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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146819
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11551 20170101AFI20220928BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220928BHJP
   H01L 27/11548 20170101ALI20220928BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
H01L27/11551
H01L29/78 371
H01L27/11548
H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047990
(22)【出願日】2021-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 浩司
(72)【発明者】
【氏名】荒井 史隆
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH33
5F033JJ04
5F033JJ19
5F033JJ33
5F033KK33
5F033LL04
5F033MM18
5F033NN05
5F033NN06
5F033NN07
5F033NN08
5F033PP06
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ13
5F033QQ19
5F033QQ33
5F033RR04
5F033RR06
5F033SS11
5F033TT02
5F033UU04
5F033VV06
5F033VV16
5F033XX03
5F083EP02
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083LA03
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F101BA02
5F101BB02
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリブロック領域と、複数のメモリブロック領域に対して第1方向に並ぶフックアップ領域と、第1方向に延伸し、第1方向と交差する第2方向において複数のメモリブロック領域及びフックアップ領域と並ぶ配線領域と、を備える。複数のメモリブロック領域は、それぞれ、第1方向に延伸し、第2方向に並ぶ複数のメモリストリングと、第2方向に延伸し、複数のメモリストリングに共通に接続された第1配線と、を備える。配線領域は、第1方向に延伸し、複数のメモリブロック領域に対応する複数の第1配線に共通に接続された第2配線を備える。フックアップ領域は、第2配線に電気的に接続された第3配線と、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸し、第3配線に接続されたコンタクト電極と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶ複数のメモリブロック領域と、
前記複数のメモリブロック領域に対して前記第1方向に並ぶフックアップ領域と、
前記第1方向に延伸し、前記第1方向と交差する第2方向において前記複数のメモリブロック領域及び前記フックアップ領域と並ぶ配線領域と
を備え、
前記複数のメモリブロック領域は、それぞれ、
前記第1方向に延伸し、前記第2方向に並ぶ複数のメモリストリングと、
前記第2方向に延伸し、前記複数のメモリストリングに共通に接続された第1配線と
を備え、
前記配線領域は、前記第1方向に延伸し、前記複数のメモリブロック領域に対応する複数の第1配線に共通に接続された第2配線を備え、
前記フックアップ領域は、
前記第2配線に電気的に接続された第3配線と、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸し、前記第3配線に接続されたコンタクト電極と
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記コンタクト電極は、
前記第3方向に延伸する第1部分と、
前記第1部分に接続され、前記第3配線の前記第1方向又は前記第2方向の側面に接続された第2部分と
を備え、
前記第1方向及び前記第2方向に延伸し、前記コンタクト電極の第2部分を含む断面を第1の断面とすると、
前記第1の断面において、
前記第2部分の輪郭線の一部は、第1の円の円周に沿って設けられ、
前記第2部分の輪郭線のそれ以外の部分は、前記第1の円の内側に設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第3方向に並ぶ複数のメモリ層を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、前記複数のメモリストリングと、前記複数の第1配線と、前記第2配線と、前記第3配線と、を備え、
前記フックアップ領域は、前記複数のメモリ層に対応して、前記コンタクト電極を複数備える
請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記複数のメモリ層は、それぞれ、信号増幅回路を備える
請求項3記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記フックアップ領域は、前記第3方向に延伸する電圧供給線を備え、
前記フックアップ領域において、前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第2配線及び前記第3配線の間に電気的に接続された第4配線と、
前記第3配線及び前記第4配線の間に電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第3配線及び前記電圧供給線の間に電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第2トランジスタ及び前記電圧供給線の間に電気的に接続された第3トランジスタと
を備え、
前記第4配線は、前記第3トランジスタのゲート電極として機能する
請求項3又は4記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
第1方向に並ぶ複数のメモリセルと、
前記第1方向に並び、前記複数のメモリセルに電気的に接続された複数の第1配線と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第1配線のいずれかに接続されたコンタクト電極と
を備え、
前記コンタクト電極は、
前記第1方向に延伸する第1部分と、
前記第1部分に接続され、前記複数の第1配線のいずれかの前記第1方向と交差する第2方向の側面に接続された第2部分と
を備え、
前記第1方向に対して垂直であり、前記コンタクト電極の第2部分を含む断面を第1の断面とすると、
