IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
  • 特開-画像形成装置 図10
  • 特開-画像形成装置 図11
  • 特開-画像形成装置 図12
  • 特開-画像形成装置 図13
  • 特開-画像形成装置 図14
  • 特開-画像形成装置 図15
  • 特開-画像形成装置 図16
  • 特開-画像形成装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146028
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20220928BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220928BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20220928BHJP
   G01J 5/02 20220101ALI20220928BHJP
【FI】
G03G15/20 555
G03G21/16 104
G01J5/00 101Z
G01J5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046800
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕貴
【テーマコード(参考)】
2G066
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2G066AC07
2G066AC16
2G066BA08
2G066BA22
2G066BA57
2G066BB15
2H033AA03
2H033AA18
2H033AA23
2H033AA26
2H033BA25
2H033BA31
2H033BA32
2H033CA02
2H033CA07
2H033CA27
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA19
2H171GA11
2H171GA25
2H171GA31
2H171HA22
2H171HA24
2H171JA27
2H171JA29
2H171KA02
2H171KA04
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB16
2H171QC03
2H171QC38
2H171TA10
2H171TA20
2H171WA11
2H171WA21
2H171WA23
2H171WA27
(57)【要約】
【課題】装置本体に設けられ、定着器の定着部材の温度を検出する温度検出部の汚れが生じ難い画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(10)は、媒体上に画像を形成する装置本体(100)と、媒体を加熱する定着部材(230)を有しており装置本体(100)に対して第1の方向(D1)に装着自在である定着器(200)と、装置本体(100)に設けられ、レンズ(161)を介して前記定着部材(230)の温度を検出する温度検出部(160)とを備え、レンズ(161)の光軸(A1)は、第1の方向(D1)に対して傾斜している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上に画像を形成する装置本体と、
前記媒体を加熱する定着部材を有し、前記装置本体に対して第1の方向に装着自在である定着器と、
レンズを有し、前記装置本体に設けられ、前記レンズを介して前記定着部材の温度を検出する温度検出部と、
を備え、
前記レンズの光軸は、前記第1の方向に対して傾斜している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記温度検出部は、前記光軸が前記定着部材に交差するように、前記装置本体に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着部材は、回転するローラ又はベルトであり、
前記光軸は、前記定着部材と前記媒体の接触位置より前記定着部材の回転方向の上流側において、前記定着部材に交差する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記光軸は、前記定着部材の回転の中心軸に交差する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記温度検出部は、前記光軸が水平方向よりも斜め下方を向くように、前記装置本体に設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記温度検出部は、前記光軸が水平方向よりも斜め上方を向くように、前記装置本体に設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の方向に対して前記光軸がなす角度は、1°以上で179°以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の方向に対して前記光軸がなす角度は、30°以上で150°以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の方向に対して前記光軸がなす角度は、90°以上で150°以下の範囲内である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体に設けられ、前記温度検出部と前記定着器との間を仕切る仕切り部材を更に有し、
