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  • 特開-マーキングフィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146233
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】マーキングフィルム
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20220928BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20220928BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220928BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20220928BHJP
   C09J 133/08 20060101ALN20220928BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J201/00
B32B27/00 M
B32B27/30 A
C09J133/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047089
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 亮
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AH02B
4F100AH03B
4F100AK15A
4F100AK25B
4F100AL01B
4F100AL05B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CB05B
4F100EH46B
4F100GB90
4F100JA07B
4F100JB09B
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA05
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004DB02
4J004FA01
4J004GA03
4J040DF041
4J040HB10
4J040HB11
4J040HC24
4J040JB09
4J040KA43
4J040NA12
(57)【要約】
【課題】有機溶剤を用いずとも被着体から容易に粘着剤を除去できる、マーキングフィルムを提供する。
【解決手段】基材と、粘着剤層と、を有するマーキングフィルムであって、前記粘着剤層が、水酸基、アミノ基、カルボニル基およびベンゾイル基からなる群から選択される極性官能基を有し、かつ分子量1000以下である水溶性化合物を含む、マーキングフィルム。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、粘着剤層と、を有するマーキングフィルムであって、
前記粘着剤層が、水酸基、アミノ基、カルボニル基およびベンゾイル基からなる群から選択される極性官能基を有し、かつ分子量1000以下である水溶性化合物を含む、マーキングフィルム。
【請求項2】
前記水溶性化合物が多価アルコール、多価アルコール誘導体およびポリエチレンイミンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のマーキングフィルム。
【請求項3】
前記粘着剤層が、エマルション系のアクリル系共重合体を含む、請求項1または2に記載のマーキングフィルム。
【請求項4】
水系溶媒を用いてマーキングフィルムを被着体から剥離する、請求項1~3のいずれか1項に記載のマーキングフィルムの被着体からの剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマーキングフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外看板、屋外サイン、屋外広告、車両広告等の目的で、マーキングフィルムとよばれる粘着フィルムが使用されている。マーキングフィルムは、基材フィルムの片面に粘着剤層が積層されてなる構成を有し、該粘着剤層面を看板、建物、車両等に貼り合わせることで、基材フィルムに施された色や文字・画像等により、広告宣伝効果をもたらすことができる。
【0003】
マーキングフィルムは、上記のように、広告や宣伝目的で用いられることがあるため、一定期間経過後に他のマーキングフィルムに貼りなおす必要が生ずる場合がある。この際、マーキングフィルムを被着体から剥がす必要があるが、マーキングフィルムの粘着剤は比較的強粘着性であるために、被着体からマーキングフィルムを剥がすことは容易ではない。さらに、被着体からマーキングフィルムを剥がす際に被着体表面に粘着剤が残ってしまうことがある。
【0004】
特許文献1では、特定のポリマーを含むアクリル系白色粘着剤を着色ベースフィルムに積層させて、着色フィルム層と粘着剤層との密着性を向上させることで、被着体に粘着剤成分を残さずに剥離することができるとある。このように粘着剤の被着体への残存、いわゆる糊残りについてはこれまでにも検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-203370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に長期間経過後や、直射日光が当たる場所など高温下に晒された場合に、被着体からマーキングフィルムを剥がそうとすると、粘着剤が被着体表面に残ってしまう場合が生ずる。このような場合には、被着体上の粘着剤を有機溶剤を用いて例えばふき取りにより除去する必要があった。
【0007】
しかしながら、有機溶剤を用いると、被着体である看板や、車両の塗装が剥がれてしまう場合があり、有機溶剤の使用は考慮すべき問題であった。
【0008】
