(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145946
(43)【公開日】2022-10-04
(54)【発明の名称】可変速度手術器具のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/00 20160101AFI20220926BHJP
A61B 17/072 20060101ALI20220926BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20220926BHJP
【FI】
A61B34/00
A61B17/072
A61B34/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128674
(22)【出願日】2022-08-12
(62)【分割の表示】P 2018535011の分割
【原出願日】2017-01-27
(31)【優先権主張番号】62/288,784
(32)【優先日】2016-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/408,283
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウェイアー,デイヴィッド ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ブリッソン,ガブリエル エフ.
(72)【発明者】
【氏名】バーバンク,ウィリアム エー.
(72)【発明者】
【氏名】チャガジェルディ,アーミル
(72)【発明者】
【氏名】フラナガン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒンウィ,プッシュカー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ジュニア,ドナルド エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィクシー,マシュー エー.
(57)【要約】
【課題】手術器具の操作のための改良された方法及びシステムを提供する。
【解決手段】コンピュータ支援医療デバイス内の手術器具の可変速度制御のシステム及び方法が、手術器具であって、手術器具の遠位端に配置されるエンドエフェクタを有する手術器具と、アクチュエータからエンドエフェクタに力又はトルクを連結する1つ又はそれよりも多くの駆動機構とを含む。器具を用いて手術を遂行するために、コンピュータ支援医療デバイスは、アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定して、アクチュエータによって適用される力又はトルクをモニタリングするように構成される。適用される力又はトルクが第1の力又トルク限界よりも上であるときには、手術のための継続条件を満足するか否かを決定する。継続条件を満足するときには手術を休止させ、継続条件を満足しないときにはアクチュエータの強制発射が行われるべきか否かを決定する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータと、
1つ以上のプロセッサと、を含む、
コンピュータ支援システムであって、
当該コンピュータ支援システムに連結される器具を用いて操作を実行するために、前記1つ以上のプロセッサは、
前記アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定し、
前記アクチュエータによって適用される力又はトルクをモニタリングし、
前記適用される力又はトルクが第1の力又はトルク限界よりも上であるときに、休止限界に達しているか否かを決定し、
前記休止限界に達していないと決定することに応答して、前記操作を休止させる、
ように構成され、
前記休止限界は、前記操作中の多数の休止のカウントが所定の数の休止よりも上であること、前記操作中の全ての休止の総持続時間が最大休止持続時間よりも上であること、又は前記操作中の前記多数の休止の前記カウントが前記所定の数の休止よりも上であり且つ前記操作中の全ての休止の前記総持続時間が前記最大休止持続時間よりも上であることを含む、
コンピュータ支援システム。
【請求項2】
前記操作は、前記器具のエンドエフェクタによってクランプされる組織を通じて1つ以上のステープルを発射することを含む、請求項1に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、前記休止限界に達していると決定することに応答して、強制発射を行わせるように更に構成され、前記強制発射は、前記適用される力又はトルクが力又はトルクに対する上限を超えることが可能にされる前記アクチュエータの操作を含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項4】
前記多数の休止の前記カウントは、前記操作が休止される度に増分されるカウンタによって維持される、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項5】
前記総持続時間は、タイマを使用して維持され、前記タイマは、前記操作中の各休止が始まるときに開始され、前記操作中の各休止が終わるときに停止される、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項6】
前記器具の往復動要素が所定の距離を進行することに応答して、前記1つ以上のプロセッサは、前記多数の休止の前記カウントを再設定するか或いは全ての休止の前記総持続時間を再設定するように更に構成される、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項7】
前記操作を休止させるために、前記1つ以上のプロセッサは、前記速度設定点をゼロに設定するように構成される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、所定の時間期間が経過するか或いは前記適用される力又はトルクが前記第1の力又はトルク限界よりも低い第2の力又はトルク限界を下回るまで、前記操作を休止させるように更に構成される、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記操作における追加的な休止が許容されない、前記操作の前記休止が終了する後のホールドオフ期間を強制するように更に構成される、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ支援システム。
【請求項10】
コンピュータ支援デバイスと共に使用するための器具の作動方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記アクチュエータによって適用される力又はトルクをモニタリングすることと、
前記適用される力又はトルクが第1の力又はトルク限界よりも上であるときに、前記1つ以上のプロセッサによって、ステープリング操作のための休止限界に達しているか否かを決定することと、
前記休止限界に達していないと決定することに応答して、前記1つ以上のプロセッサによって、前記ステープリング操作を休止させることと、を含み、
前記休止限界は、前記ステープリング操作中の多数の休止のカウントが所定の数の休止よりも上であること、前記ステープリング操作中の全ての休止の総持続時間が最大休止持続時間よりも上であること、又は前記ステープリング操作中の前記多数の休止の前記カウントが前記所定の数の休止よりも上であり且つ前記ステープリング操作中の全ての休止の前記総持続時間が前記最大休止持続時間よりも上であることを含む、
作動方法。
【請求項11】
前記休止限界に達していると決定することに応答して、前記1つ以上のプロセッサによって、前記適用される力又はトルクが力又はトルクに対する上限を超えることが可能にされる前記アクチュエータの操作を引き起こすことを更に含む、請求項10に記載の作動方法。
【請求項12】
前記アクチュエータによって作動される往復動要素が所定の距離を進行することに応答して、前記1つ以上のプロセッサによって、前記多数の休止の前記カウントを再設定するか或いは全ての休止の前記総持続時間を再設定することを更に含む、請求項10又は11に記載の作動方法。
【請求項13】
前記ステープリング操作を休止することは、前記速度設定点をゼロに設定することを含む、請求項10~12のうちのいずれか1項に記載の作動方法。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサによって、所定の時間期間が経過するか或いは前記適用される力又はトルクが前記第1の力又はトルク限界よりも低い第2の力又はトルク限界を下回るまで、前記ステープリング操作を休止させることを更に含む、請求項10~13のうちのいずれか1項に記載の作動方法。
【請求項15】
複数の機械読取可能命令を含む非一時的な機械読取可能媒体であって、前記複数の機械読取可能命令は、コンピュータ支援システムと関連付けられる1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、該1つ以上のプロセッサに請求項10~14のうちのいずれか1項に記載の作動方法を実行させるように構成される、非一時的な機械読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本開示は、2016年1月29日に出願された「System and Method for Variable Velocity Surgical Instrument」という名称の米国仮特許出願第62/288,784号及び2016年10月14日に出願された「I-Beam Stapler Controls Supplement」という名称の米国仮特許出願第62/408,283号の優先権を主張し、それらの両方の全文を本明細書中に参照として援用する。
【0002】
本開示は、一般的には、関節作動アーム及びエンドエフェクタを備えるデバイスの動作に関し、より具体的には、可変速度制御装置を備える最小侵襲手術器具の動作に関する。
【背景技術】
【0003】
ますます多くのデバイスが、自律型及び半自律型の電子デバイスと取って代わられている。これは、手術室、介入室、集中治療室、救急室、及び同等の場所に見出される自律型及び半自律型の電子デバイスの大規模アレイを備える、今日の病院において特に当て嵌まる。例えば、従来的な手動手術器具は、コンピュータ支援医療デバイスと置き換えられている。
【0004】
コンピュータ支援医療デバイスを使用する最小侵襲外科技法は、一般的には、健康な組織への損傷を最小限に抑えながら、外科処置及び/又は他の処置を行うことを試みる。幾つかの最小侵襲処置は、手術器具を備えるコンピュータ支援医療デバイスの使用を通じて遠隔に行われることがある。多くのコンピュータ支援医療デバイスにおいて、外科医及び/又は他の医療従事者は、典型的には、操作者コンソール上の1以上(1つ又はそれよりも多く)の制御装置を使用して入力デバイスを操作することがある。外科医及び/又は他の医療従事者が操作者コンソールで様々な制御装置を操作すると、命令が、操作者コンソールから、1以上のエンドエフェクタ及び/又は手術器具が取り付けられる患者側デバイスに中継される。このようにして、外科医及び/又は他の医療従事者は、エンドエフェクタ及び/又は手術器具を使用して、患者に対して1以上の処置を行うことができる。所望の処置及び/又は使用中の手術器具に依存して、所望の処置が、遠隔操作を用いる外科医及び/又は医療従事者の制御の下で、及び/又は外科医及び/又は他の医療従事者による1以上のアクティブ化行為に基づいて手術器具が一連の動作を行うことがある半自律的制御の下で、部分的に又は全体的に行われることがある。
【0005】
最小侵襲手術器具は、手動で作動させられるにせよ、遠隔操作されるにせよ、及び/又は半自律的に作動させられるにせよ、様々な手術及び/又は処置において使用されてよく、様々な構成を有してよい。多くのそのような器具は、関節作動アームの遠位端に取り付けられることがあるシャフトの遠位端に取り付けられるエンドエフェクタを含む。多くの手術シナリオにおいて、シャフトは、遠隔手術部位に到達するよう、開口(例えば、体壁切開部、自然開口部、及び/又は同等の部位)を通じて(例えば、腹腔鏡的に、胸腔鏡的に、及び/又は同様の様式で)挿入されてよい。
【0006】
外科医及び/又は他の医療従事者が様々な外科処置のうちのいずれかを遂行するのを可能にするよう、異なる設計及び/又は構成のエンドエフェクタを使用して異なるタスク、処置、及び機能を遂行してよい。例は、焼灼、切除、縫合、切断、ステープル留め(ステープリング)、融着、封止など、及び/又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。従って、エンドエフェクタは、これらの外科処置を遂行するために様々なコンポーネント及び/又はコンポーネントの組み合せを含むことができる。
【0007】
最小侵襲処置の目標と一致して、エンドエフェクタの大きさは、一般的には、小さく保たれる。エンドエフェクタの大きさを小さく保つ1つのアプローチは、手術器具の近位端での1以上の入力の使用を通じてエンドエフェクタの作動を達成することであり、近位端は、典型的には、患者の外部に配置される。次に、ギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、ベルト、バンド、及び/又は同等物のような、様々な伝動装置コンポーネントを使用して、手術器具のシャフトに沿って1以上の入力からの行為を伝え、エンドエフェクタを作動させてよい。適切な手術器具を備えるコンピュータ支援遠隔操作医療デバイスの場合、器具の近位端にある伝動機構は、直接的に又は他の伝動装置コンポーネントを通じて間接的に、様々なモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、液圧装置、空圧装置、及び/又は患者側デバイス若しくは患者側カートの関節作動アームに設けられる同等物のような、1以上のアクチュエータとインターフェース接続する。(複数の)アクチュエータは、マスタコントローラを通じて提供されるユーザ命令に応答して生成される制御信号を受信し、伝動機構の近位端で力及び/又はトルクを含む器具への入力を提供し、様々な伝動要素は、最終的に伝動して、伝動機構の遠位端でエンドエフェクタを作動させる。
【0008】
エンドエフェクタの大きさは典型的には小さいので、エンドエフェクタは、何らかの把持操作(grasping operation)、締付け操作(clamping operation)、及び/又はステープル留め操作(stapling operation)中に、それを撓みやすくさせる及び/又は広がりやすくさせる、限定的な剛性を有することがある。伝動機構に加えられる適用トルク及び/又は力の量に対する単純な限定に支配される目標速度で器具を作動させることは、しばしば、操作の失敗又は空間若しくは時間に亘る組織変化に起因するバラバラな速度プロファイルでの把持操作、締付け操作、及び/又はステープル留め操作を招き得るし、ステープル留め操作において組織を通じてステープルを押し出すことの異なる段階のような、操作の異なる段階を招き得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、把持器具(grasping instrument)、締付け器具(clamping instrument)、及び/又はステープル留め器具(clamping instrument)のような、手術器具の操作のための改良された方法及びシステムが望ましい。幾つかの例では、器具の使用を受け入れられないほどに遅くせずに器具の撓み(flexing)及び/又は広がり(splaying)の量を減少させることが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