前記定着器は、前記定着部材を囲うカバー部材を更に有し、
前記仕切り部材は、前記レンズに向き合う第1の貫通孔を有し、
前記カバー部材は、前記第1の貫通孔に向き合う第2の貫通孔を有し、
前記温度検出部は、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔を通して前記定着部材の温度を検出する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記仕切り部材は、前記装置本体から送られた気流を通過させる送風孔と、前記第1の貫通孔の周囲であって前記送風孔と前記第1の貫通孔の間の位置に設けられた凸部とを更に有し、
前記カバー部材は、前記第2の貫通孔が設けられ、前記凸部に向き合う凹部を更に有する
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装置本体は、上部に開口を持つ収容部を有し、
前記定着器は、前記開口から前記収容部内に向けて前記第1の方向に装着される
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記装置本体は、側面に開口を持つ収容部を有し、
前記定着器は、前記開口から前記収容部内に向けて前記第1の方向に装着される
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体上にトナー像を定着させる定着器の定着部材(例えば、ヒートローラ)の温度を検出する温度検出部である赤外線温度センサを、定着器の外に備えた画像形成装置が提案されている。例えば、特許文献1を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-225471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような画像形成装置においては、温度検出部の汚れが生じ難いことが求められている。
【0005】
本発明は、装置本体に設けられ、定着器の定着部材の温度を検出する温度検出部の汚れが生じ難い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、媒体上に画像を形成する装置本体と、前記媒体を加熱する定着部材を有し、前記装置本体に対して第1の方向に装着自在である定着器と、レンズを有し、前記装置本体に設けられ、前記レンズを介して前記定着部材の温度を検出する温度検出部と、を備え、前記レンズの光軸は、前記第1の方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置本体に設けられ、定着器の定着部材の温度を検出する温度検出部のレンズの汚れが生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す外観斜視図である。
図2図1に示される画像形成装置を示す他の外観斜視図である。
図3図1又は図2の画像形成装置をIII-III線で切る概略断面図である。
図4】第1の実施の形態に係る画像形成装置の温度検出部と仕切り部材とを含む構造を示す斜視図である。
図5図4の構造から仕切り部材を除いた状態を示す斜視図である。
図6図4に示される仕切り部材を示す斜視図である。
図7】(a)は、温度検出部を示す斜視図であり、(b)は、温度検出部による温度検出範囲を示す斜視図である。
図8】第1の実施の形態に係る画像形成装置の定着器の温度検出部に対向する側を示す斜視図である。
図9図8に示される定着器の底部を示す斜視図である。
図10図8の構造からカバー部材を除いた状態を示す斜視図である。
図11】第1の実施の形態に係る画像形成装置の装置本体に定着器を挿抜する過程を示す概略断面図である。
図12】第1の実施の形態に係る画像形成装置の装置本体に定着器が装着されている状態を示す概略断面図である。
図13】第1の実施の形態に係る画像形成装置において、定着器の装着方向に対する温度検出部のレンズの光軸のなす角度を示す拡大断面図である。
図14】第2の実施の形態に係る画像形成装置の装置本体に定着器を挿抜する過程を示す概略断面図である。
図15】第2の実施の形態に係る画像形成装置において、定着器の装着方向に対する温度検出部のレンズの光軸のなす角度を示す拡大断面図である。
図16】第3の実施の形態に係る画像形成装置の装置本体に定着器を挿抜する過程を示す概略断面図である。
図17】第3の実施の形態に係る画像形成装置において、定着器の装着方向に対する温度検出部のレンズの光軸のなす角度を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0010】
