(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146583
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】蓄電素子ユニット、建物および蓄電素子ユニット用の筐体
(51)【国際特許分類】
H01M 50/233 20210101AFI20220928BHJP
H01M 50/251 20210101ALI20220928BHJP
H01M 50/258 20210101ALI20220928BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20220928BHJP
【FI】
H01M50/233
H01M50/251
H01M50/258
H01M50/298
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047626
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS01
5H040AT04
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC15
5H040CC33
5H040CC38
5H040DD09
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】筐体の大型化を抑制しつつ、蓄電素子モジュールの筐体内への挿入作業および筐体内からの取り出し作業の作業効率を向上させる。
【解決手段】蓄電素子ユニットは、筐体と、筐体内に収容される複数の蓄電素子モジュールと、を備える。筐体は、第1方向における一側から蓄電素子モジュールを支持する底部と、底部から第1方向における他側へ立ち上がった側壁部と、第1方向における他側に開口した開口部であって、蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる開口部と、を有する。第2方向における開口部の寸法は、蓄電素子モジュールの短手方向の寸法の1.1倍以上2.2倍以下であり、第3方向における開口部の寸法は、蓄電素子モジュールの長手方向の寸法の1.1倍以上1.3倍以下である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容される複数の蓄電素子モジュールと、を備え、
複数の前記蓄電素子モジュールは、前記筐体内において、第1方向に積み重ねられて収容され、
前記蓄電素子モジュールは、前記第1方向に直交する第2方向に沿う短手方向と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿う長手方向と、を有し、
前記筐体は、前記第1方向における一側から前記蓄電素子モジュールを支持する底部と、前記底部から前記第1方向における他側へ立ち上がった側壁部と、前記第1方向における他側に開口した開口部であって、前記蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる開口部と、を有し、
前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上2.2倍以下であり、前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.3倍以下である、蓄電素子ユニット。
【請求項2】
前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の2倍以上2.2倍以下である、請求項1に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項3】
前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の2倍以上2.1倍以下である、請求項2に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項4】
前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.2倍以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項5】
複数の前記蓄電素子モジュールは、前記蓄電素子モジュールが前記第1方向に複数積み重ねられた第1の蓄電素子モジュール群と、前記第2方向において前記第1の蓄電素子モジュール群と隣り合う位置で、前記蓄電素子モジュールが前記第1方向に複数積み重ねられた第2の蓄電素子モジュール群と、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項6】
前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上1.5倍以下である、請求項1に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項7】
前記蓄電素子モジュールは、前記第3方向における一側の側面から延び出たケーブルを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項8】
前記筐体は、前記側壁部から前記筐体内に突出し、前記第1方向に沿って延びる突条部であって、前記筐体内に収容された前記蓄電素子モジュールと接触する突条部を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項9】
前記開口部を覆う蓋体を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニットを備える、建物。
【請求項11】
複数の蓄電素子モジュールが収容される蓄電素子ユニット用の筐体であって、複数の前記蓄電素子モジュールが、前記筐体内において、第1方向に積み重ねられて収容され、前記蓄電素子モジュールが、前記第1方向に直交する第2方向に沿う短手方向と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿う長手方向と、を有する、蓄電素子ユニット用の筐体であって、
前記第1方向における一側から前記蓄電素子モジュールを支持する底部と、
前記底部から前記第1方向における他側へ立ち上がった側壁部と、
前記第1方向における他側に開口した開口部であって、前記蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる開口部と、を備え、
