(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145741
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】無停電電源装置用制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20220926BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20220926BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220926BHJP
H02H 7/10 20060101ALI20220926BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220926BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02J7/34 G
H02J7/00 L
H02H7/10
H02M7/48 Z
H02M7/48 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119676
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2020047636の分割
【原出願日】2020-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】絹田 隆紘
(57)【要約】
【課題】サイリスタのみならずサイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度の上昇を抑制可能な無停電電源装置用制御装置を提供する。
【解決手段】制御モジュール2は、母線14~16と、バイパス配線60を含むバイパス電流経路Bと、サイリスタTとを備える。また、制御モジュール2は、母線14~16、バイパス配線60、および、サイリスタTを収容する筐体20と、筐体20の内部の空気を筐体20の外部に排気するように構成されている導風路Aと、排気ファンFとを備える。そして、バイパス配線60は、サイリスタTの出力端子近傍のバイパス配線62と、サイリスタの入力端子近傍のバイパス配線61とを含み、サイリスタ、バイパス配線61、および、バイパス配線62の各々は、導風路Aに配置されるように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無停電電源装置の電力変換部により電力変換された交流電源またはバッテリからの電力を出力する前記無停電電源装置の前記電力変換部用の母線と電気的に接続され、前記電力変換部により電力変換された電力を装置外部の負荷に出力するための出力母線と、
装置外部の前記交流電源および前記出力母線と電気的に接続され、前記出力母線を介して、装置外部の前記交流電源からの電力を装置外部の前記負荷に出力するための電流経路であり、導体により形成されたバイパス配線を含むバイパス電流経路と、
前記バイパス電流経路に設けられ、前記バイパス配線に電気的に接続されたサイリスタと、
前記出力母線、前記バイパス配線、および、前記サイリスタを収容する筐体と、
前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排気するための導風路と、
前記筐体の内部の空気を前記導風路から前記筐体の外部に排気する排気ファンと、を備え、
前記バイパス配線は、前記サイリスタに電気的に接続される前記サイリスタの出力端子近傍の第1部分近傍配線と、前記サイリスタに電気的に接続される前記サイリスタの入力端子近傍の第2部分近傍配線とを含み、
前記サイリスタ、前記第1部分近傍配線、および、前記第2部分近傍配線の各々は、前記導風路に配置されるように構成されている、無停電電源装置用制御装置。
【請求項2】
前記導風路は、上下方向に沿って延びるように形成された第1導風路を含み、
前記サイリスタと、前記第1部分近傍配線の少なくとも一部とが前記第1導風路の内部に配置されている、請求項1に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項3】
前記出力母線と前記サイリスタとの間において、前記出力母線と前記サイリスタとを電気的に切り離し可能な遮断器をさらに備え、
前記第1導風路は、導風部材により形成されており、
前記遮断器は、前記導風部材に対して前記筐体の前面側に設けられており、前記第1導風路を形成する前記導風部材の内部から前記導風部材の外部へ延びた前記第1部分近傍配線により前記サイリスタと電気的に接続されている、請求項2に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項4】
前記筐体の前面側に設けられ、前記筐体の外部から前記筐体の内部へ空気を吸気する第1吸気口をさらに備え、
前記導風部材は、前記筐体の背面側に設けられており、
前記導風路は、水平方向に沿って延びるように形成された第2導風路を含み、
前記第2導風路は、前記第1導風路を形成する前記導風部材に接続するように、前記第1吸気口側から前記導風部材に向かって延びるように形成されており、
前記第2部分近傍配線は、前記第2導風路に配置されている、請求項3に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項5】
前記筐体の上面側に設けられ、前記導風部材から前記筐体の外部へ空気を排気する排気口を備え、
前記排気ファンは、前記導風部材の上方に設けられており、前記排気口から前記筐体の外部へ空気を排気する、請求項4に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項6】
前記出力母線、前記バイパス電流経路、および、前記サイリスタは、装置外部の前記交流電源からの交流電力の相毎に複数設けられており、
前記複数のサイリスタは、前記導風部材の内部において、前記筐体の側面に交差する左右方向に隣り合うように並んで配置されている、請求項4または5に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項7】
前記サイリスタには、前記導風部材の内部に配置されるとともに、上下方向に沿って延びる前記導風部材に沿って延びるように形成された板状の放熱フィンが設けられている、請求項4~6のいずれか1項に記載の無停電電源装置用制御装置。
【請求項8】
前記第2導風路の上方において、前記筐体の前面側に設けられ、前記筐体の外部から前記筐体の内部へ空気を吸気する第2吸気口をさらに備え、
前記出力母線は、前記導風部材に対して、前記筐体の前面側に配置されており、
