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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145738
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/26 20060101AFI20220926BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G01J3/26
G02B5/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119556
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2021025402の分割
【原出願日】2017-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】笠原 隆
(72)【発明者】
【氏名】柴山 勝己
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 真樹
(72)【発明者】
【氏名】川合 敏光
(72)【発明者】
【氏名】大山 泰生
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 有未
(57)【要約】
【課題】高感度且つ高精度な検出を可能とするフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタ装置は、窓部15が設けられたパッケージ2と、パッケージ2の内面に配置されたバンドパスフィルタ14と、パッケージ2内に配置されたファブリペロー干渉フィルタ10Aと、を備える。光の入射方向から見た場合に、バンドパスフィルタ14の外縁は、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの外縁よりも外側に位置している。ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、基板と、基板における窓部15側の第1表面に配置された第1層構造体と、基板における窓部15とは反対側の第2表面側に一体的に設けられたレンズ部と、を有する。第1層構造体は、第1ミラー部を含む第1積層体と、空隙を形成する中間層と、第2ミラー部を含む第2積層体と、を有する。光の入射方向から見た場合に、レンズ部は、空隙の内側に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射させる窓部が設けられたパッケージと、
前記パッケージの内面に配置され、前記窓部から入射した前記光を透過させるバンドパスフィルタと、
前記パッケージ内に配置され、前記バンドパスフィルタを透過した前記光を透過させるファブリペロー干渉フィルタと、を備え、
前記光の入射方向から見た場合に、前記バンドパスフィルタの外縁は、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁よりも外側に位置しており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、
前記窓部側の第1表面及び前記窓部とは反対側の第2表面を有する基板と、
前記第1表面に配置され、空隙を介して互いに対向し且つ互いの距離が可変とされた第1ミラー部及び第2ミラー部が設けられた第1層構造体と、
前記第2表面側に一体的に設けられ、前記第1ミラー部及び前記第2ミラー部を透過した前記光を集光するレンズ部と、を有し、
前記第1層構造体は、
前記第1表面に配置され、前記第1ミラー部を含む第1積層体と、
前記第1積層体上に配置され、前記空隙を形成する中間層と、
前記中間層上に配置され、前記第2ミラー部を含む第2積層体と、を有し、
前記光の入射方向から見た場合に、前記レンズ部は、前記空隙の内側に位置している、フィルタ装置。
【請求項2】
光を入射させる窓部が設けられたパッケージと、
前記パッケージの内面に配置され、前記窓部から入射した前記光を透過させるバンドパスフィルタと、
前記パッケージ内に配置され、前記バンドパスフィルタを透過した前記光を透過させるファブリペロー干渉フィルタと、を備え、
前記光の入射方向から見た場合に、前記バンドパスフィルタの外縁は、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁よりも外側に位置しており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、
前記窓部側の第1表面及び前記窓部とは反対側の第2表面を有する基板と、
前記第1表面に配置され、空隙を介して互いに対向し且つ互いの距離が可変とされた第1ミラー部及び第2ミラー部が設けられた第1層構造体と、
前記第2表面側に一体的に設けられ、前記第1ミラー部及び前記第2ミラー部を透過した前記光を集光するレンズ部と、
前記第1層構造体に設けられた第1端子及び第2端子と、を有し、
前記第1層構造体は、
前記第1表面に配置され、前記第1ミラー部を含む第1積層体と、
前記第1積層体上に配置され、前記空隙を形成する中間層と、
前記中間層上に配置され、前記第2ミラー部を含む第2積層体と、を有し、
前記光の入射方向から見た場合に、前記第1端子及び前記第2端子は、前記レンズ部の外側に位置している、フィルタ装置。
【請求項3】
前記レンズ部は、前記基板のうち前記第2表面側の部分に形成されている、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記レンズ部は、前記第2表面に直接的又は間接的に設けられている、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記ファブリペロー干渉フィルタは、
前記第2表面に配置され、前記第1層構造体に対応するように構成された第2層構造体を更に有し、
前記第2層構造体には、前記第1ミラー部及び前記第2ミラー部を透過した前記光が通過する開口が形成されており、
前記レンズ部は、前記開口内に配置されている、請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記ファブリペロー干渉フィルタは、
前記第2表面に配置され、前記第1層構造体に対応するように構成された第2層構造体を更に有し、
前記第2層構造体には、前記第1ミラー部及び前記第2ミラー部を透過した前記光が通過する開口が形成されており、
前記レンズ部は、前記開口を塞ぐように前記第2層構造体に取り付けられている、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記光の入射方向から見た場合に、前記レンズ部の外縁は、前記窓部の外縁よりも内側に位置している、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記パッケージの前記内面と前記バンドパスフィルタとの間に配置された光透過部材を更に備え、
前記光の入射方向から見た場合に、前記バンドパスフィルタの前記外縁は、前記光透過部材の外縁よりも内側に位置している、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記光の入射方向から見た場合に、前記窓部の外縁は、前記光透過部材の前記外縁、前記バンドパスフィルタの前記外縁、及び前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁よりも内側に位置している、請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記パッケージは、側壁及び天壁を含み、
前記天壁には、前記窓部として機能する開口が形成されており、
前記光透過部材は、前記天壁の前記開口内及び前記側壁の内面に至っており、