前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上2.2倍以下であり、前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.3倍以下である、蓄電素子ユニット用の筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子ユニット、建物および蓄電素子ユニット用の筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、筐体と、筐体内に収容される複数の蓄電素子モジュールと、を有する蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットの筐体は開口部を有しており、この開口部から蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる。蓄電素子ユニットは、建物内の狭い空間に設置される場合がある。このため、蓄電素子モジュールの筐体は小型化されることが望ましい。しかしながら、筐体の開口部が狭くなると、蓄電素子モジュールの筐体内への挿入作業および筐体内からの取り出し作業の作業効率が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、筐体の大型化を抑制しつつ、蓄電素子モジュールの筐体内への挿入作業および筐体内からの取り出し作業の作業効率を向上させることができる蓄電素子ユニット、建物および蓄電素子ユニット用の筐体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による蓄電素子ユニットは、筐体と、前記筐体内に収容される複数の蓄電素子モジュールと、を備え、複数の前記蓄電素子モジュールは、前記筐体内において、第1方向に積み重ねられて収容され、前記蓄電素子モジュールは、前記第1方向に直交する第2方向に沿う短手方向と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿う長手方向と、を有し、前記筐体は、前記第1方向における一側から前記蓄電素子モジュールを支持する底部と、前記底部から前記第1方向における他側へ立ち上がった側壁部と、前記第1方向における他側に開口した開口部であって、前記蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる開口部と、を有し、前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上2.2倍以下であり、前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.3倍以下である。
【0006】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の2倍以上2.2倍以下である、ようにしてもよい。
【0007】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の2倍以上2.1倍以下である、ようにしてもよい。
【0008】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.2倍以下である、ようにしてもよい。
【0009】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、複数の前記蓄電素子モジュールは、前記蓄電素子モジュールが前記第1方向に複数積み重ねられた第1の蓄電素子モジュール群と、前記第2方向において前記第1の蓄電素子モジュール群と隣り合う位置で、前記蓄電素子モジュールが前記第1方向に複数積み重ねられた第2の蓄電素子モジュール群と、を含む、ようにしてもよい。
【0010】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上1.5倍以下である、ようにしてもよい。
【0011】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記蓄電素子モジュールは、前記第3方向における一側の側面から延び出たケーブルを有する、ようにしてもよい。
【0012】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記筐体は、前記側壁部から前記筐体内に突出し、前記第1方向に沿って延びる突条部であって、前記筐体内に収容された前記蓄電素子モジュールと接触する突条部を有する、ようにしてもよい。
【0013】
本発明による蓄電素子ユニットにおいて、前記開口部を覆う蓋体を更に備える、ようにしてもよい。
【0014】
本発明による建物は、上述した蓄電素子ユニットを備える。
【0015】
本発明による蓄電素子ユニット用の筐体は、複数の蓄電素子モジュールが収容される蓄電素子ユニット用の筐体であって、複数の前記蓄電素子モジュールが、前記筐体内において、第1方向に積み重ねられて収容され、前記蓄電素子モジュールが、前記第1方向に直交する第2方向に沿う短手方向と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿う長手方向と、を有する、蓄電素子ユニット用の筐体であって、前記第1方向における一側から前記蓄電素子モジュールを支持する底部と、前記底部から前記第1方向における他側へ立ち上がった側壁部と、前記第1方向における他側に開口した開口部であって、前記蓄電素子モジュールの挿入および取り出しが行われる開口部と、を備え、前記第2方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記短手方向の寸法の1.1倍以上2.2倍以下であり、前記第3方向における前記開口部の寸法は、前記蓄電素子モジュールの前記長手方向の寸法の1.1倍以上1.3倍以下である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、筐体の大型化を抑制しつつ、蓄電素子モジュールの筐体内への挿入作業および筐体内からの取り出し作業の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施の形態による蓄電素子モジュールの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1から外装パネルを取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2から蓋体を取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に含まれる複数の蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に含まれる一つの蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5に含まれる複数のセルを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に含まれる一つのセルを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図3に含まれる制御モジュールを示す斜視図である。
【
図13】
図13は、
