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特開2022-146722ローラ装置及びこれを用いた運動変換機構
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  • 特開-ローラ装置及びこれを用いた運動変換機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146722
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ローラ装置及びこれを用いた運動変換機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/28 20060101AFI20220928BHJP
   F16H 25/14 20060101ALI20220928BHJP
   B21K 27/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
F16H21/28
F16H25/14
B21K27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047836
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100198247
【弁理士】
【氏名又は名称】並河 伊佐夫
(72)【発明者】
【氏名】北野 巧也
(72)【発明者】
【氏名】浦西 伸生
【テーマコード(参考)】
3J062
4E087
【Fターム(参考)】
3J062AA22
3J062AB27
3J062AB31
3J062AC07
3J062BA22
3J062CC13
3J062CC25
3J062CC33
4E087AA10
4E087EA32
4E087FA04
4E087FA07
(57)【要約】
【課題】カム面と当接するローラ外面の位置を容易に調整することができるローラ装置を提供する。
【解決手段】ローラ装置30は相手部材としてのカム14に当接して回転するローラ20と、ローラ20を支持する軸体32であって、軸方向の中央に形成されたローラ取付部38を両端部に共通の中心軸として規定された基準軸Oから偏心させた軸体32と、軸体32の両端部がそれぞれ挿入される取付穴46,47を有するブラケット45と、ブラケット45の取付穴46,47に軸体32の端部を固定する固定手段と、を備えている。ローラ装置30は、ブラケット45に対する軸体32の相対回転に基づいて、所定方向における取付穴46,47からローラ20の外面20aまでの距離が調整可能に構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手部材としてのカムに当接して回転するローラと、
前記ローラを支持する軸体であって、軸方向の中央に形成されたローラ取付部を両端部に共通の中心軸として規定された基準軸から偏心させた軸体と、
前記軸体の両端部がそれぞれ挿入される取付穴を有するブラケットと、
前記ブラケットの取付穴に前記軸体の端部を固定する固定手段と、
を備え、
前記ブラケットに対する前記軸体の相対回転に基づいて、所定方向における前記取付穴から前記ローラの外面までの距離が調整可能に構成されている、ローラ装置。
【請求項2】
前記固定手段が、
前記軸体の端部に形成された先細りのテーパ部と、
前記軸体の端部に形成され軸方向に延びるねじ部と、
前記軸体の端部と前記取付穴の内周面との間に配設された断面が楔形状のスリーブ部材と、
前記ねじ部と螺合した状態で前記スリーブ部材を軸方向に押圧する固定力調整部材と、
を備えている、請求項1に記載のローラ装置。
【請求項3】
前記軸体の端部に形成された前記ねじ部は雌ねじ部であって、該雌ねじ部は軸直交方向において前記テーパ部と重複する位置に形成され、
前記固定力調整部材には前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成されている、請求項2に記載のローラ装置。
【請求項4】
駆動軸周りに回転するカムと、該カムのカム面に当接するローラ部とを備え、前記駆動軸の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構であって、
前記ローラ部が請求項1~3の何れかに記載のローラ装置を用いて構成されている、運動変換機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カムに当接させて用いられるローラ装置及びこれを用いた運動変換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイ及びパンチを備えた鍛造加工部が水平方向に複数並設された多段式鍛造プレス機には、ワークを挟持して次工程の鍛造加工部に搬送するトランスファ装置が設けられている。トランスファ装置において駆動源の回転運動を所望の直線運動に変換する機構として、揺動可能なレバーの一端に設けたローラをカムの外周面(カム面)上に圧接させた構成のものが一般的に採用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
図7はその一例を示した図で、カム100のカム面100a上にローラ102を圧接させた状態を示している、なお、104は支軸105周りに揺動する揺動レバーである。同図で示すようにカム面100aとローラ102との当接により揺動レバー104の位置が規定されている。
