IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Future Technology株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図1
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図2
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図3
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図4
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図5
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図6
  • 特開-電子タバコカートリッジ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145754
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】電子タバコカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20220926BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220926BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20220926BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120517
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2022015082の分割
【原出願日】2018-01-09
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(72)【発明者】
【氏名】會田 修一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 朋広
(72)【発明者】
【氏名】片山 佳味
(57)【要約】
【課題】輸送中、或いは保存中にお互いが貼りつき、固まることを防止し、電子タバコカートリッジ或いは電子タバコ本体の加熱ブレードの破損を防止する電子タバコカートリッジを提供する。
【解決手段】加熱要素211を挿入するエアロゾル形成基材110を一端に有し、エアロゾル形成基材を直接又は間接に支持する要素300を他端に有し、エアロゾル形成基材は、包摂部材によって取り囲まれている充填物を有し、充填物はエアロゾルフォーマを有するエアロゾル形成材と、エアロゾル形成材表面に付着する無機粒子とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱要素が設けられた電子タバコ本体に差し込んで使用される電子タバコカートリッジであり、
エアロゾル形成基材、
マウスピース、および
前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースを包装する包装部材を備え、
前記エアロゾル形成基材の一端または断面を観察した際の計測領域全体に対する前記エアロゾル形成基材が占める比率である充填率は、60%以上90%以下であり、
前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースの間において、前記包装部材が前記包装部材の内側に向けて露出する、電子タバコカートリッジ。
【請求項2】
前記充填率は、65%以上90%以下である、請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項3】
前記充填率は、70%以上90%以下である、請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項4】
前記観察は、デジタルマイクロスコープを用いて行われる、請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項5】
前記観察は、キーエンス社製VHX-2000デジタルマイクロスコープを用いて行われ、
前記一端または断面の画像解析は、前記デジタルマイクロスコープに付属のソフトウェアを用い、自動計測モードにおいて抽出モードを輝度として行い、
前記充填率の計算では、標準モードを選択し、抽出パラメータを「明るい」とし、前記エアロゾル形成基材と空隙が分かれるように閾値が選択される、請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコカートリッジ及び電子タバコに使用される充填物。
【背景技術】
【0002】
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むカートリッジを加熱して、気化したタバコ成分を吸引することで、タバコを楽しむための電子タバコ製品が普及し始めている。このような喫煙物品として、エアロゾル形成基材として、グリセリン等を含むシートを用いた電子タバコカートリッジが提案されている。このような電子タバコカートリッジは、そのエアロゾル形成基材が加熱ブレードによって貫通可能であるように構成され、加熱されることにより喫煙されるような喫煙用物品が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6000451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、本発明におけるエアロゾル形成基材においては、適度に充填物を充填する必要がある。例えば、充填率が60%に満たず充填量が少なすぎると、加熱によって十分なエアロゾル発生が十分ではなく、ユーザーが喫煙を行った際の吸引時の抵抗が低すぎ、吸い心地が不十分なものとなる。更に、好ましくは65%以上であると吸い心地がよくなる傾向にある。