幾つかの実施形態と一致して、コンピュータ支援医療デバイスと共に使用する手術器具は、手術器具の遠位端に配置されるエンドエフェクタと、アクチュエータと、アクチュエータからエンドエフェクタに力又はトルクを連結する1つ又はそれよりも多くの駆動機構とを含む。手術器具を用いて手術(操作)を行うために、コンピュータ支援デバイスは、アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定し、アクチュエータによって適用される力又はトルクをモニタリングするように、構成される。適用される力又はトルクが第1の力又はトルク限界よりも上であるときには、手術のための継続条件が満足されているか否かが決定される。継続条件が満足されているときには手術が休止され、継続条件が満足されていないときにはアクチュエータの強制発射が行われるべきか否かが決定される。
【0011】
幾つかの実施形態と一致して、コンピュータ支援医療デバイスと共に使用する手術器具を作動させる方法は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定すること、及びアクチュエータによって適用される力又はトルクを測定することを含む。適用される力又はトルクが第1の力又はトルク限界よりも上であるとき、方法は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって、ステープル留め(ステープリング)操作のための継続条件が満足されているか否かを決定することを更に含む。継続条件が満足されるとき、方法は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって、アクチュエータの更なる移動を休止させることを更に含む。記継続条件が満足されないとき、方法は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって、アクチュエータの強制発射が行われるべきか否かを決定することを更に含む。
【0012】
幾つかの実施形態と一致して、非一時的な機械可読媒体は、コンピュータ支援医療デバイスと関連付けられる1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサに方法を遂行させるように構成される、複数の機械可読指令を含む。方法は、アクチュエータの速度設定点を初期速度に設定すること、及びアクチュエータによって適用される力又はトルクを測定することを含む。適用される力又はトルクが第1の力又トルク限界よりも上であるとき、方法は、ステープル留め操作のための継続条件が満足されているか否かを決定することを更に含む。継続条件が満足されるとき、方法は、アクチュエータの更なる移動を休止させることを更に含む。継続条件が満足されないとき、方法は、アクチュエータの強制発射が行われるべきか否かを決定することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】幾つかの実施形態に従ったコンピュータ支援システムの簡略図である。
【0014】
【
図2】幾つかの実施形態に従った最小侵襲手術器具を示す簡略図である。
【0015】
【
図3A】幾つかの実施形態に従った
図2のエンドエフェクタの簡略である。
【
図3B】幾つかの実施形態に従った
図2のエンドエフェクタの簡略である。
【
図3C】幾つかの実施形態に従った
図2のエンドエフェクタの簡略である。
【
図3D】幾つかの実施形態に従った
図2のエンドエフェクタの簡略である。
【0016】
【
図4】幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタの作動のための状態機械の簡略図である。
【0017】
【
図5】幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタの速度-トルクプロファイルの簡略図である。
【0018】
【
図6】幾つかの実施形態に従ったステープル留め及び切断操作を行う方法の簡略図である。
【0019】
【
図7】幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作に関する視覚的フィードバックを提供する例示的なグラフィカルユーザインターフェースの部分を示している。
【0020】
【
図8】幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作を行う方法の簡略図である。
【0021】
【
図9】幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作を行う方法の簡略図である。
【0022】
【
図10】幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作を実行するアプローチを例示する操作状態機械の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図において、同一の参照番号を有する要素は、同一又は類似の機能を有する。
【0024】
以下の記述では、本開示と一致する幾つかの実施形態を記載する特定の詳細を示す。しかしながら、幾つかの実施形態がこれらの具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに実施される場合があることは当業者に明らかであろう。本明細書に開示する具体的な実施形態は例示的であることを意図し、限定的であることを意図しない。当業者は、本明細書に具体的に記載されていなくても、他の要素がこの開示の範囲及び精神内にあることを理解するであろう。加えて、不要な繰返しを避けるために、1つの実施形態に関連して示し且つ記載する1以上(1つ又はそれよりも多く)の構成は、その他のことが具体的に記載されていない限り或いは1以上の構成が実施形態を機能不全にしないならば、他の実施形態に組み込まれてよい。
【0025】
以下の記述は、主として、把持(grasping)、ステープル留め(stapling)、及び切断(cutting)手術器具の実施形態に焦点を当てているが、当業者は、本開示の可変速度方法及び機構が、手術器具及び非手術器具を含む、他の医療器具に適用されてよいことを理解するであろう。また、以下の記述は、しばしば、医療器具を保持し且つ作動させるロボット式に関節作動する(「マニピュレータ」とも呼ぶ)アームを備える医療デバイスを議論するが、当業者は、本開示の方法及び機構が、手持ち式であるように設計される或いは関節作動しない固定具に取り付けられる医療器具を含む、ロボットアーム又は関節作動アームから分離されたコンピュータ支援医療器具と共に使用されてよいことも理解するであろう。
【0026】
図1は、幾つか実施形態に従ったコンピュータ支援システム100の簡略図である。
図1に示すように、コンピュータ支援システム100は、1以上(1つ又はそれよりも多く)の可動アーム又は関節作動アーム120を備えるコンピュータ支援デバイス110を含む。1以上の関節作動アーム120の各々は、1以上の器具130を支持してよい。幾つかの例において、コンピュータ支援デバイス110は、コンピュータ支援手術デバイスと一致してよい。1以上の関節作動アーム120は、それぞれ、手術器具、撮像デバイス、及び同等物のような、医療器具130のための支持をもたらしてよい。医療器具130の例は、組織と相互作用するための手術器具、撮像又は感知デバイス、及び/又は同等物を含む。幾つかの例において、器具130は、実行(performing)、把持(gripping)、収縮(retracting)、焼灼(cauterizing)、切除(ablating)、縫合(suturing)、切断(cutting)、ステープル留め(stapling)、融着(fusing)、封止(sealing)など、及び/又はこれらの組み合わせを行うことができる、エンドエフェクタを含んでよい。
【0027】
コンピュータ支援デバイス110は、操作者ワークステーション(図示せず)に更に連結されてよく、操作者ワークステーションは、コンピュータ支援デバイス110を作動させる1以上のマスタ制御装置、1以上の関節作動アーム120、及び/又は器具130を含んでよい。幾つかの例において、1以上のマスタ制御装置は、マスタマニピュレータ、レバー、ペダル、スイッチ、キー、ノブ、トリガ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの実施形態において、コンピュータ支援デバイス110及び操作者ワークステーションは、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって市販されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemに対応してよい。幾つかの実施形態では、他の構成、より少ない又はより多い関節作動アーム、及び/又は同等物を備えるコンピュータ支援手術デバイスが、コンピュータ支援システム100と共に使用されてよい。
【0028】
コンピュータ支援デバイス110は、インターフェースを介して制御ユニット140に連結される。インターフェースは、有線及び/又は無線であってよく、1以上のケーブル、ファイバ、コネクタ、及び/又はバスを含んでよく、1以上のネットワーク切換えデバイス(network switching device)及び/又は経路制御デバイス(routing device)を備える1以上のネットワークを更に含んでよい。制御ユニット140の動作は、プロセッサ150によって制御される。そして、制御ユニット140は1つだけのプロセッサ150と共に示されているが、プロセッサ150は、制御ユニット140内の1以上の中央処理装置、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は同等物の代表である場合があることが理解されよう。制御ユニット140は、コンピューティングデバイスに加えられるボード及び/又はスタンドアロン型サブシステムとして或いは仮想マシンとして実装されてよい。幾つかの実施形態において、制御ユニット140は、操作者ワークステーションの部分として含められてよく、且つ/或いは操作者ワークステーションと協働して操作者ワークステーションと別個に作動させられてよい。
【0029】
制御ユニット140によって実行されるソフトウェア及び/又は制御ユニット140の動作中に使用される1以上のデータ構造を格納するためにメモリ160が使用されてよい。メモリ160は、1以上の種類の機械可読媒体を含んでよい。機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み出すように構成される任意の他の媒体を含んでよい。
【0030】
図1に示すように、メモリ160は、コンピュータ支援デバイス110の自律的な、半自律的な、及び/又は遠隔操作された制御をサポートするために使用されることがある制御アプリケーション170を含む。制御アプリケーション170は、他のデバイスのための他の制御ユニットと位置、動作、力、トルク、及び/又は衝突回避情報を交換するために、並びに/或いはコンピュータ支援デバイス110、関節作動アーム120、及び/又は器具130の動作を計画し且つ/或いは動作の計画を支援するために、コンピュータ支援デバイス110、関節作動アーム120、及び/又は器具130から位置、動き、力、トルク、及び/又は他のセンサ情報を受信する1以上のアプリケーションプログラミングインターフェース(APIs)を含んでよい。幾つかの例において、制御アプリケーション170は、外科処置中に器具130の自律的、半自律的、及び/又は遠隔操作される制御を更にサポートする。制御アプリケーション170は、ソフトウェアアプリケーションとして描かれるが、制御アプリケーション170は、任意的に、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実装されてよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、コンピュータ支援システム100は、手術室及び/又は介入室内で見出されることがある。コンピュータ支援システム100は、2つの関節作動アーム120及び対応する器具130を備える1つのコンピュータ支援デバイス110のみを含むが、当業者は、コンピュータ支援システム100が、コンピュータ支援デバイス110と類似の及び/又は異なる設計の関節作動アーム及び/又は器具を備える任意の数のコンピュータ支援デバイスを含んでよいことを理解するであろう。幾つかの例において、コンピュータ支援デバイスの各々は、より少ない又はより多い関節作動アーム及び/又は器具を含んでよい。
【0032】
図2は、幾つかの実施形態に従った最小侵襲手術器具200を示す簡略図である。幾つかの実施形態において、手術器具200は、
図1の器具130のうちのいずれかと一致してよい。
図2に描くような並びに本明細書中で使用するような「近位」及び「遠位」の方向は、手術器具200のコンポーネントの相対的な向き及び場所を記述するのを助ける。遠位は、一般的には、器具200を保持するユーザ又は機械、コンピュータ支援デバイス110のような器具200を保持するコンピュータ支援デバイスの基部からの運動連鎖に更に沿う方向における、及び/又は手術器具200の意図される手術的使用における外科作業部位に最も遠い要素を指す。近位は、一般的には、コンピュータ支援デバイスの基部、器具200を保持するユーザ又は機械、及び/又は器具200を保持するコンピュータ支援デバイスの関節作動アームのうちの1つに向かう運動連鎖に沿う最も近い方向における要素を指す。
【0033】
図2に示すように、手術器具200は、長いシャフト210を含み、長いシャフト210は、シャフト210の近位端で、シャフト210の遠位端に配置されるエンドエフェクタ220を、手術器具200が関節作動アーム及び/又はコンピュータ支援デバイスに取り付けられる場所に連結する。手術器具200が使用される具体的な処置に依存して、シャフト210は、エンドエフェクタ220を患者の解剖学的構造内に配置される遠隔手術部位の近傍に配置するために、患者の開口(例えば、体壁切開部、自然開口部、及び/又は同等のもの)を通じて挿入されることがある。
図2に更に示すように、エンドエフェクタ220は、2つのジョー付きグリッパスタイルのエンドエフェクタと概ね一致し、エンドエフェクタは、幾つかの実施形態において、
図3A~
図3Dに関して以下により詳細に記載するような、切断及び/又はステープル留め機構を更に含んでよい。しかしながら、当業者は、ステープル以外のファスナを備えるエンドエフェクタのような異なるエンドエフェクタ220を備える異なる手術器具200が可能であり、本明細書の他の場所に記載するような手術器具200の実施形態と一致する場合があることを理解するであろう。
【0034】
