(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014572
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】筐体取付金具
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20220113BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20220113BHJP
F16B 1/00 20060101ALI20220113BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
F16B1/00 A
F16B5/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116952
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592157076
【氏名又は名称】イワブチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】江沢 昌樹
【テーマコード(参考)】
3J001
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001JA10
3J001KA19
3J001KB06
5G352AC01
5G367AC02
(57)【要約】
【課題】腕金に筐体を仮掛けして固定することができ、かつ、取付けスペースや作業スペースが狭くても腕金の両側にそれぞれ筐体を容易に取付ける。
【解決手段】腕金4を上下から挟むように固定する上側挟持金具11aおよび下側挟持金具11bを有し、下側挟持金具11bには筐体側金具固定ボルト14bが自立状態で設けられていると共に、筐体側金具固定ボルト14bの軸部を通すための筐体側金具固定ボルト通し孔が形成された吊金具11と、整流器(第1筐体)5に取付けられ、下側挟持金具11bに設けられた筐体側金具固定ボルト14bの軸部に挿入される筐体側金具固定ボルト孔が設けられた第1筐体側金具12と、バッテリ(第2筐体)6に取付けられ、下側挟持金具11bに設けられた筐体側金具固定ボルト通し孔に筐体側金具固定ボルト14bを挿入してナット15bにより固定される第2筐体側金具13とを有する。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕金の両側それぞれを通る挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって腕金を上下から挟むように固定する上側挟持金具および下側挟持金具を備えた吊金具を有し、
前記下側挟持金具における前記腕金の短手方向の両側には、それぞれ、前記上側挟持金具における前記腕金の短手方向の両側よりも突出する下側挟持金具突出部が設けられ、その下側挟持金具突出部において筐体に予め取付けておいた筐体側金具が取り付けられることを特徴とする筐体取付金具。
【請求項2】
請求項1記載の筐体取付金具において、
前記下側挟持金具の両側の前記下側挟持金具突出部の内、少なくとも一方側の前記下側挟持金具突出部には、前記筐体側金具を固定する筐体側金具固定ボルトの軸部が上方に突出した自立状態で設けられており、その自立状態の筐体側金具固定ボルトの軸部に前記筐体側金具が取り付けられることを特徴とする筐体取付金具。
【請求項3】
請求項2記載の筐体取付金具において、
前記下側挟持金具における両側の前記下側挟持金具突出部には、それぞれ、前記筐体側金具固定ボルトの軸部を通すための筐体側金具固定ボルト通し孔が形成され、両側の筐体側金具固定ボルト通し孔の内、少なくとも一方側の筐体側金具固定ボルト通し孔に自立補助ナットで逆さに固定されることにより前記筐体側金具固定ボルトの軸部が上方に突出した自立状態で設けられていることを特徴とする筐体取付金具。
【請求項4】
請求項3記載の筐体取付金具において、
前記下側挟持金具の前記下側挟持金具突出部は、コ字形状に折り返して形成されており、そのコ字形状に折り返された上下対向する部分に前記筐体側金具固定ボルト通し孔が設けられていることを特徴とする筐体取付金具。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載の筐体取付金具において、
さらに、
前記筐体が固定される筐体固定部と、前記筐体固定部の上部に取付けられ、前記吊金具の前記下側挟持金具における前記下側挟持金具突出部で自立している前記筐体側金具固定ボルトの軸部が挿入される筐体側金具固定ボルト通し孔が設けられた筐体側金具引掛け部とを備えた筐体側金具を有することを特徴とする筐体取付金具。
【請求項6】
請求項5に記載の筐体取付金具において、
前記筐体側金具には、
さらに、ワイヤー等の吊治具が通され連結される吊治具用通し孔が設けられ吊治具連結部が設けられていることを特徴とする筐体取付金具。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の筐体取付金具において、
前記筐体側金具の筐体固定部の下端部には、腕金の反対側に設けられた別の筐体側金具の筐体固定部の下端部と連結する金具下部連結ボルトの軸部が通される金具下部連結ボルト通し孔が設けられていることを特徴とする筐体取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整流器やバッテリ等の各種機器の筐体(ボックスやキャビネットも含む。)を腕金の両側に取付けるための筐体取付金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、筐体取付金具として、例えば、支柱にバンド金具を固定すると共に、バンド金具に基端側を固定した腕金先端に各種機器の筐体を取付ける金具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に記載の筐体取付金具では、予め各種機器の筐体に取付けた筐体取付金具を直接、腕金にボルトおよびナット等で固定する構造を採用しているため、作業員一人では取付け難く、取付け作業に手間がかかるという問題があった。
