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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146394
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20220928BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220928BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220928BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220928BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G02F1/1368
G09F9/00 366A
G09F9/30 349Z
G06T1/00 400G
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047326
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 玲彦
(72)【発明者】
【氏名】森本 政輝
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
5B047
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H189LA03
2H189LA10
2H189LA27
2H189LA31
2H192AA24
2H192BB13
2H192BC31
2H192CB02
2H192CB13
2H192EA15
2H192GB04
2H192GB14
2H192GB15
2H192GB16
5B047AA25
5B047BB04
5B047BC04
5B047BC12
5B047CA23
5C094AA01
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094CA24
5C094DA20
5C094DB04
5C094EA04
5C094EA05
5C094FA02
5C094HA10
5G435AA01
5G435BB06
5G435BB12
5G435CC09
5G435CC12
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】 光学センサを内蔵したことにより発生し得る表示品位の低下を抑制可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、第1基板に対向する第2基板と、第1基板と第2基板の間に位置する液晶層と、を備える。第1基板は、基材と、画素を含む表示領域において基材と液晶層の間に位置し、液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力するセンサと、複数のスイッチング素子を含み、センサに接続されるセンサ回路と、を備える。画素は、第1の色の光を放つ第1副画素と、第2の色の光を放つ第2副画素と、第3の色の光を放つ第3副画素と、を含む。第1副画素、第2副画素および第3副画素が配置される各領域には、複数のスイッチング素子を構成する要素の少なくとも一部がそれぞれ配置される。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
を具備し、
前記第1基板は、
基材と、
画素を含む表示領域において前記基材と前記液晶層の間に位置し、前記液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力するセンサと、
複数のスイッチング素子を含み、前記センサに接続されるセンサ回路と、
を備え、
前記画素は、第1の色の光を放つ第1副画素と、第2の色の光を放つ第2副画素と、第3の色の光を放つ第3副画素と、を含み、
前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素が配置される各領域には、前記複数のスイッチング素子を構成する要素の少なくとも一部がそれぞれ配置される、
表示装置。
【請求項2】
前記複数のスイッチング素子は、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、をそれぞれ含み、
前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素が配置される各領域には、少なくとも1つのスイッチング素子に含まれる前記ゲート電極と、前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、前記半導体層とのうちの少なくとも一部が配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、
前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素毎に配置される複数の画素電極をさらに備え、
前記複数の画素電極は、前記複数のスイッチング素子を構成する要素の少なくとも一部と平面視においてそれぞれ重畳する、
請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、
第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ複数の画素走査線と、
前記第2方向に沿って延出し、前記第1方向に沿って並ぶ複数の画素信号線と、
をさらに備え、
前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素は、隣接する2つの画素走査線と、隣接する2つの画素信号線とによって囲まれる領域にそれぞれ配置される、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1基板は、
前記センサ回路に第1電圧を供給する第1給電線と、
前記センサに第2電圧を供給する第2給電線と、
前記センサ回路に第3電圧を供給する第3給電線と、
をさらに備え、
前記第1給電線、前記第2給電線および前記第3給電線は、前記複数の画素信号線のいずれか1つと平面視においてそれぞれ重畳する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2給電線と前記第3給電線とは平面視において重畳する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記センサは、
前記基材に対向する第1面と、前記液晶層に対向する第2面とを有する光電変換素子と、
前記第1面に接触する第1電極と、
前記第2面に接触する第2電極と、
を含み、
前記第2電極は、前記第2給電線に接続されている、
