(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146174
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】空気循環式清浄機
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20220928BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20220928BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20220928BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20220928BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61L9/20
F24F8/22
F24F8/80 110
F24F8/80 222
F24F8/80 242
F24F8/80 200
A41D13/00 102
A41D13/002
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047003
(22)【出願日】2021-03-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】721000930
【氏名又は名称】中島 慎一
(72)【発明者】
【氏名】中島 慎一
【テーマコード(参考)】
3B011
4C180
【Fターム(参考)】
3B011AC03
3B011AC18
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH19
4C180KK04
4C180KK10
4C180LL11
4C180LL15
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】簡易な構造かつ安価に、気体に含まれる対象物の不活化と、使用者の排出する飛沫などに含まれる対象物の不活化を行うとともに、メンテナンス性と携帯性に優れた空気循環式清浄機を提供する。
【解決手段】空気循環式清浄機1は、対象物を含んだ気体を吸い込む吸入部2と、吸入した気体を通過させる気体通過部3と、前記気体通過部3を通過した気体を排出する排出部4と、前記吸入部2から前記気体通過部3を通過し排出部4へ向かう気体の流れを形成するファン5と、前記気体通過部3内の対象物を不活化させる波長を有する紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eと、前記ファン5と前記紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eに電源を供給する一次電池または二次電池7とを備え、
前記気体通過部3は、直線形状を有する直線部3aと湾曲した形状を有する湾曲部3bを有し、前記吸入部2と前記排出部4は対面して配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を含んだ気体を吸い込む吸入部と、吸入した気体を通過させる気体通過部と、前記気体通過部を通過した気体を排出する排出部と、前記吸入部から前記気体通過部を通過し排出部へ向かう気体の流れを形成するファンと、前記気体通過部内の対象物を不活化させる波長を有する紫外線照射手段と、前記ファンと前記紫外線照射手段に電源を供給する一次電池または二次電池とを備え、
前記気体通過部は、直線形状を有する直線部と湾曲した形状を有する湾曲部を有し、前記吸入部と前記排出部は対面して配置されることを特徴とする空気循環式清浄機。
【請求項2】
前記気体通過部は、U字またはコの字形状を有することを特徴とする請求項1に記載の空気循環式清浄機。
【請求項3】
前記紫外線照射手段は紫外線LEDにより構成され、
該紫外線LEDの中心軸は、前記気体通過部の軸方向に向かって配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気循環式清浄機。
【請求項4】
前記吸入部と一体構造をなす前記気体通過部の直線部と、前記排出部と一体構造をなす前記気体通過部の直線部は、それぞれ先端に行くにつれて両者の距離が縮まる方向に配置されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項5】
前記吸入部に吸入する風向きを制御するルーバーと、前記排出部に排出する風向きを制御するルーバーとをさらに設け、
前記吸入する風向きを制御するルーバーと、前記排出する風向きを制御するルーバーは、前記吸入部および前記排出部から、それぞれ前記気体通過部の中央部に向かって傾きを持つように設定されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項6】
騒音センサをさらに備え、
上記センサによる検出に基づいて、前記ファンの風量を制御することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項7】