【0005】
特に、第5世代通信用基地局等を構成する無線機や附帯盤等の筐体を腕金に取り付ける場合には、さらに停電時等に備えてその無線機等に電源電流を供給するため整流器やバッテリ(蓄電池)も腕金に取付ける必要があるため、取付けスペースや作業スペースが狭く、取付け作業が難しく手間がかかっていた。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、腕金に筐体を仮掛けして固定することができ、かつ、取付けスペースや作業スペースが狭くても腕金の両側にそれぞれ筐体を容易に取付けることができる筐体取付金具および筐体取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る筐体取付金具は、腕金の両側それぞれを通る挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって腕金を上下から挟むように固定する上側挟持金具および下側挟持金具を備えた吊金具を有し、前記下側挟持金具における前記腕金の短手方向の両側には、それぞれ、前記上側挟持金具における前記腕金の短手方向の両側よりも突出する下側挟持金具突出部が設けられ、その下側挟持金具突出部において筐体に予め取付けておいた筐体側金具が取り付けられることを特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、前記下側挟持金具の両側の前記下側挟持金具突出部の内、少なくとも一方側の前記下側挟持金具突出部には、前記筐体側金具を固定する筐体側金具固定ボルトの軸部が上方に突出した自立状態で設けられており、その自立状態の筐体側金具固定ボルトの軸部に前記筐体側金具が取り付けられることも特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、前記下側挟持金具における両側の前記下側挟持金具突出部には、それぞれ、前記筐体側金具固定ボルトの軸部を通すための筐体側金具固定ボルト通し孔が形成され、両側の筐体側金具固定ボルト通し孔の内、少なくとも一方側の筐体側金具固定ボルト通し孔に自立補助ナットで逆さに固定されることにより前記筐体側金具固定ボルトの軸部が上方に突出した自立状態で設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、前記下側挟持金具の前記下側挟持金具突出部は、コ字形状に折り返して形成されており、そのコ字形状に折り返された上下対向する部分に前記筐体側金具固定ボルト通し孔が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、さらに、前記筐体が固定される筐体固定部と、前記筐体固定部の上部に取付けられ、前記吊金具の前記下側挟持金具における前記下側挟持金具突出部で自立している前記筐体側金具固定ボルトの軸部が挿入される筐体側金具固定ボルト通し孔が設けられた筐体側金具引掛け部とを備えた筐体側金具を有することも特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、前記筐体側金具には、さらに、ワイヤー等の吊治具が通され連結される吊治具用通し孔が設けられ吊治具連結部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る筐体取付金具では、前記筐体側金具の筐体固定部の下端部には、腕金の反対側に設けられた別の筐体側金具の筐体固定部の下端部と連結する金具下部連結ボルトの軸部が通される金具下部連結ボルト通し孔が設けられていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る筐体取付金具は、腕金の両側それぞれを通る挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって腕金を上下から挟むように固定する上側挟持金具および下側挟持金具を備えた吊金具を有し、下側挟持金具の腕金の長手方向に対し直交する方向の両側には、それぞれ、上側挟持金具の腕金の長手方向に対し直交する方向の両側よりも突出する下側挟持金具突出部が設けられており、その下側挟持金具突出部において筐体に予め取付けた筐体側金具を取り付ける。
そのため、作業員は腕金に取付けた吊金具の下側挟持金具の両側から突出している下側挟持金具突出部において筐体側金具を仮掛けを行う等して、筐体や筐体側金具から手を離してボルトおよびナットの締付け作業等の次の作業を行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】先端に第5世代通信用基地局等の筐体が取り付けられた腕金の両側に本発明に係る実施形態の筐体取付金具によってそれぞれ第1筐体である整流器と第2筐体であるバッテリを取付けた状態を示す正面図である。
【
図2】先端に第5世代通信用基地局等の筐体が取り付けられた腕金の両側に本発明に係る実施形態の筐体取付金具によってそれぞれ第1筐体である整流器と第2筐体であるバッテリを取付けた状態を示す右側面(A矢示)図である。
【
図3】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する腕側金具の斜視図である。
【
図4】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する腕側金具の平面図、正面図である。
