(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145887
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】シート体験システム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20220926BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C7/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127540
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020523112の分割
【原出願日】2019-06-04
(31)【優先権主張番号】P 2018109648
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018118418
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】金田 悟
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
(72)【発明者】
【氏名】沼尻 浩行
(72)【発明者】
【氏名】藤田 郷詩
(72)【発明者】
【氏名】三好 貴子
(72)【発明者】
【氏名】草野 惇至
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 吉一
(72)【発明者】
【氏名】東 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良祐
(72)【発明者】
【氏名】植竹 健斗
(57)【要約】
【課題】センサが設けられたシートの有効利用を図る。
【解決手段】シート本体S0と、シート本体S0に設けられたセンサ(圧力センサPS)と、センサから測定値を取得可能にセンサと接続されたシート制御部100とを備えるシートSと、シート制御部100と接続され、シート本体に座っている着座者に動作の指示を報知するとともに、着座者を特定するユーザ識別情報を記憶した体験指示装置(スマートフォンSP)と、体験指示装置と通信可能なサーバ300と、を備えるシート体験システムSYSである。体験指示装置は、センサの測定値に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定し、少なくとも第1条件を満たす場合に判定結果をサーバ300に送信し、サーバは、体験指示装置から第1条件を満たすという判定結果を受信したことを条件として、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、前記シート本体に設けられ、前記シート本体に座っている着座者の動作を検出するための測定値を取得するセンサと、前記センサから前記測定値を取得可能に前記センサと接続されたシート制御部とを備えるシートと、
前記シート制御部と接続され、前記シート本体に座っている着座者に動作の指示を報知するとともに、前記着座者を特定するユーザ識別情報を記憶した体験指示装置と、
前記体験指示装置と通信可能なサーバと、を備えるシート体験システムであって、
前記体験指示装置は、前記センサの測定値に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定し、少なくとも第1条件を満たす場合に判定結果を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記体験指示装置から前記第1条件を満たすという判定結果を受信したことを条件として、前記ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させることを特徴とするシート体験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの積極的な使用により、着座者に新たな価値を提供するシート体験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者のシートに圧力センサ等を搭載して、着座者の着座姿勢を推定する装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかし、従来の装置は、運転者の着座姿勢を評価して提示するだけであるので、あまり有効に利用できないという問題がある。本願の発明者等は、シートに設けたセンサの測定値を利用して、シート上の着座者に運動を促して着座者の健康増進を図ったり、さらには、着座者にポイントを付与して特定地域でのポイントの利用を図り、地域振興のビジネスモデルに繋げることなどを検討している。
【0005】
そこで、本発明は、シートの新たな価値を提案し、センサが設けられたシートの有効利用を図ることを目的とする。
【0006】
前記した課題を解決する本発明は、シート本体と、シート本体に設けられ、シート本体に座っている着座者の動作を検出するための測定値を取得するセンサと、センサから測定値を取得可能にセンサと接続されたシート制御部とを備えるシートと、シート制御部と接続され、シート本体に座っている着座者に動作の指示を報知するとともに、着座者を特定するユーザ識別情報を記憶した体験指示装置と、体験指示装置と通信可能なサーバと、を備えるシート体験システムである。体験指示装置は、センサの測定値に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定し、少なくとも第1条件を満たす場合に判定結果をサーバに送信する。そして、サーバは、体験指示装置から第1条件を満たすという判定結果を受信したことを条件として、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させる。
【0007】
このような構成によれば、サーバは、体験指示装置から第1条件を満たすという判定結果を受信したことを条件として、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させるので、着座者は、ポイントを取得することを目的として、体験指示装置を積極的に利用するモチベーションを持つことができる。これにより、センサが設けられたシートを有効に利用することができる。なお、本発明におけるポイントは、特定のコミュニティまたは契約者間において、商品またはサービス等と交換できるものであり、名称等は特に限定されない。
【0008】
前記したシート体験システムにおいて、サーバまたは体験指示装置は、第1条件とは別の第2条件を満たすか否かを判定し、サーバは、第1条件を満たすとともに第2条件を満たす場合にポイントを増加させ、第1条件を満たすが第2条件を満たさない場合には、ポイントを増加させない構成であってもよい。
【0009】
ポイントの取得というモチベーションがあると、着座者は、ポイント取得のために体験指示装置を使用し続けたりする可能性があるが、ポイントの増加(以下、「付与」ともいう。)のために第2条件を満たすことを要件とすることで、必要以上の体験指示装置の利用を抑制することができる。また、第2条件の設定として、健康の増進に繋がるような条件としたり、特定の地域に行くこととするなど、第2条件を単なる体験指示装置の利用を超えた目的に合わせて設定することで、シートを特定の目的に有効活用することができる。
【0010】
サーバまたは体験指示装置は、センサの測定値に基づいて、第2条件を満たすか否かを判定することができる。
【0011】
このように、センサの測定値から第2条件を判定することで、シート本体上の着座者の着座状況または動作に基づいてポイントの付与を決定することができる。
【0012】
サーバまたは体験指示装置は、センサの測定値から、着座者の動作の大きさが所定未満である時間が所定時間以上である場合に、第2条件を満たすと判定してもよい。
【0013】