前記光透過部材の光入射面は、前記天壁の前記開口において前記天壁の外面と略面一となっている、請求項8又は9に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタを備えるフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窓部が設けられたパッケージと、パッケージ内において、窓部から入射した光を透過させるファブリペロー干渉フィルタと、パッケージ内において、ファブリペロー干渉フィルタを透過した光を検出する光検出器と、を備える光検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-211860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような光検出装置においては、ファブリペロー干渉フィルタを透過した光が光検出器によって効率良く検出されることが望ましい。特に、汎用的な光源を用いて、被測定物からの反射光を分析するような場合には、反射光の光量が小さくなり易いことから、光を効率良く検出することが重要となる。
【0005】
光を効率良く検出するために、受光領域の大きいフォトダイオード等の光検出器を用いることが考えられる。しかし、受光領域の大きい光検出器を用いると、光検出器から出力される信号においてノイズ成分が大きくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、高感度且つ高精度な検出が可能な光検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光検出装置は、光を入射させる窓部が設けられたパッケージと、パッケージ内に配置され、窓部から入射した光を透過させるファブリペロー干渉フィルタと、ファブリペロー干渉フィルタから離れた状態でパッケージ内に配置され、ファブリペロー干渉フィルタを透過した光を検出する光検出器と、を備え、ファブリペロー干渉フィルタは、窓部側の第1表面及び光検出器側の第2表面を有する基板と、第1表面に配置され、空隙を介して互いに対向し且つ互いの距離が可変とされた第1ミラー部及び第2ミラー部が設けられた第1層構造体と、第2表面側に一体的に設けられ、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光を光検出器に集光するレンズ部と、を有する。
【0008】
上述した光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタが、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光を光検出器に集光するレンズ部を有している。これにより、受光領域の小さい光検出器を用いたとしても、当該受光領域に、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光を効率良く入射させることができる。つまり、受光領域の小さい光検出器を用いて、光検出器から出力される信号においてノイズ成分を小さくしつつ、ファブリペロー干渉フィルタを透過した光を効率良く検出することができる。ここで、光検出器の受光領域が小さくなると、光検出器に対するレンズ部の位置(特に、光軸に垂直な方向における位置)に高い精度が要求される。上述した光検出装置では、第1ミラー部及び第2ミラー部の後段にレンズ部が位置しているため、第1ミラー部及び第2ミラー部の前段にレンズ部が位置している場合に比べ、レンズ部と光検出器との距離が小さくなり、光検出器に対するレンズ部の位置に要求される精度が緩和される。また、レンズ部が、ファブリペロー干渉フィルタを構成する基板の第2表面側に一体的に設けられているため、レンズ部がファブリペロー干渉フィルタとは別体で支持部材(例えば、パッケージ内において、ファブリペロー干渉フィルタが光検出器から離れた状態でファブリペロー干渉フィルタを支持する支持部材)に取り付けられている場合に比べ、光検出器に対するレンズ部の位置にずれが生じ難い。以上により、上述した光検出装置によれば、高感度且つ高精度な検出が可能となる。
【0009】
本発明の光検出装置では、レンズ部は、基板のうち第2表面側の部分に形成されていてもよい。この構成では、基板とレンズ部との間に界面が存在しないため、光学的なロスを抑制することができると共に、レンズ部の剥がれ等を防止することができる。また、半導体製造プロセスにおいて、レンズ部を高い位置精度で容易に形成することができる。
【0010】
本発明の光検出装置では、レンズ部は、第2表面に直接的又は間接的に設けられていてもよい。この構成によれば、レンズ部が基板の一部分に形成されている場合に比べ、ファブリペロー干渉フィルタの応力バランスを向上させることができる。また、レンズ部が採り得る形状(レンズ面の曲率等)の自由度を大きくすることができる。
【0011】
本発明の光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタは、第2表面に配置され、第1層構造体に対応するように構成された第2層構造体を更に有し、第2層構造体には、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光が通過する開口が形成されており、レンズ部は、開口内に配置されていてもよい。この構成によれば、レンズ部が基板とは別体であったとしても、レンズ部の位置にずれが生じるのを抑制することができる。また、ファブリペロー干渉フィルタの厚さが大きくなるのを抑制しつつ、例えば、レンズ部が開口内に配置されている分だけレンズ部の厚さを大きくすることで、レンズ部の集光機能を向上させることができる。更に、レンズ部の全体を開口内に配置することで、レンズ部の破損及び汚染を防止することができる。
【0012】
本発明の光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタは、第2表面に配置され、第1層構造体に対応するように構成された第2層構造体を更に有し、第2層構造体には、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光が通過する開口が形成されており、レンズ部は、開口を塞ぐように第2層構造体に取り付けられていてもよい。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタにおいて、基板の第1表面側と第2表面側との間の応力バランスを向上させることができる。また、レンズ部50が採り得る形状(レンズ面の曲率等)の自由度を大きくすることができる。
【0013】
本発明の光検出装置では、光の入射方向から見た場合に、レンズ部の外縁は、窓部の外縁よりも内側に位置しており、光検出器の受光領域の外縁よりも外側に位置していてもよい。この構成によれば、第1ミラー部及び第2ミラー部を透過した光を光検出器の受光領域に効率良く入射させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高感度且つ高精度な検出が可能な光検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の光検出装置の断面図である。
図2図1に示される光検出装置の平面図である。
図3図1に示される光検出装置のファブリペロー干渉フィルタの平面図である。
図4図3に示されるIV-IV線に沿ってのファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
図5図4に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図6】第2実施形態の光検出装置の断面図である。
図7図6に示される光検出装置のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
図8図7に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図9】第3実施形態の光検出装置の断面図である。
図10図9に示される光検出装置のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
図11図10に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図12図10に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図13図10に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図14図10に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図15図10に示されるファブリペロー干渉フィルタの変形例の断面図である。
