(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146001
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ベンチ
(51)【国際特許分類】
A47C 11/00 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
A47C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046768
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】国村 昌生
(72)【発明者】
【氏名】上田 樹
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095AA03
3B095AB03
3B095AC05
(57)【要約】
【課題】座部が良好な強度を備えると共に、設置時に座面の角度を調整できるベンチを提供する。
【解決手段】角脚部の間に架設する補強部材と、この補強部材の上方に配置する座部を備え、前記座部の座部当接面に前記補強部材を係合可能な係合凹部を形成し、前記座部当接面に嵌合状に当接する前記各脚部の脚部受面の脚部受面に前記補強部材を係合可能な係合凹部を形成し、前記座部当接面の係合凹部と各脚部受面の係合凹部へ前記補強部材を係合した状態において、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第一の嵌合状態として前記座部の座面を水平に配置した第一形態と、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第二の嵌合状態として前記座面を傾斜状に配置された第二形態とを選択可能とする。
第一形態と第二形態とを選択できるので、座部を水平と傾斜状とのいずれかに配置させてベンチを設けることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に間隔をあけて配置される脚部と、該脚部の間に架設される補強部材と、該補強部材の上方に配置される座部を備えるベンチであって、
前記座部は前記脚部へ当接する当接部を備え、該当接部の下面は下方へ向かう凸形状または凹形状に形成された座部当接面となされ、該座部当接面には前記補強部材が係合可能な係合凹部が形成されており、
前記各脚部は前記当接部が当接する受部を備え、該受部の上面は前記座部当接面に対応する形状に形成されて嵌合状に当接する脚部受面をそれぞれ備え、該各脚部受面には前記補強部材が係合可能な係合凹部が形成されており、
前記座部当接面の係合凹部と各脚部受面の係合凹部とへ前記補強部材が係合した状態において、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第一の嵌合状態となされて前記座部の座面が水平に配置された第一形態と、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第二の嵌合状態となされて前記座面が傾斜状に配置された第二形態とを選択可能となされていることを特徴とするベンチ。
【請求項2】
前記座部当接面及び前記脚部受面の少なくとも一方の前記係合凹部が前記補強部材よりも多数形成されており、前記第一形態と第二形態とで前記補強部材が係合する係合凹部が変化することを特徴とする請求項1に記載のベンチ。
【請求項3】
前記脚部及び座部のいずれかに着脱可能に取り付けられる背もたれ部を備えており、
前記座部が水平状に配置される前記第一形態において前記背もたれ部を取り外して利用可能であり、
前記座部が傾斜状に配置される前記第二形態において前記背もたれ部を取り付けて利用可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のベンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座面の角度を調整可能なベンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子等の座面や背もたれの角度を調整するための構成については、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一対のガイド部を弧状のものとし、背当て部と座面の外面にかけて形成し、支持台に設けられた滑車体をこのガイド溝と嵌め合せてあることを特徴とする背当て付き椅子の支承構造の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される椅子の支承構造は、ガイド溝へ嵌め合わせた滑車体により設置した座席の角度を容易に調整できるようにされているが、複数名が一度に着席するような長椅子状のベンチなどにおいては強度が不足する恐れがあった。
【0006】
本発明は、大きな強度を有し設置時に座面の角度を調整できるベンチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係るベンチは、長手方向に間隔をあけて配置される脚部と、該脚部の間に架設される補強部材と、該補強部材の上方に配置される座部を備えるベンチであって、
