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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146186
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】車室監視装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20220928BHJP
   B60H 1/34 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B60H1/00 101Q
B60H1/34 651B
B60H1/00 102R
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047020
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 秀人
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA41
3L211EA01
3L211EA11
(57)【要約】
【課題】車室監視装置において、ドライバの状態を明瞭に監視し、照明ユニットを効率的に放熱する。
【解決手段】本発明の車室監視装置は、車室内の運転席に着座するドライバの顔を含む対象領域を撮像可能とする撮像ユニットと、対象領域を照明可能とする照明ユニットとを有し、照明ユニットを用いて対象領域を照明しながら撮像ユニットを用いて対象領域を撮像することによって得られた画像に基づいて車室内の状態を監視する。さらに、車室監視装置においては、インストルメントパネルの車両幅方向の中央領域内に、空調風を送る吹き出し口と、この吹き出し口に空調風を導く送風ダクトとが設けられ、照明ユニットが、インストルメントパネルの中央領域内で、吹き出し口に対して車両幅方向の助手席寄りに配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の運転席に着座するドライバの顔を含む前記車室内の対象領域を撮像可能とするように構成される撮像ユニットと、
前記対象領域を照明可能とするように構成される照明ユニットと
を備え、
前記照明ユニットを用いて前記対象領域を照明しながら前記撮像ユニットを用いて前記対象領域を撮像することによって得られた画像に基づいて前記車室内の状態を監視するように構成される車室監視装置であって、
前記車室内で車両前方寄りに位置するインストルメントパネルの車両幅方向の中央領域内に、前記車室内の温度及び湿度を調節可能とすべく空調風を送るように構成される吹き出し口と、前記吹き出し口に前記空調風を導くように構成される送風ダクトとが設けられており、
前記照明ユニットが、前記インストルメントパネルの中央領域内で、前記吹き出し口に対して前記車両幅方向の助手席寄りに配置されている、車室監視装置。
【請求項2】
前記照明ユニットの一部又は全部が、前記吹き出し口の一部に対して下方に位置し、かつこの吹き出し口の一部と上下方向に並ぶように配置されている、請求項1に記載の車室監視装置。
【請求項3】
前記インストルメントパネルの中央領域内に、上下方向に並ぶ前記照明ユニットの一部又は全部及び前記吹き出し口の一部の間を隔てる仕切り部が設けられ、
前記仕切り部が、上方から下方に向かうに従って前記車両幅方向にて運転席に接近するように傾斜している、請求項2に記載の車室監視装置。
【請求項4】
前記送風ダクトが、前記吹き出し口に対して車両前方側に位置すると共に前記吹き出し口に隣接する本体部と、前記本体部から前記車両幅方向の助手席側に張り出すように構成される張り出し部とを有し、
前記照明ユニットの一部又は全部が、前記張り出し部に対して下方に位置し、かつこの張り出し部と上下方向に並ぶように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の車室監視装置。
【請求項5】
前記照明ユニットが、光を射出可能に構成される発光器と、前記発光器から射出された光を前記車室内に向けて通すことができるように構成される照明レンズとを有し、
前記インストルメントパネルの中央領域内に、前記送風ダクトに対して車両前方側に位置すると共に前記送風ダクトに隣接する導風ダクトが設けられ、
前記導風ダクトが、前記空調風を前記導風ダクトから前記送風ダクトを通って前記吹き出し口に導くように延びており、