エンドエフェクタ220を備える手術器具200のような手術器具は、典型的には、その動作中に複数の自由度(DOF)を使用する。手術器具200及び手術器具が取り付けられる関節作動アーム及び/又はコンピュータ支援デバイスの構成に依存して、エンドエフェクタ220を位置付け、方向付け、且つ/或いは作動させるために使用されてよい様々なDOFが可能である。幾つかの例では、シャフト210を遠位方向に挿入し且つ/或いは近位方向に後退させて、そのエンドエフェクタ220が患者の解剖学的構造内でどれぐらい深く配置されるかを制御するために使用されてよい挿入DOFを提供してよい。幾つかの例において、シャフト210をその長手軸について回転させて、エンドエフェクタ220を回転させるために使用されてよいロールDOFを提供することができる。幾つかの例では、エンドエフェクタ220の位置及び/又は向きにおける追加的なフレキシビリティ(柔軟性)が、シャフト210及び手術器具200の近位に配置される、関節作動アーム120のジョイント(関節)及びリンクのような、1以上のジョイント(関節)及び/又はリンクによって提供されてよい。幾つかの例では、任意的な関節作動リスト230(関節作動手首部)を使用して、エンドエフェクタ220をシャフト210の遠位端に連結してよい。幾つかの例において、関節作動リスト230は、シャフト210の長手軸に対するエンドエフェクタ220の向きを制御するために使用されてよい、1以上の「ロール」、「ピッチ」、及び「ヨー」DOF(s)をそれぞれ提供することがある、1以上のロールジョイント、ピッチジョイント又はヨージョイントのような、1以上の回転ジョイントを任意的に含んでよい。幾つかの例において、1以上の回転ジョイントは、ピッチ及びヨージョイント、ロール、ピッチ及びヨージョイント、ロール、ピッチ及びロールジョイント、及び/又は同様のものを含んでよい。幾つかの例において、エンドエフェクタ220は、エンドエフェクタ220のジョーの開閉を制御するために使用される把持DOF、及び/又は以下に更に詳細に記載するようなステープリング及び切断機構の伸長(extension)、収縮(retraction)、及び/又は動作(operation)を制御するために使用されるアクティブ化DOFを更に含む。
【0035】
手術器具200は、シャフト210の近位端に配置される駆動システム240を更に含む。駆動システム240は、手術器具200によってサポートされる様々なDOFsを操作するために使用することができる、手術器具200への力及び/又はトルクを導入するための1以上のコンポーネントを含む。幾つかの例において、駆動システム240は、
図1の制御ユニット140のような制御ユニットから受信する信号に基づいて作動させられる1以上のモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、液圧装置、空圧装置、及び/又は同等物を任意的に含んでよい。幾つかの例において、信号は、1以上の電流、電圧、パルス幅変調波形、及び/又は同様のものを含むことがある。幾つかの例において、駆動システム240は、手術器具200が取り付けられる関節作動アーム120のいずれかのような関節作動アームの部分である対応するモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、液圧装置、空圧装置、及び/又は同等物に連結されてよい、1以上のシャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド、及び/又は同等物を任意的に含んでよい。幾つかの例において、シャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド、及び/又は同等物のような、1以上の駆動入力を使用して、モータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、液圧装置、空圧装置、及び/又は同等物から力及び/又はトルクを受け取り、それらの力及び/又はトルクを適用して手術器具200の様々なDOFを調整する。この議論では、線形力、回転トルク、及び/又はそれらの両方を示すために、時折、「力」及び「トルク」の両方を個別に使用する。
【0036】
幾つかの実施形態において、駆動システム240によって生成される及び/又は駆動システム240によって受け取られる力及び/又はトルクは、1以上の駆動機構250を使用して、駆動システム240からシャフト210に沿って駆動システム240の遠位に配置される手術器具200の様々な要素及び/又はジョイントに伝達される。幾つかの例において、1以上の駆動機構250は、1以上のギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、バンド、及び/又は同等物を任意的に含んでよい。幾つかの例において、シャフト210は中空であり、駆動機構250はシャフト210の内側に沿って駆動システム240からエンドエフェクタ220及び/又は関節作動リスト230における対応するDOFに進む。幾つかの例において、駆動機構250の各々は、任意的に、ボーデンケーブルのような構成における中空シース又は管腔の内側に配置されるケーブルであってよい。幾つかの例において、ケーブル及び/又は管腔の内側は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は同等物のような低摩擦コーティングで任意的に被覆されてよい。幾つかの例では、各ケーブルの近位端が、例えば、キャプスタン又はシャフトの周りにケーブルを巻き付け且つ/或いは巻き戻すことによって、駆動システム240の内側で引っ張られ且つ/或いは押されると、ケーブルの遠位端は相応して動き、適切な力及び/又はトルクを適用して、手術器具220、関節作動リスト230、及び/又はエンドエフェクタ220のDOFのうちの1以上を調節する。
【0037】
図3A~
図3Dは、幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタ220の簡略図である。
図3A~
図3Dに示すように、エンドエフェクタ又は手術器具200の遠位端は、ジョーの閉塞、組織のステープル留め、及び組織の切断のための機構を含む。2つの固定ジョー及び1つの可動ジョーでエンドエフェクタ220を示し且つ記載しているが、当業者は手術器具200の遠位端を修正して2つの可動ジョーを使用し得ることを理解するであろう。以下の記述は、組織を同時にクランプし、ステープル留めし、且つ切断する、クランプ、ステープル留め、及び切断器具の脈絡にあるが、そのように記載する態様は、切断構成を具備する或いは具備しない器具、ステープル留めの代わりに融着(fusing)をサポートする器具、及び/又は同等物に適用可能なことがある。
【0038】
図3Aは、エンドエフェクタ220のジョーを開放位置で示すよう、作動前のエンドエフェクタ220の切欠側面図を示している。図示するように、エンドエフェクタは、一般的には固定される第1のジョー310を含む。ジョー310は、複数のステープル330と複数のステープルプッシャ335とを保持する交換可能なステープルカートリッジ320を受け入れるように設計されている。ステープル330のうちの1以上が使用された後に第1のステープルカートリッジ320を取り外し、第1のステープルカートリッジ320を、外科処置を更に行うために使用し得る新しいセットのステープル330を有する第2のステープルカートリッジ320と交換することによって、エンドエフェクタ220が再使用可能であるよう、ステープルカートリッジ320は、交換可能であるように設計される。
図3Bは、ステープルカートリッジ320の頂面図を示している。
図3Bに描くように、ステープルカートリッジは、6列のステープルスロット340を含み、ステープル330は、エンドエフェクタ220の作動後に、ステープルスロット340を通じてクランプされた組織に適用されてよい。ステープルスロット340の列は、以下に更に詳細に記載する切断スロット350の各側に3つの列を含む。切断スロット350の両側にステープル330を配置することは、切断線の両側で組織を閉じるよう、所望の切断線の両側へのステープル330の適用を可能にする。また、ステープルスロット340の列は、切断線の両側に沿ってより完全な組織閉塞をもたらすために、互いに対してオフセットさせられる。ステープルカートリッジ320は、各列が均一な大きさの6つのステープルスロット340を有する、6列のオフセットしたステープルスロット340を備えて示されているが、当業者は、より少ない又はより多いステープルを備えるより少ない又はより多い列のステープルスロット、異なる大きさのステープルスロット、及び様々なパターンのステープルスロットが可能であることを理解するであろう。
【0039】
図3Aに更に示すように、エンドエフェクタ220は、その近位端付近のピボット地点(図示せず)の周りで移動可能な第2のジョー3609を更に含む。ステープル留めの脈絡において、第2のジョー360を代替的にアンビル360(金床)と呼ぶことがある。
図3Aに示す実施形態において、アンビル360は、エンドエフェクタ220の初期作動時に、組織がアンビル360とジョー310との間でクランプされる(clamped)まで、アンビル360とジョー310との間の間隙が急速に減少させられるように構成される。エンドエフェクタ220の作動は、エンドエフェクタ220の近位端からエンドエフェクタ220の遠位端への往復動要素380(reciprocating element)の移動によって達成される。往復動要素380は、駆動機構250のうちの1以上の駆動要素の遠位端に連結される。
【0040】
往復動要素380は、スレッド382と、フランジ384とを含み、切断ブレード386が、スレッド382とフランジ384との間に連結されている。往復動要素380は、
図3Dに示すエンドエフェクタ220の切欠端部に示すような概ねIビームスタイルの断面形状を有する。エンドエフェクタ220がステープル留めのために作動させられると、往復動要素380が駆動機構250によって押されるにつれて、スレッド382はジョー310及びステープルカートリッジ320内で前に推進させられる。スレッド382は、楔形の先端(leading end)又は遠位端(distal end)を含むことで、先端がステープルプッシャ335の各々に衝突する(encounters)と、先端はステープルプッシャ335を対応するステープル330に対して押す。この動作は、ステープルスロット340のそれぞれ1つを通じてステープル330の各々のステープルの発射をもたらす。スレッド382はその前縁(leading edge)に単一の楔を備えて示されているが、スレッド382は、任意的に、ステープルカートリッジ320内のステープルプッシャ335及びステープル330の列のうちの各列について別個の楔を含んでよい。加えて、別個の楔の各々は、任意的に、スレッド382の移動の方向において互いに対して互い違いであってよい。幾つかの実施形態において、ステープルプッシャ335は任意的であり、スレッド382の前縁はステープル330を直接的に押す。スレッド382がジョー310及びステープルカートリッジ320内で前に推進させられると、フランジ384はアンビル360内で前に推進させられる。フランジ384の先導する遠位端(leading distal end)が移行エッジ370と衝突すると、フランジ384は、アンビル360とジョー310との間の間隙の初期的な急速閉塞を引き起こす。切断ブレード386は、あらゆるクランプされる組織の切断が切断線の両側に沿ってステープル330の発射を辿る(trails)よう、スレッド382及びフランジ384の遠位端に対して幾分近位に配置される。往復動要素380が作動させられると、切断ブレード386は、切断スロット350並びにアンビル360内に配置される対応する切断スロット355に沿って移動する。
【0041】
図3C及び
図3Dは、エンドエフェクタ220が完全に作動させられた後のエンドエフェクタ220の切欠側面図及び切欠端面図をそれぞれ示している。図示するように、往復動要素380は、スレッド382、フランジ384、及び切断ブレード386と共に、エンドエフェクタ220の遠位端に配置されている。スレッド382の前縁がステープルプッシャ335の各々と衝突すると、スレッド382の前縁はステープルプッシャ335を押し、次に、ステープルプッシャ335は、それぞれのステープルスロット340を通じてステープル330を押し上げ、それぞれのステープルスロットで、ステープル330は、あらゆるクランプされた組織を通じてアンビル360の面に押し込まれ、アンビル360の面で、ステープル330は、
図3Cに示すような最終的な形状に曲げられる。アンビル360とジョー310との間の間隙は、アンビル360内のフランジ384の存在によって維持される。このようにして、往復動要素380、スレッド382、フランジ384、及び切断ブレード386は、全て、往復動要素380のアクチュエータ制御動作によって提供される適用される力又はトルクに応答して動くエンドエフェクタ220のコンポーネントである。
【0042】
エンドエフェクタ220の動作は、それが作動させられるときの幾つかの実際的な考察に左右される。第1に、往復動要素380を推進させるために使用される駆動機構250に適用されなければならない極めて僅かな力又はトルクを用いて高いレベルの速度で往復動要素380を遠位に移動させることができる。しかしながら、フランジ384が前縁370と衝突し始め、アンビル360とジョー310との間の間隙が急速に閉塞し始めると、アンビル360とジョー310との間にクランプされるあらゆる組織は、往復動要素380の更なる移動に抵抗し始める。これを補償するために、駆動システム240は、追加的な力及び/又はトルクを駆動機構250に適用して、往復動要素380の速度を維持する。力及び/又はトルクのモニタリング(監視)は、ジョー310及び/又はアンビル360の許容できない撓み及び/又は広がり、エンドエフェクタ220、駆動システム240、及び/又は駆動機構250への損傷、並びに/或いはクランプされる組織への損傷を回避するために、適用される力及び/又はトルクに対する合理的な上限が維持されることを確実にする。第2に、組織がアンビル360とジョー310との間でクランプされると、組織は、典型的には、締付け(clamping)の圧力の故に流体が組織から押し出されるときに乾燥し始める。往復動要素380の速度が適切に制御される限り、往復動要素380を前進させ続ける力及び/又はトルクの量を適合組織(コンプライアント組織)についての合理的な限界内に概ね管理することができる。第3に、追加的な力及び/又はトルクは、典型的には、往復動要素380についての所望の速度を維持しながら、ステープル330がクランプされた組織を通じて押され且つ/或いは切断ブレード386がクランプされる組織を切断することができるよう、スレッド382がステープルプッシャ335の各々をステープル330に押し付けることができるように、必要とされる。この追加的な力及び/又はトルクは、有意に異なることがある。何故ならば、ステープル留めされる組織の特性が変化すると、以前に適用されたステープル線が交差させられ且つ/或いは同様のことがあるからである。
【0043】
エンドエフェクタ220の円滑な動作を達成するために、一般的には、組織との最初の接触、ステープル330の発射、及びクランプされ且つステープル留めされる組織の切断を通じて、一定速度で往復動要素380を作動させることが望ましい。幾つかの実施形態において、これは、ジョー310及び/又はアンビル305の受け入れられない撓み及び/又は広がり、エンドエフェクタ220、駆動システム240、及び/又は駆動機構250への損傷、並びに/或いはクランプされる組織への損傷を減少させ且つ/或いは回避するよう、適用される力及び/又はトルクをモニタリングし且つ/或いは制限することで生じる。1つのアプローチは、駆動システム240に対する最大の力及び/又はトルク限界の支配下にある定速度設定点(constant velocity set point)を使用して、エンドエフェクタ220を作動させることである。動作の速さと力及び/又はトルク限界に遭遇するリスクとの間のバランスをもたらすように定速度設定点を選択することができる。幾つかの例において、定速度設定点は、クランプされ、ステープル留めされ、且つクランプされている組織の種類に基づいて、例えば、操作者によって、任意的に調整可能であってよい。幾つかの実施形態において及び/又は特定の動作条件の下で、特定の速度設定点及び/又は速度設定点の範囲は、低すぎる定速度設定点、場合によっては不規則なパターンで往復動要素380の速度を遅くさせ且つ速くさせる力及び/又はトルク限界との絶え間のない遭遇に起因する雑な動作、及び/又は同等のことの故に、エンドエフェクタ220の動作が最適未満であることがある。