図12の筐体内に第2の蓄電素子モジュール群を配置した状態を示す上面図である。
【
図14】
図14は、
図12の筐体内に第1の蓄電素子モジュール群および第2の蓄電素子モジュール群を配置した状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のし易さの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0019】
図1~
図14は、実施の形態による蓄電素子ユニットおよび蓄電素子ユニット用の筐体を説明するための図である。蓄電素子ユニット1は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット1は、例えば、住宅や施設等の建物に設置され、建物の配線と電気的に接続されて、建物内に設置された電気装置の電源として機能する。
【0020】
図1~
図3に示すように、蓄電素子ユニット1は、外装パネル10と、筐体20と、蓋体30と、複数の蓄電素子モジュール40と、制御モジュール60と、を有している。
【0021】
図1に示すように、外装パネル10は、蓄電素子ユニット1の外装体として、外部に露出する部分である。外装パネル10は、板状に構成されている。外装パネル10は、正面パネル11と、右側面パネル12と、左側面パネル13と、背面パネル14と、上面パネル15とを含んでいる。正面パネル11、右側面パネル12、左側面パネル13および背面パネル14は、それぞれ後述する筐体20の側部フレーム24sに取り付けられている。正面パネル11、右側面パネル12、左側面パネル13および背面パネル14は、各パネル11、12、13、14の内面に設けられた爪と側部フレーム24sに設けられた穴との嵌合により取り付けられていてもよい。上面パネル15は、後述する蓋体30に取り付けられている。上面パネル15は、ボルト締結により蓋体30に取り付けられていてもよい。外装パネル10は、例えば、樹脂材料により構成されている。外装パネル10には、製品名、製造番号、製造者名等が表示されていてもよい。
【0022】
図2および
図3に示すように、筐体20は、略直方体状の外形を有している。以下、筐体20の高さ方向をZ方向(第1方向)、平面視での(Z方向で見たときの)筐体20の長手方向をX方向(第2方向)、平面視での筐体20の短手方向をY方向(第3方向)と称する。ここで、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交している。筐体20は、複数の蓄電素子モジュール40と、制御モジュール60と、を収容するように構成されている。筐体20は、開口部23を有しており、この開口部23から、蓄電素子モジュール40および制御モジュール60の挿入および取り出しが行われる。筐体20は、例えば、金属材料により構成されている。筐体20についての詳細な説明は後述する。
【0023】
図2に示すように、蓋体30は、筐体20の開口部23を覆うように構成されている。蓋体30は、板状に形成されている。蓋体30は、平面視において(Z方向で見たとき)、矩形形状を有している。蓋体30は、後述する筐体20の上部フレーム24tに取り付けられている。蓋体30は、ボルト締結により上部フレーム24tに取り付けられていてもよい。蓋体30は、蓄電素子モジュール40および制御モジュール60の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業が行われた後に、取り付けられる。筐体20の上部フレーム24tに蓋体30が取り付けられた後、蓋体30に上面パネル15が取り付けられる。蓋体30は、例えば、金属材料により構成されている。
【0024】
図3に示すように、複数の蓄電素子モジュール40は、筐体20内に収容されている。
図3および
図4に示すように、複数の蓄電素子モジュール40は、筐体20内において、Z方向に積み重ねられて収容されている。複数の蓄電素子モジュール40は、蓄電素子モジュール群41を構成しており、蓄電素子モジュール40がZ方向に複数積み重ねられた第1の蓄電素子モジュール群41aおよび第2の蓄電素子モジュール群41bを含んでいる。
【0025】
図4に示すように、第1の蓄電素子モジュール群41aおよび第2の蓄電素子モジュール群41bは、Y方向に並べて配列されている。第2の蓄電素子モジュール群41bは、Y方向における一側(
図4における右奥側)で第1の蓄電素子モジュール群41aと隣り合う位置に配置されている。すなわち、第1の蓄電素子モジュール群41aおよび第2の蓄電素子モジュール群41bは、Y方向において互いに隣り合うように配置されるとともに、第1の蓄電素子モジュール群41aは、筐体20内のY方向における他側(
図4における左手前側)に配置され、第2の蓄電素子モジュール群41bは、筐体20内のY方向における一側(
図4における右奥側)に配置されている。
【0026】
図4に示すように、第1の蓄電素子モジュール群41aを構成する蓄電素子モジュール40の個数と第2の蓄電素子モジュール群41bを構成する蓄電素子モジュール40の個数は、互いに異なっていてもよい。例えば、第2の蓄電素子モジュール群41bを構成する蓄電素子モジュール40の個数は、第1の蓄電素子モジュール群41aを構成する蓄電素子モジュール40の個数よりも多くてもよい。図示された例においては、第1の蓄電素子モジュール群41aは、三つの蓄電素子モジュール40により構成されており、第2の蓄電素子モジュール群41bは、四つの蓄電素子モジュール40により構成されている。各蓄電素子モジュール40は、互いに同一の構成を有していてもよい。なお、
図4においては、後述するケーブル49の図示は、省略されている。
【0027】
図5および
図6に示すように、蓄電素子モジュール40は、略直方体状の外形を有している。蓄電素子モジュール40は、X方向に沿う長手方向と、Y方向に沿う短手方向と、Z方向に沿う高さ方向と、を有している。また、蓄電素子モジュール40は、収容体42と、収容体42内に収容された複数のセル50と、を含んでいる。
【0028】
収容体42は、複数のセル50(
図7参照)を収容するように構成されている。
図5に示すように、収容体42は、Z方向における一側(
図5における下側)に設けられた底面44と、底面44からZ方向における他側(
図5における上側)へ立ち上がった四つの側面45a、45b、45c、45dと、Z方向における他側に設けられた上面46と、を有している。底面44は、Z方向における一側からセル50を支持している。側面45aは、X方向における一側(
図5における右手前側)に設けられている。側面45bは、X方向における他側(
図5における左奥側)に設けられている。側面45cは、Y方向における一側(
図5における右奥側)に設けられている。側面45dは、X方向における他側(
図5における左手前側)に設けられている。
図5に示すように、側面45c、45dには、複数のリブが形成されていてもよい。このような底面44、側面45a、45b、45c、45dおよび上面46により、複数のセル50が取り囲まれている。
