる。この場合、データ駆動部の時分割方式により、センシング線70を介したセンシング動作とデータ信号を出力するデータ出力動作は、互いに分離(区分)される。
【0040】
その他に、センシング結果による補償の対象は、デジタルのデータ信号、アナログのデータ信号、またはガンマなどとなり得る。そして、センシング結果に基づいて補償信号(または補償電圧)などを生成する補償回路は、データ駆動部の内部に構成してもよく、タイミング制御部の内部に構成してもよく、別の回路として構成してもよい。
【0041】
光遮断層80は、駆動トランジスタ35のチャネル領域の下部にのみ配置してもよく、駆動トランジスタ35のチャネル領域の下部のみならず、スイッチングトランジスタ30およびセンシングトランジスタ65のチャネル領域の下部に配置してもよい。光遮断層80は、単に外光を遮断する目的で用いることもでき、他の電極や線との接続を図り、キャパシタなどを構成する電極として活用することもできる。そのため、光遮断層80は、遮光特性を持つように複層(異種金属の複層)の金属層からなる。
【0042】
また、
図3では、スイッチングトランジスタ30、駆動トランジスタ35、キャパシタ40、有機発光ダイオード60、センシングトランジスタ65を含む3T(Transistor)1C(Capacitor)構造の副画素を例に挙げて示したが、補償回路45が追加された場合、3T2C、4T2C、5T1C、6T2Cなどで構成することもできる。
【0043】
[第1実施形態]
図4ないし
図6を参照し、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置について説明する。
【0044】
図4は、本発明の実施形態に係るディスプレイ装置の例示図である。
【0045】
図5は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置の断面を模式的に示す図であって、
図4のI-I’に沿った断面図である。
【0046】
図6は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置が有し得る副画素の一例を示す断面図である。
【0047】
図4を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100は、第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向に配列された画素(PXL)を含む画素アレイ400を備える。画素(PXL)のそれぞれは、複数の副画素(SP)を含むことができる。副画素(SP)は、赤色・緑色・青色の副画素(SP)を含むか、または白色・赤色・緑色・青色の副画素(SP)を含む。副画素(SP)は、発光特性によって1つ以上の異なる発光面積を有することができる。
【0048】
図5および
図6を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置は、基板300上に表示領域が定義され、薄膜トランジスタ、発光ダイオード440、封止層500、保護層370、およびバンク450を備える。
【0049】
本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100の画素アレイ400は、
図6に示していないが、基板300上で互いに交差するゲート線とデータ線を含む。ゲート絶縁膜360を介して互いに直交するゲート線とデータ線が副画素(SP)を定義する。副画素(SP)の側には、薄膜トランジスタが配置される。薄膜トランジスタは、ゲート線から分岐したゲート電極351、データ線から分岐したソース電極353、そしてソース電極353と所定の間隔を隔てて対向配置されたドレイン電極354を含む。
【0050】
ゲート電極351を覆うゲート絶縁膜360上には、ゲート電極351と重畳するように半導体層352が形成される。半導体層352の一側はソース電極353と接触し、他側はドレイン電極354と接触する。
【0051】
半導体層352は、非晶質シリコン(amorphous silicon、a‐Si)、多結晶シリコン(polycrystalline silicon、poly-Si)、酸化物(oxide)半導体、または有機物(organic)半導体などから形成することができる。半導体層352を酸化物半導体で形成する場合、ITO、IZO、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)またはITZO(Indium Tin Zinc Oxide)などから形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0052】