前記発光器は、前記導風ダクトの延伸方向に沿って前記照明レンズから延びるように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の車室監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内の状態を監視するように構成される車室監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両においては、例えば、車室内の乗員、特に、ドライバの居眠りの有無、ドライバのわき見の有無、車室内への侵入者の有無等のような車室内の状態を監視可能とするように構成される車室監視装置が搭載されることがある。典型的に、車室監視装置は、車室内の対象領域を撮像可能とするカメラ等の撮像ユニットと、対象領域を照明可能とする照明ユニットとを有する。さらに、車室監視装置は、照明ユニットを用いて対象領域を照明しながら撮像ユニットを用いて対象領域を撮像することによって得られた画像から、車室内の状態を監視する。
【0003】
このような車室監視装置の一例としては、画像表示手段上に配置されるカメラ等の撮像手段(撮像ユニット)及び発光手段(照明ユニット)を有し、車室内に不審者が侵入し、かつ車室内の照度が十分でない場合に、発光手段が発光し、かつ撮像手段が不審者を撮像する、カメラ機能付きナビゲーションシステムが挙げられる。(例えば、特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-200936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車室監視装置の一例においては、撮像ユニット及び照明ユニットが、不審者の有無を判断するために用いられるに過ぎない。このような車室監視装置にて得られた画像によっては、車室内の乗員、特に、ドライバの居眠りの有無、ドライバのわき見の有無等のような状態を明瞭に監視することができない。
【0006】
さらに、車室監視装置の一例においては、照明ユニットが、発熱し易いディスプレイ等の画像表示手段上に配置される。そのため、照明ユニットが十分に放熱されず、ひいては、照明ユニットに熱負荷(熱劣化)が生じ、かつ照明ユニットの寿命が低下するおそれがある。
【0007】
このような実情を鑑みると、車室監視装置においては、ドライバの状態を明瞭に監視すること、照明ユニットを効率的に放熱することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するために、一態様に係る車室監視装置は、車室内の運転席に着座するドライバの顔を含む前記車室内の対象領域を撮像可能とするように構成される撮像ユニットと、前記対象領域を照明可能とするように構成される照明ユニットとを備え、前記照明ユニットを用いて前記対象領域を照明しながら前記撮像ユニットを用いて前記対象領域を撮像することによって得られた画像に基づいて前記車室内の状態を監視するように構成される車室監視装置であって、前記車室内で車両前方寄りに位置するインストルメントパネルの車両幅方向の中央領域内に、前記車室内の温度及び湿度を調節可能とすべく空調風を送るように構成される吹き出し口と、前記吹き出し口に前記空調風を導くように構成される送風ダクトとが設けられており、前記照明ユニットが、前記インストルメントパネルの中央領域内で、前記吹き出し口に対して前記車両幅方向の助手席寄りに配置されている。
【発明の効果】
【0009】
一態様に係る車室監視装置においては、ドライバの状態を明瞭に監視することができ、照明ユニットを効率的に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る車室監視装置を有する車両用インストルメントパネル及びその周辺部品を概略的に示す正面図である。
図2図2は、一実施形態に係る車室監視装置を有する車両用インストルメントパネルの車両幅方向の中央領域及びその周辺領域を概略的に示す正面図である。
図3図3は、図2のX-X線断面図である。
図4図4は、図2のY-Y線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態に係る車室監視装置について説明する。なお、本実施形態に係る車室監視装置は車室内に設置され、かかる車室を設けた車両は自動車となっている。しかしながら、車両は、ドライバ等の乗員が搭乗可能な車室を設けた自動車以外の車両とすることができる。
【0012】
本明細書中の説明に用いられる図1図4においては、車両を基準とした方向を次のように示す。図3及び図4においては、車両前方及び車両後方を、それぞれ片側矢印F及び片側矢印Bによって示す。図1図3においては、車両前方を向いた場合の左方及び右方を、それぞれ片側矢印L及び片側矢印Rによって示す。車両幅方向は、片側矢印L及び片側矢印Rによって示される。さらに、図1図2、及び図4においては、車両上方及び車両下方を、それぞれ片側矢印U及び片側矢印Dによって示す。
【0013】
「車室監視装置の概略」