前記筐体の前面側の前記導風部材の面には、前記導風部材に対する前記筐体の前面側からの空気を前記導風部材の内部に導入する導風部材導入口が設けられている、請求項4~7のいずれか1項に記載の無停電電源装置用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源装置用制御装置に関し、特に、装置外部の交流電源からの電力を装置外部の負荷に出力するためのバイパス電流経路を備える無停電電源装置用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置外部の交流電源からの電力を装置外部の負荷に出力するためのバイパス電流経路を備える無停電電源装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、筐体と、筐体の内部に収容されたバイパス回路と、動作時に熱を発する発熱機器と、冷却ファンとを備える無停電電源装置が開示されている。上記特許文献1に記載の無停電電源装置は、バイパス電流経路が収容された筐体の外部から空気を吸気するとともに、吸気した空気が筐体の内部空間を通過して、排気ファンによって、筐体の外部へ排気されるように構成されている。そして、筐体の内部に発生した空気の流れにより筐体の内部に収容されている発熱機器が冷却される。
【0004】
ここで、上記特許文献1には明示されていないが、上記特許文献1に記載のような従来の無停電電源装置では、バイパス電流経路は、無停電電源装置の制御を行う制御装置(制御モジュール)に設けられている。そして、バイパス電流経路には、発熱機器であるサイリスタが設けられている。上記特許文献1に記載のような従来の無停電電源装置では、発熱機器であるサイリスタを冷却するために、空気の流れが発生する経路(導風路)にサイリスタ自体でなくサイリスタに設けられた放熱フィンのみを配置することにより、サイリスタの放熱(冷却)を間接的に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のような従来の無停電電源装置では、サイリスタ自身ではなくサイリスタに設けられた放熱フィンのみを空気の流れが発生する経路(導風路)に配置することにより、バイパス電流経路に設けられたサイリスタの放熱(冷却)を間接的に行っている。しかしながら、放電フィンを介して間接的にサイリスタが冷却される一方、サイリスタに電気的に接続され、バイパス電流経路を形成する配線は冷却することができず、サイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度が上昇する場合がある。そのため、サイリスタのみならずおよびサイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度の上昇を抑制することが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、サイリスタのみならずサイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度の上昇を抑制可能な無停電電源装置用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による無停電電源装置用制御装置は、無停電電源装置の電力変換部により電力変換された交流電源またはバッテリからの電力を出力する前記無停電電源装置の前記電力変換部用の母線と電気的に接続され、前記電力変換部により電力変換された電力を装置外部の負荷に出力するための出力母線と、装置外部の交流電源および出力母線と電気的に接続され、出力母線を介して、装置外部の交流電源からの電力を装置外部の負荷に出力するための電流経路であり、導体により形成されたバイパス配線を含むバイパス電流経路と、バイパス電流経路に設けられ、バイパス配線に電気的に接続されたサイリスタと、出力母線、バイパス配線、および、サイリスタを収容する筐体と、筐体の内部の空気を筐体の外部に排気するための導風路と、筐体の内部の空気を導風路から筐体の外部に排気する排気ファンと、を備え、バイパス配線は、サイリスタに電気的に接続されるサイリスタの出力端子近傍の第1部分近傍配線と、サイリスタに電気的に接続されるサイリスタの入力端子近傍の第2部分近傍配線とを含み、サイリスタ、第1部分近傍配線、および、第2部分近傍配線の各々は、導風路に配置されるように構成されている。
【0009】
上記一の局面による無停電電源装置用制御装置では、上記のように、筐体の内部の空気を筐体の外部に排気するための導風路と、筐体の内部の空気を導風路から筐体の外部に排気する排気ファンと、を備える。そして、バイパス配線は、サイリスタの出力端子近傍の第1部分近傍配線と、サイリスタの入力端子近傍の第2部分近傍配線とを含み、サイリスタ、第1部分近傍配線、および、第2部分近傍配線の各々は、導風路に配置されるように構成されている。これにより、排気ファンにより筐体の内部の空気を導風路から筐体の外部に排気することによって、導風路内に配置されたサイリスタ、第1部分近傍配線、および、第2部分近傍配線を導風路内の空気の流れにより冷却することができる。その結果、サイリスタのみならずサイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度の上昇を抑制可能な無停電電源装置用制御装置を提供することができる。また、サイリスタ自身を導風路内に配置することによって、サイリスタを直接的に冷却することができるので、サイリスタの温度上昇をより抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による無停電電源装置用制御装置において、好ましくは、導風路は、上下方向に沿って延びるように形成された第1導風路を含み、サイリスタと、第1部分近傍配線の少なくとも一部とが第1導風路の内部に配置されている。このように構成すれば、第1導風路によって下方から上方に導かれる空気により、サイリスタと、第1部分近傍配線の少なくとも一部を冷却することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、出力母線とサイリスタとの間において、出力母線とサイリスタとを電気的に切り離し可能な遮断器をさらに備え、第1導風路は、導風部材により形成されており、遮断器は、導風部材に対して筐体の前面側に設けられており、第1導風路を形成する導風部材の内部から導風部材の外部へ延びた第1部分近傍配線によりサイリスタと電気的に接続されている。このように構成すれば、第1導風路によって下方から上方に導かれる空気により、第1部分近傍配線の少なくとも一部を冷却するとともに、導風部材に対して筐体の前面側に設けられた遮断器と第1部分近傍配線とを電気的に接続することができる。
【0012】
上記遮断器を備える構成において、好ましくは、筐体の前面側に設けられ、筐体の外部から筐体の内部へ空気を吸気する第1吸気口をさらに備え、導風部材は、筐体の背面側に設けられており、導風路は、水平方向に沿って延びるように形成された第2導風路を含み、第2導風路は、第1導風路を形成する導風部材に接続するように、第1吸気口側から導風部材に向かって延びるように形成されており、第2部分近傍配線は、第2導風路に配置されている。このように構成すれば、筐体の前面側に設けられた第1吸気口を介して筐体の外部から吸気された空気を、水平方向に沿って延びるように形成された第2導風路によって第1導風路に導くことができる。その結果、第2導風路に配置された第2部分近傍配線を筐体の外部から吸気された空気によって冷却することができる。