薄膜トランジスタ上には、素子を保護するための絶縁膜370が形成される。かかる絶縁膜370は、平坦化のための平坦化層として働くことができる。絶縁膜370上には、複数の有機発光素子440を配置することができる。有機発光素子440は、順次積層される第1電極410、有機発光層420、および第2電極430を含む。
【0053】
第1電極410は、アノードであり得る。アノードは、有機発光層420に正孔(hole)を供給する電極であり、仕事関数の高い透明導電性物質で構成することができる。透明導電性物質は、ITO、IZO、ITZOなどを含むことができるが、これに限定されるものではない。第1電極410は、絶縁膜370に形成されたコンタクトホール(CH)を介して、ドレイン電極354と接触することができる。
【0054】
第2電極430は、カソードであり得る。カソードは、有機発光層420に電子(electron)を供給する電極であり、相対的に仕事関数の低い金属、例えば銀、チタニウム(Ti)、アルミニウム、モリブデン(Mo)、または銀とマグネシウムの合金(Ag:Mg)で構成することができる。ここで、カソードは、共通電極と称することもできる。カソードが銀とマグネシウムの合金で構成される場合、マグネシウムの含量に対比して銀の含量をより高くし、カソードの抵抗を低めることができる。その際、銀が酸化して抵抗が低下することを防ぐため、イッテルビウム(YB)層を、Ag:Mg層の上部若しくは下部、または両方にそれぞれ配置することができる。
【0055】
第1電極410と第2電極430の間に、有機発光層420を配置する。互いに異なる色を発する発光層を、それぞれの副画素(SP)毎に分離して形成する。例えば、赤色光を発するための赤色の有機発光層420、緑色光を発するための緑色の有機発光層420、および青色光を発するための青色の有機発光層420を、それぞれ赤色の副画素(SP)、緑色の副画素(SP)および青色の副画素(SP)に分離して形成することができる。この場合、赤色の副画素(SP)、緑色の副画素(SP)および青色の副画素(SP)が1つの画素(PXL)を構成することができる。赤色の有機発光層420、緑色の有機発光層420、および青色の有機発光層420のそれぞれにおいて、第1電極410と第2電極430を介して供給された正孔と電子が結合し、発光する。それぞれの有機発光層420は、副画素(SP)毎に開口されたマスク、例えばFMM(fine metal mask)を利用してパターンを蒸着することができるが、これに限定されるものではなく、有機発光層420は基板300上に、全ての副画素(SP)に共通して形成することもできる。この場合、有機発光層420は、白色光を発する材料で構成することができ、有機発光層420が発光する領域に対応するよう、カラーフィルターを配置することができる。
【0056】
有機発光層420は、有機発光素子440の発光効率を改善するための注入層(injecting layer)や輸送層(transporting layer)のような有機層をさらに含むことができる。
【0057】
バンク450は、副画素(SP)を定義することができ、第1電極410の上面の一部を露出させる。具体的に、第1電極410のエッジを覆うようにバンク450を配置することができる。バンク450は、隣接する副画素(SP)の第1電極410同士を絶縁させるため、絶縁物質からなる。
【0058】
図4および
図5を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100の画素アレイ400は、低解像度の第1領域(A)と、高解像度の第2領域(B)を含む。すなわち、第1領域(A)の単位面積当たりの画素(PXL)の数(PPI)は、第2領域(B)の単位面積当たりの画素(PXL)の数(PPI)より低い。
【0059】
高解像度の第2領域(B)内の副画素(SP)は、データ線(DL)とゲート線(GL)の交差部毎に形成される。
【0060】
低解像度の第1領域(A)内の副画素(SP)は、データ線(DL)とゲート線(GL)の交差部の一部に形成される。すなわち、データ線(DL)とゲート線(GL)の交差により形成される一部の領域に副画素(SP)が形成されないことがある。
【0061】
本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100は、画素アレイ400の下に配置されたセンサ200を備える。センサ200は、カメラ装置、近接センサ、照度センサ、指紋認識センサ、または生体センサのうち、少なくとも1つを含むことができる。以下、センサ200がカメラ装置であることを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0062】
かかるセンサ200は、画素アレイ400の第1領域(A)と重畳する。言い換えると、画素アレイ400の第1領域(A)は、センサ200と少なくとも一部が重畳する。そして第2領域(B)は、センサ200と重畳しない。
