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特開2022-146721ボーカルレッスンシステム、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146721
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ボーカルレッスンシステム、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 15/00 20060101AFI20220928BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20220928BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20220928BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20220928BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220928BHJP
【FI】
G09B15/00 D
G09B5/06
G09B19/00 Z
H04N7/15
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047834
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】521121031
【氏名又は名称】向井 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100191190
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 直文
(72)【発明者】
【氏名】向井 浩二
【テーマコード(参考)】
2C028
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA03
2C028BB04
2C028BB06
2C028BC05
2C028BD01
5C164FA10
5C164VA01P
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】講師と受講者とがオンラインでボーカルレッスンを行う際に、講師と受講者との間で音響遅延が生じることなく、対面でのレッスンに近い臨場感でボーカルレッスンを受講することができるボーカルレッスンシステムを提供する。
【解決手段】ボーカルレッスンシステム100は、伴奏アプリケーション15を格納するWebサーバー10と、双方向で動画及び音声通信が可能な双方向動画通話システム20と、講師側音声出力装置32を備える第1講師端末30と、受講者側音声出力装置42を備える第1受講者端末40と、音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2講師端末80と、音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2受講者端末90と、第1双方向通信回線50と、第2双方向通信回線60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、
双方向で動画及び音声通信が可能な双方向動画通話システムと、
講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、
受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、
音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2講師端末と、
音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2受講者端末と、
前記Webサーバー及び前記双方向動画通話システムと前記第1講師端末及び前記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、
前記Webサーバー及び前記双方向動画通話システムと前記第1受講者端末及び前記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、
を備え、
前記第1双方向通信回線及び前記第2双方向通信回線を介して、前記第2講師端末と前記第2受講者端末とが前記双方向動画通話システムに入室した状態で、
前記第1受講者端末は、前記第2双方向通信回線を介して前記Webサーバーに格納された前記伴奏アプリケーションを作動させ、前記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、
前記第2受講者端末は、前記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を入力し、前記第2双方向通信回線を介して前記双方向動画通話システムに送信する機能を有し、
前記第2講師端末は、前記第1双方向通信回線を介して、前記双方向動画通話システムが受信した前記受講者の歌唱を前記伴奏音源と共に再生する機能を有することを特徴とする、ボーカルレッスンシステム。
【請求項2】
伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、
双方向で動画及び音声通信が可能な双方向動画通話システムと、
複数で動画及び音声通信が可能なWeb会議システムと、
講師側音声入力装置及び講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、
受講者側音声入力装置及び受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、
動画再生機能を有する第2講師端末と、
動画再生機能を有する第2受講者端末と、
前記Webサーバー、前記双方向動画通話システム及び前記Web会議システムと前記第1講師端末及び前記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、
前記Webサーバー、前記双方向動画通話システム及び前記Web会議システムと前記第1受講者端末及び前記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、
を備え、
前記第1双方向通信回線及び前記第2双方向通信回線を介して、前記第2講師端末と前記第2受講者端末とが前記Web会議システムに入室した状態で、
前記第1受講者端末は、前記第2双方向通信回線を介して前記Webサーバーに格納された前記伴奏アプリケーションを作動させ、前記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、