このような第2条件を設定することで、着座者がじっと座っている場合に体験指示装置を使用して着座者に運動を行わせ、着座者の健康の増進を図ることができる。また、ポイント取得のために着座者が動き続けるような事態を抑制することができる。
【0014】
前記したシート体験システムにおいて、センサは、圧力センサであってもよい。そして、サーバまたは体験指示装置は、センサの測定値の変動が所定未満である時間の累積である判定時間が所定時間以上である場合に、第2条件を満たすと判定することができる。
【0015】
また、センサが圧力センサであり、サーバまたは体験指示装置は、センサの測定値の変動が所定未満である状態の継続時間である判定時間が所定時間以上である場合に、第2条件を満たすと判定してもよい。
【0016】
前記したシート体験システムにおいて、サーバまたは体験指示装置は、サーバがポイントを増加させた後、判定時間をリセットすることができる。
【0017】
前記したシート体験システムにおいて、サーバまたは体験指示装置は、シートの位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて第2条件を満たすか否かを判定することができる。
【0018】
このような構成により、シートが、車両などの乗物のシートである場合、どこか特定の場所に行くなど、シートの位置から第2条件を設定することで、地域振興を図ったり、ポイント取得のための必要以上の体験指示装置の利用を抑制したりすることができる。
【0019】
位置情報に基づき第2条件を判定する場合、サーバまたは体験指示装置は、位置情報に基づき、シートの移動距離を算出し、当該移動距離が、所定距離以上である場合に、第2条件を満たすと判定することができる。
【0020】
このような構成により、ポイント取得のための必要以上の体験指示装置の利用を抑制することができる。また、人の移動を活性化して、経済の発展に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係るシートを使ったシステムの全体構成を説明する図である。
【
図2】自動車内におけるシステムの配置を示す図である。
【
図4】シート制御部とスマートフォンの構成を説明するブロック図である。
【
図6】足を交互に上げた場合の、圧力センサで取得した圧力値の変化を示すグラフである。
【
図7】圧力値と、圧力値の変動の判定結果と、判定時間を示すタイムチャートである。
【
図8】スマートフォンとサーバの処理を示すフローチャートである。
【
図9】位置情報に基づき第2条件を判定する場合のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係るシートの斜視図である。
【
図11】シートに内蔵されるシートフレームの斜視図である。
【
図12】シートフレームを構成するクッションフレームを下から見た図である。
【
図14】カードリーダが取り付けられたバックサイドフレームの斜視図(a)と、シートバックのカードリーダ付近を前から見た断面図(b)である。
【
図15】変形例に係るシートのバックフレームとカードリーダを示す斜視図であり、第1変形例を示す図(a)と、第2変形例を示す図(b)である。
【
図16】第3変形例に係るシートのバックフレームの一部とカードリーダを示す斜視図(a)と、シートバックの上部の構成を示す図(b)である。
【
図17】第4変形例に係るシートのパンフレームと通信ユニットを示す斜視図(a)と、通信ユニットのブロック図(b)である。
【
図18】第5変形例に係るシートのクッションフレームとカードリーダを示す斜視図(a)と、シートの一部を示す斜視図(b)である。
【
図19】第6変形例に係るシートが搭載された車両を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のシート体験システムSYSは、シートSと、シート制御部100と、体験指示装置の一例としてのスマートフォンSPと、サーバ300とを備えてなる。
【0023】
シートSは、シート本体S0と、シート本体S0に設けられ、シート本体S0に座っている着座者の動作を検出するための測定値を取得するセンサの一例としての圧力センサPS(PS1~PS6。
図3参照。)と、圧力センサPSから測定値を取得可能に圧力センサPSと接続されたシート制御部100とを備える。
【0024】
スマートフォンSPは、シート制御部100と近距離無線通信により通信可能に接続され、シート本体S0に座っている着座者に動作の指示を報知するとともに、着座者を特定するユーザ識別情報を記憶している。具体的には、スマートフォンSPは、インストールされたアプリケーションを実行することにより、シート本体S0上でゲームを提供可能に構成され、ゲーム進行の際に、画像または/および音声により、着座者に動作の指示を報知するようになっている。また、スマートフォンSPは、インターネットなどのネットワークNに接続され、外部の機器とネットワーク通信が可能となっている。
【0025】
サーバ300は、ネットワークNに接続されており、ネットワークNを介してスマートフォンSPと通信可能となっている。
【0026】
図2に示すように、本実施形態のシートSは、車両CRに搭載された車両用シートである。車両CRには、複数のシート本体S0が搭載されており、各シート本体S0が、1つのシート制御部100が接続されている。
【0027】
図3に示すように、シート本体S0は、シートクッションS1およびシートバックS2を有し、圧力センサPS1~PS3がシートクッションS1の表皮の下に設けられ、圧力センサPS4~PS6がシートバックS2の表皮の下に設けられている。各圧力センサPS1~PS6は、シート本体S0の左右の中心に対して左右対称に一対ずつ設けられている。
【0028】
圧力センサPS1,PS2は、シートクッションS1における着座者の臀部に対応する位置に配置されている。詳しくは、圧力センサPS1は、着座者からの荷重が最も大きくかかる着座者の坐骨の最下部に対応する位置に配置され、圧力センサPS2は、圧力センサPS1の少し前の位置に配置されている。圧力センサPS1,PS2は、着座者の臀部からの圧力の測定値(以下、「圧力値」ともいう。)を取得する。
圧力センサPS3は、圧力センサPS1,PS2から前方に大きく離れた位置、具体的には、着座者の大腿に対応する位置に配置されている。圧力センサPS3は、着座者の大腿からの圧力の測定値を取得する。
【0029】
圧力センサPS4,PS5は、シートバックS2の下部に配置されている。詳しくは、圧力センサPS4は、着座者の腰の後ろに対応する位置に配置され、圧力センサPS5は、圧力センサPS4の少し上の位置に配置されている。圧力センサPS4,PS5は、着座者の腰からの圧力の測定値を取得する。
圧力センサPS6は、圧力センサPS4,PS5から上方に大きく離れた位置、具体的には、着座者の背中の上部に対応する位置に配置されている。圧力センサPS6は、着座者の背中の上部に対応する位置からの圧力の測定値を取得する。
【0030】
そして、シート制御部100には、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を可能にする近距離通信機3Aが接続されている(
図1、
図3参照)。シート制御部100は、各シート本体S0の圧力センサPS1~PS6から圧力値を取得して、近距離通信機3Aを介してスマートフォンSPに送信するように構成されている。
【0031】
なお、圧力センサPS1~PS6は、例えば、外部からの圧力によって電気抵抗が変化する素子であり、圧力値が大きい程、検出信号の電圧が高くなる(もしくは低くなる)。そのため、圧力値の大小は、実際には、電圧値の大小によって比較するが、本明細書においては、理解の容易のため、圧力値の大小で比較する形で説明する。
【0032】
図4に示すように、シート制御部100は、測定値取得部110と、処理部120と、通信部130と、記憶部190とを有している。シート制御部100は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各機能部が実現されている。