バイタルセンサをさらに備え、
上記バイタルセンサによる検出に基づいて、血圧、脈拍、酸素飽和度の何れかまたは複数の数値の変化を検知し、検知結果がある閾値を超えた場合は、音、光、振動の何れかまたは複数にて通知することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項8】
加速度センサ、ジャイロセンサ、人感センサの中の少なくともひとつのセンサをさらに備え、
上記センサによる検出に基づいて、動作の開始または停止、もしくはその両方を行うことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項9】
前記ファンは、ブロアファンであることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項10】
重りをさらに備え、
前記重りは、前記一次電池または二次電池が前記排出部付近に配置された場合は前記吸入部付近に配置され、前記一次電池または二次電池が前記吸入部付近に配置された場合は前記排出部付近に配置されることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項11】
スピーカー、マイク、スマートフォンとの通信手段とを、さらに備えることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項12】
前記気体通過部の内壁は、紫外線反射材料によって構成されていることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【請求項13】
前記紫外線照射手段を停止する動作モードをさらに備えることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の空気循環式清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気循環式清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、密閉した容器の端部に外気の取り入れ口と排出口を設け、この2つの開口部を結んだ管を容器内に収納し、容器内に設置した紫外線LEDや紫外線ランプから紫外線を照射して殺菌を行い、殺菌した空気を容器の排出口の外部に取付けた管を使って、この殺菌装置の利用者の頭部に用いられたマスクやヘルメットに排出する事でこの装置の利用者が殺菌された空気を呼吸する事ができる携帯式の殺菌装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
特許文献2に記載された空気清浄機は、外気を流入させる流入口と内気を流出させる流出口とを有し、流入口と流出口を連通させる流路が内部に設けられた筐体と、流路を流入口側と流出口側とに区画する位置に設けられ、ウイルスを吸着して除去可能なウイルス吸着材と、外気に臨む位置もしくはウイルス吸着材を通過する前の内気に臨む位置に設けられ、ウイルスを検知可能な吸着前センサと、ウイルス吸着材を通過した後の内気を流出口に送り込むファンと、ファンに電力を供給可能なバッテリーと、吸着前センサによってウイルスが検知された状態ではファンを稼働させ、吸着前センサによってウイルスが検知されない状態ではファンを停止させる制御部とを備える構成が提案されている。
【0004】
特許文献3に記載された空気清浄機は、送風機構と、送風機構により外部に送風される空気を浄化する浄化手段と、人物が装着するための装着手段と、送風機構による送風の方向を、第1の方向と第2の方向とに切り替え可能な送風方向切替手段とを備える構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録3227615号
【特許文献2】特開2020-199149号公報
【特許文献3】特開2019-219145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の殺菌装置は、空気に紫外線を照射して殺菌するために、容器内に管や仕切り板が必要となり、体積や重さ、コストが増加する問題がある。また、流路が複雑なため圧力損失が大きく、呼吸への負担やファンに大きな最大静圧が求められる。さらに、利用者は殺菌された空気を吸うために、マスクやヘルメット等の口、鼻、目、耳、頭髪のいずれか、もしくは全部を覆う器具が必要となるため、通常の社会生活を行うことが困難である。
【0007】
上述した特許文献2の空気清浄機は、ウイルスを吸着して除去するためのウイルス吸着材が劣化することから、定期的なメンテナンスが必要となる。また、筐体を首に掛けた状態において、流出口は人の口の近くに配置されるが、流入口は首の背面部分に位置するため、使用者自身が排出する飛沫などに含まれるウイルスを除去することができない。
【0008】