【0013】
上記第1吸気口を備える構成において、好ましくは、筐体の上面側に設けられ、導風部材から筐体の外部へ空気を排気する排気口を備え、排気ファンは、導風部材の上方に設けられており、排気口から筐体の外部へ空気を排気する。このように構成すれば、導風部材の上方に設けられた排気ファンによって、筐体の内部の空気を、排気口を介して排気することができる。その結果、筐体の内部の空気が排気ダクトにより形成された第1導風路から吸い上げされるように排気されるので、筐体の前面側に設けられた第1吸気口近傍に排気ファンを設ける場合に比べて、第1吸気口から吸気した空気を第2導風路から第1導風路へスムーズに流すことができる。
【0014】
上記第1吸気口を備える構成において、好ましくは、出力母線、バイパス電流経路、および、サイリスタは、装置外部の交流電源からの交流電力の相毎に複数設けられており、複数のサイリスタは、導風部材の内部において、筐体の側面に交差する左右方向に隣り合うように並んで配置されている。このように構成すれば、複数のサイリスタを上下方向に隣り合うように並んで配置する場合と異なり、下方に配置されたサイリスタから放熱された熱によって、上方に配置されたサイリスタの温度が上昇することを防止することができる。その結果、複数のサイリスタを均等に冷却することができる。
【0015】
上記第1吸気口を備える構成において、好ましくは、サイリスタには、導風部材の内部に配置されるとともに、上下方向に沿って延びる導風部材に沿って延びるように形成された板状の放熱フィンが設けられている。このように構成すれば、導風部材の内部の空気の流れに沿うように板状の放熱フィンが形成されるので、導風部材の内部の空気の流れに交差するように板状の放熱フィンを形成する場合に比べて、サイリスタを効率よく冷却することができる。
【0016】
上記第1吸気口を備える構成において、好ましくは、第2導風路の上方において、筐体の前面側に設けられ、筐体の外部から筐体の内部へ空気を吸気する第2吸気口をさらに備え、出力母線は、導風部材に対して、筐体の前面側に配置されており、筐体の前面側の導風部材の面には、導風部材に対する筐体の前面側からの空気を導風部材の内部に導入する導風部材導入口が設けられている。このように構成すれば、第2吸気口を介して、筐体の外部から筐体の内部へ吸気された空気が導風部材導入口から導風部材に導入されることにより空気の流れが発生する。その結果、筐体の外部から導風部材への空気の流れによって、導風部材に対して、筐体の前面側に配置された出力母線を冷却することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、サイリスタのみならずサイリスタに電気的に接続されるサイリスタ近傍の配線の温度の上昇を抑制可能な無停電電源装置用制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態による無停電電源装置を示した斜視図である。
【
図2】無停電電源装置の構成を説明するための模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態による制御モジュールの筐体を示した斜視図である。
【
図4】制御モジュールの筐体内部の構成を示した筐体の側面側からの図である。
【
図5】制御モジュールの筐体内部の構成を示した筐体の背面側からの図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるサイリスタの放熱フィンを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(無停電電源装置の全体構成)
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態による無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply、または、PCS:Power Conditioning System)100の全体構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、無停電電源装置100は、入出力モジュール1と、制御モジュール2と、無停電電源モジュール3と、無停電電源モジュール4と、を備える。なお、無停電電源装置100は、特許請求の範囲の「無停電電源装置」の一例であって、制御モジュール2は、特許請求の範囲の「無停電電源装置用制御装置」の一例である。
【0022】
無停電電源装置100は、3相(U相、V相、および、W相)の交流電力が入力されるとともに、3相の交流電力を出力するように構成されている。また、無停電電源装置100は、2相(P相およびN相)の直流電力が入力されるように構成されている。
【0023】
入出力モジュール1、制御モジュール2、無停電電源モジュール3および4は、箱形状を有する金属製の筐体の内部に電機機器類が収容されたモジュール構造を有する装置(キュービクル式の装置)として構成されている。
【0024】
各モジュール(入出力モジュール1、制御モジュール2、無停電電源モジュール3および4)は、入出力モジュール1側から順に入出力モジュール1、制御モジュール2、無停電電源モジュール3、無停電電源モジュール4の順に配置されている。
【0025】
なお、本明細書では、各モジュール(入出力モジュール1、制御モジュール2、無停電電源モジュール3および4)が隣り合う左右方向をX方向とする。また、制御モジュール2に対して、入出力モジュール1が配置される方向をX1方向(左方向)とし、制御モジュール2に対して無停電電源モジュール3および4が配置される方向(X1方向の反対方向)をX2方向(右方向)とする。また、各モジュールの前後方向をY方向とし、前方向(前面側)をY1方向、後方向(背面側)をY2方向とする。また、各モジュールの底面または載置面に垂直な方向(各モジュールの上下方向)をZ方向とし、上方向(上側)をZ1方向、下方向(下側)をZ2方向とする。
【0026】
入出力モジュール1は、左右方向(X方向)において、最も外側に配置されている。具体的には、入出力モジュール1は、左右方向において隣り合うように配置された制御モジュール2、無停電電源モジュール3および4のうち、最もX1方向側に配置された制御モジュール2よりもX1方向側に配置されている。
【0027】
制御モジュール2は、X方向(各モジュールが隣り合う方向)において、入出力モジュール1と、無停電電源モジュール3とに挟まれるように配置されている。すなわち、制御モジュール2は、入出力モジュール1に対して無停電電源モジュール3および4が配置されるX2方向側に配置されており、無停電電源モジュール3に対して入出力モジュール1が配置されるX1方向側に配置されている。
【0028】
無停電電源モジュール3および無停電電源モジュール4は、左右方向(X方向)に隣り合うように配置されている。無停電電源モジュール3および4は、互いに隣接して配置されている。また、無停電電源モジュール3および4は、互いに電気的に並列に配列されている。