前記座部は前記脚部へ当接する当接部を備え、該当接部の下面は下方へ向かう凸形状または凹形状に形成された座部当接面となされ、該座部当接面には前記補強部材が係合可能な係合凹部が形成されており、
前記各脚部は前記当接部が当接する受部を備え、該受部の上面は前記座部当接面に対応する形状に形成されて嵌合状に当接する脚部受面をそれぞれ備え、該各脚部受面には前記補強部材が係合可能な係合凹部が形成されており、
前記座部当接面の係合凹部と各脚部受面の係合凹部とへ前記補強部材が係合した状態において、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第一の嵌合状態となされて前記座部の座面が水平に配置された第一形態と、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第二の嵌合状態となされて前記座面が傾斜状に配置された第二形態とを選択可能となされていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るベンチによれば、長手方向に間隔をあけて配置する脚部と、この脚部の間に架設する補強部材と、この補強部材の上方に配置する座部を備え、前記座部が前記脚部へ当接する当接部を備え、この当接部の下面を下方へ向かう凸形状または凹形状に形成した座部当接面とし、この座部当接面に前記補強部材を係合可能な係合凹部を形成しており、前記各脚部に前記当接部と当接する受部を備えさせ、この受部の上面を前記座部当接面に対応する形状に形成して嵌合状に当接する脚部受面をそれぞれ備えさせ、この各脚部受面に前記補強部材を係合可能な係合凹部を形成して、前記座部当接面の係合凹部と各脚部受面の係合凹部とへ前記補強部材を係合させるので、各脚部間に架設させる補強部材を脚部と座部の間に配置させて座部を効果的に補強することができる。
また、前記座部当接面の係合凹部と各脚部受面の係合凹部とへ前記補強部材が係合した状態において、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第一の嵌合状態にして前記座部の座面を水平に配置する第一形態と、前記座部当接面と脚部受面とが嵌合する第二の嵌合状態にして前記座面を傾斜状に配置する第二形態とを選択できるので、座部を水平と傾斜状とのいずれかに配置させてベンチを設けることができる。
【0009】
また、前記座部当接面及び前記脚部受面の少なくとも一方の前記係合凹部を前記補強部材よりも多数形成して、前記第一形態と第二形態とで前記補強部材が係合する係合凹部が変化するように設ければ、第一形態と第二形態のいずれにおいても補強部材を好適な位置に配置できるので、好ましい。
【0010】
また、前記脚部及び座部のいずれかに着脱可能に取り付ける背もたれ部を備えさせ、前記座部が水平状に配置される前記第一形態において前記背もたれ部を取り外して利用可能とし、前記座部が傾斜状に配置される前記第二形態において前記背もたれ部を取り付けて利用可能とすれば、背もたれ部の有無に応じて座面を好適な角度に調整できるので、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るベンチによれば、補強部材によって座部が良好な強度を備えると共に、設置時に座面の角度を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のベンチの実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
【
図3】
図2の座部と脚部を分離させた状態を示す図である。
【
図4】
図3の脚部を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
【
図6】
図3の座部の当接部を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
【
図8】
図1の当接部を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は底面図である。
【
図9】本発明のベンチの実施の他の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
【
図11】
図10の座部と脚部と背もたれ部を分離させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明のベンチ1の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、
図2は
図1の側面図である。
図1(イ)において、図中左右方向を長手方向とし、図中上下方向を幅方向とし、長手方向と幅方向に対して垂直な方向を上下方向として以後の説明を行う。
ベンチ1は、人が座るための座板部3を有する座部2と、この座部2を支持する脚部5とを備えている。脚部5は長手方向に間隔をあけて2個配置しており、座部2は前記各脚部5の上に跨がるように配置している。