請求項5または請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1電極は、金属材料で形成され、
前記第2電極は、透明導電材料で形成されている、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1基板は、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれに走査信号を供給する複数のセンサ用走査線と、
前記センサからの前記検知信号を出力する複数のセンサ用信号線と、
をさらに備え、
前記複数のセンサ用走査線は、隣接する2つの画素走査線の間に配置され、
前記複数のセンサ用信号線は、前記複数の画素信号線のいずれか1つと平面視においてそれぞれ重畳する、
請求項4~請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1の色は、赤色であり、
前記第2の色は、緑色であり、
前記第3の色は、青色であり、
前記センサは、前記第3副画素が配置される領域に配置される、
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指紋センサや静脈センサ等、生体情報を検出するセンサが内蔵された表示装置が開発されている。この種のセンサとしては、例えば光電変換素子を用いた光学センサが用いられる。
【0003】
表示装置に内蔵される光学センサは、画素内に設けられる。光学センサが画素内に設けられると、画素の開口率が低下するため、表示装置の表示品位が低下してしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0265207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、光学センサを内蔵したことにより発生し得る表示品位の低下を抑制可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を具備する。前記第1基板は、基材と、画素を含む表示領域において前記基材と前記液晶層の間に位置し、前記液晶層側から入射する光に応じた検知信号を出力するセンサと、複数のスイッチング素子を含み、前記センサに接続されるセンサ回路と、を備える。前記画素は、第1の色の光を放つ第1副画素と、第2の色の光を放つ第2副画素と、第3の色の光を放つ第3副画素と、を含む。前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素が配置される各領域には、前記複数のスイッチング素子を構成する要素の少なくとも一部がそれぞれ配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置を模式的に示す図である。
図2図2は、同実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
図3図3は、同実施形態に係る画素の一構成例を示す等価回路図である。
図4図4は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な断面図である。
図5図5は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
図6図6は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
図7図7は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
図8図8は、同実施形態に係る第1基板に適用し得る構造の一例を示す概略的な平面図である。
図9図9は、同実施形態に係るセンサのためのセンサ回路の一構成例を示す等価回路図である。
図10図10は、図9のセンサ回路が適用された第1基板の構造を概略的に示す平面図である。
図11図11は、図9のセンサ回路が適用された第1基板の構造を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、および、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸およびY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸およびZ軸によって規定される面をX-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
図1は、一実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す図である。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、カバー部材CMと、第1偏光板PLZ1と、第2偏光板PLZ2と、照明装置BLとを備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2と、シール材SEと、液晶層LCとを備えている。液晶層LCは、シール材SEにより第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に封入されている。本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を第2基板SUB2の上面側に選択的に透過させることで画像を表示する透過型である。
【0012】
第1基板SUB1は、センサSSとセンサ用遮光層SLSを備えている。センサSSは、液晶層LCとセンサ用遮光層SLSの間に位置している。なお、図1では図示を省略しているが、センサSSと液晶層LCの間には、コリメート層がさらに配置されてもよい。コリメート層は、遮光性を有する層であり、その一部に開口を有する。図1では図示を省略しているが、このようなコリメート層は、第2基板SUB2にさらに配置されてもよい。
【0013】
シール材SEは、第1基板SUB1と第2基板SUB2を接着している。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、図示しないスペーサによって所定のセルギャップが形成される。液晶層LCは、このセルギャップ内に充填されている。
【0014】
カバー部材CMは、表示パネルPNLの上に設けられている。例えば、カバー部材CMとしてはガラス基板や樹脂基板を用いることができる。カバー部材CMは、センサSSによる検出の対象物が接触する上面USFを有している。図1の例においては、対象物の一例である指Fが上面USFに接触している。第1偏光板PLZ1は、表示パネルPNL1とカバー部材CMの間に設けられている。
【0015】
照明装置BLは、表示パネルPNLの下に設けられ、第1基板SUB1に光Lを照射する。照明装置BLは、例えばサイドエッジ型のバックライトであり、プレート状の導光体と、この導光体の側面に光を放つ複数の光源とを備えている。第2偏光板PLZ2は、表示パネルPNLと照明装置BLの間に設けられている。
【0016】