上述した特許文献3の空気清浄機は、感染症のウイルス保菌者と、非感染者が対面する場合に、ウイルス保菌者に対しては呼気を浄化し、非感染者に対しては浄化された空気を吸気とするように空気清浄機の空気の流れを逆向きにするとあるが、そもそもPCR検査等を行っても、偽陽性、偽陰性の可能性があり100%正確な判断はできない。また、無症状期においてもウイルスに感染している場合はかえってウイルスを含んだ飛沫を飛散させてしまう問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な構造かつ安価に、気体に含まれる対象物の不活化と、使用者の排出する飛沫などに含まれる対象物の不活化を行うとともに、メンテナンス性と携帯性に優れた空気循環式清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の空気循環式清浄機は、
対象物を含んだ気体を吸い込む吸入部と、吸入した気体を通過させる気体通過部と、前記気体通過部を通過した気体を排出する排出部と、前記吸入部から前記気体通過部を通過し排出部へ向かう気体の流れを形成するファンと、前記気体通過部内の対象物を不活化させる波長を有する紫外線照射手段と、前記ファンと前記紫外線照射手段に電源を供給する一次電池または二次電池とを備え、
前記気体通過部は、直線形状を有する直線部と湾曲した形状を有する湾曲部を有し、前記吸入部と前記排出部は対面して配置されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記気体通過部は、U字またはコの字形状を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記紫外線照射手段は紫外線LEDにより構成され、
該紫外線LEDの中心軸は、前記気体通過部の軸方向に向かって配置されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記吸入部と一体構造をなす前記気体通過部の直線部と、前記排出部と一体構造をなす前記気体通過部の直線部は、それぞれ先端に行くにつれて両者の距離が縮まる方向に配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記吸入部に吸入する風向きを制御するルーバーと、前記排出部に排出する風向きを制御するルーバーとをさらに設け、
前記吸入する風向きを制御するルーバーと、前記排出する風向きを制御するルーバーは、前記吸入部および前記排出部から、それぞれ前記気体通過部の中央部に向かって傾きを持つように設定されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
騒音センサをさらに備え、
上記センサによる検出に基づいて、前記ファンの風量を制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
バイタルセンサをさらに備え、
上記バイタルセンサによる検出に基づいて、血圧、脈拍、酸素飽和度の何れかまたは複数の数値の変化を検知し、検知結果がある閾値を超えた場合は、音、光、振動の何れかまたは複数にて通知することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
加速度センサ、ジャイロセンサ、人感センサの中の少なくともひとつのセンサをさらに備え、
上記センサによる検出に基づいて、動作の開始または停止、もしくはその両方を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記ファンは、ブロアファンであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
重りをさらに備え、
前記重りは、前記一次電池または二次電池が前記排出部付近に配置された場合は前記吸入部付近に配置され、前記一次電池または二次電池が前記吸入部付近に配置された場合は前記排出部付近に配置されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
スピーカー、マイク、スマートフォンとの通信手段とを、さらに備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記気体通過部の内壁は、紫外線反射材料によって構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の空気循環式清浄機は、
前記紫外線照射手段を停止する動作モードをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な構造かつ安価に、気体に含まれる対象物の不活化と、使用者の排出する飛沫などに含まれる対象物の不活化を行うとともに、メンテナンス性と携帯性に優れた空気循環式清浄機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図2】本発明の空気循環式清浄機の変形例を示す図である。
【
図3】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図4】本発明の空気循環式清浄機の変形例を示す図である。
【
