(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146003
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046770
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】松尾 哲
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD05
4C058DD13
4C058DD16
4C058EE03
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK21
(57)【要約】
【課題】 安全に紫外線を照射可能な紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】 本発明の紫外線照射装置10は、筐体11と、紫外線を照射する第1発光体12と、可視光を照射する第2発光体13と、を含み、第1発光体12及び第2発光体13は、同一方向を照射可能なように、筐体11の正面側に実装され、第2発光体13は、第1発光体12の周囲に実装される。本発明の紫外線照射装置10は、例えば、さらに、制御部14、センサ15、バッテリー部16、スタンド20等を含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
紫外線を照射する第1発光体と、
可視光を照射する第2発光体と、を含み、
前記第1発光体及び前記第2発光体は、同一方向を照射可能なように、前記筐体の正面側に実装され、
前記第2発光体は、前記第1発光体の周囲に実装される、紫外線照射装置。
【請求項2】
前記第1発光体の照射範囲は、前記第2発光体の照射範囲よりも狭い、請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記第1発光体及び前記第2発光体は、間隔をあけて実装され、
前記間隔は、0.01m~0.05mである、請求項1又は2記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記筐体は、把持部を含み、
前記把持部は、前記第1発光体及び前記第2発光体が実装されている位置よりも背面側の前記筐体に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
さらに、制御部を含み、
前記制御部は、下記(1)及び(2)の少なくとも一方の形式にて、前記第1発光体及び前記第2発光体の点灯・消灯を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
(1)前記第1発光体と前記第2発光体とが同じタイミングで点灯及び消灯する形式。
(2)前記第1発光体が、前記第2発光体よりも後に点灯し、且つ前記第2発光体よりも先に消灯する形式。
【請求項6】
前記制御部は、予め設定した時間間隔にて、前記第1発光体及び前記第2発光体が点灯と消灯とを繰り返すように制御する、請求項5記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記制御部は、予め設定した時間の経過後に、前記第1発光体及び前記第2発光体が消灯するように制御する、請求項5又は6記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
さらに、センサを含み、
前記センサは、前記第1発光体及び前記第2発光体による照射方向と同一方向をセンシングするように前記筐体に実装され、
前記制御部は、前記センサによるセンシングに基づき、前記第1発光体及び前記第2発光体の点灯・消灯を制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
さらに、バッテリー部を含み、
前記バッテリー部は、前記第1発光体及び前記第2発光体に対して電力を供給可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
さらに、スタンドを含み、
前記スタンドは、前記筐体を回動可能かつ所定の位置で停止可能に支持し、且つ、前記筐体を倒れない状態に維持する、請求項1から9のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【請求項11】
前記紫外線の波長が、210~230nmである、請求項1から10のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウイルス性感染症の拡大防止のために、殺菌・抗ウイルス等の重要性が高まっている。殺菌・抗ウイルス等の手法としては、紫外線を対象物に照射する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紫外線は、人体に有害であることが知られている。しかしながら、特許文献1等の装置では、人の目で認識することができない紫外線が誤って肌に触れたり、目に入ったりする等のトラブルが起きやすく、安全性に劣るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、安全に紫外線を照射可能な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の紫外線照射装置は、
筐体と、
紫外線を照射する第1発光体と、
可視光を照射する第2発光体と、を含み、
前記第1発光体及び前記第2発光体は、同一方向を照射可能なように、前記筐体の正面側に実装され、
前記第2発光体は、前記第1発光体の周囲に実装される、装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安全に紫外線を照射可能な紫外線照射装置を提供することができる。また、本発明によれば、携帯性に優れ、且つ紫外線を広範囲に照射可能である。さらに、本発明によれば、殺菌・抗ウイルス等の作業を効率よく行うことができ、時間と労力等を節約可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(A)は、実施形態1における紫外線照射装置の構成の一例を示す正面図、上面図、側面図(右側側面図)、底面図、及び背面図であり、
