(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146630
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】玄関周りの構造
(51)【国際特許分類】
E06B 3/00 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
E06B3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047694
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 翼
(72)【発明者】
【氏名】中野 勝博
(72)【発明者】
【氏名】嵯峨野 昌広
【テーマコード(参考)】
2E013
【Fターム(参考)】
2E013BA07
2E013BB01
2E013BC01
2E013BE01
2E013BE02
2E013BE03
2E013BE04
(57)【要約】
【課題】壁部、枠体及び戸体本体の表面に設けられる意匠材について、一体感のあるデザインを実現できる玄関周りの構造を提供すること。
【解決手段】玄関周りの構造は、枠体と前記枠体内に開閉可能に配置される戸体本体とを有する建具と、前記枠体に隣接して配置される壁部と、を備える玄関周りの構造であって、前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一種類の外観意匠を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と前記枠体内に開閉可能に配置される戸体本体とを有する建具と、前記枠体に隣接して配置される壁部と、を備える玄関周りの構造であって、
前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一種類の外観意匠を有する、玄関周りの構造。
【請求項2】
前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、同一種類の外観意匠を有する、請求項1に記載の玄関周りの構造。
【請求項3】
前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面を構成する各意匠材には、グラデーションが形成され、前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面は、上下方向及び左右方向の少なくともいずれかの方向で前記各意匠材の色調が変化することにより、同一種類の外観意匠を有する、請求項1又は2に記載の玄関周りの構造。
【請求項4】
前記戸体本体が閉位置に位置する場合に、前記壁部の室外側の表面、前記枠体の室外側の表面及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一平面上に位置する、請求項1~3のいずれかに記載の玄関周りの構造。
【請求項5】
前記戸体本体に隣接して前記枠体内に配置される袖部を備え、
前記袖部の室外側の表面は、前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の表面と同一種類の外観意匠を有しており、
前記戸体本体が閉位置に位置する場合に、前記袖部の室外側の表面、前記壁部の室外側の表面、前記枠体の室外側の表面及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一平面上に位置する、請求項1~4のいずれかに記載の玄関周りの構造。
【請求項6】
前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室内側の表面は、同一種類の外観意匠を有する、請求項1~5のいずれかに記載の玄関周りの構造。
【請求項7】
前記戸体本体は、回転軸を中心に回転して開閉可能な開き戸である、請求項1~6のいずれかに記載の玄関周りの構造。
【請求項8】
前記戸体本体を吊元側において回転可能に支持する丁番を備え、
前記丁番は、前記戸体本体の吊元側の端面に取り付けられ、
前記戸体本体の表面に設けられる意匠材は、前記丁番を覆うように、前記戸体本体の表面の外側に延在されて形成される、請求項1~7のいずれかに記載の玄関周りの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、玄関周りの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口に建具が配置される玄関周りの構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。建具は、建物の壁部に隣接して配置されている。建具は、建物の壁部に隣接して配置される枠体と、枠体内に配置されるドア本体(戸体本体)と、を備える。建物の壁部の表面に設けられる意匠材は、壁材メーカーにより製造され、枠体及びドア本体の表面に設けられる意匠材は、建材メーカーにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
壁部の表面に設けられる意匠材は、デザインや色のバリエーションが比較的豊富である。一方、枠体及びドア本体の表面に設けられる意匠材は、壁部の表面に設けられる意匠材と比べると、デザインや色のバリエーションが比較的少なく、壁部の表面、枠体及びドア本体の表面の色調等のコーディネートは難しかった。そのため、壁部、枠体及びドア本体を備える玄関周りの構造において、壁部、枠体及びドア本体(戸体本体)の表面に設けられる意匠材について、一体感のあるデザインを実現できることが求められている。
【0005】