【0029】
図2に示すように、無停電電源モジュール3および4の各々は、装置外部から受電した電力の変換を行う電力変換部10を含む。電力変換部10は、装置外部の交流電源201から受電した電力の変換を行うように構成されている。電力変換部10は、整流回路と、インバータ回路と、チョッパ回路とを含む。整流回路は、電力変換部10に入力される交流電力を直流電力に変換する機能を有する。チョッパ回路は、たとえば、3レベルチョッパ回路として構成されている。チョッパ回路は、装置外部のバッテリ5から入力された電圧を変圧して出力する機能を有する。バッテリ5から入力される直流電力は、図示しない、コンダクタ、コンデンサ、および、直流リアクトルを介して、チョッパ回路に入力されている。インバータ回路は、整流回路およびチョッパ回路から入力される直流電力を交流電力に変換する機能を有する。
【0030】
また、無停電電源装置100は、交流入力用の母線Iおよび交流出力用の母線Oを備える。そして、母線Iは、交流入力の複数の相毎に対応するように複数設けられている。また、母線Oは、交流出力の複数の相毎に対応するように複数設けられている。母線Oは、各モジュール(入出力モジュール1、制御モジュール2、無停電電源モジュール3および4)の各々に設けられた交流入力用のブスバー配線を連結することにより構成されている。また、母線Oは、各モジュールの各々に設けられ交流出力用のブスバー配線を連結することにより構成されている。
【0031】
入出力モジュール1は、装置外部の交流電源201から受電した電力を電力変換部10に入力するとともに、電力変換部10により変換された電力を外部の負荷202に出力するように構成されている。
【0032】
無停電電源モジュール3および4の各々は、電力変換部10と、接触器MC1と、MC2とを備える。接触器MC1は、交流入力用の母線Iおよび電力変換部10に電気的に接続され、母線Iと電力変換部10との間の電流経路を開閉するように構成されている。接触器MC1には、母線Iを介して、交流電源201からの交流電力が入力される。なお、接触器MC1には、交流電力の相毎にスイッチが設けられている。また、接触器MC2は、交流出力用の母線Oおよび電力変換部10に電気的に接続され、母線Oと電力変換部10との間の電流経路を開閉するように構成されている。また、接触器MC2には、母線Oを介して、電力変換部10からの出力された交流電力が入力されるように構成されている。なお、接触器MC2には、交流電力の相毎にスイッチが設けられている。接触器MC1およびMC2は、マグネットスイッチなどの電磁接触器を含む。
【0033】
また、無停電電源モジュール3および4の各々は、直流入力側スイッチSW1と、直流入力側スイッチSW2とを備える。直流入力側スイッチSW1およびSW2には、バッテリ5からの直流電力が入力される。なお、直流入力側スイッチSW1は、P相用のスイッチであり、直流入力側スイッチSW2は、N相用のスイッチである。
【0034】
(制御モジュールの構成)
制御モジュール2は、無停電電源モジュール3および無停電電源モジュール4の制御を行うモジュールである。制御モジュール2は、母線IおよびOを介して、X1方向側に配置されている入出力モジュール1と電気的に接続されるとともに、母線IおよびOを介して、無停電電源モジュール3および4の電力変換部10と電気的に接続されるように構成されている。
【0035】
制御モジュール2には、母線Iが交流入力の複数の相毎に対応するように複数設けられている。また、制御モジュール2には、母線Oが交流出力の複数の相毎に対応するように複数設けられている。具体的には、制御モジュール2は、交流入力用の母線Iとして、母線11、母線12、および、母線13を、備える。また、制御モジュール2は、交流出力用の母線O(出力母線)として、母線14、母線15、および、母線16を、を備える。なお、母線14、15および16は、特許請求の範囲の「出力母線」の一例である。また、母線11~16は、ブスバー配線である。
【0036】
制御モジュール2の交流出力用の母線O(出力母線)である母線14、15および16は、無停電電源装置100の電力変換部10により電力変換された交流電源201またはバッテリ5からの電力を出力する無停電電源装置100の電力変換部10用の母線と電気的に接続されている。
【0037】
具体的には、制御モジュール2の交流出力用の母線O(出力母線)である母線14、15および16は、無停電電源モジュール3の交流出力用の母線31、32および33とそれぞれ電気的に接続されている。また、無停電電源モジュール3の交流出力用の母線Oである母線31、32および33は、無停電電源モジュール4の交流出力用の母線41、42および43とそれぞれ電気的に接続されている。すなわち、制御モジュール2の母線14~16は、母線31~33とそれぞれ電気的に接続されるとともに、無停電電源モジュール3の母線31~33を介して、無停電電源モジュール4の交流出力用の母線41~43に電気的に接続されている。これにより、制御モジュール2の交流出力用の母線O(出力母線)である母線14、15および16は、無停電電源モジュール3および4の電力変換部10に電気的に接続されるように構成されている。なお、母線31、32、33、41、42および43は、特許請求の範囲の「無停電電源装置の電力変換部用の母線」の一例である。また、母線31、32、33、41、42および43は、ブスバー配線である。
【0038】
また、制御モジュール2の交流出力用の母線Oである母線14、15、および16は、無停電電源装置100の電力変換部10(無停電電源モジュール3および4の電力変換部10)により電力変換された電力を装置外部の負荷202に出力するように構成されている。
【0039】
そして、本実施形態では、
図2に示すように、制御モジュール2は、バイパス電流経路Bと、サイリスタTとを備える。また、バイパス電流経路BおよびサイリスタTは、装置外部の交流電源203からの交流電力の相毎に複数設けられている。
【0040】
バイパス電流経路Bは、装置外部の交流電源203と、制御モジュール2の交流出力用の母線Oである母線14、15および16とに電気的に接続され、母線14、15および16を介して、装置外部の交流電源203からの電力を装置外部の負荷202に出力するための電流経路である。バイパス電流経路Bは、無停電電源モジュール3および4のメンテナンス際などに用いられる電流経路である。なお、交流電源201および203は、同一の電源でもよい。
【0041】
バイパス電流経路Bは、装置外部の交流電源203からの交流電力の相に対応したバイパス電流経路B1、B2およびB3を含む。バイパス電流経路B1、B2およびB3は、制御モジュール2の交流出力用の母線O(出力母線)である母線14、15および16にそれぞれ電気的に接続されている。なお、バイパス電流経路B(バイパス電流経路B1~B3)は、特許請求の範囲の「バイパス電流経路」の一例である。
【0042】
また、バイパス電流経路Bは、母線14、15、および16と、無停電電源モジュール3の交流出力側の母線Oである母線31、32、および33(無停電電源モジュール3の交流出力側の母線Oである母線41、42および43)とを介して、電力変換部10に電気的に接続されている。