逆に充填率が90%を超え充填量が多すぎると充填物の詰まり具合が大となるため、ユーザーの喫煙が難しくなったり、加熱要素の挿入する際の抵抗が大となったり、電子タバコカートリッジが破損したりする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電子タバコカートリッジにおいて、加熱要素を挿入するエアロゾル形成基材を一端側に有し、他端側にマウスピースを有し、前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースが包装部材によって取り囲まれ、少なくとも前記エアロゾル形成基材は、包摂部材に取り囲まれた充填物を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填物が、棒状、短冊状及び繊維状の少なくとも一つの形状である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填物が、多孔質状、片状、正方形、長方形、菱形の平板状、粉体、顆粒、ペレット、ブロック、粒状及びペースト状の少なくとも一つの形状である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填物が、シート状の形状であって、しわ付け、ひだ付け及びギャザー付けの形状の少なくとも一つの形状である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填物が、シート状であって、電子タバコカートリッジの長手方向に沿って折り畳まれている形状及び中に巻かれたロール型形状の少なくとも一つの形状である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5いずれかに記載の発明において、前記包摂部材又は前記包装部材の加熱要素挿入側に蓋を有する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記充填物は、加熱によってエアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマを有し、前記エアロゾルフォーマを担持する担持体を有する。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記担持体はゴム、セルロース結合剤及び多糖類の少なくとも一つが選択され、前記充填物は無機粒子を有する。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記無機粒子が珪藻土を有する。
【発明の効果】
【0014】
エアロゾル形成材の表面に、無機粒子を付着させることにより、高温環境で保管したとしても、エアロゾル形成材同士の付着・固着することを防止できる。
さらに、エアロゾル形成材表面に無機粒子を付着させることで、電子タバコ本体の加熱要素の汚れを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電子タバコカートリッジの使用の形態を例示する図である。
図2】電子タバコカートリッジの構造の一例を示す図である。
図3】エアロゾル形成基材として製造された充填物の一例を示す図である。
図4】電子タバコカートリッジの作成法を例示する図である。
図5】電子タバコカートリッジの変形例を説明する図である。
図6】エアロゾル形成基材として製造された充填物の一例を示す図である。
図7】エアロゾル形成基材として製造された充填物の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に用いられる、エアロゾル形成材としては、例えば以下のように製造されたものが用いられる。また、エアロゾル形成材を形成する材料としては、エアロゾルフォーマを担持する担持体、エアロゾルフォーマ及び必要に応じ使用する風味添加剤が挙げられる。
【0017】
エアロゾルフォーマを担持する担持体としては、タバコ植物或いは非タバコ植物の様々な使用部位(例えば、根、茎、葉、花、実、皮、種子、樹木の幹又は樹木の枝など)が用いられ、好ましくは、乾燥粉砕されるなどの形態で用いられる。
【0018】
エアロゾルフォーマを担持する担持体としては、前記のような植物の部位以外に、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせも用いられる。
【0019】
エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらは、エアロゾル形成材に対して、1質量%以上80質量%以下の量で用いられ、特に、10質量%以上40質量%以下であると好ましい。
【0020】
上記エアロゾルフォーマ担持体及びエアロゾルフォーマのほかに必要に応じ風味を追加する風味添加剤も好ましく用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス等が挙げられる。さらに、上記材料を用いて、エアロゾル形成材を製造する場合には上記のほかに、水、エチルアルコール、増粘剤等好ましい製造を実施するための種々の添加剤を加えてもよい。
【0021】
例えば、充填物をシートとして作成する場合には、例えば、特表2010-520764にあるように、上記に様なタバコ材料を含むシートを作成し、作成したシートにエアロゾルフォーマを添加したり、特表2017-529848号公報にあるように、エアロゾルフォーマとセルロース繊維とタバコ粉末を組合せてスラリーとしたのちにシートとする方法が挙げられる。
【0022】
また、充填物を棒状又は短冊状として作成する場合には、上記のようなエアロゾルフォーマを担持する担持体の材料と、エアロゾルフォーマなどと水を混合し、適度に水分を含んだシートとして、所望の棒状、短冊状に成形或いはカッティングする。
【0023】
本発明において無機粒子が好ましく用いられる理由としては、本発明におけるエアロゾル形成基材が加熱される際に、前記加熱により無機物が分解しにくいことを念頭においたものである。
【0024】
無機粒子が充填物の表面に存在すると、エアロゾルフォーマを含む充填物同士が直接に接触しないようになる。このような状況を作り出すことにより、本発明の電子タバコカートリッジの輸送中或いは保管中にさらされる振動或いは高温状態において、エアロゾルフォーマが前記エアロゾル形成材の表面に滲み出して、存在量が増加した場合においても、エアロゾル形成材同士の付着を防止することができる。