図には、図相互の関係を理解しやすくするためにXYZ直交座標系の座標軸が示されている。X軸は、画像形成装置の幅方向(すなわち、定着器の幅方向)の座標軸である。Y軸は、X軸に直交する画像形成装置の高さ方向の座標軸である。Z軸は、X軸及びY軸の両方に直交する水平方向の座標軸である。なお、図において、同一又は類似する構成には、同じ符号が付される。
【0011】
《1》第1の実施の形態
《1-1》画像形成装置
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10を示す外観斜視図である。図2は、画像形成装置10を示す他の外観斜視図である。図3は、図1又は図2の画像形成装置10をIII-III線で切る概略断面図である。
【0012】
画像形成装置10は、例えば、電子写真プリンタである。画像形成装置10は、モノクロプリンタである。画像形成装置10は、カラープリンタであってもよい。画像形成装置10は、装置本体100と、これに装着自在な定着ユニットである定着器200とを有している。装置本体100は、媒体180を搬送する媒体搬送部と、媒体180上に画像を形成する画像形成部とを備えている。画像形成装置は、媒体180の表と裏を反転させる反転経路(図示せず)を備えてもよい。媒体180は、例えば、印刷用の用紙である。媒体180は、OHPシート(オーバーヘッドプロジェクターシート)、封筒、などの印刷媒体であってもよい。
【0013】
装置本体100は、像担持体としての感光体ドラム131と、感光体ドラム131の表面を一様に帯電させる帯電器としての帯電ローラ132と、感光体ドラム131の表面に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて現像剤像(トナー像)を形成する現像剤担持体としての現像ローラ133と、現像ローラ133に圧接させて配置された現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ134とを備えている。トナー供給ローラ134は、トナーカートリッジ135から供給されたトナーを現像ローラ133に供給する。現像ローラ133には、現像ブレードが圧接されている。現像ブレードは、現像ローラ133上において、トナー供給ローラ134から供給されたトナーを薄層化する。
【0014】
感光体ドラム131より上方(+Y方向)には、X方向にライン状に配置された複数の半導体発光素子を有する露光部としての印刷ヘッド141が、感光体ドラム131と対向するように配置されている。印刷ヘッドは、発光素子ヘッド又は発光素子アレイヘッドとも称される。印刷ヘッド141は、一様帯電された感光体ドラム131を画像データに従って露光し、感光体ドラム131の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。印刷ヘッド141に備えられる半導体発光素子は、例えば、発光ダイオード(LED)又は発光サイリスタである。
【0015】
感光体ドラム131より下方(-Y方向)には、転写ユニットが配置されている。転写ユニットは、転写部材としての転写ローラ151を備えている。転写ローラ151は、感光体ドラム131と対向して配置されている。転写ローラ151は、転写位置を通過する媒体180をトナーと逆の極性に帯電させ、感光体ドラム131上のトナー像を媒体180に転写させる。
【0016】
装置本体100の下部には、媒体180を供給するための給紙機構が設けられている。給紙機構は、媒体収容カセット110、ホッピングローラ111、レジストローラ112、ガイド121、122に沿って媒体180を搬送するローラ対113とローラ対114を備えている。
【0017】
装置本体100の定着器用の収容部190には、定着器200が装着される。定着器200は、定着部材としての定着ローラ(すなわち、加熱ローラ)と加圧部材としてのバックアップローラ(すなわち、加圧ローラ)とを有し、媒体180上に転写されたトナー像を加圧、加熱することによって、トナー像を媒体180上に定着させる。定着器200の媒体排出側には、ローラ115、ガイド123、ローラ116、ローラ117、及び媒体スタッカ(媒体積載部)が備えられている。
【0018】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。先ず、媒体収容カセット110内に積載された媒体180は、ホッピングローラ111によって1枚ずつ繰り出され、レジストローラ112へ送られる。媒体180は、レジストローラ112からガイド121、122に沿って送られ、画像形成部へと搬送される。画像形成部において、感光体ドラム131の表面は、帯電ローラ132によって一様に帯電され、印刷ヘッド141によって露光され、静電潜像が形成される。静電潜像には、現像ローラ133で薄層化されたトナーが静電的に付着されてトナー像が形成される。感光体ドラム131上のトナー像は、転写ローラ151によって媒体180上に転写され、媒体180上にトナー像が形成される。転写後に、感光体ドラム131上に残留したトナーは、図示しないクリーニング装置によって除去される。トナー像が形成された媒体180は、定着器200に送られる。定着器200において、トナー像が媒体180に定着され、画像が形成される。トナー像が形成された媒体180は、図示しない排出ローラ及びピンチローラに挟持され、媒体スタッカへ排出される。このような過程を経て、画像が媒体180上に形成される。
