(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146254
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】積層材料
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20220928BHJP
H01B 5/14 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B32B9/00 A
H01B5/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047130
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 凌輔
(72)【発明者】
【氏名】吉城 武宣
【テーマコード(参考)】
4F100
5G307
【Fターム(参考)】
4F100AA09C
4F100AA17B
4F100AA20C
4F100AA28B
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4F100AB01C
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4F100GB41
4F100JG01B
4F100JL11
4F100JM01C
4F100JN01A
5G307FA02
5G307FB01
5G307FC05
5G307FC09
(57)【要約】
【課題】導電性金属酸化物層と高い密着性を有する機能層を有し、光透過性に優れる積層材料を提供すること
【解決手段】光透過性支持体上に導電性金属酸化物層および機能層をこの順に有し、かつ該機能層が少なくとも、金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物、ポリビニルアルコールおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース、架橋剤、およびポリビニルピロリドンを含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性支持体上に導電性金属酸化物層および機能層をこの順に有し、かつ該機能層が少なくとも、金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物、ポリビニルアルコールおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース、架橋剤、およびポリビニルピロリドンを含有する積層材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性材料や色素増感型太陽電池などの光透過性金属酸化物膜を応用する機能材料の製造等に用いることができる積層材料に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性電極は、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELディスプレイ)、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパー等に用いられている。特に近年折り曲げの可能な光透過性フィルムを支持体とした、導電性金属酸化物膜(以下、導電性金属酸化物層ともいう)を有する光透過性電極に注目が集まっている。広く応用されている光透過性フィルムを支持体とした光透過性電極としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の光透過性フィルムの表面の少なくとも一方に、インジウム-スズの複合酸化物(ITO)に代表される導電性金属酸化物を真空蒸着法やスパッタリング法等のドライプロセスにて製膜した導電性金属酸化物膜が挙げられる。ところが、薄いITO膜の導電性は決して十分ではないため、面積が大きなデバイスでは電圧降下が大きくなり支障をきたすことがある。このような問題を解決する方法としては、ITO膜の膜厚を厚くする方法、あるいはITO膜を加熱処理する方法が一般的に用いられる。
【0003】
しかしながら、ITO膜の膜厚を厚くする方法では、生産性が低下する他、ITO膜が黄色を呈したり、曲げに弱いためにクラックが入って導電性が損なわれたりする問題があった。また、ITO膜を加熱処理する方法では、支持体として光透過性フィルムを用いた場合は高温での加熱処理ができないため、高い導電性を得ることが難しいという問題があった。
【0004】
一方、光透過性電極として開口部を有する金属部からなるグリッド電極を利用することも知られており、例えば特許文献1には支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電材料前駆体から、表面抵抗率が高い、網目パターン状銀薄膜を有する導電材料の製造方法が記載されている。しかしながら、開口部を有する金属部を例えば無機ELディスプレイの電極として用いた場合、開口部には電位がかからないため、金属部の上しか発光しないという問題があった。
【0005】
このような問題を改善するために、光透過性の導電性金属酸化物膜と開口部を有する金属部を併用することも知られており、例えば特許文献2には透明導電層からなる電極層上にグリッド状の集電電極を有する光起電力素子が記載され、特許文献3には透明電極薄膜上にストライプ状又はメッシュ状の金属電極を有する太陽電池用電極フィルムが記載され、特許文献4には透明電極膜を含む複数の陽極ラインと金属層を含む複数の陰極ラインが発光媒体を挟持しかつ相互に交差するEL表示装置について記載されている。これら各公報では支持体上に光透過性の導電性金属酸化物膜と開口部を有する金属部がこの順に設けられている。
【0006】
しかしながら、ITO膜に代表される導電性金属酸化物膜は金属パターンや高分子化合物との間で十分な密着性が得られにくく、例えば特許文献1に記載されるような銀塩の拡散転写法により金属銀パターンをITO膜上に形成する方法においては、ITO膜上に密着性の良い物理現像核層(機能層)を製膜する必要がある。
【0007】
