(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014653
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】水処理システム及び水処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20060101AFI20220113BHJP
C02F 11/12 20190101ALI20220113BHJP
C02F 11/13 20190101ALI20220113BHJP
C10L 5/46 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C02F1/00 C ZAB
C02F11/12
C02F11/13
C10L5/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117113
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000165273
【氏名又は名称】月島機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】河岸 正泰
(72)【発明者】
【氏名】茂木 健男
【テーマコード(参考)】
4D059
4H015
【Fターム(参考)】
4D059AA05
4D059BB01
4D059BE00
4D059BF15
4D059CA06
4D059CA28
4D059CB01
4D059CB21
4D059CB30
4D059EA03
4D059EB02
4D059EB03
4H015AA01
4H015BA09
4H015BB03
4H015CB01
(57)【要約】
【課題】水処理施設の建設費の削減により、水処理施設の事業運営における設備費や燃料費などのコストを削減することが可能な水処理システム及び水処理方法を提供する。
【解決手段】水処理事業者の敷地内に設けられる水処理施設と発電事業者の発電施設とを含む水処理システムであり、水処理施設は脱水された汚泥を発電施設から供給される熱媒体で乾燥して汚泥燃料化物を生成する固形燃料生成部と、水処理施設に流入した水を水処理して得られる処理水を貯留する貯留部とを有し、発電施設は汚泥燃料化物を燃料として燃焼させて生じる熱を利用して発電する発電部と、燃焼により発生した熱で水処理施設へ供給される熱媒体を加熱する第1ボイラと、第1ボイラに加熱された熱媒体を水処理施設に供給する熱媒体供給部と、発電部のタービンを通過した熱媒体を処理水で冷却して凝縮する凝縮器と、凝縮器で冷却に用いられた処理水を貯留部に返送する返送流路とを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理事業者の敷地に設けられる水処理施設と、前記敷地内に設けられる発電事業者の発電施設とを含む水処理システムであって、
前記水処理施設は、
脱水された汚泥を前記発電施設から供給される熱媒体を用いて乾燥させ、汚泥燃料化物を生成する固形燃料生成部と、
前記水処理施設に流入した水を水処理することで得られる処理水を貯留する貯留部と、を有し、
前記発電施設は、
前記汚泥燃料化物を燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電する発電部と、
前記燃焼によって発生した熱を用いて前記水処理施設へ供給される熱媒体を加熱する第1ボイラと、
前記第1ボイラにて加熱された熱媒体を前記水処理施設に供給する熱媒体供給部と、
前記発電部のタービンを通過した熱媒体を、前記処理水を用いて冷却することで凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器で冷却に用いられた前記処理水を前記貯留部に返送する返送流路と、
を有する、水処理システム。
【請求項2】
前記水処理システムは、管理サーバをさらに含んでおり、
前記管理サーバは、
前記発電施設において受け入れ可能な汚泥燃料化物の量を示す受け入れ量であって、前記発電施設に供給された汚泥燃料化物の残量に基づき算出される前記受け入れ量を前記水処理施設の端末へ送信する第1送信部と、
前記水処理施設における汚泥処理のスケジュールを示す処理計画データであって、前記水処理施設の端末から送信される前記処理計画データを前記発電施設の端末へ送信する第2送信部と、
を有する、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記水処理施設は、
前記生成された汚泥燃料化物を貯留するホッパーの当該汚泥燃料化物の貯留レベルを検出する貯留レベル検出部を有し、
前記発電施設は、
前記貯留レベルの検出結果を受信する第1受信部と、
受信した前記貯留レベルの検出結果を出力する第1出力部と、
を有する、請求項2に記載の水処理システム。
【請求項4】
前記発電部は、前記汚泥燃料化物と、バイオマス燃料とを燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電することが可能であり、
前記発電施設は、
前記処理計画データまたは前記貯留レベルの検出結果に基づいて、燃料として用いる前記汚泥燃料化物と前記バイオマス燃料との投入量を出力する第2出力部、
を有する、請求項3に記載の水処理システム。
【請求項5】
前記水処理施設は、
前記受け入れ量を受信する第2受信部と、
受信した前記受け入れ量を出力する第3出力部と、
を有する、請求項2に記載の水処理システム。
【請求項6】
前記発電施設は、
前記タービンを通過する前の熱媒体の加熱に用いられる熱媒体を、前記燃焼によって発生した熱を用いて加熱する第2ボイラ、
を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水処理システム。
【請求項7】
水処理事業者の敷地に設けられる水処理施設と、前記敷地内に設けられる発電事業者の発電施設とを含む水処理システムにおける水処理方法であって、
前記水処理施設において、
固形燃料生成部が、脱水された汚泥を前記発電施設から供給される熱媒体を用いて乾燥させ、汚泥燃料化物を生成することと、
貯留部が、前記水処理施設に流入した水を水処理することで得られる処理水を貯留することと、
を含み、
前記発電施設において、
発電部が、前記汚泥燃料化物を燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電することと、
第1ボイラが、前記燃焼によって発生した熱を用いて前記水処理施設へ供給される熱媒体を加熱することと、
熱媒体供給部が、前記第1ボイラにて加熱された熱媒体を前記水処理施設に供給することと、
凝縮器が、前記発電部のタービンを通過した熱媒体を、前記処理水を用いて冷却することで凝縮させることと、
返送流路が、前記凝縮器で冷却に用いられた前記処理水を前記貯留部に返送することと、
