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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146038
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220928BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220928BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G01C21/26 A
G09B29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046816
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】石川 秀水
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】馬場 友貴
(72)【発明者】
【氏名】山口 純一
(72)【発明者】
【氏名】川津 哲司
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H301
【Fターム(参考)】
2C032CA10
2C032HB05
2C032HB22
2C032HC14
2F129AA01
2F129BB03
2F129BB05
2F129BB15
2F129DD09
2F129DD39
2F129DD45
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF36
5H301AA01
5H301AA02
5H301AA03
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301EE07
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301HH01
(57)【要約】
【課題】 移動体が作業を行うにあたってその作業に応じた適切な経路を移動できるような地図情報を提供することができる。
【解決手段】 システム1は、ルール記憶部104と、属性値記憶部105と、取得部101と、生成部102と、送信部103と、を有する。ルール記憶部104は、移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶する。属性値記憶部105は、所定の領域における各属性の属性値を記憶する。取得部101は、所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する取得する。生成部102は、取得された作業に応じたルールと、所定の領域における各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。送信部103は、移動体に対して、生成された地図情報を送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、
所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、
前記所定の領域において前記移動体に割り当てられた作業を取得する取得手段と、
取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する生成手段と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する送信手段と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記所定の領域は、複数の小領域を含み、
前記属性値記憶手段は、前記複数の小領域の各々における前記各属性の属性値を記憶し、
前記生成手段は、取得された前記作業に応じたルールと、前記複数の小領域における前記各属性の属性値と、に基づいて、前記複数の小領域の各々への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記複数の小領域のうち、前記移動体の進行方向における小領域への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記移動体に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された前記地図情報と、の差分を特定する特定手段、
を備え、
前記送信手段は、前記移動体に対して、前記差分を送信する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記特定手段は、送信済みの前記地図情報において移動が禁止されていない小領域のうち、生成された前記地図情報において移動が禁止されている小領域を特定し、
前記送信手段は、特定された前記小領域への移動が禁止されていることを示す情報を送信する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記特定手段は、送信済みの前記地図情報において移動が禁止されている小領域のうち、生成された前記地図情報において移動が禁止されていない小領域を特定し、
前記送信手段は、特定された前記小領域への移動を禁止されていないことを示す情報を送信する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記特定手段は、前記移動体に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された前記地図情報と、の前記移動体の進行方向における前記小領域に関する差分を特定する、
請求項4から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
ルールを選択する選択手段と、
を備え、
前記ルール記憶手段は、所定の属性の各属性値について、前記作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶し、
前記選択手段は、前記属性値記憶手段に記憶された前記所定の属性の属性値に基づいて、前記ルール記憶手段からルールを選択し、
前記生成手段は、選択された前記ルールと、前記所定の領域における前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得し、
前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成し、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する、
方法。
【請求項10】
コンピュータに、
所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する処理と、
前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する処理と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体が、地図情報に基づいて自律的に移動する技術がある。特許文献1には、複数の移動ロボットを用いてユーザを誘導するシステムにおいて、複数の移動ロボットが取得した情報に基づいて、地図情報を更新することが記載されている。また、例えば、特許文献1には、移動ロボットは、行き先情報、自己位置情報、地図情報から歩行ルートを算出し、算出した歩行ルート上をユーザが歩行するように誘導することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、移動ロボットがユーザを誘導する場合における地図情報を生成している。しかしながら、移動体によって作業は異なる。このため、移動体は、作業を行うにあたって、その作業に不適切な場所を移動することがある。
【0005】
本開示の目的の一例は、移動体が作業を行うにあたってその作業に応じた適切な経路を移動できるような地図情報を提供することができるシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様におけるシステムは、移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、前記所定の領域において前記移動体に割り当てられた作業を取得する取得手段と、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する生成手段と、前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する送信手段と、を備える。
【0007】
本開示の一態様における方法は、所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得し、前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成し、前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する。
【0008】
本開示の一態様にプログラムは、所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する処理と、前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する処理と、前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する処理と、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、移動体が作業を行うにあたってその作業に応じた適切な経路を移動できるような地図情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかるシステムの一構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかるシステムの一動作例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかるシステムの一例を示す説明図である。