特許文献5には、ITO膜の表面に有機物アニオン種ならびに遷移金属のカチオン種を含む、遷移金属化合物を有機溶媒中に溶解した溶液を塗布し、加熱処理を施すことで遷移金属薄膜層を生成し、この遷移金属薄膜層表面に金属微粒子の分散液を塗布し、加熱焼成することによって、密着性に優れた微細な金属パターン(機能層)を形成する方法が記載されている。
【0008】
特許文献6には、ITO膜上に二酸化チタン層(機能層)を設けるため、二酸化チタンとポリビニルピロリドンなどの高分子化合物を結着剤として用いた塗液をITO膜上に塗布する方法が記載されている。また、特許文献7では高分子成分、酸化チタン粒子、水溶性極性溶媒と、必要に応じて水溶性ポリマー、水、架橋剤を含む分散液をITO膜上に塗布乾燥した後、凝固液中に浸漬し、乾燥することで酸化チタン含有多孔質膜(機能層)を有する積層材料を形成する方法が記載され、特許文献8には、物理現像核層を基材から剥離しにくくする方法として、活性水素と反応する架橋剤を含有する物理現像核層塗液(機能層塗液)を塗布製膜する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009-245748号公報
【特許文献2】特開平6-140646号公報
【特許文献3】特開2009-99574号公報
【特許文献4】特開平10-162961号公報
【特許文献5】特開2005-293937号公報
【特許文献6】特開2011-222532号公報
【特許文献7】特開2013-136216号公報
【特許文献8】特開2005-250169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献5では、導電性金属酸化物膜と密着性の高い遷移金属薄膜層は得られるが、光透過性において改善の余地があった。また、特許文献6、7に記載される機能層では十分な密着性が得られない場合があり、特許文献8に記載される技術においても機能層の密着性が十分でない場合があり、さらなる改善が求められていた。
【0011】
従って、本発明の解決しようとする課題は、導電性金属酸化物層と高い密着性を有する機能層を有し、光透過性に優れる積層材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は以下の手段によって達成された。
光透過性支持体上に導電性金属酸化物層と機能層をこの順に有し、該機能層が少なくとも、金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物、ポリビニルアルコールおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース、架橋剤、およびポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする積層材料。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、導電性金属酸化物層と高い密着性を有し、光透過性に優れる機能層を有する積層材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の積層材料は光透過性支持体上に導電性金属酸化物層および機能層をこの順に有する。
【0015】
本発明の積層材料が有する光透過性支持体としては、全光線透過率が好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは85%以上の光透過性支持体であれば何れでも使用できる。光透過性支持体の例としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、セロハン、セルロイド、シクロオレフィン、ガラス等が挙げられる。さらに本発明において光透過性支持体は易接着層を有していても良い。
【0016】
本発明の積層材料が有する導電性金属酸化物層は特に限定されないが、光透過性電極としての用途が多いことから、光透過性を有することが好ましい。光透過性を有する導電性金属酸化物層は、例えば酸化錫、インジウム-錫の混合酸化錫(ITO)、アンチモン-錫の混合酸化物(ATO)、酸化亜鉛、インジウム-亜鉛の混合酸化物(IZO)、アンチモン-亜鉛の混合酸化物(AZO)等の導電性金属酸化物粒子の中から選ばれる少なくとも1種を含有する。またこれらは単独で用いても良いし、あるいは複数を組み合わせて用いても良い。導電性金属酸化物層との表面抵抗率は少なくとも107Ω/□以下、好ましくは105Ω/□以下、さらに好ましくは104Ω/□以下である。
【0017】
さらに本発明では、前述した光透過性支持体上に導電性金属酸化物層が製膜された市販品も用いることができ、例えばコスモクリスタ(登録商標)300R(東洋紡(株)製透明導電性フィルム)、ITO膜付きガラス(ジオマテック(株)製)等が挙げられる。本発明の導電性金属酸化物層中に含まれる導電性金属酸化物粒子の形状は特に限定されないが、球形より針状粒子、羽毛状粒子、鱗片状粒子等の非球形粒子であることが比較的低い表面抵抗値を得られ易いので好ましい。
【0018】
本発明の機能層は金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物を含有し、導電性金属酸化物層に接している。本発明の機能層が含有する好ましい金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物は、本発明の積層材料を用いる用途に応じて変わるが、金属単体としては9~14族の金属が好適であり、例えば金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、アルミニウムなどが挙げられ、金属化合物としては9~14族の金属を含有する金属化合物が好適であり、例えば硫化パラジウム、硫化銀などの硫化物、酸化錫、酸化アルミニウム(アルミナ)、ITOなどの金属酸化物が挙げられる。その他用途に応じて遷移金属やその酸化物、硫化物、リンオキソ酸化合物や硫酸化合物などの塩類、銅フタロシアニン等の遷移金属錯体などを含有することができる。機能層が含有する金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物の好ましい含有量は、用途によって異なるが、固形分で1m2あたり10~2000mgが適当である。
【0019】