前記第1の断面において、
前記第2部分の輪郭線の一部は、第1の円の円周に沿って設けられ、
前記第2部分の輪郭線のそれ以外の部分は、前記第1の円の内側に設けられている
半導体記憶装置。
【請求項7】
第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数のメモリ層に接続された複数のコンタクト電極と、
前記第1方向に延伸し、前記複数のメモリ層に接続された電圧供給線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
メモリセルと、
前記メモリセルに電気的に接続された第1配線と、
前記複数のコンタクト電極のいずれかに電気的に接続された第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2配線及び前記電圧供給線の間に電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第2トランジスタ及び前記電圧供給線の間に電気的に接続された第3トランジスタと
を備え、
前記第1配線は、前記第3トランジスタのゲート電極として機能する
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の表面と交差する方向に複数のメモリセルが積層された半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10,607,995号明細書
【特許文献2】特開2017-056452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリブロック領域と、複数のメモリブロック領域に対して第1方向に並ぶフックアップ領域と、第1方向に延伸し、第1方向と交差する第2方向において複数のメモリブロック領域及びフックアップ領域と並ぶ配線領域と、を備える。複数のメモリブロック領域は、それぞれ、第1方向に延伸し、第2方向に並ぶ複数のメモリストリングと、第2方向に延伸し、複数のメモリストリングに共通に接続された第1配線と、を備える。配線領域は、第1方向に延伸し、複数のメモリブロック領域に対応する複数の第1配線に共通に接続された第2配線を備える。フックアップ領域は、第2配線に電気的に接続された第3配線と、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸し、第3配線に接続されたコンタクト電極と、を備える。
【0006】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリセルと、第1方向に並び、複数のメモリセルに電気的に接続された複数の第1配線と、第1方向に延伸し、複数の第1配線のいずれかに接続されたコンタクト電極と、を備える。コンタクト電極は、第1方向に延伸する第1部分と、第1部分に接続され、複数の第1配線のいずれかの第1方向と交差する第2方向の側面に接続された第2部分と、を備える。第1方向に対して垂直であり、コンタクト電極の第2部分を含む断面を第1の断面とすると、第1の断面において、第2部分の輪郭線の一部は、第1の円の円周に沿って設けられ、第2部分の輪郭線のそれ以外の部分は、第1の円の内側に設けられている。
【0007】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸し、複数のメモリ層に接続された複数のコンタクト電極と、第1方向に延伸し、複数のメモリ層に接続された電圧供給線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、メモリセルと、メモリセルに電気的に接続された第1配線と、複数のコンタクト電極のいずれかに電気的に接続された第2配線と、第1配線及び第2配線の間に電気的に接続された第1トランジスタと、第2配線及び電圧供給線の間に電気的に接続された第2トランジスタと、第2トランジスタ及び電圧供給線の間に電気的に接続された第3トランジスタと、を備える。第1配線は、第3トランジスタのゲート電極として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図2図1のAで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。
図3図2のBで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。
図4図3に示す部分を含む模式的な斜視図である。
図5図1のCで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。
図6図5に示す構造をD-D´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図7図5に示す構造をE-E´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図8】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図9】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図10】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図12】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図15】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図18】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図23】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図24】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図25】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図26】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図27】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図28】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図29】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図30】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図31】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図32】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図33】