図16】ファブリペロー干渉フィルタの参考例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
[第1実施形態]
[光検出装置の構成]
【0017】
図1に示されるように、光検出装置1Aは、パッケージ2を備えている。パッケージ2は、ステム3と、キャップ4と、を有するCANパッケージである。キャップ4は、側壁5及び天壁6によって一体的に構成されている。天壁6は、ラインLに平行な方向においてステム3と対向している。ステム3及びキャップ4は、例えば金属からなり、互いに気密に接合されている。
【0018】
ステム3の内面3aには、配線基板7が例えば接着剤によって固定されている。配線基板7の基板材料としては、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等を用いることができる。配線基板7には、光検出器8、及びサーミスタ等の温度補償用素子(図示省略)が実装されている。光検出器8は、パッケージ2内においてラインL上に配置されている。より具体的には、光検出器8は、その受光領域の中心線がラインLに一致するようにパッケージ2内に配置されている。光検出器8は、例えば、InGaAs等が用いられた量子型センサ、サーモパイル又はボロメータ等が用いられた熱型センサ等の赤外線検出器である。紫外、可視、近赤外の各波長域の光を検出する場合には、光検出器8として、例えば、シリコンフォトダイオード等を用いることができる。なお、光検出器8の受光領域は、1つの受光部によって構成されていてもよいし、或いは、複数の受光部によって構成されていてもよい。複数の受光部によって構成された受光領域を有する光検出器8は、例えば、フォトダイオードアレイ、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等である。また、複数の光検出器8が配線基板7に実装されていてもよい。その場合、複数の光検出器8の受光部の集合を受光領域と捉えることができる。
【0019】
配線基板7上には、複数のスペーサ(支持部)9が例えば接着剤によって固定されている。複数のスペーサ9は、光検出器8及び温度補償用素子を挟むように或いは囲むように、パッケージ2内に配置されている。各スペーサ9の材料としては、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等を用いることができる。複数のスペーサ9上には、ファブリペロー干渉フィルタ10Aが例えば接着剤によって固定されている。ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、パッケージ2内においてラインL上に配置されている。より具体的には、ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、その光透過領域10aの中心線がラインLに一致するようにパッケージ2内に配置されている。スペーサ9は、ファブリペロー干渉フィルタ10Aが光検出器8から離れた状態で(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10Aと光検出器8との間に空間が形成された状態で)ファブリペロー干渉フィルタ10Aを支持している。つまり、ファブリペロー干渉フィルタ10Aと光検出器8とは、互いに離れた状態でパッケージ2内に配置されている。なお、スペーサ9は、配線基板7と一体的に構成されていてもよい。また、ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、複数のスペーサ9によってではなく、1つのスペーサ9によって支持されていてもよい。また、スペーサ9は、ファブリペロー干渉フィルタ10Aと一体的に構成されていてもよい。
【0020】
ステム3には、複数のリードピン11が固定されている。より具体的には、各リードピン11は、ステム3との間の電気的な絶縁性及び気密性が維持された状態で、ステム3を貫通している。各リードピン11には、配線基板7に設けられた電極パッド、光検出器8の端子、温度補償用素子の端子、及びファブリペロー干渉フィルタ10Aの端子のそれぞれが、ワイヤ12によって電気的に接続されている。これにより、光検出器8、温度補償用素子、及びファブリペロー干渉フィルタ10Aのそれぞれに対する電気信号の入出力等が可能である。
【0021】
パッケージ2には、開口2aが形成されている。より具体的には、開口2aは、その中心線がラインLに一致するようにキャップ4の天壁6に形成されている。天壁6の内面6aには、開口2aを塞ぐように光透過部材13が配置されている。光透過部材13は、開口2a内及び側壁5の内面5aに至っており、開口2aを気密に封止している。光透過部材13は、少なくとも光検出装置1Aの測定波長範囲の光を透過させる。光透過部材13の光入射面13aは、開口2aにおいて天壁6の外面と略面一となっている。このような光透過部材13は、開口2aを下側にした状態でキャップ4の内側にガラスペレットを配置し、そのガラスペレットを溶融させることで、形成される。つまり、光透過部材13は、融着ガラスからなる。パッケージ2では、光透過部材13のうち開口2a内に位置する部分が、外部からパッケージ2内に光を入射させる窓部15として機能する。なお、例えば、ガラス、石英、シリコン、ゲルマニウム、プラスチック等からなる板状の光透過部材13が、開口2aを塞ぐように天壁6の内面6aに気密に接合されていてもよい。その場合、開口2a内の領域が窓部15として機能する。つまり、光透過部材13の有無にかかわらず、開口2a内の領域が窓部15として機能する。
【0022】
光透過部材13の光出射面13b(ラインLに平行な方向において光入射面13aと対向する面)には、板状のバンドパスフィルタ14が例えば接着剤によって固定されている。バンドパスフィルタ14は、光検出装置1Aの測定波長範囲の光を選択的に透過させる。バンドパスフィルタ14は、例えば、TiO、Ta等の高屈折材料と、SiO、MgF等の低屈折材料との組合せからなる誘電体多層膜を有する。なお、バンドパスフィルタ14は、例えば蒸着等によって光透過部材13の光出射面13bに形成されていてもよい。
【0023】
ラインLに平行な方向(窓部15に対する光の入射方向)から見た場合における各部の位置関係及び大小関係は、次のとおりである。図2に示されるように、窓部15の中心線(すなわち、開口2aの中心線)、光透過部材13の中心線、バンドパスフィルタ14の中心線、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aの中心線、及び光検出器8の受光領域8aの中心線は、ラインLに一致している。窓部15の外縁、光透過部材13の外縁、光透過領域10aの外縁、及び受光領域8aの外縁は、例えば円形状である。バンドパスフィルタ14の外縁、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの外縁、及び光検出器8の外縁は、例えば矩形状である。
【0024】
窓部15の外縁(すなわち、開口2aの内縁)は、光透過部材13の外縁、バンドパスフィルタ14の外縁、及びファブリペロー干渉フィルタ10Aの外縁よりも内側に位置しており、光透過領域10aの外縁、及び受光領域8aの外縁よりも外側に位置している。受光領域8aの外縁は、光透過領域10aの外縁よりも内側に位置している。バンドパスフィルタ14の外縁は、光透過部材13の外縁よりも内側に位置しており、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの外縁よりも外側に位置している。なお、「所定の方向から見た場合に一の外縁が他の外縁よりも内側に位置している」とは、「所定の方向から見た場合に他の外縁が一の外縁を囲んでいる」、「所定の方向から見た場合に他の外縁が一の外縁を含んでいる」との意味である。また、「所定の方向から見た場合に一の外縁が他の外縁よりも外側に位置している」とは、「所定の方向から見た場合に一の外縁が他の外縁を囲んでいる」、「所定の方向から見た場合に一の外縁が他の外縁を含んでいる」との意味である。
【0025】