本発明の積層材料が有する機能層は金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物以外に、ポリビニルアルコールおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース、架橋剤、およびポリビニルピロリドンを含有する。
【0020】
機能層が含有するポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコール部位を有する化合物であり、例えば、ポリビニルアルコールに対し、部分的にアセタール化等された変成化合物も含め、公知のポリビニルアルコールを用いることができる。
【0021】
機能層が含有するヒドロキシプロピルセルロースとは、ヒドロキシプロピル基を有するセルロース誘導体であり、例えば、セルロースのポリマー構成単位中3つのヒドロキシ基の一部がヒドロキシプロピル基と結合した化合物、ヒドロキシプロピル基のヒドロキシ基にさらにヒドロキシプロピル基が連続して結合した化合物も含め、公知のヒドロキシプロピルセルロースを用いることができる。また、本発明における機能層の製膜方法は特に限定されないものの、水溶液または水分散液の塗布による製膜方法が実用上好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶性を担保するためにヒドロキシプロピルセルロースのモル置換度は3以上であることが好ましい。
【0022】
本発明の機能層が含有する架橋剤とは、前述したポリビニルアルコールやヒドロキシプロピルセルロースのポリマー鎖同士を連結することで膜強度を高める化合物である。架橋剤の種類は限定されないが、機能層中で共存するポリビニルアルコールやヒドロキシプロピルセルロース等のポリマーと架橋構造を形成する化合物であることが好ましく、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、有機チタン系架橋剤等が例示できる。これらのうち、ポリビニルアルコールやヒドロキシプロピルセルロースと迅速に反応するイソシアネート系架橋剤が特に好ましく、前述の通り、水溶液や水分散液の形で塗設するためには水分散型のイソシアネート架橋剤を用いることが好ましい。水分散型ポリイソシアネートとしては旭化成製のデュラネート(登録商標)WB40-80Dなどの市販品を用いることができる。
【0023】
本発明の機能層が含有するポリビニルピロリドンとは、ビニルピロリドンが重合した化合物であり、ポリマー構成単位のうち、ビニルピロリドン単位を50モル%以上含めば、ビニルピロリドン以外のモノマーとの共重合体であってもよい。ただし、水溶液または水分散液の塗布によって機能層を製膜するためには、ポリビニルピロリドンが水溶性であることが好ましい。ポリビニルピロリドンの重合度は特に限定されないが、フィッケンチャーのK値として80~100が好ましい。なお、当該K値はJIS K7367-2に記載の方法により測定でき、また、K値が特定された市販品等を適宜用いてもよい。
【0024】
機能層中のバインダー成分(ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の全ポリマー)の比率は特に限定されないが、機能層全体の0.1質量%以上含有することが強度の高い機能層を得るために好ましい。
【0025】
機能層中の各バインダー成分の比率は特に限定されないが、ポリビニルピロリドンが全バインダー成分の5~20質量%を占めることが好ましい。
【0026】
機能層中の架橋剤の比率は特に限定されないが、全バインダー成分に対して1~20質量%が好ましい。この範囲より少ないと十分な膜強度が得られない場合があり、この範囲より多いと膜のヘーズが上昇する場合がある。
【0027】
本発明の積層材料が有する機能層は、金属(1族、2族元素を除く)単体および/または該金属化合物、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋剤、ポリビニルピロリドンの他に、界面活性剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等の各種化合物を含んでいてもよい。
【0028】
本発明の機能層を形成するにあたり、上記した各成分を含有する塗布液を塗布製膜することが好ましく、その場合、塗液中の各成分の溶解性、分散性に優れることから、溶媒または分散媒として水を使用することが好ましい。また、溶媒または分散媒としては、水が主成分である限りにおいては、水と混和する有機溶媒を含有してもよい。塗液中の固形分濃度は特に限定されないが、固形分濃度が高いと塗液の粘性が高くなり均一な層を形成しにくくなることから、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下である。なお、下限値は塗液によっても異なるが、0.1質量%以上が好ましい。
【0029】
本発明の積層材料の用途は特に限定されず、光透過性金属酸化物層を応用する機能材料の製造に用いることができる。例えば、光透過性基板や光透過性電極等の光透過性導電材料、色素増感型太陽電池用電極などの機能材料を例示することができる。具体的には、金属(1族、2族元素を除く)化合物として酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む機能層を導電性金属酸化物層に積層した高屈折率な光透過性電極や、導電性金属酸化物層上に金属(1族、2族元素を除く)単体および/または金属(1族、2族元素を除く)化合物として硫化パラジウム、金属銀粒子、酸化アルミニウム等を含む機能層と、該機能層上にハロゲン化銀乳剤層を積層した銀塩感光材料から銀塩拡散転写法を利用して形成された光透過性導電材料を得ることができるが、特に銀塩拡散転写法を利用して形成された開口部を有する金属部を有する光透過性導電材料に好適に用いることができる。
【0030】
本発明の積層材料を用いて、銀塩拡散転写法を利用して形成された金属部(開口部を有する金属部)を有する光透過性導電材料を作製するには、上述したように導電性金属酸化物層上に機能層を設け、次いで該機能層上にハロゲン化銀乳剤層を設けることで光透過性導電材料前駆体とし、該前駆体を露光、現像することで得ることができる。このようにして得られた光透過性導電材料には、めっき処理を施すこともできる。
【0031】
光透過性導電材料前駆体において機能層上に設けるハロゲン化銀乳剤層としては、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術を利用したハロゲン化銀乳剤をそのまま用いることもできる。