【0033】
測定値取得部110は、各圧力センサPS1~PS6から、一定の制御サイクルごとに圧力の測定値を取得する機能を有する。測定値取得部110が取得した測定値は、記憶部190に記憶され、処理部120で利用される。なお、記憶部190は、計算、処理等に必要なデータを適宜記憶するために使用される。
【0034】
処理部120は、測定値取得部110で取得した測定値を、A/D変換する。そして、デジタル化した測定値を、通信部130を介してスマートフォンSPに送信する。
【0035】
また、スマートフォンSPは、ゲームアプリ201がインストールされている。ゲームアプリ201は、ゲーム処理部210と、第1条件判定部220と、第2条件判定部230とを有している。また、スマートフォンSPは、ネットワーク通信部280と、記憶部290とを有している。スマートフォンSPは、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各機能部が実現されている。スマートフォンSPは、図示しない近距離通信機能を有して、シート制御部100と通信可能である。また、スマートフォンSPは、ネットワーク通信部280を介してネットワークNに接続可能であり、予め設定された通信設定に基づいてサーバ300(
図1参照)と通信可能となっている。
【0036】
ゲームアプリ201は、起動されると、ゲーム処理部210によりゲームの進行・終了を実行する。そして、ゲームの終了後、第1条件判定部220および第2条件判定部230により、ポイント付与の条件を判定させ、ポイント付与の条件を満たす場合に、サーバ300にポイント付与の指示を送信する。
ゲーム処理部210は、スマートフォンSPのディスプレイDSP(
図3参照)および図示しないスピーカを介して着座者に動作の指示を与え、ゲームを提供する部分である。ここでの動作の指示の内容は特に限定されないが、例えば、足を交互に上げることを指示したり、上体を左右にひねったりすることなどである。指示は、ゲームの最初に、説明として文字または音声により伝えてもよいし、ゲームの進行に応じてディスプレイDSP上に動かすべき場所を画像で示してもよい。
【0037】
本実施形態においては、ゲームの内容等は重要ではないので、簡単な例として、10秒間、素速く足を交互に上げさせて、10秒間の歩数(足を上げた回数)を競うゲームとする。
【0038】
図6は、シートSにおいて着座者が足を交互に上げた場合の圧力センサPS3の測定値の例である。P3
Rは、右の圧力センサPS3の圧力値、P3
Lは、左の圧力センサPS3の圧力値を示す。この測定値のように、足を交互に上げると、一時的にP3
RおよびP3
Lが小さくなるので、P3
RおよびP3
Lのピークを検出し、ピークを検出したときに、一歩進んだと判定するとよい。なお、ピークの検出は、例えば、次のように行うことができる。その着座者が座っているとき(ゲームの競技を開始する前)のP3
RおよびP3
Lの平均値P3Aを算出しておき、この平均値P3Aから所定割合小さい値をしきい値P3thとして設定しておく。そして、P3
RまたはP3
Lがしきい値P3thを下まわったあと、値が上昇に転じたときにピークに達したと判定することができる。
【0039】
ゲーム処理部210は、スマートフォンSPのアプリケーションが立ち上げられた後、所定のゲームの案内を音声または画像により着座者に提供し、競技開始の合図を音声および画像で報知するとともに、タイマをスタートする。そして、タイマのスタート後、10秒間の間、シート制御部100から受信した圧力値に基づいてピークを検出する。そして、歩数、すなわち、ピークの数をゲームの結果である「歩数」としてディスプレイDSP上に提示する。
【0040】
第1条件判定部220は、圧力センサPS3の測定値に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定する。本実施形態においては、第1条件を、ゲームの結果である歩数が所定歩数以上(例えば40歩以上)であることとする。第1条件判定部220は、判定結果を随時記憶部190に記憶させる。
【0041】
第2条件判定部230は、第1条件とは別の第2条件を満たすか否かを判定する。本実施形態においては、第2条件を、圧力センサPS3の測定値から、着座者の動作の大きさが所定未満である時間が所定時間以上であることとする。より具体的には、この所定時間は、累積の時間であり、圧力センサPS3の測定値の変動が所定未満である時間の累積である判定時間TJが所定時間(しきい値TJth)以上であることとする。
【0042】
この変動の判定は、例えば、次のようにして行うことができる。
図7は、着座者が座っている時の圧力P3
RおよびP3
Lの変化と、変動の有無の判定結果と、判定時間TJのタイムチャートである。変動の有無は判定時を基準として、直前の所定期間TPの間におけるP3
RおよびP3
Lの最大値および最小値の差が所定値以上である場合に変動があるとし(
図7において1とする。)、所定値未満である場合に変動がない(
図7において0とする。)とする。
図7の例では、時刻t1においてその直前における所定期間TPの間のP3
RおよびP3
Lの最大値および最小値の差が所定値以上となったことで変動判定が1となり、時刻t2において、直前の所定期間TPの間におけるP3
RおよびP3
Lの最大値および最小値の差が所定値未満となって変動判定が0となっている。
【0043】
第2条件判定部230は、この変動判定をするとともに、変動判定が0である時は、判定時間TJをカウントアップし、変動判定が1である場合は、判定時間TJのカウントアップを停止する。そして、判定時間TJがしきい値TJthに達したときに第2条件が満たされたと判定する。そして、サーバ300においてポイントが付与(増加)された後、判定時間TJをリセットする(t3)。
第2条件判定部230は、変動判定、判定時間を随時記憶部290に記憶させる。
【0044】
ゲームアプリ201は、第1条件判定部220および第2条件判定部230により、第1条件と第2条件の両方が満たされた場合に、サーバ300にポイント付与の指示を送信する。なお、記憶部290には、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が記憶されており、ゲームアプリ201は、サーバ300にポイント付与の指示を送信する際にユーザ識別情報を送信する。ユーザ識別情報は、ユーザを識別できるユニークなデータであれば特に限定されず、単なる数字、英数字の羅列や、メールアドレス、電話番号などとすることができる。
【0045】
図5に示すように、サーバ300は、ポイント付与部310と、ネットワーク通信部380と、記憶部390とを有する。サーバ300は、ネットワーク通信部380を介してネットワークNに接続され、ネットワークNを介してスマートフォンSPと通信可能である。記憶部390は、サーバ300の動作に必要なデータを適宜記憶するとともに、ユーザ識別情報と関連づけてポイント(ユーザ識別情報により特定されるユーザのポイント)を記憶している。
【0046】
ポイント付与部310は、スマートフォンSPからポイント付与指示を受信した場合に、ポイント付与指示に含まれるユーザ識別情報に対応するポイントを所定量増加させる。増加させるポイントは、一定値であってもよいし、時間、時期、ユーザの種類等に応じて異ならせてもよい。
【0047】
サーバ300がポイント付与指示を受信する場合というのは、第1条件が満たされたとともに第2条件が満たされた場合である。すなわち、サーバ300は、スマートフォンSPから少なくとも第1条件を満たすという判定結果(ポイント付与指示)を受信したことを条件(必要条件)として、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させる。また、サーバ300は、第1条件を満たすとともに第2条件を満たす場合(つまり、ポイント付与指示を受信した場合)にポイントを増加させ、第1条件を満たすが第2条件を満たさない場合には、ポイントを増加させない。
【0048】