【0044】
エンドエフェクタ220の改良された動作及びより円滑な動作が、駆動システム240及び駆動機構250によって適用される力及び/又はトルクに基づいて適合する往復動要素380のための速度プロファイルを使用して可能である。例えば、力及び/又はトルクが増加し始めると、往復動要素380の速度は制御された態様において減少させられ、力及び/又はトルクが減少し始めると、往復動要素380の速度は制御された態様において増加させられる。このようにして、往復動要素380の速度を間接的に低下させるために単一の力及び/又はトルク限界に依存することに比べて、エンドエフェクタ220のより円滑な動作が得られる。例えば、力及び/又はトルク閾値が最大の力及び/又はトルク限界よりも低いときに速度を遅くすることは、より少ない始動及び停止での作動をもたらすことがある。何故ならば、往復動要素380は、最大の力及び/又はトルク限界で完全に停止する(bogs down)からである。
【0045】
幾つかの実施形態によれば、速度を調整するために他の技法が使用されることがある。例えば、力及び/又はトルクが閾値量を超えると、往復動要素380の速度は、往復動要素380の現在の検出速度及び/又は現在の検出速度よりも僅かに低い速度設定点に設定されてよい。
【0046】
図3Aに戻ると、例示的なステープル留めプロセスの作動中の往復動要素380の進行方向を示す矢印390も示されている。一組の点線392,394,396,398は、スレッド382の遠位先端がステープル留め動作中に達する特定の場所を示している。スレッド382の遠位先端が点線392及び点線394によって示される場所の間に配置されるときに、ステープラは、(「把持段階」(“gripping stage”)とも呼ぶ)「把持」状態(“gripping” state)にあり、「把持」状態において、第1のジョー310及び第2のジョー360は、だいたい平行な姿勢に近く、患者の組織を軽く把持することができる。スレッド382の遠位先端が点線394によって示される場所に達するときに、ステープラは、把持状態から(「クランプしているが発射していない段階」(“clamping-not-yet-firing stage”)とも呼ぶ)「クランプしているが発射していない」状態(“clamping-not-yet firing” state)に移行し、「クランプしているが発射していない」状態において、第1のジョー310及び第2のジョー360は、患者の組織に対して実質的な締付力(clamping force)を加えるよう十分に近く近接して保持される。このクランプしているが発射していない状態は、患者の組織の何らかのステープル留め前の圧縮を提供することができ、成功裡のステープル留め作業の可能性を高めるために組織を平らにするのを助ける。
【0047】
スレッド382の遠位先端が点線396によって示される場所に達すると、ステープラは、クランプしているが発射していない状態から(「発射段階」(“firing stage”)とも呼ぶ)「発射」状態(“firing” state)に移行し、「発射」状態において、スレッド382は、対応するステープル330に対してステープルプッシャ335の様々なステープルプッシャを押し、ステープルスロット340を通じてこれらのステープル330を発射する。ステープル留めプロセスは、スレッド382の遠位先端が点線398によって示される場所でその目的地(ゴール)に到達すると終了する。この発射状態をクランプしているが発射していない状態とは別個の「クランプしている」状態(“clamping” state)と呼ぶこともある。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、加えられる力又はトルクは、発射状態、クランプしているが発射していない状態、把持状態、及び/又はこれらの状態のうちの任意の2つ又は3つの状態の組み合わせの間にモニタリングされてよい。幾つかの例では、発射段階において、適用される力又はトルクはモニタリングされてよく、この開示中で議論したプロセスのように、プロセスが遂行されてよい。幾つかの例では、発射状態及びクランプしているが発射していない状態の全部又は部分において、適用される力又はトルクはモニタリングされてよく、本開示中で議論したプロセスのように、プロセスが遂行されてよい。幾つかの例において、異なる力又はトルク限界閾値及び/又は他のパラメータが、発射状態及びクランプしているが発射していない状態のために使用されてよい。
【0049】
幾つかの実施形態によれば、ステープル留め操作中に外科医及び/又は他の医療従事者にフィードバックが提供されてよい。幾つかの例では、コンピュータ支援システム(例えば、コンピュータ支援システム100)内の制御ユニットが、クランプしているが発射していない状態における成功裡のステープル留めプロセスの可能性を推定し、視覚的表示、可聴フィードバック、及び/又は同等のものを含む任意の適切な方法を通じて、そのような推定をユーザに提供してよい。幾つかの例では、ステープルを消費しないで、ステープルを処置中の他の場所で使用することができるよう、このフィードバックは、ステープル留めプロセスを容易に逆転させることができる間に提供されてよい。幾つかの実施形態において、コンピュータ支援システムは、成功裡のステープル留めの可能性が十分に高いと測定されるまで、発射状態の開始を抑制する。
【0050】
幾つかの実施形態において、手術器具200及び/又は関連するコンピュータ支援システム(例えば、コンピュータ支援システム100)は、これらの3つの状態を操作者にとって特徴的にするユーザインターフェースで構成される。例えば、幾つかの実施形態は、ノブ、ボタン、スイッチ、ペダル、及び他の入力デバイスの異なる組み合わせを通じて状態を変化させる異なる制御装置を提供する。幾つかの例では、遠隔操作コンピュータ支援システムのために、このコンピュータ支援システムは、以下の命令入力、即ち、(1)アクティブなステープラ器具と関連付けられるマスタマニピュレータ入力デバイス上のピンチ入力(pinching input)を感知することに応答して、スレッド382に把持速度で点線392に対応する場所に移動するように命令することによるような、把持状態への命令入力、(2)第1のペダルの押下げに応答して、スレッド382に、クランプしているが発射していない速度で点線394に対応する場所に移動するよう命令することによるような、クランプしているが発射していない状態への命令入力、(3)スレッド382に発射速度で点線396を越えてエンドエフェクタ220の遠位端にある点線398にある場所に移動するように命令することによるような、発射状態に入って発射状態を継続することへの命令入力を行うように構成されてよい。幾つかの実施形態は、ピンチ動作、第1のペダルの押下げ、及び/又は第2のペダルの押下げが、関連する所定の時間期間がピンチ動作、第1のペダルの押下げ、及び/又は第2のペダルの押下げと共に経過した後に、関連する状態についての命令をもたらすような、タイムアウトを伴って構成されてもよい。幾つかの実施形態において、手術器具200又は関連するコンピュータ支援システム(例えば、コンピュータ支援システム100)は、ユーザ制御の観点から、把持状態及びクランプしているが発射していない状態、又は「クランプしているが発射していない状態」及び発射状態を組み合わせる、ユーザインターフェースを伴って構成される。幾つかの実施形態では、操作者が把持状態に入り、クランプしているが発射していない状態に移行することを指示するために、単一のスイッチ又はペダルが提供される。幾つかの実施形態では、操作者がクランプしているが発射していない状態に入り、発射状態に移行することを指示するために、単一のスイッチまたはペダルが提供される。
【0051】
図4は、幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタを作動させる状態機械400の簡略図である。状態機械400の1以上の状態410~490は、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において実装されてよい。この実行可能なコードは、1以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140内のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサに状態410~490のうちの1以上の状態を実施させてよい。幾つかの実施形態において、状態機械400は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実施されてよい。幾つかの実施形態では、状態機械400を使用して、アクチュエータによって加えられるトルクに基づいて往復動要素380の動作を制御するアクチュエータのようなアクチュエータの速度設定点を制約し且つ/或いは制限してよい。幾つかの実施形態では、状態機械400が作動している間に、アクチュエータのトルクがモニタリングされる。幾つかの実施形態において、状態410~490の間の状態移行は、示される状態移行が生じるときに生じてよく、或いは、任意的に、状態機械400を実装する制御ループの実行に基づいて、周期的な間隔で生じてよい。
【0052】
状態機械400は、状態410で開始する。1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物のアクティブ化を介して、外科医のような操作者の指示及び/又は命令の後に、エンドエフェクタの動作は、プレクランプ状態420(クランプ前状態)(pre-clamp state)に移行する。プレクランプ状態420では、往復動要素380を推進させるアクチュエータのようなアクチュエータの速度設定点が初期速度v
0に設定される。幾つかの例において、速度v
0は、任意的に、アクチュエータの最大許容速度と一致してよい。幾つかの実施形態において、エンドエフェクタの動作は、アクチュエータが最小距離を移動するか或いは初期位置(例えば、点線394に対応する位置)に達するまで、プレクランプ状態420のままである。幾つかの例において、最小距離は、フランジ384の遠位端が移行縁370に遭遇して、アンビル360とジョー310との間の間隙が閉塞し始める僅か前及び/又は後のような、組織の初期的な締付け(clamping)が生じる位置に対応してよい。幾つかの実施形態において、組織のこの初期的な締付け、
図3Aに関連して議論した「把持」状態及び/又は把持状態の直前に適用可能な把持前状態(before-gripping state)と関連付けられる。幾つかの実施形態において、組織のこの初期的な締付けは、
図3Aに関連して議論した把持状態及びクランプしているが発射していない状態の一部又は全部と関連付けられる。アクチュエータのトルクが、最小距離に達する前に最大トルクτ
maxを超えるとき、状態機械400は、失敗状態490(fail state)に移行する。状態機械400は、視覚的に、聴覚的に、又は何らかの他のフィードバック方法を介して、失敗状態490を人間の操作者に指し示してよい。アクチュエータのトルクが最大トルクを超えないとき、状態機械400は初期クランプ状態430に移行する。
【0053】
初期的なクランプ状態430において、アクチュエータの速度設定点は、初期クランプ速度v1に設定される。次に、アクチュエータの制御は、往復動要素380がエンドエフェクタ220の遠位端まで推進されたときのような目的地位置に達するまで或いはトルク閾値τ1に達するまで、速度v1を続ける。トルクτ1は、最大トルクτmaxよりも低い。幾つかの例において、速度v1は、任意的に、初期速度v0と同じ速度であってよい。状態機械400は、視覚的、聴覚的、及び/又は何らかの他のフィードバック方法を介して、人間のオペレータに成功状態480(success state)を示してよい。目的地位置に達するとき、状態機械400は、成功状態480に移行する。目的地位置に達する前にアクチュエータのトルクがトルクτ1を超えるとき、状態機械400は、第1の遅いクランプ状態440に移行する。
【0054】
第1の遅いクランプ状態440において、アクチュエータの速度設定点は、速度v1よりも低い速度v2に設定される。次に、アクチュエータの制御は、速度v2で継続する。第1の遅いクランプ状態440にある間に、アクチュエータのトルクは、それが増加しているか減少しているかを見るために更にモニタリングされる。アクチュエータのトルクがトルクτ1よりも低い(例えば、τ1よりも5~20%低いような及び/又はτ1より低い1~3N-mRANGEのような)トルクτ2まで減少するとき、状態機械400は、初期クランプ状態430に戻り、初期クランプ状態430では、アクチュエータの速度設定点は増大して速度v1に戻る。トルクτ2がトルクτ1よりも低い量は、アクチュエータのための速度設定点の過度のスラッシング(thrashing)を回避するために、アクチュエータの速度制御にヒステリシスを導入するように設定されてよい。アクチュエータのトルクがトルクτ3まで増加すると、状態機械400は、第2の遅いクランプ状態450に移行する。トルクτ3は、最大トルクτmaxよりも低いが、典型的には、トルクτ1よりも高いので、トルク増加が続いて、アクチュエータについてのより低い速度設定点をもたらす。目的地位置に達するとき、状態機械400は成功状態480に移行する。
【0055】
第2の遅いクランプ状態450において、アクチュエータの速度設定点は、速度v2よりも低い速度v3に設定される。次に、アクチュエータの制御は、速度v3で継続する。第2の遅いクランプ状態450にある間に、アクチュエータのトルクは、トルクが増加しているか減少しているかを見るために更にモニタリングされる。アクチュエータのトルクがトルクτ3よりも低いトルクτ4まで減少すると、状態機械400は、第1の遅いクランプ状態440に戻り、第1の遅いクランプ状態では、アクチュエータの速度は増加する。トルクτ4がトルクτ3よりも低い量は、アクチュエータについての速度設定点の過度のスラッシングを回避するために、アクチュエータの速度制御にヒステリシスを導入するように設定されてよい。アクチュエータのトルクがトルクτ5まで増加すると、状態機械400は待機状態460(wait state)に移行する。トルクτ5は、任意的に、最大トルクτmax以下であってよいが、典型的にはトルクτ3よりも高いので、トルクの増加の継続は、アクチュエータについてのより低い速度をもたらす。目的地位置に達すると、状態機械400は成功状態480に移行する。
【0056】
待機状態460において、状態機械400は、(「休止期間」(“pause period”)とも呼ぶ)所定の時間期間に亘って動作を休止させる。待機状態460において動作を休止するために、状態機械400は、アクチュエータの速度設定点をゼロに設定してアクチュエータの動作を停止させることによって、アクチュエータを休止させてよい。幾つかの例において、アクチュエータの速度設定点をゼロに設定することは、クランプされる組織が更に乾燥させる(desiccate)ことがある追加的な時間を可能にする。幾つかの例において、状態機械400は、所定の時間期間に亘って待機状態に留まって、ステープラ作動からの一時的な休止を提供する。幾つかの例において、所定の期間は、任意的に、ハードウェア及び/又はソフトウェアタイマを使用して実施されてよい。所定の時間期間がタイムアウトした後に、状態機械400は、自動的に試行状態470(try state)に移行する。
【0057】