本開示は、壁部、枠体及び戸体本体の表面に設けられる意匠材について、一体感のあるデザインを実現できる玄関周りの構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、枠体と前記枠体内に開閉可能に配置される戸体本体とを有する建具と、前記枠体に隣接して配置される壁部と、を備える玄関周りの構造であって、前記壁部、前記枠体及び前記戸体本体の室外側の表面は、同一種類の外観意匠を有する、玄関周りの構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の玄関周りの構造を建具の室外側から見た場合の斜視図である。
【
図2】一実施形態の玄関周りの構造を建具の室内側から見た場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の玄関周りの構造10の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、ドア本体3及び袖部4の幅方向を「幅方向」とし、ドア本体3の戸先側を「戸先側」とし、ドア本体3の戸先側と反対側である吊元側を「吊元側」とし、閉じた状態でのドア本体3の厚さ方向を「奥行方向(見込方向)」とし、ドア本体3の長手方向を「上下方向」として説明する。建具1の横方向を左右方向とする。
図3~
図6において、室外側を「Y1」と記載し、室内側を「Y2」と記載する。
【0009】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の玄関周りの構造10において、建具1は、建物に設けられる。
図3及び
図4に示すように、建具1は、建物に固定される枠体2と、枠体2内に開閉可能に配置されるドア本体3(戸体本体)と、枠体2の戸先側に配置される袖部4と、を備える。建具1は、建物の玄関用として設けられる。
【0010】
図1に示すように、玄関周りの構造10において、建具1に隣接して、壁部11が配置される。壁部11は、室外側Y1から見た場合に、建具1の左右方向(横方向)の両側の側方に隣接して配置される側方壁部12と、建具1の上方に隣接して配置される上方壁部13と、を有する。
【0011】
枠体2は、
図3及び
図4に示すように、建物の開口部80の四周に沿って設けられる。枠体2は、横枠としての上枠21及び下枠22と、吊元側の縦枠23と、戸先側の縦枠24と、により矩形に枠組みされる。枠体2内には、ドア本体3及び袖部4が、幅方向に隣接して配置されている。袖部4は、ドア本体3の幅方向の一方側の戸先側に配置されている。
【0012】
建具1は、建物の開口部80から室外側Y1に若干オフセットされた位置に納められている。建物の開口部80は、
図3及び
図4に示すように、上部構造体81と、床構造体82と、左右の側部構造体83と、により区画形成される。
【0013】
上部構造体81は、
図3に示すように、上部構造物811と、上部構造物811の下方に配置される断熱材812と、上部構造物811と断熱材812の間に充填されるモルタル813と、断熱材の下面に貼り付けられた上部額縁材814と、を有する。上部構造体81の室外側Y1の位置において、モルタル813、断熱材812及び上部額縁材814の室外側Y1には、上枠21が固定されている。
【0014】
床構造体82は、
図3に示すように、室外側Y1の部分が室内側Y2の部分よりも低い段差状に形成される。床構造体82は、下方に配置される下部構造物821と、室外側Y1の上部に配置される室外側床材822と、室内側Y2の上部に配置される室内側床材823と、モルタル824と、を有する。室外側床材822は、室内側床材823よりも高い位置に配置される。モルタル824は、下部構造物821と、室外側床材822及び室内側床材823との間に充填される。床構造体82には、下枠22が固定されている。
【0015】
左右の側部構造体83は、それぞれ、
図4に示すように、建物の開口部80の左右方向の外側に配置される。左右の側部構造体83は、いずれも、側部構造物831と、側部構造物831の左右方向の内側に配置される断熱材832と、側部構造物831と断熱材との間に充填されるモルタル833と、断熱材832の左右方向の内側の面に設けられた額縁材834と、を有する。左右の側部構造体83の室外側Y1の位置において、断熱材832、額縁材834及びモルタル833の室外側Y1には、左右の縦枠23,24がそれぞれ固定されている。
【0016】
額縁材834の左右方向の内側の面には、意匠材835が設けられている。側部構造体83の室内側Y2の面には、額縁材834の室内側Y2の面と断熱材832の室内側Y2の面とに亘って、意匠材836が設けられている。額縁材834の左右方向の内側の面に設けられる意匠材835と、額縁材834の室内側Y2の面と断熱材832の室内側Y2の面とに亘って設けられる意匠材836とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、額縁材834の左右方向の内側の面、額縁材834の室内側Y2の面及び断熱材832の室内側Y2の面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。なお、「外観意匠」及び「同一種類の外観意匠を有する」については、本実施形態の構成を一通り説明した後に説明する。
【0017】
上枠21は、
図3に示すように、上部構造体81に固定される。上枠21は、上部構造体81の断熱材812及び上部額縁材814の室外側Y1の面に固定される。上枠21は、上枠本体枠部211と、上枠本体枠部211の室内側Y2の下部に固定される戸当たり部212と、を有する。
【0018】
上枠本体枠部211は、断面方形状のホロー構造に形成される上枠中空枠部211aと、上枠中空枠部211aの上端から室内側Y2に延出する上枠延出板211bと、を有する。上枠延出板211bと上部構造体81の上部構造物811との間には、シーリング材211cが設けられている。
【0019】
