IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社新陽社の特許一覧

<>
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図1
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図2
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図3
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図4
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図5
  • 特開-可視光を用いた情報通信システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146180
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】可視光を用いた情報通信システム
(51)【国際特許分類】
   G09D 1/00 20060101AFI20220928BHJP
   B61L 25/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G09D1/00 H
B61L25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047013
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】390025737
【氏名又は名称】株式会社新陽社
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 直史
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161DD22
5H161GG03
5H161GG11
5H161GG22
(57)【要約】
【課題】可視光通信を使用して駅利用者等のユーザに情報を提供する可視光を用いた情報通信システム、当該システムに用いる方法及び当該システムに手順を実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】可視光を用いた情報通信システムであって、駅の旅客案内装置1と接続された照明可視光通信制御装置8等の機器制御装置と、可視光素子を備えた、LED照明9等の機器を有し、前記機器制御装置は、駅の旅客案内装置1から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力し、前記機器は、調光命令に応じた明るさの光を出力する構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光を用いた情報通信システムであって、
駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、
可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置は、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力し、
前記機器は、調光命令に応じた明るさの光を出力することを特徴とする、情報通信システム。
【請求項2】
前記機器が、照明であることを特徴とする、請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記機器が、掲示器であることを特徴とする、請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項4】
可視光を用いた情報通信システムに用いる方法であって、
前記情報通信システムは、駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置が、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力するステップと、
前記機器が、調光命令に応じた明るさの光を出力するステップを有することを特徴とする、方法。
【請求項5】
可視光を用いた情報通信システムに手順を実行させるプログラムであって、
前記情報通信システムは、駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置に、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力する、第1の出力手段として機能させ、
前記機器に、調光命令に応じた明るさの光を出力する、第2の出力手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可視光を用いた情報通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN等の無線通信が広く用いられている。しかし、電磁波の人体への影響から送信電力を上げることができないという問題がある。また、無線通信を行う場合、電磁波によって、周辺機器が誤動作を引き起こさないように配慮する必要がある。
【0003】
そのような状況において、最近、人が目に見える波長の光を使って情報通信を行う可視光通信の技術が開発されている。LED(=Light Emitting Diode)は、半導体デバイスであるため、人の目で認識できない程高速で点滅(ON/OFF)させることができる。そのため、可視光通信では、光を使って情報を送信する送信機としてLED等の可視光素子を用いる。そして、出力された光を受信する受信機としては、例えば、この光を撮影することで受信するカメラを用いる。
【0004】
可視光は人体にとって安全なため、数W(ワット)といった高い電力を用いて、そのまま出力する事ができる。また、光を使用した無線通信なので、電磁波による周辺機器の誤動作に配慮する必要がない。
【0005】
例えば、特許文献1では、第2制御部が、可視光通信データに対応する複数の調光指令値を順番に、第1制御部に送信することで、可視光通信データによって、照明器具内のメモリを大型化させることのない可視光通信用照明器具の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-096227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、駅の構内やプラットホーム上では、照明、掲示器、信号機といった多くの機器に、LED等の可視光素子が使用されている。そして、駅利用者等のユーザから、駅の構内やプラットホーム上に設置された掲示板や掲示器を見に行くことなく、必要な情報をタイムリーに手に入れたいという潜在的な要請がある。
