(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145723
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】走査ライダにおける地形適応型パルスパワー
(51)【国際特許分類】
G01S 7/484 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G01S7/484
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118557
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2020526078の分割
【原出願日】2019-09-11
(31)【優先権主張番号】16/145,647
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シャンド,マーク アレクサンダー
(57)【要約】
【課題】光検出および測距(LIDARまたはライダ)システムを含むシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】例示的な方法は、LIDARシステムの光源に、放出ベクトルに沿って光を放出させることを含む。方法はまた、放出光の放出ベクトルを調整することと、放出ベクトルの仰角成分を決定することと、を含む。方法はさらに、決定された仰角成分に基づいて、放出光のパルス当たりのエネルギーを動的に調整することを含む。例示的なシステムは、車両と、車両に結合された光源と、を含む。光源は、車両の環境に向かって放出ベクトルに沿って光を放出するように構成されている。システムはまた、放出ベクトルの仰角成分を決定し、決定された仰角成分に基づいて、放出光のパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能なコントローラを含む。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両と、
前記車両に結合された光源であって、前記車両の環境に向かって少なくとも1つの光パルスを放出するように構成された、光源と、
コントローラであって、
前記少なくとも1つの光パルスの放出ベクトルを決定するように、
前記放出ベクトルの仰角成分を決定するように、かつ
前記決定された仰角成分に基づいて、少なくとも1つの後続の光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能な、コントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記光源が、走査パターンで光を放出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記走査パターンに従って、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記放出ベクトルを調整するようにさらに動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周辺光の状態、太陽の位置、前記車両の姿勢、前記車両の方位、または前記車両の動作状態のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
光検出および測距(LIDAR)システムをさらに備え、前記光源が、前記LIDARシステムの要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの後続の光パルスが、複数の光パルスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス長が、10ピコ秒~10ナノ秒の間にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラが、前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能であり、前記少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーが、10ナノジュール~10マイクロジュールの間にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率が、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源が、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光パルスを放出するように動作可能なファイバレーザを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラが、シードレーザパラメータまたはポンプレーザパラメータのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
光検出および測距(LIDAR)システムの光源の放出ベクトルを決定することと、
前記放出ベクトルの仰角成分を決定することと、
前記決定された仰角成分に基づいて、前記光源によって放出された少なくとも1つの光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記LIDARシステムが、車両に結合され、前記少なくとも1つの光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周辺光の状態、太陽の位置、前記車両の姿勢、前記車両の方位、または前記車両の動作状態のうちの少なくとも1つにさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光源に複数の光パルスを放出させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス長が、10ピコ秒~10ナノ秒の間にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーを調整することを含み、前記少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーが、10ナノジュール~10マイクロジュールの間にある、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率が、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にある、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記光源が、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光を放出するように動作可能なファイバレーザを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、シードレーザ動作パラメータまたはポンプレーザ動作パラメータのうちの少なくとも1つを調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、レーザ安全基準にさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月28日に出願された米国特許出願第16/145,647号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の記載がない限り、この章に記載されている資料は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、この章に含めることにより先行技術であると認められるべきではない。
【0003】
光検出および測距(LIDARまたはライダ)システムは、環境に光を放出して、対象から反射された放出光に基づいて対象に関する情報を決定する。LIDARの範囲および感度は、環境に放出されるエネルギー量によって基本的に制約される。すなわち、光パルスまたは連続光信号当たりのエネルギー量を増加させると、一般に、より長い距離での対象の明確な検出が可能になる。しかしながら、レーザ放出自体は、アクセス可能なレーザ放出を制限するレーザ安全性の考慮事項によって、並びにその平均光パルスパワーを制限するレーザ光源の動作パラメータによって制約される。
【0004】
従来のLIDARシステムは、+/-7度(ピッチ)の公称垂直角度範囲にわたってレーザ光を走査し得る。LIDARシステムから100メートルの距離で、そのような角度範囲は、高さが約24メートルの垂直範囲を走査することができる。多くの状況では、半自律型または完全自律型の車両は、このような大きな垂直範囲内の対象を検出する必要はない。したがって、より効率的にLIDARシステムの環境に光エネルギーを分配することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に、環境に関する情報を取得するように構成され得る光検出および測距(LIDAR)システムに関する。そのようなLIDARデバイスは、自律型および半自律型の自動車、トラック、オートバイ、およびそれぞれの環境内で移動することができる他のタイプの車両などの車両に実装することができる。
【0006】
第1の態様では、システムが提供される。システムは、車両と、車両に結合された光源と、を含む。光源は、車両の環境に向けて少なくとも1つの光パルスを放出するように構成される。システムはまた、少なくとも1つの光パルスの放出ベクトルを決定し、放出ベクトルの仰角成分を決定し、決定された仰角成分に基づいて後続の光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能なコントローラも含む。
【0007】
第2の態様では、方法が提供される。方法は、光検出および測距(LIDAR)システムの光源に、放出ベクトルに沿って光を放出させることを含む。方法は、走査パターンに従って放出光の放出ベクトルを調整することを含む。方法はまたさらに、放出ベクトルの仰角成分を決定することを含む。方法はまた、決定された仰角成分に基づいて、放出光のエネルギーを動的に調整することも含む。
【0008】
他の態様、実施形態、および実装形態は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態によるシステムを例示する。
【
図2A】例示的な実施形態による光放出シナリオを例示する。
【
図2B】例示的な実施形態による光放出シナリオを例示する。
【
