(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146787
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】環境再現制御装置および環境再現制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20220928BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047945
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前野 晃輝
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE02
2F129EE67
2F129EE78
2F129EE94
2F129EE96
2F129FF59
2F129GG17
2F129GG24
2F129HH12
2F129HH20
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車両の走行中に、車内または車両の周辺の環境を再現すること。
【解決手段】環境再現制御装置としての制御部40は、車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部41と、搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出の有無を判定する感情判定部43と、印象深い感情が検出されたときの、車両の車内および車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する思い出環境情報記憶部22と、位置情報と環境情報とに基づいて、現在位置が、思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する再現判定部51と、再現判定部51の判定結果に基づいて、位置情報に関連付けられた思い出環境情報を再現する再現制御部52と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出の有無を判定する感情判定部と、
前記印象深い感情が検出されたときの、前記車両の車内および前記車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する思い出環境情報記憶部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、前記思い出環境情報記憶部が記憶した前記思い出環境情報とに基づいて、前記現在位置が、前記思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する再現判定部と、
前記再現判定部の判定結果に基づいて、前記位置情報に関連付けられた前記思い出環境情報を再現する再現制御部と、
を備える、環境再現制御装置。
【請求項2】
前記生体情報は、前記搭乗者の顔の表情、体温、脈拍、および、呼吸の少なくともいずれかに関連した情報である、
請求項1に記載の環境再現制御装置。
【請求項3】
前記思い出環境情報は、前記車内において再生中の楽曲情報、前記車内で収音した音声データ、前記車内の温度情報、前記車内の明るさ情報、前記車内の匂い情報、前記車両の周辺を収音した音声データ、前記車両の周辺を撮影した映像データ、および、前記車内を撮影した映像データの少なくともいずれかを含む、
請求項1または2に記載の環境再現制御装置。
【請求項4】
前記感情判定部は、感情の種別ごとに判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の環境再現制御装置。
【請求項5】
車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出を判定する感情判定ステップと、
前記印象深い感情が検出されたときの、前記車両の車内および前記車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、前記位置情報取得ステップによって取得された前記位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する思い出環境情報記憶ステップと、
前記位置情報取得ステップによって取得された前記位置情報と、前記思い出環境情報記憶ステップによって記憶された前記思い出環境情報とに基づいて、前記現在位置が、前記思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する再現判定ステップと、
前記再現判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記位置情報に関連付けられた前記思い出環境情報を再現する再現制御ステップと、
を含む、環境再現制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境再現制御装置および環境再現制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
搭乗者の記憶を思い出させる効果がある音楽や画像のデータ(思い出情報)を日時情報と位置情報とに関連させてナビゲーション装置に記憶しておき、現在位置がその位置に近づいたことを判定すると、思い出情報を提示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車内または車両の周辺の様々な環境が、車両の搭乗者にとって、印象深い思い出となることがある。そこで、同じ場所を走行した際に、車内または車両の周辺の様々な環境を再現することによって、搭乗者が当時を思い出しやすくすることが望まれる。
【0005】