【0008】
そこで、上記問題点に対処するため、可視光通信を使用して駅利用者等のユーザに情報を提供する、可視光を用いた情報通信システム、当該システムに用いる方法及び当該システムに手順を実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
可視光を用いた情報通信システムであって、
駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、
可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置は、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力し、
前記機器は、調光命令に応じた明るさの光を出力する、情報通信システムとした。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、
前記機器が、照明である、請求項1に記載の情報通信システムとした。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、
前記機器が、掲示器である、請求項1に記載の情報通信システムとした。
【0012】
請求項4に係る発明は、
可視光を用いた情報通信システムに用いる方法であって、
前記情報通信システムは、駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置が、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力するステップと、
前記機器が、調光命令に応じた明るさの光を出力するステップを有する、方法とした。
【0013】
請求項5に係る発明は、
可視光を用いた情報通信システムに手順を実行させるプログラムであって、
前記情報通信システムは、駅の旅客案内装置と接続された機器制御装置と、可視光素子を備えた機器を有し、
前記機器制御装置に、駅の旅客案内装置から情報を受信すると、当該情報に対応する調光命令を前記機器に出力する、第1の出力手段として機能させ、
前記機器に、調光命令に応じた明るさの光を出力する、第2の出力手段として機能させる、プログラムとした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、駅利用者等のユーザは、駅の構内やプラットホーム上に設置された掲示板や掲示器を見に行ったりすることなく、移動せずに必要な情報を手に入れることができ、便宜である。また、タイムリーに運行情報等を得ることができれば、より効率的な行動をすることができ、駅利用者等のユーザにとって便宜である。
【0015】
また、駅では、照明や掲示器等、LED等の可視光素子を備えた機器が、既に多くの場所で設置されており、当該機器に通信機能を付加するだけで無線通信環境が構築でき、便宜である。更に、可視光を使用した無線通信であるため、駅に既に設置されている機器を、電磁波によって誤動作させる危険性に配慮する必要がなく、便宜である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態例1の情報通信システムの概略構成図である。
図2】この発明の実施の形態例1の情報通信システム内の照明可視光通信制御装置の全体的な構成を例示的に示す概念図である。
図3】この発明の実施の形態例1の情報通信システム内の発車標制御装置の全体的な構成を例示的に示す概念図である。
図4】この発明の実施の形態例1の情報通信システム内のユーザ端末の全体的な構成を例示的に示す概念図である。
図5】この発明の実施の形態例1の情報通信システムの動作の流れを示す流れ図である。
図6】この発明の実施の形態例1の情報通信システムの使用状況を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態例1)
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態例1を詳細に説明する。ただし、本実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
<情報通信システムの構成>
まず、駅の既設のシステムについて説明する。
【0019】
鉄道の各駅には、各プラットホーム16(=ホーム)の各番線に発着する電車又は列車等の情報が記憶された旅客案内装置1が設けられている。旅客案内装置1は、発車標を構成する発車標制御装置2、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6と、乗車口案内を構成する乗車口案内制御装置4及び乗車口案内表示器7と、案内放送装置(図示省略)を制御し、実施ダイヤグラム、次列車の在線位置等の運行状況にあわせて、駅利用者へ次列車の発車時刻、行先、列車の種別、発車番線、停車駅などを自動案内する。そして旅客案内装置1は、運行乱れが発生した場合は、改札系LED表示器5(掲示器の一例)、ホーム系LED表示器6(掲示器の一例)、案内放送装置にて、列車が遅延している旨の情報、遅れ時分などの旅客案内情報を駅利用者等のユーザへ伝達する。
【0020】
また、旅客案内装置1には、発車標制御装置2が接続されていると共に、分配器3を介して乗車口案内制御装置4、及び照明可視光通信制御装置8が接続されている。旅客案内装置1は、発車標制御情報を発車標制御装置2に出力すると共に、照明可視光通信制御装置8に乗車口制御情報を出力する。
【0021】
そして、発車標制御装置2は、旅客案内装置1から発車標制御情報を受信し、当該発車標制御情報を照明可視光通信制御装置8に出力する。また、発車標制御装置2は、旅客案内装置1から受信した発車標制御情報を、LEDが、例えばマトリクス状(=格子状)に配列された改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6に表示させるため、どの部分のLEDを点灯させ、どの部分のLEDを消灯するといった点灯箇所の情報に変換して、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6に出力する。なお、「発車標制御情報」とは、例えば、次列車の発車時刻、路線(山手線とか横浜線など)、行先、列車の種別(特急、急行、各駅停車など)、発車番線、停車駅、車両数、軌道信号に係る情報(接近、通過、出発、繰り上げなど)である。
【0022】