図4】例示的な実施形態による検知システムを例示する。
【
図5A】例示的な実施形態による検知シナリオを例示する。
【
図5B】例示的な実施形態による検知シナリオを例示する。
【
図5C】例示的な実施形態による検知シナリオを例示する。
【
図5D】例示的な実施形態による検知シナリオを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが本明細書において説明される。「例(example)」および「例示的(exemplary)」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす(serving as an example,instance,or illustration)」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明される任意の実施形態または特徴は、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0011】
このように、本明細書において説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書において概略説明され、図に例示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置する、置き換える、組み合わせる、分離する、および設計することができ、これらの構成の全てが本明細書において想到される。
【0012】
さらに、文脈が異なることを示唆していない限り、これらの図の各図に示されている特徴は、互いに組み合わせて使用することができる。このように、図は一般に、例示される全ての特徴が実施形態ごとに必要である訳ではないという理解の下に、1つ以上の概略実施形態の構成態様として考えられるべきである。
【0013】
I.概要
例示的な実施形態では、LIDARシステムは、局所的な地形および/または放出ベクトルの仰角に基づいて、放出光のパルス当たりのエネルギーを動的に調整することができる。その結果、LIDARシステムは、より効率的かつ制御可能にレーザパワーをその環境に放出することができる。例えば、そのようなLIDARシステムは、路面においておよび路面の上の数メートルに対応する仰角で走査するとき、より高いエネルギーのレーザパルスを提供することができる。さらに、LIDARシステムは、車両の近くの対象(例えば、地面または別のタイプの近距離対象)に向かって光を放出すると予想されるものなど、他の仰角または放出ベクトルでより低いエネルギーのレーザパルスを提供することができる。
【0014】
このようにして、LIDARシステムは、レーザ分類およびレーザ光源の動作制限に関連する時間スケールにわたって同じまたは同様の平均パワーを維持しながら、その環境内で光エネルギーをより効率的に分配することができる。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態は、仰角(ピッチ)およびヨーの両方で機械的に走査するLIDARシステムを含んでもよい。しかしながら、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、動的に制御可能な走査を用いる任意のLIDARシステムに適用することができ、また、レーザ光放出パワーの平均量に基づくレーザ安全性分類の対象となり得ることが理解されよう。
【0016】
II.システム例
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を例示する。システム100は、車両110と、車両110に結合された光源120と、を含む。光源120は、車両110の環境160に向けて放出ベクトル130に沿って光を放出するように構成される。いくつかの実施形態では、放出光は、複数の光パルスを含み得る。追加的または代替的に、光源120は、放出光を連続光ビームとして放出することができる。いくつかの実施形態では、光源120は、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光を放出するように動作可能なファイバレーザを含むことができる。本明細書では、他のタイプの発光体デバイスおよび/または放出波長が可能であり、想到されることが理解されよう。
【0017】
いくつかの実施形態では、システム100は、光検出および測距(LIDAR)システムを含み得る。そのようなシナリオでは、光源120は、LIDARシステムの要素を表すことができる。いくつかの実施形態では、システム100は、
図3を参照して以下に例示および記載される車両300などの、自律型または半自律型の車両の検知システムの一部として組み込まれてもよい。
【0018】
図1に戻ると、本明細書で記載されるように、放出ベクトル130は、光源120から放出された光の大きさおよび方向を表すことができる。一例として、光源120から放出される光の方向は、水平面ならびに/または地面の少なくとも一部に対応する平面および/もしくはそれと平行な平面を含み得る、基準平面に基づくことができる。いくつかの実施形態では、放出ベクトル130は、仰角成分およびヨー角成分を含み得る。そのようなシナリオでは、仰角成分は、光源120から放出された光の方向と基準平面との間の角度差に基づく正または負の角度値を含み得る。さらに、ヨー角成分は、例えば、光源120から放出された光の方向と、車両の正面または車両の進行方向のうちの少なくとも1つとの間の角度差に基づく正または負の角度値を含み得る。
【0019】
光源120は、光源120に光パルスを放出させるように電流パルスを提供するように構成され得るパルサー回路122を含み得る。例示的な実施形態では、パルサー回路122は、1つまたは複数の電界効果トランジスタ(FET)を含み得る。例えば、パルサー回路122は、光源120から放出された光の1つまたは複数の特性を制御するように動作可能であり得る複数のGaN FETを含んでもよい。例えば、制御可能な特性には、パルス持続時間、パルスパワーなどが含まれ得る。
【0020】
追加的または代替的に、光源120は、電源124を含むことができる。電源124は、光源120に適切な動作条件(例えば、供給電圧/電流)を提供することができる。いくつかのシナリオでは、電源124は、レーザパワー増幅器および/またはシードレーザのうちの1つまたは複数の特性を制御するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、電源124は、光源120によって放出される光の平均エネルギーおよび/または波長を調整するように動作可能であり得る。
【0021】
システム100はまた、コントローラ150も含む。コントローラ150は、車両搭載コンピュータ、外部コンピュータ、または例えばスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのモバイルコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。追加的または代替的に、コントローラ150は、クラウドサーバネットワークなどの遠隔に位置するコンピュータシステムを含んでもよく、またはそれに接続されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ150は、本明細書に記載されたいくつかまたはすべての方法ブロックまたはステップを行うように構成されてもよい。
【0022】
コントローラ150は、1つまたは複数のプロセッサ152と、少なくとも1つのメモリ154と、を含んでもよい。プロセッサ152は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。ソフトウェア命令を実行するように構成される他のタイプのプロセッサ、コンピュータ、またはデバイスが本明細書において想到される。メモリ154は、以下に限定されないが、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、半導体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVDなどの非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0023】
コントローラ150の1つまたは複数のプロセッサ152は、本明細書に記載の様々な動作を実行するために、メモリ154内に格納された命令を実行するように構成されてもよい。
【0024】
追加的または代替的に、コントローラ150は、本明細書に記載の様々な動作を実行するように動作可能な回路(例えば、同期デジタル回路)を含み得る。例えば、回路は、ショットテーブルを含んでもよい。回路の他の機能(例えば、読み取りおよび順序付け)は、同期デジタル論理回路によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、回路およびその動作は、ベリログまたは別のハードウェア記述言語で指定されてもよい。そのようなシナリオでは、コントローラ150は、プロセッサを含む必要はない。
【0025】
いくつかの実施形態では、コントローラ150によって実行される動作は、少なくとも1つの光パルスおよび/または対応する光源120の放出ベクトル130を決定することを含み得る。いくつかの例では、放出ベクトル130は、環境に対する光源120の位置および/または配向に基づいて決定され得る。
【0026】
コントローラ150によって実行される動作は、放出ベクトル130の仰角成分を決定することを含む。一例として、放出ベクトル130の仰角成分を決定することは、基準平面および/または基準軸上の放出ベクトル130のベクトル射影の長さを計算することを含み得る。放出ベクトル130の仰角成分を決定する他の手法が可能であり、想到される。
【0027】
コントローラ150によって実行される動作は、決定された仰角成分に基づいて、1つまたは複数の後続の光パルスのパルス当たりエネルギーを動的に調整することを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、光源120は、所望の走査経路に従う走査パターンで光を放出するように構成され得る。そのようなシナリオでは、コントローラ150は、走査パターンおよび所望の走査経路による放出光の放出ベクトル130を調整するように動作可能であり得る。そのようなシナリオでは、コントローラ150は、走査パターンおよび所望の走査経路の様々な部分に従って提供される放出光のエネルギーを動的に調整し得る。例えば、閾値角度(例えば、ゼロ度の仰角)または平面よりも小さい仰角成分に対応する所望の走査経路の部分について、コントローラ150は、放出光に第1のエネルギーを提供することができる。そのようなシナリオでは、閾値角度よりも大きい仰角成分に対応する所望の走査経路の部分について、コントローラ150は、第2のエネルギーを有する放出光を提供することができる。