を含む、水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理システム及び水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理施設における下水処理によって生じる下水汚泥を、発電施設における発電の燃料として利用するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、下水処理場における下水処理によって生じる下水汚泥を、併設される火力発電所で燃料として用いる技術が開示されている。当該技術では、下水処理場と火力発電所が併設されていることにより、パイプラインや車両によって燃料を下水処理場から火力発電所へ運搬することができる。これにより、燃料の運搬コストが削減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、コストの削減に関して、燃料の運搬コストの削減に関してしか言及されていない。下水処理事業者及び火力発電事業者にとって、事業にかかるコストがより削減されることが好ましい。そのため、燃料の運搬コスト以外のコストも削減できることが望まれる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、水処理施設の建設費の削減により、水処理施設の事業運営における設備費や燃料費などのコストを削減することが可能な水処理システム及び水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る水処理システムは、水処理事業者の敷地に設けられる水処理施設と、前記敷地内に設けられる発電事業者の発電施設とを含む水処理システムであって、前記水処理施設は、脱水された汚泥を前記発電施設から供給される熱媒体を用いて乾燥させ、汚泥燃料化物を生成する固形燃料生成部と、前記水処理施設に流入した水を水処理することで得られる処理水を貯留する貯留部と、を有し、前記発電施設は、前記汚泥燃料化物を燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電する発電部と、前記燃焼によって発生した熱を用いて前記水処理施設へ供給される熱媒体を加熱する第1ボイラと、前記第1ボイラにて加熱された熱媒体を前記水処理施設に供給する熱媒体供給部と、前記発電部のタービンを通過した熱媒体を、前記処理水を用いて冷却することで凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で冷却に用いられた前記処理水を前記貯留部に返送する返送流路と、を有する。
【0008】
本発明の一態様に係る水処理方法は、水処理事業者の敷地に設けられる水処理施設と、前記敷地内に設けられる発電事業者の発電施設とを含む水処理システムにおける水処理方法であって、前記水処理施設において、固形燃料生成部が、脱水された汚泥を前記発電施設から供給される熱媒体を用いて乾燥させ、汚泥燃料化物を生成することと、貯留部が、前記水処理施設に流入した水を水処理することで得られる処理水を貯留することと、を含み、前記発電施設において、発電部が、前記汚泥燃料化物を燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電することと、第1ボイラが、前記燃焼によって発生した熱を用いて前記水処理施設へ供給される熱媒体を加熱することと、熱媒体供給部が、前記第1ボイラにて加熱された熱媒体を前記水処理施設に供給することと、凝縮器が、前記発電部のタービンを通過した熱媒体を、前記処理水を用いて冷却することで凝縮させることと、返送流路が、前記凝縮器で冷却に用いられた前記処理水を前記貯留部に返送することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水処理施設の建設費の削減により、水処理施設の事業運営における設備費や燃料費などのコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る水処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る水処理施設の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る発電施設の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る発電部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る水処理施設と発電施設との間における入出力関係の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る変形例における発電施設の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る変形例における発電部の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0012】
<1.水処理システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る水処理システムの構成の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る水処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、水処理システム1は、水処理施設2、発電施設3、及び管理サーバ4を有する。水処理施設2は、ネットワークNWを介して、管理サーバ4と情報の送受信が可能に接続されている。発電施設3も同様に、ネットワークNWを介して、管理サーバ4と情報の送受信が可能に接続されている。
【0013】
水処理施設2は、水処理事業者が有する施設であり、水処理事業者の敷地5の内に設けられる。水処理施設2は、例えば、下水処理場である。下水処理場は、一般的に、水処理工程、汚泥処理工程、及び汚泥焼却工程の3つの工程によって下水の処理が行われる。水処理工程では、外部から流入する下水を浄化処理するとともに、下水から汚泥を分離して取り出す。汚泥処理工程では、取り出した汚泥を濃縮、脱水して脱水汚泥とする。汚泥焼却工程では、脱水汚泥を焼却炉により焼却する。
【0014】
水処理施設2は、水処理工程で汚泥が取り出された処理水を発電施設3へ供給する。また、水処理施設2は、汚泥処理工程で脱水した脱水汚泥をさらに乾燥させた乾燥汚泥を発電施設3へ供給する。
【0015】
発電施設3は、発電事業者が有する施設であり、水処理施設2が設けられている水処理事業者の敷地5の内に設けられる。発電施設3は、例えば、火力発電所である。火力発電所では、一般的に、燃料を燃焼させることで生じる熱を利用して発電が行われる。
【0016】
発電施設3は、例えば、外部から搬入されるバイオマス燃料を燃料として用いる。即ち、発電施設3は、バイオマス発電施設でもある。なお、発電施設3は、汚泥燃料化物を燃料として用いてもよい。汚泥燃料化物は、例えば、水処理施設2から供給される乾燥汚泥である。また、燃料には、水処理施設2から供給される乾燥汚泥と外部から搬入される他のバイオマス燃料とを混合したものが用いられてもよい。発電施設3は、発電にて生じる電力と、廃熱を変換した蒸気を水処理施設2へ供給する。
【0017】
水処理施設2は、発電施設3から供給される蒸気を脱水汚泥の乾燥に用いることができる。これにより、水処理事業者は、独自に蒸気を発生させる設備を設置する必要がないため、発電施設3から供給される蒸気を用いない水処理施設と比較し、より安価な乾燥設備を導入することでできる。これにより、水処理事業者は、水処理施設2の建設コストを削減することができる。
【0018】