【
図5】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する腕側金具の底面図、左側面図である。
【
図6】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する腕側金具の背面図、
図5(a)におけるB-B線断面図である。
【
図7】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具に第1筐体(整流器)を装着した状態を示す斜視図である。
【
図8】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具の斜視図である。
【
図9】(a)~(d)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具の平面図、正面図、右側面図、底面図である
【
図10】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具の背面図、左側面図である
【
図11】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第2筐体側金具に第2筐体(バッテリ)を装着した状態を示す斜視図である。
【
図12】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第2筐体側金具の斜視図である。
【
図13】(a)~(d)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第2筐体側金具の平面図、正面図、右側面図、底面図である
【
図14】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第2筐体側金具の背面図、左側面図である。
【
図15】(a),(b)、それぞれ、第1筐体である整流器取付前で附帯盤および無線機を取付けた状態を示す平面図、正面図である。
【
図16】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する吊金具を取り付けた状態を示す平面図、正面図である。
【
図17】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する吊金具を取り付けた後、整流器を装着した第1筐体側金具を下方から移動させる状態を示す平面図、正面図である。
【
図18】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する吊金具を取り付けた後、整流器を装着した第1筐体側金具を下方から移動させ、さらに吊金具の方向に水平移動させる状態を示す平面図、正面図である。
【
図19】
図18(b)における整流器を装着した第1筐体側金具を吊金具の方向に水平移動させる状態を、吊金具と整流器と第1筐体側金具のみで簡略化して示す拡大正面図である。
【
図20】
図18(b)における整流器を装着した第1筐体側金具を吊金具の方向に水平移動させる状態を、吊金具と整流器と第1筐体側金具のみで簡略化して示す拡大右側面図である。
【
図21】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に取付けた本発明に係る実施形態の筐体取付金具に、整流器を装着した第1筐体側金具を仮掛けした状態を示す平面図、正面図である
【
図22】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に取付けた本発明に係る実施形態の筐体取付金具に整流器を装着した第1筐体側金具を仮掛けした後、ナットで第1筐体側金具を本締めして整流器を腕金に固定した状態を示す平面図、正面図である
【
図23】(a),(b)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定した後の状態を、
図22とは反対側から示す平面図、正面図である。
【
図24】(a)~(c)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定し、その後、バッテリを装着した第2筐体側金具に吊治具を連結して吊金具の方へ移動させている状態を示す平面図、正面図、左側面図である。
【
図25】バッテリを装着した第2筐体側金具にワイヤー等の吊治具を連結し、第1筐体側金具を介し整流器を固定した吊金具の方へ移動させている状態を、吊金具と整流器や、バッテリ、第1筐体側金具、第2筐体側金具のみで簡略化して示す拡大右側面図である。
【
図26】(a)~(c)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定し、その後、第2筐体であるバッテリを装着した第2筐体側金具に吊治具を連結して吊金具の方へ移動させ吊金具に仮掛けした状態を示す平面図、正面図、左側面図である。
【
図27】(a)~(c)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定し、その後、第2筐体であるバッテリを装着した第2筐体側金具に吊治具を連結して吊金具に仮掛けした後、吊治具を取外した状態を示す平面図、正面図、左側面図である。
【
図28】(a)~(c)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定し、その後、第2筐体であるバッテリを装着した第2筐体側金具に吊治具を連結して吊金具に仮掛けして吊治具を取外し後、ボルトおよびナットによってバッテリをを腕金に固定した状態を示す平面図、正面図、左側面図である。
【