【0029】
図5および
図6に示すように、側面45c、45dは、上面46の側に設けられた複数の突出部47を有している。突出部47は、上面46よりもZ方向における他側(
図5における上側)に突出している。各突出部47は、X方向に所定の間隔を空けて配置されていてもよい。図示された例においては、四つの突出部47が、側面45cおよび側面45dにそれぞれ設けられている。
【0030】
また、
図5に示すように、側面45c、45dは、底面44の側に設けられた複数の係合部48を有している。係合部48は、Z方向における他側(
図5における上側)に凹んでいる。各係合部48は、X方向に所定の間隔を空けて配置されていてもよい。平面視において、各係合部48は、対応する突出部47と同じ位置に設けられていてもよい。図示された例においては、四つの突出部47に対応するように、四つの係合部48が、側面45cおよび側面45dにそれぞれ設けられている。
【0031】
複数の蓄電素子モジュール40がZ方向に積み重ねられたとき、一の蓄電素子モジュール40の各突出部47が、Z方向において当該一の蓄電素子モジュール40と隣り合う他の蓄電素子モジュール40の対応する係合部48に入り込むようになっている。これにより、互いに隣り合う蓄電素子モジュール40のX方向およびY方向への相対移動を規制することができる。このため、各蓄電素子モジュール40を、Z方向に安定して積み重ねることができる。
【0032】
また、
図5および
図6に示すように、蓄電素子モジュール40は、X方向における一側の側面45aから延び出たケーブル49を有している。ケーブル49の一端は、後述する各セル50のタブ53と電気的に接続されており、ケーブル49の他端は、後述する制御モジュール60の接続部64と電気的に接続されている。これにより、蓄電素子モジュール40と制御モジュール60とが、ケーブル49を介して電気的に接続されている。
【0033】
図6に示す蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxは、400mm以上800mm以下であってもよい。ここで、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxとは、X方向における収容体42の側面45aと側面45bとの間の寸法を意味している。
図6に示す蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyは、150mm以上350mm以下であってもよい。ここで、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyとは、Y方向における収容体42の側面45cと側面45dとの間の寸法を意味している。また、蓄電素子モジュール40の高さ方向の寸法は、50mm以上150mm以下であってもよい。ここで、蓄電素子モジュール40の高さ方向の寸法とは、Z方向における収容体42の底面44と上面46との間の寸法を意味している。
【0034】
複数のセル50は、収容体42内に収容されている。セル50は、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セル50は、種々の型式を採用することができ、例えばリチウムイオン二次電池とすることができる。
【0035】
図7に示すように、複数のセル50は、積層方向に積層されている。図示された例においては、セル50の積層方向は、Z方向になっている。各セル50は、互いに同一の構成を有していても良い。
図7および
図8に示すように、セル50は、扁平形状を有している。セル50は、平面視において、略矩形形状を有している。セル50は、X方向に沿う長手方向と、Y方向に沿う短手方向と、を有している。
【0036】
図7および
図8に示すように、セル50は、複数の電極板51と、複数の電極板51を収容する外装体52と、長手方向における両側に設けられた一対のタブ53と、を有している。ここで、複数の電極板51は、正極板および負極板を含んでいる。複数の電極板51は、積層方向に交互に積層された複数の正極板および複数の負極板を含んでいてもよい。
【0037】
図8に示すように、外装体52は、第1外装材52Aと、第1外装材52Aに対向する第2外装材52Bと、を有している。第2外装材52Bは、平坦な板状に形成されている。一方、第1外装材52Aは、凸状に形成されている。すなわち、第1外装材52Aは、周縁部52AEと、周縁部52AEに対してZ方向におけるいずれか一方の側に膨出した膨出部52APと、を有している。膨出部52APは、絞り加工によって形成されてもよい。すなわち、膨出部52APは、板状の第1外装材52Aの所望の領域を押圧することによって形成されてもよい。この場合、周縁部52AEと膨出部52APは一体的に形成される。このような膨出部52APにより、第1外装材52Aと第2外装材52Bとの間に、複数の電極板51を収容する空間が形成される。第1外装材52Aおよび第2外装材52Bは、周縁部52AEにおいて互いに熱溶着されていてもよい。
【0038】
第1外装材52Aおよび第2外装材52Bは、金属層と、金属層の内側に積層された内側層と、を有していてもよい。内側層は、絶縁性に加え、熱可塑性を有していてもよい。これにより、第1外装材52Aの内側層と第2外装材52Bの内側層とを互いに対向させて、第1外装材52Aおよび第2外装材52Bを加熱および加圧することで、第1外装材52Aおよび第2外装材52Bを周縁部52AEにおいて互いに熱溶着することができる。また、第1外装材52Aおよび第2外装材52Bが金属層を有することで、外装体52に剛性を付与することができる。
【0039】
一対のタブ53は、電極板51と電気的に接続して外装体52の外部に延び出ている。一対のタブ53は、それぞれ正極端子または負極端子として機能する。
図8に示すように、タブ53の先端が、積層方向に折れ曲がっていてもよい。各セル50のタブ53は、直列接続または並列接続により互いに電気的に接続される。直列接続あるいは並列接続するセル50の個数を適宜設定することで、一つの蓄電素子モジュール40からの出力を所望の電圧および所望の容量にすることができる。
図7に示す例においては、一つの蓄電素子モジュール40に、16個のセル50が収容されている。ここで、一のセル50と、当該一のセル50と隣り合う他のセル50とが、それぞれの第2外装材52Bが互いに対向するように積層され、それら二つのセル50が並列接続されている。そして、それらの並列接続された二つのセル50が、8組直列接続されている。各セル50のタブ53は、上述したケーブル49と電気的に接続されており、ケーブル49を介して制御モジュール60の接続部64と電気的に接続されている。これにより、蓄電素子モジュール40と制御モジュール60とが、ケーブル49を介して電気的に接続されている。
【0040】