【0063】
センサ200が活性化された場合、センサ200と重畳する領域である第1領域(A)の画素(PXL)は、非活性化され得る。例えば、センサ200がカメラ装置である場合、カメラ装置が活性化されたとき、第1領域の画素(PXL)は非活性化され得る。写真または映像を撮影する際、カメラ装置が外光を受容するが、画素(PXL)からの光が外光と混ざって、写真または映像の品質に影響を及ぼすことがあるためである。
【0064】
図5は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100の断面を模式的に示す図であって、
図4のI-I’に沿った断面図である。
【0065】
以下、
図5を参照し、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100の積層構造を簡単に説明する。
【0066】
基板300上に、薄膜トランジスタの配列されたTFT層(不図示)を配置する。TFT層(不図示)上に、第1電極410、有機発光層420および第2電極430を含む複数の画素の配列された画素アレイ400を配置する。かかる画素アレイ400は、低解像度の第1領域(A)と、高解像度の第2領域(B)を含む。
【0067】
画素アレイ400の下にセンサ200を配置する。さらに具体的に、センサ200は基板300の下に配置し、画素アレイ400の第1領域(A)の少なくとも一部と重畳するように配置する。言い換えると、ディスプレイ装置100を前面から見て、第1領域(A)内にセンサ200が含まれるように配置されることが好ましい。
【0068】
画素アレイ400上に封止層500を形成する。封止層500は、有機発光層420を、水分と酸素から保護する役割を果たす。有機発光層420は、水分や酸素などに非常に弱いためである。封止層500は金属層から構成されてもよく、有機物層と無機物層が2つ以上積層されて構成されてもよい。
【0069】
封止層500上には偏光層600を形成する。偏光層600は、ディスプレイ装置100内部の各種の金属物質によって外部光が反射され、ディスプレイ装置100の視認性が低下することを防止する。偏光層600の光に対する特性は、画素アレイ400の第1領域(A)と重畳する領域と、第2領域(B)と重畳する領域とで、それぞれ異なり得る。例えば、第1領域(A)と重畳する領域には、その下に配置されたセンサ200を考慮して透過率の高い偏光板を配置し、第2領域(B)と重畳する領域には、透過率の低い偏光板を配置することができる。また、外光(OL)の透過率を高める必要のある第1領域(A)と重畳する領域には、偏光板を開口する開口部が形成されてもよい。第1領域(A)と重畳する領域に開口部が形成された場合、透過率を高めることができるので、センサに流入する外光量を増加させることができる。
【0070】
偏光板上には、カバーガラス700を形成することができる。カバーガラス700は、ガラスなどの材質を用いることができる。外部からの衝撃によるディスプレイ装置の破損を防止するため、強化ガラスを用いることができ、映像を表示する領域以外は、プリンティングされた不透明のカバーガラスであってもよい。
【0071】
本発明の第1実施形態では、低解像度の第1領域(A)とセンサ200を、互いに重畳するように配置することで、外部光がセンサ200に流入することを容易にさせる。すなわち、センサ200と重畳する第1領域(A)に配置される副画素(SP)の数を、センサ200と重畳しない第2領域(B)に配置される副画素(SP)の数より少なくすることで、第1領域(A)における外部光に対する透過率を高めることができるというメリットがある。センサ200がカメラ装置である場合、写真の画質がさらに向上し得る。
【0072】
これらを利用すると、センサ200を表示領域の下に配置することで、ディスプレイ装置100の全面が全て表示領域であるフルスクリーンディスプレイを実現することができる。
【0073】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100について、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100と比較し、異なる点を中心に説明する。前述した第1実施形態と実質的に同じ構成に対しては同じ図面符号を付し、説明を省略する。
【0074】
図7は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100の断面を模式的に示す図であって、
図4のI-I’に沿った断面図である。
【0075】
図7を参照すると、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100は、封止層500と偏光層600の間に配置された屈折層800をさらに備える。本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100の構成をより詳細に説明する。