図4】実施の形態2にかかるシステムの一動作例を簡易的に表した説明図である。
図5】ロボットの移動の軌跡およびデータを取得した位置の一例を示す説明図である。
図6】実施の形態2にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図7】作業別のルールの一例を示す説明図である。
図8】実施の形態2にかかるロボットの一構成例を示すブロック図である。
図9】ロボット21が生鮮食品を買い物する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。
図10】ロボットが割れ物を買い物する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。
図11】ロボットが杖を持った老人の案内をする場合における地図情報の生成例を示す説明図である。
図12】ロボットが子供を案内する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。
図13】送信済みの地図情報と、新たに生成された地図情報と、の差分例を示す説明図である。
図14】実施の形態2にかかる情報処理装置によるデータの取得の一動作例を示すフローチャートである。
図15】実施の形態2にかかる情報処理装置による地図情報の送信の一動作例を示すフローチャートである。
図16】実施の形態3にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図17】データセンタの各領域におけるルールの優先度例を示す説明図である。
図18】セキュリティポリシー用のルールと、プライバシーポリシー用のルールと、の一例を示す説明図である。
図19】病院における要人の入院の有無別のルール例を示す説明図である。
図20】要人が入院した領域のルールが異なる例を示す説明図である。
図21】工場のライン別のルールが用いられる例を示す説明図である。
図22】実施の形態3にかかる情報処理装置の一動作例を示すフローチャートである。
図23】コンピュータ装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本開示にかかるシステム、情報処理装置、方法、プログラム、およびプログラムを記録する記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。ただし、図面は本開示の実施の形態における構成を概略的に表している。更に以下に記載される本開示の実施の形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0012】
ここで、ディジタルツインについて簡単に説明する。ディジタルツインとは、現実空間にある情報を集め、集めた情報を元に仮想空間で現実空間を再現する技術である。より具体的に、ディジタルツインとは、リアルタイムに取得した情報を集め、AI(Artificial Intelligence)などの技術を用いて実際に起こりうる状況をコンピュータ等の仮想空間上で再現してシミュレーションを実行し、現実世界で起こることを予測するためのソリューションである。様々な場所に設置されたセンサやセンサを搭載した移動体等を通じて時系列の情報が取得される。仮想空間上でシミュレーションする際に、地図の情報上に、取得した時系列の情報や将来の予測情報等を重ねあわせてダイナミックマップを作成し、実際の状況を仮想空間上にそのままツインとして再現する。ダイナミックマップ上で現実空間の事象(World)を表現するために、シミュレーションで用いるデータは目的ごとに分類した層(レイヤ)の状態で蓄積される。
【0013】
本実施の形態で説明するシステムでは、例えば、現実空間で情報を発する機器の各位置における、位置に関連付けられる各属性の属性値を含むデータを取得する。システムでは、異なる位置における同一の属性の複数の属性値を層として管理してもよい。すなわち、層は、ある属性の複数の属性値からなる情報群である。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるシステムの一構成例を示すブロック図である。システム1は、移動体に対して、所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を提供する。所定の領域は、特に限定されない。所定の領域は、屋内であってもよいし、屋外であってもよい。移動体の種類は、特に限定されない。システム1は、取得部101と、生成部102と、送信部103と、ルール記憶部104と、属性値記憶部105と、を有する。
【0015】
ルール記憶部104は、移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域(層内のある属性値の領域)への移動可否を示すルールを記憶する。属性値の領域とは、属性値が割り当てられた、あるいは属性値が管理されている領域である。作業は、移動体に割り当てられ得る。作業は、特に限定されない。作業は、案内、点検、掃除、消毒などが一例として挙げられる。また、案内の場合、老人への案内、子供への案内などのように詳細に作業が分かれていてもよい。掃除の場合、カーペットの掃除、フローリングの掃除、薬品を用いる掃除などのように詳細に作業が分かれていてもよい。また、属性は、前述のように、温度、湿度、混雑度、音量などのように特に限定されない。また、属性は、温度が高い、混雑度が高い、などであってもよい。また、属性は、妊婦の有無、子供の有無、車いすに乗った人の有無、要人の有無などのであってもよい。属性値記憶部105は、所定の領域における属性別の属性値を記憶する。属性値は、具体的な温度、湿度、音量などの数値であってもよい。温度の場合、属性値は、25℃のような数値である。また、属性値は、2値によって表されてもよい。より具体的に、例えば、属性が妊婦の有無などの場合、属性値が1であれば、妊婦がいることを示し、属性値が0であれば、妊婦がいないことを示してもよい。
【0016】
取得部101は、所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する。具体的に、取得部101は、作業名、作業番号などのようなどの作業を識別可能な作業の情報を取得してもよい。また、取得部101は、作業の詳細な情報も併せて取得してもよい。例えば、取得部101は、作業が案内の場合、具体的な案内対象などの情報を取得してもよい。より具体的に、取得部101は、例えば、移動体からの作業の通知を受け付けることにより、作業を取得してもよい。また、取得部101は、移動体を管理する別の装置からの通知を受け付けることにより、移動体の作業を取得してもよい。また、取得部101は、例えば、記憶部(図示しない)に記憶された各移動体の作業を取得してもよい。
【0017】
生成部102は、取得された作業に応じたルールと、所定の領域における属性別の属性値とに基づいて、当該所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。具体的に、生成部102は、ルール記憶部104を参照して、取得された作業に応じたルールを読み出す。また、生成部102は、属性値記憶部105を参照して、所定の領域における属性別の属性値を読み出す。そして、生成部102は、作業に応じたルールと、読みだした属性別の属性値とに基づいて、地図情報を生成する。具体的に、生成部102は、属性値記憶部105から読みだした所定の領域の属性別の属性値のうち、作業に応じたルールにおいて移動禁止となっている属性の属性値があれば、所定の領域への移動を禁止する地図情報を生成する。ルールにおいて、温度が20℃以上の領域への移動を禁止している場合を例に挙げて説明する。所定の領域における温度が25℃であれば、生成部102は、所定の領域への移動を禁止する地図情報を生成する。一方、所定の領域における温度が15℃であれば、生成部102は、所定の領域へ移動できる地図情報を生成する。
【0018】
送信部103は、移動体に対して、生成された地図情報を送信する。移動体は、地図情報を受信する。そして、移動体は、地図情報に基づいて、所定の領域への移動可否を行う。例えば、移動体は、地図情報に基づいて、目的地までのルートを生成してもよい。
【0019】
図2は、実施の形態1にかかるシステム1の一動作例を示すフローチャートである。取得部101は、移動体に割り当てられた作業を取得する(ステップS101)。ステップS101において、例えば、取得部101は、移動体からの作業の通知を受け付けることにより、作業を取得してもよい。生成部102は、取得された作業に応じたルールと、所定の領域における属性別の属性値とに基づいて、当該所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する(ステップS102)。システム1は、フローの動作を終了する。
【0020】
つぎに、実施の形態1の効果について説明する。システム1は、取得された作業に応じたルールと、所定の領域における属性別の属性値とに基づいて、当該所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。これにより、システム1は、移動体が作業を行うにあたって、その作業に応じた適切な経路を移動できるような地図情報を提供することができる。例えば、