図29】(a)~(c)、それぞれ、附帯盤および無線機を取付けた腕金に本発明に係る実施形態の筐体取付金具を構成する第1筐体側金具を介して整流器を固定し、その後、第2筐体であるバッテリを装着した第2筐体側金具に吊治具を連結して吊金具に仮掛けして吊治具を取外し後、ボルトおよびナットによってバッテリをを腕金に固定した後、金具下部連結ボルトを第1筐体側金具および第2筐体側金具を貫通させて金具下部連結ボルトおよびナットにより締結した状態を示す正面図、左側面図、底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る筐体取付金具1およびその金具を使用した筐体取付方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、下記に説明する実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
<実施形態の筐体取付金具11の構成>
本実施形態の筐体取付金具11は、例えば
図1および
図2等に示すように支柱2に自在バンド金具3等によって取り付けられた腕金4の両側にそれぞれ第1筐体である整流器5や第2筐体であるバッテリ6等の筐体を取付けるための金具であって、少なくとも吊金具11と、第1筐体側金具12と、第2筐体側金具13と、これらの金具等を締結する挟持金具同士締結ボルト14a、筐体側金具固定ボルト14b、金具下部連結ボルト14c等のボルトおよびナット15a~15c等を備えて構成される。
【0012】
尚、腕金4の先端には、別の取付金具を介して第5世代通信用基地局等を構成する無線機7や附帯盤8等の筐体が取り付けられており、本実施形態の筐体取付金具11により腕金4に取付けられた整流器5は交流電流を整流(AC/DC変換)してバッテリ6を充電し、バッテリ6が停電時等に第5世代通信用基地局7に対し直流の電源電流を供給するように構成している。
【0013】
(吊金具11)
吊金具11は、
図3~
図6等に示すように腕金4の両側それぞれを通る挟持金具同士締結ボルト14aおよびナット15aの締結によって腕金4を上下から挟むように固定する上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bを備えた金具で構成されている。
【0014】
上側挟持金具11a,11aは、
図3~
図6等に示すように背板部11a1とその両側に側板部11a2,11a2とを有する断面コ字形状の金具で、背板部11a1には挟持金具同士締結ボルト14aを通すボルト孔(図示せず。)が長手方向の両側にそれぞれ設けられている。また、側板部11a2,11a2には、腕金4が横ズレ等せずに下側挟持金具11bとの間で挟持できるように上側金具腕金挟持用凹部11a21,11a21を設けている。
【0015】
下側挟持金具11bは、平面視、正方形状の金具で、その4辺を折り返しており、腕金4が通る側の2辺は90度折り曲げて単に起立させた起立面11b1,11b1を設けており、起立面11b1,11b1には、それぞれ、上下方向で対向する上側挟持金具11a,11aの上側金具腕金挟持用凹部11a21,11a21との間で腕金4を挟持できるように下側金具腕金挟持用凹部11b11,11b11を設けている。尚、下側挟持金具11bにも、挟持金具同士締結ボルト14aを通すボルト孔(図示せず。)が設けられている。
【0016】
一方、下側挟持金具11bにおける腕金4の長手方向と平行となる2辺は、それぞれ、腕金4の長手方向に対し直交する方向の2辺を90度折り曲げて起立させた後、さらに内側に折り曲げて断面視コ字形状(
図6(b)等参照。)に形成しながら
図3(a),(b)や
図5(b)、
図6(b)等に示すように上側挟持金具11a,11aの長手方向の長さよりも大きく形成して、上側挟持金具11a,11aの腕金4の長手方向に対し直交する方向の両側よりも突出する下側挟持金具突出部11b2,11b2を設けている。
【0017】
下側挟持金具突出部11b2,11b2におけるコ字形状で上下対向する部分(面)に、それぞれ、第1筐体側金具12と第2筐体側金具13とを筐体側金具固定ボルト14b,14bおよびナット15a,15a等によって固定できるように筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21を設けている。尚、筐体側金具固定ボルト14bとしては、いわゆる角根ボルトを使用するため、筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21は、平面視、正方形状の孔としている。
【0018】
そして、下側挟持金具11bの両側の下側挟持金具突出部11b2,11b2の内、少なくとも一方側、すなわち第1筐体側金具12を取付ける側の下側挟持金具突出部11b2の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21には、予め自立補助ナット15b’,15b’(
図6(b)参照。)によって筐体側金具固定ボルト14b,14bの頭部を下側挟持金具突出部11b2の底面側の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に固定し、
図3(a),(b)や
図4(b)、
図5(b)等に示すように筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が上方に突出した状態で自立するように取付けておく。
【0019】
尚、下側挟持金具11bにも、挟持金具同士締結ボルト14aを通すボルト孔(図示せず。)が腕金4の両側それぞれを通るように設けられており、上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bの対向するボルト孔(図示せず。)に挟持金具同士締結ボルト14aを通しナット15aで締結することによって上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bで腕金4を上下から挟み固定する。