【0076】
基板300上に、薄膜トランジスタの配列されたTFT層(不図示)を配置する。TFT層(不図示)上に、第1電極410、有機発光層420および第2電極430を含む複数の画素の配列された画素アレイ400を配置する。かかる画素アレイ400は、低解像度の第1領域(A)と、高解像度の第2領域(B)を含む。
【0077】
画素アレイ400の下にセンサ200を配置する。さらに具体的に、センサ200は基板300の下に配置し、画素アレイ400の第1領域(A)の少なくとも一部と重畳するように配置する。言い換えると、ディスプレイ装置100の前面から見て、第1領域(A)内にセンサ200が含まれるように配置されることが好ましい。
【0078】
画素アレイ400上に封止層500を形成する。封止層500は、有機発光層420を、水分と酸素から保護する役割を果たす。有機発光層420は、水分や酸素などに非常に弱いためである。封止層500は金属層から構成されてもよく、有機物層と無機物層が2つ以上積層されて構成されてもよい。
【0079】
封止層500上には屈折層800を配置する。屈折層800は、アクリル系樹脂を含むことができる。屈折層800は、互いに屈折率の異なる複数の屈折部を含む異種屈折層であってもよい。言い換えると、屈折層800は、第1屈折率を有する第1屈折部800aと、第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部800bを含むことができる。
【0080】
さらに詳細に、第1屈折部800aは、凸レンズ状の複数の高屈折レンズを含み、画素アレイ400の第1領域(A)と重畳する領域と、第1領域(A)に隣接した第2領域(B)の一部と重畳する領域に配置することができる。
【0081】
第2屈折部800bは、複数の第1屈折部800aを覆うように封止層500上に配置することができる。第2屈折部800bは、第1領域(A)および第2領域(B)と重畳する領域に配置し、表示領域の全領域に共通層として形成することができる。
【0082】
第1屈折部800aはエンボシング、すなわち、凸凹状に配置された複数の半球形の凸レンズを含むことができる。第1屈折部800aが含む複数の半球形の凸レンズは、互いに所定の距離を隔てて配置することができる。
【0083】
第1屈折部800aの屈折率である第1屈折率は、第2屈折部800bの屈折率である第2屈折率より大きくてもよい。すなわち、第1屈折部800aが相対的に高い屈折率を有し得る。
【0084】
【0085】
図8を参照すると、前述したように、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100は、2つ以上の互いに異なる屈折率を有する異種屈折層800を備えることができる。まず、高屈折率の第1屈折部800aを、第1領域(A)、および第1領域(A)に隣接した第2領域(B)の一部と重畳するように配置することができる。すなわち、センサ200が位置する領域を覆うように配置することができる。第1屈折部800aは、一般的なマスク工程によって形成することができる。
【0086】
その後、低屈折率の第2屈折部800bを、封止層500上に形成することができる。第2屈折部800bは、第1屈折部800aを完全に覆うように形成することができる。第2屈折部800bは、一般的なマスク工程によって形成することができる。また、第2屈折部800bは、共通のマスクを利用し、全面に蒸着することができる。
【0087】
屈折層800上には、偏光層600を形成する。偏光層600は、ディスプレイ装置100の内部の各種の金属物質によって外部光が反射され、ディスプレイ装置100の視認性が低下することを防止する。偏光層600の光に対する特性は、画素アレイ400の第1領域(A)と重畳する領域と、第2領域(B)と重畳する領域とで、それぞれ異なり得る。例えば、第1領域(A)と重畳する領域には、その下に配置されたセンサ200を考慮して透過率の高い偏光板を配置し、第2領域(B)と重畳する領域には、透過率の低い偏光板を配置することができる。また、外光(OL)の透過率を高める必要のある第1領域(A)と重畳する領域には、偏光板を開口する開口部が形成されてもよい。
【0088】
偏光層600上には、カバーガラス700を形成することができる。カバーガラス700は、ガラスなどの材質を用いることができる。また、外部からの衝撃によるディスプレイ装置の破損を防止するため、強化ガラスを用いることができ、映像を表示する領域以外は、プリンティングされた不透明のカバーガラスであってもよい。
【0089】