【0025】
このような効果を得るためには、前記無機粒子が、1μm以上1000μm以下程度の直径を有していることが好ましい。さらに、5μm以上であると充填物間のスペーサとしてさらに好ましく機能するので好ましい。更に、10μm以上であると更に好ましい。また、50μm以下であると十分なスペーサ効果を有するとともに、充填物を十分に充填することができるので好ましい。
【0026】
本発明における、無機粒子の直径とは、無機粒子の光学顕微鏡或いは必要に応じて電子顕微鏡にて、充填物の表面の無機粒子の画像を撮影し、その円相当の直径をいう。すなわち、前記無機粒子の投影像の面積に等しい円の直径を前記粒子の直径とする。
また、エアロゾル形成材表面の無機粒子の存在は、例えば、エアロゾル形成基材を分解し、エアロゾル形成材表面を、倍率500程度で、1視野100μm×100μmとしたときの、10枚程度の観察結果による。また、必要に応じて倍率をあげてもよい。無機物であることの確認のためにXMA(エックス線マイクロアナリシス)を備える走査型電子顕微鏡にて確認することも好ましい。
【0027】
また、本発明において、無機粉体の粒子径の測定は、例えば、レーザー回折・散乱式 粒子径分布測定装置が用いられる。試料としての粉体は好ましくは湿式にて測定される。例えば、マイクロトラックベル社製、マイクロトラックMT3300IIIなどが用いられる。なお、本発明において平均粒子径という場合は、0.02μm~2000μmまでの範囲について、体積基準の分布を累積し、50%となった径をいう。
【0028】
エアロゾル形成材表面に無機粒子を付着させる方法の一例として、無機粉体を前記エアロゾル形成材に添加して混合することが挙げられる。エアロゾル形成材に添加される無機粉体としては、平均粒子径は、1μm以上が好ましく、5μm以上であると更に好ましく、10μm以上であると本発明の効果がより大きくなるので好ましい。また、平均粒子径が100μm以下であると、エアロゾル形成材表面の付着状態を保ちやすく、40μm以下であると、十分なスペーサ効果を有するとともに、充填物を十分に充填することができるので好ましい。
【0029】
また、上記無機粉体の添加量は、充填物100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下であることが好ましい。更に好ましくは、0.01質量部以上であると、十分なスペーサ効果を得ることができる。更に好ましい範囲は、0.05質量部以上である。また、5質量部以下であると、スペーサ効果が得られるとともに充填物を十分に充填することができるので好ましい。更に好ましい範囲は、2質量部以下である。
【0030】
尚、本発明において、無機粒子を表面に存在させたエアロゾル形成材を用いてエアロゾル形成基材を形成すると、驚くべきことに使用後の加熱要素に付着する汚れが減少する効果の有することが分かった。
【0031】
特に、添加する無機粉体の平均粒子径は、1μm以上であって、40μm以下であると良好な効果があり、5μm以上であると更に付着物の減少効果がある。添加する無機粉体の添加量は、0.01質量部以上、5質量部以下であると良好な効果があり、0.1質量部以上とすると更に付着物の減少効果がある。この作用メカニズムについては、加熱要素の脱着時に無機粒子が表面の研磨効果を発揮したり、汚れのスキャベンジングを行ったり、或いは、加熱時に前記加熱要素表面とエアロゾル形成材が、無機粒子のスペーサ効果により直接に接触する確率が小であることに起因し汚れを低減しているというメカニズムを想定している。
【0032】
本発明の無機粒子として、使用をすることのできる無機物の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属塩化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、リン酸カルシウム等の金属のリン酸塩、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウム等のチタン酸塩も単独で又は併用で用いることができる。以上、本発明において用いられる無機物を例示したが、本発明の無機粒子は上記無機物での構成に限られず、その他の金属との塩をも包含する。更には、ゼオライト、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等の酸化ケイ素も用いることができる。特に、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、アルミナを好ましく用いることができる。
【0033】
また、前記無機物を包含するような天然物を利用することもできる。珪藻土、バーミキュライトなどが挙げられる。
【0034】
また、本発明におけるエアロゾル形成基材においては、適度に充填物を充填する必要がある。充填量が少なすぎると、加熱によってのエアロゾル発生が十分ではなく、ユーザーが喫煙を行った際に吸い心地が不十分なものとなる。逆に充填量が多すぎると充填物の詰まり具合が大となるため、ユーザーの喫煙が難しくなったり、加熱要素の挿入する際の抵抗が大となり、電子タバコカートリッジが破損したりする。
【0035】
本発明において、充填物の形状としての好ましい形態は以下である。好ましい形態の一つの例として、棒状又は短冊状であって、エアロゾル形成基材の長手方向に沿って前記包摂部材(151)中に配される様子を図3に示している。また、好ましい別の形態として、エアロゾル形成基材(110)を一端側から見た図であって、エアロゾル形成基材(110)がシート状であって電子タバコカートリッジの長手方向に沿って前記包摂部材(151)中に折り畳まれている充填物(112)を有している様子を図6に示している。さらに、好ましい別の形態として、エアロゾル形成基材(110)を一端側から見た図であって、エアロゾル形成基材(110)がシート状であって電子タバコカートリッジの長手方向に沿って前記包摂部材(151)中に巻かれてロール状となっている充填物(113)を有している様子を図7に示している。