前記第1受講者端末は、前記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を前記受講者側音声入力装置に入力し、前記第2双方向通信回線を介して前記Web会議システムに送信する機能を有し、
前記第1講師端末は、前記第1双方向通信回線を介して、前記Web会議システムが受信した前記受講者の歌唱を前記伴奏音源と共に前記講師側音声出力装置から再生する機能を有し、
前記第2講師端末及び前記第2受講者端末は、前記第1双方向通信回線及び前記第2双方向通信回線を介して前記双方向動画通話システムにより動画交信を行う機能を有することを特徴とする、ボーカルレッスンシステム。
【請求項3】
伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、
複数で動画及び音声通信が可能なWeb会議システムと、
講師側音声入力装置及び講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、
受講者側音声入力装置及び受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、
前記Webサーバー及び前記Web会議システムと前記第1講師端末及び前記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、
前記Webサーバー及び前記Web会議システムと前記第1受講者端末及び前記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、
を備え、
前記第1双方向通信回線及び前記第2双方向通信回線を介して、前記第1講師端末と前記第1受講者端末とが前記Web会議システムに入室した状態で、
前記第1受講者端末は、前記第2双方向通信回線を介して前記Webサーバーに格納された前記伴奏アプリケーションを作動させ、前記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、
前記第1受講者端末は、前記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を前記受講者側音声入力装置に入力し、前記第2双方向通信回線を介して前記Web会議システムに送信する機能を有し、
前記第1講師端末は、前記第1双方向通信回線を介して、前記Web会議システムが受信した前記受講者の歌唱を前記伴奏音源と共に前記講師側音声出力装置から再生する機能を有することを特徴とする、ボーカルレッスンシステム。
【請求項4】
前記第1講師端末は、前記第2双方向通信回線を介して前記Webサーバーにアクセスし、前記伴奏アプリケーションを操作する機能を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のボーカルレッスンシステム。
【請求項5】
前記Webサーバーは、前記第1講師端末からロードされた楽曲の総伴奏音源を複数の分割伴奏音源に分割すると共に、分割伴奏音源の数に対応する複数の再生ボタンを生成する機能を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のボーカルレッスンシステム。
【請求項6】
Webサーバーの伴奏アプリケーションを作動する手順と、
受講者端末にて伴奏音源を再生する手順と、
受講者端末にて再生される前記伴奏音源及び受講者の歌唱を入力する手順と、
講師端末にて前記伴奏音源及び前記歌唱を再生する手順と、
を有することを特徴とする、ボーカルレッスン処理方法。
【請求項7】
Webサーバーの伴奏アプリケーションを作動する手順と、
受講者端末にて伴奏音源を再生する手順と、
受講者端末にて再生される前記伴奏音源及び受講者の歌唱を入力する手順と、
講師端末にて前記伴奏音源及び前記歌唱を再生する手順と、
をボーカルレッスンシステムに実行させることを特徴とする、ボーカルレッスン処理プログラム。
【請求項8】
楽曲の伴奏音源のアプロード処理プログラムを備え、
該伴奏音源のアプロードプログラムは、
楽曲伴奏音源の総再生時間を測定する手順と、
楽曲伴奏音源を予め設定された分割数で分割する手順と、
分割伴奏音源の数に応じて再生ボタンを生成する手順と、
を有する、請求項7に記載のボーカルレッスン処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインにおいてボーカルレッスンを行うボーカルレッスンシステム、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
令和2年、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、人々は外出を控える自粛生活を余儀なくされている。新型コロナウィルスの感染を回避しつつ、在宅勤務下において効率良く仕事を処理するため、Web会議システム等を利用したテレワークが進められている。また、英会話や音楽レッスン等においても、Web会議システム等を利用したオンラインレッスンが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、通信回線を介して音楽レッスンを行なう先生の端末装置の通信アドレス及び音楽レッスンを受ける生徒の端末装置の通信アドレスを保存し、レッスン契約が成立した先生と生徒との間において授受される課題曲データ及びその演奏に関する関連データを保存した通信アドレスに対応する端末装置との間で前記通信回線を介して送受信する音楽教習における情報管理方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、音楽レッスンの内容を表わすレッスン内容情報と該音楽レッスンをすべき時間を表わすレッスン時間情報とを対応付けたスケジュールデータを管理するスケジュール管理手段と、レッスン時間情報が表わすレッスン時間より前の所定タイミングにおいて、該レッスン時間に対応する内容の音楽レッスンをすべき旨をユーザの通信端末へと通知するレッスン通知手段とを具備する音楽教習システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-208089号公報
【特許文献2】特開2006-23507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係る音楽教習における情報管理方法は、安価な資金と容易な管理で音楽教習の事業を実施可能にする方法を提供することを目的としている。また、特許文献2に係る音楽教習システムは、音楽レッスンの管理がうまくできないユーザに対して、忘れずに音楽レッスンを実施するように仕向ける仕組みを備えた装置を提供することを目的としている。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術では、オンラインによる音楽レッスン自体の困難性を解決することはできない。特に、オンラインボーカルレッスンには、伴奏と歌唱との間に通信によるレイテンシ(遅延)が生じるという特有の問題がある。
