(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146622
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20220928BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20220928BHJP
【FI】
E02F9/20 C
E02F9/20 N
G01S5/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047680
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】593053988
【氏名又は名称】東起業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅邦
【テーマコード(参考)】
2D003
5J062
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003AB02
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC09
2D003BA07
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003FA02
5J062AA05
5J062BB01
5J062BB08
5J062HH00
5J062HH09
(57)【要約】
【課題】建設機械により地面を掘削する際に作業装置が埋設物に対して接近したことを高精度で検出できるようにする。
【解決手段】三次元測量機2は、試験掘により露出した埋設物304,305の三次元相対位置の測定データと、自身の三次元絶対位置の測定データに基づいて、埋設物304,305の三次元絶対位置データを算出し、建設機械1へ送信する。建設機械1は、バケット73の三次元相対位置の検出データと、自身の三次元絶対位置の測定データとに基づいて、バケット73の三次元絶対位置データを算出する。建設機械1は、バケット73の三次元相対位置データと、埋設物304,305の三次元絶対位置データに基づいて、バケット73と埋設物304,305との間の距離を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験掘により露出した埋設物の三次元絶対位置データを受け取る手段と、
自身の三次元絶対位置を測定する手段と、
自身の作業装置の三次元相対位置を検出する手段と、
自身の三次元絶対位置の測定データ及び自身の作業装置の三次元相対位置の検出データに基づいて、自身の作業装置の三次元絶対位置データを算出する手段と、
前記作業装置の三次元絶対位置データと前記埋設物の三次元絶対位置データとに基づき、前記作業装置と前記埋設物との間の距離を算出する手段と、
を有する建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載された建設機械において、
前記距離の算出値が減少して必要離隔距離に所定距離を加えた安全離隔距離になったとき、警報を出力する手段を有する建設機械。
【請求項3】
請求項2に記載された建設機械において、
前記距離の算出値が前記安全離隔距離になったとき、前記作業装置を停止させる手段を有する建設機械。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された建設機械において、
前記作業装置の三次元絶対位置データを含む稼働履歴データを保存する保存手段を有する建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載された建設機械において、
前記稼働履歴データは、前記作業装置が前記埋設物から前記必要離隔距離と前記安全離隔距離の範囲の位置で停止した時の履歴を含む建設機械。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された建設機械において、
前記保存手段は、前記稼働履歴データを前記埋設物の管理データに紐付けて保存する建設機械。
【請求項7】
三次元測量機と、建設機械とを有する掘削システムであって、
前記三次元測量機は、
自身の三次元絶対位置を測定する手段と、
試験掘により露出した埋設物の三次元相対位置を測定する手段と、
自身の三次元絶対位置の測定データ及び埋設物の三次元相対位置の測定データに基づいて、埋設物の三次元絶対位置データを算出する手段と、を有し、
前記建設機械は、
前記埋設物の三次元絶対位置データを受け取る手段と、
自身の三次元絶対位置を測定する手段と、
自身の作業装置の三次元相対位置を検出する手段と、
自身の三次元絶対位置の測定データ及び自身の作業装置の三次元相対位置の検出データに基づいて、自身の作業装置の三次元絶対位置データを算出する手段と、
前記作業装置の三次元絶対位置データと前記埋設物の三次元絶対位置データとに基づき、前記作業装置と前記埋設物との間の距離を算出する手段と、