制御モジュール60は、蓄電素子モジュール40の各々を制御するように構成されている。より具体的には、制御モジュール60は、各蓄電素子モジュール40の充電および放電を制御する機能を有している。また、制御モジュール60は、交流電力を直流電力に変換する機能および直流電力を交流電力に変換する機能を有している。また、制御モジュール60は、各蓄電素子モジュール40の充電状態(例えば充電量)を監視する機能や各蓄電素子モジュール40の異常の有無を監視する機能等を有している。
【0041】
図3に示すように、制御モジュール60は、筐体20内に収容されている。制御モジュール60は、筐体20内において、蓄電素子モジュール40よりもZ方向における他側(
図3における上側)に配置されている。制御モジュール60は、第2の蓄電素子モジュール群41b(
図4参照)のZ方向における他側に配置されていてもよい。また、制御モジュール60は、後述する固定プレート26上に配置されていてもよい。制御モジュール60は、ボルト締結により固定プレート26に固定されていてもよい。
【0042】
図9に示すように、制御モジュール60は、略直方体状の外形を有している。制御モジュール60は、X方向に沿う長手方向と、Y方向に沿う短手方向と、Z方向に沿う高さ方向と、を有している。制御モジュール60は、全体的に蓄電素子モジュール40よりも小さくてもよい。すなわち、制御モジュール60の長手方向の寸法は、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxよりも小さくてもよい。制御モジュール60の短手方向の寸法は、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyよりも小さくてもよい。また、制御モジュール60の高さ方向の寸法は、蓄電素子モジュール40の高さ方向の寸法よりも小さくてもよい。
【0043】
制御モジュール60は、入力された制御信号および電力を処理して出力する制御回路を有している。
図9に示すように、制御モジュール60は、Z方向における一側(
図9における下側)に設けられた底面61と、底面61からZ方向における他側(
図9における上側)へ立ち上がった四つの側面62a、62b、62c、62dと、Z方向における他側に設けられた上面63と、を有している。側面62aは、X方向における一側(
図9における右手前側)に設けられている。側面62bは、X方向における他側(
図9における左奥側)に設けられている。側面62cは、Y方向における一側(
図9における右奥側)に設けられている。側面62dは、X方向における他側(
図9における左手前側)に設けられている。このような底面61、側面62a、62b、62c、62dおよび上面63により、上述した制御回路が取り囲まれている。
【0044】
制御モジュール60は、蓄電素子モジュール40の各々の配線が接続される接続部64と、蓄電素子ユニット1の外部の配線が接続される入出力部65と、を有している。
図9に示す例においては、接続部64および入出力部65は、制御モジュール60のY方向における他側の側面62dに設けられている。接続部64は、各蓄電素子モジュール40の側面45aから延び出たケーブル49と接続することができる。これにより、制御モジュール60は、蓄電素子モジュール40の各々と電気的に接続され、蓄電素子モジュール40の各々を制御することができる。また、入出力部65は、蓄電素子ユニット1の外部の配線と接続することができる。これにより、制御モジュール60は、外部の配線と電気的に接続され、外部への制御信号および電力の送信、並びに外部からの制御信号および電力の受信を行うことができる。また、
図9に示すように、制御モジュール60の上面63に、制御モジュール60の電源のON/OFFを切り替え可能な電源スイッチ66が設けられていてもよい。
【0045】
次に、本実施の形態による蓄電素子ユニット1用の筐体20の構成について説明する。
【0046】
筐体20は、上述した複数の蓄電素子モジュール40と、上述した制御モジュール60と、を収容するように構成されている。
図2、
図3および
図10に示すように、筐体20は、略直方体状の外形を有している。
【0047】
図10に示すように、筐体20は、Z方向における一側(図における下側)に設けられた底部21と、底部21からZ方向における他側(図における上側)に立ち上がった側壁部22a、22b、22c、22dと、Z方向における他側に開口した開口部23と、を有している。
【0048】
底部21は、板状に形成されている。底部21は、平面視において、矩形形状を有している。底部21は、Z方向における一側(図における下側)から蓄電素子モジュール40を支持する。
【0049】
側壁部22a、22b、22c、22dは、それぞれ板状に形成されている。側壁部22aは、X方向における一側(図における右手前側)に設けられている。側壁部22bは、X方向における他側(図における左奥側)に設けられている。側壁部22cは、Y方向における一側(図における右奥側)に設けられている。側壁部22dは、Y方向における他側(図における左手前側)に設けられている。側壁部22a、22bは、X方向で見たときに、矩形形状を有している。側壁部22c、22dは、Y方向で見たときに、矩形形状を有している。各側壁部22a、22b、22c、22dは、互いに連結されている。より具体的には、筐体20は、底部21の四隅からZ方向における他側に立ち上がった四つの側部フレーム24sを有しており、各側壁部22a、22b、22c、22dは、これらの側部フレーム24sに取り付けられることで、互いに連結されている。各側壁部22a、22b、22c、22dは、ボルト締結により側部フレーム24sに取り付けられていてもよい。
【0050】
開口部23は、平面視において、矩形形状を有している。開口部23の周囲には、上部フレーム24tが設けられている。より具体的には、筐体20は、Z方向における他側(図における上側)に、四つの側部フレーム24sにより支持された矩形枠状の上部フレーム24tを有しており、開口部23は、この上部フレーム24tの内輪郭により画定されている。この開口部23から、蓄電素子モジュール40および制御モジュール60の筐体20内への挿入および筐体20内からの取り出しが行われる。
【0051】
図10に示すように、側壁部22a、22bには、固定プレート26を支持する支持部材25が設けられている。支持部材25は、側壁部22a、22bから筐体20内に突出している。支持部材25は、側壁部22a、22bの内面にボルト締結により取り付けられていてもよい。支持部材25は、Z方向における一側(図における下側)から固定プレート26(
図3参照)を支持する。
【0052】
固定プレート26は、蓄電素子モジュール40を筐体20に対して固定するように構成されている。