【0036】
充填物の充填量の適切な範囲は、エアロゾル形成基材の断面において、シート状のエアロゾル形成材の占める面積率を算出する方法で評価することができる。この場合、エアロゾル形成基材の一端から見た状態が断面と同等である場合はこれを採用することができる。
【0037】
例えば、デジタルマイクロスコープを用いて、充填物と充填物の無い空隙部分を評価することにより求めることができ、以下のように測定することができる。デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製:VHX-2000)を使用し、倍率は100倍としディスプレーに投影した。画像を解析する範囲については、充填物と充填物の無い空隙部分のみが現れる領域とする。この場合、観察サンプル直径7.0mmについて、横3.5mm縦2.6mmとした。上記範囲において、画像解析は付属のソフトウェアを用い、「自動計測モード」で「抽出モード」を「輝度」とした。計測は、「標準」を選択し「抽出パラメーター」を「明るい」とし、観察する充填物と空隙が分かれるように「閾値」を選択した。計測領域全体に対して、充填物の占める比率をもって充填率とする。
【0038】
このように充填率は、60%以上90%以下が好ましい。更に好ましくは、65%以上であり、更に好ましくは70%以上である。このような充填率を高くしようとするときに充填物同士が付着するようになることが多く、本発明が有用となる。
【0039】
上記のように調整された充填物は以下のように電子タバコカートリッジとして、電子タバコ本体に用いられる。
【0040】
図1には、電子タバコカートリッジの使用の形態を例示している。電子タバコカートリッジ(100)は、ユーザーの使用時に電子タバコ本体(200)に装着される。電子タバコ本体(200)には、電子タバコカートリッジ(100)を差し込むための差し込み部(210)が設けられている。
【0041】
差し込み部(210)内の底の中央部には、加熱要素(211)が設けられており、加熱要素(211)は、先端が尖っているピン状またはブレード状の部材を有し、エアロゾル形成基材(110)内に挿入され、エアロゾル形成基材(110)を加熱する。より具体的には、加熱要素(211)は、電子タバコカートリッジ(100)が電子タバコ本体(200)の差し込み部(210)に刺し込まれる際に、エアロゾル形成基材(110)の中央部に挿入される。
【0042】
加熱要素(211)は、電子タバコ本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力よって直接的または間接的に発熱する。この加熱要素(211)の熱によってエアロゾル形成基材(110)が温められることにより、芳香成分を含むエアロゾルが発生する。そして、発生したエアロゾルは、以下で説明する支持要素(300)およびエアロゾル移送部材(130)を経てマウスピース(140)へ移送され、ユーザーがマウスピース(140)側から吸い込むことで、芳香成分がユーザーの口内へ届くことになる。以下、本発明の説明のために電子タバコカートリッジのエアロゾル形成基材(110)側を上流側(10)と称し、マウスピース側を下流側(20)と称する。また、上流側(10)を一端側といい、下流側(20)を他端側ということがある。
【0043】
なお、図1には、加熱要素(211)がピン状又はブレード状の部材を1本有する場合について図示されているが、別の形態の例としては、加熱要素(211)がピン状又はブレード状の部材を複数有しているものが例示できる。
【0044】
図2には、電子タバコカートリッジ(100)の構造の一例を示す。加熱要素(211)の挿入される側から、すなわち、上流側(10)から下流側(20)に向かって、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、マウスピースの構成(140)をとるもので説明する。
【0045】
支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、前記支持要素(300)の側部(160)は電子タバコカートリッジ(100)の周縁に位置する包装部材(150)と接する。側部(160)は、たとえば接着剤により包装部材(150)の内面に固定されている。
【0046】
また、支持要素(300)は、好適には、たとえばシリコーンを使用して形成されうるが、シリコーンに限定されず、耐熱性に優れた他の材料を使用してもよい。
【0047】
図3に示すように、エアロゾル形成基材(110)として製造された充填物(111)は、その形状が、たとえば、棒状や短冊状などの場合が好ましく、充填の際に充填物(111)の形状の長手方向に沿わせるようにして詰められる。ここでは、円筒状に形成した包摂部材(151)に充填した例を示している。包摂部材(151)としては、タバコ紙等の紙を円筒状に形成したものを用いることができる。また、包装部材(150)が包摂部材(151)を兼ねてもよい。これにより、気流が安定し、ユーザーがエアロゾル形成基材(110)からの芳香成分を吸い込みやすくなる。
【0048】
図4には、以上のように形成されたエアロゾル形成基材(110)、移送部材(130)、マウスピース(140)と以下に例示の支持要素(300)を、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、マウスピース(140)の順で隣接させ、タバコ紙等の包装部材(150)で巻きロッドを形成する様子を示す。この際、支持要素の側部(160)には若干の接着剤を施してある、電子タバコカートリッジ(100)である。
次に、本発明の電子タバコカートリッジの使用例を詳細に説明する。
【0049】
図1図2図3及び図4は、電子タバコカートリッジの使用の態様と外観の例である。
【0050】
電子タバコカートリッジ(100)は、図2に示すように、たとえば棒状または円筒形状の外観をしている。
【0051】
電子タバコカートリッジ(100)の内部は、たとえば図2に示すように、一端にエアロゾル形成基材(110)が設けられ、他端のマウスピース(140)に向けて、支持要素(300)、移送部材(130)が、この順序で配置されている。そして、これらを包装部材(150)によって包装されている。