ポイント付与部310は、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させた場合には、その旨をスマートフォンSPに送信する。
【0049】
以上のような構成のシート体験システムSYSの概略の動作を
図8のフローチャートを参照して説明する。
図8に示すように、スマートフォンSPにおいて所定のゲームアプリ201が起動されると(S101)、ゲーム処理部210は、足上げ運動のゲームの進行を開始する。そして、10秒間のゲームが終了すると(S102,Yes)、第1条件判定部220が歩数が40以上か否か(第1条件が満たされたか)判定する(S103)。歩数が40未満の場合には(S103,No)、ゲームアプリ201は、処理を終了する。歩数が40以上の場合(S103,Yes)、第2条件判定部230は、判定時間TJがしきい値TJth以上か否か判定する(S104)。TJ<TJthの場合(S104,No)、ゲームアプリ201は、処理を終了する。TJ≧TJthの場合(S104,Yes)、ゲームアプリ201は、サーバ300にポイント付与の指示を送信する(S105)。
【0050】
サーバ300は、このポイント指示を受信し、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させる(S106)。そして、ポイント付与完了通知をスマートフォンSPに送信する(S107)。
【0051】
ゲームアプリ201は、ポイント付与完了通知を受信すると、判定時間TJをリセットし(S108)、ゲームの処理を終了する。
【0052】
以上のように、本実施形態のシート体験システムSYSによれば、サーバ300は、スマートフォンSPから第1条件を満たすという判定結果を受信したことを条件として、ユーザ識別情報と対応して記憶しているポイントを増加させるので、着座者は、ポイントを取得することを目的として、スマートフォンSPを積極的に利用するモチベーションを持つことができる。これにより、圧力センサPSが設けられたシートSを有効に利用することができる。
【0053】
また、ポイントの取得というモチベーションがあると、着座者は、ポイント取得のためにスマートフォンSPを使用し続けたりする可能性があるが、ポイントの付与のために第2条件を満たすことを要件とすることで、必要以上のスマートフォンSPのゲームの利用を抑制することができる。
【0054】
また、逆に言うと、着座者は、しばらくじっと座っていた後には、ポイントを取得することができるので、ポイント取得のために足を上げるゲームをすることになり、長時間車内でじっとしていることによる血行の滞りを抑制し、健康の増進を図ることをできる。
【0055】
そして、本実施形態によれば、圧力センサPSの測定値から第2条件を判定することで、シート本体S0上の着座者の着座状況または動作に基づいてポイントの付与を決定することができる。このため、車内における着座者の動作を、ポイント付与というモチベーションを介して間接的にコントロールして、健康の増進を図ることができる。
【0056】
以上に実施形態について説明したが、実施形態において、一部構成を変更して実施することもできる。
例えば、実施形態において、圧力センサPS3の測定値の変動が所定未満である時間の累積である判定時間TJが所定時間(しきい値TJth)以上である場合に第2条件を満たすとしたが、判定時間TJは、圧力センサPS3の測定値の変動が所定未満である状態の継続時間であってもよく、この判定時間TJが所定時間以上である場合に、第2条件を満たすと判定してもよい。この場合、スマートフォンSPは、
図7の判定時間TJ1(破線)のグラフのように、変動判定が1となった場合には、判定時間TJをリセットする。
【0057】
また、実施形態においては、第1条件の判定(ゲームの処理)および第2条件の判定に圧力センサPS3のみを用いていたが、他の圧力センサPS1,PS2,PS4~PS6を用いてもよい。
【0058】
また、実施形態においては、第2条件の判定を体験指示装置としてのスマートフォンSPが実行していたが、第2条件の判定に必要な情報を体験指示装置からサーバ300に送信し、第2条件の判定は、サーバ300が実行してもよい。この場合には、判定時間TJのリセットは、サーバ300が行うとよい。
【0059】
前記実施形態においては、センサの測定値に基づいて第2条件を判定していたが、スマートフォンSPは、シートSの位置情報に基づいて、第2条件を満たすか否かを判定してもよい。
位置情報に基づき第2条件を判定する場合、例えば、スマートフォンSPは、位置情報に基づき、シートSの移動距離を算出し、当該移動距離が、所定距離以上である場合に、第2条件を満たすと判定することができる。
位置情報は、通常のスマートフォンが備えているGPS(Global Positioning System)から取得すればよい。もっとも、車両CRまたはシート本体S0にGPSを設け、当該GPSから位置情報を取得してもよい。
そして、ゲームアプリ201は、前回、ポイントの付与を指示したときの位置情報(前回位置Gとする。)を記憶部290に記憶しておき、ゲーム終了時の位置と、記憶している前回位置Gとの距離を移動距離Dとして算出する。そして、第2条件判定部230は、移動距離Dが所定のしきい値Dth以上であれば第2条件を満たしたと判定する。
【0060】
この場合のフローチャートが
図9である。
図9のフローチャートは、
図8のフローチャートに対して、ステップS104とS108を変更したものである。
スマートフォンSPにおいてゲームが終了し(S102,Yes)、第1条件判定部220が、歩数が40以上であると判定すると(S103,Yes)、第2条件判定部230は、移動距離Dを前回位置Gと現在位置との直線距離により算出し、移動距離Dがしきい値Dth以上であるか否か判定する(S204)。そして、D<Dthであれば(S204,No)、処理を終了し、D≧Dthであれば(S204,Yes)、ポイント付与をサーバ300に指示する(S105)。
【0061】
そして、ゲームアプリ201は、ポイント付与完了通知を受信すると、前回位置Gをリセット、すなわち、現在位置に置き換えて記憶部290に記憶させる(S208)。
【0062】
このようにして、位置情報に基づいて、前回位置Gからしきい値Dth以上移動したことを第2条件として、第1条件および第2条件を満たす場合にポイントを付与することができる。これにより、ポイント取得のための必要以上のスマートフォンSPの利用を抑制することができる。また、人の移動を活性化して、経済の発展に資することができる。
【0063】
なお、この形態において、移動距離Dは、直線距離ではなく、道のりで算出してもよい。この場合には、ゲームアプリ201は、所定時間毎に、移動距離(所定時間前の位置と現在位置の直線距離)を計算し、その移動距離を積算して移動距離Dを算出すればよい。
【0064】
また、この形態において、移動距離の算出および判定は、体験指示装置(スマートフォンSP)が行うのではなく、サーバが行ってもよい。例えば、サーバが、位置情報を定期的に体験指示装置から取得し、移動距離Dを算出し、移動距離Dがしきい値Dth以上であるか(第2条件を満たすか)を判定してもよい。
【0065】
また、この形態において、移動距離Dが所定距離以上であることを第2条件としたが、位置情報に基づいて、着座者(シートS)が特定のエリアにいることを第2条件とすることもできる。このように、シートSの位置から第2条件を設定することで、特定のエリアで集客をして地域振興を図ることもできる。
【0066】
また、本発明は、さらに他の構成で実施することもできる。
例えば、位置情報に基づいて、高速道路で渋滞に会っていることを第2条件としてもよい。このような構成によれば、高速道路で渋滞に会って、時間を持てあましている場合に、体を動かして健康の増進を図ることができる。
【0067】
また、シートを特定の目的で使用、例えば、トレーニングマシンとして使用していることを第2条件とすることもできる。この場合にも、シートにより健康の増進を図ることができる。
【0068】