【0043】
また、サイリスタTは、装置外部の交流電源203からの交流電力の相に対応したサイリスタT1、T2およびT3を含む。サイリスタT1、T2およびT3は、バイパス電流経路B1、B2およびB3にそれぞれ設けられている。
【0044】
また、制御モジュール2は、母線14、15および16とサイリスタT(T1~T3)との間において、母線14~16とサイリスタTとを電気的に切り離し可能な遮断器CBを備える。
【0045】
また、バイパス電流経路B(バイパス電流経路B1~B3)は、後述する導体により形成されたバイパス配線60を含む。バイパス電流経路B(バイパス電流経路B1~B3)は、後述するバイパス配線60、サイリスタT(T1~T3)、および、遮断器CBにより形成されている。
【0046】
(制御モジュールの筐体の構成)
本実施形態では、
図3に示すように、制御モジュール2の筐体20には、スリット21a、スリット22a、スリット23a、および、スリット24aが設けられている。なお、スリット21aは、特許請求の範囲の「第1吸気口」の一例であり、スリット22aは、特許請求の範囲の「第2吸気口」の一例である。また、スリット23aは、特許請求の範囲の「排気口」の一例である。
【0047】
スリット21aおよび22aは、制御モジュール2の筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。具体的には、筐体20には、スリット21aが形成されたスリット板21およびスリット22aが形成されたスリット板22が筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。スリット22a(スリット板22)は、スリット21a(スリット板21)よりも上方(Z1方向側)に配置されている。また、スリット板21およびスリット板22には、スリット21aおよびスリット22aがそれぞれ複数設けられている。スリット21aおよび22aは、筐体20の外部から筐体20の内部へ空気を吸気するように構成されている。
【0048】
スリット23aおよび24aは、制御モジュール2の筐体20の上面側(Z1方向側)に設けられている。具体的には、筐体20には、スリット23aが形成されたスリット板23およびスリット24aが形成されたスリット板24が筐体20の上面側(Z1方向側)に設けられている。スリット23a(スリット板23)は、スリット24a(スリット板24)よりも背面側(Y2方向側)に配置されている。また、スリット板23および24には、スリット23aおよびスリット24aがそれぞれ複数設けられている。スリット23aおよび24aは、筐体20の内部から筐体20の外部へ空気を排気するように構成されている。
【0049】
なお、図示したスリット21a、スリット22a、スリット23a、および、スリット24aは、スリットを簡略化して示した一例であって、スリットの数(行と列の数)は、図示した数に限られず、図示した数よりも多くても、少なくてもよい。また、スリット板21および22の筐体20の背面側(Y2方向側)または前面側(Y1方向側)には、図示しない防塵フィルターが設けられている。
【0050】
(筐体内部の構成)
図3に示すように、制御モジュール2の筐体20には、制御モジュール2の交流入力用の母線(母線11、12および13)、制御モジュール2の交流出力用の母線(母線14、15および16)が収容されている。また、母線11~16は、左右方向(X方向)に延びるように形成されている。
【0051】
また、制御モジュール2の筐体20には、
図4に示すように、バイパス配線60(バイパス配線61、62および63)およびサイリスタTが収容されている。また、制御モジュール2の筐体20には、遮断器CBが収容されている。
【0052】
バイパス配線60は、バイパス配線61と、バイパス配線62と、バイパス配線63とを含む。バイパス配線60は、導体により形成された配線である。具体的には、バイパス配線61~63の各々は、複数のブスバー(バスバー)を連結させることにより形成された配線である。また、バイパス電流経路Bには、バイパス配線60に電気的に接続されたサイリスタTが設けられている。
【0053】
バイパス配線61は、サイリスタTに電気的に接続されるサイリスタTの入力端子近傍のブスバー配線である。バイパス配線61は、サイリスタTの入力端子に電気的に接続されるとともに、入出力モジュール1と電気的に接続されるように構成されている。また、バイパス配線62は、サイリスタTに電気的に接続されるサイリスタTの出力端子近傍のブスバー配線である。バイパス配線62は、サイリスタTの出力端子に電気的に接続されるとともに、遮断器CB(遮断器CBの入力端子)に電気的に接続されるように構成されている。バイパス配線63は、遮断器CBに電気的に接続される遮断器CBの出力端子近傍のブスバー配線である。バイパス配線63は、遮断器CB(遮断器CBの出力端子)に電気的に接続されるとともに、制御モジュール2の交流出力用の母線(出力母線)である母線14、15および16に電気的に接続されるように構成されている。なお、バイパス配線62は、特許請求の範囲の「第1部分近傍配線」の一例であり、バイパス配線61は、特許請求の範囲の「第2部分近傍配線」の一例である。
【0054】
本実施形態では、
図4に示すように、制御モジュール2の筐体20は、導風路Aを備える。導風路Aは、筐体20の内部の空気を筐体20の外部に排気するために筐体20の内部に設けられており、筐体20の内部の空気を筐体20の外部に排気するように構成されている。
【0055】
導風路Aは、上下方向(Z方向)に沿って延びるように形成された導風路A1と、水平方向(XY方向)に沿って延びるように形成された導風路A2とを含む。なお、導風路A1は、特許請求の範囲の「第1導風路」の一例であり、導風路A2は、特許請求の範囲の「第2導風路」の一例である。
【0056】
本実施形態では、導風路A1は、排気ダクト25により形成されている。排気ダクト25(導風路A1)は、筐体20の背面側(Y2方向側)に設けられている。排気ダクト25(導風路A1)は、筐体20の底面から上面の間において、に上下方向に延びるように形成されている。なお、排気ダクト25は、特許請求の範囲の「導風部材」の一例である。
【0057】
そして、
図4に示すように、筐体20の上面側(Z1方向側)には、スリット23aが設けられており、排気ダクト25から筐体20の外部へ空気を排気するように構成されている。また、排気ダクト25の上方には、排気ファンFが設けられている。排気ファンFは、筐体20の内部の空気を導風路A(導風路A1およびA2)から、排気ダクト25の排気口(スリット23a)を介して筐体20の外部に排気するように構成されている。また、排気ファンFは、排気ダクト25の内部において、Y方向に隣り合うように複数並んで配置されている。
【0058】
また、本実施形態では、導風路A2は、導風路A1を形成する排気ダクト25に接続するように、スリット21a側から排気ダクト25に向かって延びる(Y方向に延びる)ように形成されている。導風路A2は、仕切り部26および仕切り部27により形成(
