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特開2022-146358領域管理方法、領域管理装置、及び領域管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146358
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】領域管理方法、領域管理装置、及び領域管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220928BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20220928BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/02
A01G7/00 603
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047272
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】評価情報を表示するために用いられる区画を決定することで、ユーザによる評価情報の容易な把握を支援する領域管理方法、領域管理装置及び領域管理プログラムを提供する。
【解決手段】領域管理方法は、作業が行われた第1圃場400-1を分割するための直線状の基準線445を決定することと、1辺が基準線に平行な平行線分431である平行四辺形状の複数の第1区画440を決定することと、決定した第1区画440における作業を表す第1評価情報を出力することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業が行われた第1圃場を分割するための直線状の基準線を決定することと、
1辺が前記基準線に平行な平行線分である平行四辺形状の複数の第1区画を決定することと、
決定された前記第1区画における前記作業を表す第1評価情報を出力することと、
を含む領域管理方法。
【請求項2】
前記基準線を決定することは、
前記第1圃場の輪郭線に含まれる直線状の輪郭線分のうちの1つを前記基準線として決定することを含む請求項1に記載の領域管理方法。
【請求項3】
前記基準線を決定することは、
直線状の前記輪郭線分のうち、最も長い輪郭線分を前記基準線として決定すること
を含む請求項2に記載の領域管理方法。
【請求項4】
前記第1区画は長方形である
請求項1から3のいずれか1項に記載の領域管理方法。
【請求項5】
前記第1区画は正方形である
請求項1から3のいずれか1項に記載の領域管理方法。
【請求項6】
前記第1圃場と第2圃場とを選択することと、
1辺が前記基準線に平行な平行線分である平行四辺形状の複数の第2区画を決定することと、
前記第2区画における第2評価情報を出力することと、
を含み、
前記第2評価情報は、前記第2圃場で行われた作業を表す
請求項1から5のいずれか1項に記載の領域管理方法。
【請求項7】
作業が行われた第1圃場を分割するための直線状の基準線を決定する基準線決定部と、
1辺が前記基準線に平行な平行線分である平行四辺形状の複数の第1区画を決定する区画決定部と、
決定された前記第1区画における前記作業を表す第1評価情報を出力する出力部と、
を備える領域管理装置。
【請求項8】
作業が行われた第1圃場を分割するための直線状の基準線を決定することと、
1辺が前記基準線に平行な平行線分である平行四辺形状の複数の第1区画を決定することと、
決定された前記第1区画における前記作業を表す第1評価情報を出力することと、
を演算装置に実行させる領域管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、領域管理方法、領域管理装置、及び領域管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圃場において行われた作業に関する情報を用いて栽培管理の分析を行うことが研究されている。
【0003】
特許文献1には、圃場をメッシュ状に分割して、分割した区画ごとに作物の生育状況や収量を表示して、栽培管理の分析を行う技術が開示されている。また、分割された区画の境界線が、圃場を移動して作業を行う作業車両の進行方向と平行な方向に延びるように、圃場を分割することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-135623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
栽培管理の分析を行うとき、圃場を分割する方法、例えばメッシュ状に分割された区画の境界線を決定する方法により、作物の生育状況などの評価情報の把握しやすさが変化する。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、評価情報を表示するために用いられる区画を決定することで、ユーザによる評価情報の容易な把握を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による領域管理方法は、作業が行われた第1圃場(400-1)を分割するための直線状の基準線(445)を決定することを含む。また、領域管理方法は、1辺が基準線(445)に平行な平行線分(431)である平行四辺形状の複数の第1区画(440-1)を決定することを含む。さらに、領域管理方法は、決定された第1区画(440-1)における作業を表す第1評価情報を出力することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による領域管理装置(100)は、基準線決定部(160)と、区画決定部(170)と、出力部(180)とを備える。基準線決定部(160)は、作業が行われた第1圃場(400-1)を分割するための直線状の基準線(445)を決定する。