試行状態470では、アクチュエータを移動させる試みが行われる。試行が試される度に、試行カウンタが増加させられる。幾つか例において、試行は、任意的に、アクチュエータの速度設定点を速度v3又は他の速度値に戻すように設定することを含んでよい。アクチュエータの動作が可能であり、アクチュエータのトルクがトルクτ5よりも低いトルクτ6よりも下に留まるとき、試行カウンタはゼロに再設定(リセット)され、状態機械400は第2の遅いクランプ状態450に戻り、第2の遅いクランプ状態450では、アクチュエータの設定点は速度v3に戻される。トルクτ6がトルクτ5よりも低い量は、アクチュエータについての速度設定点の過度のスラッシングを回避するために、アクチュエータの速度制御にヒステリシスを導入するように設定されてよい。アクチュエータのトルクがトルクτ6よりも上に留まるとき、試行状態460の間に、状態機械400は待機状態460に戻り、追加的な時間の量だけ待機する。状態機械400は、試行期間の時間が経過した後、最小の試行距離が達成された後、及び/又はその両方の後にのみ、待機状態460に移行することができるように、構成されてよい。試行カウンタが最大の試行回数を超えると、状態機械400は失敗状態490に移行する。
【0058】
成功状態480において、成功裡のステープル留め及び切断が検出され、アクチュエータの制御は、エンドエフェクタのジョーがクランプされた組織の対応する解放を伴って開くよう、任意的に逆転される。
図3A~
図3Dの実施例において、アクチュエータを逆転させることは、スレッド382がジョー310及びステープルカートリッジ320から引き出され、フランジ384がアンビル360から引き出されて、アンビル360が枢動して開くのを可能にし、切断ブレード386がガレージ位置のような安全位置に引き戻されるよう、往復動要素380を近位方向に引っ張ることを含む。幾つかの例において、ステープル留め及び切断操作の成功は、任意的に、音声及び/又は視覚アラート(警告)を使用して操作者に報告されてよい。
【0059】
失敗状態490において、ステープル留め及び切断操作の完了の失敗が検出される。何故ならば、アクチュエータは、目的地位置に達することができなかったからである。
図3A~
図3Dの例において、これは往復動要素380がジョー310及びアンビル360の遠位端まで推進され得ないときに生じる。失敗状態490にある間に、ステープル留め及び切断操作の失敗を示す音声及び/又は視覚アラートが操作者に報告される。幾つかの例において、アクチュエータの反転は、状態機械によって自動的に又は操作者の明示された命令で、任意的に試行されてよい。
【0060】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図4は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態において、トルク以外のエンドエフェクタ及びアクチュエータの特性が代替的にモニタリングされてよく、上述の状態移行をもたらしてよい。幾つかの例では、トルクの代わりにアクチュエータによって加えられる力がモニタリングされてよい。幾つかの実施形態では、初期クランプ状態430及びプレクランプ状態420は、任意的に、単一の状態に組み合わされてよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータのトルクがトルクτ3よりも高いときに、状態機械400が第1の遅いクランプ状態400から大気状態460に移行するよう、第2の遅いクランプ状態450が取り除かれてよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータのトルクがトルクτ1よりも高いときに、プロセスが初期クランプ状態430から待機状態460に移行するよう、第1の遅いクランプ状態440及び第2の遅いクランプ状態450が取り除かれてよい。幾つかの実施形態では、エンドエフェクタのための速度-トルクプロファイルにおいてどれぐらい数のステップが望ましいかに依存して、追加的な遅いクランプ状態が、第2の遅いクランプ状態490と待機状態460との間に任意的に追加されてよい。
【0061】
幾つかの実施形態において、1以上の技法を任意的に使用して、トルク閾値の適用における一時的な過渡現象(transients)の影響を低減させてよい。幾つかの例において、状態機械400の状態移行は、適用されるトルクが所定の時間期間に亘って対応するトルク閾値を上回るか或いは下回るときに生じる。幾つかの例において、所定の時間期間は、任意的に、速度設定点を減少させるトルク閾値及び速度設定点を増加させるトルク閾値について異なってよい。幾つかの例において、状態機械400の状態移行は、適用されるトルクの平均値が対応するトルク閾値を上回るか或いは下回るときに生じる。幾つかの例において、平均は、指数平滑化(exponential smoothing)を使用して計算される。幾つか例において、適用されるトルクは、低域フィルタリング(ローパスフィルタリング)される。
【0062】
図5は、幾つかの実施形態に従った
図3のエンドエフェクタについての速度-トルクプロファイル500の簡略図である。
図5に示すように、速度-トルクプロファイル500は、モニタリングされるトルクに基づいて変化する複数の速度設定を含む。幾つかの例において、速度-トルクプロファイル500は、状態機械400によって実施される速度設定点と一致する。速度-トルクプロファイル500において、エンドエフェクタ220のためのアクチュエータのようなアクチュエータの速度設定点は、アクチュエータによって加えられるトルクがトルクτ
1を超えるまで、トルクτ
1に設定される。ひとたびトルクτ1を超えると、速度設定点は速度v
2に減少される。次に、アクチュエータの速度は、アクチュエータによって加えられるトルクがトルクτ3を超えるまで、速度v
2で制御される。ひとたびトルクτ
3を超えると、速度設定点は速度v
3に減少される。アクチュエータの速度は、アクチュエータによって加えられるトルクがトルクτ
5を超えるまで、速度v
3で制御される。ひとたびトルクτ
5を超えると、速度設定点はゼロに減少される。速度-トルクプロファイル500は、アクチュエータのトルクがトルクτ
6、τ
4、及びτ
2をそれぞれ下回るまで、アクチュエータの速度設定点が速度v
3、v
2、及びv
1に戻されないように、ヒステリシスを用いて更に実施される。トルクτ
6、τ
4、及びτ
2は、それぞれトルクτ
5、τ
3、及びτ
1より下に設定される
【0063】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図5は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態では、トルク以外のエンドエフェクタ及びアクチュエータの特性を速度プロファイルにおいて使用してよい。幾つかの例では、トルクの代わりにアクチュエータによって加えられる力を使用してよい。幾つかの実施形態では、3つよりも少ない及び/又は少ないステップを速度-トルクプロファイルにおいて使用してよい。幾つかの実施形態では、任意的に、τ
2をτ
1に等しく設定し、τ
4をτ
3に等しく設定し、τ
6をτ
5に等しく設定することによって、ヒステリシスを用いないで速度-トルクプロファイル500を実施してよい。幾つかの実施形態では、任意的に、
図5のステッププロファイルの代わりに、ヒステリシスを伴う或いは伴わない滑らかな速度-トルクプロファイルを使用してよい。幾つかの例では、速度-トルクプロファイルは、任意的に、線形であってよく、一連の滑らかなs形状の滑らかなステップ、及び/又は速度設定点がトルクの関数として計算される他の単調なプロファイルを含む。幾つかの実施形態において、速度設定点を決定するために使用されるトルクは、任意的に、平均トルク、低域フィルタリングされたトルク、及び/又は同等のトルクであってよい。
【0064】
図6は、幾つかの実施形態に従ったステープル留め及び切断操作を実行する方法600の簡略図である。方法600の1以上のプロセス605~650は、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において実装されてよい。この実行可能なコードは、1以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサにプロセス605~650のうちの1以上のプロセスを実行させてよい。幾つかの実施形態において、方法600は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実施されてよい。幾つかの実施形態において、方法600は、アクチュエータによって加えられるトルクに基づいて、往復動要素380のような往復動要素を作動させるために使用されるアクチュエータの速度を制限するために使用されてよい。幾つかの実施形態において、方法600のステープル留め及び切断操作は、状態機械400及び/又は速度-トルクプロファイル500に従って実行されてよい。幾つかの実施形態において、プロセス615,620,630の試験は、同時に及び/又は任意の順序で行われてよい。
【0065】
プロセス605で、エンドエフェクタを作動(「発射」(“fired”)とも呼ぶ)させる。駆動システム240内のアクチュエータのようなアクチュエータにエンドエフェクタの少なくとも1つのDOFを制御するために使用されるトルクを適用させることによって、エンドエフェクタ220のようなエンドエフェクタを発射する。幾つかの例では、電流、電圧、パルス幅変調信号、及び/又は同等物のような、1以上の信号をアクチュエータに送ることによって、アクチュエータを制御する。エンドエフェクタの発射の実際の効果は、エンドエフェクタの設計、使用、及び目的に依存する。幾つかの例において、エンドエフェクタの発射は、プレクランプ状態420中の速度設定点の設定のようなアクチュエータの速度設定点を速度v0に設定することによって開始する。
図2及び
図3A~
図3Dの例を使用すると、アクチュエータは、駆動機構250に力を適用し、駆動機構250は、往復動要素380をエンドエフェクタ220の遠位端に向かって移動させる。ひいては、これは、アンビル360とジョー310との間の間隙の減少を引き起こすので、組織はクランプされ、ステープル330はステープルプッシャ335に対して作用するスレッド382によってクランプされる組織を通じて押し込まれ、切断ブレード386がクランプされる組織を切断する。エンドエフェクタの発射は、発射の成功又は失敗が決定され且つ/或いは操作者によって中断されるまで続く。
【0066】
プロセス610で、適用されるトルクをモニタリングする。1以上のセンサ及び/又は制御アルゴリズムを使用して、エンドエフェクタが発射されるときに、アクチュエータによって適用されているトルクをモニタリングする。例えば、アクチュエータがモータであるとき、モータに適用される電流をモニタリングし且つ使用して、モータによって適用されているトルクを決定してよい。
【0067】
プロセス615で、エンドエフェクタが目的地位置にあるか否かを決定する。1以上のセンサを使用して、アクチュエータの位置及び/又はエンドエフェクタ上の検出可能な場所の位置をモニタリングする。幾つかの例において、センサは、アクチュエータの駆動シャフトの回転角を測定してよい。幾つかの例において、1以上のセンサは、シャフトエンコーダ、ホール効果センサ、及び/又は同等物を含んでよい。
図3A~
図3Dの例において、目的地位置は、エンドエフェクタ220の遠位端への往復動要素380の移動に対応するので、ステープル330の全部は、クランプされる組織を通じて発射され、切断ブレード386がクランプされる組織を切断する。目的地位置に達すると、エンドエフェクタの操作は成功したとみなされ、速度設定点はゼロに設定される。幾つかの例において、システムの操作者は、音声及び/又は視覚アラートを介しても通知される。幾つかの例において、成功は成功状態480と一致する。目的地位置に未だ達していないとき、モニタリングされたトルクは、プロセス620で開始する1以上のトルク閾値と比較される。
【0068】
プロセス620で、適用されるトルクが第1のトルク閾値よりも上であるか否かを決する。プロセス610の間にモニタリングされる適用されるトルクを第1のトルク閾値と比較して、アクチュエータが所望よりも多くのトルクをエンドエフェクタに適用しているか否かを決定する。幾つかの例において、第1のトルク閾値は、現在の速度設定点に応じて任意に変化する。
図4及び
図5の実施例において、第1のトルク閾値は、トルクτ1、τ3、及び/又はτ5のうちの1以上に対応する。適用されるトルクが第1のトルク閾値よりも上であるとき、プロセス625を使用して速度設定点を低減させる。適用されるトルクが第1の閾値よりも上でないときには、プロセス630を使用してトルクを第2のトルク閾値と比較する。
【0069】
プロセス625で、速度設定点を低減させる。適用されるトルクが第1の閾値よりも上であるとき、アクチュエータの速度設定点を減少させて、クランプされる組織が更に乾燥させられること、1以上のステープルの発射を遅らせること、及び/又は同等のことのための追加的な時間を可能にする。幾つかの例では、速度設定点を一定の量、速度-トルクプロファイルに従ったパーセンテージ量、及び/又は同等の量に減少させてよい。
図4及び
図5の例において、速度設定点は、プロセス620の間に使用された第1のトルク閾値及び/又は以前の速度設定点に依存して、v
2、v
3、又はゼロに低減される。幾つかの例において、速度設定点の減少は、初期クランプ状態430から第1の遅いクランプ状態440への状態移行、第1の遅いクランプ状態440から第2の遅いクランプ状態450への状態移行、及び/又は第2の遅いクランプ状態450から待機状態460への状態移行と一致する。速度設定点が減少させられた後に、プロセス640を使用して速度設定点がゼロに減少させられたか否かを決定する。
【0070】
プロセス630で、適用されるトルクが第2の閾値より下である否かを決定する。プロセス610の間にモニタリングされる適用されるトルクを第2のトルク閾値と比較して、アクチュエータの速度を上げてよいか否かを決定する。幾つかの例では、速度設定点にヒステリシスを提供するために、第2のトルク閾値を第1のトルク閾値よりも低く設定する。幾つかの例において、第2のトルク閾値は、現在の速度設定点に依存して任意に変化する。
図4及び
図5の例において、第2のトルク閾値は、トルクτ
2、τ
4、及び/又はτ
6のうちの1以上に対応する。適用されるトルクが第2のトルク閾値よりも下であるときには、プロセス635を使用して速度設定点を増加させる。適用されるトルクが第2の閾値よりも下でないときには、プロセス610を使用してトルクを再びモニタリングする。
【0071】
プロセス635で、速度設定点を増加させる。適用されるトルクが第2の閾値よりも下であるときには、アクチュエータの速度設定点を増加させて、エンドエフェクタのより速い操作を可能にする。幾つかの例では、速度設定点を一定の量(例えば、0.1~2mm/sec)、速度-トルクプロファイルに従ったパーセンテージ量(例えば、5~25%)、及び/又は同様の量に増加させてよい。幾つかの例では、速度が最大設定点にあるときには、プロセス635の間に速度設定点を更に増加させない。
図4及び
図5の例では、プロセス630の間に使用される第2のトルク閾値及び/又は以前の速度設定点に依存して、速度設定点をv1、v2、又はv3に増加させる。幾つかの例において、速度設定点の増加は、試行状態470から第2の遅いクランプ状態への状態移行、第2の遅いクランプ状態450から第1の遅いクランプ状態440への状態移行、及び/又は第1の遅いクランプ状態440から初期クランプ状態430への状態移行と一致する。速度設定点が増加した後に、プロセス610を使用してトルクを再びモニタリングする。
【0072】
プロセス640で、速度設定点がゼロであるか否かを決定する。速度設定点がゼロに達すると、プロセス645を使用して遅延を導入する。速度設定点が未だゼロでないときには、プロセス610を使用してトルクを再びモニタリングする。
【0073】
