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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146268
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ソレノイド駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/18 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
H01F7/18 D
H01F7/18 B
H01F7/18 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047147
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】302038741
【氏名又は名称】新電元メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111899
【弁理士】
【氏名又は名称】永山 陽二
(72)【発明者】
【氏名】岡田 信秀
(57)【要約】
【課題】 ソレノイド駆動回路において、製造コストの増大や、筐体や基板の大型化をできる限り抑えつつ、ソレノイドの応答性と高速性を高めることが可能なソレノイド駆動回路を提供すること。
【解決手段】 ソレノイド駆動回路10にコンデンサ25を設け、駆動用電源20からの電力供給とコンデンサ25からの放電電流を同時に供給するようにしたので、駆動用電源20からのみ供給する場合よりも、電圧の立ち上がりが非常に早くなると共に、コンデンサ25からの放電が完了するまでの間、供給される電流量も増大する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドに設けられたソレノイドコイルと、
正極側が前記ソレノイドコイルの一方の端部に接続され、負極側が前記ソレノイドコイルの他方の端部に接続されると共に、前記ソレノイドコイルに電流を供給する駆動用電源と、
負側端子が前記ソレノイドコイルの前記他方の端部に接続され、正側端子が前記駆動用電源の前記負極側に接続されると共に、前記ソレノイドコイルに直列に設けられたコンデンサと、
正極側が前記コンデンサの前記正側端子に接続され、負極側が前記コンデンサの前記負側端子に接続されると共に、前記コンデンサに電流を供給する充電用電源と、
前記駆動用電源の前記正極側と前記ソレノイドコイルの前記一方の端部との間に設けられたスイッチ素子と、
一方の端子が前記ソレノイドコイルの前記他方の端部に接続され、他方の端子が前記充電用電源の前記負極側及び前記充電用電源の前記正極側に接続されると共に、前記駆動用電源の出力電流の方向に対して順方向となるように設けられた第1のダイオードを備え、
前記駆動用電源の前記負極側、前記充電用電源の前記正極側、前記コンデンサの前記正側端子、及び、前記第1のダイオードの前記他方の端子が接地され、
前記スイッチ素子がオフしているときに、前記コンデンサが前記充電用電源によって充電され、
前記スイッチ素子がオンしたときに、前記駆動用電源の出力電圧と前記コンデンサの充電電圧の和が前記ソレノイドコイルに印加されるようになされていることを特徴とするソレノイド駆動回路。
【請求項2】
さらに、前記ソレノイドコイルに並列に設けられ、かつ、一方の端子が前記駆動用電源の前記正極側に接続され、他方の端子が前記コンデンサの前記負側端子、前記駆動用電源の前記負極側及び前記充電用電源の前記正極側に接続されると共に、前記駆動用電源の前記出力電流の方向に対して逆方向となるように設けられた第2のダイオードを備えていることを特徴とする請求項1に記載のソレノイド駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイド駆動回路に関し、特に、ソレノイドの応答性と高速性を高めることが可能なソレノイド駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ソレノイドにおいては、プランジャが作動し始めるまでの時間を短縮すること、及び、プランジャの作動初期の速度を高速化することを課題として、様々なソレノイド駆動回路が発明されている。図6は、従来技術に係るソレノイド駆動回路の回路図である。図6において、51は直流電源、52はトランジスタ、53はトランジスタ、54は電流制限抵抗、55は電磁弁、55aはソレノイドコイル、56は昇圧チョッパ回路、57はリアクトル、58はダイオード、59はコンデンサ、60はチョッパ用NPNトランジスタ、61は逆流阻止ダイオードである。
【0003】
図6は、特開平6-026589公報で開示されているもので、電磁弁に組み込まれたソレノイドの駆動回路である。図3に示すように、このソレノイドの駆動回路では、直流電源51の直流電圧を昇圧チョッパ回路56によって昇圧し、その昇圧された電圧を電磁弁プルアップ用スイッチング素子であるトランジスタ52を介して電磁弁55に対してプルアップ電圧として供給するように構成されている。昇圧チョッパ回路56はリアクトル57、ダイオード58、コンデンサ59、チョッパ用NPNトランジスタ60により構成されている。逆流阻止ダイオード61は、電磁弁55に設けられたソレノイドコイル55aの逆起電力による高電圧の発生を防止するものである。
【0004】