区画決定部(170)は、1辺が基準線(445)に平行な平行線分(431)である平行四辺形状の複数の第1区画(440-1)を決定する。出力部(180)は、決定された第1区画(440-1)における作業を表す第1評価情報を出力する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による領域管理プログラム(310)は、作業が行われた第1圃場(400-1)を分割するための直線状の基準線(445)を決定することを演算装置(120)に実行させる。また、領域管理プログラム(310)は、1辺が基準線(445)に平行な平行線分(431)である平行四辺形状の複数の第1区画(440-1)を決定することを演算装置(120)に実行させる。さらに、領域管理プログラム(310)は、決定された第1区画(440-1)における作業を表す第1評価情報を出力することを演算装置(120)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザによる評価情報の把握を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態における領域管理システムの構成図である。
図2】一実施の形態においる評価情報を表示する画面を表す図である。
図3】一実施の形態における領域管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図4】一実施の形態における領域管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図5】一実施の形態においる区画を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
本発明の本実施の形態による領域管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、領域管理システム1000は、領域管理装置100と、端末200とを備える。領域管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、各時刻の位置を表す位置情報を取得する。これにより、作業装置30は、圃場内を移動して作業を行った位置情報を取得する。作業装置30は、位置情報を含む稼働情報を、領域管理装置100に送信する。領域管理装置100は、作業装置30から圃場での稼働情報を取得して、取得した稼働情報に基づき、作業領域、評価情報、例えば植付量、散布した農薬量、収穫量などを算出する。評価情報は、例えば作業装置30が取得した位置情報に表される複数の位置に対して算出される。
【0015】
領域管理装置100は、端末200から要求に応じて、評価情報を出力する。端末200は、出力された評価情報を表示する。例えば、端末200は、図2に示すように、地図上に複数の圃場400を表す表示画像を表示する。
【0016】
圃場400に表される評価情報は、圃場400を分割した区画440の単位で表示される。区画440は、例えば矩形状に形成され、圃場400をメッシュ状に分割した領域を表す。区画440の少なくとも1辺は、基準線445に平行な平行線分431を含む。区画440が並ぶ方向、具体的には基準線445の延びる方向に応じて、ユーザによる評価情報の把握のしやすさが変化する。例えば、畝が設けられた圃場400の場合、区画440を畝が延びる方向に平行な方向に並べることで、ユーザは評価情報を把握しやすくなる。このように、領域管理装置100は、区画440が並ぶ方向を調整することで、ユーザによる栽培管理の分析を支援する。
【0017】
なお、作業装置30が送信する稼働情報は、圃場400で作業を行っているときの作業装置30の状態を表す情報を含み、例えば作業装置30の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況、作業装置30の各時刻の位置情報、作業期間などを表す情報を含む。作業装置30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0018】
作業装置30は、作業機械と一体に形成された車両、例えばコンバインなどでもよい。例えば、作業装置30は、収穫した作物の収量を測定する収量センサを備えたコンバインを含む。また、作業装置30は、施肥を行う作業機械を備えるトラクターや、ドローンでもよい。また、作業装置30は、農薬を散布するドローンでもよい。さらに、作業装置30は、田植え機を含んでもよい。
【0019】
(領域管理システムの構成)
領域管理装置100の構成を説明する。領域管理装置100は、図1に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。領域管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0020】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、作業装置30から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0021】
記憶装置140は、評価情報を表示するために用いられる区画440を決定するための様々なデータ、例えば圃場データ300と、領域管理プログラム310とを格納する。記憶装置140は、領域管理プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。領域管理プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0022】