また、体験指示装置のアプリにおいて、足を動かすことを指示し、ユーザ毎に設定した一日の目標歩数を達成したことを第2条件とすることもできる。この場合にも、着座者が積極的に足を動かすモチベーションを持つことができ、健康の増進を図ることができる。
【0069】
また、異常時などの所定の状態を検出した場合に、シート体験システムの機能を制限するようにしてもよい。ここでの制限とは、機能の一部のみの実行を禁止してもよいし、機能のすべてを禁止してもよい。
【0070】
ここでの異常の例としては、シートの各種のセンサの異常、シートのハーネスの断線などの異常、シート制御部(ECU)の異常、通信の異常、サーバなどの通信相手の異常、モータなどのアクチュエータの異常が挙げられる。また、異常としては、外部環境の異常を含む。外部環境の異常としては、例えば、他の車両の接近、道路状況が悪い、車速が所定値よりも高い、地震が発生した、目的地が近い、目的地に到着した、目的地に到着するまでにゲームが終わらないと判定された、燃料の残量が少ない、バッテリーの残量が少ない、車内や車外の温度や湿度が高いことなどが挙げられる。
【0071】
そして、制限の内容としては、ゲームの一部の機能を実行できなくする、ゲームを強制終了させる、ゲームの終了を推奨することを報知する、などが挙げられる。ゲームの一部の機能を実行できなくする場合としては、例えば、100m走のゲームであれば、過去のデータ等を閲覧することはできるが、走るゲームはできなくする、などである。
【0072】
制限の内容は、異常のレベルによって変化させてもよい。例えば、センサの一部に不具合があるだけなら、機能の一部を制限するだけとし、シート制御部の異常ならばゲームを強制終了し、道路状況が悪い場合は、ゲームの終了を推奨することを報知するなどとすることができる。
【0073】
また、このように異常によってアプリの機能が制限された場合には、ポイントの付与を禁止してもよい。もしくは、異常になる前の状態に基づいて計算されるポイントを付与してもよい。
さらに、異常が発生したことをシート制御部が判定した場合に、シート制御部がシートの製造元または車両の製造元に異常を通知する構成としてもよい。
【0074】
また、サーバは、第2条件が満たされていない場合にポイントを付与しても構わない。この場合であっても、第1条件が満たされている場合にポイントが付与されることで、着座者は、センサが設けられたシートを有効に利用するモチベーションを持つことができる。
【0075】
また、ポイント付与のために、さらに別の条件を満たすことを要件とすることもできる。例えば、仲間同士で同じタイミングでシートの体験をしていることを要件としてもよい。また、このような要件を、ポイント付与のための要件とするのではなく、この要件を満たすと、さらにポイントが加算される(いわゆるボーナスポイントとして加算される)ように構成してもよい。このため、ユーザの使用する体験指示装置(ユーザ識別情報)と、友人のユーザが使用する体験指示装置(ユーザ識別情報)とが、友人関係であるという関連付けのデータをサーバに記憶しておくとよい。
【0076】
前記実施形態においては、センサとして圧力センサを例示したが、センサは、他の種類のセンサ、例えば、静電容量センサなどであってもよい。また、センサは、温度センサなどであってもよい。
【0077】
また、体験指示装置は、車両に固定的に設置されたナビゲーションシステムであってもよい。すなわち、従来のナビゲーションシステムに、動作の指示をする、ゲーム的な機能を持たせて体験指示装置として利用することもできる。
【0078】
前記実施形態においては、無線通信によりシート制御部とスマートフォンを接続していたが、有線の通信により接続されていてもよい。
【0079】
また、体験指示装置は、一部または全部が、外見的に、シート制御部と一体に構成されていてもよい。
【0080】
前記実施形態においては、自動車の車両に搭載される車両用シートを例示したが、自動車以外の鉄道などの車両のシートであってもよいし、車両以外の船舶、航空機、ロケットなどの乗物用シートであってもよい。さらには、住宅、施設等に設置されるシートであってもよい。
【0081】
次に、第1実施形態のシート体験システムのシートSと異なり、シート自体に通信機能を持たせたシートについて説明する。
【0082】
従来、乗員同士のコミュニケーションを行いやすくするため、車両内における複数のシートの配置を工夫した構造は知られている(特開2018-020738号公報)。
【0083】
しかし、これからのシートは、より進化した情報伝達を可能にするデバイスであるべきである。
【0084】
そこで、シートを個別に特定した上で無線通信を行うことができるシートを提供する。
また、シート本体に設けられたセンサの測定値に基づく情報をシート本体外の機器に送信することを目的とする。
また、情報読取部を安定した状態で設けることを目的とする。
また、記録媒体の着脱を可能としつつ、情報読取部などを保護することを目的とする。
また、記録媒体の着脱を容易に行うことを目的とする。
【0085】
前記した目的を達成するためのシートは、シート本体と、前記シート本体外の機器と無線通信可能な無線通信部と、前記シート本体に設けられるとともに前記無線通信部と接続された情報読取部であって、前記無線通信部による無線通信を可能とする識別情報が記録された記録媒体が着脱可能であり、前記記録媒体が装着された場合に前記識別情報を読取可能な情報読取部と、を備える。
【0086】
このような構成によれば、記録媒体に記録された識別情報によってシートを個別に特定した上で、シート本体外の機器と無線通信を行うことができる。
【0087】
前記したシートは、前記シート本体に設けられたセンサを備え、前記無線通信部は、前記センサの測定値を取得可能に前記センサと接続され、前記測定値に基づく情報を前記シート本体外の機器に送信可能である構成とすることができる。
【0088】
これによれば、シート本体に設けられたセンサの測定値に基づく情報をシート本体外の機器に送信することができる。
【0089】
前記したシートにおいて、前記シート本体は、シートフレームを有し、前記情報読取部は、前記シートフレームに取り付けられている構成とすることができる。
【0090】
これによれば、情報読取部を安定した状態でシート本体に設けることができる。
【0091】
前記したシートにおいて、前記シートフレームは、前記情報読取部に前記記録媒体を着脱するために前記記録媒体が通過可能な第1スロット孔を有する構成とすることができる。
【0092】
これによれば、第1スロット孔を通して情報読取部に対する記録媒体の着脱を可能としつつ、シートフレームによって情報読取部を保護することができる。
【0093】
前記したシートにおいて、前記シート本体は、外部に露出するパネルであって、前記情報読取部に前記記録媒体を着脱するために前記記録媒体が通過可能な第2スロット孔が設けられたパネルと、前記第2スロット孔を覆う状態と前記第2スロット孔を露出させる状態とに変位可能なカバーとを有する構成とすることができる。
【0094】
これによれば、第2スロット孔を通して情報読取部に対する記録媒体の着脱を可能としつつ、パネルとカバーによって情報読取部や装着された記録媒体を保護することができる。
【0095】
前記したシートにおいて、前記情報読取部は、前記シート本体のシートバックに設けられている構成とすることができる。
【0096】
前記したシートにおいて、前記シートバックは、前記シートバックの左右のフレームを構成する一対のバックサイドフレームを有し、前記情報読取部は、前記一対のバックサイドフレームの一方に取り付けられている構成とすることができる。
【0097】
これによれば、情報読取部を安定した状態でシートバックに設けることができる。
【0098】
前記したシートにおいて、前記シートバックは、前記シートバックの左右のフレームを構成する一対のバックサイドフレームと、前記一対のバックサイドフレームを連結する連結フレームとを有し、前記情報読取部は、前記連結フレームに取り付けられている構成とすることができる。
【0099】