図5】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図6】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図7】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図8】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図9】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図10】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図11】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【
図12】本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第1実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
空気循環式清浄機1は、対象物を含んだ気体を吸い込む吸入部2と、吸入した気体を通過させる気体通過部3と、前記気体通過部3を通過した気体を排出する排出部4と、前記吸入部2から前記気体通過部3を通過し排出部4へ向かう気体の流れを形成するファン5と、前記気体通過部3内の対象物を不活化させる波長を有する紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eと、前記ファン5と前記紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eに電源を供給する一次電池または二次電池7とを備え、
前記気体通過部3は、直線形状を有する直線部3aおよび湾曲した形状を有する湾曲部3bを有する。本実施形態では、湾曲部3bはU字形状であり、前記吸入部2と前記排出部4は対面して配置されるように構成されている。
【0026】
ここで対象物とは、ウイルスや細菌などの病原体や、それらを含んだ飛沫やエアロゾルなどの気体と共に移動するものを指す。
U字形状を有する気体通過部3は、ネックバンド構造になっており、一般的な人物の首に掛けるサイズとなっている。具体的には、小児に合わせると略40cmくらいから、成人に合わせると略80cmくらいの長さを折り曲げた形態となるが、必ずしも長さはこの範囲である必要はない。
また、気体通過部3は、伸縮可能な蛇腹構造や、内径の異なる複数の筒を重なり合わせて連結することで伸び縮みする構造などにより、長さを調整する機構があっても良い。
さらに、一次電池または二次電池7は、前記ファン5と前記紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eを一定時間動作させるのに必要な容量を有している。
【0027】
このような構成によれば、対象物を含んだ気体は、ファン5によって吸入部2から吸入され、気体通過部3において紫外線照射手段6a,6b,6c,6d,6eにより不活化されたのち、排出部4から排出される。
これにより、排出部4付近の気体は対象物が不活化されているので、首に掛けて装着した人物は清浄化された空気を吸入することができる。首に掛けるとは、湾曲部3bが首の後ろ側に接するようにして、直線部3aが首の両側面部を経て体の前側鎖骨付近にかかるような形に配置させることをいう。
また、吸入部2と排出部4は対面して配置されているので、仮に装着している人物が排出部4から排出された気体を吸入したのち、対象物を含んだ気体を排出してしまう場合においても、その対象物を含んだ気体は吸入部2から吸入されて不活化が行われる。
【0028】
このような気体を循環させて対象物の不活化を行う動作によって、装着した人物は清浄化された空気を吸引することができるとともに、仮に装着した人物が対象物を含んだ飛沫などを排出してしまうことがあっても、それら対象物は吸入部2から吸入されたのち不活化される。
すなわち、対象物による装着者への感染が防止されるとともに、仮に装着者が感染者の場合においても、感染の拡大を防止することができる携帯可能な空気循環式清浄機1を提供することができる。
なお、
図1において、紫外線照射手段の数は6a,6b,6c,6d,6eの5個としたが、1個でも何個でも構わない。
また、直線形状を有する直線部3aとは、必ずしも正確な直線である必要はなく、湾曲した形状を有する湾曲部3bよりも曲率が小さければよい。
【0029】
次に、
図2を用いて本発明の空気循環式清浄機の第1実施形態の変形例について図を参照して説明する。
図1との違いは、空気循環式清浄機1aは、湾曲部3bの形状がU字形状ではなくコの字形状になっている点である。その他の符号については、
図1と同様である。
このような構成においても、
図1を用いた第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、湾曲部3bの形状はU字形状やコの字形状に限定されず、V字形状やC字形状など種々の形状が考えられる。
【0030】
<第2実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第2実施形態について図を参照して説明する。