圃場データ300は、作業装置30の稼働状態に基づき算出される各種情報を記憶する。圃場データ300は、例えば、作業圃場と、作業領域と、作業種別と、圃場内の各位置における評価情報とを関連付けて記憶する。作業圃場は、作業装置30が作業を行った圃場400を表す。作業領域は、作業装置30が実際に作業を行った圃場内の領域を表す。評価情報は、栽培管理の分析に用いられる各種情報を表す。評価情報は、作業装置30により行われた作業を表し、作業装置30により使用された資材量、例えば施肥量や農薬の散布量に関する情報などを含んでもよい。また評価情報は、作業装置30により収穫された収量に関する情報を表す。評価情報は、作業装置30により取得された位置情報に表される各位置に関連付けて表されている。
【0023】
演算装置120は、領域管理プログラム310を記憶装置140から読み出し実行して、評価情報を表示するために用いられる区画440を決定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0024】
演算装置120は、領域管理プログラム310を読み出し実行することで、図3に示すように、データ記憶部150と、基準線決定部160と、区画決定部170と、出力部180とを実現する。データ記憶部150は、稼働情報に基づき評価情報を算出して、算出した評価情報を圃場データ300に記憶する。基準線決定部160は、圃場400を区画440に分割するための基準線445を決定する。区画決定部170は、基準線445に基づき、圃場400の区画440を決定する。出力部180は、決定された区画440に対応する評価情報を出力する。
【0025】
端末200は、図1に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0026】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、領域管理装置100から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を領域管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0027】
記憶装置240は、評価情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム320を格納する。記憶装置240は、表示プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。表示プログラム320は、記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0028】
演算装置220は、表示プログラム320を読み出し実行することで、図3に示すように、入出力装置210と協働して、表示部250を実現する。表示部250は、領域管理装置100から評価情報を取得して、取得した評価情報を表示する。
【0029】
(領域管理システムの動作)
図1に示す作業装置30は、圃場400での作業を行うと、稼働情報を領域管理装置100の演算装置120に送信する。例えば、作業装置30は、エンジンを停止したときに、エンジンを起動してから停止するまでの稼働情報を領域管理装置100の演算装置120に送信する。演算装置120は、作業装置30の稼働情報を受信すると、領域管理プログラム310を読み出し実行する。演算装置120により実現されるデータ記憶部150は、稼働情報に基づき、作業装置30から取得した位置情報に表される複数の位置に対する評価情報を算出する。算出された評価情報は、圃場データ300に記憶される。
【0030】
端末200の演算装置220は、圃場データ300に記憶された評価情報を表示する操作に応じて、表示プログラム320を読み出し実行する。表示プログラム320が読み出し実行されると、演算装置220は、領域管理方法の一部である図4に示す処理を開始する。また、領域管理装置100の演算装置120は、例えば、起動されると、領域管理プログラム310を読み出し実行する。
【0031】
ステップS110において、演算装置220で実現される表示部250は、ユーザの操作に基づき、区画440を決定する1以上の圃場400を表す情報を取得して、取得した情報を領域管理装置100の演算装置120に送信する。例えば、表示部250は、図2に示すように、地図上に複数の圃場400を表す画像を入出力装置210に表示する。ユーザは、地図上に表示された複数の圃場400から評価情報を表示する1以上の圃場400を選択する操作を端末200の入出力装置210に入力する。図3に示す表示部250は、1以上の圃場400を選択する操作に基づき、選択された1以上の圃場400を表す情報を領域管理装置100の演算装置120に送信する。具体的には、選択された1以上の圃場400を表す情報は、領域管理装置100の区画決定部170に送信される。
【0032】
図4に示すステップS120において、領域管理装置100の基準線決定部160は、端末200の表示部250から基準線445を決定するための基準線情報を取得して、直線状の基準線445を決定する。例えば、端末200の表示部250は、図2に示すように、地図上に複数の圃場400を表す画像を入出力装置210に表示する。ユーザは、地図上に複数の圃場400から基準線445を決定するための1つの圃場400、例えば第1圃場400-1を選択する操作を入出力装置210に入力する。図3に示す端末200の表示部250は、選択された圃場400を表す基準線情報を領域管理装置100の演算装置120に送信する。具体的には、選択された圃場400を表す基準線情報は、領域管理装置100の基準線決定部160に送信される。
【0033】
領域管理装置100の基準線決定部160は、端末200から取得した基準線情報に基づき、基準線445を決定する。例えば、図2に示すように、基準線決定部160は、選択された第1圃場400-1の輪郭線に含まれる直線状の輪郭線分、例えば第1輪郭線分410と、第2輪郭線分420と、第3輪郭線分430とを抽出する。基準線決定部160は、抽出された直線状の輪郭線分のうち、最も長い輪郭線分、例えば第3輪郭線分430を基準線445として決定する。