【0020】
(第1筐体側金具12)
第1筐体側金具12は、
図7(a),(b)に示すように第1筐体である整流器5を吊金具11を介して腕金4に取付けるための金具であって、
図8~
図10に示すように第1筐体である整流器5を固定する第1筐体固定部12aと、第1筐体固定部12aの上部に設けられ、吊金具11の筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が挿入される第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1が形成された第1筐体側金具引掛け部12bとを有する。
【0021】
第1筐体固定部12aは、ボルトおよびナットの締結等によって整流器5を上下左右から挟持して固定するもので、その下端部の合わせ部には、第1筐体側金具12と第2筐体側金具13とを直接、連結する金具下部連結ボルト14cの軸部を通す下部連結ボルト通し孔12a1を設けている。
【0022】
第1筐体側金具引掛け部12bは、
図8(a),(b)や
図9(d),
図10(b)等に示すようにC型形状の部材を第1筐体固定部12aの上部にボルトおよびナットによって固定することによって設けられているため、第1筐体側金具引掛け部12bの先端部は、第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1が設けられた上面から下方に向かって折れ曲がり、掛止し易く構成されている。
【0023】
尚、整流器5はバッテリ6等と比較して厚さ(幅)、すなわち腕金4と直交する方向の長さが短い場合が多く、特に、腕金4における附帯盤8と無線機7,7との間に整流器5を取付ける場合には、取付スペースが狭いだけでなく、整流器5の幅が狭い点等から作業スペースも少なく、下からのボルトの抜き差しやナットの回転等が困難な場合が多い。
【0024】
(第2筐体側金具13)
第2筐体側金具13は、
図11(a),(b)に示すように第2筐体であるバッテリ6を吊金具11を介して腕金4に取付けるための金具であって、
図12~
図13に示すように第2筐体であるバッテリ6を固定する第2筐体固定部13aと、第2筐体固定部13aの上部に設けられ、吊金具11の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に通した筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部を筐体側金具固定ボルト通し孔12b1にも通して腕金4に固定する第2筐体側金具引掛け部13bと、吊治具連結部13cとを通す有する。
【0025】
第2筐体固定部13aは、ボルトおよびナットの締結等によって罰ているバッテリ6を上下左右から挟持して固定するもので、その下端部の合わせ部には、第1筐体固定部12aと同様に、第1筐体側金具12と第2筐体側金具13とを直接、連結する金具下部連結ボルト14cの軸部を通す金具下部連結ボルト通し孔13a1を設けている。
【0026】
第2筐体側金具引掛け部13bは、
図12(a),(b)や
図13(d),
図14(b)等に示すようにL字形状の部材を第2筐体固定部13aの上部に筐体側金具固定ボルト14b,14bおよびナットによって固定することによって設けられており、第2筐体側金具引掛け部13bの先端部は、第1筐体側金具引掛け部12bの先端部と同様に、第2筐体側金具固定ボルト通し孔13b1が設けられた上面から下方に向かって折れ曲がり、掛止し易く構成されている。
【0027】
吊治具連結部13cは、第1筐体側金具12には設けられていないものであって、第2筐体側金具引掛け部13bに立設するように接合等して設けられており、吊金具11にバッテリ6を装着した第2筐体側金具13を固定する際に後述するワイヤー等の吊治具9を通して留めるための吊治具用通し孔13c1が設けられている。
【0028】
<実施形態の筐体取付金具11の使用方法の一例>
次に以上のように構成された実施形態の筐体取付金具11を使用した整流器5およびバッテリ6の取付手順の一例について説明する。
【0029】
(整流器5の取付け)
図15(a),(b)に示すように、支柱2に取付けられた腕金4には、第5世代無線通信用基地局等を構成する2台の無線機7,7と、その無線機7,7に必要な機器を内蔵した附帯盤8とがそれぞれ別の取付け金具71,81を介して予め取り付けられており、この無線機7,7および附帯盤8が取り付けられた腕金4に整流器5を取付ける。
【0030】
まずは、
図16(a),(b)に示すように附帯盤8を腕金4に取付けている取付け金具81と、無線機7,7を腕金4に取付けている取付け金具71との間の腕金4に実施形態の筐体取付金具11を構成する吊金具11を取付ける。
【0031】
吊金具11は、
図3~
図6等に示すように上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bで構成されているため、上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bで腕金4の上下に配置し、上側挟持金具11a,11aの上側金具腕金挟持用凹部11a21,11a21と下側挟持金具11bの下側金具腕金挟持用凹部11b11,11b11との間に腕金4を通し、挟持金具同士締結ボルト14aおよびナット15aの締結によって腕金4を上下から挟んで取付ける。
【0032】
ここで、吊金具11の下側挟持金具11bは、腕金4に固定している附帯盤8の取付け金具81上面よりも下側に位置し、下側挟持金具11bに自立状態で取り付けている筐体側金具固定ボルト14b,14b先端(上端)も附帯盤8の取付け金具81上面よりは下側に位置している。