図4参照)されている。仕切り部26および仕切り部27は、板状の金属部材である。
【0059】
仕切り部26は、バイパス配線61の上方(Z1方向側)において、水平方向(XY方向)に沿って延びるように形成されている。また、仕切り部27は、バイパス配線61の下方において、水平方向に沿って延びるように形成されている。
【0060】
また、排気ダクト25には、仕切り部26の下方かつ仕切り部27の上方において、開口部25a(
図4および
図5参照)が設けられている。仕切り部26および仕切り部27により形成された導風路A2は、排気ダクト25に設けられた開口部25aを介して、導風路A1を形成する排気ダクト25に接続するように構成されている。
【0061】
本実施形態では、サイリスタT、バイパス配線61、および、バイパス配線62の各々は、導風路A(導風路A1または導風路A2)に配置されている。
【0062】
図4に示すように、サイリスタTと、バイパス配線62の少なくとも一部とが排気ダクト25(排気ダクト25により形成された導風路A1)の内部に配置されている。具体的には、サイリスタTの全体は、遮断器CBの下方かつバイパス配線61の上方において、排気ダクト25の内部に配置されている。また、バイパス配線62は、サイリスタTの出力端子に電気的に接続されている側が導風路A(導風路A1)を形成する排気ダクト25の内部に配置されており、遮断器CBの入力端子に電気的に接続側が排気ダクト25の外部へ配置されている。バイパス配線62は、バイパス配線62のY方向における中央よりY2方向側の部分が導風路A1を形成する排気ダクト25の内部に配置されている。
【0063】
また、バイパス配線61の全体は、導風路Aに配置されている。バイパス配線62は、サイリスタTの入力端子に電気的に接続されている側が導風路A1を形成する排気ダクト25の内部に配置されている。また、バイパス配線61は、入出力モジュール1に電気的に接続されている側が導風路A2に配置されている。
【0064】
また、本実施形態では、導風路A2には、バイパス配線61が配置されている。バイパス配線61は、サイリスタTよりも下方に配置されている。また、バイパス配線61は、仕切り部26の下方かつ仕切り部27の上方に配置されている。そして、バイパス配線61は、筐体20の前面側(Y1方向側)から見て、スリット21aおよび開口部25aに重なるように配置されている。また、バイパス配線61は、筐体20の前面側に設けられた導風路A2から開口部25aを通ってサイリスタT側(Y2方向側)に延びるように形成されている。
【0065】
また、
図4に示すように、遮断器CBは、排気ダクト25に対して筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。遮断器CBは、導風路A(導風路A1)を形成する排気ダクト25の内部から排気ダクト25の外部へ延びた(Y1方向側に延びた)バイパス配線62によりサイリスタTと電気的に接続されている。
【0066】
また、遮断器CBの上方には、制御モジュール2の交流出力用の母線(出力母線)である母線14、15および16が配置されている。また、母線14、15および16の上方には、制御モジュール2の交流入力用の母線(母線11、12および13)が配置されている。
【0067】
また、本実施形態では、導風路A2の上方において、スリット22aが筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。スリット22aは、スリット21aおよび遮断器CBよりも上方に配置されている。また、交流出力用の母線(出力母線)である母線14、15および16は、排気ダクト25に対して、筐体20の前面側(Y1方向側)に配置されている。そして、筐体20の前面側(Y1方向側)の排気ダクト25の面Suには、排気ダクト25に対する筐体20の前面側からの空気を排気ダクト25の内部に導入するスリット25bが設けられている。スリット25bは、スリット21aおよび遮断器CBよりも上方に配置されている。なお、スリット25bは、特許請求の範囲の「導風部材導入口」の一例である。
【0068】
そして、スリット22a、母線14、母線15、母線16、および、スリット25bは、筐体20の前面側(Y1方向側)から背面側(Y2方向側)に向かって、筐体20の前面側(Y1方向側)から順にスリット22a、母線14、母線15、母線16、および、スリット25bの順に配置されている。
【0069】
前述した構成により、スリット21aから筐体20の内部に吸気された空気は、導風路A2において、バイパス配線61を冷却した後、開口部25aから排気ダクト25に導入される。導入された空気は、排気ダクト25内において、バイパス配線61、サイリスタT、および、バイパス配線62を冷却しながら上昇する。そして、排気ダクト25の内部をバイパス配線61、サイリスタT、および、バイパス配線62を冷却しながら上昇した空気は、スリット22aから筐体20内部に吸気され、母線14、15および16を冷却し、スリット25bから排気ダクト25に導入された空気と合流し、排気ファンFによって、排気ダクト25の排気口(スリット23a)から筐体20外部に排気される。
【0070】
また、本実施形態では、複数のサイリスタT(サイリスタT1、T2およびT3)は、
図5に示すように、排気ダクト25の内部において、筐体20の側面に交差する左右方向(X方向)に隣り合うように並んで配置されている。サイリスタT1~T3は、X方向から見て重なるように配置(
図4参照)されている。また、排気ファンFは、排気ダクト25の内部において、左右方向(X方向)に隣り合うように複数並んで配置(
図5参照)されている。
【0071】
また、
図5に示すように、バイパス配線61~63の各々は、交流入力の複数の相毎(バイパス電流経路B1~B3)に対応するように複数設けられている。
【0072】
具体的には、バイパス配線61は、サイリスタT1の入力端子に電気的に接続されるバイパス配線61aと、サイリスタT2の入力端子に電気的に接続されるバイパス配線61bと、サイリスタT3の入力端子に電気的に接続されるバイパス配線61c(
図4および
図5参照)とを含む。バイパス配線61a~61cは、入出力モジュール1と電気的に接続されるように構成されている。サイリスタT1、T2およびT3は、入出力モジュール1に電気的に接続されるバイパス配線61a~61cにより、入出力モジュール1と電気的に接続されている。
【0073】
また、バイパス配線62は、サイリスタT1の出力端子に電気的に接続されるバイパス配線62aと、サイリスタT2の出力端子に電気的に接続されるバイパス配線62bと、サイリスタT3の出力端子に電気的に接続されるバイパス配線62c(
図5参照)とを含む。バイパス配線62a、62bおよび62cの各々は、遮断器CB(遮断器CBの入力端子)に電気的に接続されている。遮断器CBは、サイリスタT1、T2およびT3(サイリスタT1~T3の出力端子)のそれぞれに電気的に接続されるバイパス配線62a、62bおよび62cにより、サイリスタT1~T3と電気的に接続されている。