【0034】
図4に示すステップS130において、領域管理装置100の区画決定部170は、基準線445と、選択された複数の圃場400とに基づき、評価情報を表示するための区画440を決定する。例えば、最初に、区画決定部170は、図5に示すように、基準線445に平行な線分を1辺とし、圃場400、例えば第1圃場400-1の外接矩形450を算出する。圃場400の外接矩形450は、対応する圃場400の全体を含み、最も小さな長方形を表す。図5に示す例において、外接矩形450の一辺は、基準線445である第3輪郭線分430を表す。
【0035】
次に、区画決定部170は、外接矩形450の4つの頂点のうち、1つの頂点を基準点451として決定する。基準点451は、例えば、外接矩形450の南西の頂点である。基準点451は、矩形状に形成された1つの区画440の頂点を表す。
【0036】
最後に、区画決定部170は、基準点451に基づき、基準線445に平行な平行線分431を1辺とする区画440を決定する。例えば、区画決定部170は、基準点451を通り、基準線445に平行な第1平行線分431-1を算出する。算出された第1平行線分431-1を含み、隣接する2つの平行線分431の距離が互いに等しい複数の平行線分431を、区画決定部170は決定する。例えば、区画決定部170は、第2平行線分431-2、第3平行線分431-3などを決定する。隣接する2つの平行線分431の距離は、例えば予め決定されている。
【0037】
さらに、区画決定部170は、基準点451を通り、基準線445に直行する第1交差線分432-1を算出する。算出された第1交差線分432-1を含み、隣接する2つの交差線分432の互いの距離が等しい複数の交差線分432を、区画決定部170は決定する。例えば、区画決定部170は、第2交差線分432-2などを決定する。隣接する2つの交差線分432の距離は、例えば予め決定されている。
【0038】
区画決定部170は、決定された2つの平行線分431と、2つの交差線分432とに囲まれた複数の領域の各々を区画440として決定する。区画決定部170は、図4に示すステップS110で選択された複数の圃場400に対して、同様に区画440を決定する。なお、区画440は、長方形を表し、長方形に含まれる正方形でもよい。例えば、隣接する2つの平行線分431の距離は、隣接する2つの交差線分432の距離と異なってもよく、等しくてもよい。また、区画440の大きさは、評価情報を表示する複数の圃場400に関わらず、同じである。例えば、第1圃場400-1の第1区画440-1は、他の圃場400の第2区画440-2と同じ形状、大きさを有する。
【0039】
図4に示すステップS140において、出力部180は、決定された区画440における評価情報を算出し、算出された評価情報を端末200の表示部250に出力する。例えば、出力部180は、圃場データ300に基づき、決定された区画440の各々に含まれる評価情報を取得する。具体的には、出力部180は、決定された区画440に含まれる位置情報を圃場データ300から抽出し、抽出された位置情報に関連付けられた評価情報を取得する。出力部180は、取得された評価情報を用いて、区画440における評価情報を算出する。例えば、評価情報が総収量であるとき、出力部180は、区画440に含まれる位置情報に関連付けられた収量の合計を算出する。また、評価情報が単位面積当たりの収量であるとき、出力部180は、算出された総収量を、区画440に含まれる圃場400の面積で除算する。出力部180は、算出された評価情報を、区画440と関連付けられて表す出力信号を生成する。生成された出力信号は、領域管理装置100の通信装置130から端末200の表示部250に出力される。
【0040】
ステップS150において、端末200の表示部250は、出力信号に基づき、評価情報を表示する。表示部250は、図2に示すように、区画決定部170により決定された区画440に対して評価情報を表示する。評価情報は、評価情報が表す値、例えば収量、農薬の散布量などに応じて、区別可能に表示される。例えば、評価情報は、評価情報が表す値に応じて、色分けされて表示される。また、評価情報は、ハッチングの種類により、区別されてもよい。
【0041】
このように、領域管理システム1000は、区画440が並ぶ方向を調整することで、ユーザによる栽培管理の分析を支援する。また、領域管理システム1000は、複数の圃場400において、区画440が並ぶ方向を調整することで、ユーザによる操作を容易にする。さらに、領域管理システム1000は、複数の圃場400において、区画440が並ぶ方向を合わせることで、圃場400の一部領域を圃場400の間で比較し得る評価情報を表示する。これにより、ユーザは、圃場400内での評価情報の差異だけでなく、圃場400間での評価情報の差異を把握して、より詳細な分析を行うことができる。
【0042】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、図4に示すステップS110において、表示部250は、ユーザが評価情報を表示する圃場400を選択できれば、任意の方法を用いてもよい。例えば、表示部250は、圃場400の一覧を表示してもよい。この場合、ユーザは、表示された圃場400の一覧から評価情報を表示する圃場400を選択する。また、ステップS120においても同様に、表示部250は、ユーザが基準線445を決定するための圃場400を選択できれば、任意の方法を用いてもよい。
【0043】
例えば、基準線決定部160は、区画440を決定するための基準線445を決定できれば、任意の方法を用いてもよい。例えば、基準線決定部160は、第1圃場400-1の輪郭線(外形線)に含まれる1以上の直線状の輪郭線分から、任意の輪郭線分を基準線445として決定してもよい。例えば、図2に示す例において、基準線決定部160は、第2輪郭線分420を基準線445として決定してもよい。