そこで、本発明は、有機溶剤を用いずともマーキングフィルムを容易に被着体から剥離できるマーキングフィルムを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、有機溶剤を用いずとも被着体から容易に粘着剤を除去できる、マーキングフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材と、粘着剤層と、を有するマーキングフィルムであって、前記粘着剤層が、水酸基、アミノ基、カルボニル基およびベンゾイル基からなる群から選択される極性官能基を有し、かつ分子量1000以下である水溶性化合物を含む、マーキングフィルムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマーキングフィルムによれば、水系溶媒を用いて容易に被着体から剥離できる。また、本発明のマーキングフィルムによれば、水系溶媒を用いて被着体に残った粘着剤を容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、マーキングフィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
【0013】
なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で測定する。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を指し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を指す。
【0014】
本発明の第一実施形態は、基材と、粘着剤層と、を有するマーキングフィルムであって、前記粘着剤層が、水酸基、アミノ基、カルボニル基およびベンゾイル基からなる群から選択される極性官能基を有し、かつ分子量1000以下である水溶性化合物を含む、マーキングフィルムである。
【0015】
第一実施形態のマーキングフィルムにおける粘着剤層中に含まれる水溶性化合物は、水拭きや吹付けなどで水系溶媒に接触すると、粘着剤の凝集力を下げ、粘着剤を被着体から剥がれやすくすると考えられる。
【0016】
ゆえに、第一実施形態のマーキングフィルムは、被着体から水系溶媒を用いて容易に剥離することができる。また、被着体からマーキングフィルムを剥がした後に粘着剤が被着体表面に残ったとしても、水系溶媒で容易に(例えば、拭き取りにより)除去できる。以下、水系溶媒で容易に被着体から剥離できるフィルム特性を水剥離特性とも呼ぶ。また、以下、水系溶媒で容易に(例えば、拭き取りにより)被着体から除去できる粘着剤特性を水除去特性とも呼ぶ。
【0017】
図1は、マーキングフィルムを示す断面模式図である。図1において、マーキングフィルム10は、基材11、粘着剤層12、および剥離ライナー13から構成される。基材11は、粘着剤層12に隣接して配置される。貼付する際には、マーキングフィルム10から剥離ライナー13が除去され、露出した粘着剤層12によって被着体にマーキングフィルムを貼付する。
【0018】
図1においては、基材11、粘着剤層12、および剥離ライナー13をこの順に有する積層体であるが、被着体に貼付する際に粘着剤層が露出する形態である限り、基材上ならびに/または基材および粘着剤層間に他の中間層が存在していてよい。
【0019】
マーキングフィルムは、粘着力が、2N/25mm以上であることが好ましく、4N/25mm以上であることがより好ましく、5N/25mm以上であることがさらに好ましい。マーキングフィルムの粘着力が上記下限以上であることで、被着体への粘着性が担保される。マーキングフィルムは、長時間被着体に貼付されている必要があり、一定程度の粘着性を要する。粘着力の上限は特に限定されるものではないが、15N/25mm以下である。なお、粘着力は、下記の実施例に記載の方法により測定した値を採用する。
【0020】
以下、マーキングフィルムを構成する各構成部材について説明する。
【0021】
[粘着剤層]
粘着剤層は、粘着剤および極性官能基を有する水溶性化合物(以下単に水溶性化合物とも称する)を含む。ここで、水溶性とは、水100g(25℃)に、1g以上、好ましくは3g以上、より好ましくは10g以上溶解する化合物をさす。
【0022】
水溶性化合物中の極性官能基は、水酸基、アミノ基、カルボニル基およびベンゾイル基である。中でも、被着体に残った粘着剤の水除去特性が向上することから、極性官能基は、水酸基またはアミノ基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。
【0023】
アミノ基を有する化合物としては、ポリエチレンイミン、プロピレンオキサイド変性ポリエチレンイミン、ポリビニルアミンなどが挙げられる。
【0024】
カルボニル基を有する化合物としては、2-ピロリドン、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。
【0025】
水酸基を有する水溶性化合物としては、被着体からの水剥離特性および/または被着体に残った粘着剤の水除去特性が一層向上することから、多価アルコールまたは多価アルコール誘導体であることが好ましい。
【0026】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコ-ル、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。中でも、多価アルコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびグリセリンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0027】
多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の水酸基を有する多価アルコールモノアルキルエーテル類(多価アルコールエーテル類)などが挙げられる。
【0028】
また、水溶性化合物としては、被着体からの水剥離特性および/または被着体に残った粘着剤の水除去特性が一層向上することから、多価アルコール、多価アルコール誘導体およびポリエチレンイミンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに、粘着性向上の観点から、水溶性化合物は、多価アルコールであることがより好ましい。
【0029】
水溶性化合物の分子量は1000以下である。水溶性化合物の分子量が1000を超えると、水への溶解性が下がるため、水剥離特性および/または水除去特性が低下する。水溶性化合物の分子量は800以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。水溶性化合物の分子量の下限は、通常30以上であり、50以上であってもよい。