光Lのうち指Fで反射された反射光は、センサSSに入射する。すなわち、指Fで反射された反射光は、センサSSに入射するまでに、カバー部材CM、第1偏光板PLZ1、第2基板SUB2、液晶層LC、さらには第1基板SUB1のうちセンサSSより上層に位置する部分を透過する。
【0017】
センサSSは、入射した光に応じた検知信号を出力する。後述するように、表示パネルPNLは複数のセンサSSを備えており、これらセンサSSが出力する検知信号に基づけば、指Fの凹凸(例えば、指紋)を検出することができる。
【0018】
センサSSは、より正確な検知信号を得るために、上面USFの法線方向と平行な入射光を検知することが望ましい。第1基板SUB1と第2基板SUB2に前述のコリメート層が配置された場合、第1基板SUB1と第2基板SUB2に配置されたコリメート層を、センサSSに入射する光を平行化するコリメータとして機能させることができる。
【0019】
以上のように、表示装置DSPにセンサSSを搭載することで、表示装置DSPに指紋センサとしての機能を付加することができる。また、センサSSは、指紋の検出に加えて、あるいは指紋の検出に代えて、指Fの内部で反射された光に基づき生体に関する情報を検出する用途で用いることもできる。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等である。
【0020】
図2は、本実施形態に係る表示装置DSPを概略的に示す平面図である。表示装置DSPは、上述の表示パネルPNLと、表示パネルPNLに実装された配線基板1とを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域SAとを有している。周辺領域SAは非表示領域と称されてもよい。
【0021】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2と重ならない実装領域MAを有している。シール材SEは、周辺領域SAに位置している。図2においては、シール材SEが配置された領域が斜線で示されている。表示領域DAは、シール材SEの内側に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0022】
画素PXは、赤色(R)の光を放つ副画素SP1と、緑色(G)の光を放つ副画素SP2と、青色(B)の光を放つ副画素SP3とを含む。なお、画素PXは、赤色、緑色および青色以外の光を放つ副画素を含んでもよい。
【0023】
図2の例においては、各画素PXに対して1つずつセンサSSが配置されている。表示領域DA全体では、複数のセンサSSは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に並んでいる。
【0024】
センサSSは必ずしも全ての画素PXに対して配置される必要はない。例えば、センサSSは、複数の画素PXに対して1つの割合で配置されてもよい。また、センサSSは、表示領域DAにおける一部の領域の画素PXに対して配置され、その他の領域の画素PXに対して配置されなくてもよい。
【0025】
配線基板1は、例えばフレキシブル回路基板であり、実装領域MAに設けられた端子部に接続されている。また、配線基板1は、表示パネルPNLを駆動するドライバ2を備えている。なお、ドライバ2は、実装領域MA等の他の位置に実装されてもよい。例えば、ドライバ2は、各画素PXによる表示動作を制御するICと、センサSSによる検出動作を制御するICとを含む。これらICは、それぞれ異なる位置に実装されてもよい。センサSSが出力する検知信号は、配線基板1およびドライバ2を介してコントローラCTに出力される。コントローラCTは、複数のセンサSSからの検知信号に基づき、指紋を検出するための演算処理等を実行する。
【0026】
図3は、本実施形態に係る画素PXに含まれる副画素SP1,SP2,SP3の一構成例を示す等価回路図である。副画素SP1,SP2,SP3は、第1方向Xに沿って延出し第2方向Yに沿って並ぶ走査線GLと、第2方向Yに沿って延出し第1方向Xに沿って並ぶ信号線SLR,SLG,SLBとによって区画される領域にそれぞれ配置されている。走査線GLは画素走査線と称され、信号線SLR,SLG,SLBは画素信号線と称されてもよい。また、以下では、特定の色の信号線を示唆しない場合には、信号線を、単に信号線SLと称する場合がある。同様に、以下では、特定の色の副画素を示唆しない場合には、副画素を、単に副画素SPと称する場合がある。
【0027】
副画素SP1,SP2,SP3はそれぞれ、スイッチング素子SW1を備えている。スイッチング素子SW1について、ゲート電極は走査線GLに接続され、ソース電極は対応する色の信号線SLR,SLG,SLBに接続され、ドレイン電極はキャパシタCstを構成する一方の電極に接続されている。キャパシタCstの他方の電極は、給電線PLに接続されている。給電線PLは画素給電線と称されてもよい。
【0028】
センサSSのためのセンサ回路(センサSSを駆動するためのセンサ回路)は、主に、青色の光を放つ副画素SP3が配置される領域に配置され、センサSSに接続されている。センサSSに関わる要素として、第1センサ用走査線SGL1と、第2センサ用走査線SGL2と、第1センサ用給電線SPL1と、第2センサ用給電線SPL2と、第3センサ用給電線SPL3と、センサ用信号線SSLとが設けられる。
【0029】
以下では、第1センサ用走査線SGL1を第1走査線SGL1と称し、第2センサ用走査線SGL2を第2走査線SGL2と称し、第1センサ用給電線SPL1を第1給電線SPL1と称し、第2センサ用給電線SPL2を第2給電線SPL2と称し、第3センサ用給電線SPL3を第3給電線SPL3と称して説明する。
【0030】
第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、第1方向Xに沿って延出し第2方向Yに沿って並んでいる。詳しくは後述するが、第1給電線SPL1は信号線SLRと平面視において重畳するように配置され、第2給電線SPL2および第3給電線SPL3は信号線SLGと平面視において重畳するように配置され、センサ用信号線SSLは信号線SLBと平面視において重畳するように配置されている。
【0031】
センサSSのためのセンサ回路は、スイッチング素子SW2と、スイッチング素子SW3と、スイッチング素子SW4とを備えている。図3では、スイッチング素子SW2,SW3,SW4がそれぞれ、n型TFT(Thin Film Transistor)で構成された場合を示しているが、スイッチング素子SW2,SW3,SW4は、p型TFTで構成されてもよい。
【0032】
センサSSについて、一方の電極は第2給電線SPL2に接続され、他方の電極はノードNに接続される。ノードNは、スイッチング素子SW2のドレイン電極およびスイッチング素子SW3のゲート電極に接続されている。センサSSの一方の電極には、第2給電線SPL2より第2電圧(VCOM)が印加される。第2電圧は基準電圧と称されてもよい。センサSSに光が入射した場合、センサSSの一方の電極と他方の電極との間には容量が形成される。