上枠21の室内側Y2の部分は、クランク金具213に固定されている。クランク金具213の一端側は、上枠中空枠部211aの室内側Y2の上方側の面と上枠延出板211bの下面とに跨って配置されて固定されている。クランク金具213の他端側は、上部構造体81の上部構造物811に埋め込まれたアンカー214に固定された状態で、モルタル813の内部に埋め込まれる。
【0020】
戸当たり部212には、シールパッキン212aが取り付けられている。戸当たり部212に取り付けられたシールパッキン212aには、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、ドア本体3の室内側Y2の上端面が当たる。
【0021】
上枠21における長手方向の途中には、
図1に示すように、コンシールド型のドアクローザー215が配置される。コンシールド型のドアクローザー215は、ドア本体3を、安全な速度で緩やかにスムーズに閉める機構を有する。
【0022】
コンシールド型のドアクローザー215は、
図3に示すように、上枠21の内部に配置されるクローザー本体215aと、クローザー本体215aとドア本体3とを接続する接続部215bと、を有する。本実施形態においては、クローザー本体215aが上枠21の内部に配置されているため、スッキリとした外観となる。
【0023】
上枠21の室外側Y1の面には、
図3に示すように、意匠材216が設けられる。意匠材216は、上枠21の室外側Y1の面の下端部から、上枠21の上端部を超えて天井84まで延びる。上枠21から天井84まで延びる意匠材216は、上枠室外側意匠材217と、上部壁部構成意匠材218と、を有する。
【0024】
上枠室外側意匠材217は、上枠21の室外側Y1の面の下端部から上端部までの間に亘って配置される。上部壁部構成意匠材218は、上枠室外側意匠材217に連続して形成され、上枠室外側意匠材217の上端部(上枠21の上端部)から天井84まで延びる。上部壁部構成意匠材218は、上部構造体81の室外側Y1に配置され、上部構造体81の室外側Y1に形成される上方壁部13(
図1参照)の表面材を構成する。上方壁部13は、建具1の上部に設けられる壁部であり、上枠21と天井84との間に配置される壁部である。
【0025】
上枠室外側意匠材217及び上部壁部構成意匠材218は、同一の意匠材216により一体で形成されているため、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、上枠室外側意匠材217及び上部壁部構成意匠材218の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。また、上枠21の室外側Y1に設けられた上枠室外側意匠材217の表面と、建具1の上部に配置される上方壁部13に設けられた上部壁部構成意匠材218の表面とは、同一平面上に位置する。
【0026】
下枠22は、
図3に示すように、床構造体82に固定される。下枠22は、断面視L字状の下枠本体枠部221と、室外側下部開放枠222と、室内側下方突出片223と、を有する。下枠本体枠部221は、段差状に形成される下部構造物821に対応して、室外側Y1及び上方側が開放した断面視L字状に形成される。室外側下部開放枠222は、下部構造物821に埋め込まれたアンカー825に固定された取付板826が引っ掛けられて固定された状態で、床構造体82のモルタル824の内部に埋め込まれている。
【0027】
下枠本体枠部221は、室内側Y2の端部に形成される立ち上がり片221aを有する。立ち上がり片221aには、シールパッキン221bが取り付けられている。立ち上がり片221aに付けられたシールパッキン221bには、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、ドア本体3の室内側Y2の下端の面が当たる。
【0028】
縦枠23,24は、
図4に示すように、側部構造体83に固定される。縦枠23,24は、縦枠本体枠部231,241と、縦枠本体枠部231,241の室内側Y2の左右方向の内側に固定される戸当たり部232,242と、を有する。
【0029】
縦枠本体枠部231,341は、
図5及び
図6に示すように、断面方形状のホロー構造に形成される縦枠中空枠部231a,341aと、縦枠中空枠部231a,341aの左右方向の外側の端部から室内側Y2に延出する縦枠延出板231b,341bと、を有する。縦枠延出板231b,341bと側部構造体83の側部構造物831との間には、
図4に示すように、シーリング材231c,241cが設けられている。
【0030】
縦枠23,24の室内側Y2の部分は、クランク金具233,243に固定されている。クランク金具233,243の一端側は、縦枠中空枠部231a,341aの左右方向の外側の室内側Y2の面と縦枠延出板231b,341bの左右方向の内側の面とに跨って配置されて固定されている。クランク金具233,243の他端側は、側部構造体83の側部構造物831に埋め込まれたアンカー234,244に固定された状態で、モルタル833の内部に埋め込まれる。
【0031】
図5及び
図6に示すように、戸当たり部232,242には、シールパッキン232a,242aが取り付けられている。戸当たり部232,242に取り付けられたシールパッキン232a,242aには、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、ドア本体3の左右方向の外側の室内側Y2の端部の面が当たる。
【0032】
縦枠23,24の室外側Y1の面には、意匠材236,246が設けられる。意匠材236,246は、縦枠23,24の室外側Y1の面の左右方向の内側から左右方向の外側に延び、縦枠23,24の左右方向の外側の端部を超えて更に外側に延びる。縦枠23,24から左右方向の外側に延びる意匠材236,246は、縦枠室外側意匠材237,247と、側方壁部構成意匠材238,248と、を有する。