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図34】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図35】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図36】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図37】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図38】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図39】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図40】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図41】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
図42】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図43】第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図44】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図45】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図46】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図47】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図48】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図49】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図50】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図51】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図52】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図53】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図54】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図55】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図56】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図57】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図58】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図59】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図60】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図61】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図62】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図63】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図64】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図65】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図66】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図67】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図68】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図69】同製造方法について説明するための模式的な平面図である。
図70】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図71】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図72】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図73】第2実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について説明するための模式的な平面図である。
図74】第2実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について説明するための模式的な平面図である。
図75】第2実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について説明するための模式的な回路図である。
図76】第2実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について説明するための模式的な平面図である。
図77】第2実施形態に係る半導体記憶装置の変形例について説明するための模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0010】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0012】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0013】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0014】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0016】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0017】
[第1実施形態]
[構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。本実施形態に係る半導体記憶装置は、複数のメモリブロック領域RBLKと、複数のフックアップ領域RHUと、複数のビット線領域RBLと、を備える。メモリブロック領域RBLKは、X方向及びY方向においてマトリクス状に並ぶ。フックアップ領域RHUは、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロック領域RBLKに対応して設けられている。フックアップ領域RHUは、X方向に並び、Y方向においてメモリブロック領域RBLKと隣り合う。ビット線領域RBLは、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロック領域RBLKと、これらに対応するフックアップ領域RHUと、に対応して設けられている。ビット線領域RBLは、X方向において、これら複数のメモリブロック領域RBLK及びフックアップ領域RHUと並ぶ。
【0018】
図1の例では、Y方向に並ぶ2つのメモリブロック領域RBLKの間に、X方向に延伸するローカルブロック接続線LBIが設けられている。これら2つのメモリブロック領域RBLK中の構成は、それぞれ、ローカルブロック接続線LBIに接続されている。また、ビット線領域RBLには、Y方向に延伸するビット線BLが設けられている。Y方向に並ぶ複数のローカルブロック接続線LBIは、このビット線BLに共通に接続されている。また、ビット線BLは、フックアップ領域RHU中の構成を介して、図示しない周辺回路に電気的に接続される。
【0019】
図2は、図1のAで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。図3は、図2のBで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。図4は、図3に示す部分を含む模式的な斜視図である。
【0020】
図2に示す様に、メモリブロック領域RBLKには、Y方向に並ぶ複数のメモリセル領域RMCと、Y方向において隣り合う2つのメモリセル領域RMCの間に設けられたラダー領域RLDと、が設けられている。また、メモリブロック領域RBLKのY方向の端部には、選択トランジスタ領域RSGDが設けられている。尚、Y方向において並ぶ2つのメモリブロック領域RBLKの間には、ローカルブロック接続線領域RLBIが設けられている。
【0021】
図4には、半導体基板Subの一部を示している。半導体基板Subは、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むシリコン(Si)等の半導体基板である。図示の様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLを備える。また、Z方向において隣り合う2つのメモリ層MLの間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0022】
メモリ層MLは、X方向に並ぶ複数の半導体層110を備える。これら複数の半導体層110は、それぞれ、図2を参照して説明した複数のメモリセル領域RMC、複数のラダー領域RLD、及び、選択トランジスタ領域RSGDにわたってY方向に延伸する。半導体層110は、例えば、直列に接続された複数のメモリトランジスタ(メモリセル)、及び、これらに接続された選択トランジスタのチャネル領域として機能する。尚、以下の説明において、直列に接続された複数のメモリトランジスタと、これらに接続された選択トランジスタと、を含む構成を、メモリストリングと呼ぶ場合がある。半導体層110は、例えば、ノンドープの多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0023】
メモリセル領域RMCには、例えば図3に示す様に、X方向において隣り合う2つの半導体層110の間に位置し、Y方向に並ぶ複数の導電層120が設けられている。また、メモリセル領域RMCにおいて、メモリ層MLは、複数の導電層120のX方向の側面と半導体層110との間に設けられた複数のゲート絶縁層130を備える。
【0024】
導電層120は、例えば、複数のメモリトランジスタのゲート電極、及び、これらに接続されたワード線等として機能する。導電層120は、例えば図3に示す様に、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層121と、タングステン(W)等の導電層122と、を含んでいても良い。導電層120は、例えば図4に示す様に、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。尚、Y方向において隣り合う2つの導電層120の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層123(図3)が設けられている。
【0025】
ゲート絶縁層130は、例えば、半導体層110のX方向の側面に設けられたトンネル絶縁層131と、そのX方向の側面に設けられた電荷蓄積層132と、そのX方向の側面に設けられたブロック絶縁層133と、を備える。
【0026】
トンネル絶縁層131は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。
【0027】
電荷蓄積層132は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。また、この多結晶シリコン(Si)には、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が含まれていても良いし、これらの不純物が含まれていなくても良い。
【0028】
ブロック絶縁層133は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。また、ブロック絶縁層133は、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)又はその他の、絶縁性の金属酸化膜を含んでいても良い。
【0029】
選択トランジスタ領域RSGD図2)には、X方向において隣り合う2つの半導体層110の間に位置し、Y方向に並ぶ導電層140及び導電層150が設けられている。選択トランジスタ領域RSGDにおいて、メモリ層MLは、複数の半導体層110のY方向の一端に接続された複数の半導体層160を備える。
【0030】
導電層140は、例えば、半導体層110に正孔のチャネルを形成したり、半導体層110に形成された正孔のチャネルに電圧を供給したりするためのコンタクト電極等として機能する。導電層140は、例えば図3に示す様に、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等の半導体層141と、窒化チタン(TiN)等の導電層142と、を含んでいても良い。導電層140は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。また、導電層140の外周面には、ノンドープの多結晶シリコン(Si)等を含むの半導体層143が設けられていても良い。尚、半導体層143は、省略しても良い。
【0031】