【0032】
ハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)で記載されていような公知の手法を用いることができる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明の光透過性導電材料前駆体においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05~0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
【0033】
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩等9族金属元素の塩、もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法等当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明に用いる光透過性導電材料前駆体においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
【0034】
また、ハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。また、ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀量は銀換算で2~10g/m2であることが好ましい。
【0035】
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
【0036】
光透過性導電材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層と機能層との間やハロゲン化銀乳剤層の上層に非感光性層を設けることができる。これらの非感光性層は、水溶性ポリマーを主たるバインダーとする層である。ここでいう水溶性ポリマーとは、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層、あるいは機能層まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
【0037】
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい水溶性ポリマーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。この非感光性層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20~100質量%の範囲が好ましく、特に30~80質量%が好ましい。
【0038】
これら非感光性層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。また、処理後のハロゲン化銀乳剤層の剥離を妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
【0039】
光透過性導電材料前駆体には、ハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤としては、好ましくは上記した機能層、あるいは機能層とハロゲン化銀乳剤層の間に必要に応じて設けられる中間層、または光透過性支持体を挟んで設けられる裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが良い。非増感性染料または顔料の含有量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1m2あたり0.02~1.00gの範囲が望ましく、極大吸収波長における吸光度が0.5以上であることが好ましい。
【0040】
光透過性導電材料前駆体の露光について説明する。光透過性導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層は像様(所望の細線パターン)に露光されるが、露光方法として、透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400~430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いることができる。
【0041】
光透過性導電材料前駆体の銀塩拡散転写現像液による現像処理について説明する。上記のように像様に露光された光透過性導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層は、銀塩拡散転写現像液で処理することにより物理現像が起こり、現像可能なだけの潜像核を有さないハロゲン化銀が可溶性銀錯塩形成剤により溶解されて銀錯塩となり、機能層上で還元されて金属銀が析出し金属部を得ることができる。一方、現像可能なだけの潜像核を有するハロゲン化銀はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、不要になったハロゲン化銀乳剤層(黒化銀もこれに含まれる)および中間層、保護層、裏塗り層等は除去されて、金属部が機能層上に露出する。
【0042】
現像処理後のハロゲン化銀乳剤層や裏塗り層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀乳剤層上の余分なアルカリ液(銀錯塩拡散転写用現像液)を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等を剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
【0043】
光透過性導電材料前駆体の現像処理において使用する銀塩拡散転写現像の現像液について説明する。現像液は、可溶性銀錯塩形成剤および還元剤を含有するアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して機能層が含有する金属単体および/あるいは金属化合物上に金属銀を析出させるための化合物である。
【0044】