プロセス645で、待機(「休止」とも呼ぶ)が生じる。速度設定点がゼロに達すると、エンドエフェクタの発射を所定の時間期間(例えば、1~10秒)に亘って遅延させる。幾つかの例では、ハードウェア及び/又はソフトウェアタイマを使用して所定の時間期間を追跡する。
図4の例において、プロセス645は、待機状態460に対応する。遅延時間が経過した後に、プロセス650を使用してエンドエフェクタの動作を試験する。
【0074】
プロセス650で、エンドエフェクタの操作を継続し得るか否かを決定する。速度設定点を、プロセス625を最後に実行した以前の速度設定点の値のような非ゼロ値に設定し、アクチュエータによって適用されるトルクをモニタリングする。
図4の例において、プロセス650は、試行状態470に対応する。アクチュエータによって適用されるトルクが、プロセス620を最後に実行したときに使用した第1のトルク閾値のような最大トルク閾値よりも上であり続けているとき、エンドエフェクタの発射は失敗であるとみなされ、速度設定点はゼロに設定される。幾つかの例において、エンドエフェクタの発射を任意に逆転させてよく、且つ/或いは1以上の音声及び/又は視覚アラートを操作者に任意に提供する。過剰な適用トルクを検出することなく非ゼロ速度設定点での移動が生じるときには、速度設定点を維持し、トルクのモニタリングをプロセス610で続ける。
【0075】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図6は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態では、トルク以外のエンドエフェクタ及びアクチュエータの特性をプロセス610中にモニタリングし、プロセス620及び630中に試験してよい。幾つかの実施形態では、失敗を結論付ける前に、プロセス645の待機及び/又はプロセス650の試験を1回、2回、又はそれよりも多い回数繰り返してよい。このようにして、方法600は、アクチュエータを複数回休止させ、所定数のアクチュエータ休止が生じた後に故障を示してよい。幾つかの例では、ハードウェア又はソフトウェアカウンタを使用して繰返し回数をトラッキング(追跡)してよい。
【0076】
幾つかの実施形態では、1以上の技法を任意に使用して、トルク閾値の適用における一時的な過渡現象の影響を減少させてよい。幾つかの例において、プロセス620及び630における第1及び第2のトルク閾値に対する適用されるトルクの比較は、それぞれ、適用されるトルクが所定の時間期間に亘って第1及び第2のトルク閾値よりも上又は下のままであるか否かを決定する。幾つかの例において、所定の時間期間は、任意的に、第1及び第2のトルク閾値について異なってよい。幾つかの例において、プロセス610における適用されるトルクのモニタリングは、適用されるトルクを平均することを含む。幾つかの例において、平均化は、指数平滑化を使用することを含む。幾つかの例において、プロセス610において適用されるトルクのモニタリングは、適用されるトルクを低域フィルタリングすることを含む。これらの変形を本開示によって記載される他の方法及び状態に適用することもできる。
【0077】
図7は、幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作に関する視覚的フィードバックを提供する例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)700の一部を示している。GUI700は、コンピュータ支援システム(例えば、コンピュータ支援システム100)の電子ディスプレイ又はコンピュータ支援システムと通信するディスプレイに示されてよい。幾つかの実施形態において、制御ユニット(例えば、制御ユニット140)は、制御ユニットのプロセッサと通信可能に連結されるディスプレイコントローラを含む。ディスプレイコントローラは、電子ディスプレイを作動させるように構成され、プロセッサは、適用される加えられた力若しくはトルク及び/又は発射の進行若しくは位置を示す画像をディスプレイコントローラに提供するように構成される。これは、電子ディスプレイを用いて、ディスプレイコントローラに、適用される力若しくはトルク及び/又は第1の進行又は位置を示す視覚的フィードバックを提供させる。幾つかの実施形態において、ディスプレイコントローラは、制御ユニット140の外部にあり、それが電子ディスプレイ上での表示のために制御ユニット140から画像を依然として受信し得るよう、制御ユニット140と通信可能に連結される。
【0078】
60mmのステープルを適用するためのステープラのような医療用ステープラ器具720が、患者組織710の一部でステープル留め操作を行う途中で示されている。GUI700は、ステープル留め操作が進むと更新する発射状態領域730を含む。発射状態領域730は、発射プロファイル740を使用してステープル発射機構(例えば、往復動要素380及び/又はスレッド382)の相対的な場所を示し、発射プロファイル740は、ステープル機構が最も右又は近位位置(「0」)から最も左又は遠位位置(「60」)に移動するときに、ステープル機構に適用される力及び/又はトルクを報告する。発射プロファイル740は、力又はトルク閾値を示す閾値線750を更に含み、閾値線750は、適用される力又はトルクが力又はトルク閾値であるとき、不十分なステープル形成が起こる可能性が高いことを示す。幾つかの例において、発射プロファイル740は、ステープル奇形(staple malformation)の可能性を例示する色及び/又はハイライトを使用してレンダリングされてよい。幾つかの例において、閾値線750より下の発射プロファイル740の領域は、ステープル奇形の可能性が低い又は極めて低いことを示す緑色でレンダリングされてよく、閾値線750の直ぐ上の発射プロファイルの領域は、閾値線750に最も近い黄色から発射プロファイル740がレンダリングされる閾値線750より更に上の赤色への色勾配(color gradient)を使用して、レンダリングされてよい。
【0079】
発射状態領域730は、器具の種類(ステープラ60)、ステープラ器具を発射するために使用し得る制御装置(「R発射」と関連付けられる制御装置)、及びステープル操作状態(「発射...」)を更に示す。幾つかの例において、発射状態領域730は、成功裡のステープル留めの推定される可能性(例えば、「不十分なステープル形成が可能である」)をテキスト形式に示す、テキストフィードバック760(textual feedback)を更に含んでよい。ステープラ器具の操作者がこの種類のフィードバックを使用して、例えば、
図3Aに関して議論した把持状態、クランプしているが発射していない状態、及び発射状態のような、様々なステープラ状態を進むか否かの決定を行う際に、ステープラ操作をより良く制御することができる。
【0080】
図8は、幾つか実施形態に従ったステープル留め操作を実行するための方法800の簡略図である。方法800の1以上のプロセス810~870は、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において実装されてよい。この実行可能なコードは、1以上のプロセッサ(たとえば、制御ユニット140のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサにプロセス810~870のうちの1以上のプロセスを実行させてよい。幾つかの実施形態において、方法800は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実行されてよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータの能動的なモニタリングに基づいて、ステープラの往復動要素380のような往復動要素を作動させるために使用されるアクチュエータを制御するために、方法800を使用してよい。幾つかの実施形態では、方法800の1以上のプロセスを同時に実行してよい。幾つかの例では、発射のプロセス830は、プロセス840~860が実行されている間に連続的に行われてよい。
【0081】
プロセス810で、組織を把持する。幾つかの例では、エンドエフェクタ220のようなエンドエフェクタのジョーを使用して組織に把持力を適用するために、アクチュエータを前進させる。幾つかの例では、電流、電圧、パルス幅変調信号、及び/又は同等物のような1以上の信号をアクチュエータに送信することによって、アクチュエータを制御する。幾つかの例において、プロセス810は、
図3Aに関連して記載した把持状態のために使用されるプロセスと類似してよく、スレッド382は、点線392と点線394との間にある。
【0082】
プロセス820で、組織をクランプする(締め付ける)。プロセス810と同様に、エンドエフェクタのジョーを使用して組織にクランプ力を適用するために、アクチュエータを更に前進させる。幾つかの例では、電流、電圧、パルス幅変調信号、及び/又は同等物のような1以上の信号をアクチュエータに送信することによって、アクチュエータを制御する。幾つかの例において、プロセス820は、
図3Aに関連して記載したクランプしているが発射していない状態のために使用されるプロセスに類似してよく、スレッド382は、点線394に達している。幾つかの例において、プロセス810からプロセス820への移行は、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、ペダル、及び/又は同等物を使用して実施されることがある、締付け制御(clamping control)のアクティブ化によって、操作者から入力を受信することに更に依存してよい。
【0083】
プロセス830で、ステープラを発射する。プロセス810及び/又は820と同様に、組織のステープル留めを開始するために、アクチュエータを更に前進させる。幾つかの例において、プロセス830は、
図3Aに関連して記載した発射状態のために使用されるプロセスに類似してよく、スレッド382は、点線396及びそれ以上に前進している。幾つかの例において、プロセス820からプロセス830への移行は、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、ペダル、及び/又は同等物を使用して実施されることがある、発射制御のアクティブ化によって、操作者から入力を受信することに更に依存してよい。幾つかの例において、発射制御は、締付け制御と同じであっても異なってもよい。
【0084】
幾つかの例において、制御ユニットは、非ゼロ速度設定点を使用して、ステープル発射プロセス830の間にアクチュエータの移動を制御する。幾つかの例において、制御ユニットは、ステープル留めエンドエフェクタ及び/又はステープル留め操作のために設定される力又はトルク限界を更に使用する。幾つかの例において、力又はトルク限界は、それよりも下で適切なステープル形成が起こる可能性が最も高い適用される力又はトルクの上限を示す、閾値線750と関連付けられる閾値に対応してよい。幾つかの例において、速度設定点及び/又は力若しくはトルク限界は、速度プロファイル500に記載される閾値のうちのいずれかに対応してよい。幾つかの例において、プロセス830は、プロセス605に類似してよい。
【0085】
プロセス840で、往復動要素380及び/又はスレッド382のようなアクチュエータ又はステープル留め機構が目的地位置にあるか否かを決定する。1以上のセンサを使用して、アクチュエータの位置及び/又はステープル留め機構上で検出可能な場所の位置をモニタリングする。幾つかの例において、センサは、アクチュエータの駆動シャフトの回転角を測定してよい。幾つかの例において、1以上のセンサは、シャフトエンコーダ、ホール効果センサ、及び/又は同等物を含んでよい。
図3A~
図3Dの例において、目的地位置は、エンドエフェクタ220の遠位端への往復動要素380の移動に対応するので、スレッド398は点線398に達し、ステープル330の全部はクランプされる組織を通じて発射され、切断ブレード386がクランプされる組織を切断する。目的地位置に達するとき、ステープル留めは成功したとみなされ、速度設定点はゼロに設定される。幾つかの例では、システムの操作者は、音声及び/又は視覚アラートを介しても通知される。幾つかの例において、成功は、成功状態480と一致する。目的地位置に未だ達していないときには、ステープラの操作を更にモニタリングして、プロセス850を使用してステープル留めを続行してよいか否かを決定する。
【0086】
プロセス850で、ステープル留めを続けるか否かを決定する。幾つかの例において、制御ユニットは、アクチュエータによって適用される力又はトルクが継続条件を満足するか否かを決定する。幾つかの例において、継続条件は、適用される力又はトルクが、発射のプロセス830によって使用される力又はトルク限界以下であることに対応してよい。継続条件を満足するとき、方法800は、プロセス830に戻り、ステープラの発射を続ける。継続条件を満足しないとき、方法800は、プロセス860に進み、ステープル留め失敗が生じたか否かを決定する。
【0087】
プロセス860で、ステープル留め失敗が発生したか否かを決定する。幾つかの例において、制御ユニットは、ステープル留め操作が1以上のステープル留め失敗条件を満足するか否かを決定する。幾つかの例において、ステープル留め失敗状態のうちの1つは、ステープラのための最大の力又はトルクがアクチュエータによって適用されているときにアクチュエータを更に前進させることができないことに対応してよい。幾つかの例において、更に前進させることができないことは、所定の時間期間に亘る更なるアクチュエータ前進の閾値量未満であることに対応してよい。
【0088】
幾つかの例において、ステープル留め失敗条件のうちの1つは、方法800のステープル留め中に休止しているステープラの総計測定値(aggregate measure)に対応してよい。幾つかの例において、総計測定値は、ステープラの種類、ステープル留めされる組織の種類、実行されている処置の種類、及び同等のことに基づいて設定されてよい、5回又は6回のような最大休止回数を超える、ステープル留め操作中の多数の休止(a number of pauses)のカウントに対応してよい。幾つかの例において、カウントは、ステープル操作中に休止が起こる度にカウンタを増分させることによって記録されてよい。幾つかの例において、総計測定値は、ステープラの種類、ステープル留めされている組織の種類、実行されている処置の種類、及び/又は同様のものに基づいて設定されてよい、40秒のような最大持続時間を超える、ステープル留め操作中の全ての休止の総持続時間に対応してよい。幾つかの例において、総持続時間は、ステープル留め中の各休止の開始と共にタイマを開始させ、ステープル留め操作の各休止の終了時にタイマを停止することによって、記録されてよい。幾つかの例において、総計測定値は、最大休止回数を超える休止回数(the number of pauses)のカウント及び最大持続時間を超える全ての休止の総持続時間の両方の組み合わせに対応してよい。
【0089】
ステープリング失敗条件のいずれも満足しないとき、ステープル留めは、プロセス870を使用してステープル留め操作を調整することによって継続する。1以上のステープル留め失敗条件を満足するとき、ステープラの発射は失敗したと考えられ、速度設定点はゼロに設定される。幾つかの例では、ステープラの発射を任意に逆転させてよく、且つ/或いは1以上の音声及び/又は視覚アラートを操作者に任意に提供してよい。
【0090】