図1図4を参照して、本実施形態に係る車室監視装置10の概略を説明する。すなわち、車室監視装置10は、概略的には以下のように構成される。図1及び図2に示すように、車室監視装置10は、車室1内の対象領域を撮像可能とするように構成される撮像ユニット20を有する。対象領域は、車室1内の運転席(図示せず)に着座するドライバの顔(図示せず)を含んだ領域となっている。
【0014】
図1図4に示すように、車室監視装置10は、対象領域を照明可能とするように構成される照明ユニット30を有する。車室監視装置10は、照明ユニット30を用いて対象領域を照明しながら撮像ユニット20を用いて対象領域を撮像することによって得られた画像に基づいて車室1内の状態を監視するように構成されている。
【0015】
車室1内には、車両前方寄りにインストルメントパネル2が設けられる。インストルメントパネル2の車両幅方向の中央領域2a内には、車室1内の温度及び湿度を調節可能とすべく空調風を送るように構成される吹き出し口41が設けられている。なお、図2図4において、空調風の流れを片側矢印Wにより示す。
【0016】
さらに、図3及び図4に示すように、インストルメントパネル2の中央領域2a内には、吹き出し口41に空調風を導くように構成される送風ダクト42が設けられている。図1及び図2に示すように、照明ユニット30は、インストルメントパネル2の中央領域2a内で、吹き出し口41に対して車両幅方向の助手席(図示せず)寄りに配置されている。
【0017】
さらに、車室監視装置10は、概略的には以下のように構成することができる。図2に示すように、照明ユニット30の一部又は全部が、吹き出し口41の一部に対して下方に位置し、かつこの吹き出し口41の一部と上下方向に並ぶように配置されている。
【0018】
インストルメントパネル2の中央領域2a内に、上下方向に並ぶ照明ユニット30の一部又は全部及び吹き出し口の41一部の間を隔てる仕切り部43aが設けられている。仕切り部43aは、上方から下方に向かうに従って車両幅方向にて運転席に接近するように傾斜している。
【0019】
図3に示すように、送風ダクト42は、吹き出し口41に対して車両前方側に位置すると共に吹き出し口41に隣接する本体部42aを有する。図3及び図4に示すように、送風ダクト42は、本体部42a車両幅方向の助手席側に張り出すように構成される張り出し部42bを有する。照明ユニット30の一部又は全部は、張り出し部42bに対して下方に位置し、かつこの張り出し部42bと上下方向に並ぶように配置されている。
【0020】
照明ユニット30は、光を射出可能に構成される発光器31を有する。照明ユニット30は、発光器31から射出された光を車室1内に向けて通すことができるように構成される照明レンズ32を有する。インストルメントパネル2の中央領域2a内に、送風ダクト42に対して車両前方側に位置すると共に送風ダクト42に隣接する導風ダクト44が設けられる。
【0021】
導風ダクト44が、空調風を導風ダクト44から送風ダクト42を通って吹き出し口41に導くように延びている。発光器31は、導風ダクト44の延伸方向に沿って照明レンズ32から延びるように配置されている。
【0022】
「車室の詳細」
図1及び図2を参照すると、車室1は、詳細には以下のように構成することができる。車室1内のインストルメントパネル2には、その中央領域2aに対して車両幅方向の一方側にはステアリングホイール3が取り付けられる。車室1内の運転席(図示せず)は、このステアリングホイール3に対して車両後方側に位置すると共にステアリングホイール3と対向するように位置する。車室1内の助手席(図示せず)は、車両幅方向にてインストルメントパネル2の中央領域2aに対して運転席とは反対側に位置する。
【0023】
図1においては、ステアリングホイール3は、インストルメントパネル2の中央領域2aに対して右方に位置する。そのため、運転席は、インストルメントパネル2の中央領域2aに対して右方に位置し、かつ助手席は、インストルメントパネル2の中央領域2aに対して左方に位置する。かかる車両は、いわゆる右ハンドル仕様車となっている。しかしながら、車両は、左ハンドル仕様車とすることもできる。
【0024】
図1及び図2に示すように、車室1内におけるインストルメントパネル2の中央領域2aには、ドライバ等の乗員に向けて情報を表示可能とするように構成される表示パネル4aを有する表示ユニット4が設けられる。表示ユニット4は、吹き出し口41に対して上方に位置する。さらに、表示ユニット4は、表示パネル4aの外周を囲むように配置されるフレーム4bを有する。
【0025】
さらに、表示ユニット4は、カーナビゲーションシステムの構成部品となっている。しかしながら、表示ユニットは、乗員、特に、ドライバに向けて情報を表示可能とするように構成される表示面を有するカーナビゲーションシステム以外の構成部品とすることもできる。例えば、表示ユニットは、スピードメータ、タコメータ等を有するメーターパネル、オーディオユニット、空調ユニット等の構成部品とすることもできる。
【0026】