実施の形態1については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、図1に示す各機能部は、1台の装置(情報処理装置)によって実現されてもよい。また、例えば、図1に示す各機能部は、2台以上の装置によって実現されてもよい。例えば、1台の情報処理装置は、取得部101と、生成部102と、送信部103と、を有する。そして、1台の情報処理装置と通信ネットワークを介して接続されたストレージ装置が、ルール記憶部104と、属性値記憶部105と、を有してもよい。
【0021】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。実施の形態2では、移動体としてロボットを例に挙げて説明する。
【0022】
図3は、実施の形態2にかかるシステムの一例を示す説明図である。システム2は、情報処理装置20と、1台以上のロボット21と、ロボット管理装置22と、を有する。情報処理装置20と、ロボット21と、ロボット管理装置22とは、通信ネットワーク23を介して接続される。
【0023】
情報処理装置20は、ロボット21に対して、所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を提供する。ロボット21は、地図情報に基づいて、自律的に移動する。図3において、ロボット21の数は1台であるが、システム2は、複数のロボット21を有していてもよい。
【0024】
また、ロボット管理装置22は、各ロボット21の作業を管理する。例えば、ロボット管理装置22は、ロボット21に対して、作業を割り当ててもよい。
【0025】
また、情報処理装置20は、ディジタルツインにおいて、収集した各データに基づいて、将来の予測をシミュレーションしてもよい。または、システム2が、シミュレーション装置(図示しない)を有し、情報処理装置20は、シミュレーション装置から、シミュレーション結果を取得してもよい。
【0026】
なお、ロボット管理装置22と、情報処理装置20とは、同一の装置であってもよい。また、ロボット管理装置22と、シミュレーション装置(図示しない)とが、同一の装置であってもよい。
【0027】
図4は、実施の形態2にかかるシステム2の一動作例を簡易的に表した説明図である。情報処理装置20は、例えば、所定の領域Lにおけるデータを収集する。情報処理装置20は、温度、湿度、画像など様々な属性の属性値を含むデータを取得することができる。
【0028】
情報処理装置20は、収集した各データを分析してもよい。例えば、情報処理装置20は、温度を取得した場合に、所定の領域Lにおいて、どの場所の温度が高いかを分析してもよい。また、例えば、情報処理装置20は、画像から、人物を検出してもよい。そして、情報処理装置20は、所定の領域Lにおいて、車いすの人がいる場所、妊婦や乳幼児がいる場所などを特定することができる。情報処理装置20は、例えば、ロボット21に割り当てられた作業が安全に遂行可能となるように、ロボット21が移動に用いる地図情報を更新する。例えば、ロボット21が大量の荷物を運ぶ作業を行っている場合、車いすの人がいる近くを通ると、危ない。そこで、情報処理装置20は、車いすの人がいる場所およびその場所の近傍への移動を禁止した地図情報を生成する。そして、情報処理装置20は、ロボット21に対して、地図情報を送信する。
【0029】
図5は、ロボットの移動の軌跡およびデータを取得した位置の一例を示す説明図である。領域Lにおいて、ロボット21-1~21-4が移動する例を示す。ロボット21-1~21-4のそれぞれが、例えば、領域L内を自律的に移動する。ロボット21-1~21-4は、異なる作業が割り当てられたサービスロボットであってもよいし、同一の作業が割り当てられたサービスロボットであってもよい。各ロボット21は、各位置において、各種センサや撮像装置を利用して、データを収集する。例えば、各ロボット21は、各位置において、複数種類の属性値を含むデータを取得する。ここで、データは、位置に関連付けられている。図5において、位置P1は、x軸とy軸の座標で領域Lを表した場合に、座標(x1,y1)である。時刻T1は、11時20分である。そして、位置P1および時刻T1に関連付けられたデータは、温度の値と、湿度の値とを含む。図5において、温度の値は、25℃である。湿度の値は、40%である。なお、データは、位置が同じ場合、時刻に関連付けられてもよい。
【0030】
図6は、実施の形態2にかかる情報処理装置20の一構成例を示すブロック図である。情報処理装置20は、作業取得部201と、生成部202と、送信部203と、データ取得部206と、特定部207と、記憶部208と、を有する。特定部207および記憶部208が、実施の形態1から追加された機能部である。作業取得部201と、生成部202と、送信部203と、データ取得部206とは、それぞれ実施の形態1で説明した取得部101と、生成部102と、送信部103と、の機能を基本構成として有する。
【0031】
記憶部208は、例えば、情報処理装置20の各部の処理結果を記憶する。記憶部208としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。記憶部208は、これらの組み合わせであってもよい。図6において、記憶部208は、ルール記憶部204と、属性値記憶部205と、を有する。ルール記憶部204と、属性値記憶部205とは、それぞれ実施の形態1で説明したルール記憶部104と、属性値記憶部105との機能を基本構成として有する。まず、ルール記憶部204について説明する。
【0032】
図7は、作業別のルールの一例を示す説明図である。ルール記憶部204は、作業(作業の情報)別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶する。すなわち、図7において、各作業について、横方向の各情報が、属性値の領域への移動可否を示す。
【0033】
図7において、ルール記憶部204に記憶された作業の情報は、ロボット21に割り当てられる作業の名称、作業の識別情報などの作業を一意に識別可能な情報である。具体的な作業は、清掃、警備、案内、買い物などが挙げられる。作業は、より詳細に区別されてもよい。
【0034】
図7に示すように、作業が買い物の場合、買い物における購入商品によって異なるルールが設けられていてもよい。例えば、生鮮食品が購入商品に含まれる場合の買い物と、割れ物が購入商品に含まれる場合の買い物と、で、異なるルールが、ルール記憶部204に記憶されてもよい。
【0035】
後述するが、作業が案内の場合、案内対象によってルールが設けられていてもよい。例えば、案内対象が、杖を用いる老人の場合と、子供の場合と、で異なるルールがルール記憶部204に記憶されてもよい。
【0036】
また、図7において、属性は、属性の名称である。なお、図7の例に限らず、属性を一意に特定可能であれば、特に限定されない。音(大)、温度(高)、車いすあり、などが属性の例として挙げられている。音(大)は、音が大きいことを示す。温度(高)は、温度が高いことを示す。車いすありは、車いすにのった人がいることを示す。凹凸は、凹凸があることを示す。なお、属性は、単に、音、温度、湿度などの環境を表す属性であってもよい。
【0037】
音(大)について説明する。音(大)が、移動可であれば、ロボット21は、音量が所定音量以上の領域へ移動することができる。音(大)が、移動禁止であれば、ロボット21は、音量が所定音量以上の領域へ移動できない。例えば、作業が清掃の場合、音(大)は移動可である。このため、清掃作業が割り当てられたロボット21は、音量が所定音量以上の領域へ移動することができる。例えば、作業が、杖を用いる老人の案内の場合、音(大)は移動禁止である。このため、杖を用いる老人の案内作業が割り当てられたロボット21は、音量が所定音量以上の領域へ移動することができない。
【0038】
温度(高)について説明する。温度(高)が、移動可であれば、ロボット21は、温度が所定温度以上の領域へ移動することができる。温度(高)が、移動禁止であれば、ロボット21は、温度が所定温度以上の領域へ移動できない。図7において、例えば、作業が清掃の場合、温度(高)は移動可である。このため、清掃作業が割り当てられたロボット21は、温度が所定温度以上の領域へ移動することができる。例えば、作業が、生鮮食品の買い物の場合、温度(高)は移動禁止である。このため、生鮮食品の買い物作業が割り当てられたロボット21は、温度が所定温度以上の領域へ移動することができない。
【0039】
車いすありが、移動可であれば、ロボット21は、車いすに乗った人がいる領域へ移動できる。車いすありが、移動禁止であれば、ロボット21は、車いすに乗った人がいる領域へ移動できない。図7において、例えば、清掃作業が割り当てられたロボット21は、車いすに乗った人がいる領域へ移動できない。例えば、警備作業が割り当てられたロボット21は、車いすに乗った人がいる領域へ移動できる。なお、車いすに乗った人が移動する場合があるため、車いすに乗った人がいる領域およびその領域の近傍の領域へ移動できるか否かがルールに定義されてもよい。
【0040】
凹凸が移動可であれば、ロボット21は、凹凸がある領域へ移動できる。一方、凹凸が移動禁止であれば、ロボット21は、凹凸がある領域へ移動できない。清掃作業が割り当てられたロボット21は、凹凸がある領域へ移動できる。杖を用いる老人への案内作業が割り当てられたロボット21は、凹凸がある領域へ移動できない。
【0041】
このように、ルールには、様々な属性によって各属性値の領域への移動可否が定義される。なお、図7に記載の作業、属性は特に限定されない。
【0042】