以上のように構成された光検出装置1Aにおいては、外部から、窓部15、光透過部材13及びバンドパスフィルタ14を介して、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aに光が入射すると、所定の波長を有する光が選択的に透過させられる。ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光は、光検出器8の受光領域8aに入射して、光検出器8によって検出される。
[ファブリペロー干渉フィルタの構成]
【0026】
図3及び図4に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、第1ミラー部と第2ミラー部との距離に応じた光を透過させる光透過領域10aがラインL上に設けられている。光透過領域10aは、例えば円柱状の領域である。光透過領域10aにおいては、第1ミラー部と第2ミラー部との距離が極めて精度良く制御される。つまり、光透過領域10aは、ファブリペロー干渉フィルタ10Aのうち、所定の波長を有する光を選択的に透過させるために第1ミラー部と第2ミラー部との距離を所定の距離に制御することが可能な領域であって、第1ミラー部と第2ミラー部との距離に応じた所定の波長を有する光が透過可能な領域である。
【0027】
ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、矩形板状の基板21を備えている。基板21は、ラインLに平行な方向において互いに対向する第1表面21a及び第2表面21bを有している。第1表面21aは、窓部15側(すなわち、光入射側)の表面である。第2表面21bは、光検出器8側(すなわち、光出射側)の表面である。第1表面21aには、第1層構造体30が配置されている。第2表面21bには、第2層構造体40が配置されている。
【0028】
第1層構造体30は、第1反射防止層31、第1積層体32、第1中間層33及び第2積層体34がこの順で第1表面21aに積層されることで、構成されている。第1積層体32と第2積層体34との間には、枠状の第1中間層33によって空隙(エアギャップ)Sが形成されている。基板21は、例えば、シリコン、石英、ガラス等からなる。基板21がシリコンからなる場合には、第1反射防止層31及び第1中間層33は、例えば、酸化シリコンからなる。第1中間層33の厚さは、例えば、数十nm~数十μmである。
【0029】
第1積層体32のうち光透過領域10aに対応する部分は、第1ミラー部35として機能する。第1積層体32は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで、構成されている。第1ミラー部35を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。なお、第1ミラー部35は、第1反射防止層31を介することなく、第1表面21aに直接的に配置されていてもよい。
【0030】
第2積層体34のうち光透過領域10aに対応する部分は、第2ミラー部36として機能する。第2ミラー部36は、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して第1ミラー部35と対向している。第2積層体34は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで、構成されている。第2ミラー部36を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。
【0031】
第1積層体32及び第2積層体34では、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が配置されていてもよい。また、第1積層体32及び第2積層体34を構成する各層の材料としては、上述した材料の他に、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、フッ化カルシウム、シリコン、ゲルマニウム、硫化亜鉛等を用いることができる。
【0032】
第2積層体34において空隙Sに対応する部分には、第2積層体34における第1中間層33とは反対側の表面34aから空隙Sに至る複数の貫通孔34bが形成されている。複数の貫通孔34bは、第2ミラー部36の機能に実質的に影響を与えない程度に形成されている。複数の貫通孔34bは、エッチングによって第1中間層33の一部を除去して空隙Sを形成するために用いられたものである。
【0033】
第1ミラー部35には、光透過領域10aを囲むように第1電極22が形成されている。第1ミラー部35には、光透過領域10aを含むように第2電極23が形成されている。第1電極22及び第2電極23は、第1積層体32のうち空隙Sに最も近いポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで、形成されている。第2ミラー部36には、第3電極24が形成されている。第3電極24は、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して第1電極22及び第2電極23と対向している。第3電極24は、第2積層体34のうち空隙Sに最も近いポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで、形成されている。なお、第2電極23の大きさは、光透過領域10aの全体を含む大きさであることが好ましいが、光透過領域10aの大きさと略同一であってもよい。
【0034】
第1層構造体30には、一対の第1端子25及び一対の第2端子26が設けられている。一対の第1端子25は、光透過領域10aを挟んで互いに対向している。各第1端子25は、第2積層体34の表面34aから第1積層体32に至る貫通孔内に配置されている。各第1端子25は、配線22aを介して第1電極22と電気的に接続されている。一対の第2端子26は、一対の第1端子25が互いに対向する方向に垂直な方向において、光透過領域10aを挟んで互いに対向している。各第2端子26は、第2積層体34の表面34aから第1中間層33の内部に至る貫通孔内に配置されている。各第2端子26は、配線23aを介して第2電極23と電気的に接続されていると共に、配線24aを介して第3電極24と電気的に接続されている。
【0035】
第1積層体32における第1中間層33側の表面32aには、トレンチ27,28が設けられている。トレンチ27は、配線23aにおける第2端子26との接続部分を囲むように環状に延在している。トレンチ27は、第1電極22と配線23aとを電気的に絶縁している。トレンチ28は、第1電極22の内縁に沿って環状に延在している。トレンチ28は、第1電極22と第1電極22の内側の領域(すなわち、第2電極23が存在する領域)とを電気的に絶縁している。第2積層体34の表面34aには、トレンチ29が設けられている。トレンチ29は、第1端子25を囲むように環状に延在している。トレンチ29は、第1端子25と第3電極24とを電気的に絶縁している。各トレンチ27,28,29内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
【0036】
第2層構造体40は、第2反射防止層41、第3積層体42、第2中間層43及び第4積層体44がこの順で第2表面21bに積層されることで、構成されている。第2反射防止層41、第3積層体42、第2中間層43及び第4積層体44は、それぞれ、第1反射防止層31、第1積層体32、第1中間層33及び第2積層体34と同様の構成を有している。このように、第2層構造体40は、基板21を基準として第1層構造体30と対称の積層構造を有している。つまり、第2層構造体40は、第1層構造体30と対応するように構成されている。第2層構造体40は、基板21の反り等を抑制する機能を有している。
【0037】
第3積層体42、第2中間層43及び第4積層体44には、光透過領域10aを含むように開口40aが形成されている。開口40aの中心線は、ラインLに一致している。開口40aは、例えば円柱状の領域であり、光透過領域10aと略同一の径を有している。開口40aは、光出射側に開口しており、開口40aの底面は、第2反射防止層41に至っている。開口40aは、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光を通過させる。
【0038】