本発明は、車両の走行中に、車内または車両の周辺の環境を再現することができる環境再現制御装置および環境再現制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の環境再現制御装置は、車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出の有無を判定する感情判定部と、前記印象深い感情が検出されたときの、前記車両の車内および前記車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報に関連付けて記憶する思い出環境情報記憶部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、前記思い出環境情報記憶部が記憶した前記思い出環境情報とに基づいて、前記現在位置が、前記思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する再現判定部と、前記再現判定部の判定結果に基づいて、前記位置情報に関連付けられた前記思い出環境情報を再現する再現制御部と、を備える。
【0007】
本発明の環境再現制御方法は、車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出を判定する感情判定ステップと、前記印象深い感情が検出されたときの、前記車両の車内および前記車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、前記位置情報取得ステップによって取得された前記位置情報に関連付けて記憶する環境情報記憶ステップと、前記位置情報取得ステップによって取得された前記位置情報と、前記思い出記環境情報記憶ステップによって記憶された前記思い出環境情報とに基づいて、前記現在位置が、前記思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する再現判定ステップと、前記再現判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記位置情報に関連付けられた前記思い出環境情報を再現する再現制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の走行中に、車内または車両の周辺の環境を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る環境再現装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、思い出環境情報の登録処理を説明するフロー図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る環境再現制御装置における登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、思い出環境情報の再現処理を説明するフロー図である。
【
図5】
図5は、環境再現制御装置における思い出環境情報の再現処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、思い出環境情報の登録処理を説明する概略図である。
【
図7】
図7は、思い出環境情報の再現処理を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る環境再現制御装置および環境再現制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。本実施形態では、環境再現装置1は、ナビゲーションシステムを備えた車両に搭載されるものとして説明する。
【0011】
[実施形態]
<環境再現装置>
図1は、本発明の実施形態に係る環境再現装置1の構成の一例を示すブロック図である。環境再現装置1は、車両の走行中に、印象深い感情が検出されたときに、そのときの車内または車両の周辺の環境を再現する思い出環境情報を、そのときの位置情報に関連付けて記憶する。環境再現装置1は、車両の走行中に、思い出環境情報が関連付けられた地域を通過する際に、位置情報に関連付けられた車内または車両の周辺の環境を再現する。環境再現装置1は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部11と、センサ12と、入力部13と、出力部14と、地図情報記憶部21と、思い出環境情報記憶部22と、制御部(環境再現制御装置)40とを備える。
【0012】
環境情報とは、車内または車両の周辺の環境を再現する情報である。環境情報とは、例えば、車内において再生中の楽曲情報、車内で収音した音声データ、車内の温度情報、車内の明るさ情報、車内の匂い情報、車両の周辺で収音した音声データ、車両の周辺の景色を撮影した映像データ、および、車内を撮影した映像データの少なくともいずれかを含む。環境情報とは、これらに限定されず、車両の搭乗者の思い出の想起を支援する情報を含む。
【0013】
GNSS受信部11は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部11は、受信したGNSS信号を位置情報取得部41に出力する。
【0014】
センサ12は、搭乗者の生体情報を検出可能な各種センサである。センサ12は、搭乗者の感情を検出可能なデータを検出する。センサ12は、搭乗者の顔の表情、体温、脈拍、および、呼吸の少なくともいずれかを含む生体情報を検出可能なデータを取得する各種センサである。センサ12は、例えば、搭乗者の顔の表情を撮影する車内カメラである。センサ12は、例えば、搭乗者の体温を示す体温情報、搭乗者の脈拍を示す脈拍情報、および、搭乗者の呼吸数などを示す呼吸情報の少なくともいずれかを含む各種生体情報を検出可能な生体センサである。センサ12は、複数種類を有してもよい。センサ12は、ネットワークを介した携帯用電子機器を含む外部装置でもよい。センサ12は、車両の起動中、または、後述する思い出環境の登録処理が実行されている間、データを検出する。センサ12は、検出したセンサデータを検出部42へ出力する。
【0015】