を有する掘削システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械及び掘削システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーショベル、バックホウ等の建設機械を使用する場合、その周辺に存在する作業者、電柱、架空線、樹木等、様々な地上障害物の正確な位置を把握し、建設機械が障害物に接近した際に警報を出力し、接触防止を図ることに関して、公知技術が存在する(例えば特許文献1、2)。
【0003】
一方、水道管、ガス管、通信ケーブル等の地下埋設物については、地中レーダを使用して探知する公知技術があるものの、精度が低いため、精確な位置の把握や、石や木材との判別が困難なことが多い。
【0004】
すなわち、例えば特許文献3に記載された地下埋設物掘削システムは、地中レーダにより埋設物の三次元絶対位置を測定し、GPS受信機付き建設機械へ送り、GPS受信機付き建設機械は、自己の基準点の三次元絶対位置を測定するとともに、基準点に対する作業装置(バケット等)の三次元相対位置を検出し、作業装置の三次元絶対位置を算出する。そして、作業装置の三次元絶対位置が埋設物の三次元絶対位置に接近したときに警報を出力する。
【0005】
しかし、この埋設物掘削システムでは、埋設物の詳細なデータ(数cm単位の土被り、正確な管径、管種、条数等)を把握することは困難であるため、建設機械により地面を掘削する際に作業装置であるバケットが埋設物に対して接近したことを高精度で検知することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-112977号公報
【特許文献2】特許第2955078公報
【特許文献3】特開2003-56010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建設機械により地面を掘削する際に作業装置が埋設物に対して接近したことを高精度で検知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、試験掘により露出した埋設物の三次元絶対位置データを受け取る手段と、自身の三次元絶対位置を測定する手段と、自身の作業装置の三次元相対位置を検出する手段と、自身の三次元絶対位置の測定データ及び自身の作業装置の三次元相対位置の検出データに基づいて、自身の作業装置の三次元絶対位置データを算出する手段と、前記作業装置の三次元絶対位置データと前記埋設物の三次元絶対位置データとに基づき、前記作業装置と前記埋設物との間の距離を算出する手段と、を有する建設機械である。
また、本発明は、三次元測量機と、建設機械とを有する掘削システムであって、前記三次元測量機は、自身の三次元絶対位置を測定する手段と、試験掘により露出した埋設物の三次元相対位置を測定する手段と、自身の三次元絶対位置の測定データ及び埋設物の三次元相対位置の測定データに基づいて、埋設物の三次元絶対位置データを算出する手段と、を有し、前記建設機械は、前記埋設物の三次元絶対位置データを受け取る手段と、自身の三次元絶対位置を測定する手段と、自身の作業装置の三次元相対位置を検出する手段と、自身の三次元絶対位置の測定データ及び自身の作業装置の三次元相対位置の検出データに基づいて、自身の作業装置の三次元絶対位置データを算出する手段と、前記作業装置の三次元絶対位置データと前記埋設物の三次元絶対位置データとに基づき、前記作業装置と前記埋設物との間の距離を算出する手段と、を有する掘削システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、建設機械により地面を掘削する際に作業装置が埋設物に対して接近したことを高精度で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る掘削システムよる掘削作業の概要について説明するための図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る建設機械の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る三次元測量機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】埋設物の三次元絶対位置データを取得する方法の概要について説明するための図である。
【
図5】三次元測量機が埋設物の三次元位置データを取得する手順を示すフローチャートである。
【
図6】建設機械の掘削作業時の動作手順を示すフローチャートである。
【
図7】建設機械の作業装置と埋設物との間の必要離隔距離及び安全離隔距離の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈建設機械による掘削作業〉
図1は、本発明の実施形態に係る掘削システムによる掘削作業の概要について説明するための図である。
【0012】
本発明の実施形態に係る掘削システムは、建設機械1と、三次元測量機2とを備えている。
【0013】