【0074】
そして、バイパス配線63は、母線14に電気的に接続されるバイパス配線63aと、母線15に電気的に接続されるバイパス配線63bと、母線16に電気的に接続されるバイパス配線63c(
図4および
図5参照)とを含む。バイパス配線63a、63bおよび63cの各々は、遮断器CB(遮断器CBの出力端子)に電気的に接続されている。母線14、15および16は、遮断器CBに電気的に接続されるバイパス配線63a、63bおよび63cにより、遮断器CBと電気的に接続(
図4および
図5参照)されている。
【0075】
また、本実施形態では、サイリスタTには、
図6に示すように、板状の放熱フィンHFが設けられている。板状の放熱フィンHFは、上下方向(Z方向)に沿って延びる排気ダクト25に沿って延びるように形成されている。板状の放熱フィンHFは、複数設けられている。
【0076】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0077】
本実施形態では、制御モジュール2は、筐体20の内部の空気を筐体20の外部に排気するための導風路Aと、筐体20の内部の空気を導風路Aから筐体20の外部に排気する排気ファンFと、を備える。そして、バイパス配線60は、サイリスタTの出力端子近傍のバイパス配線62と、サイリスタTの入力端子近傍のバイパス配線61とを含み、サイリスタT、バイパス配線61、および、バイパス配線62の各々は、導風路Aに配置されるように構成されている。これにより、排気ファンFにより筐体20の内部の空気を導風路Aから筐体20の外部に排気することによって、導風路A内に配置されたサイリスタT、バイパス配線61、および、バイパス配線62を導風路A内の空気の流れにより冷却することができる。その結果、サイリスタTのみならずサイリスタTに電気的に接続されるサイリスタT近傍のバイパス配線61、および、バイパス配線62の発熱を抑制することが可能な無停電電源装置100用の制御モジュール2を提供することができる。また、サイリスタT(サイリスタT1、T2およびT3)自身を導風路A(導風路A1)内に配置することによって、サイリスタTを直接的に冷却することができるので、サイリスタTの温度上昇をより抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、導風路Aは、上下方向(Y方向)に沿って延びるように形成された導風路A1を含み、サイリスタTと、バイパス配線62の少なくとも一部とが導風路A1の内部に配置されている。これにより、導風路A1によって下方から上方に導かれる空気により、サイリスタTと、バイパス配線62の少なくとも一部を冷却することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、母線14、15および16とサイリスタT(サイリスタT1、T2およびT3)との間において、母線14、15および16とサイリスタTとを電気的に切り離し可能な遮断器CBが設けられている。そして、導風路A1は、排気ダクト25により形成されており、遮断器CBは、排気ダクト25に対して筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられており、導風路Aを形成する排気ダクト25の内部から排気ダクト25の外部へ延びたバイパス配線62によりサイリスタTと電気的に接続されている。これにより、導風路A1によって下方から上方に導かれる空気により、バイパス配線62の少なくとも一部を冷却するとともに、排気ダクト25に対して筐体20の前面側に設けられた遮断器CBとバイパス配線62とを電気的に接続することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、筐体20の外部から筐体20の内部へ空気を吸気するスリット21aが筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。そして、排気ダクト25は、筐体20の背面側(Y2方向側)に設けられており、導風路Aは、水平方向(XY方向)に沿って延びるように形成された導風路A2を含み、導風路A2は、導風路A1を形成する排気ダクト25に接続するように、スリット21a側から排気ダクト25に向かって延びるように形成されており、バイパス配線61は、導風路A2に配置されている。これにより、筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられたスリット21aを介して筐体20の外部から吸気された空気を、水平方向に沿って延びるように形成された導風路A2によって導風路A1に導くことができる。その結果、導風路A2に配置されたバイパス配線61を筐体20の外部から吸気された空気によって冷却することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、排気ダクト25から筐体20の外部へ空気を排気するスリット23aが筐体20の上面側(Z1方向側)に設けられている。そして、排気ダクト25の上方に排気ファンFが設けられており、スリット23aから筐体20の外部へ空気を排気するように構成されている。これにより、排気ダクト25の上方に設けられた排気ファンFによって、筐体20の内部の空気を、スリット23aを介して排気することができる。その結果、筐体20の内部の空気が排気ダクト25により形成された導風路A1から吸い上げされるように排気されるので、筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられたスリット21a近傍に排気ファンFを設ける場合に比べて、スリット21aから吸気した空気を導風路A2から導風路A1へスムーズに流すことができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、交流出力用の母線(母線14、15および16)、バイパス電流経路B、および、サイリスタTは、装置外部の交流電源203からの交流電力の相毎に複数設けられており、複数のサイリスタT(サイリスタT1、T2およびT3)は、排気ダクト25の内部において、筐体20の側面に交差する左右方向(X方向)に隣り合うように並んで配置されている。これにより、複数のサイリスタT(サイリスタT1~T3)を上下方向(Z方向)に隣り合うように並んで配置する場合と異なり、下方に配置されたサイリスタTから放熱された熱によって、上方に配置されたサイリスタTの温度が上昇することを防止することができる。その結果、複数のサイリスタT(サイリスタT1~T3)を均等に冷却することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、排気ダクト25の内部に配置されるサイリスタTには、上下方向(Z方向側)に沿って延びる排気ダクト25に沿って延びるように形成された板状の放熱フィンHFが設けられている。