【0019】
《1-2》定着器及び温度検出部
図4は、画像形成装置10の温度検出部と仕切り部材170とを含む構造を示す斜視図である。図5は、図4の構造から仕切り部材170を除いた状態を示す斜視図である。図6は、図4に示される仕切り部材170を示す斜視図である。図7(a)は、図3に示される温度検出部160を示す斜視図であり、図7(b)は、温度検出部160による温度検出範囲A2を示す斜視図である。温度検出部160は、例えば、サーモパイルである。サーモパイルは、光入射面(すなわち、窓部)を有する光学系であるレンズ161と、レンズ161を通過した光(赤外線)に基づいて温度を検知するセンサ(不図示)とを有する検出装置である。光入射面は、レンズ161の表面である。
【0020】
図8は、画像形成装置10の定着器200を示す斜視図である。図9は、図8に示される定着器200の底部を示す斜視図である。図10は、図8の構造からカバー部材210を除いた状態を示す斜視図である。また、図11は、装置本体100の収容部190に定着器200を挿抜方向(すなわち、挿入方向及び引抜方向)Dに挿入又は引き抜く過程を示す概略断面図である。図12は、画像形成装置10の装置本体100に定着器200が装着されている状態を示す概略断面図である。図13は、画像形成装置10において、定着器200の装着方向D1に対する温度検出部160のレンズ161の光軸A1のなす角度θを示す拡大断面図である。装着方向D1は、挿入方向とも称される。
【0021】
温度検出部16の温度検出範囲A2は、図4図5、及び図7(b)に示されている。図11から図13に示されるように、装置本体100には温度検出部160が実装される実装部が設けられている。
【0022】
温度検出部160の上部(+Y方向)には、送風ファン174が備えられている。温度検出部160と定着器200の収容部190との間には、温度検出部160と定着器200との間を仕切る仕切り部材170が備えられている。仕切り部材170には送風ファン174から送風された空気を通過させる送風孔173が備えられている。送風孔173を通過した空気は、定着器200の収容部190を通過して、定着器200の周囲を冷却する。
【0023】
図4図6図11から図13に示されるように、仕切り部材170には温度検出部160の覗き孔である第1の貫通孔171が形成されている。つまり、仕切り部材170は、レンズ161に向き合う第1の貫通孔171を有している。また、仕切り部材170には、第1の貫通孔171の上部と左右(すなわち、第1の貫通孔171の周囲の上方)に、仕切り部材170を構成する板金を加工して形成され、定着器200側に突き出た凸部172が備えられている。なお、凸部172の形状は、図示のものに限定されない。凸部172を備えないことも可能であるが、レンズ161の汚れ防止の観点から、凸部172を備えることが望ましい。
【0024】
図8図9図11から図13に示されるように、定着ローラ230を囲うカバー部材210には覗き孔である第2の貫通孔211が形成されている。カバー部材210は、第1の貫通孔171に向き合う第2の貫通孔211を有している。また、定着器200のカバー部材210には、第2の貫通孔211の周囲に、凹部212が備えられている。第2の貫通孔211は、定着器200のカバー部材210の凹部212内に形成されている。温度検出部160は、仕切り部材170の第1の貫通孔171、定着器200のカバー部材210の第2の貫通孔211を通して定着ローラ230の温度を検出する。なお、凹部212の形状は、図示のものに限定されない。
【0025】
温度検出部160は、定着器200の収容部190の媒体搬送方向(定着器200では、概ね+Z方向)の上流側(すなわち、概ね-Z方向)に設けられている。定着器200は、装置本体100の収容部190に着脱可能に装着される。
【0026】
送風ファン174により送風され送風孔173を通過した空気は、媒体搬送方向(概ね+Z方向)の下流に向けられている。定着器200と仕切り部材170の間には間隙175が設けられている。送風ファン174と温度検出部160の間にある間隙175を形成する定着器200と仕切り部材170には、それぞれ凹部212と凸部172がある。凹部212と凸部172とによって、送風ファン174によって送風された気流が、温度検出部160のレンズ161に到達し難くなっているので、凹部212と凸部172は、レンズ161の汚れを防止する効果を有する。
【0027】
第1の貫通孔171の上端(+Z方向の端部)は、温度検出部160のレンズ161の表面の上端(+Z方向の端部)より、装着方向D1の下流側に位置している。温度検出部160と媒体180が搬送される搬送経路との間は、仕切り部材170で仕切られている。仕切り部材170の底面は、媒体搬送方向の下流側(図13における+Z方向)になるほど温度検出部160に近づくように配置されている。