車室1には、上記吹き出し口41、送風ダクト42、及び導風ダクト44を含む空調装置40が設けられる。空調装置40は、車室1内を向くと共にインストルメントパネル2の中央領域2aの表面に沿って配置される表面部材43を有する。この表面部材43が上記仕切り部43aを含む。表面部材43は、各吹き出し口41及び照明ユニット30の照明レンズ32を囲むように形成される。
【0027】
「車室監視装置及び空調装置の詳細」
図1図4を参照すると、本実施形態に係る車室監視装置10及び空調装置40は、詳細には以下のように構成することができる。撮像ユニット20は、静止画及び動画を取得可能に構成される。撮像ユニット20はカメラとなっている。しかしながら、撮像ユニットは、カメラ以外とすることもできる。
【0028】
図1及び図2に示すように、撮像ユニット20は、上記対象領域を撮像するために用いられる撮像レンズ21を有する。撮像レンズ21は、表示ユニット4のフレーム4bに配置される。より具体的には、撮像レンズ21は、表示ユニット4の表示パネル4aに対して車両幅方向にて運転席側に位置する表示ユニット4のフレーム4bの側縁部4cに配置される。
【0029】
図1に示すように、撮像レンズ21は、ステアリングホイール3の回転軸線3aよりも上方に位置する。さらに、撮像レンズ21は、ステアリングホイール3よりも上方に位置することができる。
【0030】
図3及び図4を参照すると、照明ユニット30の発光器31は、LED(発光ダイオード)を用いて構成される。しかしながら、発光器は、LED以外の発光手段を用いて構成することができる。例えば、発光手段は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、白熱灯等とすることもできる。
【0031】
図1及び図2に示すように、照明ユニット30、特に、その照明レンズ32は、表示ユニット4の表示パネル4aに対して車両幅方向の助手席側に位置する。照明レンズ32は、インストルメントパネル2の中央領域2aを貫通するように形成されるレンズ挿入孔2bに挿入されている。照明レンズ32の表面は、インストルメントパネル2の中央領域2aの表面に沿って配置される。
【0032】
図2に示すように、照明レンズ32は、車両幅方向にて運転席側に位置する第1側方部32aと、車両幅方向にて助手席側に位置する第2側方部32bとを有する。照明レンズ32の第1及び第2側方部32a,32bは、車両幅方向に互いに隣接する。第1側方部32aは、車両幅方向にて運転席側に位置する側方縁32cを有する。照明レンズ32の第1側方部32aの側方縁32cは、上方から下方に向かうに従って車両幅方向にて運転席に接近するように傾斜している。
【0033】
図3に示すように、照明ユニット30の発光器31は、照明レンズ32の第1側方部32aに対して車両前方に位置すると共にこの第1側方部32aに隣接する第1側方部31aを有する。発光器31はまた、照明レンズ32の第2側方部32bに対して車両前方に位置すると共にこの第2側方部32bに隣接する第2側方部31bを有する。発光器31の第1及び第2側方部31a,31bは、車両幅方向に互いに隣接する。
【0034】
図2及び図3を参照すると、照明ユニット30もまた、車両幅方向にて運転席側に位置する第1側方部30aと、車両幅方向にて助手席側に位置する第2側方部30bとを有する。照明ユニット30の第1側方部30aは、発光器31及び照明レンズ32の第1側方部31a,32aを含む。照明ユニット30の第1側方部30aは、照明レンズ32の第1側方部32aの側方縁32cに対応する側方縁30cを有する。照明ユニット30の第2側方部30bは、発光器31及び照明レンズ32の第2側方部31b,32bを含む。
【0035】
図1及び図2に示すように、空調装置40は、インストルメントパネル2の中央領域2aに位置する2つの吹き出し口41を有する。空調装置40は、2つの吹き出し口41にそれぞれ対応する2つの送風ダクト42を有する。空調装置40は、2つの送風ダクト42にそれぞれ対応する2つの導風ダクト44を有する。
【0036】
しかしながら、空調装置は、1つ又は3つ以上の吹き出し口を有することもできる。空調装置は、1つ又は3つ以上の吹き出し口にそれぞれ対応する1つ又は3つ以上の送風ダクトを有することもできる。空調装置は、1つ又は3つ以上の送風ダクトにそれぞれ対応する1つ又は3つ以上の導風ダクトを有することもできる。
【0037】
図1図3を参照すると、これら2つの吹き出し口41は車両幅方向に並んでいる。2つの吹き出し口41は、車両幅方向にて実質的に対称に構成される。図1及び図2に示すように、車両幅方向にて助手席側に位置する2つの吹き出し口41のうち一方の吹き出し口41と、照明ユニット30との間に、表面部材43の仕切り部43aが配置されており、そのため、一方の吹き出し口41が仕切り部43aに隣接する。
【0038】