そして、トランジスタ52及び53をオンすると、昇圧チョッパ回路56によって昇圧され、さらにコンデンサ59に充電された電圧がトランジスタ52を介して電磁弁55のソレノイドコイル55aに印加される。したがって、昇圧チョッパ回路56によって昇圧された電圧に応じて、電磁弁55のプランジャが作動し始めるまでの時間を短縮すること、及び、プランジャの作動初期の速度を高速化することが可能となる。
【0005】
ところで、上述のような回路構成にすると、昇圧チョッパ回路56を新たに設けることになるので、製造コストが増大すると共に、昇圧チョッパ回路56を収容するスペースも新たに必要となる。特に、リアクトル57は比較的に容量が大きく、リアクトル57を設ける筐体や基板が大型化すること自体が製造コストを増大させる要因となる。さらに、バイポーラトランジスタを精確にオンさせることは意外に難しい上に、バイポーラトランジスタは早い応答が求められる用途には余り適していないと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-026589公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するために、ソレノイド駆動回路において、製造コストの増大や、筐体や基板の大型化をできる限り抑えつつ、ソレノイドの応答性と高速性を高めることが可能なソレノイド駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ソレノイドに設けられたソレノイドコイルと、正極側が前記ソレノイドコイルの一方の端部に接続され、負極側が前記ソレノイドコイルの他方の端部に接続されると共に、前記ソレノイドコイルに電流を供給する駆動用電源と、負側端子が前記ソレノイドコイルの前記他方の端部に接続され、正側端子が前記駆動用電源の前記負極側に接続されると共に、前記ソレノイドコイルに直列に設けられたコンデンサと、正極側が前記コンデンサの前記正側端子に接続され、負極側が前記コンデンサの前記負側端子に接続されると共に、前記コンデンサに電流を供給する充電用電源と、前記駆動用電源の前記正極側と前記ソレノイドコイルの前記一方の端部との間に設けられたスイッチ素子と、一方の端子が前記ソレノイドコイルの前記他方の端部に接続され、他方の端子が前記充電用電源の前記負極側及び前記充電用電源の前記正極側に接続されると共に、前記駆動用電源の出力電流の方向に対して順方向となるように設けられた第1のダイオードを備え、前記駆動用電源の前記負極側、前記充電用電源の前記正極側、前記コンデンサの前記正側端子、及び、前記第1のダイオードの前記他方の端子が接地され、前記スイッチ素子がオフしているときに、前記コンデンサが前記充電用電源によって充電され、前記スイッチ素子がオンしたときに、前記駆動用電源の出力電圧と前記コンデンサの充電電圧の和が前記ソレノイドコイルに印加されるようになされていることを特徴とするソレノイド駆動回路である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、前記ソレノイドコイルに並列に設けられ、かつ、一方の端子が前記駆動用電源の前記正極側に接続され、他方の端子が前記コンデンサの前記負側端子、前記駆動用電源の前記負極側及び前記充電用電源の前記正極側に接続されると共に、前記駆動用電源の前記出力電流の方向に対して逆方向となるように設けられた第2のダイオードを備えていることを特徴とするソレノイド駆動回路である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、充電用電源によってコンデンサを予め充電しておき、スイッチ素子をオンすることによって、駆動用電源とコンデンサとの両方の電圧がソレノイドコイルに印加されるので、ソレノイドのプランジャが作動し始めるまでの時間を短縮し、かつ、プランジャの作動初期の速度を高速化することができる。さらに、充電用電源がコンデンサを継続的に充電するようにできるので、ソレノイドを比較的短時間のうちに繰り返し作動させることができる。また、一般的なソレノイド駆動回路に対して、充電用電源、コンデンサ及び第1のダイオードを追加する必要があるが、充電用電源は、各種の一次電池若しくは二次電池を使用でき、あるいは、ソレノイドを実装する機器の電源回路から供給される直流電流を充電用電源として使用できると共に、コンデンサ、第1のダイオード及び第3のダイオードは、実装面積が極めて小さいので、筐体や基板の大型化を招くことがない。また、安価な電池及び回路用素子のみで構成するので、製造コストの増大も極めて小幅のものに留まる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、ソレノイドコイルの逆起電力による高電圧の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路の回路図である。
図2】本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のコンデンサへの充電状態を示す回路図である。
図3】本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のソレノイドコイルへの通電状態を示す回路図(1)である。
図4】本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のソレノイドコイルへの通電状態を示す回路図(2)である。
図5】本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路の通電時の特性を示すグラフである。