【0028】
定着器200は、媒体180を加熱する定着部材である定着ローラ230と、定着ローラ230に圧接する加圧ローラ240とを有している。定着ローラ230は、回転する定着ベルトであってもよい。定着器200が装置本体100の収容部190に装着されているとき、レンズ161の光軸A1は、装着方向D1に対して予め決められた角度θ、傾斜している。また、温度検出部160は、光軸A1が定着ローラ230に交差するように、装置本体100に設けられることが、温度の検出感度を向上させる点で望ましい。また、光軸A1は、定着ローラ230の回転の中心軸C0に交差することが、温度の検出感度を向上させる点で、より一層望ましい。
【0029】
光軸A1は、定着ローラ230と媒体180の接触位置であるニップ位置250より定着ローラ230の回転方向の上流側において、定着ローラ230に交差することが、ニップ位置250に近い位置で温度を検出できる点で、望ましい。
【0030】
温度検出部160は、光軸A1が水平方向(Z方向)よりも斜め下方を向くように、装置本体100に設けられている。この場合には、定着器200の周囲で舞い上がった埃又はトナーなどが、レンズ161の表面に付着し難い。
【0031】
ただし、温度検出部160は、光軸A1が水平方向(Z方向)よりも斜め上方を向くように、装置本体100に設けられてもよい。この場合には、レンズ161の表面に、埃又はトナーなどが幾分付着し易くなるが、定着ローラ230のニップ位置250に近い位置の温度を検出できる。
【0032】
また、定着器200が装置本体100に装着されているとき、レンズ161の光軸A1は、装着方向D1に対して予め決められた角度θ、傾斜しており、角度θは、例えば、1°以上で179°以下の範囲内(すなわち、1°≦θ≦179°)である。
【0033】
仮に、角度θが1°以上で179°以下の範囲外である場合には、定着器200の挿入時の装着方向D1の真正面に、装着方向D1に直交する光軸A1の表面が存在する。このため、定着器200を装着方向D1に対して押し込んだときに発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は多くなり、レンズ161の表面に付着する埃又はトナーが多くなる。
【0034】
第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して角度θ傾斜しているので、定着器200を装着方向D1に対して押し込んだときに最も多く発生すると予想される、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなり、その結果、空気中に舞っている埃又はトナーがレンズ161の表面に付着し難くなる。
【0035】
また、第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、角度θは、30°以上で150°以下の範囲内(すなわち、30°≦θ≦150°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して角度が30°以上で傾斜しているので、定着器200を装着方向D1に対して押し込んだときの風圧によって発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなる。よって、レンズ161の表面に付着する埃又はトナーなどが少なくなる。
【0036】
また、第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、角度θは、90°以上で150°以下の範囲内(すなわち、90°≦θ≦150°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して角度が30°以上で傾斜しているので、定着器200を装着方向D1に対して押し込んだときの風圧によって発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は一層少なくなる。よって、レンズ161の表面に付着する埃又はトナーなどが一層少なくなる。
【0037】
仕切り部材170は、装置本体100から送られた気流を通過させる送風孔173と、第1の貫通孔171の周囲であって送風孔173と第1の貫通孔171の間の位置に設けられた凸部172とを有している。カバー部材210は、第2の貫通孔211が設けられ、凸部172に向き合う凹部212を有する。
【0038】
定着器200を装置本体100の収容部190に装着する際、収容部190の内外にある埃又はトナーなどが舞い上がる。埃又はトナーなどは、舞い上がった後に、重力方向に落ちるが、温度検出部160のレンズ161の表面が定着器200の装着方向D1の下流に向いているため、レンズ161の表面に付着し難い。
【0039】