第4積層体44の光出射側の表面には、遮光層45が形成されている。遮光層45は、例えばアルミニウム等からなる。遮光層45の表面及び開口40aの内面には、保護層46が形成されている。保護層46は、例えば酸化アルミニウムからなる。なお、保護層46の厚さを1~100nm(好ましくは、30nm程度)にすることで、保護層46による光学的な影響を無視することができる。
【0039】
基板21の第2表面21b側には、レンズ部50が一体的に設けられている。レンズ部50は、基板21のうち第2表面21b側の部分に形成されている。レンズ部50の光出射面50aは、第2表面21bの一部によって構成されている。レンズ部50の中心線(すなわち、光出射面50aの中心線)は、ラインLに一致している。ラインLに平行な方向から見た場合に、レンズ部50の外縁は、パッケージ2の窓部15の外縁よりも内側に位置しており、光検出器8の受光領域8aの外縁よりも外側に位置している(図2参照)。ここでは、レンズ部50は、光透過領域10aと略同一の径を有している。光出射面50aは、開口40aの底面において第2反射防止層41及び保護層46に覆われている。レンズ部50は、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光を光検出器8の受光領域8aに集光する。
【0040】
レンズ部50は、フレネルレンズとして構成されている。一例として、レンズ部50の直径は750μm程度であり、基板21がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、フレネルレンズの円の本数は3~60本であり、凹凸の高さは1~25μmであり、円と円との間隔は5~150μmである。このようなレンズ部50は、3Dマスク等を利用して基板21の第2表面21bにレジストをパターニングし、エッチバックすることで、形成される。
【0041】
なお、図5に示されるように、レンズ部50は、光出射側に凸の光出射面50aを有する凸レンズとして構成されていてもよい。一例として、レンズ部50の直径は750μm程度であり、基板21がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、光出射側に凸の光出射面50aの高さは60~80μmである。このようなレンズ部50は、3Dマスク等を利用して基板21の第2表面21bにレジストをパターニングし、エッチバックすることで、形成される。
【0042】
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10Aにおいては、一対の第1端子25及び一対の第2端子26を介して第1電極22と第3電極24との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が第1電極22と第3電極24との間に発生する。当該静電気力によって、第2ミラー部36が、基板21に固定された第1ミラー部35側に引き付けられ、第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離が調整される。このように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離が可変とされている。
【0043】
ファブリペロー干渉フィルタ10Aを透過する光の波長は、光透過領域10aにおける第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離に依存する。したがって、第1電極22と第3電極24との間に印加する電圧を調整することで、透過する光の波長を適宜選択することができる。このとき、第2電極23は、第3電極24と同電位である。したがって、第2電極23は、光透過領域10aにおいて第1ミラー部35及び第2ミラー部36を平坦に保つための補償電極として機能する。
【0044】
光検出装置1Aでは、例えば、ファブリペロー干渉フィルタ10Aに印加する電圧を変化させながら(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10Aにおいて第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離を変化させながら)、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光を光検出器8において検出することで、分光スペクトルを得ることができる。このとき、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光が、レンズ部50によって光検出器8の受光領域8aに集光される。
【0045】
なお、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、光透過領域10a(上述したように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aのうち、所定の波長を有する光を選択的に透過させるために第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離を所定の距離に制御することが可能な領域であって、第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離に応じた所定の波長を有する光が透過可能な領域)を、ラインLに平行な方向から見た場合に第1電極22の内側の領域(すなわち、補償電極として機能する第2電極23が存在する領域)に対応する領域と捉えることもできるし、或いは、ラインLに平行な方向から見た場合に開口40aに対応する領域と捉えることもできる。
[作用及び効果]
【0046】
光検出装置1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10Aが、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光を光検出器8に集光するレンズ部50を有している。これにより、受光領域8aの小さい光検出器8を用いたとしても、当該受光領域8aに、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光を効率良く入射させることができる。つまり、受光領域8aの小さい光検出器8を用いて、光検出器8から出力される信号においてノイズ成分を小さくしつつ、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを透過した光を効率良く検出することができる。ここで、光検出器8の受光領域8aが小さくなると、光検出器8に対するレンズ部50の位置(特に、光軸に垂直な方向における位置)に高い精度が要求される。光検出装置1Aでは、第1ミラー部35及び第2ミラー部36の後段にレンズ部50が位置しているため、第1ミラー部35及び第2ミラー部36の前段にレンズ部50が位置している場合に比べ、レンズ部50と光検出器8との距離が小さくなり、光検出器8に対するレンズ部50の位置に要求される精度が緩和される。また、レンズ部50が、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを構成する基板21の第2表面21b側に一体的に設けられているため、レンズ部50がファブリペロー干渉フィルタ10Aとは別体でスペーサ9に取り付けられている場合に比べ、光検出器8に対するレンズ部50の位置にずれが生じ難い。以上により、光検出装置1Aによれば、高感度且つ高精度な検出が可能となる。
【0047】
一例として、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aの径が750μmであり、光検出器8の受光領域8aの径が100μmである場合について、説明する。この場合、ファブリペロー干渉フィルタ10Aにレンズ部50が設けられていないと、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光のうち、100μmの径の範囲しか、光検出器8の受光領域8aに入射しない。つまり、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光の一部しか利用することができない。
【0048】