建設機械1は、ICT(Information and Communication Technology)重機であり、複数(ここでは4個)のGPS衛星Saから送信されるGPS信号を受信し、自身の三次元絶対位置、すなわち地球に設定された絶対座標系における三次元位置である緯度、経度、及び高度(標高)を測定することができる。
【0014】
また、建設機械1は、自身の作業装置7のバケット73の三次元相対位置、すなわち建設機械1に設定された相対座標系における三次元位置(方位角、俯仰角、距離)を検出する機能、並びに、測定した自身の三次元絶対位置及び検出した自身のバケット73の三次元相対位置から、自身のバケット73の三次元絶対位置を算出する機能を備えている。
【0015】
また、建設機械1は、掘削作業時に、三次元測量機2から埋設物の三次元絶対位置データを受信し、バケット73の三次元絶対位置が埋設物の三次元絶対位置から安全離隔距離に接近した時、警報を出力する機能を備えている。なお、安全離隔距離については後述する。
【0016】
また、建設機械1は、作業装置7から作業員311や、図示されていない電柱、電線等の地上障害物までの距離を検出し、その距離が予め定められた離隔距離(一定の安全離隔を含む距離)になった時に警報を出力する機能を備えている。
【0017】
また、建設機械1は、作業装置7の動作履歴(例えば埋設物に対して安全離隔距離まで接近して停止した状態)を記録する機能を備えている。
【0018】
三次元測量機2は、GPS受信機能を有する三次元レーザスキャナ装置からなる。三次元測量機2は、建設機械1と同様にGPS衛星Saから送信されるGPS信号を受信し、自身の三次元絶対位置、すなわち、地球に設定された絶対座標系における三次元位置である緯度、経度、及び高度(標高)を測定することができる。
【0019】
また、三次元測量機2は、自身に対する被測定物(本実施形態では、試験掘により露出した埋設物)の三次元相対位置、すなわち三次元測量機2に設定された相対座標系における三次元位置(方位角、俯仰角、距離)から、被測定物の三次元絶対位置データを算出する機能、及び算出した三次元絶対位置データを建設機械1へ送信する機能を備えている。
【0020】
以上、建設機械1と三次元測量機2の機能について説明した。次に建設機械1の概略構造について説明する。建設機械1は、移動自在な下部走行体3と、下部走行体3上に設けられた旋回自在な車体5と、車体5の前部に設けられた俯仰動自在な作業装置7とを有する。
【0021】
下部走行体3は、左右一対のクローラ31を有しており、クローラ31を回転させて進行(前進・後進)する。また、左右のクローラ31の回転速度差により進行方向(左・右)を変えることができる。
【0022】
車体5は、ターンテーブル(旋回サークル:図示せず)を介して、下部走行体3に対して旋回自在に装着されている。車体5は、運転室51と、エンジン収納部52とを有する。
【0023】
作業装置7は、ブーム71と、アーム72と、バケット73とを有する。ブーム71は、その基端部が車体5の前部に俯仰動自在に装着されており、車体5とブーム71との間に装着されたブームシリンダ74の伸縮により俯仰動する。アーム72は、その基端部がブーム71の先端部に俯仰動自在に装着されており、ブーム71とアーム72との間に装着されたアームシリンダ75の伸縮により俯仰動する。バケット73は、その基端部がアーム72の先端部に俯仰動自在に装着されており、アーム72とバケット73の間に装着されたバケットシリンダ76の伸縮により俯仰動する
【0024】
次に建設機械1に設けられた各種センサについて説明する。建設機械1に設けられたセンサには、建設機械1が掘削作業中の地中の埋設物、周辺空間内に存在する様々な物体、例えば作業者、電柱、架空線、樹木等に接近したことを検出するための接近センサがある。
【0025】
接近センサとしては、ブーム71の左側面に設けられた前方左側探査用レーザスキャナ装置106(
図2参照。以下、同じ)、ブーム71の右側面に設けられた前方右側探査用レーザスキャナ装置107、アーム72の左側面に設けられた側方左側探査用レーザスキャナ装置108、アーム72の右側面に設けられた側方右側探査用レーザスキャナ装置109、車体5におけるブーム71の基端付近に設けられたバケット位置検出用レーザスキャナ装置110、及び車体5の後部に設けられた後方探査用レーザスキャナ装置111、作業者311が所持しているID発信手段としてのビーコン発信器から送信されるビーコン信号を受信するビーコン受信機114がある。
【0026】
これらのレーザスキャナ装置は、本願の出願人が先に出願した特願2018-185605号(特開2020-56169号公報)における同名のレーザスキャナ装置と同様の構成及び配置を有するものであり、それぞれの探査範囲(水平方向、垂直方向)に対して数十フレーム/秒の速度で周期的にレーザ光を放射し、その反射光を検出し、スキャン位置毎の反射光の強度データ、及び放射から反射光の検出までの時間差に基づくスキャン位置毎の距離データを取得する機能を有する三次元レーザスキャナ装置である。
【0027】