発電事業者は、発電施設3にて生じる電力や蒸気を水処理事業者と有価取引を行う。これにより、発電事業者は、長期的に安定した事業運営を継続することができる。
【0019】
管理サーバ4は、水処理施設2に関する情報と発電施設3に関する情報を管理する。例えば、管理サーバ4は、水処理施設2における処理に関する情報を発電施設3へ共有したり、発電施設3における処理に関する情報を水処理施設2へ共有したりする。これにより、水処理事業者及び発電事業者は、互いに相手の施設における処理の状況に応じて、自施設での処理を行うことができる。
【0020】
<2.水処理施設の構成>
図2を参照して、水処理施設2の構成の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る水処理施設2の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、水処理施設2は、水処理部200、貯留部202、汚泥処理部204、固形燃料生成部206、ホッパー208、貯留レベル検出部210、及び端末212を有する。また、水処理施設2は、流路10、流路11、流路12、及び流路13を有する。なお、流路11、流路12、流路13は、発電施設3と接続されている。
【0021】
水処理部200は、水処理工程を行う。例えば、水処理部200は、流路10から流入する下水を浄化処理するとともに、下水から汚泥を分離して取り出す。汚泥が取り出された処理水は、一部は、貯留部202へ流入し、残りは河川等に放流される。また、下水から取り出された汚泥は、汚泥処理部204へ運ばれる。
【0022】
貯留部202は、処理水を貯留する設備である。例えば、貯留部202は、水処理施設2に流入した水が水処理された処理水を貯留する。貯留部202に貯留された処理水は、図示しないポンプ等により流路11を介して、発電施設3へ供給される。また、貯留部202には、流路12(返送流路)を介して発電施設3から返送された処理水が貯留される。貯留部202に貯留されている処理水はその一部を引き抜き、水処理工程に返流、または場外に放流される。
【0023】
なお、貯留部202に貯留された処理水は、水処理施設2の雑用水として供給してもよい。水処理施設2で水処理工程、汚泥処理工程を行うにあたり汚泥脱水機など機器の洗浄や、ポンプ類の冷却用として雑用水が使用されており、これらの用途として上記処理水を使用する。雑用水を供給するための処理水槽を別に設置する必要はなく、設備スペースの削減、水槽の設置費、維持管理費の削減が実現される。また、貯留部202に貯留された処理水の一部を水処理部へ送り、新たな処理水を貯留部202に流入させることで、貯留部内の処理水の水質などを保つことができる。
【0024】
貯留部202には、例えば処理水の貯留量を測定するセンサ、処理水の温度を測定するセンサ、発電施設3に供給する処理水の流量を測定するセンサ、また水処理施設2へ返流する処理水の流量を計測するセンサが設置されている。
【0025】
貯留部202ではこれらのセンサを用いて、貯留部202から水処理部に送る処理水量が制御される。例えば、貯留部202の処理水の貯留量が所定の範囲の液レベルを保つように、設定液レベルの下限値に到達したら返流ポンプを稼働させ、設定液レベルの上限値に到達したら返流ポンプを停止させる。
【0026】
汚泥処理部204は、汚泥処理工程を行う。例えば、汚泥処理部204は、水処理部200で下水から取り出された汚泥を、濃縮、脱水して脱水汚泥とする。脱水汚泥は、固形燃料生成部206へ運ばれる。
【0027】
固形燃料生成部206は、固形の燃料を生成する。例えば、固形燃料生成部206は、熱媒体を用いて脱水汚泥を乾燥や炭化させることで、乾燥汚泥や炭化汚泥などの固形の燃料を生成する。なお、固形の燃料には、粉状、粒状のものも含まれる。固形燃料生成部206が用いる熱媒体の一例として、流路13を介して発電施設3から供給される蒸気が挙げられる。ここでいう蒸気は、水が加熱されることによって生じる水蒸気のことである。なお、当該熱媒体には、気体の状態である水蒸気と、液体の状態である水とが含まれる。
固形燃料生成部206は、当該蒸気を用いて、脱水汚泥を乾燥させることで乾燥汚泥を生成する。生成された乾燥汚泥は、ホッパー208へ運ばれる。
【0028】
ホッパー208は、乾燥汚泥を貯留する設備である。例えば、ホッパー208は、固形燃料生成部206で生成された乾燥汚泥を貯留する。ホッパー208が貯留している乾燥汚泥は、発電施設3へ供給される。乾燥汚泥は、例えば、連続式またはバッチ式の少なくともいずれか一方の方式の運搬方法により、発電施設3へ運搬される。連続式の運搬方法では、例えば、ベルトコンベアによって乾燥汚泥が運搬される。バッチ式の運搬方法では、例えば、フレキシブルコンテナ等のコンテナに積載された乾燥汚泥が車両によって運搬される。
【0029】
貯留レベル検出部210は、ホッパー208の乾燥汚泥の貯留レベルを検出する。貯留レベルは、ホッパー208に貯留されている乾燥汚泥の量を示す指標である。貯留レベルの指標は、例えば、重さ、体積等である。貯留レベル検出部210は、貯留レベルの検出結果を水処理施設2の端末212へ送信する。
【0030】
端末212は、水処理事業者が使用する端末である。
図2に示すように、端末212は、受信部2120、制御部2122、記憶部2124、送信部2126、及び出力部2128を備える。なお、受信部2120は、第2受信部である。出力部2128は、第3出力部である。
【0031】
受信部2120は、管理サーバ4から各種情報を受信する。例えば、受信部2120は、発電施設3において受け入れ可能な乾燥汚泥の量を示す受け入れ量を、管理サーバ4から受信する。受信部2120は、受信した受け入れ量を制御部2122へ入力する。また、受信部2120は、ホッパー208における貯留レベルの検出結果を、貯留レベル検出部210から受信する。受信部2120は、受信した貯留レベルの検出結果を制御部2122へ入力する。
【0032】
制御部2122は、端末212の動作全般を制御する機能を有する。制御部2122は、例えば、端末212がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0033】
制御部2122は、例えば、受信部2120が受信する受け入れ量や貯留レベルの検出結果の出力、水処理施設2における汚泥処理のスケジュールを示す処理計画データや貯留レベルの検出結果の送信等を制御する。
【0034】
記憶部2124は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部2124は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部2124は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
記憶部2124は、例えば、受け入れ量や処理計画データを記憶する。
【0035】
送信部2126は、管理サーバ4へ各種情報を送信する。例えば、送信部2126は、処理計画データを管理サーバ4へ送信する。また、送信部2126は、貯留レベルの検出結果を管理サーバ4へ送信する。
【0036】
出力部2128は、各種情報を出力する。例えば、出力部2128は、受信部2120が受信した受け入れ量を出力する。一例として、端末212がハードウェアとしてディスプレイ等の表示装置を備える場合、出力部2128は、当該表示装置に受け入れ量を表示させる。