現像液に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサゾリドン類、2-メルカプト安息香酸およびその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9-171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5-ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474~475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
【0045】
現像液に用いられる還元剤は、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸およびその誘導体、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン等の3-ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
【0046】
可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1Lあたり0.001~5モルが好ましく、より好ましくは0.005~1モルの範囲である。還元剤の含有量は現像液1Lあたり0.01~1モルが好ましく、より好ましくは0.05~1モルの範囲である。
【0047】
現像液のpHは10以上が好ましく、さらに11~14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤、リン酸、炭酸等の緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
【0048】
また、上記現像処理および水洗処理することで得られた開口部を有する金属部は後処理を施すこともできる。後処理液としては例えば還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物等の水溶液が一例としてあげられる。このような後処理液に50~70℃、さらに好ましくは60~70℃で10秒以上、好ましくは30秒~3分の処理を行えば、導電性は向上し、さらに高温高湿下でもその表面抵抗率が変動しなくなるので好ましい。
【実施例0049】
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、記載中百分率は特に断りのない限り、質量基準である。
【0050】
「積層材料1の作製」
まず、硫化パラジウムゾル液を下記のようにして作製した。
【0051】
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し、硫化パラジウム濃度0.17%の硫化パラジウムゾルを得た。
【0052】
東洋紡(株)製透明導電性フィルム コスモクリスタ300R(ITO膜付きPETフィルム)(表面抵抗250Ω/□、厚み125μm、全光線透過率86%、ヘーズ1.0%)のITO膜面に対して下記組成の機能層塗液1をWET塗布量が12g/m2になるように塗布し、乾燥することで、積層材料1を得た。
【0053】
<機能層塗液1>
上記の通り作製した硫化パラジウムゾル 60g
25-98R(クラレ(株)製シラノール変性ポリビニルアルコール) 9mg
ポリビニルピロリドンK-90(キシダ化学(株)製、K値90) 1mg
デュラネートWB40-80D(旭化成(株)製イソシアネート系架橋剤) 1mg
ニッコール(登録商標)BT-9
(日光ケミカルズ(株)製ノニオン系界面活性剤) 1mg
サイリシア450(富士シリシア化学(株)製シリカ) 1.25mg
蒸留水 1g
【0054】
「積層材料2の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液2に変更した以外は同様にして、積層材料2を作製した。
【0055】
<機能層塗液2>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
JP-05(日本酢ビ・ポバール(株)製部分ケン化ポリビニルアルコール) 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0056】
「積層材料3の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液3に変更した以外は同様にして、積層材料3を作製した。
【0057】
<機能層塗液3>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
HPC M
(日本曹達(株)製ヒドロキシプロピルセルロース、モル置換度7.8) 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0058】
「積層材料4の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液4に変更した以外は同様にして、積層材料4を作製した。
【0059】
<機能層塗液4>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
25-98R 4.5mg
HPC M 4.5mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0060】
「積層材料5の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液5に変更した以外は同様にして、積層材料5を作製した。
【0061】
<機能層塗液5>
特開2003-268423号公報に記載の方法により作製された銀ゾル
(銀濃度0.5%) 60g
HPC M 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
「積層材料6の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液6に変更した以外は同様にして、積層材料6を作製した。
【0062】
<機能層塗液6>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 30g
積層材料5の作製で用いた銀ゾル 30g
HPC M 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0063】