また、建設機械1はGPS受信機112及び無線通信機113を備えている。GPS受信機112、無線通信機113、及び前述したビーコン受信機114は、それぞれのアンテナが例えば運転室51の屋根上に設けられ、本体が運転室51の内部に設けられている。また、
図2を用いて後述する各センサの検出信号の処理や各センサの設定等を行う制御部、周辺空間に存在する物体に接近したことを警報音で報知する音声出力部等が運転室51の内部に設けられている。
【0028】
〈建設機械の電気的構成〉
図2は、本発明の実施形態に係る建設機械の電気的構成を示すブロック図である。
図示のように、建設機械1は、制御部101と、それぞれが制御部101に接続された前述した各種センサとしての前方左側探査用レーザスキャナ装置106、前方右側探査用レーザスキャナ装置107、側方左側探査用レーザスキャナ装置108、側方右側用レーザスキャナ装置109、バケット位置検出用レーザスキャナ装置110、後方探査用レーザスキャナ装置111を備えている。
【0029】
また、建設機械1は、記憶部102、操作入力部103、音声出力部104、表示部105を備えている。
【0030】
制御部101は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、記憶部102に格納されたプログラムやデータを用いて各部を制御して、建設機械1全体の制御や演算処理等を行う。
【0031】
記憶部102は、ROM等の不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリ、及びハードディスクからなる。そして、ROMには建設機械1を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMは制御部101が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要なデータのワークエリアとなる。また、書換可能な不揮発性メモリには、建設機械1における各種設定データ(例えば、探査範囲、警報音等の出力する接近距離の閾値)等が格納される。また、ハードディスクには、建設機械1の稼働履歴情報等が記憶される。
【0032】
操作入力部103は、ボタンやスイッチ、タッチパネルからなり、建設機械1に対する所定の設定を入力するためのユーザI/F(インタフェース)である。音声出力部104はスピーカ及びその駆動回路により構成されており、警報音を含む各種音声を出力する。表示部105は、LCD等で構成されており、建設機械1の動作状態等を表示するユーザI/Fである。
【0033】
また、建設機械1は、GPS受信機112、無線通信機113、及びビーコン受信機114を備えている。GPS受信機112は、GPS衛星SaからのGPS信号を受信し、建設機械1(正確にはGPS受信機112のアンテナ)の緯度、経度、高度(標高)を算出する。無線通信機113は、三次元測量機2の後述する無線通信機207(
図3)と通信する手段であり、本実施形態では、試験掘の際に三次元測量機2が取得した埋設物の三次元絶対位置データを含む埋設物管理データを受信する。埋設物管理データの内容については後述する。ビーコン受信機114は、作業者311が所持しているビーコン発信器から送信されるビーコン信号を受信する。
【0034】
〈三次元測量機の電気的構成〉
図3は、本発明の実施形態に係る三次元測量機の電気的構成を示すブロック図である。図示のように、三次元測量機2は、制御部201と、それぞれが制御部201に接続された記憶部202、操作入力部203、表示部204、距離測定部205、GPS受信機206、無線通信機207を備えている。
【0035】
制御部201は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、記憶部202に格納されたプログラムやデータを用いて各部を制御して、三次元測量機2全体の制御や演算処理等を行う。
【0036】
記憶部202は、ROM等の不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには三次元測量機2を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMは制御部201が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要なデータのワークエリアとなる。また、書換可能な不揮発性メモリには、三次元測量機2における各種設定データ(例えば、スキャン角度、スキャン速度)等が格納される。
【0037】
操作入力部203は、ボタンやスイッチ、タッチパネルからなり、三次元測量機2に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。表示部204は、LCD等で構成されており、三次元測量機2の動作状態等を表示するユーザI/Fである。
【0038】
距離測定部205は、レーザ光の発光部、受光部、それらの水平方向(方位角方向)、垂直方向(俯仰角方向)の駆動部等からなる。本実施形態では、試験掘時に埋設物の三次元相対位置(方位角、俯仰角、距離)を測定する。
【0039】