図1(B)は、実施形態1における紫外線照射装置を正面且つ上方向から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1における紫外線照射装置の各部の電気的接続の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1における紫外線照射装置において、スタンドと筐体とが係合した一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、紫外線照射装置10を使用した一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、除菌とは、微生物を取り除いて減らすことに限らず、殺菌、抗菌、消毒、滅菌、及び静菌等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。殺菌とは、微生物を死滅させることを意味する。抗菌とは、微生物の増殖を抑制することを意味する。消毒とは、ヒト等の動植物に対して病原性のある微生物を死滅させたり、病原性のある微生物の能力を減退させたりすることで、無害化させることを意味する。滅菌とは、全ての微生物を死滅させることを意味する。静菌とは、微生物の増殖を阻害あるいは阻止することを意味する。
【0010】
本発明において、「抗ウイルス」とは、ウイルスの感染力の低下、ウイルスの感染予防、ウイルスの不活性化、及びウイルスの増殖阻止等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。
【0011】
本発明において、「紫外線」は、波長380~200nmの近紫外線、波長200~10nmの遠紫外線もしくは真空紫外線、波長121~10nmの極紫外線もしくは極端紫外線等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。前記近紫外線は、例えば、UVA(400~315nm)、UVB(315~280nm)、UVC(280nm未満)等であってもよい。また、前記紫外線の波長は、例えば、人体への影響をより抑制する観点から、210~230、220~225nm、222nm等であってもよい。
【0012】
本発明において、「照射対象」は、特に制限されず、例えば、物品、及び空間等を含めて最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。
【0013】
つぎに、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。なお、以下の図面において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態における説明は、それぞれ、互いを援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す部分があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0014】
[実施形態1]
図1(A)は、本実施形態における紫外線照射装置10の構成の一例を示す正面図、上面図、側面図(右側側面図)、底面図、及び背面図であり、
図1(B)は、本実施形態における紫外線照射装置10を正面且つ上方向から見た斜視図である。なお、図示していないが、紫外線照射装置10の左側側面図は、右側側面図を反転させた図と同様である。
図2は、本実施形態における紫外線照射装置10の各部の電気的接続の一例を示すブロック図である。本実施形態の紫外線照射装置10は、
図1(A)、(B)及び
図2に示すように、筐体11と、紫外線を照射する第1発光体12と、可視光を照射する第2発光体13と、を含む。本装置10は、例えば、後述するように、任意の構成として、さらに、制御部14、センサ15、バッテリー部16、スイッチ17、スタンド20等を含んでもよい。なお、
図1に示す紫外線照射装置10の各部の形状、大きさ、数、重さ等は、一例であって、これらは任意に変更可能である。また、紫外線照射装置10の各部の材質も、特に制限されず、例えば、金属、樹脂、鉱物(雲母(マイカシート)等)等が挙げられるが、任意に変更可能である。
【0015】
本装置10は、例えば、作業者が携帯(持ち運び)可能な大きさ及び重さであってもよい。
【0016】
筐体11は、例えば、その内部に、例えば、制御部14、第1発光体12及び第2発光体13の発光に関する回路、電力供給に関する回路、電流線等を内蔵している。
【0017】
筐体11は、例えば、把持部111及びスイッチ17を含んでもよい。把持部111及びスイッチ17は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13が実装されている位置よりも背面側の筐体11に配置される。把持部111は、例えば、
図1(A)及び(B)に示すように、筐体11と一体成形品であってもよいし、筐体11から独立して成形した部材であってもよい。把持部111が前記独立した部材の場合、例えば、ねじ等の係合部材によって、把持部111が筐体11の背面側に係合される。また、スイッチ17は、例えば、
図1(A)及び(B)に示すように、把持部111と一体成形品であってもよいし、把持部111から独立して成形した部材であってもよい。把持部111及びスイッチ17は、例えば、筐体11の上面、底面、及び側面の少なくとも一方に配置されてもよい。把持部111及びスイッチ17の数は、特に制限されず、例えば、1つでもよいし、2つ以上であってもよい。
【0018】