【0033】
スイッチング素子SW2について、ゲート電極は第1走査線SGL1に接続され、ソース電極は第1給電線SPL1に接続され、ドレイン電極はノードNに接続されている。スイッチング素子SW2が第1走査線SGL1から供給される走査信号に応じてオンになると、ノードNの電位は第1給電線SPL1より印加される第1電圧(VPP1)の電位にリセットされる。上述の第2電圧は第1電圧よりも低い値を示し、センサSSは逆バイアス駆動される。
【0034】
スイッチング素子SW3について、ゲート電極はノードNに接続され、ソース電極は第3給電線SPL3に接続され、ドレイン電極はスイッチング素子SW4のソース電極に接続されている。スイッチング素子SW3がセンサSSにおいて形成された上述の容量によりオンになると、当該容量に応じた検知信号がスイッチング素子SW4に出力される。
【0035】
スイッチング素子SW4について、ゲート電極は第2走査線SGL2に接続され、ソース電極はスイッチング素子SW3のドレイン電極に接続され、ドレイン電極はセンサ用信号線SSLに接続されている。スイッチング素子SW4が第2走査線SGL2から供給される走査信号に応じてオンになると、スイッチング素子SW3から出力された検知信号がセンサ用信号線SSLに出力される。
【0036】
なお、センサSSとは別に、表示部DAに対する外部オブジェクト(例えば指F等)の近接または接触を検出するために用いられるタッチ検出線TL1,TL3が、信号線SLR,SLBと平面視において重畳するように配置されている。
【0037】
また、図3では、スイッチング素子SW2,SW4がダブルゲート構造である場合を示したが、スイッチング素子SW2,SW4はシングルゲート構造やマルチゲート構造であってもよい。
【0038】
第1基板SUB1に適用し得る構造につき、図4図8を用いてより詳細に説明する。なお、図4図8は、それぞれ断面図および平面図によって第1基板SUB1の構成を概略的に示すものであり、必ずしも各図における各要素の位置関係や形状を一致させたものではない。
【0039】
図4は、第1基板SUB1に適用し得る構造の一例を示す概略的な断面図である。第1基板SUB1は、透明な第1基材10と、絶縁層11,12,13,14,15,16,17,18,19と、配向膜ALとを備えている。
【0040】
第1基材10は、例えばガラス基板や樹脂基板である。絶縁層11,12,13,14,16,19は、無機材料で形成される。絶縁層15,17,18は、有機材料で形成される。絶縁層11,12,13,14,15,16,17,18,19と、配向膜ALとは、第1基材10の上方において、この順で第3方向Zに積層されている。
【0041】
第1基板SUB1は、画像表示に関わる要素として、信号線SLと、走査線GLと、スイッチング素子SW1と、画素電極PEと、共通電極CEと、中継電極R1,R2,R3,R4,R5と、給電線PLとを備えている。画素電極PEおよびスイッチング素子SW1は、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに対して設けられている。共通電極CEは、例えば複数の副画素SP1,SP2,SP3に亘って設けられている。
【0042】
スイッチング素子SW1は、半導体層SC1を含む。半導体層SC1は、絶縁層11,12の間に配置されている。走査線GLは、絶縁層12,13の間に配置され、半導体層SC1と対向している。なお、走査線GLは絶縁層12,13の間ではなく、別の層に配置されてもよい。信号線SLは、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SC1に接触している。
【0043】
図4の例においては、第1基材10と絶縁層11の間に遮光層LSが配置されている。半導体層SC1のうち少なくとも走査線GLと対向する領域は、遮光層LSと対向している。
【0044】
中継電極R1は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH2を通じて半導体層SC1と接触している。中継電極R2は、絶縁層15,16の間に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH3を通じて中継電極R1に接触している。中継電極R3は、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH4を通じて中継電極R2に接触している。中継電極R4は、絶縁層17,18の間に配置され、絶縁層17を貫通するコンタクトホールCH5を通じて中継電極R3に接触している。中継電極R5は、絶縁層18,19の間に配置され、絶縁層18を貫通するコンタクトホールCH6を通じて中継電極R4に接触している。
【0045】
画素電極PEは、絶縁層19と配向膜ALの間に配置され、絶縁層19を貫通するコンタクトホールCH7を通じて中継電極R5に接触している。給電線PLは、絶縁層17,18の間に配置されている。共通電極CEは、絶縁層18,19の間に配置され、絶縁層18を貫通するコンタクトホールCH8を通じて給電線PLに接触している。
【0046】
給電線PLには、共通電圧が供給される。この共通電圧は、共通電極CEに印加される。信号線SLには映像信号が供給され、走査線GLには走査信号が供給される。走査線GLに走査信号が供給されたときに、信号線SLの映像信号が半導体層SC1および中継電極R1,R2,R3,R4,R5を通じて画素電極PEに印加される。このとき、画素電極PEと共通電極CEの間には共通電圧と映像信号の電位差に起因した電界が発生し、この電界が液晶層LCに作用する。
【0047】
第1基板SUB1は、センサSSに関わる要素として、上述のセンサ用遮光層SLSの他に、スイッチング素子SW2と、第1走査線SGL1と、中継電極R6,R7,R8と、第1給電線SPL1と、スイッチング素子SW3と、ゲート電極GEと、第2給電線SPL2と、スイッチング素子SW4と、第2走査線SGL2と、中継電極R9,R10,R11,R12,R13と、第3給電線SPL3と、センサ用信号線SSLとを備えている。また、センサSSは、第1電極E1(下部電極)と、第2電極E2(上部電極)と、光電変換素子PCとを備えている。
【0048】
センサ用遮光層SLSは、第1遮光層SLS1と第2遮光層SLS2とを含む。スイッチング素子SW2は、半導体層SC2を含む。半導体層SC2は、絶縁層11,12の間に配置されている。第1走査線SGL1は、絶縁層12,13の間に配置され、半導体層SC2と対向している。なお、第1走査線SGL1は絶縁層12,13の間ではなく、別の層に配置されてもよい。
【0049】
図4の例においては、第1基材10と絶縁層11の間に第1遮光層SLS1が配置されている。半導体層SC2のうち少なくとも第1走査線SGL1と対向する領域は、第1遮光層SLS1と対向している。
【0050】