【0033】
吊元側の縦枠23の縦枠室外側意匠材237は、吊元側の縦枠23の室外側Y1の面の左右方向の内側の端部よりも内側から左右方向の外側の端部までの間に亘って配置される。戸先側の縦枠24の縦枠室外側意匠材247は、縦枠24の室外側Y1の面の左右方向の内側の端部から左右方向の外側の端部までの間に亘って配置される。
【0034】
側方壁部構成意匠材238,248は、縦枠室外側意匠材237,247に連続して形成され、縦枠室外側意匠材237,247の左右方向の外側の端部(縦枠23,24の左右方向の端部)から左右方向の外側に延びる。
図4に示すように、側方壁部構成意匠材238,248は、側部構造体83の室外側Y1に配置され、側部構造体83の室外側Y1に形成される側方壁部12(
図1参照)の表面材を構成する。側方壁部12は、建具1の側方に隣接して設けられる壁部である。
【0035】
図5及び
図6に示すように、縦枠室外側意匠材237,247及び側方壁部構成意匠材238,248は、同一の意匠材236,246により一体で形成されているため、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、縦枠室外側意匠材237,247及び側方壁部構成意匠材238,248の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。また、縦枠23,24の室外側Y1に設けられた縦枠室外側意匠材237,247の表面と、建具1の左右方向の外側に配置される側方壁部12に設けられた側方壁部構成意匠材238,248の表面とは、同一平面上に位置する。
【0036】
ドア本体3は、閉じた状態から室外側Y1に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。ドア本体3は、
図4に示すように、吊元側の縦枠23に設けられる丁番25の回転軸を中心に回転して開閉可能な開きドアである。
【0037】
丁番25は、
図5に示すように、ドア本体3の吊元側においてドア本体3を回転可能に支持する。丁番25は、一端側が、ドア本体3の左右方向の吊元側の端面33に取り付けられ、他端側が、吊元側の縦枠23のドア本体3側の面に取り付けられている。ドア本体3の左右方向の吊元側の端面33は、ドア本体3の左右方向の吊元側の端部において、左右方向の外側を向いて形成される見込面である。ドア本体3の吊元側の端面33を構成する見込面は、奥行方向(見込方向)に延びる。
【0038】
ドア本体3は、
図1及び
図2に示すように、上下方向に長い略長方形の板状に形成されている。ドア本体3の室外側Y1の表面には、室外側ハンドル27が設けられている。ドア本体3の室内側Y2の表面には、室内側ハンドル28が設けられている。室外側ハンドル27及び室内側ハンドル28は、ドア本体3を開閉する利用者が把持可能な開閉操作部として機能する。利用者は、室外側ハンドル27又は室内側ハンドル28を把持して、ドア本体3を押したり引いたりしてドア本体3を開閉することが可能である。
【0039】
ドア本体3の室外側Y1の表面には、
図5及び
図6に示すように、意匠材31が設けられる。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向及び上下方向に延びて配置される。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向における吊元側の端部側において、丁番25を覆うように、ドア本体3の左右方向の外側に延在されて形成される延在部31aを有する。これにより、丁番25が延在部31aにより覆われるため、室外側Y1からの外観視で、丁番25が見えにくい。
【0040】
ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31と、吊元側の縦枠23及び戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面に設けられる意匠材236,246とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、ドア本体3、吊元側の縦枠23及び戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられた意匠材31の表面と、吊元側の縦枠23及び戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面に設けられる意匠材236,246の表面とは、同一平面上に位置する。
【0041】
また、
図3に示すように、ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31と、上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材216とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、ドア本体3及び上枠21の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31の表面と、上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材216の表面とは、同一平面上に位置する。
【0042】
また、
図4に示すように、ドア本体3の室内側Y2の表面には、意匠材32が設けられる。ドア本体3の室内側Y2の表面に設けられる意匠材32は、左右方向及び上下方向に延びる。ドア本体3の室内側Y2の表面に設けられる意匠材32と、ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、ドア本体3の室外側Y1及び室内側Y2の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0043】