図3に示すように、固定プレート26は、蓄電素子モジュール40よりもZ方向における他側(図における上側)に配置されている。より具体的には、固定プレート26は、第1の蓄電素子モジュール群41aのZ方向における他側に配置されている。また、固定プレート26は、第2の蓄電素子モジュール群41bのZ方向における他側にも配置されている。固定プレート26のX方向における両端部は、筐体20の支持部材25にボルト締結により固定されている。また、固定プレート26は、第1の蓄電素子モジュール群41aあるいは第2の蓄電素子モジュール群41bに含まれる蓄電素子モジュール40のうち最もZ方向における他側に配置された蓄電素子モジュール40の上面46と接触するとともに、固定プレート26に設けられた凹部が当該蓄電素子モジュール40の突出部47と係合するように配置されている。これにより、固定プレート26は、筐体20に対する蓄電素子モジュール40の相対移動を規制し、蓄電素子モジュール40を筐体20に対して固定している。
【0053】
図10に示すように、側壁部22c、22dには、Z方向に沿って延びるレール部材27(突条部)が設けられている。レール部材27は、側壁部22c、22dから筐体20内に突出している。レール部材27は、側壁部22c、22dの内面にボルト締結により取り付けられていてもよい。図示された例においては、レール部材27は、側壁部22cに二つ設けられるとともに、側壁部22dにも二つ設けられている。側壁部22cのレール部材27と側壁部22dのレール部材27は、互いに対向する位置に設けられている。レール部材27は、筐体20内に収容された蓄電素子モジュール40と接触するように構成されている。より具体的には、
図11に示すように、側壁部22cに設けられたレール部材27は、第2の蓄電素子モジュール群41bを構成する各蓄電素子モジュール40の側面45cと接触する。また、側壁部22dに設けられたレール部材27は、第1の蓄電素子モジュール群41aを構成する各蓄電素子モジュール40の側面45dと接触する。これにより、各蓄電素子モジュール40が筐体20の側壁部22c、22dと直接接触することを防止することができる。
【0054】
開口部23は、蓄電素子モジュール40および制御モジュール60の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業を行うために、比較的大きな開口寸法を有している。
図12に示すX方向における開口部23の寸法Lxは、440mm以上1040mm以下であってもよい。とりわけ、X方向における開口部23の寸法Lxは、440mm以上960mm以下であってもよい。
図12に示すY方向における開口部23の寸法Lyは、300mm以上770mm以下であってもよい。とりわけ、Y方向における開口部23の寸法Lyは、300mm以上735mm以下であってもよい。ここで、開口部23の寸法Lx、Lyとは、平面視において(Z方向で見たときに)、筐体20の開口部23と底部21との間に他の部材が介在しないような領域における縦横寸法を意味している。例えば、平面視において、側壁部22a、22bに設けられた支持部材25が、それぞれ上部フレーム24tよりも内側に突出している場合には、X方向における開口部23の寸法Lxは、それら支持部材25間の寸法に対応する。
【0055】
本実施の形態においては、X方向における開口部23の寸法Lxは、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上1.3倍以下である。とりわけ、X方向における開口部23の寸法Lxは、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上1.2倍以下である。また、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上2.2倍以下である。とりわけ、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上2.1倍以下である。
【0056】
図13に示すように、筐体20内に第2の蓄電素子モジュール群41bを配置した場合、すなわち、筐体20内のY方向における一側(
図13における上側)に蓄電素子モジュール40を配置した場合、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のX方向における一側(
図13における右側)に、間隙空間70を設けることができる。この間隙空間70に、蓄電素子モジュール40の側面45aから延び出たケーブル49を収容することができる。X方向における間隙空間70の寸法Gxは、20mm以上250mm以下であってもよい。また、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のY方向における他側(
図13における下側)に、間隙空間71を設けることができる。Y方向における間隙空間71の寸法Gyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyよりも大きくてもよい。これにより、この間隙空間71に、別の蓄電素子モジュール40を収容することができる。このため、筐体20内において、蓄電素子モジュール40をY方向に並べて配置することができる。Y方向における間隙空間71の寸法Gyは、150mm以上360mm以下であってもよい。
【0057】
また、
図14に示すように、筐体20内に第1の蓄電素子モジュール群41aおよび第2の蓄電素子モジュール群41bを配置した場合、すなわち、筐体20内のY方向における一側(
図14における上側)に蓄電素子モジュール40を配置するとともに、筐体20内のY方向における他側(
図14における下側)に蓄電素子モジュール40を配置した場合も、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のX方向における一側(
図14における右側)に、間隙空間70を設けることができる。また、筐体20内において、第1の蓄電素子モジュール群41aの蓄電素子モジュール40のY方向における一側(
図14における上側)、あるいは第2の蓄電素子モジュール群41bの蓄電素子モジュール40のY方向における他側(
図14における下側)に、微小間隙空間72を設けることができる。この微小間隙空間72が設けられることで、筐体20内において、蓄電素子モジュール40をY方向に並べて配置することが容易化される。Y方向における間隙空間71の寸法gyは、1mm以上10mm以下であってもよい。
【0058】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用効果について説明する。ここでは、本実施の形態による蓄電素子ユニット1の設置方法について説明する。
【0059】
蓄電素子ユニットの設置方法は、筐体20を設置する設置工程と、筐体20内に複数の蓄電素子モジュール40および制御モジュール60を収容する収容工程と、筐体20に蓋体30を取り付ける取付工程と、を備えている。
【0060】