図6の説明に戻って、属性値記憶部205について説明する。属性値記憶部205は、所定の領域に含まれる複数の小領域の各々について、各属性の属性値を記憶する。例えば、属性値は、その小領域内で取得されたセンサ情報や画像データである。センサ情報としては、温度のデータ、湿度のデータなどが挙げられる。例えば、小領域内で同一の属性についての複数のセンサ情報が取得された場合、属性値としては、平均値、中央値、最頻値などの統計値が用いられてもよい。また、小領域においてセンサ情報が取得されなかった場合、属性値は、他の小領域内のセンサ情報によって補間されてもよい。また、属性値記憶部205は、時系列に、各属性の属性値を管理してもよい。
【0043】
また、小領域は、特に限定されない。小領域の各サイズは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、所定の領域が等間隔にメッシュ状に区切られた各領域を小領域としてもよい。また、例えば、あるビルディングの1階のフロアが所定の領域である場合に、各会議室を小領域としてもよい。また、小領域は、グルーピングされていてもよい。
【0044】
図8は、実施の形態2にかかるロボット21の一構成例を示すブロック図である。ロボット21は、作業管理部211と、地図取得部212と、移動制御部213と、記憶部208と、を有する。記憶部208は、例えば、情報処理装置20の各部の処理結果を記憶する。記憶部208としては、ROM、RAM、半導体メモリ、HDD、SSDが挙げられる。記憶部208は、これらの組み合わせであってもよい。
【0045】
つぎに、図6および図8の各機能部について説明する。データ取得部206は、所定の領域を移動する各ロボット21、所定の領域に設置されたセンサから、データを取得する。データには、位置情報が含まれる。データは、各属性の属性値を含む。属性値は、各位置においてロボット21やセンサによって検出された値である。なお、ロボット21による位置の取得方法は、特に限定されない。例えば、予め地面や床にマーカを付しておき、マーカ別に位置を記憶しておいてもよい。ロボット21は、画像に写るマーカから位置の情報をデータとして取得してもよい。また、屋外の場合、ロボット21は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて位置の情報を取得してもよい。また、ロボット21は、ビーコンなどの機器を用いて測位してもよい。また、ロボット21は、Lidar(Light Detection and Ranging)などのセンサを用いて測位してもよい。データ取得部206は、取得した各データを属性値記憶部205に記憶させる。
【0046】
作業取得部201は、ロボット21に割り当てられた作業を取得する。作業取得部201は、ロボット21から、ロボット21に割り当てられた作業を取得してもよい。作業取得部201は、ロボット管理装置22から、ロボット21に割り当てられた作業を取得してもよい。
【0047】
つぎに、生成部202は、取得された作業に応じたルールと、複数の小領域における属性別の属性値と、に基づいて、複数の小領域の各々へのロボット21の移動可否を表す地図情報を生成する。生成部202は、作業に応じたルールにおいて移動禁止となっている属性の属性値に該当する属性値を有する小領域への移動を禁止する地図情報を生成する。生成部202は、作業に応じたルールにおいて移動禁止となっている属性の属性値に該当する属性値を有さない小領域へ移動ができることを示す地図情報を生成する。ルールにおいて高温の領域と高湿度の領域への移動を禁止している場合を例に挙げて説明する。生成部202は、複数の小領域のうち、高温、または高湿度のいずれか一方に該当する小領域への移動を禁止することを示し、高温および高湿度のいずれにも該当しない小領域への移動を禁止しないことを示す地図情報を生成する。
【0048】
また、生成部202は、複数の小領域のうち、ロボット21の進行方向における小領域へのロボット21の移動可否を表す地図情報を生成してもよい。これにより、ロボット21が使用しない情報を送付しなくてよいため、送信に要するデータ量を削減することができる。また、ロボット21は、不要な地図情報を受信しなくてよい。このため、ロボット21は、不要な地図情報を保存しなくてよい。進行方向は、ロボット管理装置22、またはロボット21から取得されてもよい。例えば、作業取得部201は、作業と共に、進行方向を取得してもよい。例えば、生成部202は、作業の情報からロボット21の進行方向を特定してもよい。
【0049】
図9は、ロボット21が生鮮食品を買い物する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。図9において、ロボット21に割り当てられた作業は、生鮮食品の買い物である。ここで、説明の簡略化のために、図7に示すルールにおいて、温度(高)のみを用いて説明する。なお、図7に示すルールにおいて、作業が、生鮮食品の買い物の場合、温度(高)は移動禁止である。図9に示すロボット21は、領域Lのうち、温度が所定温度以上の小領域へ移動することができない。
【0050】
図9において、ロボット21の作業管理部211は、情報処理装置20に対して、割り当てられた作業を送信する。情報処理装置20の作業取得部201は、ロボット21から、ロボット21に割り当てられた作業を取得する。
【0051】
図9では、領域Lにおける、温度が高い場所と、温度が低い場所と、を示す。生成部202は、領域Lのうち、温度が高い小領域への移動の禁止を表し、温度が低い小領域への移動の可を表す地図情報を生成する。そして、送信部203は、ロボット21へ地図情報を送信する。
【0052】
ロボット21の地図取得部212は、情報処理装置20から、地図情報を取得する。地図取得部212は、地図情報を記憶部208に記憶させてもよい。そして、移動制御部213は、地図情報に基づいて、所定の領域Lにおける移動を制御する。これにより、ロボット21は、温度が高い場所を通らずに移動する。なお、移動制御部213は、例えば、所定の領域Lのうち、地図情報において移動が禁止されている小領域以外の領域を通るルートを生成してもよい。そして、移動制御部213は、生成されたルートを通るように、ロボット21の動作や移動を制御してもよい。これにより、ロボット21は、生鮮食品を買い物時に、温度が高い場所を通らずに移動することができる。したがって、ロボット21は、生鮮食品が傷むことを抑制しながら、作業を行うことができる。
【0053】
図10は、ロボット21が割れ物を買い物する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。図10において、ロボット21に割り当てられた作業は、割れ物の買い物である。ここで、説明の簡略化のために、図示されていない混雑度を属性として用いて説明する。
【0054】
例えば、ルールには、作業が割れ物の買い物の場合、混雑度が高い領域への移動を禁止することが定義されていることとする。
【0055】
図10において、ロボット21の作業管理部211は、情報処理装置20に対して、割り当てられた作業を送信する。情報処理装置20の作業取得部201は、ロボット21から、ロボット21に割り当てられた作業を取得する。
【0056】
図10では、領域Lにおいて、混雑度が高い場所と、混雑度が低い場所と、を示す。生成部202は、領域Lのうち、混雑度が高い小領域への移動の禁止を表し、混雑度が低い小領域への移動の可を表す地図情報を生成する。そして、送信部203は、ロボット21へ地図情報を送信する。
【0057】
ロボット21の地図取得部212は、情報処理装置20から、地図情報を取得する。地図取得部212は、取得した地図情報を記憶部208に記憶させてもよい。そして、移動制御部213は、地図情報に基づいて、所定の領域Lにおける移動を制御する。これにより、ロボット21は、割れ物を買い物時に、混雑度が高い場所を通らずに移動することができる。したがって、ロボット21は、より安全に作業を行うことができる。
【0058】
図11は、ロボット21が杖を持った老人の案内をする場合における地図情報の生成例を示す説明図である。図11において、ロボット21に割り当てられた作業は、杖を持った老人の案内である。ここで、説明の簡略化のために、凹凸を属性として用いて説明する。
【0059】
例えば、ルールには、作業が杖を持った老人の案内の場合に、凹凸のある領域への移動禁止が定義されていることとする。
【0060】
図11において、ロボット21の作業管理部211は、情報処理装置20に対して、割り当てられた作業を送信する。情報処理装置20の作業取得部201は、ロボット21から、ロボット21に割り当てられた作業を取得する。
【0061】
図11では、領域Lにおける、凹凸がある場所と、凹凸がない場所と、を示す。生成部202は、領域Lのうち、凹凸がある小領域への移動の禁止を表し、凹凸がない小領域への移動の可を表す地図情報を生成する。そして、送信部203は、ロボット21へ地図情報を送信する。
【0062】
ロボット21の地図取得部212は、情報処理装置20から、地図情報を取得する。地図取得部212は、取得した地図情報を記憶部208に記憶させてもよい。そして、移動制御部213は、地図情報に基づいて、所定の領域における移動を制御する。これにより、ロボット21は、杖を持った老人を案内する際に、凹凸がないような、平らな道を通ることができる。このように、ロボット21は、より安全に作業を行うことができる。
【0063】
図12は、ロボット21が子供を案内する場合における地図情報の生成例を示す説明図である。図12において、ロボット21に割り当てられた作業は、玩具に興味のある子どもの案内である。ここで、説明の簡略化のために、凹凸を用いて説明する。
【0064】
ここで、例えば、ルールには、作業が、子供の案内の場合に、案内対象の子供が興味のある領域へのロボット21の移動を禁止することが定義されていることとする。子供の興味などの情報は、例えば、子供の親などから予め提供されればよい。
【0065】