図3は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1bは、紫外線照射手段は紫外線LEDにより構成され、該紫外線LEDの中心軸は、前記気体通過部の軸方向に向かって配置されるように構成されている点である。
【0031】
一般的に、LEDは配光に指向性があることが知られており、中心軸において最も明るくなる。また、紫外線による対象物の不活化効果は、対象物表面の照度に照射時間を乗じることで得られる単位時間あたりのエネルギーで評価される。
【0032】
このような構成によれば、
図3に示すように、紫外線LEDの中心軸が気体通過部3の軸方向に向かって配置されているので、気体通過部3を流れる対象物を含んだ気体に、最も明るく、最も長い時間、紫外線が照射されるので、対象物の不活化を第1実施形態よりも効率よく行うことができる空気循環式清浄機1bを提供することができる。
【0033】
次に、
図4を用いて本発明の空気循環式清浄機の第2実施形態の変形例について図を参照して説明する。
図3との違いは、空気循環式清浄機1cは、気体通過部3の形状がU字形状ではなくコの字形状になっている点である。その他の符号については、
図3と同様である。
図4において、気体通過部3の形状がU字形状ではなくコの字形状になっていることから、紫外線LEDの中心軸が気体通過部3の軸方向に向かって配置される場所は変化するが、このような構成においても、
図3を用いた第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
<第3実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第3実施形態について図を参照して説明する。
図5は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1dは、吸入部2と一体構造をなす気体通過部3の直線部3aと、排出部4と一体構造をなす気体通過部の直線部3aとが、それぞれ先端に行くにつれて両者の距離が縮まる方向に配置される点である。(以下、この配置を「内側に折れ曲がっている形状」と表現する。)
【0035】
本実施形態の空気循環式清浄機の使用例のひとつに、気体通過部3を首に掛ける使い方がある。この時、吸入部2および排出部4は、気体通過部3の長さにもよるが、装着した人物の鎖骨付近に配置される。
この状態においても、排出部4付近の気体は清浄化されており、吸入部2付近の気体は吸入されて清浄化されるが、吸入部2と排出部4が内側に折れ曲がっている形状になることで、吸入部2と排出部4は、装着した人物の口元の方向へ向くように配置される。
【0036】
このような構成によれば、排出部4から排出される気体は、装着した人物の口元に送られるので、装着した人物は清浄化された空気を効率よく吸入することができる。また、吸入部2は装着した人物の口元の方向から気体を吸入するので、装着した人物が対象物を含んだ気体を排出してしまう場合においても、効率よく吸入することができる。
すなわち、第1実施形態よりも、対象物による装着者への感染がいっそう防止されるとともに、仮に装着者が感染者の場合においても、感染の拡大をいっそう防止することができる携帯可能な空気循環式清浄機1dを提供することができる。
なお、本実施形態においては、吸入部2と排出部4は内側に折れ曲がっている形状としたが、装着した人物の口元の方向へ向くのであれば、必ずしも内側に折れ曲がる構造のみに限られず、三次元的に捻れた構造などを含んでも構わない。
【0037】
<第4実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第4実施形態について図を参照して説明する。
図6は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1eは、吸入部2に吸入する風向きを制御するルーバー2aと、排出部4に排出する風向きを制御するルーバー4aとをさらに設けた点である。前記吸入する風向きを制御するルーバー2aと、前記排出する風向きを制御するルーバー4aは、吸入部2および排出部4から、それぞれ気体通過部3の中央部(つまり湾曲部3bの中央部)に向かって傾きを持つように設定される(
図6の符号2と4に示す矢印の方向に傾いている)。
【0038】
第3実施形態と同様に、本実施形態の空気循環式清浄機の使用例のひとつに、気体通過部3を首に掛ける使い方がある。この時、吸入部2および排出部4は、気体通過部3の長さにもよるが、装着した人物の鎖骨付近に配置される。
この状態においても、排出部4付近の気体は清浄化されており、吸入部2付近の気体は吸入されて清浄化されるが、吸入する風向きを制御するルーバー2aの向きと、排出する風向きを制御するルーバー4aの向きを吸入部2および排出部4から、それぞれ気体通過部3の中央部(つまり湾曲部3bの中央部)に向かって傾きを持つように設定することで、吸入する風向きを制御するルーバー2aと、排出する風向きを制御するルーバー4aは、装着した人物の口元の方向へ向くように配置される。
【0039】