導電層150は、例えば、トランジスタのゲート電極、及び、これに接続された配線等として機能する。導電層150は、例えば図3に示す様に、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等の半導体層151と、窒化チタン(TiN)等の導電層152と、を含んでいても良い。導電層150は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。また、導電層150の外周面には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層153が設けられている。また、導電層150の中心部分には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層154が設けられていても良い。尚、導電層150のY方向における幅は、導電層140のY方向における幅より大きくても良い。
【0032】
半導体層160は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含んでいても良い。また、X方向において隣り合う2つの半導体層160の間には、絶縁層161が設けられている。絶縁層161は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層161は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0033】
ラダー領域RLD図2)において、X方向において隣り合う2つの半導体層110の間には、導電層140又は導電層150が設けられている。また、図示は省略するものの、導電層140及び導電層150の外周面には、それぞれ、半導体層143(図3)及び絶縁層153(図3)が設けられている。
【0034】
ローカルブロック接続線領域RLBI図2)において、メモリ層MLは、導電層170を備える。また、ローカルブロック接続線領域RLBIには、導電層170に沿ってX方向に並ぶ複数の絶縁層171(図3)が設けられている。
【0035】
導電層170は、例えば、ローカルブロック接続線LBI(図1)として機能する。導電層170は、例えば、窒化チタン(TiN)等の導電層を含んでいても良い。導電層170は、X方向に延伸し、複数の半導体層160を介して、複数の半導体層110に接続されている。尚、導電層170は、Y方向において並ぶ2つのメモリブロック領域RBLK中の半導体層110に、電気的に接続されている。
【0036】
絶縁層171は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層171は、例えば図4に示す様に、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0037】
ビット線領域RBLにおいて、メモリ層MLは、Y方向に延伸する一対の導電層180を備える。また、ビット線領域RBLには、X方向において隣り合う2つの導電層180の間に位置し、Y方向に並ぶ複数の絶縁層181が設けられている。
【0038】
導電層180は、例えば、ビット線BL(図1)として機能する。導電層180は、例えば、窒化チタン(TiN)等の導電層を含んでいても良い。導電層180は、Y方向に延伸し、複数の導電層170のX方向の一端部に接続されている。
【0039】
絶縁層181は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層181は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。尚、Y方向において隣り合う2つの絶縁層181の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層182が設けられている。絶縁層181のX方向における幅は、絶縁層182のX方向における幅より大きくても良い。
【0040】
図5は、図1のCで示す部分を拡大して示す模式的な平面図である。図6は、図5に示す構造をD-D´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。図7は、図5に示す構造をE-E´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【0041】
図5に示す様に、フックアップ領域RHUには、X方向に並ぶ複数の引出線領域RLLと、X方向において隣り合う2つの引出線領域RLLの間に設けられたコンタクト電極領域RCCと、が設けられている。
【0042】
引出線領域RLLにおいて、メモリ層MLは、Y方向に延伸する導電層190を備える。また、引出線領域RLLには、導電層190に沿ってY方向に並ぶ複数の絶縁層191が設けられている。
【0043】
導電層190は、例えば、窒化チタン(TiN)等の導電層を含んでいても良い。導電層190は、図2図4を参照して説明した導電層180と導通しており、これらを介して図2図4を参照して説明した導電層170と導通している。尚、図5の例において、導電層190のX方向の側面には、複数の絶縁層191に対応する複数の凸状の曲面が設けられている。
【0044】
絶縁層191は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層を含んでいても良い。絶縁層191は、例えば図6に示す様に、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0045】
コンタクト電極領域RCCには、例えば図5に示す様に、導電層190に沿ってY方向に並ぶ複数のコンタクト電極CCが設けられている。また、コンタクト電極領域RCCにおいて、メモリ層MLは、窒化シリコン(Si)等の絶縁層102を備える。
【0046】
コンタクト電極CCは、例えば図6に示す様に、略円柱状の部分192と、この部分192の下端部に設けられた略円盤状の部分193と、を備える。
【0047】
部分192は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層194と、タングステン(W)等の導電層195と、を含んでいても良い。部分192は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。また、この部分192の外周面には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層196が設けられていても良い。絶縁層196の外周面の一部は、絶縁層101に接する。また、絶縁層196の外周面の一部は、絶縁層102に接する。絶縁層196の、絶縁層102に接する部分の径方向における厚みは、絶縁層101に接する部分の径方向における厚みより大きくても良い。
【0048】
部分193は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層194を含んでいても良い。部分193は、いずれかのメモリ層MLに含まれており、いずれかのメモリ層MLに含まれる導電層190のX方向の側面に接続されている。尚、フックアップ領域RHUには、全てのメモリ層MLに対応するコンタクト電極CCが設けられていても良い。この場合、コンタクト電極CCの数は、メモリ層MLの数と一致していても良いし、メモリ層MLの数より多くても良い。