【0037】
水処理事業者は、出力された受け入れ量に基づき、発電施設3へ供給する乾燥汚泥の量を決定することができる。当該受け入れ量は、発電施設3で検出された乾燥汚泥の残量に基づき算出され、水処理施設2へ共有された情報である。よって、水処理事業者は、当該受け入れ量に基づき処理を行うことで、発電施設3における処理状況に応じた処理を行うことができる。水処理事業者は、例えば、天候の変動や施設の点検等に応じて、処理計画を調整し得る。調整時、水処理事業者は、発電施設3の受け入れ量が分かることで、乾燥汚泥の生成量を調整しやすくなる。
【0038】
<3.発電施設の構成>
図3及び
図4を参照して、発電施設3の構成の一例について説明する。
図3は、本実施形態に係る発電施設3の構成の一例を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係る発電部の構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図3に示すように、発電施設3は、ホッパー300、焼却炉302、ボイラ群304、ボイラ310、集塵機312、冷却器314、送風機316、煙突318、発電部320、復水供給部322、熱媒体供給部324、残量検出部326、及び端末328を有する。また、発電施設3は、流路11、流路12、流路13、流路30、流路33、及び流路40を有する。
【0040】
ホッパー300は、乾燥汚泥を貯留する設備である。例えば、ホッパー300は、水処理施設2から供給される乾燥汚泥を貯留する。ホッパー300が貯留している乾燥汚泥は、焼却炉302へ投入される。
【0041】
焼却炉302は、投入された乾燥汚泥を焼却する。焼却炉302では、乾燥汚泥が焼却されることにより、排ガスが発生する。当該排ガスの温度は、例えば、850℃~1000℃程度である。焼却炉302で発生した排ガスは、ボイラ群304及びボイラ310へ供給される。
【0042】
ボイラ群304に含まれるボイラは、本実施形態における第2ボイラである。ボイラ群304は、発電部320が有するタービンを通過する前の熱媒体の加熱に用いられる熱媒体を、焼却炉302における乾燥汚泥の燃焼によって発生した熱を用いて加熱する。
【0043】
ボイラ群304は、例えば、熱媒ボイラ又は蒸気ボイラ等により実現される。以下、ボイラ群304が熱媒ボイラである例について説明する。また、発電部320が有するタービンを通過する前の熱媒体の一例として、低沸点媒体が挙げられる。発電部320が有するタービンを通過する前の熱媒体の加熱に用いられる熱媒体の一例として、熱媒油が挙げられる。熱媒油としては特に限定されずに一般的な熱媒油を用いることができるが、特に沸点300~400℃の高沸点で、かつ高温度用の熱媒油を用いるのが好ましい。これにより、液体状態の熱媒油を用いて低圧で高温の熱供給が可能となるからである。ボイラ群304は、例えば、熱媒油と排ガスとの間の熱交換により、排ガスから熱を抽熱し、熱媒油を加熱する。
【0044】
図3に示すように、ボイラ群304は、ボイラ306及びボイラ308を有する。
【0045】
ボイラ306は、ボイラ308から流路32へ流入する熱媒油と、焼却炉302から流入する排ガスとの間の熱交換を行い、熱媒油を加熱する。ボイラ306では、焼却炉302から流入する排ガスが温度の高い物体であり、熱媒油が温度の低い物体である。よって、ボイラ306では、熱交換により、温度が高い排ガスから温度が低い熱媒油へ熱が移動する。言い換えると、熱媒油が排ガスから熱を抽熱する。
【0046】
熱交換により加熱された熱媒油は、発電部320と接続された流路33を介して、発電部320へ供給される。また、熱交換により冷却された排ガスは、ボイラ308及びボイラ310へ供給される。
【0047】
ボイラ308は、発電部320と接続された流路30から流路31へ流入する熱媒油と、ボイラ306から流入する排ガスとの間の熱交換を行い、熱媒油を加熱する。ボイラ308では、ボイラ306から流入する排ガスが温度の高い物体であり、熱媒油が温度の低い物体である。よって、ボイラ308では、熱交換により、温度が高い排ガスから温度が低い熱媒油へ熱が移動する。言い換えると、熱媒油が排ガスから熱を抽熱する。
【0048】
熱交換により加熱された熱媒油は、ボイラ306へ供給される。また、熱交換により冷却された排ガスは、集塵機312へ供給される。
【0049】
発電部320から流路30を介してボイラ308へ供給される熱媒油の温度は、180℃程度である。当該熱媒油は、ボイラ308内の流路31及びボイラ306内の流路32を通ることで加熱される。これにより、ボイラ306から流路33を介して発電部320へ供給される熱媒油の温度は、例えば320℃程度まで上昇する。
【0050】
ボイラ310は、本実施形態における第1ボイラである。ボイラ310は、燃焼によって発生した熱を用いて、水処理施設2へ供給される熱媒体を加熱する。ボイラ310は、例えば、熱媒ボイラにより実現される。ボイラ310で用いられる熱媒体の一例として、復水供給部322から供給される復水が加熱されて生じる水蒸気が挙げられる。
【0051】
ボイラ310は、流路50へ流入する水蒸気と、ボイラ306から流入する排ガスとの間の熱交換を行い、水蒸気を加熱する。ボイラ310では、ボイラ306から流入する排ガスが温度の高い物体であり、水蒸気が温度の低い物体である。よって、ボイラ310では、熱交換により、温度が高い排ガスから温度が低い水蒸気へ熱が移動する。言い換えると、水蒸気が排ガスから熱を抽熱する。
【0052】
熱交換により加熱された水蒸気は、熱媒体供給部324へ供給される。また、熱交換により冷却された排ガスは、集塵機312へ供給される。
【0053】
集塵機312は、ボイラ308及びボイラ310から流入する排ガスの除塵を行う。集塵機312により除塵された排ガスは、冷却器314へ供給される。なお、ボイラ308及びボイラ310から流入する排ガスの温度は、例えば190~230℃程度である。また、冷却器314へ供給される排ガスの温度は、例えば200℃程度である。
【0054】
冷却器314は、集塵機312から供給される排ガスを冷却する。冷却器314により冷却された排ガスは、送風機316により煙突318から排出される。
【0055】
発電部320は、燃料を燃焼させることで生じる熱を利用して発電する。ここで、燃料は、乾燥汚泥及びバイオマス燃料を含む。発電部320は、乾燥汚泥と、バイオマス燃料とを燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電することが可能である。
【0056】
図4に示すように、発電部320は、再生器3200、蒸発器3202、タービン発電機3204、凝縮器3206、及び循環ポンプ3208を有する。また、発電部320は、流路11、流路12、流路20、流路21、流路22、流路23、流路24、流路25、流路30、流路33、及び流路40を有する。
【0057】