【0052】
エアロゾル形成基材(110)は、電子タバコカートリッジ用充填物である。エアロゾル形成基材(110)は、加熱により充填物の元になった植物が有する芳香成分を含むエアロゾルを発生する。
【0053】
エアロゾル形成基材(110)としての充填物は、図3に示すように、その形状が、たとえば、短辺に対して長辺が2~20倍程度となる片状や、短冊状、棒状などの場合、充填の際に充填物(111)の形状の長手方向をカートリッジ長手方向に沿わせるようにして詰める。これにより、気流の流れがよく吸い込みやすくなる。なお、図3は電子タバコカートリッジのエアロゾル形成基材(110)がある側の端から見た図であって、カートリッジ内部の充填物(111)が見えるように一部透視図とした。ただしいずれも最大長部分が1~20mm程度とすることが好ましい。これは、最大長部分があまり大き過ぎると、カートリッジへの充填の際に大きすぎて取り扱いが面倒になるおそれがあるためである。もちろん、これ以外にも、たとえば平板状で形状をほぼ一定にした充填物であれば、巻いて詰めることができるので、取り扱いが容易である。
【0054】
その他のエアロゾル形成基材としては、シートの形状として、しわ付け、ひだ付け、ギャザー付け或いは折りたたむことにより形成されたものを使用するのも好ましい形態である。
【0055】
繊維状の充填物は、棒状のもの同様に、繊維の長さ方向をカートリッジの長手方向に沿うように詰めることで、吸引された空気の流れをよくする。
【0056】
多孔質状の充填物は、カートリッジに詰めたときに多孔質であるので吸引されたときの空気の流れをよくするので、好ましい形態の一つである。多孔質状にするためには、たとえば、複数の針で乾燥したシートを何度か突き刺すなどすることで形成できるが、その他の方法であってもよい。
【0057】
片状、正方形や長方形、または菱形などの平板状としたり、粉体、顆粒、ペレットの充填物は、カートリッジ開口部に落とし込むようにして容易に詰めることができる。また、カートリッジへ詰める量(充填量)を細かく調整しやすく、詰める量によって吸引されたときの空気の流れを調整しやすいので、好ましい。前記カートリッジ開口部に蓋をするなど脱落防止の対応をとることで更に好ましく使用できるようになる。
【0058】
ブロック状の充填物は、熱伝導性がよく芳香成分を引き出しやすい。好ましい形態の一つである。また、ブロックの大きさを大きくして保存しやすいようにしてもよい。その場合、充填時にはブロックから小さなブロックや、棒状、粒状などの形状に再成形することができる。
【0059】
上記に例示した様々な形状の充填物の表面に無機粒子を存在させることで本発明の効果を得ることができる。
【0060】
ペースト状の充填物は、カートリッジ内に絞り出して充填することができる。このため、たとえば、展開した状態の包装部材(150)にペーストを塗布して、包装部材(150)ごと巻き上げることでカートリッジを形成することが可能となる。
【0061】
支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、中心部または側部に気流の通し穴や切り欠きなどを有して、エアロゾル形成基材(110)から発生したエアロゾルをマウスピース方向へ流すことができる。
【0062】
マウスピース(140)は、移送部材(130)に隣接し、電子タバコカートリッジ(100)の他端部に配置される。マウスピース(140)は、微粒子を取り除くフィルターとして、たとえばセルロースアセテートフィルターを含んでいてもよい。マウスピース(140)のフィルターを通過した香気成分は、ユーザーによって吸引される。
【0063】
移送部材(130)の有無を比較すると、移送部材(130)を入れていない方が通気性はよく、発生した芳香成分を吸引しやすい。他方、移送部材(130)を入れ、発生したエアロゾルを冷やすことができる機能を追加するのも好ましい。移送部材(130)を追加する代わりに、マウスピースを延長して、支持要素(300)に隣接或いは接する構成とすることも好ましい。マウスピースに使用するフィルターに冷却の機能を兼ねさせることができ、部品点数を減らすことができるからである。移送部材(130)としては、中空の管状部材を用いたり、電子タバコカートリッジ長手方向に、捲縮されたポリマーシートを巻いたもの等を使用することができる。
【0064】
図5(1)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)が接触する構成を示しており、安定的にエアロゾル形成基材(110)を支持することができるので好ましい形態である。また、構成が単純であるから製造上の利点も大きい。
【0065】
図5(2)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)の間に隔壁部材(160)を設け、隔壁部材(160)を介して接するような構成とするものである。隔壁部材(160)は、例えば、通気性の良い、フィルター、紙などが挙げられ加熱要素(211)が挿入された際には破壊するようなものが好ましい。このような隔壁部材を設けると輸送時等の物流での影響でエアロゾル形成基材(110)が電子タバコカートリッジで移動してしまうことを避けることに効果がある。
【0066】
図5(3)は、エアロゾル形成基材(110)の加熱要素(211)が挿入される側に蓋(170)をする構成も好ましい。このようにすると、エアロゾル形成基材(110)の芳香の散逸の防止に効果がある。更に、輸送時等の物流での影響でエアロゾル形成基材(110)が電子タバコカートリッジから外側に脱落することを避けることができるという効果がある。蓋(170)の材質としては、フィルター、紙、スポンジなどが挙げられる。なお、加熱要素が挿入される場合は、蓋(170)に1本またはそれ以上の切れ目を入れること、或いは、加熱要素が挿入される場所に、円又は多角形の誘導穴を設けることも好ましい形態である。
【0067】
特に、エアロゾル形成基材(110)として、粉体、顆粒、フレーク、ペレット等の粒状のものを用いた場合は、隔壁部材(160)或いは蓋(170)を設けることが好ましい。更に、その双方を設けることが更に好ましい。