入力部13は、車内または車両の周辺の環境を示す環境情報を入力する入力装置である。入力部13は、例えば、車内において楽曲を再生するカーオーディオである。入力部13は、例えば、車内において再生中の楽曲の音声データを制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車内において再生中の楽曲のタイトルおよびアーティスト名などを含む楽曲情報を制御部40に入力してもよい。入力部13は、例えば、車内において再生中の楽曲の音声を収音するマイクである。入力部13は、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる雨などの音声を収音するマイクである。入力部13は、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる音声の音声データを制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車内の温度を検出する温度センサである。入力部13は、例えば、車内の温度情報を制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車内の明るさを検出する照度センサである。入力部13は、例えば、車内の明るさ情報を制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車内の匂いを検出する匂いセンサである。入力部13は、例えば、車内の匂い情報を制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車内を撮影する車内カメラである。入力部13は、例えば、車内を撮影した映像データを制御部40に入力する。入力部13は、例えば、車両の周辺を撮影する車外カメラである。入力部13は、例えば、車両の周辺を撮影した映像データを制御部40に入力する。入力部13は、複数種類を有してもよい。入力部13は、ネットワークを介した携帯用電子機器を含む外部装置でもよい。入力部13は、例えば、搭乗者が車両に持ち込んだ携帯用電子機器によって、外部から受信した気温情報を用いてもよい。入力部13は、各種入力情報を環境情報取得部44へ出力する。入力部13は、車両の起動中、または、後述する思い出環境の登録処理が実行されている間、入力情報を出力する。
【0016】
出力部14は、思い出環境情報に基づいて、車内または車両の周辺の環境を再現する出力装置である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内において楽曲を再生するカーオーディオである。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる雨などの音声を再生するスピーカである。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の温度が再現されるように車内の温度を調節する空調部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の明るさが再現されるように車内の明るさを調節する照明部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の匂いを再現する芳香調節部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者を映像として表示する表示部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者をホログラムとして投影する投影部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色を映像として表示する表示部である。出力部14は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色をホログラムとして投影する投影部である。出力部14は、複数種類を有してもよい。出力部14は、ネットワークを介した携帯用電子機器を含む外部装置でもよい。出力部14は、再現制御部52からの制御信号によって再現を行う。
【0017】
地図情報記憶部21は、道路と、道路同士を接続する接続点である結節点との情報を含む地図情報を記憶する。地図情報記憶部21は、一例としてはナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用するものである。地図情報記憶部21は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0018】
所定区間は、道路と、道路同士の接続点である結節点とによって規定される。本実施形態では、所定区間とは、結節点と結節点とを結ぶ区間をいう。所定区間とは、隣接する結節点と結節点とを結ぶ区間でもよいし、隣接していない結節点を結ぶ区間でもよい。隣接する結節点と結節点とを結ぶ区間を、リンクという。所定区間とは、1本の道路と、その道路上の2つの結節点とによって規定される。
【0019】
地図情報は、思い出環境情報記憶部22に思い出環境情報が登録された位置に、思い出フラグを設定するようにしてもよい。より詳しくは、例えば、地図情報には、思い出環境情報が関連付けられている地域について、思い出フラグをONにする。例えば、地図情報には、思い出環境情報が関連付けられている所定区間について、思い出フラグをONにしてもよい。
【0020】
思い出環境情報記憶部22は、印象深い感情が検出されたときの、環境情報を思い出環境情報として記憶する。より詳しくは、思い出環境情報記憶部22は、印象深い感情が検出されたときの、車両の車内および車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を、位置情報取得部41が取得した位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する。思い出環境情報記憶部22は、例えば、搭乗者が喜んだときの、車両の周辺から聞こえる雨などの音声および車内の明るさを含む環境情報をそのときの位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する。思い出環境情報記憶部22は、例えば、搭乗者が楽しさを感じたときの、車内で再生されていた音楽、車内の匂いおよび車内の温度を含む環境情報をそのときの位置情報に関連付けて思い出環境情報として記憶する。思い出環境情報記憶部22は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0021】
思い出環境情報記憶部22は、道路上の所定区間に関連付けて、思い出環境情報を登録してもよい。この場合、思い出環境情報は、道路上の地点ではなく、所定区間に対応付けられる。
【0022】
<環境再現制御装置>