これに対し、ファブリペロー干渉フィルタ10Aにレンズ部50が設けられていると、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光の略全てが光検出器8の受光領域8aに入射する。つまり、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aを透過した光の略全てを利用することができる。特に、汎用的な光源を用いて、被測定物からの反射光を分析するような場合には、反射光の光量が小さくなり易いことから、このように光を効率良く検出することは極めて重要である。
【0049】
ただし、光検出器8の受光領域8aの径が100μmであると、レンズ部50によって集光される光の集光位置に±50μm以下の精度が必要となり、すなわち、光検出器8の受光領域8aに対するレンズ部50の位置にも同様の精度が必要となる。ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、基板21の第2表面21b側にレンズ部50が一体的に設けられることで、そのような精度の実現が可能となっている。
【0050】
なお、パッケージ2の窓部15にレンズ機能を持たせることで、光検出装置1Aにおいて高感度な検出を実現することも可能である。しかし、窓部15の径は、ステム3に対するキャップ4の実装精度を考慮すると、例えば1500μmというように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aの径よりも十分に大きい必要がある。また、光検出器8の受光領域8aに対する窓部15の位置に±50μm程度の精度が必要となる。そのため、ステム3に対するキャップ4の実装においてアクティブアライメントを実施しないと、光検出器8の受光領域8aに光が入射しないおそれがある。このように、レンズ部が大型化し、アクティブアライメントが必要になることから、窓部15がレンズ機能を有する構成は、基板21の第2表面21b側にレンズ部50が一体的に設けられた構成に比べ、コスト的なメリットが小さい。
【0051】
また、光検出装置1Aでは、レンズ部50が、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを構成する基板21の第2表面21b側に一体的に設けられているため、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを実装する際に光検出器8に対するアライメントのみを考慮すればよい。したがって、レンズ部50をファブリペロー干渉フィルタ10Aとは別体でスペーサ9に取り付ける場合に比べ、アセンブリを著しく容易にすることができる。また、半導体製造プロセスにおいて、ファブリペロー干渉フィルタ10Aをウェハレベルで製造するような場合には、レンズ部50もウェハレベルで基板21の第2表面21b側に一体的に設けることが可能となるため、小型で且つ位置精度が高いレンズ部50を有するファブリペロー干渉フィルタ10Aを容易に製造することができる。
【0052】
また、光検出装置1Aでは、レンズ部50が、基板21のうち第2表面21b側の部分に形成されている。この構成では、基板21とレンズ部50との間に界面が存在しないため、光学的なロスを抑制することができると共に、レンズ部50の剥がれ等を防止することができる。また、半導体製造プロセスにおいて、レンズ部50を高い位置精度で容易に形成することができる。また、基板21がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率が3.5となる。このように、レンズ部50を高屈折率材料によって形成することができるため、光検出器8とファブリペロー干渉フィルタ10Aとの距離を短くして、光検出装置1Aの小型化を図ることが可能となる。更に、レンズ部50の光出射面50aが開口40aの底面に位置しているため、光出射面50aの破損及び汚染を防止することができる。
【0053】
また、光検出装置1Aでは、光の入射方向から見た場合に、レンズ部50の外縁が、窓部15の外縁よりも内側に位置しており、光検出器8の受光領域8aの外縁よりも外側に位置している。この構成により、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を透過した光を光検出器8の受光領域8aに効率良く入射させることができる。例えば、光検出器8の受光領域8a上にレンズが一体的に設けられた構成では、このような効果を得ることは困難である。ファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域10aと同等か或いはそれ以上の大きさを有するレンズ部50をファブリペロー干渉フィルタ10A側に一体的に設けることで、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを透過した光の検出効率を最大化することができる。
[第2実施形態]
【0054】
図6に示されるように、光検出装置1Bは、ファブリペロー干渉フィルタ10Bの構成において、上述した光検出装置1Aと主に相違している。図7に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Bでは、レンズ部50が基板21とは別体で構成されている。レンズ部50は、光出射側に凸の光出射面50a、及び平坦な光入射面50bを有している。レンズ部50の光入射面50bは、開口40aを塞いだ状態で、保護層46における光検出器8側の表面に例えば接着剤によって固定されている。つまり、レンズ部50は、開口40aを塞ぐように第2層構造体40に取り付けられている。なお、レンズ部50を第2層構造体40に取り付けるための接着剤に光学樹脂を用いて、当該光学樹脂を開口40a内に満たしてもよい。
【0055】
レンズ部50の中心線は、ラインLに一致している。ラインLに平行な方向から見た場合に、レンズ部50の外縁は、パッケージ2の窓部15の外縁よりも内側に位置しており、光検出器8の受光領域8aの外縁よりも外側に位置している。ここでは、レンズ部50は、光透過領域10aよりも大きい径を有している。一例として、レンズ部50の直径は1000μm程度であり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、光出射側に凸の光出射面50aの高さは50~400μmである。
【0056】
なお、図8に示されるように、レンズ部50は、フレネルレンズとして構成されていてもよい。一例として、レンズ部50の直径は1000μm程度であり、レンズ部50の基板の厚さは200μmであり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、フレネルレンズの円の本数は10本以上であり、凹凸の高さは40μm以下であり、円と円との間隔は50μm以下である。
【0057】
以上のように構成された光検出装置1Bでも、基板21の第2表面21b側にレンズ部50が一体的に設けられているので、上述した光検出装置1Aと同様に、高感度且つ高精度な検出が可能となる。
【0058】
また、光検出装置1Bでは、レンズ部50が、開口40aを塞ぐように第2層構造体40に取り付けられている。この構成により、ファブリペロー干渉フィルタ10Bにおいて、基板21の第1表面21a側と第2表面21b側との間の応力バランスを向上させることができる。また、レンズ部50が採り得る形状(光出射面50a等のレンズ面の曲率等)の自由度を大きくすることができる。なお、レンズ部50によって開口40aが完全に塞がれず、開口40aの内部と外部とが連通するように構成されていてもよい。その場合、開口40a内の空気の膨張及び収縮による応力の発生を抑制することができる。
【0059】
また、光検出装置1Bでは、レンズ部50が複数のスペーサ9の間に位置し(図6参照)、ファブリペロー干渉フィルタ10Bの重心が低くなるため、ファブリペロー干渉フィルタ10Bの安定性を向上させることができる。
【0060】
また、レンズ部50を第2層構造体40に取り付ける際に、開口40aをアライメントの基準とすることができるので、レンズ部50を精度良く且つ容易に実装することができる。
【0061】
また、半導体製造プロセスにおいて、ファブリペロー干渉フィルタ10Bをウェハレベルで製造するような場合には、レンズ部50もウェハレベルで実装することで、小型で且つ位置精度が高いレンズ部50を有するファブリペロー干渉フィルタ10Bを容易に製造することができる。
[第3実施形態]
【0062】