【0068】
次に、原料となる非タバコ植物について説明する。本実施形態でも使用できる非タバコ植物は、タバコ以外の植物であれば特に制限はない。植物の使用部位としては、たとえば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
【0069】
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
【0070】
上記イモ類或いは以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、充填物111の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることで可能である。
【0071】
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、 ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
【0072】
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸Naなどの塩としても用いられる
【0073】
具体例を挙げると、たとえばハーブやスパイスとして使用されている植物としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(たとえば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
【0074】
また、たとえば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
【0075】
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、たとえば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
【0076】
上記に、使用できる植物の具体例として、昆布をあげたが、他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
【0077】
上記に、使用できる植物の具体例として、玄米をあげたが、米の他の品種として、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉或いは糠としても使用することができる。
【0078】
更に、使用できる植物の具体例として、麦をあげたが、麦類の他の例として、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
【0079】
更に、使用できる植物の具体例として、黒豆をあげたが、菽穀類(マメ科)としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー(英:Lathyrussativus)ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英: Macrotylomauniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
【0080】
更に、使用できる植物の具体例として、ソバをあげたがその他の植物の例として、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
【0081】
更に、使用できる植物の具体例として、シイタケをあげたが、キノコ類としては、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケが挙げられる。
【0082】
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、たとえば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0083】
更に、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、そう角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、そう莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
【0084】
更に、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、所謂エキスも使用することができる、抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0085】
以下本発明を詳細に説明する。
(製造例1)
紅茶葉の乾燥粉砕物100質量部
マメ科カンゾウの乾燥粉砕物20質量部
蓮の葉の乾燥粉砕物10質量部
を混合機に投入し、5分間乾式混合を行った。
【0086】
上記、乾式混合物に、
ポリプロピレングリコール25質量部
グリセリン25質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩5質量部
メンソール3質量部
エタノール3質量部
水200質量部
を、前記混合機に投入し、15分間湿式混合した。
【0087】
上記のように得られたスラリーからシートを形成する工程においては、上記スラリーを適当な簀子を備えた枠体に指定の量を投入し含水シートを作成した。この時、本実施の例では、含水シートにはおよそ、上記スラリーの含水量を、100とすると、95程度の水分量となる。
【0088】
引き続き、上記含水シートを所定のクリアランスを設定したプレスロールに3回通過させ成形を行い、その後に、前記3回通過させた含水シートに100質量部に対し、7質量部相当の水を上記含水シートに追加し更に上記プレスロールを5回通過させた。
【0089】
更に、上記の様に得られた、成形含水シートを35℃の環境下で、300分乾燥させて含水量20質量%の電子タバコ充填物用成形シートを作成した。乾燥温度については、50℃未満とするのが香味を保つために好ましい。更に好ましくは45℃未満であり、更には40℃未満である。シートの厚みは、適宜調整されるが、本例では厚み、0.5mmとした。