プロセス870で、ステープル留め操作に調整を行う。幾つかの例において、制御ユニットは、ステープル留め操作の1以上の態様を調整する。幾つかの例において、制御ユニットは、(例えば、速度プロファイル500及び/又はプロセス625と一致するようにアクチュエータを下げることにより)アクチュエータの速度設定点を調整することによってステープル留め操作を調整する。速度設定点がひとたび下げられると、プロセス830を使用するステープラの発射は、下げられた速度設定点で行われる。幾つかの例において、制御ユニットは、速度設定点をゼロに設定し、所定の時間期間に亘ってステープル留め操作を休止させることによって、ステープル留め操作を調整する。休止後、プロセス870に入る前に、速度を発射のために使用される速度設定点に戻すか或いは速度設定点より低く設定してよい。幾つかの例では、プロセス870がステープル留め操作を休止させる度に、休止カウンタが増分されてよく、且つ/或いは総持続時間タイマが始動させられてよい。プロセス870がステープル留め操作を調整した後、プロセス830に戻ることによって、ステープルの発射は続く。
【0091】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図8は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態において、方法800は、適用される力又はトルクが第2の閾値よりも下になることに応答してアクチュエータの速度設定点を増加させる、追加的なプロセスを含んでよく、第2の閾値は、プロセス850の継続条件のために使用される閾値より低くてよい。幾つかの例において、これらの追加的なプロセスは、プロセス630及び/又は635と一致してよい。
【0092】
図9は、幾つかの実施形態に従ったステープル留め操作を実行するための方法900の簡略図である。方法900のプロセス810~850及びプロセス910~950のうちの1以上のプロセスは、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において実装されてよい。この実行可能なコードは、1以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサにプロセス810~850及び910~950のうちの1以上のプロセスを実行させることがある。幾つかの実施形態において、方法900は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実行されてよい。幾つかの実施形態において、方法900は、アクチュエータの能動的なモニタリングに基づいて往復ステープラの往復動要素380及び/又はスレッド382のような往復動要素を作動させるために使用されるアクチュエータを制御するために使用されてもよい。幾つかの実施形態において、方法900のプロセスのうちの1以上のプロセスは、同時に実行されてよい。幾つかの例において、プロセス830の発射は、プロセス840、850、910~930、及び/又は950が実行されている間に連続的に行われてよい。
【0093】
方法900のプロセス810~850は、プロセス850の間に継続条件を満足しないときに、方法900がプロセス910に進んで休止限界に達したか否かを決定することを除き、プロセス800のプロセス810~850と実質的に同じである。
【0094】
プロセス910で、休止限界に達したか否かを決定する。幾つかの例において、休止限界は、方法900のステープル留め中に休止しているステープラの総計測定値に対応してよい。幾つかの例において、総計測定値は、ステープラの種類、ステープル留めされている組織の種類、実行されている処置の種類、及び/又は同等のことに基づいて設定されてよい、5回又は6回のような最大休止回数を超える、ステープル留め動作中の多数の休止(例えば、以下に更に議論するようなプロセス920が実行されることがある回数)のカウントに応答してよい。幾つかの例において、カウントは、休止カウンタを使用して記録されてよい。
【0095】
幾つかの例において、総計測定値は、ステープラの種類、ステープル留めされている組織の種類、実行されている処置の種類、及び/又は同等のことに基づいて設定されてよい、40秒のような最大持続時間(例えば、以下に更に記載するようなプロセス920において費やされる時間の量)を超える、ステープル留め操作中の全ての休止の総持続時間に対応してよい。幾つかの例において、総持続時間は、休止時間タイマを使用して記録されてよい。
【0096】
幾つかの例において、総計測定値は、最大休止回数を超える休止回数のカウント及び最大の休止時間を超える全ての休止の総持続時間の両方の組み合わせに対応してよい。休止限界に未だ達していないとき、ステープル留めはプロセス920を使用して休止される。休止限界に達すると、ステープラの強制発射がプロセス940を使用して行われるべきか否かの決定を行う。
【0097】
プロセス920で、ステープル留めを休止する。幾つかの例において、制御ユニットは、ステープラについての現在の速度設定点を保存し、制御ユニットは、速度設定点を減少させ且つ/或いは速度設定点をゼロに設定することによって並びにステープラの往復動要素380及び/又はスレッド382のような往復動要素を作動させるために使用されるアクチュエータに移動するのを停止させることによって、ステープル留めを休止させる。幾つかの例では、アクチュエータが休止させられるとしても、アクチュエータは、クランプされる組織に力を適用し続けてよく、それは追加的な組織乾燥及び/又は圧縮をもたらすことがある。この追加的な組織乾燥及び/又は圧縮は、ステープラの適用される力又はトルクがプロセス850中に既述の力又はトルク限界を超えることなく、更なるステープル留めが行われるのを可能にすることがある。
【0098】
幾つかの例において、プロセス920の休止は、所定の持続時間に亘って継続してよい。幾つかの例において、所定の持続時間は、持続時間タイマを使用して実施されてよく、持続時間タイマは、プロセス920に入るときに開始され、持続時間タイマが所定の持続時間に達するときにプロセス920から出させる。幾つかの例において、プロセス920の休止は、代替的に、アクチュエータの適用される力又はトルクがプロセス850中に使用される力又はトルク限界よりも低い力又はトルク閾値より下になるときに、早期に終了させられてよい。幾つかの例において、プロセス920の力又はトルク閾値は、プロセス850の力又はトルク限界の割合(例えば、40~80パーセント)及び/又はプロセス850の力又はトルク限界より下の所定のオフセット(例えば、100~350N)に設定されてよい。幾つかの例において、適用される力又はトルクの減少は、ステープル留め操作を継続するのに十分な組織乾燥及び/又は圧縮を示すことがある。
【0099】
プロセス920の休止を更にモニタリングしてプロセス910の休止限界決定をサポートする。幾つかの例では、プロセス920が実行される度に、休止カウンタが増分される。幾つかの例では、プロセス920が休止を開始する度に、休止タイマを始動させて、全ての休止の総持続時間をトラッキングし続け、持続時間タイマの満了によって及び/又は適用される力又はトルクが力又はトルク閾値より下に落ちることに起因する休止の早期終了によって休止が終了するときに、休止タイマを停止させる。休止の終了後、プロセス930を使用して休止後ホールドオフ期間(post-pause hold off period)が開始する。
【0100】
プロセス930で、休止後ホールドオフ期間を開始させる。休止後ホールドオフ期間の間に、ステープラのための速度設定点をプロセス920中に保存する速度設定点又は他の速度設定点に再設定することによってステープラの発射を再開する。制御ユニットは、休止後ホールドオフ期間が終了する後まで、プロセス910がプロセス920を使用して追加的な休止を引き起こすのを防止する。幾つかの例において、休止後ホールドオフ期間は、例えば、タイマを使用して、所定の時間期間(例えば、0.5~1.5秒)に亘って、及び/又はステープル留めが所定の距離(例えば、0.5~3mm)に亘って成功裡に進行するまで、実施される(enforced)。幾つかの例において、休止後ホールドオフ期間は、試行状態470と一貫してよく且つ/或いは類似してよい。休止後ホールドオフ期間の終了後、プロセス830を使用するステープラの発射は、プロセス830~850及び910~930のループを使用して継続する。
【0101】
プロセス910が休止限界を超えたことを検出すると、プロセス940は、ステープラの強制発射が行われるべきか否かを決定する。幾つかの例において、強制発射は、適用される力又はトルクが、その上では不十分なステープル形成が可能であり且つ/或いは起こる可能性が高い、適用される力又はトルクの上限(例えば、閾値線750に対応する力又はトルク)を超えることが可能にされるモードにおいて、ステープラを作動させることに対応する。幾つかの例では、プロセス940の間に、ステープラの操作者は、テキストフィードバック760を利用することによるような音声及び/又は視覚アラートを使用して、(例えば、休止限界に達したので)ステープラが停止されている(stalled)ことが通知される。ひとたび操作者に停止(stall)が通知されると、プロセス940は強制発射制御を用いて操作者による強制発射の開始を待つ。幾つかの例において、強制発射制御は、ボタン、スイッチ、レバー、ペダル、及び/又は同等物を使用して実施されてよい。幾つかの例において、強制発射制御は、締付け制御と異なってよい。幾つかの例において、プロセス940中のステープラの発射は、例えば、現在の速度設定点を保存することによって並びに速度設定点をゼロに設定することによって、休止させられてよい。幾つかの例では、ステープラの強制発射がプロセス940を使用して開始されると、プロセス840後に目的地位置に達したことを決定する成功通知は、不十分なステープル形成が可能であり且つ/或いは起こる可能性が高いことを示すように修正されてよい。強制発射が開始されないときに、ステープル留め操作は終了させられ、操作者は部分的なステープル留めが行われたこと及び1以上のステープルが組織を通じて発射されなかった場合があることを音声及び/又は視覚アラートを使用して(例えば、テキストフィードバック760を利用して)通知される。幾つかの例において、ステープラの発射は、部分発射の決定後に任意に逆転されてよい。強制発射が開始されると、ステープル留め操作はプロセス950を用いて調整される。
【0102】
プロセス950で、ステープラの強制発射を可能にするようにステープル留め操作を調整する。幾つかの例において、制御ユニットは、ステープラについての力又はトルク限界をステープラについての最大の力又はトルク限界を超えないレベルまで増加させることによって、ステープル留め操作を調整する。幾つかの例において、力又はトルク限界は、ステープラについての最大の力又はトルク限界まで増加させられる。幾つかの例において、力又はトルク限界は、以前の力又はトルク限界と最大の力又はトルク限界との間の値まで増加させられる。幾つかの例において、力又はトルク限界は、最大の力又はトルクの割合(例えば、10~100%)及び/又は一定の量(例えば、150~600N)だけ増加させられてよい。力又はトルク限界がひとたび増加させられると、速度設定点は(例えば、プロセス940中に保存する速度設定点に)再設定される。幾つかの例では、代替的及び/又は追加的に、ステープル留め操作の1以上の他のパラメータが調整されてよい。幾つかの例において、1以上の他のパラメータは、速度設定点、休止限界(例えば、最大休止回数又は最大持続時間)、及び/又は同様のものを含んでよい。ステープル留め操作の調整後、ステープラの発射はプロセス830に戻ることによって継続する。
【0103】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図9は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態において、プロセス910及び/又は920は、複数の最大休止回数及び/又は複数の最大持続時間を実装してよい。幾つかの例において、複数の最大休止回数及び/又は複数の最大持続時間は、「局所的な」(local)及び「全体的な」(global)最大休止回数並びに/或いは「局所的な」及び「全体的な」な最大持続時間の両方を含んでよい。幾つかの例において、局所的な休止回数及び/又は局所的な最大持続時間は、より短いスパンよりも長いスパンのステープル留め操作の進行が休止を伴って又は休止を伴わないで達成されるときに、局所的な休止回数及び/又は局所的な最大持続時間が再設定されるよう、ステープラ作動の60ミリメートルステープラについての数ミリメートルのような比較的より短いスパンに適用されてよい。幾つかの例において、全体的な休止回数及び/又は全体的な最大持続時間は、ステープラ作動のより長いスパン及び/又は全スパンに適用されてよい。幾つかの例において、複数の最大休止回数及び/又は複数の最大持続時間は、様々な長さの3つ、4つ、又はそれよりも多くのスパンに亘る最大休止回数及び/又は最大持続時間を含んでよい。幾つかの例において、プロセス910中の最大休止回数及び/又は最大持続時間のいずれかを超えることは、方法900をプロセス940に移動させて、ステープラの強制発射が行われるべきか否かを決定してよい。
【0104】
幾つかの実施形態では、強制発射がプロセス940を使用して行われるべきか否かの決定の回数は制限されてよい。幾つかの例において、プロセス940はスキップされてよく、休止限界に達し、ステープラについての力又はトルク限界がステープラの最大の力又はトルク限界に既に設定されているときに、部分発射の通知が示されてよい。幾つかの例において、プロセス940は、強制発射サイクルの回数を制限するために並びに/或いはステープラへの損傷の可能性及び/又はステープル留めされる組織への望ましくない怪我を減少させるために、1回、2回、3回、又はそれよりも多い回数のような、所定の回数まで実行されてよい。
【0105】
図10は、幾つかの実施形態に従ったテープル留め操作を実行するアプローチ(手法)を例示する操作状態機械1000(operational state machine)の簡略図である。状態機械1000の1以上の状態1001~1018は、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において実施されてよい。この実行可能なコードは、1以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサに状態1001~1018のうちの1以上を実施させてよい。幾つかの実施形態において、状態機械1000は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実施されてよい。幾つかの実施形態では、状態機械1000を使用して、操作者の入力及びステープル留め操作のモニタリングに基づいて往復動要素380及び/又はスレッド382の動きを制御するアクチュエータのようなアクチュエータを制御してよい。
【0106】
状態機械1000は、
図3Aに関して記載した把持状態に対応してよい開始又は把持状態1001(start or gripped state)で開始する。開始又は把持状態1001において、ステープル留め操作の対象となる組織は、エンドエフェクタ220のジョーのようなステープラのジョーによって既に把持されている。1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物のアクティブ化を介した、外科医のような操作者からのクランプ命令の受信後、ステープラの作動は、クランプしている状態1011(clamping state)に移行する。
【0107】