図9に示されるように、光検出装置1Cは、ファブリペロー干渉フィルタ10Cの構成において、上述した光検出装置1Aと主に相違している。図10に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Cでは、レンズ部50が基板21とは別体で構成されている。レンズ部50は、開口40a内に配置されており、保護層46上に設けられている。つまり、レンズ部50は、第2反射防止層41及び保護層46を介して基板21の第2表面21bに間接的に設けられている。なお、レンズ部50は、第2反射防止層41及び保護層46を介することなく基板21の第2表面21bに直接的に設けられていてもよい。
【0063】
レンズ部50は、フレネルレンズとして構成されている。一例として、レンズ部50の直径は750μm程度である。また、フレネルレンズの円の本数は10~50本であり、凹凸の高さは5~40μmであり、円と円との間隔は5~50μmである。このようなレンズ部50は、3Dマスクを利用してレジスト(樹脂)をパターニングする方法、型を利用した方法等によって、形成される。
【0064】
なお、図11に示されるように、レンズ部50は、光出射側に凸の光出射面50aを有する凸レンズとして構成されていてもよい。一例として、レンズ部50の直径は750μm程度である。また、光出射側に凸の光出射面50aの高さは100~400μmである。このようなレンズ部50は、3Dマスクを利用してレジスト(樹脂)をパターニングする方法、通常のマスクを利用してレジスト(樹脂)をパターニングし、キュアする方法、型を利用した方法等によって、形成される。
【0065】
また、図12及び図13に示されるように、基板21とは別体で構成されたレンズ部50が、開口40a内に例えば接着剤によって固定されていてもよい。この場合にも、レンズ部50は、第2反射防止層41及び保護層46を介して基板21の第2表面21bに間接的に設けられていてもよいし、或いは、第2反射防止層41及び保護層46を介することなく基板21の第2表面21bに直接的に設けられていてもよい。
【0066】
図12に示されるように、レンズ部50がフレネルレンズとして構成されている場合、一例として、レンズ部50の直径は750μm程度であり、レンズ部50の基板の厚さは200μmであり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、フレネルレンズの円の本数は5本以上であり、凹凸の高さは30μm以下であり、円と円との間隔は80μm以下である。
【0067】
図13に示されるように、レンズ部50が凸レンズとして構成されている場合、一例として、レンズ部50の直径は750μm程度であり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、光出射側に凸の光出射面50aの高さは50~400μmである。
【0068】
以上のように構成された光検出装置1Cでも、基板21の第2表面21b側にレンズ部50が一体的に設けられているので、上述した光検出装置1Aと同様に、高感度且つ高精度な検出が可能となる。
【0069】
また、光検出装置1Cでは、レンズ部50が、基板21の第2表面21bに直接的又は間接的に設けられている。この構成により、レンズ部50が基板21の一部分に形成されている場合に比べ、ファブリペロー干渉フィルタ10Cの応力バランスを向上させることができる。また、レンズ部50が採り得る形状(光出射面50a等のレンズ面の曲率等)の自由度を大きくすることができる。
【0070】
また、光検出装置1Cでは、レンズ部50が、開口40a内に配置されている。この構成により、レンズ部50が基板21とは別体であったとしても、レンズ部50の位置にずれが生じるのを抑制することができる。また、ファブリペロー干渉フィルタ10Cの厚さが大きくなるのを抑制しつつ、例えば、レンズ部50が開口40a内に配置されている分だけレンズ部50の厚さを大きくすることで、レンズ部50の集光機能を向上させることができる。更に、レンズ部50の全体を開口40a内に配置することで、レンズ部50の破損及び汚染を防止することができる。
【0071】
また、レンズ部50を基板21の第2表面21bに取り付ける場合には、開口40aに収めるように開口40aをアライメントの基準とすることができるので、レンズ部50を精度良く且つ容易に実装することができる。
【0072】
また、半導体製造プロセスにおいて、ファブリペロー干渉フィルタ10Cをウェハレベルで製造するような場合には、レンズ部50もウェハレベルで実装することで、小型で且つ位置精度が高いレンズ部50を有するファブリペロー干渉フィルタ10Cを容易に製造することができる。
【0073】
なお、図14及び図15に示されるように、基板21の第2表面21bに第2層構造体40が構成されていなくてもよい。この場合にも、レンズ部50が基板21の一部分に形成されている場合に比べ、ファブリペロー干渉フィルタ10Cの応力バランスを向上させることができる。また、レンズ部50が採り得る形状(光出射面50a等のレンズ面の曲率等)の自由度を大きくすることができる。
【0074】
図14に示されるように、レンズ部50が凸レンズとして構成されている場合、一例として、レンズ部50の直径は1000μm程度であり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、光出射側に凸の光出射面50aの高さは50~400μmである。なお、基板21の第2表面21b側に、レンズ部50を囲むように遮光層45が形成されていてもよい。
【0075】
図15に示されるように、レンズ部50がフレネルレンズとして構成されている場合、一例として、レンズ部50の直径は1000μm程度であり、レンズ部50の基板の厚さは200μmであり、レンズ部50がシリコンからなる場合には、レンズ部50の屈折率は3.5である。また、フレネルレンズの円の本数は10本以上であり、凹凸の高さは40μm以下であり、円と円との間隔は50μm以下である。なお、基板21の第2表面21b側に、レンズ部50を囲むように遮光層45が形成されていてもよい。
[変形例]
【0076】
以上、本発明の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
【0077】
また、レンズ部50は、基板21の第2表面21b側に一体的に設けられていればよい。つまり、レンズ部50は、各ファブリペロー干渉フィルタ10A,10B,10Cの製造の時点において、各ファブリペロー干渉フィルタ10A,10B,10Cの一部として第1ミラー部35及び第2ミラー部36の後段に設けられていればよい。
【0078】
第2層構造体40は、第1層構造体30と対応するように構成されていれば、基板21を基準として第1層構造体30と対称の積層構造を有していなくてもよい。第2層構造体40が設けられていない場合に比べ、基板21の反り等を抑制することができる層構造を第2層構造体40が有していれば、当該第2層構造体40は、第1層構造体30と対応するように構成されているといえる。
【0079】
また、バンドパスフィルタ14は、光透過部材13の光入射面13aに設けられていてもよいし、光透過部材13の光入射面13a及び光出射面13bの両方に設けられていてもよい。
【0080】
また、ラインLに平行な方向から見た場合に、各ファブリペロー干渉フィルタ10A,10B,10Cの光透過領域10aの外縁が窓部15の外縁よりも外側に位置していてもよい。この場合、窓部15から入射した光のうち光透過領域10aに入り込む光の割合が増し、窓部15から入射した光の利用効率が高くなる。また、光透過領域10aに対する窓部15の位置が多少ずれたとしても、窓部15から入射した光が光透過領域10aに入り込むため、光検出装置1A,1B,1Cの組立時における位置精度の要求が緩和される。
[参考例]
【0081】
図16に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ100は、第1基板101と、第2基板102と、第1ミラー部103と、第2ミラー部104と、第1電極105と、第2電極106と、レンズ部107と、を備えている。ファブリペロー干渉フィルタ100には、例えば、ラインLを中心線として光透過領域110aが設定されている。
【0082】