【0008】
具体的には、オンラインボーカルレッスンは、双方向通信環境下において遠隔地に存する講師と受講者とがボーカルレッスンを行う。講師はピアノもしくはキーボード等で楽曲の伴奏を行い、受講者は送信された講師の伴奏を聴きながら、その伴奏に合わせて歌唱を行う。講師の伴奏に合わせた受講者の歌唱は、再び、通信回線を介して講師に戻ってくる。通信速度にもよるが、講師の伴奏が受講者へ届くまで、及びその伴奏に合わせた受講者の歌唱が講師に戻ってくるまでに、それぞれ約0.2秒の音響遅延(レイテンシ)があり、往復で合計約0.4秒のレイテンシが生じる。その結果、講師の伴奏と受講者の歌唱とにずれが生じてしまい、伴奏を伴うボーカルレスンが不可能となっているのが実情である。
【0009】
そこで本発明は、上記の課題に鑑みて、講師と受講者とがオンラインでボーカルレッスンを行う際に、講師と受講者との間で音響遅延が生じることなく、対面でのレッスンに近い臨場感でボーカルレッスンを受講することができるボーカルレッスンシステム、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るボーカルレッスンシステムは、伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、双方向で動画及び音声通信が可能な双方向動画通話システムと、講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2講師端末と、音声入力機能、音声出力機能及び動画再生機能を有する第2受講者端末と、上記Webサーバー及び上記双方向動画通信システムと上記第1講師端末及び上記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、上記Webサーバー及び上記双方向動画通信システムと上記第1受講者端末及び上記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、を備える。上記第1双方向通信回線及び上記第2双方向通信回線を介して、上記第2講師端末と上記第2受講者端末とが上記双方向動画通話システムに入室した状態で、上記第1受講者端末は、上記第2双方向通信回線を介して上記Webサーバーに格納された上記伴奏アプリケーションを作動させ、上記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、上記第2受講者端末は、上記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を入力し、上記第2双方向通信回線を介して上記双方向動画通話システムに送信する機能を有し、上記第2講師端末は、上記第1双方向通信回線を介して、上記双方向動画通話システムが受信した上記受講者の歌唱を上記伴奏音源と共に再生する機能を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の態様に係るボーカルレッスンシステムは、伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、双方向で動画及び音声通信が可能な双方向動画通話システムと、複数で動画及び音声通信が可能なWeb会議システムと、講師側音声入力装置及び講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、受講者側音声入力装置及び受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、動画再生機能を有する第2講師端末と、動画再生機能を有する第2受講者端末と、上記Webサーバー、上記双方向動画通話システム及び上記Web会議システムと上記第1講師端末及び上記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、上記Webサーバー、上記双方向動画通話システム及び上記Web会議システムと上記第1受講者端末及び上記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、を備える。上記第1双方向通信回線及び上記第2双方向通信回線を介して、上記第2講師端末と上記第2受講者端末とが上記Web会議システムに入室した状態で、上記第1受講者端末は、上記第2双方向通信回線を介して上記Webサーバーに格納された上記伴奏アプリケーションを作動させ、上記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、上記第1受講者端末は、上記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を上記受講者側音声入力装置に入力し、上記第2双方向通信回線を介して上記Web会議システムに送信する機能を有し、上記第1講師端末は、上記第1双方向通信回線を介して、上記Web会議システムが受信した上記受講者の歌唱を上記伴奏音源と共に上記講師側音声出力装置から再生する機能を有し、上記第2講師端末及び上記第2受講者端末は、上記第1双方向通信回線及び上記第2双方向通信回線を介して上記双方向動画通話システムにより動画交信を行う機能を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の態様に係るボーカルレッスンシステムは、伴奏アプリケーションを格納するWebサーバーと、複数で動画及び音声通信が可能なWeb会議システムと、講師側音声入力装置及び講師側音声出力装置を備える第1講師端末と、受講者側音声入力装置及び受講者側音声出力装置を備える第1受講者端末と、上記Webサーバー及び上記Web会議システムと上記第1講師端末及び上記第2講師端末とを結ぶ第1双方向通信回線と、上記Webサーバー及び上記Web会議システムと上記第1受講者端末及び上記第2受講者端末とを結ぶ第2双方向通信回線と、を備える。上記第1双方向通信回線及び上記第2双方向通信回線を介して、上記第1講師端末と上記第1受講者端末とが上記Web会議システムに入室した状態で、上記第1受講者端末は、上記第2双方向通信回線を介して上記Webサーバーに格納された上記伴奏アプリケーションを作動させ、上記受講者側音声出力装置から伴奏音源を再生する機能を有し、上記第1受講者端末は、上記伴奏音源に合わせた受講者の歌唱を上記受講者側音声入力装置に入力し、上記第2双方向通信回線を介して上記Web会議システムに送信する機能を有し、上記第1講師端末は、上記第1双方向通信回線を介して、上記Web会議システムが受信した上記受講者の歌唱を上記伴奏音源と共に上記講師側音声出力装置から再生する機能を有することを特徴とする。
【0013】
上記第1から第3の態様において、上記第1講師端末は、上記第2双方向通信回線を介して上記Webサーバーにアクセスし、上記伴奏アプリケーションを操作する機能を有することが好ましい。