再生器3200は、発電部320における低沸点媒体の循環を制御する。低沸点媒体の一例として、有機シリコンが挙げられる。例えば、再生器3200は、流路25を介して凝縮器3206から供給される液体の低沸点媒体を、流路20を介して蒸発器3202へ供給する。再生器3200から蒸発器3202へ供給される液体の低沸点媒体の温度は、例えば、150℃以上である。当該液体の低沸点媒体のゲージ圧は、例えば1.4MPaG未満である。また、再生器3200は、流路22を介してタービン発電機3204から供給される気体の低沸点媒体(蒸気)を、流路23を介して凝縮器3206へ供給する。
【0058】
蒸発器3202は、外部から供給される液体を加熱して蒸発させる。例えば、蒸発器3202は、再生器3200から流路20を介して供給される液体の低沸点媒体を加熱し、低沸点媒体の蒸気を発生させる。蒸発器3202は、ボイラ306から流路33を介して供給される熱媒油と、液体の低沸点媒体との間の熱交換を行い、液体の低沸点媒体を加熱する。蒸発器3202では、熱媒油が温度の高い物体であり、液体の低沸点媒体が温度の低い物体である。よって、蒸発器3202では、熱交換により、温度が高い熱媒油から温度が低い液体の低沸点媒体へ熱が移動する。言い換えると、液体の低沸点媒体が熱媒油から熱を抽熱する。
【0059】
熱交換により液体の低沸点媒体が加熱されて発生する蒸気は、流路21を介して、タービン発電機3204へ供給される。蒸発器3202からタービン発電機3204へ供給される蒸気の温度は、例えば、300℃未満である。当該蒸気のゲージ圧は、例えば1.4MPaG未満である。また、熱交換により冷却された熱媒油は、流路30を介して、ボイラ308へ供給される。
【0060】
なお、ボイラ306から蒸発器3202へ流入する熱媒油の温度は、例えば320℃程度である。また、蒸発器3202からボイラ308へ供給される熱媒油の温度は、例えば180℃程度である。
【0061】
タービン発電機3204は、タービンが駆動することで発電する。例えば、タービン発電機3204は、蒸発器3202から流路21を介して供給される蒸気がタービンを通過し、タービンが駆動することによって発電する。タービン発電機3204は、流路40を介して、発電した電力を水処理施設2または外部系統へ供給する。また、タービン発電機3204は、流路22を介して、タービンを通過した蒸気を再生器3200へ供給する。タービン発電機3204から再生器3200へ供給される蒸気の温度は、例えば、250℃未満である。当該蒸気のゲージ圧は、例えば0MPaG未満である。
【0062】
凝縮器3206は、外部から供給される気体を冷却して凝縮させる。例えば、凝縮器3206は、再生器3200から流路23を介して供給される気体の低沸点媒体を、水処理施設2の貯留部202から流路11を介して供給される処理水(冷却水)を用いて冷却することで凝縮させる。凝縮器3206は、水処理施設2の貯留部202から流路11を介して供給される処理水と、気体の低沸点媒体との間の熱交換を行い、気体の低沸点媒体を冷却する。凝縮器3206では、気体の低沸点媒体が温度の高い物体であり、処理水が温度の低い物体である。よって、凝縮器3206では、熱交換により、温度が高い気体の低沸点媒体から温度が低い処理水へ熱が移動する。言い換えると、処理水が気体の低沸点媒体から熱を抽熱する。
【0063】
熱交換により気体の低沸点媒体が冷却されて発生する液体の低沸点媒体は、流路24を介して、循環ポンプ3208へ供給される。また、熱交換により加熱された処理水は、流路12を介して、水処理施設2の貯留部202へ凝縮器3206から返送される。
熱交換により加熱された処理水を川などへ放流する場合には、排水基準を満たす必要があるため、別途排水処理設備を設ける必要がある。しかしながら、発電施設3にさらに排水処理設備を設けると、設備費、処理費などがかかるため好ましくない。そのため、発電施設3で使用した処理水は、水処理施設2に返送され、再度処理されるのが望ましい。
【0064】
処理水が水処理施設2の水処理部200(水処理工程)ではなく貯留部202へ返送されることで、処理水の再利用が可能となり、冷却水として使用された処理水の全量を水処理施設2に返送する場合と比較して、新たな処理水と混合されるため水処理の負荷や変動を抑えることができる。
また、冷却水として使用前の処理水の受入れ槽と使用後の処理水の受入れ槽を貯留部202で兼用する場合には、タンクの数を減らすことができ、さらなる設備費の削減が可能となる。
【0065】
なお、水処理施設2の貯留部202からから凝縮器3206へ流入する処理水の温度は、例えば30℃程度である。また、凝縮器3206から水処理施設2の貯留部202へ返送される処理水の温度は、例えば40℃程度である。
【0066】
ここで、貯留部202の処理水の温度を制御して所定の温度の処理水を凝縮器3206へ送るようにしてもよい。これにより、凝縮器3206へ送られる処理水の温度の変動を抑えることができるため、凝縮器3206側での温度制御が容易になる。
また、貯留部202の処理水が水処理施設2内の雑用水として使用される場合も、所定の温度の処理水を使用できるため利用しやすくなる。貯留部202の処理水の温度制御は、例えば、貯留部202へ流入する処理水の流入量を調整する処理水流入量調整手段と、貯留部202の処理水を水処理施設2へ送る処理水引抜手段により温度を制御することができる。
【0067】
循環ポンプ3208は、発電部320の発電に用いられる低沸点媒体を循環させるポンプである。例えば、循環ポンプ3208は、凝縮器3206から流路24を介して供給される液体の低沸点媒体を、流路25を介して再生器3200へ供給する。循環ポンプ3208から再生器3200へ供給される液体の低沸点媒体の温度は、例えば、100℃未満である。当該液体の低沸点媒体のゲージ圧は、例えば1.4MPaG未満である。
【0068】
従来、火力発電所においては、ボイラで気化した蒸気を冷却し、復水器で復水しているために大量の冷却水が必要となる。そのため、従来の火力発電所は海岸に立地し、冷却水を海水に依存していた。また、海水を利用するための設備を設けるためのコストを要していた。これに対し、本実施形態では、水処理施設2に発電施設3(火力発電所)が併設されているため、水処理施設から大量に放流される浄化された処理水を冷却水として使用することが可能となる。これにより、冷却水を大量に得ることの出来ない内陸部においても、水処理施設に併設させることによって発電所を設けることが可能となる。また、海水を利用するための設備に要するコストを削減することもできる。
【0069】
復水供給部322は、ボイラ310に熱媒体を供給する。復水供給部322は、熱媒体として、復水を加熱した水蒸気をボイラ310へ供給する。なお、復水供給部322は、熱媒体として、復水をそのままボイラ310へ供給してもよい。ボイラ310は、復水が供給された場合、熱媒油との熱交換によって復水を加熱して蒸発させることにより、水蒸気を熱媒体供給部324へ供給してもよい。
【0070】
熱媒体供給部324は、ボイラ310にて加熱された熱媒体を水処理施設2に供給する。熱媒体供給部324は、水処理施設2へ供給した熱媒体の供給量を検出する機能を有してもよい。熱媒体供給部324が熱媒体の供給量を検出する機能を有する場合、熱媒体供給部324は、熱媒体の供給量の検出結果を管理サーバ4へ送信する。
【0071】
残量検出部326は、ホッパー300に貯留されている乾燥汚泥の残量を検出する。残量検出部326は、乾燥汚泥の残量の検出結果を発電施設3の端末328へ送信する。
【0072】
端末328は、発電事業者が使用する端末である。