図6】従来技術に係るソレノイド駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路は、各種のソレノイドに適用できるものであるが、特に車両用電磁弁など非常に高い応答性又は高速性が求められるソレノイドに特に好適である。以下に、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路の回路図である。図1において、10はソレノイド駆動回路、20は駆動用電源、21は充電用電源、22はソレノイドコイル、23は第2のダイオード、24はスイッチ素子、25はコンデンサ、26は第1のダイオード、27は接地点、28は第1の抵抗、29はFETドライバ、30はソレノイドの電気的構成部品、31は初期駆動加速部である。なお、本願の特許請求の範囲及び明細書において、「一方の端子」又は「一方の端部」と記載した場合は、駆動用電源20の正極に近い側のものを示し、「他方の端子」又は「他方の端部」と記載した場合は、駆動用電源20の負極に近い側のものを示すものとする。
【0014】
まず、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路10の概要について説明する。図1に示すように、ソレノイド駆動回路10は、ソレノイドコイル22を含む直流回路であり、図示していないプランジャの駆動回路として機能する。このプランジャは、駆動用電源20からの電力供給だけでも作動するが、本発明においては充電用電源21を併せて設けることによって、プランジャが作動し始めるまでの時間を短縮すること、及び、プランジャの作動初期の速度を高速化することを実現している。
【0015】
駆動用電源20は、後述するように、スイッチ素子24がオンしたときにソレノイドコイル22へ電力供給する。充電用電源21は、常時オン状態にあり、コンデンサ25へ電力供給し続ける。また、駆動用電源20の負極側、充電用電源21の正極側、コンデンサ25の正側端子側、及び、第1のダイオード26の他方の端子側は、それぞれ接地点27において接地されている。なお、駆動用電源20と充電用電源21とは、ソレノイドを実装する装置の状況に応じて、実装する装置の電源回路からの電力供給や、一次電池又は二次電池からの電力供給などから適宜選択することができ、さらに、駆動用電源20と充電用電源21とを異なる種類の電源からなるものとしてもよい。また、充電用電源21は、例えばソレノイドの動作頻度が低い機器においては、必要な時のみオンする構成にしてもよい。
【0016】
さらに、ソレノイド駆動回路10について詳細に説明する。ソレノイドコイル22は、図示していないソレノイドに電気的構成部品として設けられている。ソレノイドコイル22の一方の端部は、スイッチ素子24を介して駆動用電源20の正極側に接続され、ソレノイドコイル22の他方の端部は、第1のダイオード26を介して駆動用電源20の負極側、及び、充電用電源21の正極側に接続されている。また、第2のダイオード23がソレノイドコイル22に対して並列になるように設けられると共に、スイッチ素子24を介して駆動用電源20の正極側に接続され、ソレノイドコイル22の他方の端部は、第1のダイオード26を介して駆動用電源20の負極側、及び、充電用電源21の正極側に接続されている。第2のダイオード23は、駆動用電源20の出力電流の方向に対して逆方向となるように設けられており、ソレノイドコイル22の逆起電力による高電圧の発生を防止するフライホイールダイオードとして設けられている。なお、第2のダイオード23に代えて、バリスタやツェナーダイオードを設けてもよい。または、この位置にダイオード等を設けるのではなく、スイッチ素子24であるFETのドレイン-ソース間にバリスタを設けても同様に機能する。
【0017】
また、駆動用電源20の正極側と、ソレノイドコイル22の一方の端部及び第2のダイオード23の一方の端子との間には、スイッチ素子24が設けられている。スイッチ素子24は、Pチャネル型MOSFETからなる。Pチャネル型MOSFETは、ソース電極に対してゲート電極側が負になる電圧を印加するとオン状態になるが、ゲート電極側が正になる電圧を印加するとオン状態になるNチャネル型MOSFETを用いてもよい。いずれにせよ、オン動作の高速性を考慮すると、スイッチ素子24には、バイポーラトランジスタではなく、MOSFETを用いることが非常に望ましい。FETドライバ29はスイッチ素子24を駆動するためのものであるが、本発明との関連性が薄いので、説明は省略する。
【0018】
さらに、ソレノイド駆動回路10には、コンデンサ25と第1のダイオード26とからなる初期駆動加速部31が設けられている。初期駆動加速部31は、図示していないソレノイドの作動初期において、駆動用電源20による通常の電力供給に初期駆動加速部31からの電力供給を上乗せすることによって、応答性及び高速性を高めるために設けられている。コンデンサ25は、負側端子が充電用電源21の負極側と、ソレノイドコイル22の他方の端部、及び、第2のダイオード23の他方の端子に第1の抵抗28を介して接続され、正側端子が充電用電源21の正極側、及び、駆動用電源20の負極側と、第1のダイオード26の他方の端子に接続されている。第1のダイオード26は、コンデンサ25に対して並列に設けられており、一方の端子が充電用電源21の負極側と、ソレノイドコイル22の他方の端部、及び、第2のダイオード23の他方の端子に接続され、他方の端子が充電用電源21の正極側、及び、駆動用電源20の負極側に接続されている。第1のダイオード26は、このように接続されることによって、コンデンサ25の電荷放電後にソレノイド電流を流す経路を確保する役割を持つ。