【0029】
上記の例は閾値角度を含むが、コントローラ150が光源120からの放出光のエネルギーを動的に調整する間に、他の角度閾値、角度範囲、空間領域、および/または標的位置が考慮され得ることが理解されよう。
【0030】
いくつかの実施形態では、コントローラ150は、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周囲光の状態、太陽位置、車両110の姿勢、車両110の方位、または車両110の動作状態のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、放出光のエネルギーを動的に調整するように動作可能であり得る。例えば、人間の対象者(例えば、歩行者)に安全に提供できる光パルスの効果的な「線量」は、人間の対象者の瞳孔拡張に依存する場合があり、ひいては、時刻または周囲の照明状態などの要因の影響を受ける可能性がある。特に、暗い状態では、人の瞳孔がより収縮される(例えば、縮瞳の)可能性がある明るい状態と比較して、人の拡張した瞳孔(例えば、散瞳)は、大量の所与の光パルスをその人の網膜に透過させ得る。
【0031】
他の例では、コントローラ150は、環境160内の対象の位置またはタイプに基づいて、放出光のエネルギーを調整してもよい。例えば、別の車両が車両110と同じ道路内にある場合、走査範囲内の他の車両の明確な識別を維持するために、比較的高いエネルギーの放出光を提供してもよい。しかしながら、道路標識(例えば、一時停止標識、横断歩道標識など)または他のタイプの静的な対象が観察される場合、そのような対象に向けて放出される後続の光は、比較的低いエネルギーで提供されてもよい。本明細書では、他のそのような「優先度」または「関心領域」に従う放出光エネルギー値の調整が可能であり、想到される。
【0032】
上述のように、再帰反射体は、放出光の平均より高い部分をシステム100に向けて反射し戻す環境160内の対象を表すことができる。場合によっては、検出器を飽和させるか、またはシステムにクロストーク干渉を導入することにより、再帰反射体が一時的にLIDARシステムに「不感(blind)」になり得る。これらの影響を低減するために、コントローラ150は、既知の再帰反射体がある位置に提供される放出光のエネルギーを低減してもよい。例えば、コントローラ150は、環境の他の領域に提供された光の1/100または1/10のエネルギーで再帰反射体に向けて放出光を提供することができる。
【0033】
複数の光パルスとして放出される光を含むシナリオでは、複数の光パルスは、複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス長を10ピコ秒から10ナノ秒の間であるように含むことができる。本明細書では、他のパルス長が可能であり、想到される。
【0034】
追加的または代替的に、コントローラ150は、複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーを動的に調整するように動作可能であり得る。少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーは、10ナノジュール~10マイクロジュールの間であり得る。他のパルスエネルギーが想到され、可能である。例示的な実施形態では、コントローラ150は、光源120のパルサー回路122および/または電源124のうちの少なくとも1つを調整することにより、パルスエネルギーを動的に調整することができる。パルスエネルギーを動的に調整する他の手法が可能であり、想到される。
【0035】
いくつかの実施形態では、複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率は、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にある。他のパルス繰り返し率が想到され、可能である。
【0036】
ファイバレーザである光源120を含む実施形態では、コントローラ150は、シードレーザパラメータ(例えば、シードレーザエネルギー)またはポンプレーザパラメータ(例えば、ポンプレーザエネルギーなど)のうちの少なくとも1つを調整することにより、放出光のエネルギーを動的に調整するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、光源120は、1つまたは複数のレーザダイオード、発光ダイオード、または他のタイプの発光デバイスを含むことができる。例示的な実施形態では、光源120は、903ナノメートル付近の波長で光を放出するように構成されたInGaAs/GaAsレーザダイオードを含むことができる。いくつかの実施形態では、光源120は、レーザダイオード、レーザバー、またはレーザスタックのうちの少なくとも1つを含む。追加的または代替的に、光源120は、1つまたは複数の主発振器パワー増幅器(MOPA)ファイバレーザを含んでもよい。そのようなファイバレーザは、1550ナノメートルまたはその付近で光パルスを提供するように構成され得、シードレーザと、シードレーザ光をより高いパワーレベルに増幅するように構成されたある長さのアクティブ光ファイバと、を含み得る。しかしながら、他のタイプの発光デバイス、材料、および放出波長が可能であり、想到される。
【0037】
いくつかの実施形態では、光源120は、所望の解像度を提供するように、それぞれの標的位置に向かって複数の放出ベクトルに沿って環境に光を放出するように構成される。そのようなシナリオでは、光源120は、放出光がシステム100の外部環境160と相互作用するように、複数の放出ベクトルに沿って光を放出するように動作可能である。
【0038】
図2Aおよび2Bは、それぞれの光放出シナリオ200および230を例示する。
図2Aおよび2Bは直交座標系を含むが、極座標系などの他の座標系も可能であることが理解されよう。
図2Aは、例示的な実施形態による光放出シナリオ200を例示する。シナリオ200は、放出ベクトル210aに沿って光(例えば、光パルスまたは連続光放射)を放出する光源120を含む。
図1を参照して例示および記載されるように、放出ベクトル210aは、車両110の環境160などの環境内の標的位置220aに向けられ得る。放出ベクトル210aは、ベクトル212aおよび214aの合計として表すことができる。
【0039】
例示のように、ベクトル212aは、車両110の進行方向または方位(ここでは、x軸に平行であるとして例示されている)に沿った放出ベクトル210aのベクトル射影であり得る。このようなシナリオでは、ベクトル214aは、車両110の進行方向または方位に垂直な軸(ここでは、z軸に平行であるとして例示されている)に沿った放出ベクトル210aのベクトル射影を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベクトル212aおよび/または214aを使用して、放出ベクトル210aの仰角成分216aを決定することができる。
図2Aに例示するように、仰角成分216aは、x-y平面に対して正の角度値を含み得る。
【0040】
図2Bは、例示的な実施形態による光放出シナリオ230を例示する。シナリオ230は、放出ベクトル210bに沿って光(例えば、光パルスまたは連続光放射)を放出する光源120を含む。
図1を参照して例示および記載されるように、放出ベクトル210bは、車両110の環境160などの環境内の標的位置220bに向けられ得る。放出ベクトル210bは、ベクトル212bおよび214bの合計として表すことができる。
【0041】
例えば、ベクトル212bは、車両110の進行方向または方位(ここでは、x軸に平行であるとして例示されている)に沿った放出ベクトル210bのベクトル射影であり得る。そのようなシナリオでは、ベクトル214bは、車両110の進行方向または方位に垂直な軸(ここでは、z軸に平行であるとして例示されている)に沿った放出ベクトル210bのベクトル射影を含み得る。いくつかの実施形態では、ベクトル212bおよび/または214bを使用して、放出ベクトル210bの仰角成分216bを決定することができる。
図2Aに例示されるように、仰角成分216aは、x-y平面に対して負の角度値を含み得る。
【0042】
図2Aおよび2Bは、それぞれの仰角成分を有する特定の光放出シナリオを各々例示しているが、光源120は、車両110の環境160を走査するために、急速に変化する方向においておよび様々な標的位置に向かって光を放出することができることが理解されよう。したがって、仰角は、連続的かつ動的にリアルタイムで、または様々な時間に(例えば、定期的に、および/または標的の関心領域の決定に応答して)コントローラ150によって決定することができる。
【0043】
図3は、例示的な実施形態による車両を例示する。車両300は、1つまたは複数のセンサシステム302、304、306、308、および310を含むことができる。1つまたは複数のセンサシステム302、304、306、308、および310は、
図4を参照して以下に例示および記載されるように、センサシステム410と同様または同一であり得る。一例として、センサシステム302、304、306、308、および310は、伝送ブロック420を含み得る。すなわち、センサシステム302、304、306、308、および310は、所与の平面(例えば、x-y平面)に対してある範囲の角度にわたって配列された複数の発光体デバイスを有するLIDARセンサを含み得る。
【0044】
センサシステム302、304、306、308、および310のうちの1つまたは複数は、所与の平面に垂直な軸(例えば、z軸)の周りを回転して、車両300の周りの環境を光パルスで照明するように構成されてもよい。反射光パルスの様々な態様(例えば、飛行時間の経過、偏光など)の検出に基づいて、環境に関する情報を決定してもよい。
【0045】
例示的な実施形態では、センサシステム302、304、306、308、および310は、車両300の環境内の物理的対象に関連し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成されてもよい。システム100、車両300、ならびにセンサシステム302および304は、特定の特徴を含むものとして例示されているが、他のタイプのシステムが本開示の範囲内で想到されることが理解されよう。