制御部(環境再現制御装置)40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や映像処理用プロセッサなどで構成された演算処理装置である。制御部40は、記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部40は、位置情報取得部41と、検出部42と、感情判定部43と、環境情報取得部44と、登録制御部45と、再現判定部51と、再現制御部52とを有する。制御部40には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部40におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部40は、一または複数の装置で構成されていてもよい。
【0023】
位置情報取得部41は、車両の搭乗者の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部41は、例えばGNSS受信部11からのGNSS信号に基づいて位置情報を取得する。位置情報取得部41は、取得した位置情報を登録制御部45に出力する。
【0024】
検出部42は、搭乗者の生体情報を検出する。検出部42は、センサ12が取得した生体情報を取得する。より詳しくは、検出部42は、搭乗者の顔の表情、体温、脈拍、および、呼吸の少なくともいずれかを含む生体情報を検出する。検出部42は、例えば、搭乗者の顔の表情を撮影した映像データから、搭乗者の顔の表情を検出する。映像データから顔の表情を検出する方法は公知の方法を使用可能であり限定されない。検出部42は、例えば、搭乗者の体温を示す体温情報、搭乗者の脈拍を示す脈拍情報、および、搭乗者の呼吸数などを示す呼吸情報の少なくともいずれかを含む各種生体情報を検出する。センサ12は、検出した生体情報を感情判定部43へ出力する。
【0025】
感情判定部43は、搭乗者の生体情報に基づいて、搭乗者の感情を判定する。より詳しくは、感情判定部43は、搭乗者の生体情報の変化に基づいて、印象深い感情の検出の有無を判定する。
【0026】
印象深い感情とは、喜び、怒り、悲しみ、楽しさ、および、くつろぎ感などの感情である。印象深い感情とは、後から思い出したいと思うような感情としてもよい。印象深い感情とは、搭乗者が日常で感じる、印象深い思い出となるような出来事が起きたときなどに感じる感情としてもよい。印象深い感情とは、搭乗者が日常で感じることがない、特に印象深い思い出となるような出来事が起きたときなどに感じる感情としてもよい。
【0027】
感情判定部43は、所定期間における搭乗者の生体情報の変化量が閾値以上である場合、印象深い感情が検出されたと判定する。例えば、感情判定部43は、所定期間において、搭乗者の顔のいずれかの部位の面積または位置の変化量が閾値以上である場合、印象深い感情が検出されたと判定する。例えば、感情判定部43は、所定期間において、搭乗者の口が大きく開かれて面積の変化量が閾値以上である場合、印象深い感情が検出されたと判定する。例えば、感情判定部43は、所定期間において、搭乗者が笑顔になり口角の位置の変化量が閾値以上である場合、印象深い感情が検出されたと判定する。例えば、感情判定部43は、所定期間において、搭乗者の体温、脈拍、および、呼吸数の少なくともいずれかの変化量が閾値以上である場合、印象深い感情が検出されたと判定する。
【0028】
本実施形態では、感情判定部43は、喜び、怒り、悲しみ、楽しさ、および、くつろぎ感のような感情の種別ごとに判定してもよい。生体情報に基づいて、感情を判定する方法は公知の方法を使用可能であり限定されない。感情判定部43は、例えば、喜び、楽しさおよびくつろぎ感などのよい感情を判定し、怒りおよび悲しみなどよくない感情は判定の対象外としてもよい。
【0029】
環境情報取得部44は、車内または車両の周辺の環境を示す環境情報を取得する。より詳しくは、環境情報取得部44は、入力部13から環境情報を取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内において再生中の楽曲の音声データをカーオーディオである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内において再生中の楽曲のタイトルおよびアーティスト名などを含む楽曲情報をカーオーディオである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内において再生中の楽曲の音声を収音するマイクである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる音声の音声データをマイクである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内の温度情報を温度センサである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内の明るさ情報を照度センサである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内の匂い情報を匂いセンサである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車内を撮影した映像データを車内カメラである入力部13から取得する。環境情報取得部44は、例えば、車両の周辺を撮影した映像データを車外カメラである入力部13から取得する。
【0030】
登録制御部45は、位置情報取得部41が取得した位置情報と、環境情報取得部44が取得した環境情報とに基づいて、思い出環境情報記憶部22に思い出環境情報を記憶する。登録制御部45は、取得した思い出環境情報を、車両の位置情報に関連付けて、思い出環境情報記憶部22に記憶する。登録制御部45は、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出環境情報が関連付けられている地域について、思い出フラグをONにする。
【0031】
登録制御部45は、取得した環境情報を、地図情報記憶部21が記憶する地図情報の道路の所定区間に関連付けて、思い出環境情報記憶部22に記憶してもよい。登録制御部45は、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出環境情報が関連付けられている所定区間について、思い出フラグをONにする。