まず、設置工程が行われる。設置工程では、建物内の所定の位置に、上述した筐体20が設置される。筐体20は、底部21の外面が建物の床面に対向し、かつ開口部23が重力方向における上方を向くように、設置される。ここで、筐体20の底部21は、建物の床面に固定されてもよい。筐体20には、外装パネル10(正面パネル11、右側面パネル12、左側面パネル13および背面パネル14)が取り付けられていてもよい。外装パネル10は、ボルト締結により筐体20に取り付けられていてもよい。
【0061】
設置工程の後、収容工程が行われる。収容工程では、筐体20内に複数の蓄電素子モジュール40および制御モジュール60が収容される。収容工程は、複数の蓄電素子モジュール40を収容する工程と、制御モジュール60を収容する工程と、を含んでいる。
【0062】
複数の蓄電素子モジュール40を収容する工程においては、まず、筐体20の開口部23から、一の蓄電素子モジュール40が挿入される。続いて、当該一の蓄電素子モジュール40が、筐体20内のY方向における一側で、筐体20の底部21上に配置される。次に、筐体20の開口部23から、別の蓄電素子モジュール40が挿入され、当該別の蓄電素子モジュール40が、当該一の蓄電素子モジュール40上に配置される。ここで、当該別の蓄電素子モジュール40は、当該一の蓄電素子モジュール40の上面46の側に設けられた複数の突出部47と、当該別の蓄電素子モジュール40の底面44の側に設けられた対応する係合部48とが係合するように、当該一の蓄電素子モジュール40上に配置される。このようにして、筐体20内のY方向における一側に、四つの蓄電素子モジュール40がZ方向に積み重ねられる。その後、これら四つの蓄電素子モジュール40上に、固定プレート26が配置される。固定プレート26は、最も上方に配置された蓄電素子モジュール40と接触するとともに、固定プレート26に設けられた凹部が当該蓄電素子モジュール40の突出部47と係合するように配置される。そして、固定プレート26は、筐体20の支持部材25にボルト締結により固定される。これにより、各蓄電素子モジュール40が筐体20に対して固定される。
【0063】
また、筐体20の開口部23から、別の一の蓄電素子モジュール40が挿入される。続いて、当該一の蓄電素子モジュール40が、筐体20内のY方向における他側で、筐体20の底部21上に配置される。続いて、筐体20の開口部23から、更に別の蓄電素子モジュール40が挿入され、当該別の蓄電素子モジュール40が、当該一の蓄電素子モジュール40上に配置される。ここで、当該別の蓄電素子モジュール40は、当該一の蓄電素子モジュール40の上面46の側に設けられた複数の突出部47と、当該別の蓄電素子モジュール40の底面44の側に設けられた対応する係合部48とが係合するように、当該一の蓄電素子モジュール40上に配置される。このようにして、筐体20内のY方向における他側に、三つの蓄電素子モジュール40がZ方向に積み重ねられる。次に、これら三つの蓄電素子モジュール40上に、固定プレート26が配置される。固定プレート26は、最も上方に配置された蓄電素子モジュール40と接触するとともに、固定プレート26に設けられた凹部が当該蓄電素子モジュール40の突出部47と係合するように配置される。そして、固定プレート26は、筐体20の支持部材25にボルト締結により固定される。これにより、各蓄電素子モジュール40が筐体20に対して固定される。
【0064】
制御モジュール60を収容する工程においては、まず、筐体20の開口部23から、制御モジュール60が挿入される。続いて、制御モジュール60は、筐体20内のY方向における一側に配置された四つの蓄電素子モジュール40の上方に配置される。ここで、制御モジュール60は、四つの蓄電素子モジュール40上に配置された固定プレート26上に配置される。制御モジュール60は、ボルト締結により固定プレート26に固定される。次に、制御モジュール60の接続部64に、各蓄電素子モジュール40の側面45aから延び出たケーブル49が接続される。また、制御モジュール60の入出力部65に、外部の配線が接続される。これにより、蓄電素子モジュール40の各々と制御モジュール60とが電気的に接続されるとともに、制御モジュール60と外部とが電気的に接続される。その後、電源スイッチ66により制御モジュール60の電源がONにされる。
【0065】
収容工程の後、取付工程が行われる。取付工程では、筐体20に蓋体30が取り付けられる。蓋体30は、筐体20の開口部23を覆うように取り付けられる。蓋体30は、筐体20の上部フレーム24tにボルト締結により取り付けられる。筐体20に蓋体30が取り付けられた後、上面パネル15がボルト締結により蓋体30に取り付けられる。
【0066】
このようにして、建物内に蓄電素子ユニット1を設置することができる。
【0067】
蓄電素子ユニット1の設置後、メンテナンスや出力電力の変更等を目的として、筐体20内から蓄電素子モジュール40および制御モジュール60を取り出すことが可能である。この場合、上述した収容工程および取付工程を逆の順番で行うことにより、筐体20から蓄電素子モジュール40および制御モジュール60を取り出すことができる。すなわち、まず、筐体20から蓋体30(および上面パネル15)を取り外す。続いて、電源スイッチ66により制御モジュール60の電源をOFFにする。次に、制御モジュール60と各蓄電素子モジュール40との接続を解除するとともに、制御モジュール60と外部との接続を解除する。その後、筐体20の開口部23から、制御モジュール60を取り出す。続いて、固定プレート26を、筐体20の支持部材25から取り外す。そして、筐体20の開口部23から、各蓄電素子モジュール40を取り出す。このようにして、筐体20内から蓄電素子モジュール40および制御モジュール60を取り出すことができる。
【0068】
このように本実施の形態によれば、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上2.2倍以下であり、X方向における開口部23の寸法Lxは、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上1.3倍以下である。Y方向における開口部23の寸法Lyが、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上であることにより、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のY方向における一側あるいは他側に、間隙空間71を設けることができる。また、X方向における開口部23の寸法Lxが、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上であることにより、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のX方向における一側に、間隙空間70を設けることができる。このため、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業を容易化させることができ、作業効率を向上させることができる。また、Y方向における開口部23の寸法Lyが、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2.2倍以下であり、かつX方向における開口部23の寸法Lxが、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.3倍以下であることにより、筐体20の大型化を抑制することができる。このように本実施の形態によれば、筐体20の大型化を抑制しつつ、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業の作業効率を向上させることができる。