また、前記座部2と各脚部5との間には補強部材9を配置して取り付けており、補強部材9は前記各脚部5の間に架設させている。
【0014】
前記座部2の各座板部3は断面略矩形の長尺体であり、幅方向に複数並設させた各座板部3の上面で座面21を構成している。具体的には、前記座部2は5個の座板部3を有しており、各座板部3の下方に配置した当接部4へそれぞれネジ(図示せず)で固定することで一体化している。
前記当接部4は、長手方向の両側の端部にそれぞれ配置した2個の当接部4aと、各当接部4aの中央に配置した1個の当接部4bの合計3個を備えており、それぞれ各座板部3へ固定している。また、前記各当接部4aの下方には、前記各脚部5をそれぞれ当接させて取り付けている。
【0015】
前記補強部材9は、円形の外形を有する長尺体であり、具体的には丸形鋼管で形成している。
補強部材9は、長手方向両側の端部を座部2の前記各当接部4aと、各脚部5とへそれぞれ係合させて取り付けている。また、前記補強部材9は、外面の一部を前記当接部4bへ係合させている。
各脚部5間に架設させた補強部材9へ座部2の各当接部4a、4bをそれぞれ係合させることで、座部2の座面21へ人が座ったときに、座板部3の撓むような変形を抑制することができる。
【0016】
図3は
図2の座部2と脚部5を分離させた状態を示す図である。
図3に示すように、座部2の前記各当接部4aは、その下面を下方へ突出する凸形状に設けており、具体的には、円弧状の座部当接面41を形成している。
また、前記各脚部5はその上面を下方へ窪む凹形状に設けており、前記座部当接面41に対応する円弧状の脚部受面51を形成している。
前記座部2は、凸状の座部当接面41を凹状の脚部受面51へ嵌め合わせるように当接させて、ネジ(図示せず)によって各脚部5へ取り付けられる。
【0017】
図4は
図3の脚部5を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、
図5は
図4の側面図である。
図4においては、
図4(ロ)の図中左右方向を幅方向とし、図中上下方向を上下方向として脚部5を描いている。
脚部5は金属で形成しており、具体的にはアルミニウムの鋳物で形成している。
脚部5は上部に受部50を備える正面視の形状を略Aの字形の形状に設けており、受部50の上面を前記脚部受面51に形成している。
脚部受面51には円形の貫通孔51aを複数形成しており、各貫通孔51aは幅方向に間隔をあけて合計4個形成している。
【0018】
脚部受面51には係合凹部52を形成している。係合凹部52はその内側面を前記補強部材9の外形に対応する形状に設けており、具体的には補強部材9の外面を係合可能な略半円弧状の曲面に形成している。
また、各係合凹部52の長手方向の一方の端には、板状の壁部53を形成している。係合凹部52の窪み部分を塞ぐように設けた壁部53は、係合凹部52へ補強部材9の端部を係合させたときに補強部材9の長手方向外側に配置される、この壁部53を設けることで、係合凹部52へ係合させた補強部材9の長手方向への位置ずれを防止できる。また、補強部材9の端部に人が接触してケガをするなどの問題を防止できる。
前記係合凹部52は幅方向へ等間隔に配置して複数形成している。具体的には、係合凹部52を3個形成しており、脚部5の幅方向中央に係合凹部52aを1個配置し、その幅方向両側に係合凹部52bをそれぞれ1個ずつ合計2個配置して形成している。
【0019】
図6は
図3の座部2の当接部4aを示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、
図7は
図6の底面図である。
図6においては、
図6(ロ)の図中左右方向を幅方向とし、図中上下方向を上下方向として当接部4aを描いている。
当接部4aは金属で形成しており、具体的にはアルミニウムの鋳物で形成している。
当接部4aは正面視の外形を略弓形の形状に設けており、下方に向かう凸状の弧状部分に前記座部当接面41を形成している。
【0020】
当接部4aは、平面状に設けた上面に円形の貫通孔44を複数形成している。当接部4aは、各貫通孔44に挿通させたネジを前記各座板部3へ螺結させて固定し、各座板部3と当接部4aとを一体的に設けた前記座部2を形成するように設けている。
【0021】
当接部4aの座部当接面41には、円形の貫通孔41aを複数形成している。各貫通孔41aは幅方向に間隔をあけて合計4個形成しており、脚部5の前記各貫通孔51aに対応する配置で形成している。
換言すると、当接部4aの座部当接面41を脚部5の脚部受面51へ当接させたときに、各貫通孔41aと各貫通孔51aの位置が一致するように設けており、当接部4aは各貫通孔41aと各貫通孔51aとに挿通させたネジによって脚部5へ取り付けられるように設けている。
【0022】
当接部4aは、幅方向の両側の端部に連結部47を形成している。
連結部47は、幅方向内側の他の部位よりも長手方向の大きさを小さく設けており、具体的には他の部位の約1/2の大きさに形成している。
また各連結部47には、長手方向へ貫通する円形の貫通孔47aをそれぞれ1個ずつ形成している。
【0023】