図3に示すように、端末328は、受信部3280、制御部3282、記憶部3284、送信部3286、及び出力部3288を備える。なお、受信部3280は、第1受信部である。
【0073】
受信部3280は、管理サーバ4から各種情報を受信する。例えば、受信部3280は、水処理施設2の処理計画データ、貯留レベルの検出結果、受け入れ量、投入量等の情報を、管理サーバ4から受信する。受信部3280は、受信した情報を制御部3282へ入力する。また、受信部3280は、ホッパー300における乾燥汚泥の残量の検出結果を、残量検出部326から受信する。
【0074】
制御部3282は、端末328の動作全般を制御する機能を有する。制御部3282は、例えば、端末328がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0075】
制御部3282は、各種情報の出力を制御する。例えば、受信部3280が受信する処理計画データ、貯留レベルの検出結果、乾燥汚泥の残量の検出結果、受け入れ量、投入量等の出力を制御する。
制御部3282は、各種情報の送信を制御する。例えば、制御部3282は、残量検出部326が検出した乾燥汚泥の残量を送信部3286から水処理施設2へ送信させる。
【0076】
記憶部3284は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部3284は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部3284は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0077】
送信部3286は、管理サーバ4へ各種情報を送信する。例えば、送信部3286は、乾燥汚泥の残量を管理サーバ4へ送信する。
【0078】
出力部3288は、各種情報を出力する。
図3に示すように、出力部3288は、貯留レベル出力部3288a及び投入量出力部3288bを有する。なお、貯留レベル出力部3288aは、第1出力部である。投入量出力部3288bは、第2出力部である。
【0079】
貯留レベル出力部3288aは、受信部3280が受信した貯留レベルの検出結果を出力する。一例として、端末328がハードウェアとしてディスプレイ等の表示装置を備える場合、貯留レベル出力部3288aは、当該表示装置に貯留レベルの検出結果を表示させる。
【0080】
発電事業者は、出力された貯留レベルの検出結果に基づき、その後の対応を決定することができる。例えば、水処理施設2では、ホッパー208の貯留レベルに応じて、乾燥汚泥を発電施設3へ供給するか否かが決定される。そのため、発電事業者は、出力された貯留レベルの検出結果に基づき、乾燥汚泥の受け入れの準備をするか否か等を決定することができる。
【0081】
投入量出力部3288bは、受信部3280が受信した投入量を出力する。一例として、端末328がハードウェアとしてディスプレイ等の表示装置を備える場合、投入量出力部3288bは、当該表示装置に投入量を表示させる。
【0082】
発電事業者は、出力された投入量に基づき、燃料として用いる乾燥汚泥とバイオマス燃料を焼却炉302へ投入する。投入量は、水処理施設2における処理計画データまたは貯留レベルの検出結果に基づき算出され、発電施設3へ共有された情報である。そのため、発電事業者は、当該投入量に基づき燃料を投入することで、水処理施設2における処理状況に応じた処理を行うことができる。
【0083】
<4.管理サーバの構成>
図5を参照して、管理サーバ4の構成の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る管理サーバ4の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、管理サーバ4は、水処理施設情報受信部400、発電施設情報受信部402、制御部404、記憶部406、水処理施設情報送信部408、及び発電施設情報送信部410を有する。なお、水処理施設情報送信部408は、第1送信部である。発電施設情報送信部410は、第2送信部である。
【0084】
水処理施設情報受信部400は、水処理施設2から送信される情報を受信する。例えば、水処理施設情報受信部400は、水処理施設2から送信される処理計画データ、貯留レベル等の情報を受信する。水処理施設情報受信部400は、受信した情報へ入力する。
【0085】
発電施設情報受信部402は、発電施設3から送信される情報を受信する。例えば、発電施設情報受信部402は、発電施設3から送信される乾燥汚泥の残量を受信する。発電施設情報受信部402は、受信した乾燥汚泥の残量を制御部404へ入力する。
【0086】
制御部404は、管理サーバ4の動作全般を制御する機能を有する。制御部404は、例えば、管理サーバ4がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0087】
制御部404は、各種情報の算出を行う。例えば、制御部404は、受信した乾燥汚泥の残量の検出結果に基づき、受け入れ量を算出する。一例として、制御部404は、ホッパー300の貯留可能量と、ホッパー300に貯留されている乾燥汚泥の残量との差分を受け入れ量(実測値)として算出する。また、制御部404は、将来的な受け入れ量(予測値)を算出してもよい。例えば、制御部404は、所定の時間間隔で受信する複数の検出結果の差分に基づき、乾燥汚泥の減少速度を算出する。制御部404は、算出した減少速度に基づき、乾燥汚泥の残量を算出する。そして、制御部404は、算出した乾燥汚泥の残量と、ホッパー300の貯留可能量との差分を将来的な受け入れ量として予測する。
【0088】
また、制御部404は、受信した処理計画データまたは貯留レベルの検出結果に基づき、発電施設3にて燃料として用いる乾燥汚泥とバイオマス燃料の投入量を算出する。例えば、ホッパー208の貯留レベルが低い(貯留量が少ない)場合、水処理施設2から発電施設3へ乾燥汚泥が運搬されるまで時間がかかると予測される。この場合、発電施設3にて乾燥汚泥を多く消費してしまうと、水処理施設2から乾燥汚泥が供給される前に発電施設3にて全ての乾燥汚泥を消費してしまう恐れがある。そこで、制御部404は、燃料として用いる乾燥汚泥の投入量を少なく、バイオマス燃料の投入量を多く算出する。
【0089】
一方、ホッパー208の貯留レベルが高い(貯留量が多い)場合、水処理施設2から発電施設3へ乾燥汚泥が運搬されるまで時間がかからないと予測される。この場合、発電施設3にて乾燥汚泥を多く消費しても、水処理施設2から乾燥汚泥が供給される前に発電施設3にて全ての乾燥汚泥を消費してしまう恐れはないと予測される。そこで、制御部404は、燃料として用いる乾燥汚泥の投入量を多く、バイオマス燃料の投入量を少なく算出してもよい。また、制御部404は、処理計画データに基づき、乾燥汚泥がいつ運搬されるかを把握してもよい。
【0090】
記憶部406は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部406は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部406は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0091】