図12において、ロボット21の作業管理部211は、情報処理装置20に対して、割り当てられた作業を送信する。この際、作業管理部211は、子供の興味などの情報のように案内対象の詳細な情報を通知してもよい。情報処理装置20の作業取得部201は、ロボット21から、ロボット21に割り当てられた作業を取得する。
【0066】
図12では、領域Lにおける、玩具売り場と、玩具売り場以外の場所と、を示す。生成部202は、領域Lのうち、玩具売り場に含まれる小領域、または玩具売り場の近傍である小領域への移動の禁止を表し、これら以外の小領域への移動の可を表す地図情報を生成する。そして、送信部203は、ロボット21へ地図情報を送信する。
【0067】
ロボット21の地図取得部212は、情報処理装置20から、地図情報を取得する。地図取得部212は、取得した地図情報を記憶部208に記憶させてもよい。そして、移動制御部213は、地図情報に基づいて、所定の領域における移動を制御する。これにより、ロボット21は、玩具売り場に近づかないように、子供を案内することができる。
【0068】
<地図情報の差分>
つぎに、地図情報をすでに送信済みの場合について説明する。ロボット21は、何度も地図情報を受信する場合、各地図情報を記憶する記憶容量を多く必要とする。そこで、特定部207は、ロボット21に対してすでに送信済みの地図情報と、新たに生成された地図情報と、の差分を特定する。そして、送信部203は、ロボット21に対して、差分を送信する。ここで、特定部207は、ロボット21に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された地図情報と、のロボット21の進行方向における小領域に関する差分を特定してもよい。
【0069】
具体的に、例えば、特定部207は、送信済みの地図情報において移動が禁止されていない小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されている小領域を特定してもよい。そして、送信部203は、特定された小領域への移動が禁止されていることを示す情報を送信する。これにより、送信部203は、新たに移動禁止となった領域の情報を送信することができる。
【0070】
または、例えば、特定部207は、送信済みの地図情報において移動が禁止されている小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されていない小領域を特定してもよい。そして、送信部203は、ロボット21が特定された領域への移動を禁止されていないことを示す情報を送信する。これにより、送信部203は、新たに移動できることになった領域の情報を送信することができる。
【0071】
図13は、送信済みの地図情報と、新たに生成された地図情報と、の差分例を示す説明図である。図13において、領域Lにおいて、白い部分は移動可である。図13において、暗い色の部分(白くない部分)は、移動禁止である。
【0072】
図13において、特定部207は、領域Lのうち、複数の小領域を含む部分領域PL1と、複数の小領域を含む部分領域PL2と、を特定する。送信部203は、部分領域PL1と、部分領域PL2と、が送付済みの地図情報から移動禁止になったことを示す情報を送信する。
【0073】
そして、ロボット21は、この情報に基づいて、記憶部208に記憶された地図情報を更新してもよい。例えば、ロボット21は、地図情報のうち、部分領域PL1と、部分領域PL2と、に関する情報を変更する。
【0074】
図14は、実施の形態2にかかる情報処理装置20によるデータの取得の一動作例を示すフローチャートである。情報処理装置20は、データを取得する(ステップS201)。データは、前述の通り、位置情報と、各属性の属性値と、を含む。ステップS201において、情報処理装置20は、所定の領域に設置されたセンサなどの装置から取得してもよい。または、ステップS201において、情報処理装置20は、所定の領域を移動する各ロボット21に含まれるセンサなどの装置から取得してもよい。つぎに、情報処理装置20は、データを属性値記憶部205に格納させる(ステップS202)。
【0075】
図15は、実施の形態2にかかる情報処理装置20による地図情報の送信の一動作例を示すフローチャートである。作業取得部201は、ロボット21に割り当てられた作業を取得する(ステップS211)。具体的に、作業取得部201は、ロボット21に割り当てられた作業の作業名、作業の識別情報などの作業を一意に識別可能な情報を取得する。
【0076】
生成部202は、作業に応じたルールと、複数の小領域の各々についての各属性の属性値とに基づいて、地図情報を生成する(ステップS212)。
【0077】
特定部207は、ロボット21に送付済みの地図情報と、生成された地図情報と、の差分を特定する(ステップS213)。ステップS213において、特定部207は、送付済みの地図情報と、生成された地図情報と、のロボット21の進行方向における小領域に関する差分を特定してもよい。
【0078】
また、ステップS213において、特定部207は、送信済みの地図情報において移動が禁止されていない小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されている小領域を特定してもよい。または、ステップS213において、特定部207は、送信済みの地図情報において移動が禁止されている小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されていない小領域を特定してもよい。
【0079】
送信部203は、特定された差分を送信する(ステップS214)。情報処理装置20は、フローの動作を終了する。
【0080】
つぎに、実施の形態2の効果について説明する。属性値記憶部205は、所定の領域に含まれる。複数の小領域の各々における属性別の属性値を記憶する。情報処理装置20は、取得された作業に応じたルールと、複数の小領域における属性別の属性値と、に基づいて、複数の小領域の各々への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。これにより、情報処理装置20は、例えば、所定の領域における詳細な移動可否を示す地図情報を提供することができる。
【0081】
また、情報処理装置20は、複数の小領域のうち、移動体の進行方向における小領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成してもよい。これにより、情報処理装置20は、移動体が利用しない領域の地図情報を生成しなくてよいため、処理量の低減を図ることができる。また、ロボット21は、不要な地図情報を受信しなくてよい。
【0082】
また、情報処理装置20は、移動体に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された地図情報と、の差分を特定する。そして、情報処理装置20は、差分をロボット21に対して送信する。これにより、ロボット21は、すでにある地図情報と、差分と、を利用して、最新の地図情報を得ることができる。したがって、ロボット21は、不要な地図情報を受信しなくてよい。
【0083】
また、情報処理装置20は、送信済みの地図情報において移動が禁止されていない小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されている小領域を特定する。情報処理装置20は、特定された領域への移動が禁止されていることを示す情報を送信する。これにより、ロボット21は、新たに移動が禁止されている領域の情報を得ることができる。
【0084】
また、情報処理装置20は、送信済みの地図情報において移動が禁止されている小領域のうち、生成された地図情報において移動が禁止されていない小領域を特定する。そして、情報処理装置20は、特定された領域への移動が禁止されていないことを示す情報を送信する。これにより、ロボット21は、新たに移動ができるよういなった領域の情報を得ることができる。
【0085】
また、情報処理装置20は、ロボット21に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された地図情報と、の移動体の進行方向における小領域に関する差分を特定する。これにより、ロボット21は、不要な地図情報を受信しなくてよい。
【0086】
実施の形態2については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、情報処理装置20の各機能部は、複数の装置によって実現されてもよい。例えば、ルール記憶部204と、属性値記憶部205とは、通信ネットワーク23を介して情報処理装置20に接続されたストレージ装置などによって実現されてもよい。
【0087】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施の形態3の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。実施の形態3では、実施の形態2で説明した機能を基本機能として、作業別に、複数通りのルールが記憶されている場合に、複数通りのルールからいずれかのルールを選択して地図情報を生成する例について説明する。
【0088】
また、実施の形態3にかかるシステムは、実施の形態2で説明したシステム2の各構成部を基本構成として含む。例えば、実施の形態3にかかるシステムは、実施の形態2で説明したシステム2と同様に、情報処理装置と、ロボットと、ロボット管理装置と、を有する。ロボットの機能部については、実施の形態2で説明した各機能部から変更がなくてよいため、詳細な説明を省略する。
【0089】