【0069】
とりわけ本実施の形態によれば、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上2.1倍以下である。Y方向における開口部23の寸法Lyをこのような範囲内にした場合であっても、蓄電素子モジュール40のY方向における一側あるいは他側に、十分な作業効率の向上が見込めるような間隙空間71を確保することができる。このため、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業の作業効率を向上させることができる。また、Y方向における開口部23の寸法Lyをこのような範囲内にすることにより、筐体20の大型化をより一層抑制することができる。
【0070】
また、とりわけ本実施の形態によれば、X方向における開口部23の寸法Lxは、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上1.2倍以下である。X方向における開口部23の寸法Lxをこのような範囲内にした場合であっても、蓄電素子モジュール40のX方向における一側に、十分な作業効率の向上が見込めるような間隙空間70を確保することができる。このため、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業の作業効率を向上させることができる。また、X方向における開口部23の寸法Lxをこのような範囲内にすることにより、筐体20の大型化をより一層抑制することができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、複数の蓄電素子モジュール40は、蓄電素子モジュール40がZ方向に複数積み重ねられた第1の蓄電素子モジュール群41aと、Y方向において第1の蓄電素子モジュール群41aと隣り合う位置で、蓄電素子モジュール40がZ方向に複数積み重ねられた第2の蓄電素子モジュール群41bと、を含んでいる。上述したように、Y方向における開口部23の寸法Lyが、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍以上であることにより、このように第1の蓄電素子モジュール群41aと第2の蓄電素子モジュール群41bをY方向に並べて配置することができる。このことにより、筐体20内により多くの蓄電素子モジュール40を収容することができ、蓄電素子ユニット1のエネルギー密度を増大させることができる。
【0072】
また、本実施の形態によれば、蓄電素子モジュール40は、X方向における一側の側面45aから延び出たケーブル49を有している。上述したように、X方向における開口部23の寸法Lxは、蓄電素子モジュール40の長手方向の寸法Dxの1.1倍以上である。このことにより、蓄電素子モジュール40のX方向における一側に設けられた間隙空間70に、このケーブル49を収容することができる。このように、間隙空間70をケーブル49の収容にも用いることができ、筐体20内の空間を効率的に活用することができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、筐体20は、側壁部22c、22dから筐体20内に突出し、Z方向に沿って延びるレール部材27であって、筐体20内に収容された蓄電素子モジュール40と接触するレール部材27を有している。このことにより、筐体20内に収容された蓄電素子モジュール40が筐体20の側壁部22c、22dに直接接触することを防止することができ、蓄電素子モジュール40と筐体20との接触面積を低減することができる。このため、筐体20に外部から振動や衝撃が加わった場合であっても、それらが蓄電素子モジュール40に伝播することを抑制することができる。この結果、蓄電素子ユニット1の安全性を向上させることができる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、蓄電素子ユニット1は、開口部23を覆う蓋体30を備えている。このことにより、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業または筐体20内からの取り出し作業の終了後、蓋体30により開口部23を塞ぐことができる。このため、蓄電素子ユニット1の運転時に、筐体20内へのアクセスを防止することができる。この結果、蓄電素子ユニット1の安全性を向上させることができる。
【0075】
なお、上述した実施の形態においては、筐体20内において、第1の蓄電素子モジュール群41aおよび第2の蓄電素子モジュール群41bがY方向に並べて配列されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2の蓄電素子モジュール群41bは、第1の蓄電素子モジュール群41aと隣り合う位置に配置されていなくてもよい。すなわち、複数の蓄電素子モジュール40が、第1の蓄電素子モジュール群41aにより構成されていてもよい。
【0076】
この場合、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの2倍よりも小さくてもよく、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの1.1倍以上であればよい。Y方向における開口部23の寸法Lyが、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの1.1倍以上であることにより、筐体20内において、蓄電素子モジュール40のY方向における一側あるいは他側に、間隙空間を設けることができる。このため、蓄電素子モジュール40の筐体20内への挿入作業および筐体20内からの取り出し作業を容易化させることができ、作業効率を向上させることができる。また、Y方向における開口部23の寸法Lyは、蓄電素子モジュール40の短手方向の寸法Dyの1.5倍以下であってもよい。このことにより、筐体20の大型化を更に抑制することができる。
【0077】
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
1 蓄電素子ユニット
20 筐体
21 底部
22a、22b、22c、22d 側壁部
23 開口部
27 レール部材
30 蓋体
40 蓄電素子モジュール
41a 第1の蓄電素子モジュール群
41b 第2の蓄電素子モジュール群
49 ケーブル