【0033】
次に、
図17(a),(b)に示すように腕金4に取付けた吊金具11に、
図7に示すように予め整流器5を取付けた第1筐体側金具12を下方から腕金4に向かって上昇させ、その後、腕金4に固定された附帯盤8の取付け金具81の下方をくぐるように
図18(a),(b)に示す矢印の方向(
図8(b)上、右方向)に移動させて、腕金4に固定した吊金具11の位置まで移動させる。尚、
図17以降、附帯盤8およびその取付金具81は、附帯盤8の内側に取付ける整流器5と重なるため、適宜、2点鎖線で示すことにする。
【0034】
そして、整流器5を取付けた第1筐体側金具12が腕金4に固定した吊金具11の位置に到達すると、
図21(a),(b)に示すように、第1筐体側金具12の第1筐体側金具引掛け部12bの第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1を、腕金具4に固定した吊金具11から自立して突出している筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部に挿入して整流器5を取付けた第1筐体側金具12を、吊金具11に仮掛けし、その後、
図22(a)、(b)に示すようにナット15b,15bで締結して整流器5を腕金4に固定する。
【0035】
このように、腕金4に第5世代無線通信用基地局等を構成する無線機7,7や附帯盤8等が既に取り付けられており、附帯盤8を腕金4に取付けている取付け金具81と無線機7,7を腕金4に取付けている取付け金具71との間の腕金4に整流器5を取付ける場合、作業スペースが少なく、かつ、整流器5の幅が狭い点等から下からのボルトの抜き差しが不可な場合が多いが、本実施形態の筐体取付金具11を構成する吊金具11では、
図3~
図6等に示すように下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2に筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が突出した状態で自立して設けられているため、整流器5を取付けた第1筐体側金具12をその筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部に仮掛けした後、本締めにより固定することができるので、整流器5の取付け作業が容易になり、作業性を向上させることができる。
【0036】
(バッテリ6の取付け)
次に、以上のようにして腕金4に予め取り付けられた無線機7,7と附帯盤8との間に実施形態の筐体取付金具11を構成する吊金具11に第1筐体側金具12を介して附帯盤8を取り付けた腕金4に、第2筐体側金具13を取付けたバッテリ6を取付けるための手順について説明する。
【0037】
図23(a),(b)は、附帯盤8および無線機7,7を取付けた腕金4に吊金具11を取付け、その吊金具11に整流器5を装着した第1筐体側金具12を固定した状態を示す
図22(a),(b)を、反対側から見た平面図、正面図であり、バッテリ6に取付けた第2筐体側金具13は、腕金4に固定した附帯盤8と対向するように反対側のスペースに取付ける。
【0038】
まず、
図24(a)~(c)や
図25に示すようにバッテリ6を取付けた第2筐体側金具13にワイヤー等の吊治具9を第2筐体側金具13の吊治具連結部13cの吊治具用通し孔13c1に通して連結し、バッテリ6が取り付けられた第2筐体側金具13を吊治具9で吊って吊金具11に向かって移動させる。
【0039】
ここで、バッテリ6が装着された第2筐体側金具13を吊治具9で吊って吊金具11に向かって移動する理由は、バッテリ6は重量が重く、作業員一人で高所作業することは困難だからである。また、バッテリ6の取付けの際に無線機7,7が干渉する場合は、いったん無線機7,7を腕金4に固定された無線機取付金具71,71から取外し、バッテリ6が取り付けられた第2筐体側金具13を吊金具11の方へ移動させる。
【0040】
そして、
図26(a)~(c)に示すように腕金4に固定した吊金具11における第1筐体側金具12の反対側にバッテリ6を取付けた第2筐体側金具13の第2筐体側金具引掛け部13bを引掛け、
図27(a)~(c)に示すように第2筐体側金具13の吊治具連結部13cの吊治具用通し孔13c1に連結したワイヤー等の吊治具9を取り外し、
図28(a)~(c)に示すように第2筐体側金具引掛け部13bの筐体側金具固定ボルト通し孔13b1に筐体側金具固定ボルト14b,14bを通し、ナットによって締結して吊金具11における第1筐体側金具12の反対側にバッテリ6を取付けた第2筐体側金具13を固定する。
【0041】
ここで、バッテリ6は、整流器5とは異なり、腕金4に対し直交する方向の長さである幅(厚さ)が大きく、吊金具11の下面(底面)側と、バッテリ6上面側である第2筐体側金具13の第2筐体固定部13a上面側との間の空間が大きく、筐体側金具固定ボルト14b,14bやそれを回すための工具等が入り、かつ、工具によって筐体側金具固定ボルト14b,14bを回すための作業スペースを確保できている。
【0042】
しかも、バッテリ6は、整流器5の取付方向とは異なり、腕金4の長手方向に対し直交する正面方向(先に取付けた整流器5に対してはその背面に向かう方向)から移動させて取り付ける場合が多いため、整流器5の取付けに使用した吊金具11に自立させた筐体側金具固定ボルト14b,14bではその軸部が邪魔になり、却って取付難くなる。
【0043】
そのため、バッテリ6を固定した第2筐体側金具13を吊金具11に取付ける場合は、角根丸頭の筐体側金具固定ボルト14b,14bを、第1筐体側金具12の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に通し、ナット15b,15bで締結して固定する。