また、ドア本体3の室内側Y2の表面に設けられる意匠材32と、左右の側部構造体83の額縁材834の左右方向の内側の面に設けられる意匠材835とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、ドア本体3の室内側Y2の表面及び左右の側部構造体83の額縁材834の左右方向の内側の面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0044】
袖部4は、
図4に示すように、ドア本体3の戸先側に隣接して枠体2内に配置されており、枠体2の上枠21、下枠22及び戸先側の縦枠24に固定されている。袖部4は、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、ドア本体3の戸先側に配置される。袖部4には、
図1及び
図2に示すように、電気錠装置6が設けられている。
図4に示すように、袖部4は、室外側Y1の表面を覆う室外側カバー材41と、室内側Y2の表面を覆う室内側カバー材42と、を有する。
【0045】
室外側カバー材41は、
図1に示すように、上下方向に長い略長方形の板状に形成され、袖部4の内部を室外側Y1から覆う。室外側カバー材41は、
図6に示すように、袖部4の幅方向におけるドア本体3とは反対側の端部に配置される回転軸41aを中心に回転可能に構成され、袖部4の室外側Y1の面に開閉可能に設けられる。
【0046】
室外側カバー材41の表面には、
図6に示すように、意匠材411が設けられる。室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411と、戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面に設けられる意匠材246とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室外側カバー材41の表面と、戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面とは、同一種類の外観意匠を有して統一されている。室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411の表面と、戸先側の縦枠24の室外側Y1の表面に設けられる意匠材246の表面とは、同一平面上に位置する。
【0047】
また、室外側カバー材41の室外側Y1の表面に設けられる意匠材411と、ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室外側カバー材41及びドア本体3の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。室外側カバー材41の室外側Y1の表面に設けられる意匠材411と、ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31とは、同一平面上に位置する。
【0048】
また、室外側カバー材41の室外側Y1の表面に設けられる意匠材411と、上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材216とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室外側カバー材41及び上枠21の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。室外側カバー材41の室外側Y1の表面に設けられる意匠材411の表面と、上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材216の表面とは、同一平面上に位置する。
【0049】
室内側カバー材42は、
図2に示すように、上下方向に長い略長方形の板状に形成され、袖部4の内部を室内側Y2から覆う。室内側カバー材42は、
図6に示すように、袖部4の幅方向におけるドア本体3とは反対側の端部に配置される回転軸42aを中心に回転可能に構成され、袖部4の室内側Y2の面に開閉可能に設けられる。
【0050】
室内側カバー材42の室内側Y2の表面には、意匠材421が設けられる。室内側カバー材42の室内側Y2の表面に設けられる意匠材421と、室外側カバー材41の室外側Y1の表面に設けられる意匠材411とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室内側カバー材42の室内側Y2の表面及び室外側カバー材41の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0051】
また、室内側カバー材42の室内側Y2の表面に設けられる意匠材421と、ドア本体3の室内側Y2の表面に設けられる意匠材32とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室内側カバー材42及びドア本体3の室内側Y2の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。また、室内側カバー材42の室内側Y2の表面に設けられる意匠材421と、額縁材834の左右方向の内側の面に設けられる意匠材835とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室内側カバー材42の室内側Y2の表面及びドア本体3の額縁材834の左右方向の内側の面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0052】
以上のように構成される玄関周りの構造10においては、