他の観点からみた本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置は、ディスプレイ画面の正面から見て、第1画素領域、および第1画素領域に比べて解像度の高い第2画素領域を含む画素アレイ基板を備える。
【0090】
画素アレイ基板の第1画素領域に、少なくとも1つのレンズを含む第1屈折部が配置される。第1屈折部は、第1画素領域に光を集光させる。画素アレイ基板の第2画素領域の少なくとも一部に、第2屈折部が配置される。第2屈折部は、第2画素領域に光を透過させる。第1屈折部の屈折率は、第2屈折部の屈折率より高い。
【0091】
第1屈折部は、第1画素領域の全体に均一に配置された複数の凸レンズを含むことができる。第1屈折部は、第1画素領域に隣り合う第2画素領域の一部に配置される凸レンズをさらに含むことができる。また、第1屈折部および第2屈折部は、アクリレート系樹脂を含むことができる。
【0092】
第1屈折部および第2屈折部上に偏光層を配置することができる。第1画素領域内に配置される偏光層と、第2画素領域内に配置される偏光層とでは、互いに異なる偏光特性を有することができる。例えば、第1画素領域は、基板の下にセンサが配置される領域であるので、相対的に透過率の高い透過窓であり得る。言い換えると、第1画素領域に配置される偏光層は、第2画素領域に配置される偏光層より光の透過率が高い偏光層であり得る。かかる透過窓は、光に対する透過率をさらに高めるため、第1画素領域の一部を開口する開口部を含むことができる。
【0093】
図9(a)は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100における外光(OL)の反射経路(ROL)と、有機発光層420からの光の屈折経路(IL)を示す図であり、
図9(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100における外光(OL’)の反射経路(ROL’)と、有機発光層420からの光の屈折経路(IL’)を示す図である。
【0094】
図10(a)は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100を示す図であり、
図10(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100を示す図である。
【0095】
図9(a)および
図10(a)を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100は屈折層800を備えていないため、外光(OL)が基板300によって反射された際、全ての反射光の反射経路(ROL)が略平行となる。この場合、外部から見て、センサ200の配置された領域における境界線が視認され得る。すなわち、低解像度の第1領域(A)と高解像度の第2領域(B)の境界が、ユーザに視認され得る。
【0096】
図9(b)および
図10(b)を参照すると、本発明の第2実施形態は、屈折層800、より正確に言うと、異種屈折層をさらに備えるため、第1屈折部800aの凸レンズによって外光(OL’)が反射されると、様々な方向に散乱する。言い換えると、反射光が種々の経路(ROL’)に沿って進むことになる。反射光が様々な方向に散乱すると、ユーザが外部から見て、センサ200が配置された領域の境界線、すなわち、第1領域(A)と第2領域(B)の境界を視認し難くなるというメリットがある。
【0097】
また、
図9(a)を参照すると、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置100の場合、有機発光層420からの光の屈折経路(IL)は、ディスプレイ装置100の正面ではなく、斜め方向に広がる。一方、
図9(b)を参照すると、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100の場合、有機発光層420からの光の屈折経路(IL’)が、第1実施形態に係るディスプレイ装置100よりさらに屈折する。すなわち、屈折光がディスプレイ装置100の正面に向かう経路(IL’)を有することができる。
【0098】
第1屈折部800aの凸レンズにより、第1領域(A)の周辺における光の垂直方向成分が増加する。そのため、第1領域(A)の輝度が向上することができる。第1領域(A)と第2領域(B)の境界が視認される原因の1つは、第1領域(A)と第2領域(B)が有する画素(PXL)の数の差による輝度差である。言い換えると、低PPI(pixel per inch)領域の輝度が、高PPI領域の輝度より低いためである。
【0099】
本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置100は、異種屈折層を備えるため、外光(OL’)の反射経路(ROL’)を乱し、第1領域(A)と第2領域(B)の間における輝度差を縮めることで、第1領域(A)と第2領域(B)の境界部の視認性を著しく低下させることができる。