上記シートを切断し、長さ12mm、幅1.5mm、厚み0.5mmに切断をし、エアロゾル形成材とした。
【0090】
(製造例2)において、シートの厚みを1mmとし、長さ12mm、幅1mm、厚みを1mmに形成し、エアロゾル形成材とした。
【0091】
(製造例3)
木材繊維50質量部
乾燥紅茶葉50質量部
水5000質量部
以上を混合し、スラリーとした。
【0092】
このスラリーをキャストして、厚み0.2mmのシートとした。なお、キャストのこりの水は濃縮して保管し、次の工程で使用する。
【0093】
上記シートを乾燥し、シート100質量部当たり、
ポリプロピレングリコール10質量部
グリセリン20質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩2質量部
メンソール(50%エタノール溶液)3質量部
キャストのこりの濃縮した水50質量部
を添加して、乾燥して、シートを作成した。
前記シートを裁断して、横120mm、縦12mm、厚み約0.2mmのシートを形成した。
【0094】
(実施例1)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径15μmの炭酸カルシウム粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の炭酸カルシウム粒子が付着している。
炭酸カルシウム粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、エアロゾル形成基材(110)とした。図4に示すような電子タバコカートリッジとした。支持要素(300)として、その中心に貫通穴を有する中空状管を用いる。管の底面の直径は7mmであり、中空部を形成する貫通穴の直径は、3mmであり、材質はセルロースアセテートである。支持要素(300)は、加熱要素(211)が挿入された場合に、挿入する力に抗してエアロゾル形成基材(110)を支持する機能を有するとともに、発生したエアロゾルがユーザーの口に届くよう上流側(10)から下流側(20)に導く機能として貫通穴を有している。移送部材(130)としては、ギャザー付きのポリマーシートを底面直径7mmで、高さを18mmとした円柱状となるように紙巻したものを用いる。移送部材(130)は、発生したエアロゾルがユーザーの口に届くよう上流側(10)から下流側(20)に導く機能を有するとともに、エアロゾルの温度を適正に保つ機能を有している。マウスピース(140)としては、フィルターを底面の直径7mm、高さ7mmの円柱状となるように紙巻したものを用いた。充填率を測定したところ、81%であった。
【0095】
(実施例2)
(製造例2)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径15μmの炭酸カルシウム粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の炭酸カルシウム粒子が付着していることが観察される。
炭酸カルシウム粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、83%であった。
【0096】
(実施例3)
(製造例3)で作成したエアロゾル形成材を、机上に静置した。シート上面に、平均粒子径15μmの炭酸カルシウム粉体をシート100質量部に対して、1質量部をまんべんなく振りかけた。その後に、前記シート上面を内側として巻き込み直径略6.5mm高さ12mmの円筒にシートを巻き込んだ。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の炭酸カルシウム粒子が付着していることが観察される。
炭酸カルシウム粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、74%であった。
【0097】
(実施例4)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径10μmの炭酸マグネシウム粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の炭酸マグネシウム粒子が付着している。
炭酸カルシウム粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、80%であった。
【0098】
(実施例5)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径20μmの酸化ケイ素粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の酸化ケイ素粒子が付着している。
酸化ケイ素粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、80%であった。
【0099】
(実施例6)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径5μmのアルミナを1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下のアルミナ粒子が付着している。
アルミナ粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、81%であった。
【0100】
(実施例7)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径2μmのアルミナを1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下のアルミナ粒子は観察できなかった。
上酸化ケイ素粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、81%であった。
【0101】
(実施例8)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径0.5μmの酸化ケイ素粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の酸化ケイ素粒子の粒子は観察できなかった。