中継電極R6は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH9を通じて半導体層SC2と接触している。中継電極R7は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH10を通じて半導体層SC2と接触している。中継電極R8は、絶縁層15,16の間に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH11を通じて中継電極R7に接触している。
【0051】
第1給電線SPL1は、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH12を通じて中継電極R8に接触している。第1給電線SPL1には、第1電圧(VPP1)が供給される。
【0052】
スイッチング素子SW3は、半導体層SC3を含む。半導体層SC3は、絶縁層11,12の間に配置されている。ゲート電極GEは、絶縁層12,13の間に配置され、半導体層SC3と対向している。ゲート電極GEは、絶縁層13,14を貫通するコンタクトホールCH13を通じて上述の中継電極R6に接触している。
【0053】
光電変換素子PCは、第1基材10に対向する第1面F1と、液晶層LCに対向する第2面F2とを有している。光電変換素子PCは、絶縁層15,16の間に位置している。第1電極E1は、光電変換素子PCと絶縁層15の間に配置され、第1面F1に接触している。第1電極E1の外周部は、光電変換素子PCから突出しており、絶縁層16によって覆われている。第1電極E1は、光電変換素子PCの下方において絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH14を通じて上述の中継電極R6に接触している。第2電極E2は、光電変換素子PCと絶縁層16の間に配置され、第2面F2に接触している。第2電極E2は、光電変換素子PCの上方において絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH15を通じて第2給電線SPL2に接触している。
【0054】
第2給電線SPL2は、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH15を通じて第2電極E2に接触している。第2給電線SPL2には、第2電圧(VCOM)が供給される。
【0055】
スイッチング素子SW4は、半導体層SC3を含む。つまり、半導体層SC3は、スイッチング素子SW3,SW4で共用されている。第2走査線SGL2は、絶縁層12,13の間に配置され、半導体層SC3と対向し、上述のゲート電極GEと重ならない。なお、第2走査線SGL2は絶縁層12,13の間ではなく、別の層に配置されてもよい。
【0056】
図4の例においては、第1基材10と絶縁層11の間に第2遮光層SLS2が配置されている。半導体層SC3のうち少なくともゲート電極GEおよび第2走査線SGL2と対向する領域は、第2遮光層SLS2と対向している。
【0057】
中継電極R9は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH16を通じて半導体層SC3と接触している。中継電極R10は、絶縁層15,16の間に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH17を通じて中継電極R9に接触している。中継電極R11は、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH18を通じて中継電極R10に接触している。
【0058】
第3給電線SPL3は、絶縁層17,18の間に配置され、絶縁層17を貫通するコンタクトホールCH19を通じて中継電極R11に接触している。第3給電線SPL3には、第3電圧(VPP2)が供給される。
【0059】
中継電極R12は、絶縁層14,15の間に配置され、絶縁層12,13,14を貫通するコンタクトホールCH20を通じて半導体層SC3に接触している。中継電極R13は、絶縁層15,16の間に配置され、絶縁層15を貫通するコンタクトホールCH21を通じて中継電極R12に接触している。
【0060】
センサ用信号線SSLは、絶縁層16,17の間に配置され、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH22を通じて中継電極R13に接触している。
【0061】
遮光層LSおよびセンサ用遮光層SLSは、同じ金属材料で形成されている。信号線SL、中継電極R1,R6,R7,R9,R12は、同じ金属材料で形成されている。第1電極E1および中継電極R2,R8,R10,R13は、同じ金属材料で形成されている。第1給電線SPL1と、第2給電線SPL2と、センサ用信号線SSLと、中継電極R3,R11とは、同じ金属材料で形成されている。給電線PLと、第3給電線SPL3と、中継電極R4とは、同じ金属材料で形成されている。第2電極E2と、画素電極PEと、共通電極CEと、中継電極R5とは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料で形成されている。
【0062】
金属材料で形成された第1電極E1は、遮光層としても機能し、下方からの光の光電変換素子PCへの入射を抑制している。光電変換素子PCは、例えばフォトダイオードであり、入射する光に応じた電気信号(検知信号)を出力する。より具体的には、光電変換素子PCとしては、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードを用いることができる。この種のフォトダイオードは、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有している。p型半導体層は第2電極E2側に位置し、n型半導体層は第1電極E1側に位置し、i型半導体層はp型半導体層とn型半導体層との間に位置している。
【0063】
p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層は、例えばアモルファスシリコン(a-Si)によって形成されている。なお、半導体層の材料はこれに限定されず、アモルファスシリコンが多結晶シリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよいし、多結晶シリコンがアモルファスシリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよい。
【0064】
第1走査線SGL1および第2走査線SGL2にはそれぞれ、センサSSによる検知を実施すべきタイミングで走査信号が供給される。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2に走査信号が供給されたとき、光電変換素子PCにて生成される検知信号がセンサ用信号線SSLに出力される。センサ用信号線SSLに出力された検知信号は、例えばドライバ2を介してコントローラCTに出力される。
【0065】