【0046】
例示的な実施形態は、複数の発光体デバイスを有するシステムを含んでもよい。システムは、LIDARデバイスの伝送ブロックを含んでもよい。例えば、システムは、車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ、ゴルフカート、航空機、ボートなど)のLIDARデバイスであってもよいし、またはその一部であってもよい。複数の発光体デバイスの各発光体デバイスは、それぞれのビーム仰角に沿って光パルスを放出するように構成される。本明細書の他の箇所で記載するように、それぞれのビーム仰角は、基準角度または基準平面に基づくことができる。いくつかの実施形態では、基準平面は、車両の運動軸に基づいてもよい。
【0047】
本明細書の特定の記載および例図は複数の発光体デバイスを有するシステムを記載しているが、より少ない発光体デバイス(例えば、単一の発光体デバイス)を有するLIDARシステムもまた本明細書で想到される。例えば、レーザダイオードによって放出された光パルスは、システムの環境の周りに制御可能に向けられてもよい。光パルスの放出角度は、例えば、機械的走査ミラーおよび/または回転モータなどの走査デバイスによって調整されてもよい。例えば、走査デバイスは、所与の軸の周りに往復運動で回転すること、および/または垂直軸の周りに回転することができる。別の実施形態では、発光体デバイスは、回転するプリズムミラーに向けて光パルスを放出してもよく、それにより、各光パルスと相互作用するときにプリズムミラー角度のある角度に基づいて光パルスを環境に放出させてもよい。追加的または代替的に、環境の周りの光パルスを走査するために、走査光学系および/または他のタイプの電気光学機械デバイスが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように、単一の発光体デバイスは、可変ショットスケジュールに従って、および/またはショット当たりの可変パワーで光パルスを放出してもよい。すなわち、各レーザパルスまたはショットの放出パワーおよび/またはタイミングは、ショットのそれぞれの仰角に基づくことができる。さらに、可変ショットスケジュールは、LIDARシステムから、またはLIDARシステムを支持する所与の車両の表面(例えば、フロントバンパー)から所与の距離で所望の垂直間隔を提供することに基づくことができる。一例として、発光体デバイスからの光パルスが下へ向けられると、標的までの予想される最大距離が短くなるため、ショットあたりのパワーが低下する可能性がある。逆に、基準平面より上の仰角で発光体デバイスによって放出された光パルスは、より長い距離を移動するパルスを適切に検出するのに十分な信号対雑音を提供するように、ショット当たりのパワーが比較的高くなり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、ショット当たりのパワー/エネルギーは、動的な様式でショットごとに制御され得る。他の実施形態では、ショット当たりのパワー/エネルギーは、いくつかのパルスの連続セット(例えば、10個の光パルス)について制御され得る。すなわち、光パルス列の特性は、パルス当たろおよび/または数パルス当たろに変更することができる。
【0050】
図4は、例示的な実施形態による検知システム410を例示する。検知システム410は、
図1を参照して例示および記載されるように、システム100の要素のうちの一部または全てを含むことができる。検知システム410は、光検出および測距(LIDAR)システムであってもよい。検知システムは、伝送ブロック420、受信ブロック430、共有空間440、およびレンズ450などの様々な構成要素の配列を収容するハウジング412を含む。検知システム410は、レンズ450によって平行にされ、平行光ビーム454として検知システム410の環境に伝送される、伝送ブロック420からの放出光ビーム452を提供するように構成された構成要素の配列を含む。さらに、検知システム410は、集束光458として受信ブロック430に向けて集束するために、レンズ450によって検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象からの反射光456を収集するように構成された構成要素の配列を含む。反射光456は、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象によって反射された平行光ビーム454からの光を含む。
【0051】
放出光ビーム452および集束光458は、同様にハウジング410に含まれる共有空間440を横断することができる。いくつかの実施形態では、放出光ビーム452は、共有空間440を通る伝送経路に沿って伝播し、集束光458は、共有空間440を通る受信経路に沿って伝播する。
【0052】
検知システム410は、受信ブロック430によって受信された集束光458を処理することによって、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象の態様(例えば、位置、形状など)を決定することができる。例えば、検知システム410は、放出光ビーム452に含まれるパルスが伝送ブロック420によって放出された時間と、集束光458に含まれる対応するパルスが受信ブロック430によって受信された時間とを比較し、その比較に基づいて、1つまたは複数の対象と検知システム410との間の距離を決定することができる。
【0053】
検知システム410に含まれるハウジング412は、検知システム410に含まれる様々な構成要素を取り付けるためのプラットフォームを提供することができる。ハウジング412は、ハウジング412の内部空間に含まれる検知システム410の様々な構成要素を支持することができる任意の材料から形成することができる。例えば、ハウジング412は、プラスチックまたは金属などの構造材料から形成されてもよい。
【0054】
いくつかの例では、ハウジング412は、周囲光および/または伝送ブロック420から受信ブロック430への放出光ビーム452の意図しない伝送を低減するように構成された光学シールドを含んでもよい。光シールドは、環境からの周囲光を遮断する材料でハウジング412の外面を形成および/またはコーティングすることによって提供することができる。追加的に、ハウジング412の内面は、伝送ブロック420を受信ブロック430から光学的に隔離して、放出光ビーム452がレンズ450に到達する前に受信ブロック430が放出光ビーム452を受信するのを防ぐために、上述の材料を含むこと、および/またはその材料でコーティングすることができる。
【0055】
いくつかの例では、ハウジング412は、センサシステム410の周囲環境からの電磁雑音(例えば、無線周波数(RF)雑音など)および/または伝送ブロック420と受信ブロック430の間の電磁雑音を低減する電磁シールドのために構成することができる。電磁シールドは、伝送ブロック420によって放出された放出光ビーム452の品質を改善し、受信ブロック430によって受信されるおよび/または提供される信号の雑音を低減することができる。電磁シールドは、金属、金属インク、金属発泡体、炭素発泡体、または電磁放射を適切に吸収または反射するように構成された任意の他の材料などの、1つまたは複数の材料でハウジング412を形成および/またはコーティングすることによって達成することができる。電磁シールドに使用することができる金属としては、例えば、銅またはニッケルを挙げることができる。
【0056】
いくつかの例では、ハウジング412は、実質的に円筒形の形状を有し、検知システム410の軸の周りを回転するように構成することができる。例えば、ハウジング412は、約10センチメートルの直径を有する実質的に円筒形の形状を有することができる。いくつかの例では、軸は、実質的に垂直である。様々な構成要素を含むハウジング412を回転させることにより、いくつかの例では、検知システム410の様々な構成要素の配列を頻繁に再較正することなく、検知システム410の環境の360度ビューの3次元マップを決定することができる。追加的または代替的に、検知システム410は、検知システム410の視野を制御するために、ハウジング412の回転軸を傾けるように構成されてもよい。
【0057】
図4には例示されていないが、検知システム410は、任意選択的に、ハウジング412用の取り付け構造を含んでもよい。取り付け構造は、検知システム410の軸の周りでハウジング412を回転させるためのモータまたは他の手段を含むことができる。代替的に、取り付け構造は、検知システム410以外のデバイスおよび/またはシステムに含めることができる。
【0058】
いくつかの例では、伝送ブロック420、受信ブロック430、およびレンズ450などの検知システム410の様々な構成要素は、所定の位置でハウジング412に取り外し可能に取り付けられて、各構成要素および/または各構成要素に含まれるサブ構成要素の配列を較正する負担を減らすことができる。したがって、ハウジング412は、検知システム410の様々な構成要素のためのプラットフォームとして機能し、検知システム410の組み立て、保守、較正、および製造の容易さを提供する。
【0059】
伝送ブロック420は、出口開口部426を介して複数の放出光ビーム452を放出するように構成され得る複数の光源422を含む。いくつかの例では、複数の放出光ビーム452のそれぞれは、複数の光源422のうちの1つに対応する。伝送ブロック420は、任意選択的に、光源422と出口開口部426との間の放出光ビーム452の伝送経路に沿ってミラー424を含むことができる。
【0060】
光源422としては、レーザダイオード、発光ダイオード(LED)、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、または光を選択的に伝送、反射、および/または放出して、複数の放出光ビーム452を提供するように構成された任意の他のデバイスを挙げることができる。いくつかの例では、光源422は、受信ブロック430に含まれる検出器432によって検出することができる波長範囲で放出光ビーム52を放出するように構成することができる。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分にあってもよい。いくつかの例では、波長範囲は、レーザによって提供されるような、狭い波長範囲であり得る。一例では、波長範囲は、約905nmである波長を含む。追加的に、光源422は、放出光ビーム452をパルスの形態で放出するように構成することができる。いくつかの例では、複数の光源422は、1つまたは複数の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配置され、複数の光ビーム452を出口開口部426に向けて放出するように配列され得る。