【0019】
続けて、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路10の動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のコンデンサへの充電状態を示す回路図である。図2において用いた符号は、全て図と同じものを示す。さらに、図3は、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のソレノイドコイルへの通電状態を示す回路図(1)である。図3において用いた符号は、全て図と同じものを示す。くわえて、図4は、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路のソレノイドコイルへの通電状態を示す回路図(2)である。図4において用いた符号は、全て図と同じものを示す。
【0020】
まず、図2に示すように、充電用電源21からの電力供給によってコンデンサ25を充電しておく。前述のように、この実施の形態に係るソレノイド駆動回路10では、充電用電源21は常時オン状態になっている。したがって、スイッチ素子24がオフ状態であっても、充電用電源21の正極側から、コンデンサ25、第1の抵抗28を経由し、充電用電源21の負極側へ戻る電流路が生成され、コンデンサ25が充電される。コンデンサ25が充電された状態において、スイッチ素子24をオンすると、図3に示すように、駆動用電源20の正極側から、スイッチ素子24、ソレノイドコイル22、コンデンサ25を経由し、駆動用電源20の負極側へ戻る電流路が生成される。したがって、コンデンサ25の放電が終わるまでの間、図示していないソレノイドに対して、駆動用電源20とソレノイドコイル22の放電により励磁電流が供給されることになる。
【0021】
コンデンサ25の放電後は、図4に示すように、駆動用電源20の正極側から、スイッチ素子24、ソレノイドコイル22、第1のダイオード26を経由し、駆動用電源20の負極側へ戻る電流路が生成される。すなわち、ソレノイドコイル22は、駆動用電源20からの電力供給のみで引き続き作動することになる。
【0022】
図5は、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路の通電時の特性を示すグラフである。図5は、上述のソレノイド駆動回路10の動作を解析したものであり、コンデンサ電圧及び電流は、コンデンサ25の両端子間の電圧及び電流の変動をシミュレーションによって得たものであり、ソレノイド電圧及び電流も、ソレノイドコイル22の両端子間の電圧及び電流の変動をシミュレーションによって得たものである。
【0023】
図5から分かるように、スイッチ素子24をオンしてから、コンデンサ25の放電によってコンデンサ電圧が極めて急速に立ち上がる。同時に、コンデンサ電流も急速に立ち上がる。したがって、スイッチ素子24がオンしたときに、駆動用電源20からの出力電圧とコンデンサ25からの充電電圧の和がソレノイドコイル22に印加されるので、スイッチ素子24をオンしてから、ソレノイドコイル22に対する電力供給が非常に急速に増大し、駆動用電源20からの電力供給だけでは実現できない電力供給が可能となっている。また、コンデンサ25の放電が完了すると、コンデンサ電流は非常に急速に低下し、駆動用電源20からの電流に切り替わっている。
【0024】
以上のように、スイッチ素子24がオンしたときに、駆動用電源20からの出力電圧とコンデンサ25からの充電電圧の和がソレノイドコイル22に印加されるようになされているので、供給される電流は急速に増大することが分かる。したがって、ソレノイドコイル22への通電によって流れる磁束も増大し、プランジャが作動し始めるまでの時間を短縮すること、及び、プランジャの作動初期の速度を高速化することが実現できることが分かる。また、ソレノイドに求められる特性によって多少異なるが、充電用電源21、コンデンサ25及び第1のダイオード26は非常に小さな素子を採用できるので、基板の面積や筐体の容積をほとんど増大させず、製造コストをほとんど増大させないという利点もある。さらに、コンデンサ25の放電による電力供給は、補助電源による電力供給のように、補助電源用のスイッチ素子を非常に高精度に動作させる必要がないという利点もある。
【0025】
本発明は以上に説明した内容に限定されるものではなく、例えば、本発明の実施の形態に係るソレノイド駆動回路の構成に対して、センサを付加するなど、請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々の構成にすることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 ソレノイド駆動回路
20 駆動用電源
21 充電用電源
22 ソレノイドコイル
23 第2のダイオード
24 スイッチ素子
25 コンデンサ
26 第1のダイオード
27 接地点
28 第1の抵抗
29 FETドライバ
30 ソレノイドの電気的構成部品
31 初期駆動加速部
51 直流電源
52 トランジスタ
53 トランジスタ
54 電流制限抵抗
55 電磁弁
55a ソレノイドコイル
56 昇圧チョッパ回路
57 リアクトル
58 ダイオード
59 コンデンサ
60 チョッパ用NPNトランジスタ
61 逆流阻止ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6