また、乗車口案内制御装置4は、分配器3を介して、旅客案内装置1から乗車口制御情報を受信し、当該乗車口制御情報を、LEDが、例えばマトリクス状(=格子状)に配列された乗車口案内表示器7に表示させるため、どの部分のLEDを点灯させ、どの部分のLEDを消灯するといった点灯箇所の情報に変換して、乗車口案内表示器7に出力する。なお、「乗車口制御情報」とは、例えば、幹線(東海道本線や新幹線など)や特急(成田エクスプレスなど)のグリーン車両や指定席、自由席情報、号車情報である。
【0023】
従って、本実施の形態例1に係る情報通信システムでは、旅客案内装置1から発車標制御装置2を介して受信した発車標制御情報と、旅客案内装置1から受信した乗車口制御情報に基づき、照明可視光通信制御装置8が、各プラットホーム16の各番線上に設けた各LED照明9に、可視光通信を行わせる制御を行う。以下、照明可視光通信制御装置8について、詳しく説明する。
【0024】
<照明可視光通信制御装置8の構成>
照明可視光通信制御装置8(機器制御装置の一例)は、情報処理装置であって、図2に示すように、CPU(=Central Processing Unit)等の制御手段81と、RAM(=Random Access Memory)82、ROM(=Read Only Memory)83、HD(=Hard Disk)84、インタフェイス87、これらの機器を接続するバス88を有している。
【0025】
制御手段81は、HD84等に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し様々な機能を実現する。また、RAM82にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶させる。特に、制御手段81は、旅客案内装置1から発車標制御装置2を介して受信した発車標制御情報と、旅客案内装置1から受信した乗車口制御情報を、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を各LED照明9に出力する制御を行う。あるいは、制御手段81は、受信した発車標制御情報及び乗車口制御情報をHD84の制御情報記憶領域841に記憶させ、記憶させた情報を呼び出して、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を各LED照明9に出力する制御を行う。
【0026】
RAM82は各種データ、プログラム等を一時的に記憶するためのものであり、制御手段81の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM83は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データ等を記憶する。
【0027】
HD84は補助記憶装置であり、大容量メモリとして機能する。HD84には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等を記憶する。
【0028】
また、HD84内には、制御情報記憶領域841が設けられている。制御情報記憶領域841には、旅客案内装置1から発車標制御装置2を介して受信した発車標制御情報と、旅客案内装置1から受信した乗車口制御情報を記憶する。
【0029】
87はインタフェイスであり、このインタフェイス87を介して、照明可視光通信制御装置8は、LED照明9等の他の装置との情報や命令のやり取りを行う。バス88は、照明可視光通信制御装置8内の情報・命令の流れを司るものである。
【0030】
<発車標可視光通信制御手段21の構成>
また、本実施の形態例1に係る情報通信システムでは、発車標制御装置2内に、発車標可視光通信制御手段21が設けられている。以下、発車標制御装置2について、詳しく説明する。
【0031】
発車標制御装置2(機器制御装置の一例)は、情報処理装置であって、図3に示すように、CPU(=Central Processing Unit)あるいはMPU(=Micro Processor Unit)等の発車標制御手段21及び発車標可視光通信制御手段25と、RAM22(=Random Access Memory)22、ROM(=Read Only Memory)23、HD(=Hard Disk)24、インタフェイス27、これらの機器を接続するバス28を有している。なお、発車標可視光通信制御手段25は、CPUあるいはMPU等の発車標制御手段21が実行する制御(処理)の一部を、説明の便宜上、区別・明確化したものである。
【0032】
発車標制御手段21及び発車標可視光通信制御手段25は、HD24等に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し様々な機能を実現する。また、RAM22にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶させる。特に、発車標制御手段21は、上述したように、旅客案内装置1から受信した発車標制御情報を、点灯箇所の情報に変換して、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6に出力する制御を行う。
【0033】
また、発車標可視光通信制御手段25は、旅客案内装置1から受信した発車標制御情報及び乗車口制御情報を、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6に出力する制御を行う。あるいは、発車標可視光通信制御手段25は、受信した発車標制御情報及び乗車口制御情報をHD24の制御情報記憶領域241に記憶させ、記憶させた制御情報を呼び出して、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6に出力する制御を行う。
【0034】
RAM22は各種データ、プログラム等を一時的に記憶するためのものであり、発車標制御手段21及び発車標可視光通信制御手段25の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM23は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データ等を記憶する。
【0035】
HD24は補助記憶装置であり、大容量メモリとして機能する。HD24には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等を記憶する。
【0036】
また、HD24内には、制御情報記憶領域241が設けられている。制御情報記憶領域241には、旅客案内装置1から受信した発車標制御情報及び乗車口制御情報を記憶する。
【0037】