このような構成によれば、排出部4から排出される気体は、排出する風向きを制御するルーバー4aによって装着した人物の口元に送られるので、装着した人物は清浄化された空気を効率よく吸入することができる。また、吸入部2は、吸入する風向きを制御するルーバー2aによって装着した人物の口元の方向から気体を吸入するので、装着した人物が対象物を含んだ気体を排出してしまう場合においても、効率よく吸入することができる。
すなわち、本実施形態は第3実施形態と同様の効果が得られるとともに、第3実施形態よりもネックバンド部分の開口を広くすることができるので、第3実施形態よりも着脱が容易になる空気循環式清浄機1eを提供することができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、吸入する風向きを制御するルーバー2aと、排出する風向きを制御するルーバー4aは、吸入部2および排出部4から、それぞれ気体通過部3の中央部(つまり湾曲部3bの中央部)に向かって傾きを持つように設定されるとしたが、装着した人物の口元の方向へ向くのであれば、必ずしも吸入部2および排出部4から、それぞれ気体通過部3の中央部(つまり湾曲部3bの中央部)に向かって傾きを持つ構造のみに限られず、気体通過部3の長さや装着する人物の体形などに応じた適切な傾きを持つ構造などを含んでも構わない。
また、
図6においては、ルーバーの形状は複数の羽板を用いる構造を示したが、風の向きを変えることができるものであれば、この構造に限られるものではない。
さらに、第3実施形態にあるように、吸入部2と排出部4は内側に折れ曲がっている形状としながら、本実施形態にあるように、吸入する風向きを制御するルーバー2aの向きと、排出する風向きを制御するルーバー4aの向きを吸入部2および排出部4から、それぞれ気体通過部3の中央部(つまり湾曲部3bの中央部)に向かって傾きを持つような形状としても構わない。
【0041】
<第5実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第5実施形態について図を参照して説明する。
図7は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1fは、騒音センサ8をさらに備え、上記センサによる検出に基づいて、ファン5の風量を制御するように構成されている点である。
【0042】
具体的には、ファンは風量が多くなると騒音が大きくなり、風量が少なくなると騒音は小さくなることから、騒音センサ8のセンサ情報がある閾値を超えて外部環境の騒音が小さいと判断された場合は、ファン5の風量を少なくするよう制御が行われる。
【0043】
このような構成によれば、静かな環境ではファン5の風量を少なくすることで発生する騒音を抑えることができるので、騒音の気にならない空気循環式清浄機1fを提供することができる。
ここで、閾値の数はひとつとして説明したが、複数あっても構わない。
【0044】
<第6実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第6実施形態について図を参照して説明する。
図8は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1gは、バイタルセンサ9a,9bをさらに備え、上記センサによる検出に基づいて、血圧、脈拍、酸素飽和度の何れかまたは複数の数値の変化を検知し、検知結果がある閾値を超えた場合は、音、光、振動の何れかまたは複数にて通知するように構成されている点である。
【0045】
バイタルセンサ9a,9bは、気体通過部3に、直接または間接的に装着した人物の体表に接するように配置されている。ここで、バイタルセンサは、血圧、脈拍、酸素飽和度の何れかまたは複数の数値の変化を検知するように構成されている。
検知結果がある閾値を超えた場合は、図示しないスピーカーやブザーなどの音、可視光LEDなどの発する光、バイブレーションによる振動の何れかまたは複数によって通知される。
【0046】
このような構成によれば、バイタルセンサにより装着した人物の健康管理ができ、もし何らかの異常が検知された場合は、素早い対応が可能となる空気循環式清浄機1gを提供することができる。
なお、
図8においては、バイタルセンサ9a,9bの個数は2個としたが、この個数に限られるものではない。また、直接または間接的に接する体表は、首だけに限られるものではなく、ケーブル等を介して耳たぶ等にバイタルセンサを取り付けても構わない。
【0047】
<第7実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第7実施形態について図を参照して説明する。
図9は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1hは、加速度センサ10a、ジャイロセンサ10b、人感センサ10cの中の少なくともひとつのセンサをさらに備え、上記センサによる検出に基づいて、動作の開始または停止、もしくはその両方を行うように構成されている点である。
【0048】
ここで、加速度センサ10aは動き、振動、衝撃、落下を検出することが可能であり、ジャイロセンサ10bは姿勢の変化を検出可能であり、人感センサ10cは人物を検出することが可能である。