図4に示すように、室外側Y1の左右方向において、建具1の左右方向の外側に設けられる側方壁部12の室外側Y1の表面を構成する縦枠室外側意匠材237,247と、建具1の枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面に設けられる側方壁部構成意匠材238,248と、建具1のドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31と、袖部4の室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411とは、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成される。つまり、側方壁部12、枠体2の縦枠23,24、ドア本体3及び袖部4のいずれにも、室外側Y1の表面には、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、側方壁部12、枠体2の縦枠23,24、ドア本体3及び袖部4の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0053】
また、建具1の左右方向の外側に設けられる側方壁部12の室外側Y1の表面を構成する縦枠室外側意匠材237,247の表面と、建具1の枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面に設けられる側方壁部構成意匠材238,248の表面と、建具1のドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31の表面と、袖部4の室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411の表面とは、同一平面上に位置する。つまり、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、側方壁部12の室外側Y1の表面、枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面、ドア本体3の室外側Y1の表面及び袖部4の室外側Y1の表面は、同一平面上に位置する。
【0054】
これにより、玄関周りの構造10における室外側Y1の左右方向において、同一種類の外観意匠を有して統一されているため、玄関周りの構造10を室外側Y1から見た外観は、同じ色調で構成される。よって、玄関周りの構造10の左右方向において、一体感のあるデザインを実現できる。更に、玄関周りの構造10において、左右方向において、室外側Y1の表面が同一平面上に位置するため、凹凸がなく、スッキリとした洗練されたデザインを実現できる。
【0055】
加えて、
図3に示すように、室外側Y1の上下方向において、建具1の上方に設けられる上方壁部13の室外側Y1の表面を構成する意匠材218と、建具1の枠体2の上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材217と、建具1のドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31と、建具1の袖部4の室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、建具1の上方に設けられる上方壁部13、上枠21、ドア本体3及び袖部4の室外側カバー材41の室外側Y1の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。
【0056】
また、上方壁部13の室外側Y1の表面を構成する意匠材218の表面と、建具1の枠体2の上枠21の室外側Y1の表面に設けられる意匠材217の表面と、建具1のドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31の表面と、建具1の袖部4の室外側カバー材41の表面に設けられる意匠材411とは、同一平面上に位置する。
【0057】
これにより、玄関周りの構造10における室外側Y1の上下方向において、同一種類の外観意匠を有して統一されているため、玄関周りの構造10を室外側Y1から見た外観は、同じ色調で構成される。よって、玄関周りの構造10の上下方向において、一体感のあるデザインを実現できる。更に、玄関周りの構造10において、上下方向において、室外側Y1の表面が同一平面上に位置するため、凹凸がなく、スッキリとした洗練されたデザインを実現できる。
【0058】
更に加えて、玄関周りの構造10の室内側Y2において、室内側カバー材42の室内側Y2の表面に設けられる意匠材421と、ドア本体3の室内側Y2の表面に設けられる意匠材32と、側部構造体83の左右方向の内側の表面に設けられる意匠材835と、側部構造体83の室内側Y2の表面に設けられる意匠材836とが、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、室内側カバー材42の室内側Y2の表面、ドア本体3の室内側Y2の表面、側部構造体83の左右方向の内側の表面及び側部構造体83の室内側Y2の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。これにより、室内側Y2においても、一体感のあるデザインを実現できる。
【0059】
また、これに加えて、玄関周りの構造10において、室内側Y2及び室外側Y1において使用される意匠材が、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、玄関周りの構造10の室内側Y2及び室外側Y1において、同一種類の外観意匠を有して統一されている。これにより、室内側Y2及び室外側Y1を含めた玄関周りの構造10において、一体感のあるデザインを実現できる。
【0060】