【0049】
尚、例えば図5に例示する様に、部分192の輪郭線は、所定の半径を備える円の円周に沿って設けられていても良い。また、部分193の輪郭線の一部は、これよりも大きい半径を有する円の円周に沿って設けられていても良い。また、部分193の輪郭線のそれ以外の部分は、この円の内側に設けられていても良い。例えば、図5の例では、部分193の導電層190との接続部分が、複数の凹状の曲面を含んでいる。この部分は、上記円の内側に設けられている。また、図5の例では、部分193の絶縁層196との接続部分が、この絶縁層196に対応するコンタクト電極CCの中心点を中心とする円の外周面に沿って設けられた凹状の曲面を含んでいる。この部分は、上記円の内側に設けられている。尚、部分193のXY断面における面積は、部分192のXY断面における面積より大きくても良い。
【0050】
[効果]
Z方向に並ぶ複数の導電層又は半導体層を備える半導体記憶装置が知られている。この様な半導体記憶装置においては、これら複数の導電層又は半導体層と周辺回路とを接続するための、フックアップ領域を設ける場合がある。フックアップ領域には、Z方向に延伸する複数のコンタクト電極が設けられる。また、フックアップ領域においては、複数の導電層又は半導体層を複数のコンタクト電極と接続するために、例えば、複数の導電層又は半導体層の端部位置をずらして略階段状の構造を形成する場合がある。この様な場合、Z方向に並ぶ導電層又は半導体層の数が増えれば増える程、フックアップ領域の面積が増大してしまう。
【0051】
ここで、図1を参照して説明した様に、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、複数のメモリブロック領域RBLKがY方向に並んでいる。また、これら複数のメモリブロック領域RBLKに対応してそれぞれフックアップ領域を設けるのではなく、これら複数のメモリブロック領域RBLKに対応する共通のフックアップ領域RHUを設けている。この様な構成によれば、フックアップ領域RHUの面積を、大幅に削減することが可能である。
【0052】
また、上述の様な略階段状の構造を採用する場合、導電層又は半導体層の下面全体が、これよりも下層の導電層又は半導体層の上面と対向する。従って、Z方向において隣り合う2つの導電層又は半導体層の間の静電容量が、比較的大きくなってしまう場合がある。また、下層に設けられた導電層又は半導体層ほど、この様な対向面積が大きくなってしまう。
【0053】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、上述の様な略階段状の構造のかわりに、図5図7を参照して説明したコンタクト電極CCを採用している。このコンタクト電極CCは、Z方向に延伸する部分192と、この部分192の下端に接続された略円盤状の部分193と、を備える。また、この略円盤状の部分193は、それぞれ、導電層190の側面に接続されている。
【0054】
この様な構成では、Z方向に並ぶ2つの部分193の間の対向面積を比較的小さくすることが可能である。従って、Z方向において隣り合う2つの導電層又は半導体層の間の静電容量を、比較的小さくすることが可能である。また、この様な構成によれば、下層に設けられた導電層又は半導体層の間の静電容量も、一定の大きさの範囲内に抑えることが可能である。
【0055】
[製造方法]
図8図39は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図又は平面図である。図8図10図11図13図14図16図17図19図22図28及び図29は、図4の一部に示した断面に対応している。ただし、説明の都合上、これらの図には、絶縁層181に対応する断面が追加されている。図9図12図15図18、及び、図23図27は、図3に対応する部分を示している。図30図32図34図36及び図38は、図6に対応する部分を示している。図31図33図35図37及び図39は、図7に対応する部分を示している。
【0056】
同製造方法においては、例えば図8に示す様に、複数の絶縁層101と、複数の絶縁層102と、を交互に形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical VaporDeposition)等によって行う。
【0057】
次に、例えば図9及び図10に示す様に、開口123Aを形成する。開口123Aは、図9に示す様にY方向に延伸し、X方向に並ぶ。また、開口123Aは、図10に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の絶縁層102を貫通する。この工程は、例えば、RIE(Reactive IonEtching)等によって行う。
【0058】
次に、例えば図11に示す様に、絶縁層123,182を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0059】
次に、例えば図12及び図13に示す様に、導電層120に対応する位置に、開口120Aを形成する。また、導電層140に対応する位置に、開口140Aを形成する。また、絶縁層161に対応する位置に、開口161Aを形成する。これらの開口120A,140A,161Aは、図13に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の絶縁層102のX方向の側面を露出させる。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0060】
次に、例えば図14に示す様に、開口120Aの内部に、犠牲層120Bを形成する。また、図示は省略するものの、開口140Aの内部に、犠牲層140Bを形成する。また、図示は省略するものの、開口161Aの内部に、犠牲層161Bを形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0061】
次に、例えば図15及び図16に示す様に、導電層150に対応する位置に、開口150Aを形成する。また、絶縁層171に対応する位置に、開口171Aを形成する。また、絶縁層181に対応する位置に、開口181Aを形成する。また、図示は省略するものの、絶縁層191(図5)に対応する位置に、開口を形成する。これらの開口150A,171A,181A等は、図16に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の絶縁層102のX方向の側面を露出させる。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0062】
次に、例えば図17に示す様に、開口181Aの内部に、犠牲層181Bを形成する。また、図示は省略するものの、開口150Aの内部に、犠牲層150Bを形成する。また、図示は省略するものの、開口171Aの内部に、犠牲層171Bを形成する。また、図示は省略するものの、絶縁層191(図5)に対応する位置に、犠牲層を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0063】