GPS受信機206は、GPS衛星SaからのGPS信号を受信し、三次元測量機2(正確にはGPS受信機206のアンテナ)の緯度、経度、高度(標高)を算出する。無線通信機207は、建設機械1の無線通信機113と通信する手段であり、本実施形態では、試験掘時に取得した埋設物の三次元絶対位置データ等を送信する。
【0040】
〈埋設物の三次元絶対位置データの取得〉
図4は、埋設物の三次元位置データを取得する方法の概要について説明するための図であり、
図5は、三次元測量機が埋設物の三次元位置データを取得する手順を示すフローチャートである。これらの図を参照して、埋設物の三次元絶対位置データを取得する方法について説明する。
【0041】
図4に示されているように、まず既設埋設物を調査するため、地面301を試験掘し、布掘り又はつぼ掘りを行って掘削溝303を形成し、既設埋設物である埋設物304,305を露出させ、三次元測量機2を地面301から掘削溝303内に移動させる。なお、この試験掘は、例えば埋設物304,305と交差する方向に新たに電線ケーブルを埋設する際、埋設物304,305の図面情報に基づいて埋設物304,305の正確な位置などを調査するために行うものである。
【0042】
次に、三次元測量機2は、GPS衛星SaからのGPS信号を受信して、自身の三次元絶対位置を測定する(
図5のステップS1)。次いで、三次元測量機2は、埋設物304,305の三次元相対位置(自身に対する方位角、俯角、距離)を測定する(ステップS2)。ここで、測定により取得する三次元相対位置のデータは、埋設物の表面の位置に対応する点群座標からなるデータである。
【0043】
次に、三次元測量機2は、ステップS1で測定した自身の三次元絶対位置の測定データと、ステップS2で測定した自身に対する埋設物304,305の三次元相対位置の測定データに基づいて、埋設物304,305の三次元絶対位置(緯度、経度、標高)を算出する(ステップS3)。そして、算出された埋設物304,305の三次元絶対位置データに、目視により確認した埋設物304,305の埋設企業、管種、管径、条数を付加し、互いに紐付けた埋設物管理データを記憶部202に記憶し、この図に示されているフローを終了させる。
【0044】
ここで、ステップS3で三次元埋設物304,305の三次元絶対位置を算出する際、三次元測量機2の正確な三次元絶対位置であるGPS受信機206のアンテナの位置と、埋設物304,305の三次元相対位置の測定の基準位置(例えば距離測定部205の位置)とのオフセットを必要に応じて補正する。
【0045】
なお、
図4に示されているように、複数の埋設物が存在する場合は、それぞれに対してステップS2,S3,S4を実行する。また、複数の埋設物の位置を測定する際、三次元測量機2の掘削溝303内の設置位置を変えた場合は、ステップS1も実行する。掘削溝303内に存在する全ての埋設物の三次元絶対位置データの記憶が終了したら、三次元測量機2を掘削溝303内から地面301に戻し、他の場所を試験掘する場合は、その場所へ移動させる。
【0046】
〈建設機械による掘削作業〉
図6は、建設機械の掘削作業時の動作を示すフローチャートである。
図1、
図2及び
図6を参照して、建設機械の掘削作業時の動作について説明する。なお、建設機械1がこのフローチャーチに示されている動作を開始する際、建設機械1が掘削作業開始位置に停止しているものとする。
【0047】
まず建設機械1は、三次元測量機2から埋設物304,305の三次元絶対位置データを含む埋設物管理データを受け取る(ステップS11)。すなわち、三次元測量機2が送信した埋設物304,305の埋設物管理データを受信する。これらのデータは記憶部102に記憶される。
【0048】
次に建設機械1は、掘削作業開始位置における自身の三次元絶対位置を測定して現在時刻と共に記憶し、さらにバケット73の三次元絶対位置を算出し、現在時刻と共に記憶する(ステップS12)。より詳しくは、建設機械1はGPS衛星SaからのGPS信号を受信して、三次元絶対位置を測定し、測定データに現在時刻データを付加して記憶部102に記憶し、さらにバケット位置検出用レーザスキャナ装置110により、バケット73の三次元相対位置(自身に対する方位角、俯仰角、距離)を検出し、自身の三次元絶対位置の測定データと、バケット73の三次元相対位置の検出データとに基づき、バケット73の三次元絶対位置を算出し、算出データに現在時刻データを付加して記憶部102に記憶する。すなわち、建設機械1は、後述するステップS15と同じ手順で掘削作業開始位置における自身の三次元絶対位置を測定し、後述するステップS16,S17と同じ手順で掘削作業開始位置におけるバケット73の三次元絶対位置を算出する。
【0049】
次に、建設機械1は、埋設物304,305の付近の地面301を掘削する時の必要離隔距離及び安全離隔距離を設定する(ステップS13)。ここで、必要離隔距離とは、埋設企業により機械堀りや、杭打ちが容認されている距離であり、埋設物の種類(ガス管、水道管、電線、通信ケーブル)に応じて、埋設企業により1m、30cm等に定められる。また、安全離隔距離とは、警報の出力からオペレータによる停止操作に基づくバケット73の停止までの遅延時間や、バケット73のガタツキなどを考慮してより安全な掘削を確保するために、掘削作業の施工企業が必要離隔距離に所定距離(例えば10cm)加算した距離である。