【0061】
いくつかの例では、複数の光源422は、放出光ビーム452に含まれる非平行光ビームを放出するように構成することができる。例えば、放出光ビーム452は、複数の光源422によって放出された非平行光ビームによって伝送経路に沿って1つまたは複数の方向に発散することができる。いくつかの例では、伝送経路に沿った任意の位置での放出光ビーム452の垂直および水平範囲は、複数の光源422によって放出された非平行光ビームの発散の範囲に基づくことができる。
【0062】
放出光ビーム452の伝送経路に沿って配列された出口開口部426は、出口開口部426で複数の光源422によって放出された複数の光ビーム452の垂直および水平範囲に適応するように構成され得る。
図4に示されるブロック図は、説明の便宜上、機能モジュールに関連して説明されることに留意されたい。しかしながら、
図4のブロック図の機能モジュールは、他の場所に物理的に実装することができる。例えば、出口開口部426が伝送ブロック420に含まれることが例示されているが、出口開口部426は、伝送ブロック420と共有空間440の両方に物理的に含めることができる。例えば、伝送ブロック420および共有空間440は、出口開口部426を含む壁によって分離することができる。この場合において、出口開口部426は、壁の透明部分に対応することができる。一例では、透明部分は、壁の穴または切り欠き部分であり得る。別の例では、壁は、非透明材料でコーティングされた透明基板(例えば、ガラス)から形成することができ、出口開口部426は、非透明材料でコーティングされていない基板の一部とすることができる。
【0063】
検知システム410のいくつかの例では、複数の光ビーム452の垂直および水平範囲に適応しながら、出口開口部426のサイズを最小化することが望ましい場合がある。例えば、出口開口部426のサイズを最小化することにより、ハウジング412の機能において上述した光源422の光シールドを改善することができる。追加的または代替的に、伝送ブロック420と共有空間440とを分離する壁は、集束光458の受信経路に沿って配列することができ、したがって、出口開口部426を最小化して、集束光458のより大きな部分が壁に到達することを可能にすることができる。例えば、壁は、反射材料(例えば、共有空間440の反射面442)でコーティングすることができ、受信経路は、反射材料によって集束光458を受信ブロック430に向かって反射することを含むことができる。この場合において、出口開口部426のサイズを最小化することにより、集束光458のより大きな部分が、壁をコーティングしている反射材料で反射することを可能にすることができる。
【0064】
出口開口部426のサイズを最小化するために、いくつかの例では、光源422によって放出された非平行光ビームを部分的に平行化して、放出光ビーム452の垂直および水平範囲を最小化し、したがって出口開口部426のサイズを最小化することにより、放出光ビーム452の発散を低減することができる。例えば、複数の光源422の各光源は、光源に隣接して配列された円筒形レンズを含むことができる。光源は、第2の方向よりも第1の方向にさらに発散する対応する非平行化光ビームを放出してもよい。円筒形レンズは、非平行化光ビームを第1の方向に事前に平行化して、部分的に平行化された光ビームを提供し、それにより第1の方向の発散を低減することができる。いくつかの例では、部分的に平行化された光ビームは、第2の方向よりも第1の方向に発散しにくい。同様に、複数の光源422の他の光源からの非平行化光ビームは、第1の方向に縮小されたビーム幅を有し得、したがって放出光ビーム452は、部分的に平行化された光ビームによってより小さな発散となり得る。この例では、光ビーム452を部分的に平行化するため、出口開口部426の垂直および水平範囲の少なくとも一方を減らすことができる。
【0065】
追加的または代替的に、出口開口部426のサイズを最小化するために、いくつかの例では、光源422は、伝送ブロック420によって画定された成形表面に沿って配列することができる。いくつかの例では、成形表面は、ファセット加工および/または実質的に湾曲されてもよい。ファセット加工面および/または湾曲面は、放出光ビーム452が出口開口部426に向かって収束するように構成することができ、したがって、出口開口部426における放出光ビーム452の垂直および水平範囲は、伝送ブロック420のファセット加工面および/または湾曲面に沿った光源422の配列によって低減され得る。
【0066】
いくつかの例では、伝送ブロック420の湾曲面は、放出光ビーム452の発散の第1の方向に沿った曲率と、放出光ビーム452の発散の第2の方向に沿った曲率とを含み得、この結果、複数の光ビーム452が、伝送経路に沿って複数の光源422の前の中央領域に向かって収束する。
【0067】
光源422のそのような湾曲した配列を容易にするために、いくつかの例では、光源422は、1つまたは複数の方向に沿って曲率を有する可撓性基板(例えば、可撓性PCB)上に配置され得る。例えば、湾曲した可撓性基板は、放出光ビーム452の発散の第1の方向および放出光ビーム452の発散の第2の方向に沿って湾曲させることができる。追加的または代替的に、光源422のそのような湾曲した配列を容易にするために、いくつかの例では、光源422は、1つまたは複数の垂直方向に配向したプリント回路基板(PCB)の湾曲した縁部上に配置することができ、その結果、PCBの湾曲した縁部は、第1の方向(例えば、PCBの垂直面)の曲率と実質的に一致する。この例では、1つまたは複数のPCBが、第2の方向(例えば、1つまたは複数のPCBの水平面)の曲率と実質的に一致する水平曲率に沿って伝送ブロック420に取り付けられ得る。例えば、伝送ブロック420は、4つのPCBを含むことができ、各PCBは、伝送ブロック420の湾曲面に沿って64個の光源を提供するように、16個の光源を取り付けている。この例では、64個の光源は、放出光ビーム452が伝送ブロック420の出口開口部426に向かって収束するようなパターンで配列される。
【0068】
伝送ブロック420は、任意選択的に、光源422と出口開口部426との間の放出光ビーム452の伝送経路に沿ってミラー424を含んでもよい。ミラー424を伝送ブロック420に含めることにより、放出光ビーム452の伝送経路を折り曲げて、伝送経路が折り曲げられていない別の伝送ブロックのサイズよりも小さなサイズの伝送ブロック420および検知システム410のハウジング412を提供することができる。
【0069】
受信ブロック430は、入口開口部436を介して集束光458を受信するように構成され得る複数の検出器432を含む。いくつかの例では、複数の検出器432のそれぞれは、複数の光源422の対応する光源によって放出され、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象から反射された光ビームに対応する集束光458の一部を受信するように構成および配列される。受信ブロック430は、任意選択的に、不活性ガス434を有する密閉環境内に検出器432を含んでもよい。
【0070】
検出器432は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、フォトトランジスタ、シリコン光電子増倍管(SiPM)、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合デバイス(CCD)、低温検出器、または放出光ビーム452の波長範囲内の波長を有する集束光458を受信するように構成された任意の他の光センサを含み得る。
【0071】
各検出器432による、複数の光源422の対応する光源からの集束光58の一部の受信を容易にするために、検出器432は、1つまたは複数の基板上に配置され、それに応じて配列され得る。例えば、光源422は、伝送ブロック420の湾曲面に沿って配列され得る。検出器432は、受信ブロック430の湾曲面に沿って配列され得る。いくつかの実施形態では、受信ブロック430の湾曲面は、伝送ブロック420の湾曲面と同様または同一の湾曲面を含んでもよい。したがって、検出器432のそれぞれは、複数の光源422の対応する光源によって最初に放出された光を受信するように構成され得る。
【0072】
受信ブロック430の湾曲面を提供するために、検出器432は、伝送ブロック420に配置された光源422と同様に、1つまたは複数の基板上に配置され得る。例えば、検出器432は、可撓性基板(例えば、可撓性PCB)上に配置され、可撓性基板の湾曲面に沿って配列され、光源422の対応する光源から生じる集束光をそれぞれ受信することができる。この例では、可撓性基板は、受信ブロック430の湾曲面の形状に対応する表面を有する2つのクランプ片の間に保持されてもよい。したがって、この例では、可撓性基板を受信ブロック430上にスライドさせ、2つのクランプ片を使用してそれを正しい曲率で保持することにより、受信ブロック430の組立てを簡略化することができる。
【0073】
受信経路に沿って横断する集束光458は、入口開口部436を介して検出器432によって受信することができる。いくつかの例では、入口開口部436は、複数の光源422によって放出された波長範囲内の波長を有する光を通過させ、他の波長を有する光を減衰させるフィルタリングウィンドウを含むことができる。この例では、検出器432は、波長範囲内の波長を有する光を実質的に含む集束光458を受信する。
【0074】
いくつかの例では、受信ブロック430に含まれる複数の検出器432は、例えば、不活性ガス434で満たされた密閉環境内のアバランシェフォトダイオードを含むことができる。不活性ガス434としては、例えば、窒素が挙げられ得る。
【0075】
共有空間440は、伝送ブロック420からレンズ450への放出光ビーム452の伝送経路を含み、レンズ450から受信ブロック430への集束光458の受信経路を含む。いくつかの例では、伝送経路は、共有空間440内の受信経路と少なくとも部分的に重なる。共有経路440内に伝送経路および受信経路を含めることによって、検知システム410のサイズ、コスト、ならびに/あるいは組み立て、製造、および/または保守の複雑さに関する利点をもたらすことができる。
【0076】