【0044】
また、ユーザにより選択された輪郭線分が基準線445として決定されてもよい。この場合、表示部250は、第1圃場400-1が選択されたあと、選択された第1圃場400-1の第1輪郭線分410と、第2輪郭線分420と、第3輪郭線分430とを表示する。ユーザは、表示された輪郭線分から基準線445を選択する。表示部250は、選択された輪郭線分を表す基準線情報を領域管理装置100の基準線決定部160に送信する。
【0045】
また、基準線445は、ユーザにより指定された任意の直線でもよい。例えば、ユーザは、任意の直線を基準線445として、端末200の入出力装置210に入力する。表示部250は、ユーザにより入力された基準線445を表す基準線情報を領域管理装置100の基準線決定部160に送信する。
【0046】
例えば、区画440の大きさは、基準線445を決定するために選択された第1圃場400-1の大きさに基づき、決定されてもよい。例えば、図5に示す例において、隣接する2つの平行線分431の距離は、第1圃場400-1の大きさ、例えば平行線分431に直行する方向における第1圃場400-1の長さに基づき、決定されてもよい。例えば、隣接する2つの平行線分431の距離は、平行線分431に直行する方向における第1圃場400-1の最大長に基づき、決定されてもよい。
【0047】
また、隣接する2つの交差線分432の距離は、第1圃場400-1の大きさ、例えば交差線分432に直行する方向における第1圃場400-1の長さに基づき、決定されてもよい。例えば、隣接する2つの交差線分432の距離は、交差線分432に直行する方向における第1圃場400-1の最大長に基づき、決定されてもよい。
【0048】
また、区画440の大きさは、評価情報を表示する圃場400ごとに異なってもよい。この場合、区画440の大きさは、対応する圃場400の大きさに基づき、決定される。
【0049】
例えば、区画440は、長方形を含む平行四辺形状に形成されてもよい。例えば、図4に示すステップS130において、最初に、区画決定部170は、基準線445に平行な線分を1辺とし、対応する圃場400を囲む外接平行四辺形を算出する。外接平行四辺形は、対応する圃場400の全体を含み、最も小さな平行四辺形である。ここで、外接平行四辺形の隣接する2つの辺の成す角度は、予め決定されている。
【0050】
次に、区画決定部170は、平行四辺形の4つの頂点のうち、1つの頂点を基準点451として決定する。基準点451は、外接矩形450において基準点451を決定する方法と同様に、決定される。
【0051】
最後に、区画決定部170は、基準点451に基づき、基準線445に平行な平行線分431を1辺とする区画440を決定する。例えば、区画決定部170は、基準点451を通る第1平行線分431-1を含み、隣接する2つの平行線分431の距離が互いに等しい複数の平行線分431を決定する。また、区画決定部170は、基準点451を通り、基準線445と所定の角度で交差する第1交差線分432-1を含み、隣接する2つの交差線分432の距離が互いに等しい複数の交差線分432を決定する。ここで、基準線445と交差線分432とのなす角度は、外接平行四辺形の隣接する2つの辺の成す角度と等しい。
【0052】
また、隣接する2つの平行線分431の距離と、隣接する2つの交差線分432の距離とは、予め決定されてもよく、基準線445を決定するために選択された圃場400の大きさに基づき、決定されてもよい。また、隣接する2つの平行線分431の距離は、隣接する2つの交差線分432の距離と異なっても、等しくてもよい。
【0053】
例えば、区画決定部170は、基準点451を任意の方法で決定してもよい。例えば、区画決定部170は、外接矩形450の幾何中心を基準点451と決定してもよい。また、基準点451は、対応する圃場400の幾何中心を表してもよい。
【0054】
例えば、圃場データ300に含まれる評価情報は、区画440に応じた値を算出できれば、任意の形式で記憶されてもよい。
【0055】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、図1に示す領域管理システム1000に端末200は含まれなくてもよい。また、領域管理装置100の処理は、すべてまたは一部が端末200で実行されてもよい。また、端末200は、作業装置30に組み込まれてもよい。
【0056】
また、区画440を表す情報は、対応する圃場400を表す情報に関連付けられて、圃場データ300に記憶されてもよい。領域管理装置100の出力部180は、端末200の表示部250からの要求を受信すると、圃場データ300から評価情報と、区画440とを抽出し、区画440における評価情報を算出する。算出された区画440における評価情報は、対応する区画440を表す情報と関連付けられて、端末200の表示部250に送信される。表示部250は、区画440と、区画440における評価情報とを関連付けて表示する。
【符号の説明】
【0057】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
100 :領域管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ記憶部
160 :基準線決定部
170 :区画決定部
180 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
300 :圃場データ
310 :領域管理プログラム
320 :表示プログラム
400 :圃場
410 :第1輪郭線分
420 :第2輪郭線分
430 :第3輪郭線分(基準線)
431 :平行線分
432 :交差線分
440 :区画
445 :基準線
450 :外接矩形
451 :基準点
1000 :領域管理システム
図1
図2
図3
図4
図5