【0014】
上記第1から第3の態様において、上記Webサーバーは、上記第1講師端末からロードされた楽曲の総伴奏音源を複数の分割伴奏音源に分割すると共に、分割伴奏音源の数に対応する複数の再生ボタンを生成する機能を有することが好ましい。
【0015】
本発明の第4の態様に係るボーカルレッスン処理方法は、Webサーバーの伴奏アプリケーションを作動する手順と、受講者端末にて伴奏音源を再生する手順と、受講者端末にて再生される上記伴奏音源及び受講者の歌唱を入力する手順と、講師端末にて上記伴奏音源及び上記歌唱を再生する手順と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の態様に係るボーカルレッスン処理プログラムは、Webサーバーの伴奏アプリケーションを作動する手順と、受講者端末にて伴奏音源を再生する手順と、受講者端末にて再生される前記伴奏音源及び受講者の歌唱を入力する手順と、講師端末にて前記伴奏音源及び前記歌唱を再生する手順と、をボーカルレッスンシステムに実行させることを特徴とする。
【0017】
上記第5の態様において、楽曲の伴奏音源のアプロード処理プログラムを備え、
該伴奏音源のアプロードプログラムは、ボーカルレッスン処理プログラムは、楽曲伴奏音源の総再生時間を測定する手順と、楽曲伴奏音源を予め設定された分割数で分割する手順と、分割伴奏音源の数に応じて再生ボタンを生成する手順と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、講師と受講者とがオンラインでボーカルレッスンを行う際に、講師と受講者との間で音響遅延が生じることなく、対面でレッスンに近い臨場感でボーカルレッスンを受講することができるボーカルレッスンシステム、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。
図2】Webサーバー及び伴奏アプリケーションを例示する説明図である。
図3】男性発声練習ページを例示する説明図である。
図4】女性発声練習ページを例示する説明図である。
図5】楽曲練習ページを例示する説明図である。
図6】第1実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のフローチャートある。
図7】第1実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のシーケンス図である。
図8】第2実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。
図9】第2実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のフローチャートある。
図10】第2実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のシーケンス図である。
図11】第3実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。
図12】第4実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。
図13】第5実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。
図14】楽曲のアップロード処理プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1から第5実施形態について説明する。
[第1実施形態]
〔第1実施形態のボーカルレッスンシステムの構成〕
図1から図5を参照して、本発明に係るボーカルレッスンシステムの第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。図1に示すように、第1実施形態のボーカルレッスンシステム100は、Webサーバー10、双方向動画通話システム20、第1講師端末30、第2講師端末80、第1受講者端末40、第2受講者端末90、第1双方向通信回線50及び第2双方向通信回線60を備える。
【0021】
Webサーバー10は、図1及び図2に示すように、Web環境に接続されたコンピュータ装置(情報処理装置)である。Webサーバー10は、制御部(CPU(Central Processing Unit)12及びメモリ13を含む)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置11及び不図示のネットワークインタフェースを有する。記憶装置11には、ボーカルレッスンプログラムがインストールされている。ボーカルレッスンプログラムの主要部は、伴奏アプリケーション15によって構成される。伴奏アプリケーション15には、アクセスIDとパスワードが設定されており、アクセス権限を有する者のみが当該伴奏アプリケーションを作動させることができる。
【0022】
図2は、Webサーバー及び伴奏アプリケーションを例示する説明図である。図3は、男性発声練習ページを例示する説明図である。図4は、女性発声練習ページを例示する説明図である。図5は、楽曲練習ページを例示する説明図である。図2に示すように、伴奏アプリケーション15には、例えば、男性発生練習用伴奏ページ16、女性発生練習用伴奏ページ17及び楽曲練習用伴奏ページ18が搭載されている。図3に示すように、男性発生練習用伴奏ページ16には、基本トレーニング16A,16B、アタックトレーニング16C、滑舌トレーニング16D,16E、ロングトーントレーニング16F及び流れトレーニング16Gが用意されている。図4に示すように、女性発生練習用伴奏ページ17には、基本トレーニング17A,17B、アタックトレーニング17C、滑舌トレーニング17D,17E、ロングトーントレーニング17F及び流れトレーニング17Gが用意されている。図5に示すように、楽曲練習用伴奏ページ18には、複数の練習用楽曲18A,18B等が用意されている。
【0023】
図3及び図4において、基本トレーニング16A,16B,17A,17Bは、半音発声練習を行うトレーニングであり、男性と女性とで音域が異なるため、それぞれの音域に合わせて練習メニューが用意されている。アタックトレーニング16C,17Cは、声のアタックを強化するトレーニングである。滑舌トレーニング16D,16E,17D,17Eは、歌唱の滑舌を良くするトレーニングである。ロングトーントレーニング16F,17Fは、同じ音を伸ばし続けるためのトレーニングである。ロングトーンを練習すると、声を長く伸ばしたときにピッチがズレたり、リズムが狂うのを防止することができる。流れトレーニング16G,17Gは、声の流れを良くするトレーニングである。
【0024】