【0004】
このような運動変換機構においては、図7において2点鎖線で示すように、摩耗により、また平滑化のための修正によりカム面100aが削られて、新たなカム面100a'となった場合、新たなカム面100a'に対応可能なローラ径を決定した上で、素材から新たなローラ102'を作製して、揺動レバー104に取り付けなければならず、その調整作業に時間を要していた。特に、1つの機構で複数のカムを有する構造においては、1個のカムの動作が他のカムの動作に影響を及ぼす為、各カムの調整が非常に難しい。このため本機構が2つのカムを有する場合には、調整作業に多大な時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-78791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、カム面と当接するローラ外面の位置を容易に調整することができるローラ装置及びこれを用いた運動変換機構を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而して本発明のローラ装置は、相手部材としてのカムに当接して回転するローラと、
前記ローラを支持する軸体であって、軸方向の中央に形成されたローラ取付部を両端部に共通の中心軸として規定された基準軸から偏心させた軸体と、
前記軸体の両端部がそれぞれ挿入される取付穴を有するブラケットと、
前記ブラケットの取付穴に前記軸体の端部を固定する固定手段と、
を備え、
前記ブラケットに対する前記軸体の相対回転に基づいて、所定方向における前記取付穴から前記ローラの外面までの距離が調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
このように規定された本発明のローラ装置によれば、ブラケットの取付穴からカム面と当接するローラ外面までの距離が、軸体が有する偏心量と、ローラの外径とで規定される。このため、ローラ自体の径を変更することなく、取付穴に挿入された軸体を相対回転させ、カム面方向の偏心量を変化させることで、カム面と当接するローラ外面の位置を容易に調整することができる。
【0009】
また本発明のローラ装置では、前記固定手段を、
前記軸体の端部に形成された先細りのテーパ部と、
前記軸体の端部に形成され軸方向に延びるねじ部と、
前記軸体の端部と前記取付穴の内周面との間に配設された断面が楔形状のスリーブ部材と、
前記ねじ部と螺合した状態で前記スリーブ部材を軸方向に押圧する固定力調整部材と、
を備える構成とすることができる。
【0010】
このようにすることで、固定力調整部材に対する回転操作に基づいて、所望の角度まで回転させた状態の軸体を取付穴に対して回転不能に固定することができる。
【0011】
ここで本発明のローラ装置では、前記軸体の端部に形成された前記ねじ部を雌ねじ部とし、該雌ねじ部を軸直交方向において前記テーパ部と重複する位置に形成し、
前記固定力調整部材に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を形成することができる。
このようにすることで、ローラ装置の軸方向寸法を抑えることができる。例えば、固定手段をブラケット内に収めることが可能となり、周囲物との干渉を防止することができる。
【0012】
本発明の運動変換機構は、駆動軸周りに回転するカムと、該カムのカム面に当接するローラ部とを備え、前記駆動軸の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構であって、
前記ローラ部が本発明のローラ装置を用いて構成されていることを特徴とする。
このように規定された本発明の運動変換機構によれば、上述の本発明のローラ装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の一実施形態のローラ装置を含んで構成されたトランスファ装置の概略構成図である。
図2図2は同ローラ装置の断面図である。
図3図3は同ローラ装置を構成部品に分解して示した断面図である。
図4図4は同ローラ装置を構成部品に分解して示した斜視図である。
図5図5図2のV-V断面における基準軸に対するローラ外面の位置を模式的に示した図である。
図6図6は同ローラ装置の作用説明図である。
図7図7は従来の運動変換機構の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の一実施形態のローラ装置及びこれを用いた運動変換機構を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明の一実施形態のローラ装置を含んで構成されたトランスファ装置の概略構成図である。同図において、1は図示を省略するダイ及びパンチを備えた鍛造加工部が水平方向に複数並設された多段式鍛造プレス機に備えられたトランスファ装置で、ワークWを挟持して略水平方向に位置する次工程の鍛造加工部に搬送するものである。
【0015】
トランスファ装置1は、開閉可能な一対の把持爪4,4を有する上クランパ6と、爪間距離が固定された一対の固定爪8,8を有する下クランパ10と、を備え、これら四つの爪4,4,8,8でワークWを把持するように構成されている。
【0016】