以下においては、仕切り部43aに隣接する一方の吹き出し口41と、この一方の吹き出し口41に対応する2つの送風ダクト42のうち一方の送風ダクト42と、この一方の送風ダクト42に対応する2つの導風ダクト44のうち一方の導風ダクト44とについてのみ説明する。そのため、以下において、単に「吹き出し口」、「送風ダクト」、及び「導風ダクト」と呼ばれる構成要素は、それぞれ、これらの「一方の吹き出し口」、「一方の送風ダクト」、及び「一方の導風ダクト」を指すものとする。
【0039】
図2に示すように、吹き出し口41は、車両幅方向にて助手席側に位置する第1側方部41aと、車両幅方向にて運転席側に位置する第2側方部41bとを有する。吹き出し口41の第1及び第2側方部41a,41bは、車両幅方向に互いに隣接する。第1側方部41aは、車両幅方向にて助手席側に位置する側方縁41cを有する。吹き出し口41の第1側方部41aの側方縁41cは、上方から下方に向かうに従って車両幅方向にて運転席に接近するように傾斜している。
【0040】
図3に示すように、吹き出し口41の第1側方部41aは、送風ダクト42の張り出し部42bに対して車両後方に位置すると共にこの張り出し部42bに隣接する。吹き出し口41の第1側方部41aと送風ダクト42の張り出し部42bとは互いに連通している。
【0041】
吹き出し口41の第2側方部41bは、送風ダクト42の本体部42aに対して車両後方に位置すると共にこの本体部42aに隣接する。吹き出し口41の第2側方部41bと送風ダクト42の本体部42aとは互いに連通している。
【0042】
図3及び図4に示すように、送風ダクト42の本体部42aは、導風ダクト44に対して車両後方に位置すると共にこの導風ダクト44に隣接する。送風ダクト42の本体部42aと導風ダクト44とは互いに連通している。
【0043】
このような照明ユニット30及び空調装置40の関係は、以下のようになっている。図2に示すように、照明ユニット30の第1側方部30a、特に、照明レンズ32の第1側方部32aは、吹き出し口41の第1側方部41aに対して下方に位置し、かつこの第1側方部41aと上下方向に並ぶように配置されている。
【0044】
仕切り部43aは、照明ユニット30の第1側方部30aの側方縁30c、特に、照明レンズ32の第1側方部32aの側方縁32cと、吹き出し口41の第1側方部41aの側方縁41cとに挟まれている。図3及び図4を参照すると、照明ユニット30の第1側方部30a、特に、発光器31の第1側方部31aは、送風ダクト42の張り出し部42bに対して下方に位置し、かつこの張り出し部42bと上下方向に並ぶように配置されている。
【0045】
図3を参照すると、空調装置40においては矢印Wにより示すように、空調風は、導風ダクト44から送風ダクト42を通って吹き出し口41に送られて、その後、空調風は、吹き出し口41から車室1内に吹き出される。このような空調風は、送風ダクト42を通るときに、送風ダクト42の張り出し部42bにて滞留する。このように滞留する空調風が、送風ダクト42の張り出し部42bを冷却し、さらに、冷却された張り出し部42bが、照明ユニット30の発光器31の第1側方部31a、ひいては、発光器31の全体を冷却することができる。
【0046】
以上、本実施形態に係る車室監視装置10は、車室1内の運転席に着座するドライバの顔を含む前記車室1内の対象領域を撮像可能とするように構成される撮像ユニット20と、前記対象領域を照明可能とするように構成される照明ユニット30とを備え、前記照明ユニット30を用いて前記対象領域を照明しながら前記撮像ユニット20を用いて前記対象領域を撮像することによって得られた画像に基づいて前記車室1内の状態を監視するように構成される車室監視装置10であって、前記車室1内で車両前方寄りに位置するインストルメントパネル2の車両幅方向の中央領域2a内に、前記車室1内の温度及び湿度を調節可能とすべく空調風を送るように構成される吹き出し口41と、前記吹き出し口41に前記空調風を導くように構成される送風ダクト42とが設けられており、前記照明ユニット30が、前記インストルメントパネル2の中央領域2a内で、前記吹き出し口41に対して前記車両幅方向の助手席寄りに配置されている。
【0047】
一般的に、上記空調風は、熱交換器により冷却された空気がエアコンダクト等に設けられる導風ダクトを介して送風ダクトに送られ、その後、空調風は、送風ダクトからセンタールーバ等の吹き出し口を通って車室内に送られる。これに対して、本実施形態に係る車室監視装置10においては、照明ユニット30が、インストルメントパネル2の中央領域2a内で車両幅方向にて吹き出し口41に隣接するように配置される。そのため、照明ユニット30の熱を、空調風によって冷却される吹き出し口41の手前の送風ダクト42に効率的に逃がすことができる。すなわち、照明ユニット30を効率的に放熱することができる。ひいては、照明ユニット30への熱負荷(熱劣化)を抑制でき、かつ照明ユニット30の寿命低下を抑制することができる。