【0032】
再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出環境を再現する地域であるか否かを判定する。車両の現在位置が、以前、搭乗者の印象深い感情が検出された地位域であるか否かを判定する。より詳しくは、再現判定部51は、位置情報取得部41が取得した位置情報と、思い出環境情報記憶部22が記憶した思い出環境情報とに基づいて、車両の現在位置が、思い出環境情報が記憶された地域に位置するか否かを判定する。この場合、再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられている位置情報を含む地域に含まれるか否かを判定する。本実施形態では、再現判定部51は、車両の現在位置が、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出フラグがONにされている地域に位置するか否かを判定する。再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出フラグがONにされている地域に位置する場合、思い出環境情報が記憶された地域に位置すると判定する。
【0033】
位置情報を含む地域とは、例えば、位置情報の地点を中心とした所定半径の範囲内、位置情報が示す地点と同じ市区町村内、などのことである。
【0034】
本実施形態では、再現判定部51は、位置情報取得部41が取得した位置情報と、思い出環境情報記憶部22に記憶された思い出環境情報とに基づいて、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられた所定区間に位置するか否かを判定してもよい。この場合、再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられている所定区間に含まれるか否かを判定する。再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられている結節点と結節点との間の道路であるか否かを判定する。本実施形態では、再現判定部51は、車両の現在位置が、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出フラグがONにされている所定区間に含まれるか否かを判定する。再現判定部51は、車両の現在位置が、思い出フラグがONにされている所定区間に含まれる場合、思い出環境情報が記憶された所定区間に位置すると判定する。
【0035】
再現制御部52は、思い出環境情報記憶部22に記憶されている思い出環境情報を出力部14によって再現する。再現制御部52は、再現判定部51の判定結果に基づいて、思い出環境情報の再現を制御する。再現制御部52は、例えば、再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられている地域に含まれると判定される場合、思い出環境情報を再現するよう制御する。本実施形態では、再現制御部52は、例えば、再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出環境情報が関連付けられている所定区間に含まれると判定される場合、思い出環境情報を再現するよう制御してもよい。
【0036】
より詳しくは、再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内において楽曲を再生するようカーオーディオである出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内において楽曲を再生する制御信号を、カーオーディオである出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる雨などの音声を再生するようスピーカである出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の会話または車両の周辺から聞こえる雨などの音声を再生する制御信号を、スピーカである出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の温度が再現されるように空調部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の温度が再現されるように調節する制御信号を、空調部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば車内の明るさが再現されるように照明部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の明るさが再現されるように調節する制御信号を、照明部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の匂いを再現するよう芳香調節部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の匂いを再現する制御信号を、芳香調節部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者を映像として表示するよう表示部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者を映像として表示する映像信号を、表示部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者をホログラムとして投影するよう投影部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の搭乗者をホログラムとして投影する制御信号を、投影部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色を映像として表示するよう表示部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色を映像として表示する映像信号を、表示部である出力部14に出力する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色をホログラムとして投影するよう投影部である出力部14を制御する。再現制御部52は、思い出環境情報に基づいて、例えば、車両の周辺の景色をホログラムとして投影する制御信号を、投影部である出力部14に出力する。