図5は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、図4に示した絶縁層12,15の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。図5では、信号線SLより下層の要素と接触するためのコンタクトホールを破線で示し、信号線SLより上層の要素と接触するためのコンタクトホールを実線で示している。
【0066】
走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2はそれぞれ、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、第2方向Yに隣接して並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、隣接する2つの走査線GLの間に配置される。信号線SLは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0067】
第2方向Yに沿って隣接して並ぶ2つの走査線GLと、第1方向Xに沿って隣接して並ぶ2つの信号線SLとによって囲まれる領域に、副画素SP1,SP2,SP3は配置される。副画素SP1,SP2,SP3はそれぞれ、第2走査線SGL2および第1走査線SGL1と、隣接する2つの信号線SLとによって囲まれた開口部を有している。
【0068】
第1走査線SGL1は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は、スイッチング素子SW2のゲート電極として機能する。スイッチング素子SW2のゲート電極と平面視において重畳する領域には、半導体層SC2が配置されている。
【0069】
半導体層SC2は、副画素SP3の開口部と、副画素SP1の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP3に対応する信号線SLBと重なっている。副画素SP1の開口部であって、半導体層SC2と重なる位置には、島状の中継電極R7が配置される。中継電極R7は、コンタクトホールCH10を通じて半導体層SC2に接触している。また、中継電極R7は、コンタクトホールCH11を通じて当該中継電極R7より上層に配置される中継電極と接触している。副画素SP3の開口部であって、半導体層SC2と重なる位置には、島状の中継電極R6が配置される。中継電極R6は、コンタクトホールCH9を通じて半導体層SC2に接触している。
【0070】
中継電極R6は、コンタクトホールCH13を通じてスイッチング素子SW3のゲート電極GEに接触している。スイッチング素子SW3のゲート電極GEは、副画素SP3の開口部に配置され、上述の中継電極R6と平面視において重畳している。なお、中継電極R6は、コンタクトホールCH14を通じて当該中継電極R6より上層に配置される第1電極E1と接触している。
【0071】
第2走査線SGL2は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は、スイッチング素子SW4のゲート電極として機能する。スイッチング素子SW4のゲート電極と平面視において重畳する領域には、半導体層SC3が配置されている。
【0072】
半導体層SC3は、副画素SP2の開口部と、副画素SP3の開口部と、副画素SP1の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP2に対応する信号線SLGと副画素SP3に対応する信号線SLBと重なっている。副画素SP2の開口部であって、半導体層SC3と重なる位置には、島状の中継電極R9が配置される。中継電極R9は、コンタクトホールCH16を通じて半導体層SC3に接触している。また、中継電極R9は、コンタクトホールCH17を通じて当該中継電極R9より上層に配置される中継電極と接触している。
【0073】
副画素SP1の開口部であって、半導体層SC3と重なる位置には、島状の中継電極R12が配置される。中継電極R12は、コンタクトホールCH20を通じて半導体層SC3に接触している。また、中継電極R12は、コンタクトホールCH21を通じて当該中継電極R12より上層に配置される中継電極と接触している。
【0074】
なお、第1走査線SGL1と走査線GLとの間には、画像表示に関わる要素として、スイッチング素子SW1が配置されている。スイッチング素子SW1に含まれる半導体層SC1は、コンタクトホールCH1を通じて対応する色の信号線SLに接触している。
【0075】
図6は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、図4に示した絶縁層16,17の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。図6では、第1給電線SPL1、第2給電線SPL2、センサ用信号線SSLより下層の要素と接触するためのコンタクトホールを破線で示し、第1給電線SPL1、第2給電線SPL2、センサ用信号線SSLより上層の要素と接触するためのコンタクトホールを実線で示している。また、図6においては位置関係を分かりやすくするため、図5に示した画素走査線GL、画素信号線SL、第1センサ用走査線SGL1及び第2センサ用走査線SGL2も示している。
【0076】
副画素SP3の開口部にはセンサSSの第1電極E1が配置されている。第1電極E1は、コンタクトホールCH14を通じて下層の中継電極R6に接触している。第1電極E1の上には、光電変換素子PCが配置されている。光電変換素子PCの上には、センサSSの第2電極E2が配置されている。第2電極E2は、コンタクトホールCH15を通じて第2給電線SPL2に接触している。第2給電線SPL2は、副画素SP2に対応する信号線SLGと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。第2給電線SPL2は、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部においてセンサSSの第2電極E2と接触している。これによれば、第2給電線SPL2とセンサSSとが電気的に接続され、第2電圧(VCOM)をセンサSSに印加することができる。
【0077】
副画素SP2の開口部には、島状の中継電極R10が配置される。中継電極R10は、コンタクトホールCH17を通じて下層の中継電極R9と接触している。中継電極R10は、コンタクトホールCH18を通じて当該中継電極R10より上層に配置される中継電極R11に接触している。中継電極R11は、副画素SP2の開口部に配置され、中継電極R10と平面視において重畳し、コンタクトホールCH18を通じて下層の中継電極R10と接触している。また、中継電極R11は、コンタクトホールCH19を通じて当該中継電極R11より上層に配置される第3給電線SPL3と接触している。
【0078】