【0030】
水溶性化合物は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0031】
水溶性化合物の添加量は使用される粘着剤の種類、水溶性化合物の種類などで適宜設定される。水剥離特性および/または水拭き取り性の効果が一層奏されることから、水溶性化合物の添加量は、粘着剤(例えば、アクリル系共重合体)に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらにより好ましい。また、粘着性の観点から、水溶性化合物の添加量は、粘着剤(例えば、アクリル系共重合体)に対して30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。
【0032】
粘着剤としては、特に制限はなく、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤及びポリエステル系粘着剤などを用いることができる。粘着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。
【0033】
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。ここで、主成分とは、単量体中50質量%以上(上限100質量%)であることを指し、好ましくは65質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。
【0034】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、(メタ)アクリル酸アルキルとしては、接着性を考慮すると、(メタ)アクリル酸n-ブチルまたは(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを用いることがより好ましく、低温環境下でも十分な粘着力を得られるため、アクリル酸2-エチルヘキシルを用いることがさらにより好ましい。(メタ)アクリル酸n-ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを用いる場合、単量体全量に対して、70~97質量%であることが好ましく、80~95質量%であることがより好ましい。
【0035】
また、粘着性の観点から、(メタ)アクリル酸n-ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルと組み合わせて、(メタ)アクリル酸メチルを用いることが好ましく、メタクリル酸メチルを組み合わせることがより好ましい。(メタ)アクリル酸メチルの含有量は、単量体全量に対して、0.5~25質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることがさらにより好ましい。
【0036】
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な共重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体またはその無水物;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどの水酸基含有単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
中でも好適な形態であるエマルション系重合体における分散安定性が向上することから、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な共重合性単量体として、カルボキシル基含有単量体またはその無水物を用いることが好ましい。カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、およびオレイン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基含有単量体の無水物としては、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物などが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な共重合性単量体として、(メタ)アクリル酸を用いることがより好ましく、アクリル酸を用いることがさらに好ましい。
【0038】
カルボキシル基含有単量体またはその無水物を用いる場合、その全単量体中の含有量は、0.1~15質量%であることが好ましく、0.5~10質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることがさらにより好ましい。
【0039】
アクリル系共重合体の粘着剤層中の含有量は、50~99.5質量%であることが好ましく、60~99質量%であることがより好ましく、80~97質量%であることがさらにより好ましい。
【0040】
アクリル系共重合体の製造方法は、特に制限されず、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法など従来公知の方法を用いることができる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、放射線、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。中でも本発明の効果が一層奏されることから、乳化重合法を用いることが好ましい。すなわち、本発明の好適な実施形態は、アクリル系共重合体がエマルション系重合体である。
【0041】
アクリル系共重合体がエマルション系重合体である場合、アクリル系共重合体は架橋剤によって架橋されないことが好ましい。すなわち、好適にはアクリル系共重合体は非架橋体である。
【0042】
乳化重合法としては、例えば、上述の単量体を含む単量体混合物に、乳化剤および重合開始剤を添加し、乳化重合する方法が挙げられる。
【0043】
なお、乳化重合において、重合安定性の観点から、単量体混合物は、乳化剤(または乳化剤の一部)を、単量体混合物に溶解しておくか、または、予めO/W型の乳化液の状態としておくことが好ましい。
【0044】
乳化重合を行う際の手順としては、例えば、以下の(1)~(3)の方法が挙げられる。