再び図1を参照して、双方向動画通話システム20は、Web環境に接続された双方向で動画及び音声通信が可能なコンピュータ装置であり、制御部(CPU及びメモリを含む)、HDDやSSD等の記憶装置21及び不図示のネットワークインタフェースを有する。双方向動画通話システム20を構築するためのサーバーとしては、例えば、WebRTCサーバー等が挙げられる。記憶装置21には、双方向で動画通話可能なプログラムがインストールされている。双方向動画通話システム20には、アクセスIDとパスワード等が設定されており、アクセス権限を有する者のみが双方向動画通話システムを作動させることができる。
【0025】
第1講師端末30は、第1双方向通信回線50に接続された講師側の第1の端末であり、操作性の観点からコンピュータ装置を採用することが好ましい。第1講師端末30は、画像形成装置31及び講師側音声出力装置32を備える。画像形成装置31は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の文字情報や画像情報を表示するための表示装置である。画像形成装置31には、例えば、ボーカルレッスンシステム100における入力情報、処理情報及び処理結果等が出力表示される。講師側音声出力装置32としては、スピーカーが挙げられるが、伴奏音源の解像度の高くするために、USB接続の外付けスピーカーを採用することが好ましい。
【0026】
第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60に接続された受講者側の第1の端末であり、操作性の観点からコンピュータ装置を採用することが好ましい。第1受講者端末40は、画像形成装置41及び受講者側音声出力装置42を備える。画像形成装置41には、例えば、ボーカルレッスンシステム100における入力情報、処理情報及び処理結果等が出力表示される。受講者側音声出力装置43としては、スピーカーが挙げられるが、伴奏音源の解像度の高くするために、USB接続の外付けスピーカーを採用することが好ましい。
【0027】
第1講師端末30及び第1受講者端末40は、第1双方向通信回線50及び第2双方向通信回線60を介してWebサーバー10にアクセスし、Webサーバー10にインストールされた伴奏アプリケーション15をクラウド操作可能な機能を有する。
【0028】
第2講師端末80は、第1双方向通信回線50に接続された講師側の第2の端末である。第2講師端末80は、動画再生機能、音声入力機能、音声出力機能及びWebカメラを備える。第2講師端末80には、双方向動画通話システム20にアクセスするためのアプリケーションがインストールされている。第2講師端末80としては、動画再生機能、音声入力機能、音声出力機能及びWebカメラの全ての要素を備える点から、例えば、タブレット端末やスマートフォン等を採用することが好ましい。
【0029】
第2受講者端末90は、第2双方向通信回線60に接続された受講者側の第2の端末である。第2受講者端末90は、動画再生機能、音声入力機能、音声出力機能及びWebカメラを備える。第2受講者端末90には、双方向動画通話システム20にアクセスするためのアプリケーションがインストールされている。第2受講者端末90としては、動画再生機能、音声入力機能、音声出力機能及びWebカメラの全ての要素を備える点から、例えば、タブレット端末やスマートフォン等を採用することが好ましい。
【0030】
第2講師端末80及び第2受講者端末90は、第1双方向通信回線50及び第2双方向通信回線60を介して双方向動画通話システム20にアクセスし、第2講師端末80と第2受講者端末90との間で動画再生通話を行う機能を有する。
【0031】
第1双方向通信回線50は、Webサーバー10、双方向動画通話システム20、第1講師端末30及び第2講師端末80を結ぶ回線である。第1双方向通信回線50としては、光回線やWiFiルーター51等を備える回線等の高速な通信回線を採用することが好ましい。
【0032】
第2双方向通信回線60は、Webサーバー10、双方向動画通話システム20、第1受講者端末40及び第2受講者端末90を結ぶ回線である。第2双方向通信回線60としては、光回線やWiFiルーター61等を備える回線等の高速な通信回線を採用することが好ましい。
【0033】
〔第1実施形態のボーカルレッスンシステムの作用〕
次に、図1から図7を参照して、第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100の作用とともに、本実施形態に係るボーカルレッスン処理方法について説明する。図6は、第1実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のフローチャートある。図7は、第1実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のシーケンス図である。
【0034】
本実施形態に係るボーカルレッスン処理方法は、伴奏アプリケーションを作動する手順と、双方向動画通話システムに入室した状態で、伴奏音源を再生する手順と、伴奏音源に合わせて受講者の歌唱を入力する手順と、伴奏音源及び歌唱を再生する手順と、を有する。
【0035】
本実施形態に係るボーカルレッスン処理プログラムは、上記のボーカルレッスン処理方法をソフトウェアとしてWebサーバー(コンピュータ装置)10にインストールすることにより実現される。コンピュータ装置の各部は、記憶装置11に格納されたボーカルレッスン処理プログラムが、制御部において、一時的にメモリに読み出され、CPU12がメモリ13に読み出されたボーカルレッスン処理プログラムを実行することで、ボーカルレッスンシステム100における伴奏アプリケーション15の機能が実現される。また、コンピュータ装置の各部のうち少なくとも一部が、各種のネットワークを通じて相互に接続された複数のコンピュータ装置によって実現されてもよい。また、コンピュータ装置の各部のうち少なくとも一部は、複数のコンピュータ装置による分散処理によって実現されてもよい。
【0036】
まず、オンラインボーカルレッスンの準備段階について説明する。図1図6及び図7に示すように、第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、Webサーバー10の伴奏ホームページにアクセスして、伴奏アプリケーション15を作動させる(S111)。次に、第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、双方向動画通話システム20にアクセスして(S112)、入室リクエストを行う(S113)。双方向動画通話システム20は、ID及びパスワードを確認して、入室処理を行う(S114)。
【0037】
第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60を介して、Webサーバー10の伴奏ホームページにアクセスして、伴奏アプリケーションを作動させる(S115)。次に、第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60を介して、双方向動画通話システム20にアクセスして(S116)、入室リクエストを行う(S117)。双方向動画通話システム20は、ID及びパスワードを確認して、入室処理を行う(S118)。