27はインタフェイスであり、このインタフェイス27を介して、発車標制御装置2は、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6等の他の装置との情報や命令のやり取りを行う。バス28は、発車標制御装置2内の情報・命令の流れを司るものである。
【0038】
<LED照明9、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6の構成>
LED照明9(可視光素子を備えた機器の一例)、改札系LED表示器5(可視光素子を備えた機器の一例)及びホーム系LED表示器6(可視光素子を備えた機器の一例)は、可視光素子であるLEDが使用されており、照明可視光通信制御装置8、あるいは発車標制御装置2から調光命令を受信すると、調光命令に応じた明るさの光(光信号)を周囲に出力する。なお、出力される光は、光信号としての役割を果たすものであるため、高速で点滅している。あるいは、出力される光は、滅灯するレベルまでの振幅ではないが、高速で明暗が替わる(明るさが変わる)。いずれの構成であっても、出力される光によって情報を伝達する構成であれば良い。
【0039】
なお、調光命令に応じた明るさの光(光信号)を出力する可視光素子として用いるLEDは、LED照明9等で使用されているLEDの一部、または全部である。
【0040】
<ユーザ端末10の構成>
駅利用者等のユーザは、LED照明9、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6から調光命令に応じた明るさの光(光信号)を受信可能なスマートフォン、タブレット型PC(=Personal Computer)等のデジタルカメラを備えたユーザ端末10を保持している。
【0041】
ユーザ端末10は、図4に示すように、受信した光信号を文字情報等に変換し、表示手段12上に表示させるCPU等の制御手段11と、変換した文字情報等を表示する液晶ディスプレイ等の表示手段12と、タッチパネル等の入力手段13と、変換した文字情報等を記憶する、HD又はフラッシュメモリ等の記憶手段14と、デジタルカメラ等の撮影することで、光信号を受信する光信号受信手段15を少なくとも有している。
【0042】
また、ユーザ端末10が、受信した光信号を文字情報等に変換し、表示手段12上に表示させる形式としては、例えば、駅利用者等のユーザに、制御手段11に受信した光信号を文字情報等に変換させ、表示手段12上に表示させる制御を行わせるアプリケーションプログラムを、自身のユーザ端末10に、ダウンロード・インストールさせておく。その結果、ユーザ端末10を保持したユーザが、改札系LED表示器5、あるいはLED照明9等に近づくと、発車標制御情報等が、表示手段12上に表示される。
【0043】
<情報通信システムの動作>
次に、本実施の形態例1に係る情報通信システムの動作の流れについて、図5を用いて、説明する。ここでは、各LED照明9が、光信号を周囲に出力する場合で説明する。
【0044】
照明可視光通信制御装置81は、旅客案内装置1から発車標制御装置2を介して発車標制御情報を受信すると、あるいは、旅客案内装置1から乗車口制御情報を受信すると、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を各LED照明9に出力する(ステップS501)。LED照明9は、照明可視光通信制御装置8から調光命令を受信すると、調光命令に応じた明るさの光(光信号)を周囲に出力する(ステップS502)。そして、ユーザ端末10を保持したユーザが、いずれかのLED照明9に近づくと、発車標制御情報等が、表示手段12上に表示される(ステップS503)。
【0045】
このように、本実施の形態例1に係る情報通信システムによって、図6に示すように、駅利用者等のユーザは、駅の構内やプラットホーム16上に設置された掲示板や掲示器を見に行ったりすることなく、移動せずに必要な情報を、ユーザ端末10を通じて手に入れることができ、便宜である。また、タイムリーに運行情報等を得ることができれば、より効率的な行動をすることができ、駅利用者等のユーザにとって便宜である。
【0046】
また、駅では、照明や掲示器等、LED等の可視光素子を備えた機器が、既に多くの場所で設置されており、当該機器に通信機能を付加するだけで無線通信環境が構築でき、便宜である。更に、可視光を使用した無線通信であるため、駅に既に設置されている機器を、電磁波によって誤動作させる危険性に配慮する必要がなく、便宜である。
【0047】
なお、本実施の形態例1で示したように、発車標制御情報等を受信し、対応する調光命令に変換し、当該調光命令を、各LED照明9等の可視光素子を備えた機器に出力するのは、照明可視光通信制御装置8のように、独立した情報処理装置を設ける構成であっても、発車標可視光通信制御手段25のように、既存の情報処理装置に別途新たに機能を持たせる構成としても良い。
【0048】
また、本実施の形態例1では、旅客案内装置1から発車標制御情報及び乗車口制御情報を受信し、ユーザ端末10にこれらの情報を表示させる構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、当該列車が混んでるか否か、何両目が空いてるか等の情報を車両に設けられたLED等の可視光素子から出力させ、ユーザ端末10に表示させる構成としても良い。
【0049】
また、本実施の形態例1では、LED照明9、改札系LED表示器5及びホーム系LED表示器6を、可視光素子を備えた機器として、情報通信システムで利用する構成について説明したが、これは一例であって、LED等の可視光素子を備えた機器であれば、これら以外の機器も本発明に係る情報通信システムで利用することができる。
【0050】
また、本実施の形態例1では、ユーザ端末10に表示させる情報が、発車標制御情報及び乗車口制御情報である場合で説明したが、この構成に限定されるものではなく、ユーザ端末10に表示させる情報は、駅の旅客案内装置1から出力可能な情報であれば良い。
【符号の説明】
【0051】
1:旅客案内装置、10:ユーザ端末、11:制御手段、12:表示手段、13:入力手段、14:記憶手段、15:光信号受信手段、16:プラットホーム、2:発車標制御装置、21:発車標制御手段、22:RAM、23:ROM、24:HD、241:制御情報記憶領域、25:発車標可視光通信制御手段、27:インタフェイス、28:バス、3:分配器、4:乗車口案内制御装置、5:改札系LED表示器、6:ホーム系LED表示器、7:乗車口案内表示器、8:照明可視光通信制御装置、81:制御手段、82:RAM、83:ROM、84:HD、841:制御情報記憶領域、87:インタフェイス、88:バス、9:LED照明

図1
図2
図3
図4
図5
図6