本実施形態においては、「外観意匠」とは、外観の見た目、デザインである。「同一種類の外観意匠を有する」とは、例えば、見た目の全体のデザインに統一感がある場合や、見た目の質感が非常に近い場合などである。「同一種類の外観意匠を有する」ことには、壁面、ドア本体及び枠体の表面のいずれにも、同じ模様のデザインが施されていることが含まれることはもちろん、同じ模様のデザインでなくても、例えば、壁面とドア本体と枠体の表面に亘って、全体として大きなデザインが施されることで同一種類の外観意匠を有して統一されていることも含まれる。
【0061】
本実施形態において、同一種類の外観意匠を構成する意匠材としては、例えば、金属材料、タイル材料、木材、ガラス材料、樹脂材料等の各材料などの素材を用いたものや、アルミニウムラッピング等のラッピング加工などの表面処理を施したものや、表面に塗装を施したものや、金属サイディング等のサイディングなどを用いることができる。なお、同一種類の外観意匠を構成する意匠材として、例えば、素材は鉄やステンレスのように素材は異なるが、表面処理や塗装などが同一であることにより、外観意匠が同一種類である場合も含まれる。
【0062】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の玄関周りの構造10は、側方壁部12、枠体2の縦枠23,24及びドア本体3のいずれにも、室外側Y1の表面は、同一種類の外観を有する。これにより、玄関周りの構造10の室外側Y1において、一体感のあるデザインを実現できる。
【0063】
また、本実施形態においては、側方壁部12の室外側Y1の表面、枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面及びドア本体3の室外側Y1の表面は、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材で構成されることにより、同一種類の外観意匠を有する。これにより、簡易な構成で、玄関周りの構造10の室外側Y1において、一体感のあるデザインを実現できる。
【0064】
また、本実施形態においては、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、側方壁部12の室外側Y1の表面、枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面及びドア本体3の室外側Y1の表面は、同一平面上に位置する。そのため、玄関周りの構造10において、室外側Y1の表面が同一平面上に位置するため、凹凸がなく、スッキリとした洗練されたデザインを実現できる。
【0065】
また、本実施形態においては、袖部4の室外側Y1の表面は、側方壁部12、枠体2の縦枠23,24及びドア本体3の表面と同一種類の外観意匠を有しており、ドア本体3が閉位置に位置する場合に、袖部4の室外側Y1の表面、側方壁部12の室外側Y1の表面、枠体2の縦枠23,24の室外側Y1の表面及びドア本体3の室外側Y1の表面は、同一平面上に位置する。これにより、ドア本体3に隣接する袖部4を備えている場合においても、玄関周りの構造10の左右方向において、一体感のあるデザインを実現できる。更に、玄関周りの構造10において、室外側Y1の表面が同一平面上に位置するため、凹凸がなく、スッキリとした洗練されたデザインを実現できる。
【0066】
また、本実施形態においては、室内側カバー材42の室内側Y2の表面、ドア本体3の室内側Y2の表面、側部構造体83の左右方向の内側の表面及び側部構造体83の室内側Y2の表面は、同一種類の外観意匠を有して統一されている。これにより、玄関周りの構造10の室内側Y2において、一体感のあるデザインを実現できる。
【0067】
また、本実施形態においては、ドア本体3の表面に設けられる意匠材31は、丁番25を覆うように、ドア本体3の表面の外側に延在されて形成される。これにより、丁番25が延在部31aにより覆われるため、室外側Y1からの外観視で、丁番25が見えにくい。よって、丁番25が外観視で見えにくいため、意匠性を向上できる。
【0068】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0069】
例えば、前記実施形態においては、同一種類の外観意匠を構成する意匠材として、同一の素材、同一の表面処理及び同一の塗装の少なくとも1以上を有する意匠材としたが、これに限定されない。同一種類の外観意匠を構成する意匠材として、例えば、意匠材の素材や表面処理や塗装が異なる場合であっても、外観意匠(見た目、デザイン)が同一種類である意匠材も含まれる。また、同一種類の外観意匠を構成する意匠材を、グラデーションを有する意匠材で構成してもよい。例えば、同一種類の外観意匠を構成する各意匠材に、グラデーションが形成され、玄関周りの構造10の室内側Y2及び室外側Y1の表面は、上下方向及び左右方向の少なくともいずれかの方向で各意匠材の色調が変化することにより、同一種類の外観意匠を有していてもよい。
【0070】
また、前記実施形態では、枠体2内に、ドア本体(戸体本体)に隣接して、袖部4を配置したが、これに限定されない。袖部4を備えない構成としてもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、戸体本体を、回転軸を中心に回転して開閉可能な開きドア本体3で構成したが、これに限定されず、戸体本体を、横方向に移動可能な引戸により構成してもよい。
【0072】
また、袖部としては、例えば、開閉不能な袖パネル、袖部全体が開閉可能な袖扉、袖部の一部において開閉可能な子扉、ドア本体(戸体本体)の左右方向の両側に開閉可能な両開きの袖扉を用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 建具、2 枠体、3 ドア本体(戸体本体)、4 袖部、10 玄関周りの構造、12 側方壁部(壁部)、25 丁番