【0038】
次に、オンラインボーカルレッスンのレッスン処理段階について説明する。第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、双方向動画通話システム20を通じて音源再生リクエストを行う(S121)。このリクエストを受けて、双方向動画通話システム20は、同部屋の全員へ音源再生リクエストを送信する(S122)。これにより、第1講師端末30及び第1受講者端末40において伴奏音源の再生が可能となる(S123、S124)。
【0039】
第1受講者端末30において、双方向動画通話システム20にて講師からリクエストのあった伴奏メニューが選択される。選択された伴奏メニューは、第1受講者端末40に接続された受講者側音声出力装置42から音源再生される。受講者は、再生された伴奏音源に合わせて歌唱を行い、伴奏音源及び歌唱は第2受講者端末90に入力されることになる。第2受講者端末90に入力された歌唱は、第2双方向通信回線60及び第1双方向通信回線50を介して、第2講師端末80から伴奏音源と共に再生されることになる。
【0040】
次に、オンラインボーカルレッスンのレッスン終了段階について説明する。第2講師端末80は、第1双方向通信回線50を介して、双方向動画通話システム20の通信を切断する(S131)。切断処理は、ページ内のボタン類で操作を行うか、もしくはブラウザやページを閉じることにより行う。双方向動画通話システム20は、第2講師端末80の退室処理を行う(S132)。第2受講者端末90は、第2双方向通信回線60を介して、双方向動画通話システム20の通信を切断する(S133)。双方向動画通話システム20は、第2受講者端末90の退室処理を行う(S134)。
【0041】
以上説明したように、第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラムでは、伴奏音源は第1受講者端末40の受講者側音声出力装置42から再生され、受講者は再生された伴奏音源に合わせて歌唱を行い、伴奏音源及び歌唱は第2受講者端末90の音声入力機能を通じて入力されることになる。伴奏音源は歌唱を行う受講者側で再生されるので、伴奏音源と歌唱とのレイテンシが生じない。受講者の歌唱は、第2双方向通信回線60を介して、第2講師端末80の音声出力機能を通じて伴奏音源と共に再生されることになる。例え、伴奏音源及び歌唱が講師側に届くまでに音響遅延(レイテンシ)が生じたとしても、伴奏音源及び歌唱が同時に遅れるので、不具合は生じない。
【0042】
したがって、第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100、ボーカルレッスン処理方法及びボーカルレッスン処理プログラムによれば、講師と受講者とがオンラインでボーカルレッスンを行う際に、講師と受講者との間で音響遅延が生じることなく、より対面でレッスンに近い臨場感でボーカルレッスンを受講することができるという優れた効果を発揮する。
【0043】
[第2実施形態]
〔第2実施形態のボーカルレッスンシステムの構成〕
次に、図8を参照して、本発明に係るボーカルレッスンシステムの第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図8に示すように、第2実施形態では、Web会議システム70、講師側音声入力装置33及び受講者側音声入力装置43を備えている点が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様に構成されている。
【0045】
Web会議システム70は、Web環境に接続された複数で動画及び音声通信が可能なコンピュータ装置であり、制御部(CPU及びメモリを含む)、HDDやSSD等の記憶装置71及び不図示のネットワークインタフェースを有する。Web会議システム70を構築するためのサーバーとしては、例えば、WebRTCサーバー等が挙げられる。記憶装置71にはWeb会議プログラムがインストールされている。Web会議システム70には、アクセスIDとパスワードが設定されており、アクセス権限を有する者のみがWeb会議システム70に入室することができる。
【0046】
講師側音声入力装置33は、第1講師端末30に接続されている。講師側音声入力装置33としてはマイクが挙げられるが、音の解像度が高く、ダイナミックマイクに比べて高音質なUSBコンデンサマイクを採用することが好ましい。
【0047】
受講者側音声入力装置43は、第1受講者端末40に接続されている。受講者側音声入力装置43としては、講師側音声入力装置33と同様に、USBコンデンサマイクを採用することが好ましい。
【0048】
〔第2実施形態のボーカルレッスンシステムの作用〕
次に、図8から図10を参照して、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200の作用とともに、本実施形態に係るボーカルレッスン処理方法について説明する。図9は、第2実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のフローチャートある。図10は、第2実施形態に係るボーカルレッスン処理方法のシーケンス図である。
【0049】
図8から図10に示すように、まず、第2実施形態のオンラインボーカルレッスンの準備段階について説明する。第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、Webサーバー10のホームページにアクセスして、伴奏アプリケーションを作動させる(S211)。次に、第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、Web会議システム70にアクセスして(S212)、入室リクエストを行う(S213)。Web会議システム70は、ID及びパスワードを確認して、入室処理を行う(S214)。さらに、第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60を介して、Webサーバー10の伴奏ホームページにアクセスして、伴奏アプリケーションを作動させる(S215)。第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60を介して、Web会議システム70にアクセスして(S216)、入室リクエストを行う(S217)。Web会議システム70は、ID及びパスワードを確認して、通信処理を行う(S218)。
【0050】