【0037】
再現制御部52は、車内または車両の周辺の環境を再現する場合、搭乗者が環境の再現を認識しやすくなるように、実際よりも強調して再現してもよい。再現制御部52は、例えば、車内の温度を再現する場合、搭乗者が温度変化を認識しやすくなるように、実際よりも温度を高くまたは低く再現してもよい。再現制御部52は、例えば、車内の明るさを再現する場合、搭乗者が明るさの変化を認識しやすくなるように、実際よりも明るくまたは暗く強調するように再現してもよい。
【0038】
再現制御部52は、例えば思い出環境情報の再現中に、車両の現在位置が所定地域から外れた場合、思い出環境情報の再現を停止してもよい。再現制御部52は、例えば思い出環境情報の再現中に、次の思い出環境情報が関連付けられた地域に車両が位置した場合、再現中の思い出環境情報の再現を停止して、次の思い出環境情報を再現してもよい。
【0039】
再現制御部52は、思い出環境情報を再現する際に、図示しないスピーカから、思い出環境の再現を開始する旨の音声を出力させてもよい。再現制御部52は、思い出環境情報を再現する際に、図示しない表示部に、思い出環境の再現を開始する旨の通知画像を表示させてもよい。
【0040】
<環境再現制御装置における思い出環境情報の登録処理>
図2、
図3を用いて、思い出環境情報の登録処理の一例について説明する。
図2は、思い出環境情報の登録処理を説明するフロー図である。
図3は、本発明の実施形態に係る制御部40における登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。車両の走行中、または、思い出環境情報の登録処理が開始されると、
図3に示すフローチャートの処理が実行される。
【0041】
車両の走行中、車内または車両の周辺における印象深い出来事の発生などにより、搭乗者が笑顔になる。車内カメラであるセンサ12は、搭乗者の顔の表情を撮影する。また、制御部40は、位置情報取得部41によって、GNSS受信部11から、車両の現在位置の位置情報を取得する。
【0042】
そして、制御部40は、
図3に示す処理を行う。
図3に示すように、制御部40は、搭乗者の感情の検出の有無を判定する(ステップS11)。より詳しくは、制御部40は、感情判定部43によって、搭乗者の生体情報に基づいて、搭乗者の印象深い感情の検出の有無を判定する。制御部40は、検出部42によって、例えば、搭乗者の顔の表情を撮影した映像データから、搭乗者の顔の表情を検出する。
図2に示す例では、映像データから、搭乗者の笑顔が検出される。制御部40は、感情判定部43によって、搭乗者の印象深い感情の検出があると判定する場合(ステップS11でYes)、ステップS12へ進む。制御部40は、感情判定部43によって、搭乗者の印象深い感情の検出がないと判定する場合(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を再度実行する。
【0043】
搭乗者の印象深い感情の検出があると判定する場合(ステップS11でYes)、制御部40は、車内または車両の周辺の環境を示す環境情報を取得する(ステップS12)。より詳しくは、制御部40は、環境情報取得部44によって、入力部13から環境情報を取得する。
図2に示す例では、制御部40は、環境情報取得部44によって、温度センサである入力部13から、車内の温度情報を取得する。制御部40は、ステップS13へ進む。
【0044】
制御部40は、思い出環境情報を思い出環境情報記憶部22に記憶する(ステップS13)。より詳しくは、制御部40は、登録制御部45によって、取得した環境情報を、車両の位置情報に関連付けて、思い出環境情報記憶部22に記憶する。制御部40は、登録制御部45によって、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出環境情報が関連付けられている地域について、思い出フラグをONにする。
【0045】
このようにして、搭乗者の印象深い感情が検出されたとき、思い出環境情報記憶部22に、そのときの思い出環境情報が登録される。
【0046】
<環境再現制御装置における思い出環境情報の再現処理>
図4、
図5を用いて、本実施形態に係る思い出環境情報の再現制御処理について説明する。
図4は、思い出環境情報の再現処理を説明するフロー図である。
図5は、制御部40における思い出環境情報の再現処理の流れの一例を示すフローチャートである。車両の走行中、または、思い出環境情報の再現処理が開始されると、
図5に示すフローチャートの処理が実行される。制御部40は、位置情報取得部41によって、GNSS受信部11から、車両の現在位置の位置情報を取得する。
【0047】
制御部40は、再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出環境情報が登録された地域に位置するか否かを判定する(ステップS21)。より詳しくは、制御部40は、再現判定部51によって、車両の現在位置が、地図情報記憶部21の地図情報において、思い出フラグがONにされている所定区間に含まれるか否かを判定する。制御部40は、再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出フラグがONにされている地域に位置する場合、思い出環境情報が記憶された地域に位置すると判定する。再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出環境情報が登録された地域に位置すると判定する場合(ステップS21でYes)、ステップS22へ進む。再現判定部51によって、車両の現在位置が、思い出環境情報が登録された地域に位置すると判定しない場合(ステップS21でNo)、ステップS21の処理を再度実行する。
【0048】
思い出環境情報が登録された地域に位置すると判定する場合(ステップS21でYes)、制御部40は、再現制御部52によって、思い出環境情報を出力部14によって再現させる。一例として、制御部40は、再現制御部52によって、思い出環境情報に基づいて、例えば、車内の温度が再現されるように調節する制御信号を、空調部である出力部14へ出力する。
【0049】