これにより、排気ダクト25の内部の空気の流れに沿うように板状の放熱フィンHFが形成されるので、排気ダクト25の内部の空気の流れに交差するように板状の放熱フィンHFを形成する場合に比べて、サイリスタTを効率よく冷却することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、導風路A2の上方において、筐体20の外部から筐体20の内部へ空気を吸気するスリット22aが筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている。そして、母線14、15および16は、排気ダクト25に対して、筐体20の前面側に配置されており、筐体20前面側の排気ダクト25の面Suには、排気ダクト25に対する筐体20の前面側からの空気を排気ダクト25の内部に導入するスリット25bが設けられている。これにより、スリット22aを介して、筐体20の外部から筐体20の内部へ吸気された空気がスリット25bから排気ダクト25に導入されることにより空気の流れが発生する。その結果、筐体20の外部から排気ダクト25への空気の流れによって、排気ダクト25に対して、筐体20の前面側に配置された母線14、15および16を冷却することができる。
【0085】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0086】
たとえば、上記実施形態では、バイパス配線62(第1部分近傍配線)の一部が導風路A1(第1導風路)の内部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1導風路に第1部分近傍配線の全てが配置され、第1導風路内において、第1部分近傍配線と遮断器とが電気的に接続されるように構成してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、導風路A1(第1導風路)が上下方向(Z方向側)に沿って延びるように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
第1導風路は、水平方向に沿って延びるように形成されてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、サイリスタTの全てが導風路A1(第1導風路)の内部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サイリスタは、第2導風路の内部に配置されるように構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、バイパス配線61(第2部分近傍配線)が導風路A2(第2導風路)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2部分近傍配線は、第1導風路に配置されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、排気ダクト25(導風部材)の上方に排気ファンFが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、排気ファンは、第1吸気口近傍に設けられてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、複数のサイリスタT(サイリスタT1、T2およびT3)は、排気ダクト25(導風部材)の内部において、筐体20の側面に交差する左右方向(X方向)に隣り合うように並んで配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のサイリスタは、導風部材の内部において、上下方向に隣り合うように並んで配置されてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、サイリスタTは、排気ダクト25(導風部材)の内部に配置されるとともに、上下方向(Z方向側)に沿って延びる排気ダクト25(導風部材)に沿って延びるように形成された板状の放熱フィンHFが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サイリスタTは、放熱フィンHFのみが導風部材の内部に配置されてもよい。また、本発明では、板状の放熱フィンは、導風部材と交差する方向に沿って延びるように形成されてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、導風路A2(第2導風路)の上方において、筐体20の外部から筐体20の内部へ空気を吸気するスリット22a(第2吸気口)が筐体20の前面側(Y1方向側)に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無停電電源装置用制御装置は、筐体の前面側に第2吸気口を設けずに自然空冷により、出力用母線の冷却を行うように構成してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、排気ダクト25(導風部材)に対する筐体20の前面側(Y1方向側)からの空気を排気ダクト25の内部に導入するスリット25b(導風部材導入口)が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無停電電源装置用制御装置は、導風部材に導風部材導入口を設けずに、筐体の外部から吸気した空気を出力用の母線の上方に設けられた排気口のみから排気することによって、出力用母線の冷却を行うように構成してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、排気ダクト25(導風部材)の内部に、サイリスタT、バイパス配線61(第2部分近傍配線)、および、バイパス配線62(第1部分近傍配線)が配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導風部材の内部には、第2部分近傍配線およびサイリスタに電気的に接続されたリアクトルが配置されてもよいし、トランスなど電気機器が配置されてもよい。たとえば、導風部材の内部において、遮断器の上方にトランスを配置させ、遮断器の下方かつ導風部材の下方(筐体の底面近傍)にリアクトルを配置させてもよい。
【符号の説明】
【0096】
2 制御モジュール(無停電電源装置用制御装置)
5 バッテリ
10 電力変換部
14、15、16 母線(出力母線)
20 筐体
21a スリット(第1吸気口)
22a スリット(第2吸気口)
23a スリット(排気口)
25 排気ダクト
25b スリット(導風部材導入口)
31、32、33 母線(無停電電源装置の電力変換部用の母線)
41、42、43 母線(無停電電源装置の電力変換部用の母線)
60 バイパス配線
61、61a、61b、61c バイパス配線
62、62a、62b、62c バイパス配線
63、63a、63b、63c バイパス配線
100 無停電電源装置
201 交流電源
202 負荷
203 交流電源
A 導風路
A1 導風路(第1導風路)
A2 導風路(第2導風路)
B、B1、B2、B3 バイパス電流経路
CB 遮断器
F 排気ファン
HF 放熱フィン
Su (排気ダクトの)面
T、T1、T2、T3 サイリスタ