これによれば、情報読取部を安定した状態でシートバックに設けることができる。
【0100】
前記したシートにおいて、前記シートバックは、ヘッドレストの一対のピラーが取り付けられる一対のブラケットを有し、前記情報読取部は、前記一対のブラケットの間に配置されている構成とすることができる。
【0101】
これによれば、ヘッドレストが取り付けられるシートバックの上部に情報読取部を配置することができるので、情報読取部に対する記録媒体の着脱を容易に行うことができる。
【0102】
前記したシートにおいて、前記情報読取部は、前記シート本体のシートクッションに設けられている構成とすることができる。
【0103】
前記したシートにおいて、前記シートクッションは、前記シートクッションの左右のフレームを構成する一対のクッションサイドフレームと、前記一対のクッションサイドフレームを連結するパンフレームとを有し、前記情報読取部は、前記パンフレームに取り付けられている構成とすることができる。
【0104】
これによれば、情報読取部を安定した状態でシートクッションに設けることができる。
【0105】
前記したシートにおいて、前記シートクッションは、前記シートクッションの左右のフレームを構成する一対のクッションサイドフレームを有し、前記情報読取部は、前記一対のクッションサイドフレームの一方に取り付けられている構成とすることができる。
【0106】
これによれば、情報読取部を安定した状態でシートクッションに設けることができる。
【0107】
前記したシートにおいて、前記記録媒体は、ICカードである構成とすることができる。
【0108】
前記したシートにおいて、前記ICカードは、SIMカードである構成とすることができる。
【0109】
次に、シート自体に通信機能を持たせた第2実施形態について、
図10~
図19を参照しながら詳細に説明する。
図10に示すように、シートS10は、自動車に搭載される車両用シートとして構成されている。シートS10は、人(着座者)が座るシート本体S0と、センサの一例としての複数の圧力センサPS1~PS6と、無線通信部の一例としての通信ユニット60と、情報読取部の一例としてのカードリーダ70とを備えている。
【0110】
シート本体S0は、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを有している。シート本体S0は、
図11に示すようなシートフレームFを有し、このシートフレームFに、ウレタンフォームなどからなるパッドと、布地や皮革などからなる表皮を被せることで構成されている。シートフレームFは、シートクッションS1のフレームを構成するクッションフレームF1と、シートバックS2のフレームを構成するバックフレームF2とを含む。
【0111】
クッションフレームF1(シートクッションS1)は、左右一対のクッションサイドフレーム11と、パンフレーム12と、リアフレーム13と、フロントフレーム14(
図12参照)とを有している。
一対のクッションサイドフレーム11は、シートクッションS1の左右のフレームを構成する部材であり、板金からなる。
パンフレーム12は、板金からなり、一対のクッションサイドフレーム11の前部同士を連結するように設けられている。
【0112】
図12に示すようにリアフレーム13およびフロントフレーム14は、それぞれ、パイプからなる。リアフレーム13は、一対のクッションサイドフレーム11の後部同士を連結しており、フロントフレーム14は、パンフレーム12の下に配置され、一対のクッションサイドフレーム11の前部同士を連結している。
【0113】
一対のクッションサイドフレーム11の間には、シート本体S0に座った着座者からの荷重を受ける支持部材30が配置されている。支持部材30は、左右に交互に屈曲しながら前後に延びる複数のワイヤ部材31と、ワイヤ部材31同士をつなぐ複数の樹脂部材32とを有している。支持部材30は、パンフレーム12とリアフレーム13に架け渡された状態で設けられている。
【0114】
図11に示すように、バックフレームF2(シートバックS2)は、左右一対の板金フレーム22と、パイプフレーム23と、ロアフレーム24と、架橋フレーム25とを有している。
一対の板金フレーム22は、板金からなり、左右に離間して配置されている。
【0115】
パイプフレーム23は、パイプからなり、一対のアッパーサイドフレーム23Aと、一対のアッパーサイドフレーム23Aの上端同士を連結するアッパーフレーム23Bとを有している。一対のアッパーサイドフレーム23Aは、その下部が板金フレーム22の上部に接続されていることで、一対の板金フレーム22とともに、シートバックS2の左右のフレームを構成する一対のバックサイドフレーム21を構成している。アッパーフレーム23Bには、一対のブラケット26が左右に離間した状態で固定されている。ブラケット26には、ヘッドレストS3の一対のピラーS31(
図10参照)が取り付けられる。
【0116】
ロアフレーム24および架橋フレーム25は、それぞれ、板金からなる。ロアフレーム24は、一対のバックサイドフレーム21の下部同士を連結しており、架橋フレーム25は、アッパーフレーム23Bの下方に配置され、一対のバックサイドフレーム21の上部同士を連結している。ロアフレーム24、架橋フレーム25およびアッパーフレーム23Bは、一対のバックサイドフレーム21を連結する連結フレームの一例である。
【0117】
図10に示すように、圧力センサPS1~PS6は、シート本体S0に座っている着座者の状態を検出するための測定値を取得するセンサである。具体的には、圧力センサPS1~PS6は、シート本体S0に座っている着座者からの圧力値を取得する。圧力センサPS1~PS6は、シート本体S0に設けられている。詳しくは、圧力センサPS1~PS3がシートクッションS1の表皮の下に設けられ、圧力センサPS4~PS6がシートバックS2の表皮の下に設けられている。各圧力センサPS1~PS6は、シート本体S0の左右の中心に対して左右対称に一対ずつ設けられている。
【0118】
圧力センサPS1,PS2は、シートクッションS1における着座者の臀部に対応する位置に配置されている。詳しくは、圧力センサPS1は、着座者からの荷重が最も大きくかかる着座者の坐骨の最下部に対応する位置に配置され、圧力センサPS2は、圧力センサPS1の少し前の位置に配置されている。圧力センサPS1,PS2は、着座者の臀部からの圧力値を取得する。
圧力センサPS3は、圧力センサPS1,PS2から前方に大きく離れた位置、具体的には、着座者の大腿に対応する位置に配置されている。圧力センサPS3は、着座者の大腿からの圧力値を取得する。
【0119】
圧力センサPS4,PS5は、シートバックS2の下部に配置されている。詳しくは、圧力センサPS4は、着座者の腰の後ろに対応する位置に配置され、圧力センサPS5は、圧力センサPS4の少し上の位置に配置されている。圧力センサPS4,PS5は、着座者の腰からの圧力値を取得する。
圧力センサPS6は、圧力センサPS4,PS5から上方に大きく離れた位置、具体的には、着座者の背中の上部に対応する位置に配置されている。圧力センサPS6は、着座者の背中の肩甲骨に対応する位置からの圧力値を取得する。
【0120】
通信ユニット60は、シート本体S0外の機器の一例であるサーバ90と、インターネットなどのネットワークNを介して無線通信可能な機器である。
図12に示すように、本実施形態において、通信ユニット60は、シートクッションS1に設けられている。詳しくは、通信ユニット60は、パンフレーム12の下に配置され、パンフレーム12に取り付けられている。
【0121】
図13に示すように、通信ユニット60は、測定値取得部60Aと、処理部60Bと、通信部60Cと、記憶部60Eとを主に有している。
【0122】
測定値取得部60Aは、各圧力センサPS1~PS6から測定値としての圧力値を取得する機能を有している。このため、測定値取得部60Aは、各圧力センサPS1~PS6から圧力値を取得可能に各圧力センサPS1~PS6と接続されている。測定値取得部60Aが取得した圧力値は、記憶部60Eに記憶され、処理部60Bで利用される。記憶部60Eは、通信ユニット60における処理などに必要なデータを適宜記憶するために使用される。