酸化ケイ素粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填し、実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、81%であった。
【0102】
(実施例9)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材100質量部に対して、平均粒子径47μmの酸化ケイ素粉体を1質量部添加し混合した。顕微鏡の観察により、直径10μm以上50μm以下の酸化ケイ素粒子の粒子が付着している。
酸化ケイ素粒子を表面に有するエアロゾル形成材0.29gを、充填物として、内径が6.9mm、高さ12mmの包摂部材である紙筒に充填しようとしたが、充填に難があり、量を減らして0.23gを充填した。実施例1と同様に電子タバコカートリッジの作成をした。充填率を測定したところ、65%であった。
【0103】
(比較例1)
(製造例1)で作成したエアロゾル形成材を、そのまま、充填物とした。図4に示すような電子タバコカートリッジとした。
【0104】
(比較例2)
(製造例2)で作成したエアロゾル形成材を、そのまま、充填物とした。図4に示すような電子タバコカートリッジとした。
【0105】
(比較例3)
(製造例3)で作成したエアロゾル形成材を、そのまま、充填物とした。図4に示すような電子タバコカートリッジとした。
【0106】
以上のように、得られた電子タバコカートリッジについて以下の評価を行った。使用する電子タバコ本体の概略を説明する。加熱要素(211)は、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚みは0.4mmである。差し込み部(210)の内径は、7mmであり、電子タバコカートリッジの外形にほぼ等しい。前記加熱要素(211)は、電子タバコ本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力よって発熱し、およそ350℃となる。そして、内蔵の制御システムにより、14回の吸引によって1本の電子タバコカートリッジの消費が終了する。なお、本実施例の電子タバコカートリッジを差し込んだ際に、電子タバコ本体の下流側から外側に現れる電子タバコカートリッジ部分はおよそ20mmである。
評価1:作成した電子タバコカートリッジを長辺70mm短辺14mm高さ45mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように充填した。このように、用意された電子タバコカートリッジ入り箱を、40℃の環境下、2週間ポリ袋に入れて放置した。その後に、取り出し後、常温常湿環境に1日放置したものについて以下の評価を行う。充填物をエアロゾル形成基材より取り出し、それらが固まっているかどうかを確認する。
ランクA:ピンセットで取り出した時点で、ほぐれるもの
ランクB:ピンセットで押してほぐれるもの
ランクC:ピンセットで押しても、塊の残るもの
ランクCのものは、長期の保管などにより、電子タバコ本体に挿入するのが困難となる可能性の高いものである。
【0107】
評価2:各実施例及び比較例において、電子タバコカートリッジを作成する際においての作成の容易さ、困難さを比較したものである。各実施例中等に、特にコメントがない場合問題はないことを意味する。
【0108】
評価3:各実施例の電子タバコカートリッジを、図1に示すように使用をした際の加熱要素に付着した汚れを評価したものである。評価は以下のように行った。比較例1の電子タバコカートリッジを用いて、1本につき14回吸引を行う。計10本、20本、30本、40本、50本の吸引を終了した際の加熱要素に付着した汚れを、エタノールを含侵させたガーゼを用いてふき取った。汚れの程度は、吸引本数が増えるにつれて大となる。
【0109】
これに対し、本実施例にて作成した電子タバコカートリッジを50本吸引した際の汚れを採取し、汚れの程度を比較し、比較例1についての何本分に相当するかのより評価した。
【0110】
評価の結果を表1にまとめた。
【表1】
【0111】
以上のように、本本発明において、エアロゾル形成材の表面に無機粒子を存在させることにより、様々な輸送或いは保存環境を経由した電子タバコカートリッジであっても、問題なく使用が可能のものとすることができる。
また、本発明の更なる効果として、使用による加熱要素の汚れを減じることができ、クリーニングの頻度や電子タバコ本体の寿命をも伸ばすことができる。
【0112】
以上説明した実施形態によれば以下の効果を奏する。
本本発明において、エアロゾル形成材の表面に無機粒子を存在させることにより、様々な輸送或いは保存環境を経由した電子タバコカートリッジであっても、問題なく使用が可能のものとすることができる。
【0113】
また、本発明の更なる効果として、使用による加熱要素の汚れを減じることができ、クリーニングの頻度や電子タバコ本体の寿命をも伸ばすことができる。
【0114】
ところで、シート状に形成されたエアロゾル形成基材はグリセリン等を使用しているために、輸送中或いは倉庫・店先で保存中にお互いが貼りつき、固まってしまうことがある。このように、固まってしまうと加熱ブレードによって貫通が困難となってしまう。従い、電子タバコカートリッジが破損、また、加熱ブレードの破損を招来することがある。
そこで、本発明の目的は、輸送中或いは倉庫・店先で保存中にお互いが貼りつき、固まることを防止し、電子タバコカートリッジ或いは電子タバコ本体の加熱ブレードの破損を防止することである。
【0115】
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0116】
100電子タバコカートリッジ
110エアロゾル形成基材
111充填物
120支持部材
130冷却部材
140マウスピース
150包装部材
151包摂部材
200電子タバコ本体
210差し込み部
211加熱要素
300支持要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7