「積層材料7の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液7に変更した以外は同様にして、積層材料7を作製した。
【0064】
<機能層塗液7>
AS-200
(日産化学(株)製アルミナゾル、アルミナ濃度10.5%) 60g
HPC M 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0065】
「積層材料8の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液8に変更した以外は同様にして、積層材料8を作製した。
【0066】
<機能層塗液8>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
ポリビニルピロリドンK-90 10mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0067】
「積層材料9の作製」
積層材料1の作製において機能層組成1を下記機能層組成9に変更した以外は同様にして、積層材料9を作製した。
【0068】
<機能層塗液9>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
HPC M 9mg
ポリビニルピロリドンK-90 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0069】
「積層材料10の作製」
積層材料1の作製において機能層塗液1を下記機能層塗液10に変更した以外は同様にして、積層材料10を作製した。
【0070】
<機能層塗液10>
積層材料1の作製で用いた硫化パラジウムゾル 60g
HPC M 9mg
デュラネートWB40-80D 1mg
ニッコールBT-9 1mg
サイリシア450 1.25mg
蒸留水 1g
【0071】
<ITO膜上に設けられた機能層の密着性>
上記積層材料1~10の機能層の表面に日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNo.31を気泡が入らないように貼り付け、その後勢い良くテープを剥がし、機能層のITO膜面に対する密着性を評価した。密着性の評価は、機能層の剥離状態を、○が剥離なし、△が一部剥離あり、×が全面剥離として目視にて行った。結果を表1に示す。
【0072】
【0073】
「光透過性電極1の作製」
上記積層材料1の機能層の上に、下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および最外層をこの順に設けた。また光透過性支持体の反対面に裏塗り層を設けた。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸とを用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
【0074】
<中間層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ニッコールBT-9 5mg
【0075】
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 3mg
ニッコールBT-9 20mg
【0076】
<最外層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
ニッコールBT-9 10mg
【0077】
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
ニッコールBT-9 400mg
【0078】
【0079】
上記中間層、ハロゲン化銀乳剤層、最外層、裏塗り層を設けた積層材料1を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンのポジ透過原稿を密着させて露光した。
【0080】
続いて、露光した積層材料1を下記組成の拡散転写現像液中に15℃で90秒間浸漬した後、ハロゲン化銀乳剤層、中間層、最外層および裏塗り層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。こうして前記した機能層上に厚み0.1μm、細線幅20μmのメッシュ状金属パターン(開口部を有する金属部)を得た。こうしてメッシュ状金属パターンが形成された導電材料に対して3%塩化ナトリウム水溶液を用いて60℃60秒間の後処理を実施した。その後、35℃の温水で30秒間水洗し、乾燥することで光透過性電極1を得た。
【0081】
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1-フェニル-3-ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N-メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mLとし、85%リン酸水溶液にてpH=12.2に調整した。
【0082】
上記のようにして得られたメッシュ状金属パターンが形成された光透過性電極1の表面抵抗率を、ダイアインスツルメンツ社製、ロレスターGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。また、光透過性電極1の全光線透過率をスガ試験機(株)製ヘーズメーターHZ-V3を用いて測定した。さらに、前述した機能層の密着性の評価と同様に金属パターンの密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0083】
上記光透過性電極1の作製と同様に、積層材料2~10についても個々の機能層上にそれぞれ中間層、ハロゲン化乳剤層、および最外層をこの順で設け、次いで露光、現像処理、後処理を行い、光透過性電極2~10を作製した。光透過性電極1と同様に光透過性電極2~10の表面抵抗率および全光線透過率の測定、並びに金属パターンの密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0084】
【0085】
表1、表2より、本発明の効果が判る。光透過性電極8~10は、機能層の接着性が十分でないため、十分な密着性を有する金属パターンは得られなかった。