【0123】
処理部60Bは、例えば、各圧力センサPS1~PS6から取得した圧力値をサーバ90に送信可能な形式のデータに変換する処理や、通信部60Cによる通信を可能とする処理などを実行する機能を有している。
【0124】
通信部60Cは、ネットワークNを介してサーバ90と無線通信を行う機能を有している。通信部60Cは、圧力値に基づく情報をサーバ90に送信可能である。なお、圧力値に基づく情報は、各圧力センサPS1~PS6から取得した圧力値そのものであってもよいし、圧力値そのものではなく、圧力値に基づいて、例えば、処理部60Bが特定した、着座者の動作に関する情報などであってもよい。
【0125】
カードリーダ70は、記録媒体の一例としてのSIM(Subscriber Identity Module)カード290が着脱可能であり、SIMカード80が装着された場合にSIMカード80に記録された後述する識別情報を読取可能な機器である。記録媒体としてのSIMカード80は、シートS10を特定するためのID番号などの識別情報が記録されたIC(Integrated Circuit)カードである。SIMカード80の大きさは特に限定されない。なお、本明細書において、「SIMカード」には、例えば、UIM(User Identity Module)カード、USIM(Universal SIM)カード、R-UIM(Removable UIM)カードなどの同様の機能を有するICカードが含まれる。
【0126】
カードリーダ70は、通信ユニット60と電線を介して接続されている。カードリーダ70は、SIMカード80から読み取った識別情報を通信ユニット60の処理部60Bへ送信可能である。処理部60Bは、カードリーダ70が読み取った識別情報に基づいて通信ユニット60の通信部60Cによるサーバ90との無線通信を可能とする処理を実行する。
【0127】
図10に示すように、カードリーダ70は、シート本体S0に設けられている。本実施形態では、カードリーダ70は、シート本体S0のうち、シートバックS2に設けられている。詳しくは、
図11に示すように、カードリーダ70は、シートフレームFのうち、一対のバックサイドフレーム21の一方に取り付けられている。
【0128】
より詳しく説明すると、カードリーダ70は、シート本体S0の左右方向における一対のバックサイドフレーム21の間に配置されている。そして、カードリーダ70は、シート本体S0の左右方向における一方のバックサイドフレーム21(本実施形態では、右のバックサイドフレーム21)の内側に取り付けられている。
【0129】
図14(a)に示すように、シートフレームFを構成する右のバックサイドフレーム21(詳しくは、右の板金フレーム22)は、カードリーダ70の図示しないカード挿入口に対応する位置に、第1スロット孔21Aを有している。第1スロット孔21Aは、カードリーダ70にSIMカード80を着脱するために、SIMカード80が通過可能な孔である。本実施形態において、第1スロット孔21Aは、前後に長い孔として形成されている。
【0130】
図14(b)に示すように、シート本体S0は、シートフレームFの少なくとも一部を覆った状態で外部に露出するパネルとしての第1パネル41と、カバーとしての第1カバー42とを有している。本実施形態において、第1パネル41および第1カバー42は、樹脂からなる。第1パネル41は、右のバックサイドフレーム21に取り付けられており、シート本体S0の左右方向における右のバックサイドフレーム21の外側の側面の一部を覆うように設けられている。具体的には、第1パネル41は、右のバックサイドフレーム21の側面のうち、第1スロット孔21Aが形成された部分を覆っている。
【0131】
第1パネル41は、凹状のカード装着部41Aと、カード装着部41Aの底部41Bに形成された第2スロット孔41Cとを有している。第2スロット孔41Cは、バックサイドフレーム21の第1スロット孔21Aと対応する位置に設けられており、第1スロット孔21Aと連通している。第2スロット孔41Cは、カードリーダ70にSIMカード80を着脱するために、SIMカード80が通過可能な孔であり、本実施形態では、第1スロット孔21Aと同様に、前後に長い孔として形成されている。
【0132】
第1カバー42は、第2スロット孔41Cを覆う状態と、第2スロット孔41Cを露出させる状態とに変位可能な構成となっている。具体的には、第1カバー42は、第1パネル41のカード装着部41Aに対して着脱自在であり、二点鎖線で示すように第1パネル41に取り付けられた場合に第2スロット孔41Cを覆い、実線で示すように第1パネル41から取り外された場合に第2スロット孔41Cを露出させる。
【0133】
以上説明した本実施形態によれば、シートS10が、通信ユニット60と、SIMカード80に記録された識別情報を読取可能なカードリーダ70とを備えるので、SIMカード80に記録された識別情報によってシートS10を個別に特定した上で、サーバ90と無線通信を行うことができる。
【0134】
また、通信ユニット60により、シート本体S0に設けられた圧力センサPS1~PS6の測定値(圧力値)に基づく情報をシート本体S0外に設けられたサーバ90に送信することができる。これにより、シート本体S0に設けられた圧力センサPS1~PS6からの圧力値に基づく情報の活用の幅を広げることができる。例えば、複数のシートS10から送信されてきた圧力値をサーバ90に蓄積し、蓄積された圧力値の情報から着座者の姿勢などを分析し、より座りやすいシートや、長時間座っていても疲れにくいシートなどの開発に活用することができる。また、例えば、圧力値の情報から着座者の動作を判定するシステムを構築する場合において、蓄積された圧力値の情報を分析することで、動作判定の精度向上に活用することができる。
【0135】
また、カードリーダ70がシート本体S0のフレームであるシートフレームFに取り付けられているので、カードリーダ70を安定した状態でシート本体S0に設けることができる。さらに言えば、カードリーダ70がシートフレームFを構成するバックサイドフレーム21に取り付けられているので、カードリーダ70を安定した状態でシートバックS2に設けることができる。
【0136】
また、シートフレームFを構成するバックサイドフレーム21が第1スロット孔21Aを有するので、第1スロット孔21Aを通してカードリーダ70に対するSIMカード80の着脱が可能となる。また、これにより、カードリーダ70を、シート本体S0の左右方向におけるバックサイドフレーム21の内側に配置することができるので、シートフレームFを構成するバックサイドフレーム21によってカードリーダ70を保護することができる。
【0137】
また、バックサイドフレーム21の一部を覆う第1パネル41が第2スロット孔41Cを有するので、第2スロット孔41Cを通してカードリーダ70に対するSIMカード80の着脱が可能となる。また、第1パネル41と第1カバー42によってカードリーダ70や、カードリーダ70に装着されたSIMカード80を保護することができる。
【0138】
以上に第2実施形態について説明したが、具体的な構成については、適宜変更が可能である。なお、以下の説明では、前記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0139】
第2実施形態では、カードリーダ70がシート本体S0の左右方向における一方のバックサイドフレーム21の内側に取り付けられていたが、例えば、
図15(a)に示すように、カードリーダ70は、一方のバックサイドフレーム21の外側に取り付けられていてもよい。
【0140】
また、
図15(b)に示すように、カードリーダ70は、連結フレームとしての架橋フレーム25の前側に取り付けられていてもよい。このように、カードリーダ70を架橋フレーム25(連結フレーム)に取り付けることによっても、カードリーダ70を安定した状態でシートバックS2に設けることができる。なお、