出口開口部426および入口開口部436は、それぞれ伝送ブロック420および受信ブロック430の一部として例示されているが、そのような開口部は、他の場所に配列または配置されてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、出口開口部426および入口開口部436の機能および構造を組み合わせてもよい。例えば、共有空間440は、共有の入口/出口開口部を含んでもよい。システム410の光学構成要素をハウジング412内に配列する他の手法が可能であり、想到されることが理解されよう。
【0077】
いくつかの例では、共有空間40は、反射面442を含むことができる。反射面442は、受信経路に沿って配列することができ、集束光458を入口開口部436に向けて検出器432上に反射するように構成することができる。反射面442は、プリズム、ミラー、または集束光458を受信ブロック430内の入口開口部436に向かって反射するように構成された任意の他の光学要素を含んでもよい。いくつかの例では、壁が、共有空間440を伝送ブロック420から分離してもよい。これらの例では、壁は、透明基板(例えば、ガラス)を含んでもよく、反射面442は、出口開口部426用のコーティングされていない部分を有する壁上の反射コーティングを含んでもよい。
【0078】
反射面442を含む実施形態では、反射面442は、伝送ブロック420内のミラー424と同様に受信経路を折り曲げることにより、共有空間440のサイズを縮小することができる。追加的または代替的に、いくつかの例では、反射面442は、集束光458を受信ブロック430に向けることができ、さらに、ハウジング412内の受信ブロック430の配置に柔軟性を提供する。例えば、反射面442の傾斜を変化させることにより、集束光458をハウジング412の内部空間の様々な部分に反射させることができ、したがって、受信ブロック430をハウジング412内の対応する位置に配置することができる。追加的にまたは代替的に、この例では、検知システム10は、反射面442の傾斜を変化させることによって較正することができる。
【0079】
ハウジング412に取り付けられたレンズ450は、伝送ブロック420内の光源422から放出光ビーム452を平行化するとともに、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象からの反射光456を受信ブロック430内の検出器432上に集束するための光パワーを有することができる。一例では、レンズ450は、約120mmの焦点距離を有する。平行化用の伝送レンズおよび集束用の受信レンズの代わりに、同じレンズ450を使用してこれらの機能の両方を実行することにより、サイズ、コスト、および/または複雑さに関する利点をもたらすことができる。いくつかの例では、放出光ビーム452を平行化して平行化光ビーム454を提供することにより、検知システム10の環境内の1つまたは複数の対象まで平行化光ビーム454が移動した距離を決定することができる。
【0080】
本明細書に記載のように、レンズ450は伝送レンズおよび受信レンズとして利用されるが、別個のレンズおよび/または他の光学要素が本開示の範囲内で想到されることが理解されよう。例えば、レンズ450は、別個の光伝送および受信経路に沿った別個のレンズまたはレンズセットを表すことができる。
【0081】
例示的なシナリオでは、伝送経路に沿って横断する光源422からの放出光ビーム452は、レンズ450によって平行化されて、平行化光ビーム454を検知システム410の環境に提供することができる。次に、平行化光ビーム454は、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象で反射し、反射光456としてレンズ450に戻ることができる。次に、レンズ450は、反射光456を収集し、集束光458として受信ブロック30に含まれる検出器432上に集束させることができる。いくつかの例では、検知システム410の環境内の1つまたは複数の対象の態様は、放出光ビーム452を集束光ビーム58と比較することによって決定することができる。その態様としては、例えば、1つまたは複数の対象の距離、形状、色、および/または材料を挙げることができる。追加的に、いくつかの例では、ハウジング412を回転させることによって、検知システム410の周囲の三次元マップを決定することができる。
【0082】
複数の光源422が伝送ブロック420の湾曲面に沿って配列されるいくつかの例では、レンズ450は、伝送ブロック420の湾曲面に対応する焦点面を有するように構成することができる。例えば、レンズ450は、ハウジング412の外側の非球面と、共有空間440に面するハウジング412の内側の環状面と、を含むことができる。この例では、レンズ450の形状により、レンズ450は、放出光ビーム452を平行化するとともに、反射光456を集束させることができる。追加的に、この例では、レンズ450の形状により、レンズ450は、伝送ブロック420の湾曲面に対応する焦点面を有することができる。いくつかの例では、レンズ450によって提供される焦点面は、伝送ブロック420の湾曲形状と実質的に一致する。追加的に、いくつかの例では、検出器432は、レンズ450によって提供される湾曲した焦点面に沿って集束光458を受信するために、受信ブロック430の湾曲形状に同様に配列され得る。したがって、いくつかの例では、受信ブロック430の湾曲表面はまた、レンズ450によって提供される湾曲した焦点面と実質的に一致し得る。
【0083】
図5A~5Dは、車両および1つまたは複数のセンサシステムを含む様々な検知シナリオのいくつかの図を例示する。
図5Aは、例示的な実施形態による検知シナリオ500における車両300の側面図を例示する。そのようなシナリオでは、センサシステム302は、最大仰角512と最小仰角514との間の仰角範囲510にわたって車両300の環境に光パルスを放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサシステム302は、調整可能な走査領域内の車両300の環境に光を放出するように構成された光源(例えば、ファイバレーザ)を含んでもよい。
【0084】
追加的または代替的に、センサシステム302は、非線形の仰角分布で配列された複数の発光体デバイスを含んでもよい。すなわち、所望の垂直ビーム解像度を達成するために、センサシステム302の複数の発光体デバイスは、隣接するビーム間の異質な仰角差を含むビーム仰角にわたって配列されてもよい。
【0085】
例示的な実施形態では、ある閾値角度または平面(例えば、軸516に対応する水平面)未満の仰角成分を有するセンサシステム302から放出される光は、第1のエネルギーで提供され得る。そのようなシナリオでは、その閾値角度または平面を超える仰角成分を有するセンサシステム302から放出される光は、第1のエネルギーよりも高いまたは低い可能性のある第2のエネルギーで提供され得る。
【0086】
さらなる例として、センサシステム304は、最大仰角522と最小仰角524との間で定義され得る仰角範囲520にわたって車両300の環境に光パルスを放出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、センサシステム304の1つまたは複数の発光体デバイスは、回転ミラー(例えば、プリズムミラー)からの光を反射することによって、車両300の周りの環境を照明することができる。
【0087】
そのような例示的な実施形態では、コントローラ(例えば、
図1を参照して例示および記載されるようなコントローラ150)は、光パルスまたは連続光ビームの放出ベクトルの仰角成分を決定し、決定された仰角成分に基づいて放出光のエネルギーを動的に調整することができる。
【0088】
例示的な実施形態では、ある閾値角度または平面未満の仰角成分(例えば、軸526に対応する水平面および/または
図5Cを参照して記載されるような「地上スキミング」ビーム仰角594)でセンサシステム304から放出される光は、第1のエネルギー(例えば、1マイクロジュール)で提供され得る。そのようなシナリオでは、その閾値角度または平面を超える仰角成分を有するセンサシステム302から放出される光は、第2のエネルギー(例えば、100ナノジュール)で提供され得る。第1および第2のエネルギー値は、本明細書に記載されている値よりも高くまたは低くてもよいことが理解されよう。
【0089】
図5Bは、検知シナリオ550における車両300の背面図を示す。検知シナリオ550に例示されるように、センサシステム302、308および310は、最大仰角562および最小仰角564を有する仰角範囲560にわたって対象を検出するように構成され得る。同様に、センサシステム308および310は、それぞれの最大仰角572aおよび572bならびにそれぞれの最小仰角574aおよび574bによって境界付けられ得る、それぞれの仰角範囲570aおよび570bを提供し得る。
【0090】
例示的な実施形態は、車両が世界中を移動するときに、車両の周りの変化する環境に基づいて、放出光パルス(例えば、パルスエネルギー)の様々な態様を調整することを含み得る。具体的には、放出光パルスの態様は、限定するものではないが、波状道路(例えば、上り坂または下り坂を走行するとき、カーブを回って走行するときの勾配の変化など)、道路上または道路の近くの対象(例えば、歩行者、他の車両、建物など)、あるいは他の静的もしくは動的に変化する環境条件または状況に基づいて、変動し得る。
【0091】
図5Cは、例示的な実施形態による検知シナリオ590を例示する。車両300は、上り坂の道路表面591と接触していてもよい。そのようなシナリオでは、検知の関心対象は、同じ道路表面591と接触している他の車両(例えば、坂を越えて接近して来る交通車)を含み得る。車両の走行経路を妨害する可能性があるそのような対象および/または他の車両は、道路表面591の上方に0~4メートルの間にあり得る。したがって、センサ302は、最小ビーム仰角592と最大ビーム仰角593の間の対象を検知するように動作可能であり得るが、いくつかの実施形態では、最小ビーム仰角592と動的に変化する「地面スキミング」ビーム仰角594との間で得られるデータが、波状の道路表面491に沿って他の車両および対象を検出するために、より重要であるか、またはより高い優先度を有するものとして指定されてもよい。「地上スキミング」ビーム仰角594は、特定の場所588に対応する走査角として動的に定義することができ、これは、道路の上の所定の高さ587にあり得、車両300から所定の距離だけ離れ得る。例示的な実施形態では、特定の場所588は、車両300から約60メートルとすることができ、所定の高さ587は、道路表面591の上方に約4メートルとすることができる。