【0050】
ここで、必要離隔距離及び安全離隔距離について具体例を挙げて説明する。
図7は、必要離隔距離及び安全離隔距離の一例を示す図である。より詳しくは、
図7は、埋設物304に対する必要離隔距離及び安全離隔距離を示している。
【0051】
図7に示されているように、断面円環状の管体からなる埋設物304(例えば直径200mmのガス管)の場合、必要離隔距離は、第1離隔距離面304aとして、埋設物304の外周面の外側全周(360°)に亘って断面同心円状に三次元絶対位置データとして設定される。また、安全離隔距離は、第2離隔距離面304bとして、第1離隔距離面304aの外側から所定距離(例えば10cm)の全周(360°)に亘って断面同心円状に三次元絶対位置データとして設定される。すなわち、埋設物304の外周面から第1離隔距離面304aまでの距離が必要離隔距離であり、埋設物304の外周面から第2離隔距離面304bまでの距離が安全離隔距離である。なお、
図4に示されている2条3段の管体からなる埋設物305の場合、必要離隔距離及び安全離隔距離は、埋設物305の外周面の外側全周(360°)に亘って三次元絶対位置データとして設定される。
【0052】
図6の説明に戻る。次に建設機械1は掘削作業を開始する(ステップS14)。掘削作業を開始した建設機械1は、GPS受信機112により自身の三次元絶対位置をリアルタイムで測定し(ステップS15)、バケット位置検出用レーザスキャナ装置110により、バケット73の三次元相対位置(自身に対する方位角、俯仰角、距離)をリアルタイムで検出し(ステップS16)、ステップS15で測定した自身の三次元絶対位置の測定データと、ステップS16で検出したバケット73の三次元相対位置の検出データとに基づき、制御部101によりバケット73の三次元絶対位置をリアルタイムで算出する(ステップS17)。この三次元絶対位置のデータは、バケット73の稼働時絶対位置座標データである。
【0053】
次に、建設機械1は、バケット73の三次元絶対位置と埋設物304,305の三次元絶対位置との間の距離を制御部101によりリアルタイムで算出する(ステップS18)。
【0054】
なお、ステップS17でバケット73の三次元絶対位置を算出する際、建設機械1の正確な三次元絶対位置であるGPS受信機112のアンテナの位置と、バケット73の三次元相対位置の測定の基準位置(例えばバケット位置検出用レーザスキャナ装置110の位置)とのオフセットを必要に応じて補正する。
【0055】
次に、算出距離が安全離隔距離より長いか否かを判定する(ステップS19)。すなわち、例えば
図7の場合、バケット73が掘削方向へ進行しているときに第2離隔距離面304bの外側に位置するか否かを判定する。そして、算出距離が安全離隔距離より長い場合は(ステップS19:YES)、掘削作業を継続し(ステップS20)、ステップS15に戻る。また、算出距離が安全離隔距離以下の場合は(ステップS19:NO)、警報を出力する(ステップS21)。このとき、警報は音声出力部104から警報音として出力することで建設機械1のオペレータ及び周辺の作業者311に報知する。
【0056】
警報によりバケット73が埋設物に接近したことを把握したオペレータの停止操作に基づきバケット73が停止し(ステップS22)、バケット73が停止した位置を表す三次元絶対位置データに現在時刻データを付加し、埋設物の埋設物管理データに紐付けたバケット稼働履歴データを記憶部102に記憶する(ステップS23)。
【0057】
掘削作業が終了するまで、ステップステップS15~S19、及びステップS19の判定結果に基づくステップを実行する。なお、図示を省略したが、ステップS17における算出データに対して、定期的に現在時刻データを付加し、バケット稼働履歴データとし、記憶部102に記憶している。
【0058】
ここで、ステップS23でバケット73の三次元絶対位置データと現在時刻データを埋設物304,305の埋設物管理データに紐付け、バケット稼働履歴データとして保存しておくことの意義を説明する。埋設物304,305が掘削前に損傷していることがある。本実施形態では、例えば
図7において、バケット73の先端が第2離隔距離面304bに到達した時点で警報が出力される。バケット73が停止する位置は、警報を聞いたオペレータによる停止操作までの遅延、制御部101の応答遅延、及びバケット73のガタツキ等により、第2離隔距離面304bの内側に入るものの、第1離隔距離面304aの内側には入らないように、所定距離(必要離隔距離に対する加算距離=第1離隔距離面304aと第2離隔距離面304bとの間隔)が設定されているので、バケット73は埋設物304に対して必要離隔距離を確保した状態で停止する。したがって、停止位置を時刻情報ともに埋設物管理データに紐付けて保存しておけば、埋設物304,305が掘削前に損傷していたことの証拠となる。
【0059】