把持部111は、例えば、本装置10の使用時や持ち運びに時に、作業者が持つ持ち手として機能する。
【0019】
スイッチ17は、例えば、バッテリー部16や外部電源30からの電力供給のON/OFF状態を切替える部材として機能する。「ON状態」とは、例えば、電力供給がされる状態(通電状態)を意味し、「OFF状態」とは、例えば、電力供給が遮断される状態(遮断状態)を意味する。
【0020】
第1発光体12及び第2発光体13は、
図1(A)及び(B)に示すように、同一方向を照射可能なように、筐体11の正面側に実装される。言い換えれば、筐体11の正面側は、光照射側ともいえる。具体的に、第2発光体13は、第1発光体12の周囲に実装される。第2発光体13は、例えば、複数の第2発光体13で第1発光体12(第1発光体12は、1つでもよいし、2つ以上でもよい)を囲うように配置されてもよいし、
図1(A)及び(B)に示すように、第1発光体12を囲っていなくともよい。
【0021】
第1発光体12及び第2発光体13は、例えば、LED、蛍光灯、有機EL、キセノンランプ、ハロゲンランプ等であってもよい。第1発光体12及び第2発光体13の数は、特に制限されず、例えば、1つでもよいし、2つ以上であってもよいし、第1発光体12と第2発光体13とで数が同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0022】
紫外線は、前述のように、人体に有害であることが知られているが、人の目で認識することができないため、人体に悪影響を及ぼすトラブルが起きやすい。これに対し、本装置10は、第1発光体12及び第2発光体13が同一方向を照射可能なように、筐体11の正面側に実装することで、第2発光体13によって照射される可視光を指標として、第1発光体12によって照射される紫外線の範囲を作業者が認識することができる。
【0023】
第1発光体12の照射範囲(すなわち、紫外線の照射範囲)は、例えば、第2発光体13の照射範囲(すなわち、可視光の照射範囲)よりも狭くともよい。言い換えれば、前記可視光の照射範囲内に、前記紫外線の照射範囲を収めるともいえる。これにより、作業者は、前記紫外線が照射されている範囲をより正確に認識でき、前記トラブルの発生をより抑制できる。
【0024】
第1発光体12及び第2発光体13は、例えば、間隔をあけて実装されてもよい。前記間隔は、特に制限されず、第1発光体12及び第2発光体13による照射範囲・位置を重複させるという観点から、近ければ近いほど好ましい。例えば、0.01m~0.1m、0.01m~0.8m、0.01m~ 0.05m等である。これにより、第2発光体13が可視光を照射しても、第1発光体12が照射する紫外線による除菌・抗ウイルス等の効果に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0025】
本装置10は、前述のように、例えば、さらに、制御部14を含んでもよい。制御部14は、例えば、下記(1)及び(2)等の形式にて、第1発光体12及び第2発光体13の点灯・消灯を制御してもよい。
(1)第1発光体12と第2発光体13とが同じタイミングで点灯及び消灯する形式
(2)第1発光体12が、第2発光体13よりも後に点灯し、且つ第2発光体13よりも先に消灯する形式
上記(1)及び(2)等の形式にて、前記制御を行うことで、前記トラブルの発生をより抑制でき、作業者が本装置10をより安全に使用することができる。
【0026】
また、制御部14は、例えば、予め設定した時間間隔にて、第1発光体12及び第2発光体13が点灯と消灯とを繰り返すように、すなわち、間欠点灯するように制御してもよい。前記時間間隔は、特に制限されず、任意に設定でき、例えば、10秒、15秒、1分、5分等である。また、前記時間間隔において、点灯時間(点灯している時間)と、消灯時間(消灯している時間)とは、同じ長さであってもよいし、異なる長さであってもよい。前記異なる長さの場合は、例えば、前記点灯時間の方が長くともよいし、前記消灯時間の方が長くともよい。
【0027】
さらに、制御部14は、例えば、予め設定した時間の経過後に、第1発光体12及び第2発光体13が消灯するように制御してもよい。前記予め設定した時間は、特に制限されず、任意に設定でき、例えば、10分、15分、30分、1時間等である。以下、予め設定した時間の経過後に第1発光体12及び第2発光体13が消灯するような制御を「タイマー機能」ともいう。また、前記予め設定した時間として、例えば、「14時に消灯する」等と、消灯する時間を設定されていてもよい。これにより、作業者は、例えば、後述のスタンド20と筐体11とが係合した本装置10で紫外線を照射させつつ、別の作業をすることができる。そのため、本装置10によれば、作業効率を向上させることができる。
【0028】
本装置10は、前述のように、例えば、さらに、センサ15を含んでもよい。センサ15は、第1発光体12及び第2発光体13による照射方向と同一方向をセンシングするように筐体11に実装される。センサ15は、特に制限されず、例えば、人感センサ、近接センサ、照度センサ等がある。センサ15は、前述のように、前記照射方向と同一方向をセンシングするように実装されればよく、例えば、第1発光体12及び第2発光体13と同一面に実装されてもよいし、第1発光体12及び第2発光体13と異なる面に実装されてもよい。また、制御部14は、例えば、センサ15によるセンシングに基づき、第1発光体12及び第2発光体13の点灯・消灯を制御してもよい。具体的には、人感センサ15により人を検知した場合、制御部14は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13を消灯するように制御する。また、近接センサ15により本装置10と照射対象との距離が一定距離以内であることを検知した場合、制御部14は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13を消灯するように制御する。また、照度センサ15により、室内灯の点灯による照度にて人の入室を検知した場合、制御部14は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13を消灯するように制御する。これにより、本装置10をより安全に使用することができる。