【0092】
いくつかの実施形態およびいくつかの状況下では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、可能なビーム仰角の全範囲(例えば、最小ビーム仰角592と最大ビーム仰角593の間の全角度範囲の間の角度)を常に走査する必要はない。代わりに、(放出光の他の特性の中でも)ビームの走査範囲、走査レート、走査解像度、およびビームエネルギーは、道路および/または車両300の周りの環境の他の部分の動的に変化するヨー依存の輪郭に基づいて変化し得る。
【0093】
例えば、いくつかのシナリオでは、「地上スキミング」ビーム仰角594と最大ビーム仰角593との間のビーム仰角をまったく走査する必要がない。すなわち、所与のヨー角について、車両300の進行を妨げる可能性のある対象を含まないと予測され得る仰角範囲に光パルスを放出する必要はない。追加的または代替的に、光パルスは、短縮され得るそれらの角度範囲に放出され得、より低いエネルギーで提供され、かつ/または完全に排除され得る。
【0094】
さらに、最小ビーム仰角592と「地上スキミング」ビーム仰角594との間の角度に放出される光パルスの場合、地面上または地面の近くの対象が検出される可能性を上げるために、放出光の特定の態様が調整され得る。例えば、いくつかのシナリオでは、その角度範囲内に存在する対象からの潜在的な戻り信号を増やすために、パルス当たりのエネルギーおよび/または連続ビームエネルギーを増やすことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、車両の周りに(例えば、360度または複数のヨー角にわたって)延びる等高線に基づいて様々なセンサシステムから放出される光の放出エネルギーを調整することを含んでもよく、車両300から所定の距離離れて(例えば、60、100、または200メートル離れて)位置し、かつ/または地面上の所定の高さに位置する実質的に連続した線として定義されてもよい。そのような等高線は、車両300がその環境の周りを移動するときに動的に調整されてもよい。等高線は、地形図または車両300および/または他の車両によって取得された現在もしくは以前の点群情報に基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、等高線は、
図5Cに示される場所588または
図5Dに示される場所589などの、地面上または地面上方の1つまたは複数の特定の場所を通過することができる。
【0096】
例えば、等高線が車両300から60メートルの距離で地面から1メートルの所定の高さを表すシナリオを考える。車両300が地面から1メートルのところに対象のない平坦な地形上にあるとき、等高線は、車両を中心とする半径60メートルの二次元の円によって表すことができる。しかしながら、車両300が地面から1メートルのところで丘陵地および/または対象に遭遇する場合、等高線は、動的に変化する地形的特徴および/または対象データに基づいて、三次元の円、楕円、または不規則な形状を含み得る。いくつかの実施形態では、放出光のエネルギーは、等高線の形状に基づいて動的に調整され得る。
【0097】
図5Dは、例示的な実施形態による、検知シナリオ595を例示する。車両300は、下り坂の道路表面599と接触していてもよい。
図4Eを参照して上記したように、センサ302のいくつかのビーム角度は、他のものよりも「優先」されてもよい。例えば、「地面スキミング」ビーム仰角598は、車両300から離れた所定の距離および地面について所定の高さに対応する特定の場所589(各ヨー角に対して定義され得る)に基づいて動的に変化し得る。「地上スキミング」ビーム仰角598と最小ビーム仰角596との間のビーム仰角の範囲は、他のビーム仰角(例えば、「地上スキミング」ビーム仰角598と最大ビーム仰角597との間のビーム仰角)よりも優先されてもよい。
【0098】
上記のように、いくつかの実施形態では、光パルスは、「地上スキミング」ビーム仰角598を超えるビーム仰角に放出される必要はない。追加的または代替的に、そのような仰角範囲に放出される光パルスのパルス当たりのエネルギーは、完全に低減または排除されてもよい。ヨー依存ビーム角度範囲への光パルスの伝送と受信の他の区別は、例えば、地形図、点群情報、または車両300の環境内の対象および/または地面に関する他の知識に基づいて可能である。いくつかの実施形態では、点群情報は、(運転中よりも早い以前の走査から、および/または同じ経路に沿った車両の以前の運転からの走査から)LIDARシステムを利用する車両によって、あるいはLIDARシステムを利用する別の車両によって収集されてもよい。他の車両は、一般的な車両群の一部である場合もあれば、別の車両群に関連付けられている場合もある。
【0099】
III.例示的方法
図6は、例示的な実施形態による方法600を例示する。方法600は、本明細書に明示的に例示もしくはさもなければ開示されるステップまたはブロックよりも少ないあるいは多いステップまたはブロックを含むことができることが理解されよう。さらに、方法600のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実行することができ、各ステップまたはブロックは、1回または複数回実行することができる。いくつかの実施形態では、方法600のブロックまたはステップの一部または全ては、
図1に関連して例示および記載されるように、コントローラ150によって実行されてもよい。
【0100】
ブロック602は、光検出および測距(LIDAR)システムの光源に放出ベクトルに沿って光を放出させることを含む。いくつかの実施形態では、ブロック602は、光源に複数の光パルスを放出させることを含み得る。例示的な実施形態では、複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス長は、10ピコ秒から10ナノ秒の間の範囲内であり得る。他のパルス長が可能であり、想到されることが理解されるであろう。
【0101】
ブロック604は、走査パターンに従って放出光の放出ベクトルを調整することを含む。一例として、放出光の放出ベクトルを調整することは、放出光と相互作用するLIDARシステムの機械的ミラーを調整することを含み得る。機械的ミラーを調整することにより、LIDARシステムの外部環境に対して放出光の放出ベクトルを変更することができる。追加的または代替的に、放出ベクトルを調整することは、別のタイプの光学要素(例えば、レンズ、開口部など)を調整することを含み得る。放出ベクトルは、数ある可能性の中でもとりわけ、走査経路、所望の空間解像度、および/または関心領域に従って調整することができる。
【0102】
ブロック606は、放出ベクトルの仰角成分を決定することを含む。本明細書に記載のように、仰角成分を決定することは、基準軸または基準面(例えば、水平面)上への放出ベクトルのベクトル射影を決定することを含み得る。追加的または代替的に、仰角成分を決定することは、例えば、他の可能性の中でもとりわけ、機械的ミラーの現在の位置、所与の光源の取り付け位置、視野内の所定の走査パターン内の現在の位置、車両の姿勢(例えば、車両の上り坂または下り坂の角度)に基づいて、仰角成分を提供するルックアップテーブルに問い合わせることを含み得る。そのようなシナリオでは、
図1を参照して例示および記載されるように、ルックアップテーブルは、メモリ154内に格納され得る。追加的または代替的に、ルックアップテーブルは、他の場所(例えば、クラウドサーバまたは別の場所)に格納され得る。
【0103】
ブロック608は、決定された仰角成分に基づいて、放出光のエネルギーを動的に調整することを含む。ブロック608は、複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーを調整することを含み得る。例えば、少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーは、10ナノジュール~10マイクロジュールの間にあり得る。いくつかのシナリオでは、放出光のエネルギーを調整して、標的対象までの距離のさまざまな予測値を考慮することができる。例えば、負の仰角成分(例えば、実質的に下向きのビーム)を有する車載LIDARから放出された光は、地面または地面に沿った別の対象と相互作用することが予想され得る。したがって、そのような仰角で提供される放出光のエネルギーは、「地上スキミング」角度および標的対象までの予測距離が長い他の仰角に対応するものなどの、他の仰角ほど高い必要はない。
【0104】
いくつかの実施形態では、放出光のエネルギーを動的に調整することは、さらに、レーザ安全基準に基づくことができる。例えば、レーザ安全基準としては、レーザの安全な使用に関するアメリカの国家基準(American National Standard for Safe Use of Lasers)(ANSI Z136.1-2014)または他の国際的なレーザ安全基準が挙げられ得る。一例として、レーザ安全基準としては、IEC60825-1および/またはIEC60601-2-22などの国際電気標準会議(IEC)によって確立された基準、ならびに他の同様の基準が挙げられ得る。場合によっては、レーザ安全基準としては、特定の領域に所与の時間および所与の波長で放出される光エネルギーの推奨および/または必須の閾値が挙げられ得る。このようなレーザ安全基準は、IR-A(約800~1400ナノメートル)およびIR-B(約1400~3000ナノメートル)の波長範囲上で具体的に提供され得る。しかしながら、他の波長範囲も可能であり、想到されている。
【0105】
追加的または代替的に、放出光のエネルギーを動的に調整することは、自律型車両のレーザ安全プログラムまたは基準など、現在確立されていなくても、別のタイプのレーザ安全プログラムまたは基準に基づくことができる。
【0106】
適用可能なレーザ安全基準は、その適用可能なレーザ安全基準に準拠するように、最小または最大の滞留時間、線量制限、パルス当たりのエネルギー、機械的スルーレート、および他の制限を設定することによって、本明細書におけるシステムおよび方法に組み込むことができる。
【0107】
さらに、放出光のエネルギーを動的に調整することは、他の可能性の中でも特に、光源のクラス(例えば、クラス2レーザ、クラス3Bレーザなど)、時刻、歩行者が存在するかどうか、都市/農村の場所、閉じられた/開いた道路、車両速度、車両密度に基づくことができる。
【0108】