第1基板101と第2基板102とは、ラインLに平行な方向において、互いに重ねられている。第1基板101の表面101aは、第2基板102の表面102aに接合されている。第1ミラー部103は、第1基板101のうち光透過領域110aに対応する部分に設けられている。第2ミラー部104は、第2基板102のうち光透過領域110aに対応する部分に設けられている。第1ミラー部103と第2ミラー部104とは、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して互いに対向している。第1電極105は、ラインLに平行な方向から見た場合に第1ミラー部103を囲むように第1基板101に設けられている。第2電極106は、ラインLに平行な方向から見た場合に第2ミラー部104を囲むように第2基板102に設けられている。第1電極105と第2電極106とは、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して互いに対向している。
【0083】
第2基板102における第1基板101とは反対側の表面102bには、ラインLに平行な方向から見た場合に第2ミラー部104及び第2電極106を囲むように溝102cが形成されている。第2基板102のうち溝102cに囲まれた部分は、溝102cが形成された部分をダイヤフラム状の保持部102dとして、ラインLに平行な方向に変位可能である。なお、第2基板102の表面102aに、ラインLに平行な方向から見た場合に第2ミラー部104及び第2電極106を囲むように溝が形成されることで、ダイヤフラム状の保持部102dが構成されていてもよい。また、第1基板101における第2基板102とは反対側の表面101b、又は第1基板101の表面101aに、ラインLに平行な方向から見た場合に第1ミラー部103及び第1電極105を囲むように溝が形成されることで、ダイヤフラム状の保持部が構成されていてもよい。その場合、第1基板101のうち当該溝に囲まれた部分が、当該溝が形成された部分をダイヤフラム状の保持部として、ラインLに平行な方向に変位可能である。また、ダイヤフラム状の保持部に代えて、ラインLを中心として放射状に配置された複数の梁によって保持部が構成されていてもよい。
【0084】
ファブリペロー干渉フィルタ100では、第1電極105と第2電極106との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が第1電極105と第2電極106との間に発生する。当該静電気力によって、第2基板102のうち溝102cに囲まれた部分が第1基板101側に引き付けられ、第1ミラー部103と第2ミラー部104との距離が調整される。そして、第1ミラー部103と第2ミラー部104との距離に応じた波長を有する光が、第1基板101側から第2基板102側に第1ミラー部103及び第2ミラー部104を透過する。
【0085】
レンズ部107は、第2基板102の表面102b側に一体的に設けられている。レンズ部107は、第1ミラー部103及び第2ミラー部104を透過した光を集光する。レンズ部107は、フレネルレンズとして、表面102bに直接的又は間接的に設けられている。なお、レンズ部107は、凸レンズとして、表面102bに直接的又は間接的に設けられていてもよい。また、レンズ部107は、フレネルレンズ又は凸レンズとして、第2基板102のうち表面102b側の部分に形成されていてもよい。
【0086】
一例として、第1ミラー部103及び第2ミラー部104を透過した光は、ファブリペロー干渉フィルタ100を収容するパッケージ内、又は当該パッケージ外に配置された光検出器(ファブリペロー干渉フィルタ100から離れた状態で配置された光検出器)に、レンズ部107によって集光される。以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ100によれば、第2基板102の表面102b側にレンズ部107が一体的に設けられているので、後段の光検出器において高感度且つ高精度な検出が可能となる。
【0087】
以下、ファブリペロー干渉フィルタ100の具体的構成について説明する。第1基板101及び第2基板102は、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、若しくは無アルカリガラス等の各種ガラス、又は水晶等によって、それぞれ、矩形板状に形成されている。第1基板101の厚さは、例えば500μm程度である。第2基板102の厚さは、例えば200μm程度である。第1基板101の表面101aと第2基板102の表面102aとは、例えばプラズマ重合膜等によって互いに接合されている。
【0088】
第1基板101には、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して第2基板102の表面102aと対向する表面101c及び表面101dが形成されている。表面101cは、ラインLを中心線として円形状に形成されている。表面101dは、ラインLに平行な方向から見た場合に表面101cを囲むように、ラインLを中心線として円環状に形成されている。第1基板101の表面101cと第2基板102の表面102aとの距離は、第1基板101の表面101dと第2基板102の表面102aとの距離よりも小さい。第2基板102においてダイヤフラムを構成するための溝102cは、ラインLを中心線として円環状に形成されている。第1基板101の表面101c及び表面101dは、表面101a側から第1基板101にエッチングを施すことで形成される。第2基板102の溝102cは、表面102b側から第2基板102にエッチングを施すことで形成される。
【0089】
第1ミラー部103は、第1基板101の表面101cに形成されている。第2ミラー部104は、第2基板102の表面102aに形成されている。第1ミラー部103及び第2ミラー部104は、例えば、金属膜、誘電体多層膜、又はそれらの複合膜であり、それぞれ、ラインLを中心線として円形膜状に形成されている。
【0090】
第1電極105は、第1基板101の表面101dに形成されている。第2電極106は、第2基板102の表面102aに形成されている。第1電極105及び第2電極106は、例えば金属材料によって形成されており、それぞれ、ラインLを中心線として円環状に延在している。第1電極105は、例えば、第1基板101のうち外部からアクセス可能な領域に設けられた電極パッド(図示省略)に配線(図示省略)を介して電気的に接続されている。当該配線は、例えば、第1基板101の表面101aに形成された溝内に設けられている。第2電極106は、例えば、第2基板102のうち外部からアクセス可能な領域に設けられた電極パッド(図示省略)に配線(図示省略)を介して電気的に接続されている。当該配線は、例えば、第2基板102の表面102aに形成された溝内に設けられている。
【0091】
レンズ部107は、例えば、シリコン、樹脂、ガラス等によって形成されている。レンズ部107は、第2基板102の表面102aのうち溝102cの内側の領域に、例えば光学樹脂によって接合されている。ラインLに平行な方向から見た場合に、レンズ部107の外縁は、第1ミラー部103の外縁及び第2ミラー部104の外縁を含んでいる。
【0092】
第1基板101の表面101bには、開口108aを有する遮光層108が形成されている。遮光層108は、例えば金属材料によって形成されている。開口108aは、ラインLを中心線として円形状に形成されており、光透過領域110aに入射する光を絞るアパーチャとして機能する。第1基板101の表面101bのうち少なくとも第1ミラー部103と対向する領域(すなわち、少なくとも開口108aの内側の領域)、及び第2基板102の表面102bのうち少なくとも第2ミラー部104と対向する領域(すなわち、少なくともレンズ部107と対向する領域)に、それぞれ、反射防止層が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1A,1B,1C…光検出装置、2…パッケージ、8…光検出器、8a…受光領域、9…スペーサ(支持部)、10A,10B,10C…ファブリペロー干渉フィルタ、15…窓部、21…基板、21a…第1表面、21b…第2表面、30…第1層構造体、35…第1ミラー部、36…第2ミラー部、40…第2層構造体、40a…開口、50…レンズ部、S…空隙。
図1
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