【0048】
さらに、本実施形態に係る車室監視装置10においては、照明ユニット30が、インストルメントパネル2の中央領域2a内で、車両幅方向にて運転席とは反対の助手席側に配置される。そのため、ドライバが、その手によってインストルメントパネル2上の機器を操作する場合であっても、照明ユニット30から射出される光が、ドライバの手によって邪魔されることなく、ドライバの顔に当たることができる。このような照明ユニット30の光によってドライバの顔が明瞭になった状態で、撮像ユニット20が対象領域を撮像でき、この撮像によって得られた画像からドライバの状態を明瞭に監視することができる。
【0049】
本実施形態に係る車室監視装置10においては、前記照明ユニット30の一部又は全部が、前記吹き出し口41の一部に対して下方に位置し、かつこの吹き出し口41の一部と上下方向に並ぶように配置されている。このような車室監視装置10においては、上昇する傾向のある照明ユニット30の熱を、照明ユニット30の一部又は全部に対して上方に位置する吹き出し口41の手前の送風ダクト42の一部によって効率的に逃がすことができる。
【0050】
本実施形態に係る車室監視装置10においては、前記インストルメントパネル2の中央領域2a内に、上下方向に並ぶ前記照明ユニット30の一部又は全部及び前記吹き出し口41の一部の間を隔てる仕切り部43aが設けられ、前記仕切り部43aが、上方から下方に向かうに従って前記車両幅方向にて運転席に接近するように傾斜している。
【0051】
このような車室監視装置10においては、インストルメントパネル2の中央領域2a内のような限られたスペースであっても、傾斜する仕切り部43aの長さを増加させることができ、その結果、この仕切り部43aに対して車両前方に位置する送風ダクト42を照明ユニット30と対向させた領域の面積を増加させることができる。そのため、照明ユニット30の熱を送風ダクト42に効率的に逃がすことができる。
【0052】
本実施形態に係る車室監視装置10においては、前記送風ダクト42が、前記吹き出し口41に対して車両前方側に位置すると共に前記吹き出し口41に隣接する本体部42aと、前記本体部42aから前記車両幅方向の助手席側に張り出すように構成される張り出し部42bとを有し、前記照明ユニット30の一部又は全部が、前記張り出し部42bに対して下方に位置し、かつこの張り出し部42bと上下方向に並ぶように配置されている。
【0053】
このような車室監視装置10においては、空調風が送風ダクト42の張り出し部42bにて滞留する時間は、空調風が送風ダクト42の本体部42aに滞留する時間よりも長い。そのため、張り出し部42bは本体部42aよりも冷却され易い。そのため、上昇する傾向のある照明ユニット30の熱を、照明ユニット30の一部又は全部に対して上方に位置する吹き出し口41の手前の張り出し部42bによって効率的に逃がすことができる。
【0054】
本実施形態に係る車室監視装置10においては、前記照明ユニット30が、光を射出可能に構成される発光器31と、前記発光器31から射出された光を前記車室1内に向けて通すことができるように構成される照明レンズ32とを有し、前記インストルメントパネル2の中央領域2a内に、前記送風ダクト42に対して車両前方側に位置すると共に前記送風ダクト42に隣接する導風ダクト44が設けられ、前記導風ダクト44が、前記空調風を前記導風ダクト44から前記送風ダクト42を通って前記吹き出し口41に導くように延びており、前記発光器31は、前記導風ダクト44の延伸方向に沿って前記照明レンズ32から延びるように配置されている。
【0055】
このような車室監視装置10においては、照明ユニット30の発光器31が、送風ダクト42及びこの送風ダクト42に空調風を導く導風ダクト44と同じ方向に延びるので、送風ダクト42を照明ユニット30の発光器31と対向させた領域の面積を増加させることができる。そのため、照明ユニット30の熱を送風ダクト42に効率的に逃がすことができる。
【0056】
さらには、車室1内の温湿度条件に起因して生じる照明ユニット30の照明レンズ32の曇りを、空調風によって抑制することができる。その結果、ドライバの顔が明瞭になった状態で、撮像ユニット20が対象領域を撮像でき、この撮像によって得られた画像からドライバの状態を明瞭に監視することができる。
【0057】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…車室、2…インストルメントパネル、2a…中央領域
10…車室監視装置、20…撮像ユニット、30…照明ユニット、31…発光器、32…照明レンズ、41…吹き出し口、42…送風ダクト、43a…仕切り部、44…導風ダクト
図1
図2
図3
図4