追加的または代替的に、LIDARシステムが車両に結合されるいくつかの実施形態では、方法600は、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周辺光の状態、太陽の位置、車両の姿勢、車両の方位、または車両の動作状態の少なくとも1つにさらに基づいて、放出光のエネルギーを動的に調整することを含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率は、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にあり得る。他のパルス繰り返し率が可能であり、想到される。
【0110】
いくつかのシナリオでは、光源は、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光を放出するように動作可能なファイバレーザを含む。そのようなシナリオでは、放出光のエネルギーを動的に調整することは、シードレーザ動作パラメータまたはポンプレーザ動作パラメータのうちの少なくとも1つを調整することを含み得る。特定の例として、1550ナノメートルの波長で光を放出するレーザの場合、約40ミリワットの最大光パワーに対応する7mm2のターゲット領域に提供される5μJの最大エネルギー制限を(例えば、レーザ安全基準に基づいて)確立することができる。このようなシナリオでは、環境に放出される光が最大エネルギー制限を下回ったままであるように光源を制御することができる。これを達成するために、機械的ミラーおよび/または回転マウントを移動して、放出光が所与の場所に閾値時間よりも長く滞留しないようにすることができる。追加的または代替的に、パルサー回路または電源は、光源が905ナノメートルで200nJ未満を所与の場所に向けて放出するように調整され得る。他のシナリオ、波長、および最大エネルギー制限が可能であり、想到されることが理解されよう。
【0111】
図に示されている特定の構成は、限定であるとみなされるべきではない。他の実施形態は、所定の図に示される各構成要素をより多く、またはより少なく含むことができることを理解されたい。さらに、図示の構成要素のうちのいくつかの構成要素は、組み合わせることができる、または省略することができる。なおもさらには、例示的な実施形態は、図に示されていない構成要素を含むことができる。
【0112】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書において説明される方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成することができる回路に対応することができる。代替的に、またはさらに、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、物理コンピュータ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは特定用途向け集積回路(ASIC))、またはプログラムコードの一部(関連データを含む)に対応することができる。プログラムコードは、特定の論理機能または処理を方法または技術において実行するプロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む、ストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0113】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって格納するコンピュータ可読媒体のような非一時的なコンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって格納する非一時的なコンピュータ可読媒体も含むこともできる。このように、コンピュータ可読媒体は、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは長期永続的ストレージを含むことができる。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読記憶媒体、または有形のストレージデバイスであると考えることができる。
【0114】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態が当業者には明らかであろう。開示される様々な例および実施形態は、例示目的であり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両と、
前記車両に結合された光源であって、前記車両の環境に向かって少なくとも1つの光パルスを放出するように構成された、光源と、
コントローラであって、
前記少なくとも1つの光パルスの放出ベクトルを決定し、
前記放出ベクトルの仰角成分を決定し、
前記車両から所定の距離にある道路の上方の所定の高さに基づいて地上スキミングビーム仰角を動的に決定し、
前記仰角成分を前記地上スキミングビーム仰角と比較し、かつ
前記比較に基づいて、少なくとも1つの後続の光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能な、コントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記光源が、走査パターンで光を放出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記走査パターンに従って、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記放出ベクトルを調整するようにさらに動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周辺光の状態、太陽の位置、前記車両の姿勢、前記車両の方位、または前記車両の動作状態のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
光検出および測距(LIDAR)システムをさらに備え、前記光源が、前記LIDARシステムの要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの後続の光パルスが、複数の光パルスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能であり、前記少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーが、10ナノジュール~10マイクロジュールの間にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率が、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記光源が、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光パルスを放出するように動作可能なファイバレーザを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラが、シードレーザパラメータまたはポンプレーザパラメータのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整するように動作可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記所定の距離が、前記車両から60~200メートルの間にあり、前記所定の高さが、前記道路の上方に0~4メートルの間にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
光検出および測距(LIDAR)システムの光源によって放出された光パルスの放出ベクトルを決定することと、
前記放出ベクトルの仰角成分を決定することと、
車両から所定の距離にある道路の上方の所定の高さに基づいて地上スキミングビーム仰角を動的に決定することと、
前記仰角成分を前記地上スキミングビーム仰角と比較することと、
前記比較に基づいて、前記光源によって放出された少なくとも1つの後続の光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記LIDARシステムが、前記車両に結合され、前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、点群データ、マップデータ、画像データ、対象データ、再帰反射体の場所データ、時刻、周辺光の状態、太陽の位置、前記車両の姿勢、前記車両の方位、または前記車両の動作状態のうちの少なくとも1つにさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光源に複数の光パルスを放出させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの後続の光パルスのパルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、前記複数の光パルスのうちの少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーを調整することを含み、前記少なくとも1つの光パルスのパルスエネルギーが、10ナノジュール~10マイクロジュールの間にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の光パルスのうちの少なくとも一部のパルス繰り返し率が、50キロヘルツ~1メガヘルツの間にある、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記光源が、905ナノメートルまたは1550ナノメートルの波長を有する光を放出するように動作可能なファイバレーザを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、シードレーザ動作パラメータまたはポンプレーザ動作パラメータのうちの少なくとも1つを調整することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの後続の光パルスの前記パルス当たりのエネルギーを動的に調整することが、レーザ安全基準にさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の距離が、前記車両から60~200メートルの間にあり、前記所定の高さが、前記道路の上方に0~4メートルの間にある、請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】