次に、第2講師端末80は、第2双方向通信回線50を介して、双方向動画通話システム20にアクセスして(S219)、入室リクエストを行う(S220)。双方向動画通話システム20は、ID及びパスワードを確認して、入室処理を行う(S221)。さらに、第2受講者端末90は、第2双方向通信回線60を介して、双方向動画通話システム20にアクセスして(S222)、入室リクエストを行う(S223)。双方向動画通話システム20は、ID及びパスワードを確認して、入室処理を行う(S224)。
【0051】
次に、第2実施形態のオンラインボーカルレッスンのレッスン処理段階について説明する。第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、Web会議システム70を通じて音源再生リクエストを行う(S231)。このリクエストを受けて、Web会議システム70は、同部屋の全員へ音源再生リクエストを送信する(S232)。これにより、第1講師端末30及び第1受講者端末40において伴奏音源の再生が可能となる(S233、S234)。
【0052】
第1受講者端末40において、Web会議システム70にて講師からリクエストのあった伴奏メニューが選択される。選択された伴奏メニューは、第1受講者端末40に接続された受講者側音声出力装置42から音源再生される。受講者は、再生された伴奏音源に合わせて歌唱を行い、伴奏音源及び歌唱は受講者側音声入力装置43に入力されることになる。受講者側音声入力装置43に入力された歌唱は、第2双方向通信回線60及び第1双方向通信回線50を介して、第1講師端末30の講師側音声出力装置32から伴奏音源と共に再生されることになる。
【0053】
また、第2講師端末80及び第2受講者端末90は第1双方向通信回線50及び第2双方向通信回線60を通じて双方向動画通話システム20に回線接続されているので、講師は動画交信により受講者の口の動きを確認することができる。なお、ハウリングや音声の重なりを防止するため、ボーカルレッスン時には第2講師端末80及び第2受講者端末90の音声入力機能はオフ状態に設定される。
【0054】
次に、第2実施形態のオンラインボーカルレッスンのレッスン終了段階について説明する。第1講師端末30は、第1双方向通信回線50を介して、Web会議システム70の通信を切断する(S241)。切断処理は、ページ内のボタン類で操作を行うか、もしくはブラウザやページを閉じることにより行う。Web会議システム70は、第1講師端末30の退室処理を行う(S242)。また、第2講師端末80は、第1双方向通信回線50を介して、双方向動画通話システム20の通信を切断する(S243)。双方向動画通話システム20は、第2講師端末80の退室処理を行う(S244)。
【0055】
第1受講者端末40は、第2双方向通信回線60を介して、Web会議システム70の通信を切断する(S245)。Web会議システム70は、第1受講者端末40の退室処理を行う(S246)。第2受講者端末90は、第2双方向通信回線60を介して、双方向動画通話システム20の通信を切断する(S247)。双方向動画通話システム20は、第2受講者端末90の退室処理を行う(S248)。
【0056】
以上説明したように、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200は、基本的には第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100と同様の作用効果を発揮する。特に、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200では、Web会議システム70を通じて伴奏音源及び歌唱をやり取りするので、講師は複数の受講者に対してレッスンを行うことができるという有利な効果を奏する。
【0057】
また、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200は、双方向動画通話システム20が第2講師端末80と第2受講者端末90との間で動画再生通話を行う機能を有するので、第2講師端末80及び第2受講者端末90を通じて、講師が受講者の姿勢や口の開き具合等の表情を確認することができる。したがって、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200によれば、第1講師端末30及び第1受講者端末40がWeb会議システム70を通じて音声の入力・再生処理を行い、第2講師端末80及び第2受講者端末90が双方向動画通話システム20を通じて動画交信を行うので、音声処理と動画再生処理とを別個の端末に分担することができ、端末の処理負荷を軽減することができるという有利な効果を奏する。
【0058】
なお、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200において、第1講師端末30に接続された講師側音声入力装置33の音声入力をオフ状態にし、第1受講者端末40に接続された受講者側音声入力装置43の音声入力をオフ状態にすると共に、第2講師端末80及び第2受講者端末90の音声入力機能及び音声出力機能をオン状態にすれば、第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100と同様の使い方ができる。その意味で、第2実施形態に係るボーカルレッスンシステム200は二通りの使い方ができ、汎用性に富むという有利な効果を奏する。
【0059】
[第3実施形態]
次に、図11を参照して、本発明に係るボーカルレッスンシステムの第3実施形態について説明する。図11は、第3実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付している。
【0060】
図11に示すように、第3実施形態では、第2講師端末80及び第2受講者端末90を備えていない点が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様に構成されている。
【0061】
第3実施形態では、第1講師端末30及び第1受講者端末40が、第1双方向通信回線50及び第2双方向通信回線60を介して、Webサーバー10にアクセスして伴奏アプリケーション15を操作すると共に、Web会議システム70を通してボーカルレッスンが行われる。
【0062】
即ち、第1受講者端末30において、Web会議システム70にて講師からリクエストのあった伴奏メニューが選択される。選択された伴奏メニューは、第1受講者端末40に接続された受講者側音声出力装置42から音源再生される。受講者は、再生された伴奏音源に合わせて歌唱を行い、伴奏音源及び歌唱は第1受講者端末40の受講者側音声入力装置43に入力されることになる。受講者側音声入力装置43に入力された歌唱は、第2双方向通信回線60及び第1双方向通信回線50を介して、第1講師端末30の講師側音声出力装置32から伴奏音源と共に再生されることになる。Web会議システム70は動画再生を行う機能を有するので、第1講師端末30及び第1受講者端末40を通じて、講師が受講者の姿勢や口の開き具合等の表情を確認することができる。