以上、建設機械1が掘削作業を行う際に作業装置7のバケット73が埋設物304に接近した時の動作について説明した。建設機械1は、作業装置7が地上の障害物(作業者、電柱、架空線、樹木等)に接近した時にも警報と自動停止を行う機能を備えている。この機能を実現する具体的手段は、前述した本願の出願人の先願である特願2018-185605号(特開2020-56169号公報)に開示したものと同じなので概略を説明する。
【0060】
建設機械1は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を用いて、周辺のマッピングと自身の位置及び姿勢の推定を同時に行うことができる。これらの処理は、掘削作業と並行して行うこともできるが、ここでは掘削作業の前に行うものとして説明する。
【0061】
建設機械1は、作業領域内を後方(
図1における右方)へ走行しながら、後方探査用レーザスキャナ装置111により探査範囲に存在する物体までのスキャン位置毎の距離データを取得し、周辺のマッピング及び自己の位置と姿勢(向き)の推定を同時に行う。マッピングにより、建設機械1周辺のマップが作成され、記憶部102に格納される。
【0062】
次に建設機械1は、作成したマップを参照しながら、掘削作業を実行する。
まず、各レーザスキャナ装置はスキャンを開始し、ビーコン受信機114はビーコン信号の受信電波強度に基づく測距を開始する。
【0063】
次に建設機械1は、建設機械周辺のマップを参照し、作業装置7の旋回範囲に基づき、動的な監視領域を設定する。すなわち、バケット位置検出用レーザスキャナ装置110の出力に基づいて、バケット73の先端の位置、即ち作業装置7の先端の位置をリアルタイムで検出し、作業装置7の基端の位置、即ちブーム71の基端の位置を中心として、作業装置7から所定の角度及び高度の範囲を計算し、設定する。
【0064】
次に建設機械1は、監視領域へ近接又は侵入した地物を検知する。すなわち、各レーザスキャナ装置は、探査範囲内のスキャン位置毎のレーザ光の放射時刻と反射光の受信時刻との差から計算した距離データ、及び反射光の強度データを制御部101に送り、制御部101は、スキャン位置毎の距離データと反射光強度からなる距離画像を生成し、さらに距離画像から監視領域内の部分を抽出し、その画像上のサイズや形状から地物(例えば立木、作業用車両、作業者)があるか否かを判定する。また、制御部101は、距離画像の画像上のサイズや形状から、地物を抽出し、それが接近しているか否かを判定する。
【0065】
制御部101は、地物が検知されると、簡単な警告及び制御を行う。例えば音声出力部104による警報音の出力及び表示部105による警報表示を行わせる。オペレータが、この警報音や警報表示により、作業装置7の一時停止等、さらなる接近と接触を回避する操作を行うことで、接触や衝突を防止することができる。
【0066】
制御部101は、上記の警告及び制御と並行して、ビーコン信号で監視領域内の作業者を識別する。即ち、レーザ測距結果とビーコン測距結果を照合し、ビーコン発信機の発信機IDを識別することで、検知された地物のうちの作業者311を識別する。
【0067】
制御部101は、作業者の識別に基づいて、高度な警告、例えば作業者個人に対する警告を音声出力部から行う。この警告を作業者311が所持しているスマートフォン等に対して行うように構成してもよい。
【0068】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る埋設物掘削システムによれば、下記(1)~(3)の効果が得られる。
(1)建設機械1は、試験掘により正確に測定された埋設物の三次元絶対位置データを参照し、バケット73の三次元絶対位置が埋設物の三次元絶対位置に接近したときに警報を出力するので、バケット73が埋設物に対して接近したことを高精度でオペレータ及び付近の作業者311に報知することができる。このため、建設機械1のオペレータは、作業中にバケット73が埋設物に接近したことを把握することができる。また、作業者311もバケット73が埋設物に接近した危険な状態であることを把握することができる。また、バケット73が埋設物に接触することによる埋設物の損傷を防止することができる。
(2)バケット73の稼働履歴を保存するので、その稼働履歴を埋設物が掘削前に損傷していた場合の証拠として提示することができる。
(3)建設機械1の作業装置7(ブーム71、アーム72、バケット73)が地上の障害物に接近したことを建設機械1のオペレータや付近の作業者311に報知することができる。このため、建設機械1のオペレータは、作業中にバケット73が地上の障害物に接近したことを把握でき、接触による被害を防止することができる。また、作業者311も作業装置7が地上の障害物に接近した危険な状態であることを把握することができる。
【0069】
本発明は、上記実施形態に対して下記(i)~(v)のような変形が可能である。
(i)GPS受信機、三次元レーザスキャナ装置、及びカメラを搭載したUAV(Unmanned Aerial Vehicle)により地上の障害物及び作業装置7の三次元絶対位置データと画像データを取得し、建設機械1へ送信する。建設機械1はそれらデータを併用して、障害物と作業装置7が接近したことを検出する。これにより、より確実な接近検出が可能となる。