当接部4aは、座部当接面41に係合凹部42を形成している。係合凹部42はその内側面を前記補強部材9の外形に対応する形状に設けており、補強部材9の外面を係合可能な略半円弧状の曲面に形成している。
また、各係合凹部42の長手方向の一方の端には、板状の壁部43を形成している。係合凹部42の窪み部分を塞ぐように設けた壁部43は、係合凹部42へ補強部材9の端部を係合させたときに補強部材9の長手方向外側に配置される、この壁部43を設けることで、補強部材9の長手方向への位置ずれを防止できると共に、補強部材9の端部に人が接触してケガをするなどの問題を防止できる。
前記係合凹部42は幅方向へ等間隔に配置して複数形成しており、各係合凹部42は前記各係合凹部52に対応する配置で形成している。具体的には、当接部4aの幅方向中央に係合凹部42aを1個配置し、その幅方向両側に係合凹部42bをそれぞれ1個ずつ合計2個配置して形成している。
換言すると、前記座部当接面41と脚部受面51とを嵌め合わせるように当接させ、前記係合凹部42aと係合凹部52aの位置を一致させた状態において、各係合凹部42bと各係合凹部52bの位置とが一致するように、それぞれの係合凹部42、52を設けている。
【0024】
図8は
図1の当接部4bを示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は底面図である。
図1に示す当接部4bは、各係合凹部42に壁部43を設けていない構成のみが前記当接部4aと異なる事項である。
即ち、当接部4bは、前記当接部4aと同様に、上面の各貫通孔44に挿通させたネジを前記各座板部3へ螺結させて固定するように設けている。
また、当接部4bの幅方向の両側の端部には、長手方向の大きさを小さく設けた連結部47を形成しており、連結部47を長手方向へ貫通する貫通孔47aを形成している。
【0025】
当接部4bの座部当接面41には係合凹部42a、42bを形成している。当接部4bの係合凹部42a、42bは当接部4aの各当接部42a、42bと同じ形状と配置で形成しており、補強部材9の外面へ係合可能に形成している。
【0026】
図1、2に示すベンチ1は、各当接部4aの座部当接面41を脚部受面51へ当接させ、ネジによって各脚部5へ取り付けている。ベンチ1の座部2は、
図2に示すように、各当接部4aの係合凹部42aと脚部5の係合凹部52aの位置を一致させ、各係合凹部42bと各係合凹部52bの位置を一致させて配置させている。
座部2と各脚部5との間に配置させた2個の補強部材9は、両側の各端部を前記各係合凹部42bと各係合凹部52bとにそれぞれ係合させて取り付けている。また、各補強部材9は、長手方向の中央付近で前記当接部4bの各係合凹部42bに係合している。
【0027】
前記ベンチ1は、
図2に示すように各係合凹部42aと係合凹部52aとを配置し、凸状の座部当接面41と凹状の脚部受面51とを嵌め合わせるように当接させた第一の嵌合状態において、各座板部3の上面で形成される座面21が水平に配置される第一形態となるように設けている。座面21が水平に配置されるとは、脚部5を設置面に設置させたときに、座面21と設置面との間隔の大きさについて、幅方向の一方側と他方側とで大きな偏りがない状態を意味する。
【0028】
図9は本発明のベンチ1の実施の他の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、
図10は
図9の側面図である。
図9、10に示すベンチ1は、座部2の座面21を傾斜状に配置している点と、座部2へ背もたれ部6を取り付けている点とが、
図1、2に示す前記ベンチ1と異なる主な事項である。
即ち、
図9、10に示すベンチ1は、
図1、2に示すベンチ1と同様に、人が座るための座板部3を有する座部2と、この座部2を支持する脚部5とを備え、長手方向に間隔をあけて2個配置した脚部5の上に跨がるように座部2を配置している。
また、座部2と各脚部5との間には補強部材9を配置しており、補強部材9を各脚部5の間に架設させている。
【0029】
図9、10に示すベンチ1は、座部2の幅方向の一方側に背もたれ部6を取り付けている。
背もたれ部6は、断面矩形の長尺体に形成した背板部8を上下方向に複数配置しており、各背板部8の座部2側の外面で背もたれ面81を形成している。
具体的には、背もたれ部6は4個の背板部8を有しており、各背板部8の幅方向外側に配置した接続部7へそれぞれネジ(図示せず)によって固定することで一体化している。
前記接続部7は長手方向に間隔をあけて3個配置している。具体的には、各接続部7は座部2の各当接部4a、4bに対応する位置に配置させ、各々の端部に設けた連結部77を各当接部4a、4bの各連結部47へ連結して取り付けている。
【0030】
図11は
図10の座部2と脚部5と背もたれ部6を分離させた状態を示す図であり、
図12は
図11の一部を拡大した図である。
図11、12に示す座部2は、
図3に示す前記ベンチ1の座部2と同一の形状である。
また、
図11、12に示す脚部5は、
図3に示す前記ベンチ1の脚部5と同一の形状である。
図9、10に示すベンチ1は、