【0044】
以上の作業で腕金4に固定した吊金具11の一方側にそれぞれ第1筐体側金具12を介し整流器5を取付ける一方、その反対側に第2筐体側金具13を介しバッテリ6を取付けることができたが、さらに、
図29(a)~(c)に示すように、第1筐体側金具12の第1筐体固定部12a下端部に設けられた金具下部連結ボルト通し孔12a1と、第2筐体側金具13の第2筐体固定部13a下端に設けられた金具下部連結ボルト通し孔13a1とに金具下部連結ボルト14cを通した後、ナット15cで締結して、第1筐体側金具12の下端部と第2筐体側金具13の下端部とを固定する。
【0045】
以上で、腕金4に対する本実施形態の筐体取付金具11を使用した整流器5およびバッテリ6の取付が完了する。尚、腕金4から整流器5およびバッテリ6を取り外す場合には、これとは逆の作業、すなわちまずはバッテリ6を装着した第2筐体側金具13を吊金具11から取外し、次いで整流器5を装着した第1筐体側金具12を吊金具11から取外し、最後は吊金具11を腕金4から取外す作業を行なえば良い。
【0046】
<本発明に係る筐体取付金具1の主な効果>
以上説明したように本発明に係る実施形態の筐体取付金具1は、腕金4の両側それぞれを通る挟持金具同士締結ボルト14aおよびナット15aの締結によって腕金4を上下から挟むように固定する上側挟持金具11a,11aおよび下側挟持金具11bを備えた吊金具11を有し、下側挟持金具11bにおける腕金4の長手方向に対し直交する方向の幅は、上側挟持金具11a,11aの腕金4の長手方向に対し直交する方向の幅よりも大きく形成されて、下側挟持金具11bの腕金4の長手方向に対し直交する方向の両側は、それぞれ、上側挟持金具11a,11aの腕金4の長手方向に対し直交する方向の両側よりも突出する下側挟持金具突出部11b2,11b2が設けられており、その下側挟持金具突出部11b2,11b2の内、少なくとも一方側の下側挟持金具突出部11b2,11b2には、筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が上方に突出した状態で自立するように設けている。
【0047】
そのため、作業員は腕金4に取付けた吊金具11の下側挟持金具突出部11b2,11b2に自立して上方に突出した筐体側金具固定ボルト14aの軸部に、第1筐体である整流器5に固定した第1筐体側金具12の第1筐体側金具引掛け部12bの第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1を仮掛けした後、整流器5や第1筐体側金具12から手を離して筐体側金具固定ボルト14b,14bおよびナット15b、15bの締付け作業等の次の作業を行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【0048】
また、本発明に係る実施形態の筐体取付金具1では、下側挟持金具11bにおける両側の下側挟持金具突出部11b2,11b2には、それぞれ、筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部を通すための筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21が形成され、両側の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21の内、少なくとも一方側の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が上方に突出した状態で自立するように設けている。
【0049】
そのため、既存のボルトを使用して下側挟持金具突出部11b2,11b2の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に通すことにより、吊金具11に仮掛け用の筐体側金具固定ボルト14b,14bを容易に自立状態で設けることができる。
【0050】
また、本発明に係る実施形態の筐体取付金具1では、下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2、11b2はコ字形状に折り返して形成されており、そのコ字形状に折り返された上下対向する部分に筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21を設けている。
【0051】
そのため、既存のボルトを使用して下側挟持金具突出部11b2,11b2のコ字形状に折り返された上下対向する部分の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に通すことにより、吊金具11に仮掛け用の筐体側金具固定ボルト14b,14bが曲がらず鉛直に自立するように容易に設けることができると共に、コ字形状に折り返したことにより第1筐体側金具12および第2筐体側金具13を介して整流器5およびバッテリ6を吊り下げるように取付ける吊金具11の強度を向上させることが出来る。
【0052】
また、本発明に係る実施形態の筐体取付金具1では、第1筐体側金具12は、第1筐体である整流器5が固定される第1筐体固定部12aと、第1筐体固定部12aの上部に取付けられ、吊金具11の下側挟持金具11bにおける下側挟持金具突出部11b2,11b2で自立している筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が挿入される第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1,12b1が設けられた第1筐体側金具引掛け部12b,12bとを有する。