(1)単量体混合物、乳化剤、水等の全量を仕込み、昇温し、水に溶かした重合開始剤を全量滴下または分割添加して、重合する。
(2)反応容器内に水、乳化剤、単量体混合物の一部を仕込み、昇温した後、水に溶かした重合開始剤を滴下または分割添加して重合反応を進行させた後、残りの単量体混合物を全量滴下または分割添加して重合を継続する。
(3)反応容器内に水に溶かした重合開始剤を仕込んでおき昇温した後、単量体混合物、乳化剤、および水からなる乳化液を全量滴下または分割添加して重合する。
【0045】
乳化剤としては、特に制限は無いが、エマルション系重合体の分散安定性を向上させる観点から、アニオン系乳化剤またはノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
【0046】
アニオン系乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、アリルアルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
乳化剤の添加量としては、乳化重合反応の安定性の観点、および、未反応の乳化剤が残存することによる物性低下を防ぐ観点から、単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.5~12質量部、より好ましくは0.5~8質量部、更に好ましくは0.7~6質量部である。
【0048】
なお、乳化剤は、単量体混合物に水を加えた溶液に直接添加してもよく、予め重合容器に添加しておいてもよく、またはそれらを併用してもよい。
【0049】
重合開始剤としては、水溶性、油溶性のいずれであってもよく、例えば、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物等が挙げられ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせや、過酸物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等からなるレドックス開始剤を用いてもよい。重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、重合安定性に優れているという観点から、過硫酸塩またはレドックス開始剤が好ましい。
【0050】
重合開始剤の添加量としては、重合速度を速める観点から、単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.01~6質量部、より好ましくは0.03~4質量部、さらに好ましくは0.1~2質量部である。
【0051】
なお、重合開始剤は、予め反応容器内に加えておいてもよく、重合開始直前に加えてもよく、重合開始後に複数回に分けて加えてもよく、単量体混合物中に予め加えておいてもよく、該単量体混合物からなる乳化液を調製後、当該乳化液に加えてもよい。
【0052】
また、乳化重合時に、公知の連鎖移動剤やpH緩衝剤をさらに添加してもよい。
【0053】
乳化重合に際し、用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の使用量は、単量体混合物100質量部に対して、好ましくは30~400質量部、より好ましくは35~200質量部、更に好ましくは40~150質量部である。
【0054】
乳化重合により得られたエマルション系重合体分散液に対して、さらに、アンモニア水、各種水溶性アミン、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加して、pH5~9(好ましくはpH6~8.5)に調整することが好ましい。
【0055】
エマルション系重合体分散液の固形分濃度は、好ましくは10~80質量%、より好ましくは25~70質量%、更に好ましくは45~65質量%である。
【0056】
エマルション系重合体分散液の25℃における粘度は、好ましくは50~12000mPa・s、より好ましくは100~10000mPa・s、更に好ましくは200~9000mPa・sである。本明細書において、粘度は、B型回転粘度計を用いて測定される値である。
【0057】
エマルション系重合体は、エマルション系重合体が分散しているエマルション形状(粒子形状)を有する。この際、エマルション系重合体の平均粒子径は、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下である。また、エマルション系重合体の平均粒子径は、通常50nm以上であり、100nm以上であることがより好ましい。ここで、エマルション系重合体の平均粒子径は、レーザー回折分散法により測定される体積基準のメジアン径である。
【0058】
粘着剤層は、粘着付与剤を含んでいてもよい。粘着付与剤としては、特に制限されず、脂環族系石油樹脂、テルペン系樹脂、重合ロジン系エステル樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0059】
粘着剤層は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。充填剤としては、例えば、亜鉛華、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0060】
粘着剤層の形成方法は、特に限定されるものではないが、基材上に粘着剤層形成用粘着剤組成物(以下、単に粘着剤組成物とも称する)を直接塗工して粘着剤層を形成してもよく、また、剥離ライナー上に粘着剤層を形成した後、これを基材と貼合してもよい。具体的には、剥離ライナー上に粘着剤組成物を塗布し、粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材に転写する方法が挙げられる。
【0061】
粘着剤組成物の基材または剥離ライナーへの塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。
【0062】
粘着剤層の厚み(乾燥後膜厚)は、通常5~100μm、好ましくは10~50μmである。
【0063】
<基材>
基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、クラフト紙、和紙などの紙基材、樹脂基材、合成紙などが挙げられる。中でも、耐久性の観点から、基材は樹脂基材であることが好ましい。