水処理施設情報送信部408は、水処理施設2へ情報を送信する。例えば、水処理施設情報送信部408は、制御部404が算出した受け入れ量を水処理施設2の端末212へ送信する。
【0092】
発電施設情報送信部410は、発電施設3へ情報を送信する。例えば、発電施設情報送信部410は、水処理施設情報受信部400が受信した処理計画データ、貯留レベル等の情報を発電施設3の端末328へ送信する。また、発電施設情報送信部410は、制御部404が算出した受け入れ量、投入量等の情報を発電施設3の端末328へ送信する。
【0093】
<5.施設間の入出力関係>
図6を参照して、水処理施設2と発電施設3との間の入出力関係の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る水処理施設2と発電施設3との間における入出力関係の一例を示す図である。なお、水処理施設2及び発電施設3は、水処理事業者の敷地5の内に設けられている。
【0094】
図6に示すように、水処理施設2のホッパー208に貯留された乾燥汚泥は、連続式またはバッチ式の少なくともいずれか一方の方式の運搬方法により、発電施設3のホッパー300へ運搬される。これにより、発電施設3は、運搬された乾燥汚泥を燃料として用いることができる。また、発電施設3は、水処理事業者の敷地5の外部から入手する燃料の量を削減でき、燃料の購入にかかるコスト(燃料費)や燃料の運搬にかかるコスト(運搬費)等を削減することができる。
【0095】
発電施設3は、水処理施設2から運搬されてホッパー300に貯留された乾燥汚泥を燃焼させて生じる熱を利用した発電を行う。発電施設3は、当該乾燥汚泥の燃焼によって生じる排ガスとの熱交換により加熱された蒸気を、発電施設3の熱媒体供給部324へ供給する。
【0096】
熱媒体供給部324は、流路13を介して、蒸気を水処理施設2の固形燃料生成部206へ供給する。これにより、固形燃料生成部206は、供給された蒸気を用いて、水処理施設2で生じる脱水汚泥を乾燥し、乾燥汚泥を生成することができる。そのため、水処理施設2は、発電施設3から供給される蒸気を用いない水処理施設と比較し、脱水汚泥乾燥用の蒸気を発生させる設備を設けなくてよく、その分の設備費や燃料費を抑えることができるため、より安価な乾燥設備を導入することができる。よって、水処理施設2は、水処理施設2の建設にかかるコスト(建設費)等を削減することができる。
【0097】
また、発電施設3の発電部320は、乾燥汚泥を燃焼させて生じる熱を利用した発電において、水処理施設2の貯留部202から流路11を介して供給される処理水を用いて、気体の低沸点媒体を冷却する。発電部320は、流路12を介して、気体の低沸点媒体の冷却に用いた処理水を水処理施設2の貯留部202へ返送する。これにより、発電施設3は、気体の低沸点媒体の冷却にかかるコストを削減することができる。例えば、従来の発電施設における海水を利用するための設備の建設が不要になるため、当該設備の建設にかかるコスト(建設費)等を削減することもできる。
【0098】
また、発電部320は、流路40を介して、発電した電力を水処理施設2へ供給する。これにより、水処理施設2は、発電施設3から供給される電力を用いて水処理施設2を稼働することができる。よって、水処理施設2は、水処理施設2の稼働にかかるコスト(稼働費)等を削減することができる。
【0099】
なお、水処理事業者と発電事業者は、互いの施設へ供給する乾燥汚泥、蒸気、処理水、電力等の資源を有価で取引してもよい。また、水処理施設2と発電施設3は、これらの資源を外部の事業者に有価で販売してもよい。これにより、水処理事業者と発電事業者は、収益を得ることができ、長期的に安定した事業運営を継続することができる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態に係る水処理システム1は、水処理事業者の敷地5に設けられる水処理施設2と、水処理事業者の敷地5内に設けられる発電事業者の発電施設3とを含む。
水処理施設2の固形燃料生成部206は、脱水された汚泥を発電施設3から供給される復水の蒸気を用いて乾燥させ、汚泥燃料化物を生成する。また、水処理施設2の貯留部202は、水処理施設2に流入した水を水処理することで得られる処理水を貯留する。
発電施設3の発電部320は、汚泥燃料化物を燃料として燃焼させることで生じる熱を利用して発電する。また、発電施設3のボイラ310は、燃焼によって発生した熱を用いて復水の蒸気を加熱する。また、発電施設3の熱媒体供給部324は、ボイラ310にて加熱された蒸気を水処理施設2に供給する。また、水処理施設2の凝縮器3206は、発電部320のタービンを通過した低沸点媒体の蒸気を、処理水を用いて冷却することで凝縮させる。また、発電施設3の流路12は、凝縮器3206で冷却に用いられた処理水を貯留部202に返送する。
【0101】
かかる構成により、水処理システム1の水処理施設2は、同一敷地内に設けられた発電施設3から供給される蒸気を用いて脱水汚泥を乾燥させ、汚泥燃料化物を生成する。これにより、水処理施設2では、発電施設3から供給される蒸気を用いない水処理施設と比較し、脱水汚泥乾燥用の蒸気を発生させる設備を設けなくてよく、その分の設備費や燃料費を抑えることができるため、より安価な乾燥設備を導入することができる。そのため、水処理施設2の建設にかかるコスト(建設費)の削減が可能となる。
【0102】
よって、本実施形態に係る水処理システム1は、水処理施設の建設費の削減により、水処理施設の事業運営における設備費や燃料費などのコストを削減することができる。
【0103】
<6.変形例>
本実施形態の変形例について説明する。上述の実施形態では、発電施設3が第1ボイラ及び第2ボイラを有し、発電機がタービン発電機である例について説明したが、かかる例に限定されない。本変形例では、発電施設3が第1ボイラのみを有し、発電機がスチームタービンである例について説明する。スチームタービンの具体例として、背圧タービンが挙げられる。
【0104】
以下、
図7及び
図8を参照して、変形例における発電施設及び発電部の構成について説明する。
図7は、本実施形態に係る変形例における発電施設3の構成の一例を示すブロック図である。
図8は、本実施形態に係る変形例における発電部320の構成の一例を示すブロック図である。以下、上述の実施形態における説明と重複する説明に関しては省略する。
【0105】
図7に示すように、変形例における発電施設3は、ホッパー300、焼却炉302、ボイラ群304、集塵機312、冷却器314、送風機316、煙突318、発電部320、熱媒体供給部324、残量検出部326、及び端末328を有する。また、発電施設3は、流路11、流路12、流路13、流路30、流路33、流路34、及び流路40を有する。また、
図8に示すように、変形例における発電部320は、スチームタービン3210及び復水器3212を有する。また、発電部320は、流路11、流路12、流路30、流路33、流路34、流路35、及び流路40を有する。
【0106】
上述の実施形態の発電施設3では、第1ボイラであるボイラ310が、燃焼によって発生した熱を用いて熱媒体を加熱する役割を担っていた。変形例における発電施設3では、ボイラ310が担っていた役割をボイラ群304が代わりに担う。即ち、本変形例では、ボイラ群304が第1ボイラである。
【0107】