図1、2に示すベンチ1と同様に、各当接部4aの凸状の座部当接面41を各脚部5の凹状の脚部受面51へ嵌め合わせるように当接させ、貫通孔41aと貫通孔51aに挿通させたネジ(図示せず)によって、座部2を各脚部5へ取り付けている。
【0031】
図13は
図11の背もたれ部6の接続部7を示す正面図であり、
図14は
図13の右側面図であり、
図15は
図13の平面図である
図13においては、図中左右方向を幅方向とし、図中上下方向を上下方向としている。
接続部7は金属で形成しており、具体的にはアルミニウムの鋳物で形成している。
接続部7は、上方へ至るほど幅方向外側へ向かう傾斜部71と、傾斜部71の下部から幅方向内側へ突出する連結部77を備える、正面視の外形を略ヘの字形状に形成している。
【0032】
接続部7は、傾斜部71の幅方向内側の面を平面状の傾斜面71aに形成しており、この傾斜面71aに円形の貫通孔71bを複数形成している。接続部7は、各貫通孔71bに挿通させたネジを前記各背板部8へ螺結させて固定し、各背板部8と接続部7とを一体的に設けた前記背もたれ部6を形成するように設けている。
【0033】
接続部7の前記連結部77は、傾斜部71よりも長手方向の大きさを小さく設けており、具体的には約1/2の大きさに形成している。
また、各連結部77には、長手方向へ貫通する円形の貫通孔77aを1個形成している。
【0034】
接続部7は、連結部77を連結部47に重ね、位置を一致させた貫通孔77aと貫通孔47aとに挿通させたボルトBの締結によって、前記当接部4a、4bへ取り付けるように設けている。
接続部7を当接部4a、4bへ取り付けた状態において、連結部77の先端77bを当接部4a、4bに設けた凹状部分に係合させて、座部2と背もたれ部6との間のガタつきや位置ズレなどを低減している。
また、接続部7を当接部4a、4bへ取り付けた状態において、連結部47の先端47bを接続部7に設けた凹状部分に係合させて、座部2と背もたれ部6との間のガタつきや位置ズレなどを低減している。
【0035】
図9、10に示すベンチ1は、各当接部4aの座部当接面41を各脚部5の脚部受面51へ当接させた状態において、係合凹部42aの位置を各脚部5の係合凹部52aではなく係合凹部52bの位置に一致させて配置している。具体的には、各当接部4aと各脚部5は、各々にそれぞれ3個ずつ形成した係合凹部42、52において、当接部4aの幅方向中央に配置した前記係合凹部42aと係合凹部52bとの位置が一致し、脚部5の幅方向中央に配置した係合凹部52aと係合凹部42bとの位置が一致するように配置している。
前記ベンチ1は、
図10に示すように各係合凹部42aと係合凹部52aとを配置し、凸状の座部当接面41と凹状の脚部受面51とを嵌め合わせるように当接させた第二の嵌合状態において、各座板部3の上面で形成される座面21が傾斜状に配置される第二形態となるように設けている。
即ち、ベンチ1の脚部5を設置面に設置させたときに、幅方向の一方側と他方側とで座面21と設置面との間隔の大きさが偏るようになされており、
図10に示すように、幅方向一方側から背もたれ部6を取り付けた他方側へ至るほど座面21の高さが低くなるように座面21が傾斜する。
図9、10に示すベンチ1は、平面状に設けた座面21が設置面に対して4度傾斜するように設けている。
【0036】
図1、2に示す前記ベンチ1と、
図9、10に示すベンチ1とは、同一形状の座部2と脚部5とを利用して形成している、換言すると、前記ベンチ1は、組み立て時に係合凹部52に対する係合凹部42の配置を変更することで、座面21を水平に配置した前記第一形態と傾斜状に配置した前記第二形態のいずれかに設けることができる。
【0037】
尚、本発明に係るベンチ1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記ベンチ1は、座部2の座部当接面41と脚部5の脚部受面51とを、それぞれ円弧形状に形成しているが、これに限るものではない。例えば、当接部4aと脚部5の角度を変更しても当接可能な多角形形状に座部当接面41と脚部5とそれぞれ形成してもよい。
【0038】
また、前記ベンチ1は、座部2の当接部4a、4bの各係合凹部42と、脚部5の係合凹部52とをそれぞれ3個ずつ形成しているが、これに限るものではなく、4個以上形成してもよい。
また、座部2の係合凹部42と脚部5の係合凹部52の個数を異ならせて形成してもよい。このとき、係合凹部42と係合凹部52のいずれか一方を補強部材9と同数形成し、他方をより多数形成するように設けてもよい。
【0039】
また、前記ベンチ1は、背もたれ部6を座部2の当接部4の各連結部へ取り付けるように設けているが、これに限るものではなく、背もたれ部6を脚部5へ取り付けるように設けてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ベンチ
2 座部
21 座面
3 座板部
4 当接部
41 座部当接面
42 係合凹部
43 壁部
44 貫通孔
47 連結部
5 脚部
50 受部
51 脚部受面
52 係合凹部
53 壁部
6 背もたれ部
7 接続部
71 傾斜部
77 連結部
8 背板部
81 背もたれ面
9 補強部材
B ボルト