また、画像形成装置10の印刷動作時に送風ファン174が駆動され送風が開始されると、装置本体100の内外にある埃又はトナーなどが舞い上がり、送風された空気と共に定着器200の収容部190内に送風される。定着器200と仕切り部材170との間には間隙175があるため、送風ファン174による送風で送られた風が、定着器200の収容部190内に進む。しかし、仕切り部材170の第1の貫通孔171の周囲には凸部172が設けられており、凸部172に間隙を開けて、カバー部材210の凹部212が重なっているので(オーバーラップしているので)、送風ファン174の風によって舞い上がった埃又はトナーが、間隙175を通って第1の貫通孔171を通過し難くなっている。そのため、空気と共に送風される埃又はトナーなどがレンズ161の表面に付着し難い。
【0040】
画像形成部で画像形成されたトナー像が転写された媒体180が定着器200に向けてE方向に搬送され、媒体180上に定着される。温度検出部160の下部を搬送される際の媒体180上のトナーは未定着であるため、媒体180上から舞い上がることがある。トナーはある一定の高さまで舞い上がった後、落ちてくる。実施の形態1では、仕切り部材170の下流側が媒体搬送部から遠くなるよう形成されているため、上流側に比べて下流側の方がトナー付着が少ない。よって、仕切り部材の上部に配置される温度検出部160にも未定着トナーが付着し難い。
【0041】
《1-3》効果
以上に説明したように、第1の実施の形態では、定着器200を出し入れする際に埃又はトナーなどが飛散するが、それが温度検出部160のレンズ161に付着し難い。このため、温度検出不良を起こし難く、印刷不良が発生し難い。
【0042】
また、定着器200のカバー部材210の凹部212と仕切り部材170の凸部172とが間隙を開けて重なっている。、装置動作中に送風ファン174の風によって舞った埃又はトナーなどが温度検出部160のレンズ161の表面に付着し難い。したがって、装置動作中でも温度検出不良を起こし難い。媒体上の未定着トナーが舞った際も温度検出部160の検出部に付着し難く、温度検出不良を起こし難い。
【0043】
《2》第2の実施の形態
第1の実施の形態では、定着器200を、装置本体100の収容部190の上部開口から装着方向D1に挿入する例を説明した。第2の実施の形態では、定着器200aを、装置本体100aの収容部190aの側面開口から装着方向D1に挿入する例を説明する。
【0044】
図14は、第2の実施の形態に係る画像形成装置10aの装置本体100aの収容部190aに対して定着器200aを挿抜する過程を示す概略断面図である。図15は、画像形成装置10aの装置本体100aの収容部190aに装着された定着器200aの装着方向D1に対する温度検出部160のレンズ161の光軸A1のなす角度θを示す概略断面図である。
【0045】
図14及び図15に示されるように、第2の実施の形態においても、レンズ161の光軸A1は、第1の方向である装着方向D1に対して角度θ、傾斜している。定着器200aが装置本体100aの収容部190aに装着されているとき、レンズ161の光軸A1は、装着方向D1に対して予め決められた角度θ、傾斜しており、角度θは、例えば、1°以上で179°以下の範囲内(すなわち、1°≦θ≦179°)である。
【0046】
第2の実施の形態に係る画像形成装置10aでは、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して角度θ傾斜しているので、定着器200aを装着方向D1に対して押し込んだときの風圧によって最も多く発生すると考えられる、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなる。その結果、空中に舞っている埃又はトナーなどがレンズ161の表面に付着し難い。
【0047】
また、第2の実施の形態に係る画像形成装置10aでは、角度θは、30°以上で150°以下の範囲内(すなわち、30°≦θ≦150°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して30°以上の角度で傾斜しているので、定着器200aを装着方向D1に対して押し込んだときに発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなるその結果、空中に舞っている埃又はトナーなどがレンズ161の表面に付着し難い。
【0048】
また、第2の実施の形態に係る画像形成装置10aでは、角度θは、30°以上で90°以下の範囲内(すなわち、30°≦θ≦90°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して30°以上の角度で傾斜しているので、定着器200aを装着方向D1に対して押し込んだときに発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は一層少なくなる。このため、レンズ161の表面に付着する埃又はトナーなどの汚れが一層少なくなる。
【0049】
上記以外の点に関し、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同じである。