クランプしている状態1011にある間に、把持される組織をクランプするために、ステープラのアクチュエータを更に前進させる。幾つかの例において、クランプしている状態1011の締付け(clamping)は、プロセス820による組織の締付けと一致する。ステープラが組織をクランプすることを試みている間に、操作者は、幾つかの例では、クランプしている状態1011に入るために使用されるクランプ命令を提供するために使用される、同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物であってよい、1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物を使用して、クランプ解除命令を提供することによって、締付けを停止してよい。クランプ解除を受信すると、状態機械1000は、以下に更に記載するように、クランプ解除状態1014に移行する。クランプしている状態1011にある間に、ステープラによる締付けをモニタリングして、例えば、所定の時間期間に亘るアクチュエータによる十分な前進移動の欠如及び/又は力又はトルク限界を超える適用される力又はトルクを検出することによって、締付け操作が停止したか否かを決定する。停止を検出すると、状態機械1000は、以下に更に記載するように、休止状態1013に移行する。アクチュエータの適用される力又はトルクが力又はトルク限界よりも下のままであり、クランプ位置(例えば、
図3Aの点線394に対応する位置)に達するときに、状態機械1000は、クランプされた状態1002(clamped state)に移行する。
【0108】
クランプされた状態1002は、ステープラのジョーによって成功裡にクランプされている組織に対応し、
図3Aに関して記載したクランプしているが発射していない状態に対応してよい。クランプされた状態1002において(例えば、クランプしている状態1011にある間にクランプ解除命令のために使用される同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物をトグルし且つ/或いは非アクティブ化することによって)クランプ解除命令を受信すると、状態機械1000は、クランプしていない状態1014(unclamping state)に移行する。クランプされた状態1002において発射命令を受信すると、状態機械1000は、発射状態1012に移行する。発射命令は、幾つかの例では、クランプ及び/又はクランプ解除命令のために使用される1以上の制御装置、入力、及び同等物とは異なる、1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物を使用して、操作者から受信されてよい。
【0109】
発射状態1012(firing state)では、力又はトルクがアクチュエータに加えられ、クランプされた組織のステープル留めが試みられる。発射状態1012にある間に、制御ユニットは、(例えば、点線396を越えて点線398に向かってスレッド382を前進させることによって)クランプされた組織を通じて1以上のステープルを発射するよう、アクチュエータを前進させることを試みる。幾つかの例において、発射状態1012は、方法600、800、及び/又は900と関連してプロセス605及び/又は830によって使用されるアプローチと一致して実施されてよい。発射状態1012にある間に、ステープラの発射は、例えば、所定時間に亘るアクチュエータによる十分な前進移動の欠如並びに/或いは力又はトルク限界を超えるアクチュエータの適用される力又はトルクを検出することによって、発射動作が停止しているか否かを決定するようにモニタリングされる。停止を検出すると、状態機械1000は、以下に更に記載するように休止状態1015に移行する。発射状態1012にある間に発射停止命令を受信すると、状態機械1000は、部分発射状態1005に移行する。幾つかの例において、発射停止命令は、(例えば、発射命令を提供するために使用される1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物をトグルし且つ/或いは非アクティブ化することによって)クランプされた状態1002にある間に発射命令を提供するために使用される、同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物から受信されてよい。アクチュエータの適用される力又はトルクが力又はトルク限界よりも下に留まり、目的地位置(例えば、
図3Aの点線398に対応する位置)に達するときに、状態機械1000は、成功状態1003に移行する。
【0110】
成功状態1003(success state)において、適切なステープル形成を伴うステープル留め操作の成功が、例えば、プロセス615及び/又は840に関して記載したように操作者に通知を送信することによって、操作者に示される。幾つかの例において、通知は、テキストフィードバック760を使用することを含んでよい。
【0111】
クランプしていない状態1014(unclamping state)では、ステープラのジョーの作動を逆転させ、部分的にクランプされた組織に対する力を減少させるよう、力又はトルクがアクチュエータに適用される。組織が(例えば、点線392に対応する位置に)クランプ解除されるよう、アクチュエータが十分に逆転させられると、状態機械1000は開始又は把持状態1001に戻る。クランプしていない状態1014にある間に、(例えば、クランプ解除命令を提供するために使用される1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物をトグルし且つ/或いは非アクティブ化することによって)クランプ解除命令をクランプ命令と置換してよく、状態機械1000はクランプしている状態1011に戻る。
【0112】
休止状態1013(pause state)において、組織の締付けは、部分的にクランプされた組織で休止される。幾つかの例において、休止は、発射中に類似の休止を実施するために使用されるプロセス870及び/又は920に関して議論したアプローチと類似のアプローチを使用して、ステープラのための速度設定点を、小さい又はゼロの速度設定点の値に設定することによって実施されてよい。休止状態1013にある間に、アクチュエータが再び動き始め、締付けを続けることができるときに(例えば、部分的にクランプされた組織が乾燥又は圧縮し始めると)、状態機械1000は、締め付けている状態1011に戻る。代替的に、状態機械1000は、所定の時間が経過した後にクランプしている状態1011に自動的に戻ってよい。休止状態1013にある間にクランプ解除命令を受信すると、状態機械1000は、クランプしていない状態1014に移行する。幾つかの例において、クランプ解除命令は、クランプしている状態1011にある間にクランプ解除命令を提供するために使用される、同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物から受信されてよい。休止状態1013にある間に、休止限界に達すると、状態機械1000は、部分的にクランプされた状態1004に移行する。幾つかの例において、休止限界は、発射よりもむしろ締付けに適用されるプロセス850及び/又は910の休止限界と一致してよい。
【0113】
部分的にクランプされた状態1004(partially clamped state)において、ステープラのジョーの更なる移動及び締付けは、(例えば、速度設定点をゼロに設定することによって)停止され、操作者は、部分的にクランプする条件の音声及び/又は視覚アラートを使用して通知される。幾つかの例において、通知は、テキストフィードバック760を使用することを含んでよい。部分的にクランプされた状態1004にある間にクランプ解除命令を受信すると、状態機械1000は、クランプしていない状態1014(unclamping state)に移行する。幾つかの例において、クランプ解除命令は、クランプしている状態1011にある間にクランプ解除命令を提供するために使用される1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物から受信されてよい
【0114】
休止状態1015(pause state)では、ステープラが部分的にのみ発射されている間に、ステープラの発射が休止される。幾つかの例において、休止は、プロセス870及び/又は920のアプローチを使用してステープラのための速度設定点を小さい又はゼロの速度設定点の値に設定することによって、実施されてよい。休止状態1015にある間に、アクチュエータが再び移動し始め、発射を続けることができるとき(例えば、クランプされた組織が更に乾燥又は圧縮し始めると)、状態機械1000は、発射状態1012に戻る。代替的に、状態機械1000は、所定の時間が経過した後に発射状態1012に自動的に戻ってよい。休止状態1015にある間に、休止限界に達すると、状態機械1000は、発射停止状態1016(stop firing state)に移行する。幾つかの例において、休止限界は、プロセス850及び/又は910の休止限界と一致してよい。
【0115】
発射停止状態1016において、ステープラの発射は、(例えば、速度設定点をゼロに設定することによって)停止され、操作者は、部分発射状態の音声及び/又は視覚アラートを使用して通知される。幾つかの例において、発射停止状態1016は、プロセス940を使用して実施されてよい。幾つかの例において、通知は、テキストフィードバック760を使用することを含んでよい。幾つかの例において、通知は、強制発射が望まれるか否かを操作者に尋ねるプロンプト(prompt)を更に含んでよい。発射停止状態1016にある間に発射停止命令を受信すると、状態機械1000は、部分発射状態1005(partial firing state)に移行する。幾つかの例において、発射停止命令は、発射状態1012にある間に発射停止命令を提供するために使用される、同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物から受信されてよい。発射停止状態1016にある間に強制発射命令を受信すると、状態機械1000は、強制発射状態1017(forced firing state)に移行する。幾つかの例において、この強制発射状態1017への移行は、方法900がプロセス940からプロセス950に移行することに対応する。
【0116】
部分発射状態1005では、(例えば、速度設定点をゼロに設定することによって)ステープラの作動が停止され、操作者は、ステープルの全てが組織を通じて発射されたと限らないことを、音声及び/又は視覚アラートを使用して通知される。幾つかの例において、通知は、テキストフィードバック760を使用することを含んでよい。
【0117】
強制発射状態1017では、不十分なステープル形成の可能性の危険を冒してステープル留め操作を進めることが可能にされるよう、ステープル留め操作の1以上のパラメータが調整される。幾つかの例において、1以上のパラメータは、プロセス950を使用して変更されてよい。1以上のパラメータがひとたび変更されると、例えば、方法900を使用してプロセス830を続けることによって、ステープラの発射を続ける。アクチュエータの適用される力又はトルクがステープラについての最大の力又はトルク限界を超えることを必要とせずに、目的地位置(たとえば、点線398に対応する位置)に達すると、状態機械1000は、起こり得る不良ステープル状態1006(possible bad staple state)に移行する。強制発射状態1017にある間に、ステープラの発射をモニタリングして、例えば、強制発射を開始するよう変更される力又はトルク限界を超えるアクチュエータの適用される力又はトルク並びに/或いは所定の時間期間に亘るアクチュエータによる十分な前進移動の欠如を検出することによって、発射操作が停止したか否かを決定する。停止を検出すると、状態機械1000は、以下に更に記載するように、休止状態1018(pause state)に移行する。強制発射状態1017にある間に発射停止命令を受信すると、状態機械1000は、部分発射状態1005に移行する。幾つかの例において、発射停止命令は、発射状態1012にある間に発射停止命令を提供するために使用される、同じ1以上の制御装置、入力、及び/又は同等物から受信されてよい。
【0118】
起こり得る不良ステープル状態1006では、ステープル留め操作は完了したとみなされ、操作者は、ステープル留め操作が完了したが、1以上の不十分に形成されたステープルが存在する場合があることを、音声及び/又は資格アラートを使用して通知される。幾つかの例において、通知は、テキストフィードバック760を使用することを含んでよい。
【0119】
休止状態1018では、ステープラが部分的にのみ発射される間に、ステープラの発射は休止される。幾つかの例において、休止は、プロセス870及び/又は920のアプローチを使用してステープラの速度設定点を小さい又はゼロの速度設定点の値に設定することによって、実施されてよい。休止状態1018にある間に、アクチュエータが再び移動し始め、発射し続けることができるとき(例えば、クランプされた組織が更に乾燥又は圧縮し始めると)、状態機械1000は、強制発射状態1017に戻る。代替的に、状態機械1000は、所定の時間が経過した後に強制発射状態1017に自動的に戻ってよい。休止状態1019にある間に、休止限界に達すると、状態機械1000は、部分発射状態1005に移行する。幾つかの例において、休止限界は、プロセス850及び/又は910の休止限界と一致してよい。
【0120】
上記で議論し、ここで更に強調するように、
図10は、請求項の範囲を過度に制限してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施形態において、状態機械1000は、追加的な移行を含んでよい。幾つかの例において、成功状態1003、部分発射状態1005、及び/又は起こり得る不良ステープル状態1006の各々は、クランプ解除命令を受信するときに、クランプしていない状態1014への移行を含んでよい。
【0121】
制御ユニット140のような制御ユニットの幾つかの例は、1以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサに状態機械400の状態を実施させ、速度-トルクプロファイル500を実施させ、且つ/或いは方法600のプロセスを実行させる、実行可能なコードを含む、非一時的な有形の機械可読媒体を含んでよい。状態機械400の実装、速度-トルクプロファイル500の実装、及び/又は方法600のプロセスを含んでよい、機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み取るよう構成される任意の他の媒体である。
【0122】
制御ユニット140のような制御ユニットの幾つかの例は、1以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサに状態機械400及び/又は1000の状態を実施させ、速度-トルクプロファイル500を実施させ、且つ/或いは方法600、800、及び/又は900のプロセスを実行させる、実行可能なコードを含む、非一時的な有形の機械可読媒体を含んでよい。状態機械400及び/又は1000の実装、速度-トルクプロファイル500の実装、及び/又は方法600、800、及び/又は900のプロセスを含んでよい、機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み取るよう構成される任意の他の媒体である。
【0123】
例示的な実施形態を示し且つ記載したが、広範な修正、変更及び置換が前述の開示中に想定され、幾つかの場合には、実施形態の幾つかの構成は他の構成の対応する使用を伴わずに使用されることがある。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は、後続の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書に開示する実施形態の範囲と一致するよう広く解釈されることが適切である。
【外国語明細書】