動き、振動、衝撃、姿勢等の情報から、人物が空気循環式清浄機を装着して活動していることを検知可能である。また、人感センサは空気循環式清浄機を装着していることがわかる。
【0049】
このような構成によれば、これらのセンサの検出結果に基づいて、空気循環式清浄機1hの動作を開始し、どのセンサからも人物の装着や活動の検知がない場合は空気循環式清浄機1hの動作を停止することにより、電源の投入や切断の手間が省けるとともに、電源の切断忘れなどによるバッテリーの消費を防ぐことができる空気循環式清浄機1hを提供することができる。
【0050】
<第8実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第8実施形態について図を参照して説明する。
図10は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1iは、ファンは、ブロアファン5aで構成されている点である。
【0051】
ブロアファンは、シロッコファンとも呼ばれ、軸流ファンとは異なり、風の流れる方向が後方ではなく、吸い込みから吐き出しへ90°変わる特徴を持っている。
このような構成によれば、吸入部2から吸入した気体は、ブロアファン5aにおいて90°の角度をもって吐き出され、気体通過部3を通過して、排出部4から排出される。よって、ブロアファン5aの後方部に気流を流す空間が不要になることから、薄い空気循環式清浄機1iを提供することができる。
【0052】
<第9実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第9実施形態について図を参照して説明する。
図11は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1jは、重り11をさらに備え、前記重り11は、一次電池または二次電池7が排出部4付近に配置された場合は吸入部2付近に配置され、前記一次電池または二次電池7が前記吸入部2付近に配置された場合は前記排出部4付近に配置されるように構成されている点である。
【0053】
一般的に、一次電池または二次電池は重量が大きい。よって、一次電池または二次電池を左右どちらかに配置すると、左右のバランスが悪くなってしまい、装着感が低下してしまう。
図11の本実施形態においては、一次電池または二次電池7が排出部4付近に配置された場合は、吸入部2付近に重り11を配置することで左右のバランスを取っている。図示しないが、一次電池または二次電池7が吸入部2付近に配置された場合は、排出部4付近に重り11を配置することで同様の効果が得られる。
【0054】
このような構成によれば、一次電池または二次電池7を左右どちらに配置しても、左右の重量バランスが良く、装着感に優れた空気循環式清浄機1jを提供することができる。
【0055】
<第10実施形態>
以下に、本発明の空気循環式清浄機の第10実施形態について図を参照して説明する。
図12は本発明の空気循環式清浄機の一例を示す図である。
第1実施形態との違いは、空気循環式清浄機1kは、スピーカー12a,12b、マイク13、スマートフォンとの通信手段14とを、さらに備えるように構成されている点である。
【0056】
スピーカー12a,12bは、周囲への音漏れを抑え、装着した人物にクリアなサウンドが聞こえるように配置されている。マイク13は、ハウリングを抑えるように装着した人物の口元に指向性を持たせている。スマートフォンとの通信手段14は、Bluetooth、またはその後継規格によりスマートフォンと接続する通信手段である。
【0057】
このような構成によれば、ウェアラブルスピーカー、ヘッドセットとしての利用が可能になり、さらにバイタルセンサにより装着した人物の何らかの異常が検知された場合、スマートフォンを経由して遠隔地へ通知することができる空気循環式清浄機1kを提供することができる。
【0058】
空気循環式清浄機の構成は、上記実施形態に限られず、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、気体通過部3の内壁を紫外線反射材料によって構成することにより、紫外線が内壁で反射され気体通過部3内で対象物に対してより多く照射され、ウイルスや細菌を含んだ対象物の不活化の効果がさらに高まるので好適である。
【0059】
くわえて、気体に含まれる対象物の不活化が不要な場合においては、ファンは動作したままで、紫外線照射手段を停止する動作モードをさらに備えることで、一次電池または二次電池7による動作時間の長い、ネックバンド型扇風機としての利用も可能となり、さらに好適である。
【符号の説明】
【0060】
1,1a,1b,1c,1d,1e,
1f,1g,1h,1i,1j,1k 空気循環式清浄機
2 吸入部
2a 吸入する風向きを制御するルーバー
3 気体通過部
3a 直線部
3b 湾曲部
4 排出部
4a 排出する風向きを制御するルーバー
5 ファン
5a ブロアファン
6a,6b,6c,6d,6e 紫外線照射手段
7 一次電池または二次電池
8 騒音センサ
9a,9b バイタルセンサ
10a 加速度センサ
10b ジャイロセンサ
10c 人感センサ
11 重り
12a,12b スピーカー
13 マイク
14 通信手段