副画素SP1の開口部には、島状の中継電極R13が配置される。中継電極R13は、コンタクトホールCH21を通じて下層の中継電極R12と接触している。中継電極R13は、コンタクトホールCH22を通じて当該中継電極R13より上層に配置されるセンサ用信号線SSLに接触している。センサ用信号線SSLは、副画素SP3に対応する信号線SLBと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。センサ用信号線SSLは、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部において上述の中継電極R13と接触している。
【0079】
副画素SP1の開口部には、島状の中継電極R8が配置される。中継電極R8は、コンタクトホールCH11を通じて下層の中継電極R7と接触している。中継電極R8は、コンタクトホールCH12を通じて当該中継電極R8より上層に配置される第1給電線SPL1に接触している。第1給電線SPL1は、副画素SP1に対応する信号線SLRと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出する。第1給電線SPL1は、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有しており、この分岐部において上述の中継電極R8と接触している。これによれば、第1給電線SPL1とスイッチング素子SW2とが電気的に接続され、第1電圧(VPP1)をスイッチング素子SW2に印加することができる。
【0080】
図7は、第1基板SUB1に適用し得る要素であって、図4に示した絶縁層17,18の間に配置された要素を概略的に示す平面図である。また、図7においても位置関係を分かりやすくするため、図5に示した画素走査線GL、画素信号線SL、第1センサ用走査線SGL1及び第2センサ用走査線SGL2も示している。
【0081】
第3給電線SPL3は、副画素SP2に対応する信号線SLGと平面視において重畳するように第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。第3給電線SPL3は、この分岐部において、副画素SP2の開口部に配置された中継電極R11とコンタクトホールCH19を通じて接触している。これによれば、第3給電線SPL3とスイッチング素子SW3とが電気的に接続され、第3電圧(VPP2)をスイッチング素子SW3に印加することができる。
【0082】
図8は、第1基板SUB1に適用し得る要素の概略的な平面図であって、画素電極PEとセンサSSのためのセンサ回路との位置関係を説明するための図である。
【0083】
副画素SP1,SP2,SP3の画素電極PEは、同じ形状を有している。各画素電極PEは、2つの走査線GLと、2つの信号線SLとによって囲まれる領域にそれぞれ配置されている。図8の例において、画素電極PEは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並ぶ3つの線部LPを有している。上述の副画素SP1,SP2,SP3の開口部は、それぞれ副画素SP1,SP2,SP3の線部LPと重なっている。
【0084】
各画素電極PEは、センサSSのためのセンサ回路を構成する要素(スイッチング素子SW2,SW3,SW4)と平面視において少なくとも一部重畳している。例えば、副画素SP2の画素電極PEは、半導体層SC3、中継電極R9、等と平面視において重畳している。副画素SP3の画素電極PEは、半導体層SC2、中継電極R6、ゲート電極GE、半導体層SC3、第2走査線SGL2の分岐部、等と平面視において重畳している。副画素SP1の画素電極PEは、半導体層SC2、中継電極R7、第1走査線SGL1の分岐部、半導体層SC3、中継電極R12、等と平面視において重畳している。なお、副画素SP3の画素電極PEは、センサSSを構成する光電変換素子PCとも平面視において重畳している。
【0085】
以上説明した本実施形態によれば、表示領域DAにセンサSSを配置したことにより、表示領域DAに接触または近接する指Fの凹凸を検出可能な表示装置DSPを提供することができる。
【0086】
本実施形態においては、センサSSのためのセンサ回路に含まれる要素を、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに分散配置しているため、例えば、センサSSのためのセンサ回路に含まれる要素を、1つの副画素SPにのみ配置した場合に比べて、副画素SP1,SP2,SP3の開口率のバランスを整えることが可能である。つまり、センサSSのためのセンサ回路に含まれる要素を、1つの副画素SPにのみ配置してしまうと、当該1つの副画素SPの開口率が、他の2つの副画素SPに比べて極端に低くなり、表示品位が低下してしまう恐れがあるが、本実施形態に係る構成によれば、副画素SP1,SP2,SP3の開口率のバランスを整えることが可能であり、上述した表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0087】
なお、本実施形態においては、スイッチング素子SW2の一部を赤色の光を放つ副画素SP1に配置し、スイッチング素子SW3,SW4の一部を緑色の光を放つ副画素SP2に配置し、残りの要素を青色の光を放つ副画素SP3に配置することで、センサSSのためのセンサ回路に含まれる要素を、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに分散配置するとしたが、センサSSのためのセンサ回路に含まれる要素を、副画素SP1,SP2,SP3にどのように分散配置するかは、副画素SP1,SP2,SP3の開口率が、上述した表示品位に与え得る影響を考慮して決められて構わない。
【0088】
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。また、本実施形態にて開示した構成は種々の態様に変形し得る。本実施形態では、センサSSのためのセンサ回路が3つのスイッチング素子SW2,SW3,SW4を含む構成について説明したが、これに限定されず、センサSSのためのセンサ回路は2つのスイッチング素子SWを含む構成であってもよい。以下では、センサSSのためのセンサ回路が2つのスイッチング素子SWを含む構成について説明する。
【0089】
図9は、本実施形態に係る画素PXに含まれるセンサSSのためのセンサ回路の一構成例を示す等価回路図である。以下では、センサ回路に含まれる各構成と、これらの接続関係とについて説明する。
センサSSのためのセンサ回路は、キャパシタC1と、キャパシタC2と、スイッチング素子SW2’と、スイッチング素子SW3’とを備えている。
【0090】
センサSSについて、一方の電極は第2給電線SPL2に接続され、他方の電極はノードN’に接続される。ノードN’は、キャパシタC1,C2の一方の電極と、スイッチング素子SW2’のソース電極と、スイッチング素子SW3’のゲート電極とに接続されている。光の入射に応じて、センサSSの一方の電極と他方の電極との間に形成される容量はキャパシタC1において保持される。キャパシタC2において保持される容量は、キャパシタC1において保持される容量に付加される寄生容量である。