また、上述の実施形態の発電施設3では、ボイラ310にて加熱された蒸気(水蒸気)が熱媒体供給部324によって水処理施設2へ供給されていた。変形例における発電施設3では、スチームタービン3210を通過する蒸気が熱媒体供給部324によって水処理施設2へ供給される。
【0108】
変形例におけるホッパー300及び焼却と302は、上述の実施形態におけるホッパー300及び焼却炉302と同一のものである。焼却炉302は、ホッパー300から投入される乾燥汚泥を焼却する。乾燥汚泥の焼却により発生する排ガスは、ボイラ群304へ供給される。
【0109】
変形例におけるボイラ群304は、焼却炉302における乾燥汚泥の燃焼によって発生した熱を用いて熱媒体を加熱する。ボイラ群304が加熱する熱媒体の一例として、水(復水)と蒸気(水蒸気)が挙げられる。
【0110】
図7に示すように、ボイラ群304は、ボイラ306及びボイラ308を有する。
ボイラ306は、例えば、蒸発器と加熱器を有する。蒸発器は、ボイラ308から流路32へ流入する水と、焼却炉302からボイラ306へ流入する排ガスとの間の熱交換により、蒸気を生成する。加熱器は、蒸発器が生成した蒸気と、焼却炉302からボイラ306へ流入する排ガスとの間の熱交換により、蒸気を加熱する。
【0111】
熱交換により加熱された蒸気は、発電部320と接続された流路33を介して、発電部320へ供給される。当該蒸気のゲージ圧は、例えば、3~4MPaGである。また、熱交換により冷却された排ガスは、ボイラ308へ供給される。
【0112】
ボイラ308は、例えば、節炭器を有する。節炭器は、発電部320の復水器3212と接続された流路30から流路31へ流入する水(復水)と、ボイラ306から流入する排ガスとの間の熱交換を行い、水を加熱する。熱交換により加熱された水は、ボイラ306へ供給される。また、熱交換により冷却された排ガスは、集塵機312へ供給される。
【0113】
変形例における集塵機312、冷却器314、送風機316、及び煙突318の説明は、上述の実施形態における説明と重複するため、省略する。
【0114】
上述の実施形態の発電部320は、ボイラ群304で加熱された熱媒油と、発電部320内を循環する低沸点媒体を利用し発電を行っていた。変形例における発電部320は、ボイラ群304で加熱された蒸気を利用して発電を行う。
【0115】
スチームタービン3210は、蒸気によるタービンの駆動を利用して発電する。例えば、スチームタービン3210では、ボイラ306から流路33を介して供給される蒸気がタービンを通過し、タービンが駆動することによって発電が行われる。スチームタービン3210は、流路40を介して、発電した電力を水処理施設2または外部系統へ供給する。また、スチームタービン3210は、流路34を介して、タービンを通過した蒸気を熱媒体供給部324へ供給する。また、スチームタービン3210は、流路35を介して、タービンを通過した蒸気を復水器3212へ供給する。
【0116】
復水器3212は、外部から供給される気体を冷却して凝縮する。例えば、復水器3212は、流路35を介してスチームタービン3210から供給される蒸気を冷却して凝縮する。当該冷却には、流路11を介して水処理施設2の貯留部202から供給される処理水(冷却水)が用いられる。復水器3212は、流路35を介してスチームタービン3210から供給される蒸気と、流路11を介して水処理施設2の貯留部202から供給される処理水との間の熱交換を行い、蒸気を冷却する。復水器3212では、蒸気が温度の高い物体であり、処理水が温度の低い物体である。よって、復水器3212では、熱交換により、温度が高い蒸気から温度が低い処理水へ熱が移動する。言い換えると、処理水が蒸気から熱を抽熱する。なお、上述の実施形態においては、水処理施設2に送られる熱媒体と発電部320のタービンを通過する熱媒体はそれぞれ別のものであったが、本変形例では同じ熱媒体であり、例えば蒸気である。
【0117】
熱交換により蒸気が冷却されて発生する復水は、流路30を介して、ボイラ308へ供給される。また、熱交換により加熱された処理水は、流路12を介して、水処理施設2の貯留部202へ復水器3212から返送される。
熱交換により加熱された処理水を川などへ放流する場合には、排水基準を満たす必要があるため、別途排水処理設備を設ける必要がある。しかしながら、発電施設3にさらに排水処理設備を設けると、設備費、処理費などがかかるため好ましくない。そのため、発電施設3で使用した処理水は、水処理施設2に返送され、再度処理されるのが望ましい。
【0118】
処理水が水処理施設2の水処理部200(水処理工程)ではなく貯留部202へ返送されることで、処理水の再利用が可能となり、冷却水に使用した処理水の全量を水処理施設2に返送する場合と比較して、新たな処理水と混合されるため水処理負荷や変動を抑えることができる。また、使用前の処理水の受入れ槽と使用後の処理水の受入れ槽を貯留部202で兼用する場合には、タンクの数を減らすことができ、さらなる設備費の削減が可能となる。
【0119】
なお、水処理施設2の貯留部202からから復水器3212へ流入する処理水の温度は、例えば20℃程度である。また、復水器3212から水処理施設2の貯留部202へ返送される処理水の温度は、例えば30℃程度である。
【0120】
変形例における熱媒体供給部324は、流路34を介してスチームタービン3210から供給される蒸気を、流路13を介して水処理施設2へ供給する。水処理施設2へ供給される蒸気の温度は、例えば、187℃である。当該蒸気のゲージ圧は、例えば1.1MPaGである。熱媒体供給部324は、水処理施設2へ供給した蒸気の供給量を検出する機能を有してもよい。熱媒体供給部324が蒸気の供給量を検出する機能を有する場合、熱媒体供給部324は、蒸気の供給量の検出結果を管理サーバ4へ送信する。
【0121】
変形例における残量検出部326、端末328、受信部3280、制御部3282、記憶部3284、送信部3286、及び出力部3288の説明は、上述の実施形態における説明と重複するため、省略する。
【0122】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0123】
1…水処理システム、2…水処理施設、3…発電施設、4…管理サーバ、5…水処理事業者の敷地、12…流路、200…水処理部、202…貯留部、204…汚泥処理部、206…固形燃料生成部、208…ホッパー、210…貯留レベル検出部、212…端末、300…ホッパー、302…焼却炉、304…ボイラ群、306…ボイラ、308…ボイラ、310…ボイラ、312…集塵機、314…冷却器、316…送風機、318…煙突、320…発電部、322…復水供給部、324…熱媒体供給部、326…残量検出部、328…端末、400…水処理施設情報受信部、402…発電施設情報受信部、404…制御部、406…記憶部、408…水処理施設情報送信部、410…発電施設情報送信部、2120…受信部、2122…制御部、2124…記憶部、2126…送信部、2128…出力部、3200…再生器、3202…蒸発器、3204…タービン発電機、3206…凝縮器、3208…循環ポンプ、3210…スチームタービン、3212…復水器、3280…受信部、3282…制御部、3284…記憶部、3286…送信部、3288…出力部、3288a…貯留レベル出力部、3288b…投入量出力部、NW…ネットワーク