【0100】
本発明のディスプレイ装置および画素アレイ基板に対する様々な実施例を要約すると、次のようになる。
【0101】
[実施例1]
ディスプレイ装置は、第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向にマトリクス状に配列された画素を含む画素アレイと、前記画素アレイの下に配置されたセンサと、前記画素アレイ上に配置された屈折層とを備え、前記画素アレイは、前記センサと重畳される低解像度の第1領域、および前記第1領域に隣接して配置される高解像度の第2領域を含み、前記屈折層は、第1屈折率を有する第1屈折部、および前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部を含む。
【0102】
[実施例2]
前記第1屈折部は、前記第1領域、および前記第1領域に隣接した前記第2領域の一部を覆うように配置され、前記第2屈折部は、前記第1領域、および前記第2領域を覆い、前記第1屈折部と重畳することができる。
【0103】
[実施例3]
前記第1屈折部は、複数の半球形の凸レンズを含むことができる。
【0104】
[実施例4]
前記複数の凸レンズは、互いに所定の距離を隔てて配置することができる。
【0105】
[実施例5]
前記第1屈折部、および前記第2屈折部は、アクリレート系樹脂を含むことができる。
【0106】
[実施例6]
前記第1領域の透過率は、前記第2領域の透過率より高くてもよい。
【0107】
[実施例7]
前記センサは、カメラ装置であり得る。
【0108】
[実施例8]
前記カメラ装置が活性化された場合、前記第1領域の前記画素は、非活性化され得る。
【0109】
[実施例9]
ディスプレイ装置は、TFTアレイ層と、前記TFTアレイ層上に順次積層された第1電極、有機発光物質、および第2電極を含む複数の画素が配列された画素アレイを含むディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを覆う封止層と、前記封止層上に配置された屈折層と、前記ディスプレイパネルの下に配置されたセンサとを備え、前記画素アレイは、前記センサと重畳する低解像度の第1領域、および前記第1領域に隣接して配置される高解像度の第2領域を含み、前記屈折層は、第1屈折率を有する第1屈折部、および前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2屈折部を含む。
【0110】
[実施例10]
前記第1屈折部は、前記第1領域、および前記第1領域に隣接した前記第2領域の一部を覆うように配置され、前記第2屈折部は、前記第1領域および前記第2領域を覆い、前記第1屈折部と重畳することができる。
【0111】
[実施例11]
ディスプレイ装置は、前記屈折層上に配置された透過率が互いに異なる2以上の偏光板を有する偏光層と、前記偏光層上に配置されたカバー層とをさらに備え、前記第1領域上に配置された偏光板の透過率は、前記第2領域上に配置された偏光板の透過率より高くてもよい。
【0112】
[実施例12]
前記偏光層は、前記第1領域において前記センサと重畳する領域を開口する開口部を含むことができる。
【0113】
[実施例13]
画素アレイ基板は、第1画素領域と、前記第1画素領域に比べて解像度が高い第2画素領域と、前記第1画素領域内に配置される少なくとも1つのレンズを含み、前記第1画素領域に光を集光させる第1屈折部と、前記第2画素領域の少なくとも一部に配置され、前記第2画素領域に光を透過させる第2屈折部とを含み、前記第1屈折部の屈折率は、前記第2屈折部の屈折率より高い。
【0114】
[実施例14]
前記第1屈折部は、前記第1画素領域の全体に均一に配置された複数の凸レンズを含むことができる。
【0115】
[実施例15]
前記第1屈折部は、前記第1画素領域と隣り合う前記第2画素領域の一部に配置されるレンズをさらに含むことができる。
【0116】
[実施例16]
画素アレイ基板は、前記第1屈折部および前記第2屈折部上に配置される偏光層をさらに含むことができる。
【0117】
[実施例17]
前記偏光層は、第1画素領域内に配置され、透過率の高い透過窓を含むことができる。
【0118】
[実施例18]
前記透過窓は、前記第1画素領域を開口する開口部を含むことができる。
【0119】
[実施例19]
前記第1屈折部および前記第2屈折部は、アクリレート系樹脂を含むことができる。
【符号の説明】
【0120】
100…ディスプレイ装置、200…センサ、300…基板、350…TFT層、400…画素アレイ、500…封止層、600…偏光層、700…カバーガラス、800…屈折層、800a…第1屈折部、800b…第2屈折部、SP…副画素、A…第1領域、B…第2領域