【0029】
本装置10は、前述のように、例えば、さらに、バッテリー部16を含んでもよい。バッテリー部16は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13に対して電力を供給可能である。また、バッテリー部16は、例えば、
図2に示すように、制御部14やセンサ15等の電力を要する各部にも電力を供給可能である。バッテリー部16は、繰り返し充放電が可能なものであってもよく、具体的に、例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池等である。バッテリー部16は、例えば、取り外し可能なように筐体11に取り付けられていてもよい。具体的には、例えば、
図1(A)及び(B)に示すように筐体11の底面側に外付けされていてもよいし、バッテリー部16の一部または全部が筐体11の内部に収容されていてもよい。
【0030】
一方で、本装置10は、例えば、
図2に示すように、バッテリー部16に代えて、または加えて、電源コードを介して外部電源30から電力の供給を受けてもよい。
【0031】
本装置10は、前述のように、例えば、さらに、スタンド20を含んでもよい。
図3に、スタンド20と筐体11とが係合した紫外線照射装置10の一例を示す。スタンド20は、筐体11を回動可能かつ所定の位置で停止可能に支持し、且つ、筐体11(言い換えれば、本装置10自体)を倒れない状態(起立状態ともいう)に維持する。スタンド20は、筐体11を回動可能に支持することで、第1発光体12及び第2発光体13による照射方向を変更可能である。スタンド20の具体的な形状は、特に制限されず、例えば、
図3に示すような三脚であってもよいし、一脚であってもよいし、従来公知のものを使用できる。
【0032】
筐体11は、例えば、第1発光体12及び第2発光体13を実装している面(以下、実装面ともいう)以外の面、例えば、
図3に示すように筐体11の底面に、スタンド20と係合するための係合部材を含んでもよい。具体的に、係合部材としては、例えば、ねじ穴、ねじ、クランパ、ホルダ等がある。一方で、スタンド20は、例えば、筐体11の係合部材と対になる係合部材を含んでもよい。
【0033】
本装置10によれば、前述のように、紫外線が照射されている範囲を可視光によって示すことができるため、安全に紫外線を照射可能である。また、本装置10は、バッテリー部16や把持部111等を含むことで、より携帯性に優れる。作業者は、例えば、本装置を持ったまま、照射対象に紫外線を照射してもよい。さらに、本装置10は、スタンド20を含むことで、据え置き型としても使用することができる。これにより、作業者は、例えば、本装置10で紫外線を照射させつつ、別の作業をすることができ、作業効率が向上する。
【0034】
また、波長が222nmの紫外線は、人体への影響が少ないことが報告されている。このため、本装置10が、例えば、波長が222nmの紫外線を照射する第1発光体12を使用することで、より安全性が高まる。
【0035】
[実施形態2]
紫外線照射装置10を用いて除菌・抗ウイルスの作業を行う一例について説明する。
図4は、紫外線照射装置10を使用した一例を示す模式図である。
図4(A)に示す紫外線照射装置10は、
図1(A)及び(B)にて示した紫外線照射装置10であり、
図4(B)に示す紫外線照射装置10は、
図3にて示したスタンド20を含む紫外線照射装置10である。なお、
図4では、照射対象として、トイレ(室内)を図示しているが、前述のように、これに限定されない。
図4において、第1発光体12による紫外線の照射範囲の境界線を一点鎖線にて示し、第2発光体13による可視光の照射範囲の境界線を点線にて示す。
【0036】
図4(A)に示すように、作業者は、本装置10の把持部111を持ったまま、照射対象に紫外線を照射することができる。図示するように、本装置10は、把持部111が背面側に設置されていることで、作業者に紫外線があたるリスクをより抑えながら、照射対象にピンポイントで紫外線を照射可能である。以下、
図4(A)に示す本装置10の使用方法を、ピンポイント除菌ともいう。ピンポイント除菌では、例えば、作業者が本装置10を持ったまま近接照射することで、清掃や消毒が難しい箇所や手が届きにくい奥まった箇所等の除菌を効率的に行うことができる。なお、作業者は、例えば、紫外線をカット可能なサングラス等を装着していてもよい。
【0037】
一方で、
図4(B)に示すように、作業者は、スタンド20を筐体11に取り付けて本装置10を起立状態にしたまま、照射対象に紫外線を照射することができる。図示するように、本装置10は、作業者に保持されることなく、スタンド20により起立状態を維持可能であるから、作業者に紫外線があたるリスクをより抑えながら、照射対象に紫外線を広範囲に照射可能である。以下、
図4(B)に示す本装置10の使用方法を、エリア除菌ともいう。エリア除菌では、例えば、前記ピンポイント除菌よりも作業者の負担を抑えながら、一定の範囲に対して長時間の紫外線照射が可能である。また、本装置10は、例えば、前記タイマー機能によって、一定時間の紫外線照射が可能である。
【0038】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、安全に紫外線を照射可能な紫外線照射装置を提供することができる。本発明は、例えば、除菌等を行う場合において有用である。
【0040】
10 紫外線照射装置
11 筐体
12 第1発光体
13 第2発光体
14 制御部
15 センサ
16 バッテリー部
17 スイッチ
20 スタンド
30 外部電源