図16は、実施の形態3にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。情報処理装置30は、作業取得部301と、生成部302と、送信部303と、データ取得部306と、特定部307と、記憶部308と、選択部309と、を有する。実施の形態3では、選択部309が実施の形態2で説明した各機能部から追加される。作業取得部301は、実施の形態1で説明した取得部101、または作業取得部201の機能を基本構成として有してもよい。生成部302と、送信部303とは、それぞれ実施の形態1,2で説明した生成部102,202と、送信部103,203の機能を基本構成として有していてもよい。データ取得部306と、特定部307と、記憶部308とは、それぞれ実施の形態2で説明したデータ取得部206と、特定部207と、記憶部208の機能を基本構成として有していてもよい。
【0090】
また、属性値記憶部305は、実施の形態2で説明した属性値記憶部205を基本機能として有していてもよい。
【0091】
ルール記憶部304は、作業別に、属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示す複数通りのルールを記憶してもよい。例えば、ルール記憶部304は、各ポリシーについて、作業別に、ルールを記憶してもよい。また、例えば、ルール記憶部304は、製造工場において、各ラインについて、作業別に、ルールを記憶してもよい。また、例えば、ルール記憶部304は、所定の属性の各属性値について、作業別に、ルールを記憶してもよい。
【0092】
<ポリシーに応じたルール>
まず、各ポリシーについて、作業別にルールがルール記憶部304に記憶されている場合について詳細に説明する。ポリシーとは、各領域におけるロボットの移動の方針である。例えば、ポリシーとしては、安全、セキュリティー、プライバシーなどを順守する方針である。例えば、各領域には、ポリシーが設定されてあることとする。もしくは、領域ごとにポリシーの優先度が設けられていてもよい。
【0093】
具体的に、ルール記憶部304は、安全ポリシーについて、作業別に、属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示す複数通りのルールを記憶する。ルール記憶部304は、セキュリティポリシーについて、作業別に、属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示す複数通りのルールを記憶する。ルール記憶部304は、プライバシーポリシーについて、作業別に、属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示す複数通りのルールを記憶する。
【0094】
そして、選択部309は、所定の領域に設定されたポリシーに基づいて、ルール記憶部304からルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、所定の領域における属性別の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。生成部302による具体的な地図情報の生成例は、実施の形態1および実施の形態2で説明した通りである。
【0095】
図17は、データセンタの各領域におけるルールの優先度例を示す説明図である。図17において、データセンタは、共有フロア、クライアントYのフロア、クライアントZのフロアを有する。
【0096】
例えば、共有フロア、クライアントYのフロアでは、安全ポリシーが最優先される。また、クライアントYのフロアでは、プライバシーポリシーが最優先される。
【0097】
ここで、ロボット31が、共有フロア、クライアントYのフロア、クライアントZのフロアのすべてで掃除をする場合を例に挙げて説明する。例えば、共有フロアの場合、選択部309は、ルール記憶部304から、安全ポリシーおよび掃除作業に対応するルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、共有フロアに含まれる複数の小領域の各属性の属性値と、に基づいて、共有フロアの各小領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。
【0098】
また、例えば、クライアントYのフロアの場合、選択部309は、ルール記憶部304から、安全ポリシーおよび掃除作業に対応するルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、クライアントYのフロアに含まれる複数の小領域の各属性の属性値と、に基づいて、クライアントYのフロアの各小領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。
【0099】
また、例えば、クライアントZのフロアの場合、選択部309は、ルール記憶部304から、プライバシーポリシーおよび掃除作業に対応するルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、クライアントZのフロアに含まれる複数の小領域の各属性の属性値と、に基づいて、クライアントZのフロアの各小領域への移動体の移動可否を表す地図情報を生成する。
【0100】
このように、情報処理装置30は、領域に設定されたポリシーおよびロボット31の作業に応じたルールに基づいて、地図情報を生成することができる。
【0101】
図18は、セキュリティポリシー用のルールと、プライバシーポリシー用のルールと、の一例を示す説明図である。ここで、各工場にポリシーが設定されることとする。例えば、精密機器を製造する工場には、セキュリティポリシーが設定される。例えば、国防機器を製造する工場には、プライバシーポリシーが設定される。
【0102】
図18において、セキュリティポリシー用のルールと、プライバシーポリシー用のルールとでは、例えば、ロボット31の作業が工場見学案内の場合に、差異がある。例えば、工場見学案内の場合、セキュリティポリシー用のルールでは、音が大きい領域への移動および温度が高い領域への移動ができるが、ライン作業者がいる領域への移動は禁止である。例えば、プライバシーポリシー用のルールでは、音が大きい領域への移動、温度が高い領域への移動、ライン作業者がいる領域への移動は禁止である。このように、各ポリシーのルールによってロボット31が移動できる領域が異なる。
【0103】
<所定の属性の属性値に応じたルール>
つぎに、所定の属性の各属性値について、作業別にルールがルール記憶部304に記憶されている場合について詳細に説明する。
【0104】
ルール記憶部304は、所定の属性の各属性値について、作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶する。所定の属性は、特に限定されない。所定の属性は、例えば、低温、工事の有無などであってもよい。
【0105】
選択部309は、属性値記憶部305に記憶された所定の属性の属性値に基づいて、ルール記憶部304からルールを選択する。
【0106】
生成部302は、選択されたルールと、所定の領域における属性別の属性値と、に基づいて、当該所定の領域へのロボット31の移動可否を表す地図情報を生成する。
【0107】
ここで、所定の属性が、要人の有無の場合を例に挙げて説明する。所定の領域内に要人がいる場合についての作業別のルールと、所定の領域内に要人がいない場合についての作業別のルールと、がルール記憶部304に記憶されてもよい。
【0108】
図19は、病院における要人の入院の有無別のルール例を示す説明図である。図19において、要人が入院していない場合におけるルール(通常時のルール)と、要人が入院している場合におけるルール(要人の入院時のルール)と、がある。例えば、作業が面会案内の場合、患者が存在している領域への移動の可否が2つのルールで異なる。例えば、通常時のルールの場合、患者が存在している領域への移動は可である。一方、要人の入院時のルールの場合、患者が存在しえちる領域への移動は禁止である。
【0109】
また、前述の所定の属性の属性値に応じたルールと、各ポリシーについてのルールと、が組み合わせられてもよい。例えば、所定の属性の属性値に基づいて、領域に設定されるポリシーが切り替わってもよい。そして、選択部309は、領域に設置されたポリシーおよび作業に応じたルールを選択してもよい。
【0110】
図20は、要人が入院した領域のルールが異なる例を示す説明図である。図20において、病院は、共有エリアと、病棟Xと、隔離病棟と、を有する。共有エリアと、病棟Xと、隔離病棟には、元々安全ポリシーが設定されている。
【0111】
例えば、属性として、要人の入院の有無を例に挙げる。ここで、病棟Xに要人が入院する。また、属性の属性値は、人手の操作によって入力されてもよい。例えば、要人が入院した場合、病棟Xの病室を含む小領域の要人の入院の有無を示す属性の属性値が、人手によって入院ありに設定されてもよい。
【0112】
病棟Xの病室を含む小領域において、要人の入院の有無を示す属性の属性値が入院ありとなる。選択部309は、病棟Xについて、属性値が入院ありとなった場合におけるプライバシーポリシーおよび作業に応じたルールを選択する。そして、生成部302は、プライバシーポリシーおよびロボット31の作業に応じたルールと、病棟Xに含まれる複数の小領域の各々の属性の属性値と、に基づいて、地図情報を生成する。これにより、病棟Xにおいて、ロボット31を、要人が入院した病室およびその病室の近くの領域へ移動させないようにできる。
【0113】