【0064】
樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα-オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC);アクリル系樹脂;ポリウレタンなどが挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられてもよい。これらの中でも、耐候性、柔軟性の観点から、樹脂基材を構成する樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリウレタンであることが好ましい。
【0065】
合成紙としては、たとえば、微細空隙を有するポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0066】
基材の厚さは、用いる基材の種類によって適宜選択されるが、好ましくは10~200μm、より好ましくは20~150μm、さらにより好ましくは30~100μmである。
【0067】
基材は透明であっても、不透明であってもよい。
【0068】
また、基材は有色であっても、無色であってもよい。有色の場合、任意の着色剤を用いることができる。着色基材の製造は、原料の樹脂に着色剤を配合し、溶融混練してフィルムに成形することにより行うことができるし、工程フィルムに流延し、乾燥して成形するキャスト製膜法によって行ってもよい。
【0069】
基材には、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、分散溶媒、希釈分散溶媒などの種々の添加剤を含有させることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。可塑剤としては、例えば、リン酸系可塑剤、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。熱安定剤としては、例えば、鉛塩系熱安定剤、金属セッケン系熱安定剤、有機スズ化合物系熱安定剤などが挙げられる。分散溶媒としては、例えば、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸ブチルなどのエステル類、ブチルセロソルブなどのグリコールエーテル類などが挙げられる。また、希釈分散溶媒としては、例えば、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素、テルペンなどが挙げられる。
【0070】
基材の片面に粘着剤層を設ける場合、粘着剤層との密着性を向上させるために、基材の片面は表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ放電処理や、プラズマ処理、プライマー処理などが挙げられる。
【0071】
<剥離ライナー>
マーキングフィルムは剥離ライナーを含んでいてもよい。剥離ライナーは、被着体に粘着フィルムを貼付する前に使用され、粘着剤層を保護し、使用前の粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。
【0072】
剥離ライナーとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙などの紙が挙げられる。
【0073】
剥離ライナーの厚さについては特に制限はないが、通常10~400μmである。また、剥離ライナーの表面には、粘着剤層からの剥離性を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられてもよい。
【0074】
<マーキングフィルムの用途>
本発明の一実施形態に係るマーキングフィルム10の基材11の粘着剤層12と接していない面には、必要に応じてインク受理層等を介して、インクジェット印刷等の方法により色や模様を施してもよい。かようなマーキングフィルムについて、剥離ライナー13を除去し、露出した粘着剤層12面を被着体の表面に貼付することで、被着体の色や模様を隠蔽しつつ、基材11に施された色や模様を被着体上に提示することができる。さらに、このマーキングフィルムが貼付された被着体は、屋外環境に一定期間貼付された後であっても、水系媒体によりマーキングフィルムを被着体から容易に剥離することができ、また、仮にマーキングフィルムを被着体から剥離した後に被着体上に粘着剤が残った場合にも、水拭きにより容易に粘着剤を除去することができる。ゆえに、本発明の一実施形態に係るマーキングフィルムは、屋外で使用される被着体(看板、広告、車両、建築物、交通標識等)を一定期間装飾する目的で、好適に使用することができる。
【0075】
<マーキングフィルムの被着体からの剥離方法>
本発明の第二実施形態は、水系溶媒を用いてフィルムを被着体から剥離する、マーキングフィルムの被着体からの剥離方法である。第一実施形態のマーキングフィルムは、粘着剤層が、極性官能基を有し、かつ分子量1000以下である水溶性化合物を含む。ゆえに、水系溶媒を用いることで、(塗装等に影響のある有機溶剤を用いることなく)被着体から容易にまた、簡便にマーキングフィルムを剥離することができる。
【0076】
水系溶媒とは水を60質量%以上(上限100質量%)含有されたものを指し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、最も好ましくは水系溶媒が水である。
【0077】
水系溶媒中に含まれる水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤;界面活性剤を挙げることができる。水に溶解する有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0078】
マーキングフィルムの被着体からの剥離方法としては、例えば、マーキングフィルムを被着体から若干剥がし、マーキングフィルムと被着体との界面に水系溶媒を吹き付けながら剥がす方法などが挙げられる。水系溶媒の吹付の場合、高圧力で水系溶媒を吹き付けてもよい。
【0079】
<粘着剤の除去方法>
本発明の第三実施形態は、第一実施形態のマーキングフィルムの粘着剤が被着体に残存した場合に、水系溶媒を用いて被着体から粘着剤を除去する方法である。上記の通り、第一実施形態のマーキングフィルムは、水系溶媒を用いて容易に被着体から剥離可能であるが、粘着剤が被着体表面に残存してしまった場合にも、水除去特性に優れる。