【0050】
《3》第3の実施の形態
第1の実施の形態では、定着器200を、装置本体100の収容部190の上部開口かから装着方向D1に挿入する例を説明した。第3の実施の形態では、定着器200bを、装置本体100bの収容部190bの側面開口から装着方向D1に挿入し、温度検出部160が、定着器200bの上方から第1の貫通孔171b、第2の貫通孔211bを通して定着ローラ230の温度を検出する例を説明する。
【0051】
図16は、第3の実施の形態に係る画像形成装置10bの装置本体100bの収容部190bに対して定着器200bを挿抜する過程を示す概略断面図である。図17は、画像形成装置10bの装置本体100bの収容部190bに装着された定着器200bの装着方向D1に対する温度検出部160のレンズ161の光軸A1のなす角度θを示す概略断面図である。
【0052】
図16及び図17に示されるように、第3の実施の形態においても、レンズ161の光軸A1は、第1の方向である装着方向D1に対して角度θ、傾斜している。定着器200bが装置本体100bの収容部190bに装着されているとき、レンズ161の光軸A1は、装着方向D1に対して予め決められた角度θ、傾斜しており、角度θは、例えば、1°以上で179°以下の範囲内(すなわち、1°≦θ≦179°)である。
【0053】
第3の実施の形態に係る画像形成装置10bでは、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して角度θ傾斜しているので、定着器200bを装着方向D1に対して押し込んだときの風圧によって最も多く発生すると考えられる、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなる。その結果、空中に舞っている埃又はトナーなどがレンズ161の表面に付着し難い。
【0054】
また、第3の実施の形態に係る画像形成装置10bでは、角度θは、30°以上で150°以下の範囲内(すなわち、30°≦θ≦150°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して30°以上の角度で傾斜しているので、定着器200bを装着方向D1に対して押し込んだときに発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は少なくなる。その結果、空中に舞っている埃又はトナーなどがレンズ161の表面に付着し難い。
【0055】
また、第3の実施の形態に係る画像形成装置10bでは、角度θは、90°以上で150°以下の範囲内(すなわち、90°≦θ≦150°)であることがより望ましい。この場合には、レンズ161の光軸A1が装着方向D1に対して30°以上の角度で傾斜しているので、定着器200bを装着方向D1に対して押し込んだときに発生する、装着方向D1と同じ方向の空気の流れが、レンズ161の表面に当たる量は一層少なくなる。このため、レンズ161の表面に付着する埃又はトナーなどの汚れが一層少なくなる。
【0056】
上記以外の点に関し、第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同じである。
【0057】
《4》変形例
上記実施の形態では1つのプロセスユニットを用い、搬送された媒体180にプロセスユニットでトナー像を転写する画像形成装置に適用した例を示したが、本発明は、この例に限定されるものではない。本発明は、中間転写ベルトを介して媒体180にトナー像を転写する画像形成装置、複数のプロセスユニットを用いてカラー画像を形成する画像形成装置にも適用可能である。
【0058】
また、上記実施の形態では、画像形成装置がプリンタである場合を説明したが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、複合機などにも適用可能である。また、本発明は、装置本体に温度検出部を備え、装置本体の収容部にユニットを挿入する、他の装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10、10a、10b 画像形成装置、 100、100a、100b 装置本体、 131 感光体ドラム、 132 帯電ローラ、 133 現像ローラ、 134 トナー供給ローラ、 135 トナーカートリッジ、 141 印刷ヘッド、 151 転写ローラ、 160 温度検出部、 161 レンズ、 162 温度センサ、 170 仕切り部材、 171、171b 第1の貫通孔、 172 凸部、 173 送風孔、 174 送風ファン、 175 間隙、 180 媒体、 190、190a、190b 収容部、 200、200a、200b 定着器、 210 カバー部材、 211、211b 第2の貫通孔、 212 凹部、 230 定着ローラ(定着部材)、 240 バックアップローラ、 250 ニップ位置、 A1 光軸、 A2 温度検出範囲、 C0 中心軸、 D 挿抜方向、 D1 装着方向(第1の方向)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17