図15(b)に示した形態において、架橋フレーム25に第1スロット孔を設ける構成を適用してもよいし(
図14(a)参照)、さらに、架橋フレーム25を第1パネルや第1カバーで覆う構成を適用してもよい(
図14(b)参照)。また、カードリーダ70は、架橋フレーム25の後側に取り付けられていてもよい。
【0141】
また、
図16(a)に示すように、カードリーダ70は、アッパーフレーム23Bの前側に取り付けられていてもよい。カードリーダ70は、シート本体S0の左右方向において一対のブラケット26の間に配置されている。このような構成によれば、ヘッドレストS3が取り付けられるシートバックS2の上部にカードリーダ70を配置することができるので、カードリーダ70に対するSIMカード80の着脱を容易に行うことができる。
【0142】
また、
図16(b)に示すように、シート本体S0は、一対のブラケット26の間で外部に露出するパネルとしての第2パネル51と、カバーとしての第2カバー52とを有している。第2パネル51および第2カバー52は、樹脂からなる。第2パネル51は、バックフレームF2に取り付けられており、カードリーダ70を上から覆うように配置されている。
【0143】
第2パネル51は、凹状のカード装着部51Aと、カード装着部51Aの底部51Bに形成された第2スロット孔51Cとを有している。第2スロット孔51Cは、カードリーダ70の図示しないカード挿入口に対応する位置に設けられている。第2スロット孔51Cは、カードリーダ70にSIMカード80を着脱するために、SIMカード80が通過可能な孔であり、本実施形態では、左右に長い孔として形成されている。
【0144】
第2カバー52は、第2スロット孔51Cを覆う状態と、第2スロット孔51Cを露出させる状態とに変位可能な構成となっている。具体的には、第2カバー52は、第2パネル51のカード装着部51Aに対して着脱自在であり、二点鎖線で示すように第2パネル51に取り付けられた場合に第2スロット孔51Cを覆い、実線で示すように第2パネル51から取り外された場合に第2スロット孔51Cを露出させる。
【0145】
このような構成によれば、第2スロット孔51Cを通してカードリーダ70に対するSIMカード80の着脱が可能となる。また、第2パネル51と第2カバー52によってカードリーダ70や、カードリーダ70装着されたSIMカード80を保護することができる。
【0146】
なお、第2カバー52は、例えば、第2パネル51に対してスライド可能に設けたり、回動可能に設けたりすることで、第2パネル51に対して開閉自在な構成であってもよい。前述した第1カバー42についても同様である。
【0147】
また、カードリーダ70は、アッパーフレーム23Bの後側に取り付けられていてもよい。また、カードリーダ70は、ロアフレーム24(
図15参照)の前側また後側に取り付けられていてもよい。
【0148】
また、第2実施形態では、カードリーダ70(情報読取部)がシートバックS2に設けられていたが、例えば、シート本体S0のシートクッションS1に設けられていてもよい。例えば、
図17(a),(b)に示すように、SIMカード80が着脱可能な情報読取部60Dは、シートクッションS1のパンフレーム12に取り付けられていてもよい。このように、情報読取部60Dをパンフレーム12に取り付けることで、情報読取部60Dを安定した状態でシートクッションS1に設けることができる。なお、この形態では、情報読取部60Dは、通信ユニット60と一体に形成されており、通信ユニット60は、その前側面にカード挿入口61を有している。
【0149】
また、
図18(a)に示すように、情報読取部としてのカードリーダ70は、一対のクッションサイドフレーム11の一方に取り付けられていてもよい。この形態では、カードリーダ70は、シート本体S0の左右方向における一方のクッションサイドフレーム11の外側に取り付けられている。このように、カードリーダ70をクッションサイドフレーム11に取り付けることによっても、カードリーダ70を安定した状態でシートクッションS1に設けることができる。
【0150】
なお、
図18(b)に示すように、カードリーダ70のカード挿入口71は、シートの前後位置調整機構や高さ調整機構、リクライニング機構などを操作するためのスイッチ15A,15Bと並べて配置してもよい。カードリーダ70をシートバックS2のバックサイドフレーム21に取り付けた場合も同様である。
【0151】
また、カードリーダ70をシートクッションS1に設ける場合において、カードリーダ70は、シート本体S0の左右方向における一方のクッションサイドフレーム11の内側に取り付けられていてもよい。この場合、カードリーダ70が取り付けられたクッションサイドフレーム11に第1スロット孔を設ける構成を適用してもよいし(
図14(a)参照)、さらに、当該クッションサイドフレーム11を第1パネルや第1カバーで覆う構成を適用してもよい(
図14(b)参照)。
【0152】
また、以上で説明した形態では、カードリーダ70が、サイドフレーム11,21や、パンフレーム12、連結フレーム(23B,24,25)などのシートフレームFに取り付けられていたが、例えば、カードリーダ70は、シートフレームFではなく、支持部材30や、支持部材30の代わりに設けられるSバネなどに取り付けられていてもよい。
【0153】
また、以上で説明した形態では、カードリーダ70がシートクッションS1やシートバックS2に設けられていたが、例えば、カードリーダ70は、ヘッドレストS3に設けられていてもよい。また、カードリーダ70は、図示しないアームレストやオットマンなどに設けられていてもよい。
【0154】
また、前記実施形態では、通信ユニット60(無線通信部)がシート本体S0内に設けられていたが、通信ユニット60は、シート本体S0外に設けられていてもよい。例えば、
図19に示すように、車両CRに着座者Pが座る4つのシート本体S0が前席と後席で2つずつ設けられる構成において、通信ユニット60を4つのシート本体S0の間で共通化し、各シート本体S0の外に配置してもよい。なお、車両CRに複数のシート本体S0が設けられる構成において、カードリーダ70は、各シート本体S0にそれぞれ設けられていてもよいし(
図19参照)、複数のシート本体S0のうちの1つだけに設けられていてもよい(つまり、車両CRに1つだけ設けられていてもよい。)。また、カードリーダ70を各シート本体S0にそれぞれ設けた場合、SIMカードには、各シート本体S0を個別に特定するための識別情報が記録されることとなる。
【0155】
また、第2実施形態では、記録媒体としてSIMカード80を例示したが、記録媒体は、無線通信部による無線通信を可能とする識別情報が記録されたものであれば、SIMカード以外のICカードであってもよいし、さらに言えば、ICカード以外の記録媒体であってもよい。なお、SIMカード以外の記録媒体を採用した場合、情報読取部が、採用した記録媒体に対応した構成となることは言うまでもない。
【0156】
また、第2実施形態では、センサとして圧力センサPS1~PS6を例示したが、センサは、圧力センサ以外のセンサ、例えば、温度センサや湿度センサ、音センサ、光センサ、心拍センサ、呼吸センサ、着座者の動きを検出するセンサ、着座者の発汗量を検出するセンサなどであってもよい。また、シート本体に設けられるセンサは、1種類ではなく、複数種類であってもよい。
【0157】
また、第2実施形態では、シート本体S0外の機器としてサーバ90を例示したが、サーバ以外のコンピュータであってもよい。
【0158】
また、第2実施形態では、シートとして自動車に搭載されるシートS10を例示したが、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。また、シートは、乗物用のシートに限定されず、例えば、家庭で使用されるシートや、施設に設置されるシートなどであってもよい。
【0159】
また、本明細書に記載した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。