【0091】
スイッチング素子SW2’について、ゲート電極は第1走査線SGL1に接続され、ソース電極はノードN’に接続され、ドレイン電極はセンサ用信号線SSLに接続されている。スイッチング素子SW3’について、ゲート電極はノードN’に接続され、ソース電極は第3給電線SPL3に接続され、ドレイン電極はセンサ用信号線SSLに接続されている。
【0092】
なお、図9では、スイッチング素子SW2’,SW3’がダブルゲート構造である場合を示したが、スイッチング素子SW2’,SW3’はシングルゲート構造やマルチゲート構造であってもよい。
【0093】
図10は、図9のセンサ回路が適用された第1基板SUB1の構造を概略的に示す平面図である。
【0094】
走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2はそれぞれ、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2とは、第2方向Yに隣接して並んでいる。第1走査線SGL1および第2走査線SGL2は、隣接する2つの走査線GLの間に配置される。信号線SLは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並んでいる。
【0095】
第2方向Yに沿って隣接して並ぶ2つの走査線GLと、第1方向Xに沿って隣接して並ぶ2つの信号線SLとによって囲まれる領域に、副画素SP1,SP2,SP3は配置される。副画素SP1,SP2,SP3はそれぞれ、第2走査線SGL2および第1走査線SGL1と、隣接する2つの信号線SLとによって囲まれた開口部を有している。
【0096】
第1走査線SGL1は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は、スイッチング素子SW2’のゲート電極として機能する。スイッチング素子SW2’のゲート電極と平面視において重畳する領域には、半導体層SC2’が配置されている。第2走査線SGL2は、第2方向Yに沿って延出する分岐部(凸部)を有している。この分岐部は半導体層SC2’と平面視において重畳し、当該分岐部と半導体層SC2’とによりキャパシタC2が構成される。
【0097】
スイッチング素子SW2’を構成する半導体層SC2’は、副画素SP3の開口部と、副画素SP1の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP3に対応する信号線SLBと重なっている。
【0098】
副画素SP1の開口部であって、半導体層SC2’と重なる位置には、島状の中継電極R30が配置される。中継電極R30は、コンタクトホールCH30を通じて半導体層SC2’に接触している。副画素SP3の開口部であって、半導体層SC2’と重なる位置には、島状の中継電極R31が配置される。中継電極R31は、コンタクトホールCH31を通じて半導体層SC2’に接触している。
【0099】
中継電極R31は、コンタクトホールCH32を通じてスイッチング素子SW3’のゲート電極GE’に接続されている。スイッチング素子SW3’のゲート電極GE’は、副画素SP3の開口部に配置され、上述の中継電極R31と平面視において重なっている一方で、その一部が副画素SP2に対応する信号線SLGとも重なっている。
【0100】
スイッチング素子SW3’を構成する半導体層SC3’は、副画素SP2の開口部と、副画素SP3の開口部とに跨って配置され、その一部が副画素SP2に対応する信号線SLGと重なっている。副画素SP2の開口部であって、半導体層SC3’と重なる位置には、島状の中継電極R32が配置される。中継電極R32は、コンタクトホールCH33を通じて半導体層SC3’に接触している。
【0101】
副画素SP3の開口部であって、半導体層SC3’と重なる位置には、島状の中継電極R33が配置される。中継電極R33は、コンタクトホールCH34を通じて半導体層SC3’に接触している。
【0102】
図11は、図9のセンサ回路が適用された第1基板SUB1の構造の概略的な平面図であって、画素電極PEとセンサSSのためのセンサ回路との位置関係を説明するための図である。
【0103】
副画素SP1,SP2,SP3の画素電極PEは、同じ形状を有している。各画素電極PEは、2つの走査線GLと、2つの信号線SLとによって囲まれる領域にそれぞれ配置されている。図11の例において、画素電極PEは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って並ぶ3つの線部LPを有している。上述の副画素SP1,SP2,SP3の開口部は、それぞれ副画素SP1,SP2,SP3の線部LPと重なっている。
【0104】
各画素電極PEは、センサSSのためのセンサ回路を構成する要素(スイッチング素子SW2’,SW3’)と平面視において少なくとも一部重畳している。例えば、副画素SP2の画素電極PEは、半導体層SC3’、中継電極R32、等と平面視において重畳している。副画素SP3の画素電極PEは、半導体層SC2’、中継電極R31、ゲート電極GE’、半導体層SC3’、中継電極R33、等と平面視において重畳している。副画素SP1の画素電極PEは、半導体層SC2’、中継電極R30、第1走査線SGL1の分岐部、等と平面視において重畳している。なお、副画素SP3の画素電極PEは、センサSSを構成する光電変換素子PCとも平面視において重畳している。
【0105】
以上説明したように、センサSSのためのセンサ回路が2つのスイッチング素子SW2’,SW3’を含む構成においても、これらを、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに分散配置しているため、3つのスイッチング素子SW2,SW3,SW4を分散配置する場合と同様な効果を得ることが可能である。つまり、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0106】
以上説明した一実施形態によれば、センサSSのためのセンサ回路を構成する要素を、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれに分散配置することが可能であり、センサSS(光学センサ)を内蔵したことにより発生し得る表示品位の低下を抑制可能な表示装置を提供することが可能である。
【0107】
また、本実施形態では、表示装置DSPは照明装置BLを備えた液晶表示装置であるとしたが、これに限定されず、表示装置DSPは表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、BL…照明装置、PX…画素、SP1,SP2,SP3…副画素、SS…センサ、E1…第1電極、E2…第2電極、PC…光電変換素子。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11