図6を用いて、車両の走行時の思い出環境情報の登録について説明する。
図6は、思い出環境情報の登録処理を説明する概略図である。
図6では、道路上の所定区間に関連付けて、思い出環境情報を登録するものとして説明する。
図6に示す例では、車両は、道路R11を結節点C12で左折して、道路R13を走行している。車両は、結節点C12を直進した道路R12は走行していない。道路R13を走行中に、搭乗者が笑顔になったとする。そして、搭乗者の笑顔が、印象深い感情として検出されたとする。この場合、このときの車内の温度などを含む思い出環境情報が、結節点C12より先の道路R13の区間に関連付けて、思い出環境情報記憶部22に記憶される。また、地図情報記憶部21の地図情報においては、結節点C12より先の道路R13の区間の思い出フラグがONとされる。
【0050】
図7を用いて、車両の走行中の思い出環境情報の再現について説明する。
図7は、思い出環境情報の再現処理を説明する概略図である。
図7では、
図6で説明したように、道路上の所定区間に関連付けて、思い出環境情報を登録されているものとして説明する。
図7に示す例では、車両は、道路R12を結節点C12で左折して、道路R13を通過している。車両Vが道路R12を走行している間は、思い出環境情報が道路R12上の区間には登録されていないため、思い出環境は再現されない。言い換えると、車両Vが道路R12を走行している間は、思い出フラグが道路R12上の区間には設定されていないため、思い出環境は再現されない。車両Vが結節点C12を左折して、道路R13に入ると、思い出環境情報が再現される。
【0051】
<効果>
上述のとおり、本実施形態は、搭乗者が印象深い感情が検出されたときの、車両の車内および車両の周辺の少なくともどちらかの環境を示す環境情報を位置情報に関連付けて記憶する。本実施形態は、現在位置が、思い出環境情報が関連付けられた地域に位置すると判定される場合、関連付けられた思い出環境情報を再現する。このような本実施形態によれば、車両の走行中に、思い出環境情報が関連付けられた地域を走行する際に、そのときの環境を再現することができる。
【0052】
本実施形態は、道路の所定区間と、所定区間において再現する思い出環境情報とを関連付けた思い出環境情報を記憶する。本実施形態は、現在位置が、思い出環境情報が関連付けられた所定区間に位置すると判定される場合、所定区間に関連付けられた思い出環境情報を再現する。このような本実施形態によれば、車両の走行中に、思い出環境情報が関連付けられた地域を走行する際に、そのときの環境を再現することができる。
【0053】
本実施形態では、所定区間は、道路と道路同士の接続点である結節点とによって規定される。本実施形態では、道路上の点ではなく、所定区間に思い出環境情報が関連付けることができる。これに対して、交差点のような道路上の点に思い出環境情報を関連付けた場合、結節点通過後にどの道路を走行するかが判断できない。この場合、交差点を右折しても、左折しても関連付けられた思い出環境情報が再現されることになり、例えば交差点を右折した場合のみ思い出環境情報を再現するといった処理が難しくなる。本実施形態は、交差点を右折した場合のみ思い出環境情報を再現することが実現できる。
【0054】
本実施形態では、生体情報は、搭乗者の顔の表情、体温、脈拍、および、呼吸の少なくともいずれかを含む。本実施形態によれば、搭乗者の感情を適切に判定することができる。
【0055】
本実施形態では、思い出環境情報は、車内において再生中の楽曲情報、車内で収音した音声データ、車内の温度情報、車内の明るさ情報、車内の匂い情報、車両の周辺を収音した音声データ、車両の周辺を撮影した映像データ、および、車内を撮影した映像データの少なくともいずれかを含む。本実施形態によれば、車両の搭乗者の思い出の想起をより適切に支援することができる。
【0056】
本実施形態では、喜び、怒り、悲しみ、楽しさ、および、くつろぎ感のような感情の種別ごとに判定することができる。本実施形態によれば、例えば、喜び、楽しさおよびくつろぎ感などのよい感情を判定し、怒りおよび悲しみなどよくない感情は判定の対象外とすることができる。
【0057】
本発明に係る環境再現装置1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0058】
図示した環境再現装置1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0059】
環境再現装置1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0061】
例えば、同じ目的地まで同行する複数の車両に搭載された環境再現装置1同士が連携して、いずれかの車両の搭乗者が使用する環境再現装置1の思い出環境情報記憶部22に記憶された思い出環境情報を、他の車両の搭乗者が使用する環境再現装置1に取り込む機能を有していてもよい。これにより、同行する複数の車両において、ある搭乗者の思い出を他の搭乗者と共有することができる。
【0062】
上記では、環境再現装置1が車両に搭載されている場合について説明したが、これに限定されない。環境再現装置1は、例えば携帯型オーディオプレイヤーまたはスマートフォンなどの携帯用電子機器に搭載されていてもよい。携帯用電子機器は、ナビゲーションシステムと連携している。
【0063】
上記において、感情判定部43は、搭乗者の車内の会話に基づいて、印象深い感情が検出されたと判定してもよい。この場合、生体情報には、搭乗者の会話の音声データを含む。感情判定部43は、搭乗者の会話の音声データに音声認識処理を行って、例えば「いいね」、「すごい」、「楽しい」などの所定の言葉を認識した場合、印象深い感情が検出されたと判定する。感情判定部43は、搭乗者の会話の音声データのトーンを解析して、例えば喜び、怒り、悲しみ、楽しさ、および、くつろぎ感などに対応するトーンであることが解析された場合、印象深い感情が検出されたと判定する。
【符号の説明】
【0064】
1 環境再現装置
11 GNSS受信部
12 センサ
13 入力部
14 出力部
21 地図情報記憶部
22 思い出環境情報記憶部
40 制御部(環境再現制御装置)
41 位置情報取得部
42 検出部
43 感情判定部
44 環境情報取得部
45 登録制御部
51 再現判定部
52 再現制御部