トランスファ装置1は、上記クランパ6及び10を隣の鍛造加工部に向けて水平方向に移動させるための移動機構13を備えている。移動機構13は、駆動軸15、カム14,16、揺動レバー18、連結部材22、互いに平行に配置された上スライドバー24及び下スライドバー25等で構成された、駆動軸15の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構である。
【0017】
カム14,16は駆動軸15に固設されており、図示を省略する駆動手段により駆動軸15が回転すると駆動軸15とともに回転する。
【0018】
揺動レバー18は、図中下向きに延びた先の端部にカム14のカム面(外周面)14aに当接するローラ20を有し、また図中左向きに延びた先の端部にカム16のカム面16bに当接するローラ20Bを有している。これらローラ20,20Bは図示を省略する付勢手段によって適宜カム面14a,16bの側に付勢されており、ローラとカム面とが適宜圧接するように図られている。そしてカム14及び16が駆動軸15の回転を受けて回転すると、所定のタイミングでローラ20がカム14のカム面14a上を転動し、またローラ20Bがカム16のカム面16b上を転動し、揺動レバー18自身は支軸19周りに揺動する。一方、揺動レバー18の上向きに延びた先の端部は連結部材22に連結されている。
【0019】
スライドバー24,25のうち、一方の上スライドバー24には複数の上クランパ6が並設された上クランプベース26が固定され、他方のスライドバー25には複数の下クランパ10が並設された下クランプベース27が固定されている。これらスライドバー24,25は互いに平行に配置された状態でガイド部材29により、水平方向に移動可能に支持されるとともに、連結部材22によって一体的に移動するように連結されている。
【0020】
このように構成されたトランスファ装置1では、カム14,16が回転するとその回転運動は揺動レバー18によって水平方向の直線往復運動に変換されて一対のスライドバー24,25に伝達され、これら一対のスライドバー24,25が一体的に水平方向に移動する。これによりワークWを把持するクランパ6,10もまた並設された鍛造加工部の間を水平方向に移動することとなる。
【0021】
上記トランスファ装置1の移動機構13においては、カム14に当接するローラ20を含む部位、及び、カム16に当接するローラ20Bを含む部位のそれぞれに本実施形態のローラ装置30が用いられている。以下ではローラ20を含む部位に用いられたローラ装置を例に、ローラ装置の構成を詳しく説明する。図2はローラ20を含む部位に用いられたローラ装置30の断面図、図3および図4はローラ装置30を構成部品に分解して示した断面図及び斜視図である。
図2で示すように、ローラ装置30は、カム14に当接して回転するローラ20、軸体32、ブラケット45、一対のスリーブ部材50,51および固定力調整部材60,61を備えている。
【0022】
ブラケット45は対向配置された板状部材45a,45bを含んで構成され、軸体32の両端部がそれぞれ挿入させる一対の取付穴46,47が同軸状に形成されている。2つの取付穴46,47は径が異なっており、図中左側の取付穴46の径が大で、図中右側の取付穴47の径が小とされている。
【0023】
軸体32は、ローラ20の内径部を軸方向に貫通する軸孔21に挿通させて、ローラ20を支持する棒状の部材である。その両端部には共通の中心軸として規定された基準軸O周りに回転対称な形状とされたテーパ部33,34、詳しくは軸方向の先端側に向かうにつれて径方向寸法が小さくなる先細りのテーパ部33,34が形成されている。テーパ部33,34は基端(ローラ取付部38側)の径(外径)が異なっており、図中左側の第1のテーパ部33は基端の径が大で、図中右側の第2のテーパ部34は基端の径が小とされている。軸体32の内部には軸方向に貫通する貫通穴35が形成されている。その両端部にはそれぞれ軸方向に延びる雌ねじ部36,36が形成されている。
なお、第1のテーパ部33の端面には小径のピン孔37,37が形成されている。ピン孔37,37は、ブラケット45の取付穴46,47に挿入された軸体32を固定する際の位置決めで使用される。
【0024】
軸体32の軸方向の中央には円柱形状のローラ取付部38が形成されている。図2で示すように、ローラ20はこのローラ取付部38に外嵌した状態で支持される。ローラ取付部38は、その中心軸O1が基準軸Oに対して図中の上方側に偏心するように形成されている。本例では偏心量δとして1mmを例示することができる。
【0025】
図5図2のV-V断面における基準軸Oに対するローラ外面20aの位置を模式的に示した図である。同図では、基準軸Oに対してローラ取付部38が偏心量δだけ図中の上方側に偏心させた場合のローラ外面20aの位置が実線で示され、この状態から基準軸O周りに軸体32を180°回転させた場合のローラ外面20aの位置が2点鎖線で示されている。このように軸体32を基準軸O周りに回転させることで基準軸Oからローラ外面20aまでの距離を2δの範囲内で調整することができる。
【0026】
この軸体32において、ローラ取付部38の径と第2のテーパ部34の基端の径を比較すると、ローラ取付部38の径が大、第2のテーパ部34の基端の径が小で、図4で示すように、第2のテーパ部34とローラ取付部38との境界には全周に亘って第2のテーパ部34側を向いた段差面39が形成されている。