以上説明した例に限らない。例えば、図示しない検出部が、所定の属性の属性値が所定の属性値になったことを検出してもよい。そして、図示しない要求部が、所定の属性の属性値が所定の属性値となったことが検出されると、複数のロボット31の各々に対して、割り当てられた作業の通知を要求してもよい。そして、各ロボット31が、作業を通知する。作業取得部301は、各ロボット31から、作業を取得する。そして、選択部309は、所定の属性値に対応するルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、各属性の属性値と、に基づいて、地図情報を生成する。これにより、情報処理装置30は、所定の属性の属性値が所定の属性値になった場合にすぐに地図情報を更新することができる。
【0114】
<ラインに応じたルール>
また、工場において、ラインに応じたルールがルール記憶部304に記憶されてもよい。
【0115】
図21は、工場のライン別のルールが用いられる例を示す説明図である。例えば、工場は、領域L1と、領域L2と、領域L3と、を有する。領域L1には、ラインCがある。領域L2には、ラインAがある。領域L3には、ラインBがある。ルール記憶部304には、各ラインについて、作業別にルールを記憶する。選択部309は、各領域において、製造するラインに応じたルールを選択する。このため、領域L1は、Cルールが適用される。領域L2は、Aルールが適用される。領域L3は、Bルールが適用される。そして、生成部302は、選択されたルールに基づいて、地図情報を生成する。
【0116】
その後、工場の変更があったとする。領域L1には、ラインCがある。領域L2には、ラインDがある。領域L3には、ラインAがある。選択部309は、各領域において、製造するラインに応じたルールを選択する。このため、領域L1は、Cルールが適用される。領域L2は、Dルールが適用される。領域L3は、Aルールが適用される。そして、生成部302は、選択されたルールに基づいて、地図情報を生成する。
【0117】
これにより、情報処理装置30は、各領域におけるラインに応じたルールを用いて地図情報を生成することができる。
【0118】
図22は、実施の形態3にかかる情報処理装置30の一動作例を示すフローチャートである。取得部は、ロボット31に割り当てられた作業を取得する(ステップS301)。つぎに、選択部309は、ルール記憶部304から、ルールを選択する(ステップS302)。ステップS302において、選択部309は、例えば、ロボット31が移動する所定の領域に設定されたポリシーに基づいて、ルール記憶部304からルールを選択してもよい。ステップS302において、選択部309は、例えば、属性値記憶部305に記憶された所定の属性の属性値に基づいて、ルール記憶部304からルールを選択する。
【0119】
生成部302は、選択されたルールに基づいて、地図情報を生成する(ステップS303)。特定部307は、ロボット31に送付済みの地図情報と、生成された地図情報と、の差分を特定する(ステップS304)。そして、送信部303は、特定された差分を送信する(ステップS305)。情報処理装置30は、フローの動作を終了する。
【0120】
つぎに、実施の形態3の効果について説明する。ルール記憶部304は、各ポリシーについて、作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶する。情報処理装置30は、所定の領域に設定されたポリシーに基づいて、ルール記憶部304からルールを選択する。生成部302は、選択されたルールと、所定の領域における属性別の属性値と、に基づいて、当該所定の領域へのロボット31の移動可否を表す地図情報を生成する。これにより、情報処理装置30は、各ポリシーに対応するルールから、各領域に設定されたポリシーに基づいて、適切なルールを選択することができる。情報処理装置30は、より適切な地図情報を提供することができる。したがって、ロボット31は、より適切な地図情報を用いて作業を行うことができる。
【0121】
ルール記憶部304は、所定の属性の各属性値について、作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶する。そして、情報処理装置30は、属性値記憶部305に記憶された所定の属性の属性値に基づいて、ルール記憶部304からルールを選択する。情報処理装置30は、選択されたルールと、所定の領域における属性別の属性値と、に基づいて、当該所定の領域へのロボット31の移動可否を表す地図情報を生成する。これにより、情報処理装置30は、複数通りのルールから、動的に変化する属性値に基づいて、適切なルールを選択することができる。情報処理装置30は、より適切な地図情報を提供することができる。したがって、ロボット31は、より適切な地図情報を用いて作業を行うことができる。
【0122】
実施の形態3については上述した例に限られず、種々変更可能である。例えば、実施の形態3では、説明の容易化のために、各装置は、実施の形態2で説明した各機能部を有するとしたが、これに限られない。例えば、実施の形態3にかかる情報処理装置30は、特定部307を有していなくてもよい。このように、実施の形態3にかかるシステムは、適宜一部の機能部を有していなくてもよい。
【0123】
以上で、各実施の形態の説明を終了する。
【0124】
(コンピュータ装置)
つぎに、各情報処理装置や移動体をコンピュータ装置で実現した場合のハードウェア構成例について説明する。図23は、コンピュータ装置のハードウェア構成例を示す説明図である。上述した実施の形態1,2,3で説明した情報処理装置10,20,30、ロボット21,31における各構成要素の一部又は全部は、例えば図23に示すようなコンピュータ装置40とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。
【0125】
コンピュータ装置40は、例えば、プロセッサ401と、ROM402と、RAM403と、記憶装置404と、通信インターフェース405と、入出力インターフェース406と、を有する。各構成部は、バス407を介してそれぞれ接続される。
【0126】
プロセッサ401は、コンピュータ装置40の全体を制御する。プロセッサ401は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などが挙げられる。コンピュータ装置40は、記憶部として、ROM402、RAM403および記憶装置404などを有する。記憶装置404は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置404は、OS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各実施の形態で説明したプログラムなどの各プログラムを記憶する。または、ROM402は、アプリケーションプログラム、各実施の形態で説明したプログラムなどの各プログラムを記憶する。そして、RAM403は、プロセッサ401のワークエリアとして使用される。
【0127】
また、プロセッサ401は、記憶装置404、ROM402などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ401は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ401は、通信ネットワーク43を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、プロセッサ401は、コンピュータ装置40の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ401は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0128】
通信インターフェース405は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワーク43に接続される。これにより、コンピュータ装置40は、通信ネットワーク43を介して外部の装置や外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース405は、通信ネットワーク43とコンピュータ装置40の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース405は、外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0129】
また、入出力インターフェース406は、入力装置、出力装置、および入出力装置の少なくともいずれかに接続される。接続方法は、無線であってもよいし、有線であってもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、マイクなどが挙げられる。出力装置は、例えば、表示装置、点灯装置、音声を出力するスピーカなどが挙げられる。また、入出力装置は、タッチパネルディスプレイなどが挙げられる。なお、入力装置、出力装置、および入出力装置などは、コンピュータ装置に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。
【0130】
図23に示すコンピュータ装置40のハードウェア構成は一例である。コンピュータ装置40は、図23に示す一部の構成要素を有していなくてもよい。コンピュータ装置40は、図23に示す以外の構成要素を有していてもよい。コンピュータ装置40は、図示しない装置を有していてもよい。例えば、コンピュータ装置40は、撮像装置としてカメラを有していてもよい。また、コンピュータ装置40は、各種センサなどを有していてもよい。センサは、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、加速度センサ、近接センサ、光センサなど特に限定されない。また、コンピュータ装置40は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、プロセッサ401は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM403にプログラムやデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0131】