【0063】
以上説明したように、第3実施形態に係るボーカルレッスンシステム300は、基本的には第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100と同様の作用効果を発揮する。特に、第3実施形態に係るボーカルレッスンシステム300では、第2講師端末80及び第2受講者端末90を要しないので、オンラインによるボーカルレッスンに必要な設備費を軽減することができるという有利な効果を奏する。
【0064】
また、第3実施形態に係るボーカルレッスンシステム200では、第2実施形態と同様にWeb会議システム70を通じて伴奏音源及び歌唱をやり取りするので、講師は複数の受講者に対してレッスンを行うことができるという有利な効果を奏する。
【0065】
[第4実施形態]
次に、図12を参照して、本発明に係るボーカルレッスンシステムの第4実施形態について説明する。図12は、第4実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付している。
【0066】
図12に示すように、第4実施形態では、第1講師端末30が第1双方向通信回線50を介してWebサーバー10の記憶装置11にアクセスし、伴奏アプリケーションを操作する機能を有する点が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様に構成されている。
【0067】
即ち、第1講師端末30には、Webサーバー10にインストールされた伴奏アプリケーション15を操作可能な機能を有する操作部34を備えている。操作部34は、操作アプリケーションとして第1講師端末30にインストールされている。第1講師端末30は、第1受講者端末40が伴奏アプリケーション15にアクセスしていても、重複して当該伴奏アプリケーションにアクセスする権限を有する。
【0068】
第4実施形態に係るボーカルレッスンシステム400は、基本的には第1実施形態に係るボーカルレッスンシステム100と同様の作用効果を発揮する。特に、第4実施形態に係るボーカルレッスンシステム400によれば、講師が双方向動画通話システムやWeb会議システムを利用して指示を与えなくても、直接に伴奏アプリケーション15を操作することができるという有利な効果を奏する。
【0069】
[第5実施形態]
次に、図13を参照して、本発明に係るボーカルレッスンシステムの第5実施形態について説明する。図13は、第5実施形態に係るボーカルレッスンシステムのブロック図である。なお、第4実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付している。
【0070】
図13に示すように、第5実施形態では、第1講師端末30が第1双方向通信回線50を介してWebサーバー10にアクセスし、記憶装置11に格納された伴奏アプリケーション15の楽曲練習用伴奏ページ18に楽曲をアップロードする際に、楽曲伴奏音源を複数の音源に分割するアップロード処理プログラム19を有する点が第1実施形態と異なり、その他は第4実施形態と同様に構成されている。
【0071】
楽曲練習用伴奏ページ18には、例えば、楽曲が30分割された伴奏音源が展開される。楽曲のアップロードプログラムは以下の手順を有する。楽曲伴奏音源の総再生時間を測定する手順と、楽曲伴奏音源を予め設定された分割数で分割する手順と、分割伴奏音源の数に応じて再生ボタンを生成する手順と、を有する。以下、具体的に説明する。
【0072】
図14は、楽曲のアップロード処理プログラムのフローチャートである。図14に示すように、第1講師端末30は、Webサーバー10にアクセスして記憶装置11に伴奏音源ファイルをロードする(S510)。Webサーバー10のアップロード処理プログラム19は、伴奏音源ファイルのロード時間等から楽曲伴奏音源の総再生時間を割り出す(S520)。次に、アップロード処理プログラム19は、予め設定された分割数で楽曲伴奏音源を分割し、1分割伴奏音源当たりの秒数を割り出す(S530)。例えば、楽曲伴奏音源の総再生時間が135秒の伴奏音源ファイルで予め設定した分割数が30分割であれば、1分割伴奏音源あたりの秒数は4.5秒となる。なお、分割数は設定画面において、2以上の値で任意に設定可能である。
【0073】
次に、アップロード処理プログラム19は、分割伴奏音源の数に応じた数の音源再生ボタンを生成する(S540)。例えば、分割伴奏音源の数が30分割の場合、1、2、3、・・・29、30のように30個の音源再生ボタンを生成する。
【0074】
第1受講者端末40によっていずれかの再生ボタンが選択されると、その選択された再生ボタンの秒数の箇所に楽曲伴奏音源の再生位置をずらして再生を開始する。具体的には、Nが再生ボタンの番号、Sが1分割当たりの秒数とすると、選択された再生ボタンの再生位置は「(N-1)×S」の式で算出できる。例えば、再生ボタン「3」が選択され、1分割当たりの秒数が4.5秒の場合は、(3-1)×4.5=9秒の再生位置から伴奏音源が再生される。なお、第4実施形態において説明したように、再生ボタンの選択操作を第1講師端末30からも行うことができる。
【0075】
第5実施形態に係るボーカルレッスンシステム500によれば、楽曲伴奏音源を予め設定した数の分割伴奏音源を生成することができるという有利な効果を奏する。また、選択した再生ボタンに基づいて楽曲伴奏音源の再生位置を算出し、算出された再生位置から楽曲伴奏音源を再生することができ、受講者は所望の箇所から歌唱練習を行うことができるという有利な効果を奏する。楽曲を複数に分割したことにより、苦手な箇所を繰り返し練習することができ、効率良く歌唱練習を行うことができるという有利な効果を奏する。
【0076】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0077】
例えば、伴奏アプリケーション15において、楽曲練習の伴奏音源にフラッグを立てるようにして、伴奏のどこがAメロ、Bメロ、Cメロなのかが一目瞭然で分かるように構成してもよい。
【0078】
上記第5実施形態では、総伴奏音源を予め設定した分割数に基づいて分割しているが、予め設定した秒数に基づいて分割するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…Webサーバー
20…双方向動画通話システム
30…第1講師端末
32…講師側音声出力装置
33…講師側音声入力装置
40…第1受講者端末
42…受講者側音声出力装置
43…受講者側音声入力装置
50…第1双方向通信回線
60…第2双方向通信回線
70…Web会議システム
80…第2講師端末
90…第2受講者端末
100、200、300、400、500…ボーカルレッスンシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14