【0080】
水系溶媒は、第二実施形態の欄に記載したものと同様のものを用いることができる。
【0081】
水系溶媒を用いて被着体から粘着剤を除去する方法としては、具体的には、水系溶媒を含んだ布や不織布を用いて被着体面を払拭する;高圧力で水系溶媒を吹き付けるなどが挙げられる。
【実施例0082】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
【0083】
(実施例1)
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを有する反応容器に、原料モノマーとしてアクリル酸2-エチルヘキシル84質量部、メタクリル酸メチル12.5質量部、アクリル酸3.5質量部と、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王社製「エマールAD-25R」)を4質量部(固形分換算で0.96質量部)、脱気済みのイオン交換水35質量部を投入し、撹拌して乳化物を調製した。
【0084】
別途、撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを有する反応容器に、脱気済みのイオン交換水40質量部を投入し、温度を80℃まで昇温させた。次に、前記乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。これと併行して重合開始剤溶液として濃度3質量%の過硫酸カリウム水溶液4質量部を滴下し、反応温度80℃で乳化重合を行った。滴下終了後、80℃のままで2時間熟成して乳化重合組成物を得た。その後、室温まで冷却し、25質量%のアンモニア水と25質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpHが7.0になるように調整し、アクリル系重合体の水分散液を得た。
【0085】
得られたアクリル系重合体水溶液の固形分で100質量部に対し、エチレングリコールを1質量部添加して粘着剤組成物を得た。
【0086】
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン系剥離剤を0.1μm塗布した剥離ライナーの剥離剤塗布面上にナイフコーターにより乾燥膜厚15μmとなるように塗布した後、90℃で乾燥させて、剥離ライナーおよび粘着剤層の積層体を得た。
【0087】
基材として厚さ50μmのポリ塩化ビニルフィルムを、上記積層体の粘着剤層面と貼り合わせて、マーキングフィルムを得た。
【0088】
(実施例2)
実施例1において、エチレングリコールの添加量を10質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0089】
(実施例3)
実施例1において、エチレングリコールの添加量を20質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0090】
(実施例4)
実施例2において、エチレングリコールをトリエチレングリコールに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0091】
(実施例5)
実施例2において、エチレングリコールをポリエチレングリコール(分子量600)に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0092】
(実施例6)
実施例2において、エチレングリコールをグリセリンに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0093】
(実施例7)
実施例2において、エチレングリコールをポリエチレンイミン(分子量600、日本触媒社製エポミンSP-006)に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0094】
(比較例1)
実施例1において、エチレングリコールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0095】
(測定方法:粘着力)
実施例および比較例で得たマーキングフィルムを1日標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がしてSUS板(SUS304鋼板)に粘着剤層面を貼付した後、粘着力を測定した。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分でシートを引き剥がし、粘着力を測定した。数値は、シート幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(N/25mm)である。結果を表1に示す。
【0096】
(評価方法:拭き取り試験)
実施例および比較例において、ポリ塩化ビニルフィルムを貼付せず、代わりに剥離ライナーを貼付した。片方の剥離ライナーを剥離し、メラミン塗装板に粘着剤(15μm)を貼付し、40℃環境下で7日間静置した。もう一方の剥離ライナーを剥離後、水を含んだワイパー(ベンコット(登録商標)、旭化成社製)で粘着剤面を20往復払拭した後の外観を評価した。
【0097】
○:完全に拭き取れた、
△:一部拭き取れた、
×:拭き取りができなかった。
【0098】
(評価方法:水吹き付け時の剥離の容易性)
実施例及び比較例で得たマーキングフィルムを1日標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がしてメラミン塗装板に粘着剤層面を貼付した後、40℃環境下で7日間静置した。マーキングフィルムの端部を剥がした後、マーキングフィルムと被着体との界面に水圧10MPaで水を吹き付けながら、端部を持って引き剥がした。その際の剥離の容易性を評価した。
【0099】
〇:容易に剥離可能
△:抵抗が大きいが、剥離可能
×:剥離不可。
【0100】
結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
上記結果からわかるように、実施例1~7のマーキングフィルムは、水により容易に被着体から剥離可能であり、また、被着体上に残った粘着剤残りを水拭きにより除去することができた。
【符号の説明】
【0103】
10 マーキングフィルム、
11 基材、
12 粘着剤層、
13 剥離ライナー。
図1