(ii)地下の埋設物や地上の障害物に接近し、警報を出力したこと作業場所から離れた場所にいる作業会社の現場職員312の携帯端末(タブレット端末、スマートフォン等)に通知する。こうすることで、地上、地下を問わず、警報が出力された場合、作業場所での危険状態を現場関係者の共通情報とすることができる。作業場所から遠く離れた図示されていない作業会社のオフィスに通知してもよい。
(iii)三次元測量機2が取得した埋設物の三次元絶対位置データをメモリカード等の携帯可能なメモリに書き込み、そのメモリを介して建設機械1へ入力する。
(iv)バケット73が埋設物304,305に対して安全離隔距離まで接近した時の作業者311に対する警報を打音警報器の装着されたヘルメット、すなわち例えば建設機械1から無線で送信された制御信号の受信手段と、その制御信号により動作し、ヘルメットを叩くことによる打音を発生するハンマーを装着したヘルメットにより行う。作業装置7の旋回範囲内や建設機械1の走行範囲内に作業者311が接近した時にその警報を行ってもよい。
(v)バケット73が埋設物304,305に対して安全離隔距離まで接近した時に警報を出力すると共にバケット73を自動的に停止させる。
【符号の説明】
【0070】
1…建設機械、2…三次元測量機、7…作業装置、73…バケット、104…音声出力部、112,206…GPS受信機、113,207…無線通信機、205…距離測定部、304,305…埋設物、304a…第1離隔距離面、304b…第2離隔距離面、Sa…GPS衛星。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-20
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、掘削機能を有するバケットを備えた建設機械であって、試験掘りにより取得された、埋設管の表面の三次元絶対位置に対応する点群座標からなる埋設管三次元絶対位置データ並びに埋設企業、管種、管径及び条数のデータを有する埋設物管理データを受け取る手段と、前記埋設物管理データに基づき設定された前記埋設管の外周面に対する必要離隔距離及び安全離隔距離の設定値を記憶する手段と、前記バケットの三次元絶対位置データを算出する手段と、前記バケットの三次元絶対位置データと前記埋設管三次元絶対位置データとに基づき、前記バケットと前記埋設管の外周面との間の距離を算出する手段と、前記距離の算出値が減少して前記安全離隔距離になったとき、警報を出力する手段と、を有する建設機械(ただし、必要離隔距離とは、埋設企業により機械堀りや、杭打ちが容認されている距離であり、安全離隔距離とは、警報の出力からオペレータによる停止操作に基づくバケットの停止までの遅延時間や、バケットのガタツキを考慮してより安全な掘削を確保するために、掘削作業の施工企業が必要離隔距離に所定距離加算した距離である。)である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機能を有するバケットを備えた建設機械であって、
試験掘りにより取得された、埋設管の表面の三次元絶対位置に対応する点群座標からなる埋設管三次元絶対位置データ並びに埋設企業、管種、管径及び条数のデータを有する埋設物管理データを受け取る手段と、
前記埋設物管理データに基づき設定された前記埋設管の外周面に対する必要離隔距離及び安全離隔距離の設定値を記憶する手段と、
前記バケットの三次元絶対位置データを算出する手段と、
前記バケットの三次元絶対位置データと前記埋設管三次元絶対位置データとに基づき、前記バケットと前記埋設管の外周面との間の距離を算出する手段と、
前記距離の算出値が減少して前記安全離隔距離になったとき、警報を出力する手段と、
を有する建設機械。
(ただし、必要離隔距離とは、埋設企業により機械堀りや、杭打ちが容認されている距離であり、安全離隔距離とは、警報の出力からオペレータによる停止操作に基づくバケットの停止までの遅延時間や、バケットのガタツキを考慮してより安全な掘削を確保するために、掘削作業の施工企業が必要離隔距離に所定距離加算した距離である。)
【請求項2】
請求項1に記載された建設機械において、
前記距離の算出値が前記安全離隔距離になったとき、前記バケットを停止させる手段を有する建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された建設機械において、
前記バケットの三次元絶対位置データを含む稼働履歴データを保存する保存手段を有する建設機械。
【請求項4】
請求項3に記載された建設機械において、
前記稼働履歴データは、前記バケットが前記埋設管から前記必要離隔距離と前記安全離隔距離の範囲の位置で停止した時の履歴を含む建設機械。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された建設機械において、
前記保存手段は、前記稼働履歴データを前記埋設物管理データに紐付けて保存する建設機械。