また、ローラ取付部38の径と第1のテーパ部33の基端の径を比較すると、第1のテーパ部33の基端の径が大、ローラ取付部38の径が小で、第1のテーパ部33とローラ取付部38との境界には図中の上部を除いて略全周に亘ってローラ取付部38側を向いた段差面40が形成されている。
【0027】
次に、スリーブ部材50,51は、断面が楔形状、詳しくは断面略直角三角形の筒状部材である。スリーブ部材50,51は、軸体32の端部とブラケット45の取付穴46,47の内周面との間に配設された状態で、取付穴46,47の内周面と対向する外周面53と、テーパ部33,34の外周面に対向する傾斜状の内周面54と、軸体32の軸方向と直交する端面55とを有している。
また図4で示すように、スリーブ部材50,51には周方向の4箇所に、断面視で板厚が薄い先端から板厚が厚い基端側にかけてスリット27が形成されている。詳しくは先端から基端まで貫通する長いスリット27aが1つ形成され、基端に達していない短いスリット27bが3つ形成されている。これらスリット27a及び27bによってスリーブ部材50,51の先端側は径方向に撓みやすくなっている。
【0028】
固定力調整部材60,61は、雄ねじ部63と雄ねじ部63の一端側に設けられたフランジ部64を備えたボルト状の部材である。但し、固定力調整部材60と61ではフランジ部64の径が異なっている。図2で示すように、大径の取付穴46内に収容される固定力調整部材60はフランジ部64の径が大で、小径の取付穴47内に収容される固定力調整部材61はフランジ部64の径が小とされている。
【0029】
図2で示すように、固定力調整部材60,61はそれぞれ軸体32の雌ねじ部36,36と螺合した状態で、そのフランジ部64がスリーブ部材50,51の基端側の端面55に当接して、ねじ送りの動作にともなってスリーブ部材50,51を軸方向に押圧するように構成されている。即ち、フランジ部64は本発明の押圧部を構成する。
なおフランジ部64の雌ねじ部36とは反対側の面には、固定力調整部材60,61をねじ送りする際に使用される六角穴66が形成されている。
【0030】
以上のようにローラ装置30では、軸体32の端部に形成されたテーパ部33,34と、軸体32の端部に形成された雌ねじ部36,36と、軸体32の端部と取付穴46,47の内周面との間に配設されたスリーブ部材50,51と、雌ねじ部36,36と螺合した状態でスリーブ部材50,51を軸方向に押圧する固定力調整部材60,61を含んで、軸体32をブラケット45に固定する固定手段が構成されている。
を備えている、
【0031】
かかる固定手段によれば、図2で示すようにローラ装置30が組付けられた状態で、固定力調整部材60,61のねじ込み量を変えることで、軸体32とブラケット45との固定力を変化させることが可能である。固定力調整部材60,61のねじ込み量が少ない場合、ブラケット45に対する軸体32の相対回転が許容される。その状態から固定力調整部材60,61を更に軸体32の中央に向けてねじ込んだ場合には、スリーブ部材50,51が取付穴46,47の内周面と軸体32の端部との間に強く押し込まれて、軸体32が回転不能に固定される。
【0032】
以上のように構成された本実施形態のローラ装置30によれば、ブラケット45の取付穴46,47からカム面と当接するローラ外面20aまでの距離が、軸体32が有する偏心量と、ローラ20の外径とで規定される。このため、例えば図6において2点鎖線で示すように、摩耗により、また平滑化のための修正によりカム14のカム面14aが削られた場合であっても、軸体32を相対回転させ、カム面方向の偏心量を変化させることで、カム面14aと当接するローラ外面20aの位置を実線で表す位置から2点鎖線で表す位置に、容易に調整することができる。
【0033】
そしてローラ外面20aの位置が調整された後は、固定力調整部材60,61を軸体32の中央に向けてねじ込むことで、軸体32をブラケット45に対し回転不能に固定することができる。
【0034】
本実施形態のローラ装置30では、軸体32の端部のテーパ部33,34と軸直交方向において重複する位置に雌ねじ部36,36を形成し、固定力調整部材60,61に雌ねじ部36,36と螺合する雄ねじ部63,63を形成することで、ローラ装置30の軸方向寸法が抑えられており、固定手段をブラケット45内に収めることが可能となり、周囲物との干渉を防止することができる。
【0035】
以上本発明のローラ装置および運動変換機構について詳しく説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ローラ装置における固定手段については軸体側に雄ねじ部を設け、固定力調整部材をナットで構成することも可能である。また、本発明のローラ装置を用いて構成される運動変換機構は、トランスファ装置の移動機構以外の運動変換機構に適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0036】
13 移動機構(運動変換機構)
14,16 カム
18 揺動レバー
20,20B ローラ
30 ローラ装置
32 軸体
33,34 テーパ部
36 雌ねじ部
38 ローラ取付部
45 ブラケット
46,47 取付穴
50,51 スリーブ部材
60,61 固定力調整部材
63 雄ねじ部
64 フランジ部(押圧部)
O 基準軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7