また、コンピュータ装置40が、ロボット21,31などの移動体の場合、プロセッサ401とは別に、移動機能を制御するための装置などを有していてもよい。
【0132】
以上で、各装置のハードウェア構成例の説明を終了する。また、各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、システムは、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0133】
また、情報処理装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、システムの一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、システムの一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0134】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0135】
各実施の形態で説明した方法は、コンピュータ装置が実行することにより実現される。また、方法は、予め用意されたプログラムをコンピュータ装置が実行することにより実現される。各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、本プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、通信ネットワーク43を介して配布されてもよい。
【0136】
以上説明した、各実施の形態におけるシステムの各構成要素は、図23に示すコンピュータ装置40のように、その機能をハードウェア的に実現されてもよい。または、各構成要素は、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現されてもよい。
【0137】
以上、各実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。各開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0138】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0139】
(付記1)
移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、
所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、
前記所定の領域において前記移動体に割り当てられた作業を取得する取得手段と、
取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する生成手段と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する送信手段と、
を備えるシステム。
(付記2)
前記所定の領域は、複数の小領域を含み、
前記属性値記憶手段は、前記複数の小領域の各々における前記各属性の属性値を記憶し、
前記生成手段は、取得された前記作業に応じたルールと、前記複数の小領域における前記各属性の属性値と、に基づいて、前記複数の小領域の各々への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
付記1に記載のシステム。
(付記3)
前記生成手段は、前記複数の小領域のうち、前記移動体の進行方向における小領域への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
付記2に記載のシステム。
(付記4)
前記移動体に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された前記地図情報と、の差分を特定する特定手段、
を備え、
前記送信手段は、前記移動体に対して、前記差分を送信する、
付記2に記載のシステム。
(付記5)
前記特定手段は、送信済みの前記地図情報において移動が禁止されていない小領域のうち、生成された前記地図情報において移動が禁止されている小領域を特定し、
前記送信手段は、前記移動体が特定された前記小領域への移動が禁止されていることを示す情報を送信する、
付記4に記載のシステム。
(付記6)
前記特定手段は、送信済みの前記地図情報において移動が禁止されている小領域のうち、生成された前記地図情報において移動が禁止されていない小領域を特定し、
前記送信手段は、特定された前記小領域への移動が禁止されていないことを示す情報を送信する、
付記4に記載のシステム。
(付記7)
前記特定手段は、前記移動体に対してすでに送信済みの地図情報と、生成された前記地図情報と、の前記移動体の進行方向における前記小領域に関する差分を特定する、
付記4から6のいずれかに記載のシステム。
(付記8)
ルールを選択する選択手段、
を備え、
前記ルール記憶手段は、各ポリシーについて、前記作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶し、
前記選択手段は、前記所定の領域に設定されたポリシーに基づいて、前記ルール記憶手段からルールを選択し、
前記生成手段は、選択された前記ルールと、前記所定の領域における前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
付記1から7のいずれかに記載のシステム。
(付記9)
ルールを選択する選択手段と、
を備え、
前記ルール記憶手段は、所定の属性の各属性値について、前記作業別に、各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶し、
前記選択手段は、前記属性値記憶手段に記憶された前記所定の属性の属性値に基づいて、前記ルール記憶手段からルールを選択し、
前記生成手段は、選択された前記ルールと、前記所定の領域における前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す前記地図情報を生成する、
付記1から7のいずれかに記載のシステム。
(付記10)
移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、
所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、
前記所定の領域において前記移動体に割り当てられた作業を取得する取得手段と、
取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する生成手段と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
(付記11)
所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得し、
前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成し、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する、
方法。
(付記12)
コンピュータに、
所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する処理と、
前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する処理と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する処理と、
を実行させるプログラム。
(付記13)
所定の領域において移動体に割り当てられた作業を取得する処理と、
前記移動体に割り当てられ得る作業別に、各領域の各属性の属性値に対する当該属性値の領域への移動可否を示すルールを記憶するルール記憶手段と、前記所定の領域の前記各属性の属性値を記憶する属性値記憶手段と、を参照して、取得された前記作業に応じたルールと、前記所定の領域の前記各属性の属性値と、に基づいて、当該所定の領域への前記移動体の移動可否を表す地図情報を生成する処理と、
前記移動体に対して、生成された前記地図情報を送信する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録する、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0140】
1 システム
2 システム
10 情報処理装置
20 情報処理装置
21 ロボット
22 ロボット管理装置
23 通信ネットワーク
30 情報処理装置
31 ロボット
40 コンピュータ装置
43 通信ネットワーク
101 取得部
102 生成部
103 送信部
104 ルール記憶部
105 属性値記憶部
201 作業取得部
202 生成部
203 送信部
204 ルール記憶部
205 属性値記憶部
206 データ取得部
207 特定部
208 記憶部
211 作業管理部
212 地図取得部
213 移動制御部
301 作業取得部
302 生成部
303 送信部
304 ルール記憶部
305 属性値記憶部
306 データ取得部
307 特定部
308 記憶部
309 選択部
401 プロセッサ
402 ROM
403 RAM
404 記憶装置
405 通信インターフェース
406 出力インターフェース
407 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図20
図21
図22
図23