【0053】
そのため、第1筐体金具である整流器5に第1筐体側金具12を装着しておけば、腕金4に固定した吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2で自立している筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部に、第1筐体側金具12の第1筐体側金具引掛け部12b,12bの第1筐体側金具固定ボルト通し孔12b1,12b1を引掛けるだけで整流器5の仮掛けが可能となるので、作業性を向上させることができる。
【0054】
特に、第5世代通信用基地局等を構成する無線機7,7や附帯盤8等が予め取り付けられた腕金4に整流器5やバッテリ6を取付ける場合には、取付けスペースや作業スペースも狭く、取付け作業に手間がかかっていただけでなく、整流器5は幅(厚さ)が薄いため、整流器5を取付けた第1筐体側金具12を吊金具11に固定する際に後から筐体側金具固定ボルト14b,14bを通すことが困難な場合が想定されるが、本発明に係る実施形態の筐体取付金具1では、筐体側金具固定ボルト14b,14bは吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2に自立状態で設けられているため、この点でも作業性を向上させることができる。
【0055】
また、本発明に係る実施形態の筐体取付金具1では、第2筐体側金具13は、第2筐体であるバッテリ6が固定される第2筐体固定部13aと、第2筐体固定部13aの上部に取付けられ、吊金具11の下側挟持金具11bにおける下側挟持金具突出部11b2,11b2の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に通した筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部が通る筐体側金具固定ボルト通し孔13b1,13b1が形成されていると共に、ワイヤー等の吊治具が通され連結される吊治具用通し孔13c1が設けられた第2筐体側金具引掛け部13bとを有する。
【0056】
そのため、第2筐体金具であるバッテリ6に第2筐体側金具13を装着しておけば、腕金4に固定した吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2に設けた筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に筐体側金具固定ボルト14b,14bを通してバッテリ6を取付けることが可能となるので、腕金4に無線機7,7や附帯盤8等が予め取り付けられ、バッテリ6の取付けスペースや作業スペースが狭い場合でも、作業性を向上させることができる。
【0057】
尚、上記の説明では、吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2の整流器(第1筐体)5の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21にのみ予め筐体側金具固定ボルト14b,14bを通して自立させて説明したが、本発明ではこれに限らず、その反対側であるバッテリ(第2筐体)6の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21へも予め筐体側金具固定ボルト14b,14bを通して自立させて使用しても良いし、筐体側金具固定ボルト14b,14bを設けなくても吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2のみでも水平に突出しており第1筐体側金具12や第2筐体側金具13の仮掛けすることは可能であるため、下側挟持金具11b両側の下側挟持金具突出部11b2,11b2に予め筐体側金具固定ボルト14b,14bを通して自立させずに後から筐体側金具固定ボルト14b,14bを通してナット15b,15bで第1筐体側金具12や第2筐体側金具13を固定するようにしても勿論良い。
【0058】
また、上記の説明では、吊金具11の下側挟持金具11bの下側挟持金具突出部11b2,11b2の第1筐体側の筐体側金具固定ボルト通し孔11b21,11b21に予め筐体側金具固定ボルト14b,14bを通して自立補助ナット15b’,15b’により締結し自立させて説明したが、本発明ではこれに限らず、筐体側金具固定ボルト14b,14bを自立させる際は自立補助ナット15b’,15b’を使用せずに溶接等して下側挟持金具突出部11b2,11b2に筐体側金具固定ボルト14b,14bの軸部を自立させても勿論良い。
【符号の説明】
【0059】
1 筐体取付金具
11 吊金具
11a 上側挟持金具
11a1 背板部
11a2 側板部
11a21,11a21 上側金具腕金挟持用凹部
11b 下側挟持金具
11b1 起立面
11b11 下側金具腕金挟持用凹部
11b2 下側挟持金具突出部
11b21 筐体側金具固定ボルト通し孔
12 第1筐体側金具
12a 第1筐体固定部
12a1 下部連結ボルト通し孔
12b 第1筐体側金具引掛け部
12b1 第1筐体側金具固定ボルト通し孔
13 第2筐体側金具
13a 第2筐体固定部
13a1 下部連結ボルト通し孔
13b 第2筐体側金具引掛け部
13b1 第2筐体側金具固定ボルト通し孔
13c 吊治具連結部
13c1 吊治具用通し孔
14a 挟持金具同士締結ボルト
14b 筐体側金具固定ボルト
14c 金具下部連結ボルト
15a~15c ナット
15b’ 自立補助ナット
2 支柱
3 自在バンド金具
4 腕金
5 整流器(第1筐体)
6 バッテリ(第2筐体)
7 無線機
71 無線機取付金具
8 附帯盤
81 附帯盤取付金具
9 吊治具