次に、例えば図18及び図19に示す様に、犠牲層120Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0064】
次に、例えば図20に示す様に、半導体層110の一部を形成する。この工程では、例えば、開口120Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層110の一部が形成される。
【0065】
次に、例えば図21に示す様に、トンネル絶縁層131及び電荷蓄積層132が形成される。この工程では、例えば、開口120Aを介したウェットエッチング等の方法によって、半導体層110の一部が除去され、絶縁層101の上面の一部及び下面の一部が露出する。また、酸化処理又はCVD等の方法によって、トンネル絶縁層131が形成される。また、CVD等の方法によって、電荷蓄積層132が形成される。また、ウェットエッチング等の方法によって電荷蓄積層132の一部が除去され、電荷蓄積層132がZ方向において分断される。
【0066】
次に、例えば図22に示す様に、開口120Aの内部に、ブロック絶縁層133、バリア導電層121及び導電層122が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0067】
次に、例えば図23に示す様に、犠牲層140Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0068】
次に、例えば図24に示す様に、半導体層110の一部を形成する。この工程では、例えば、開口140Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層110の一部が形成される。
【0069】
次に、開口140Aの内部に、半導体層143、半導体層141及び導電層142が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0070】
次に、犠牲層150Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0071】
次に、例えば図25に示す様に、開口150Aの内部に、絶縁層153、半導体層151、導電層152及び半導体層154が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0072】
次に、犠牲層161Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0073】
次に、例えば図26に示す様に、半導体層160を形成する。この工程では、例えば、開口161Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層160が形成される。
【0074】
次に、開口161Aの内部に、絶縁層161が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0075】
次に、例えば図27及び図28に示す様に、犠牲層171B,181Bを除去する。また、図示は省略するものの、絶縁層191に対応する位置において、犠牲層を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0076】
次に、例えば図29に示す様に、導電層180を形成する。また、図示は省略するものの、導電層170(図3)及び導電層190(図5)を形成する。この工程では、例えば、開口171A,181A等を介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、導電層170,180,190が形成される。
【0077】
次に、例えば図3及び図4に示す様に、開口171A,181Aの内部に、絶縁層171,181が形成される。また、図示は省略するものの、絶縁層191(図5図6)が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0078】
次に、例えば図30及び図31に示す様に、コンタクト電極CCに対応する位置に、開口CCAを形成する。開口CCAは、Z方向に延伸し、いずれかの絶縁層101の上面の一部を露出させる。この工程では、フックアップ領域RHUに設けられた全ての絶縁層101の上面の一部が、複数の開口CCAを介して、露出しても良い。また、複数の開口CCAは、複数の絶縁層101,102を貫通してZ方向に延伸し、これらの側面を露出させる。
【0079】
次に、例えば図32及び図33に示す様に、開口CCAを介して、絶縁層102の一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行う。
【0080】
次に、例えば図34及び図35に示す様に、開口CCAを介して、絶縁層196を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0081】
次に、例えば図36及び図37に示す様に、開口CCAを介して、絶縁層196の一部及び絶縁層101の一部を除去し、絶縁層102の上面を露出させる。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0082】
次に、例えば図38及び図39に示す様に、開口CCAを介して、絶縁層102の一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行う。この工程では、例えば、開口CCAの内部に導電層190のX方向の側面が露出するまで、絶縁層102が除去される。
【0083】
次に、例えば図5図7に示す様に、開口CCAの内部に、コンタクト電極CCが形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0084】
[第2実施形態]
[構成]
図40は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。図41は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。図42は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【0085】
尚、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する
【0086】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリ層MLのかわりに、メモリ層ML2(図42)を備えている。メモリ層ML2は、基本的には、メモリ層MLと同様に構成されている。ただし、メモリ層ML2のフックアップ領域における構造は、メモリ層MLのフックアップ領域RHUにおける構造と異なる。
【0087】
フックアップ領域において、メモリ層ML2は、図41に例示する様なプリアンプ回路PA(信号増幅回路)を備える。
【0088】
次に、プリアンプ回路PAの回路構成について説明する。
【0089】
プリアンプ回路PAは、ノードN1~N5を備える。ノードN1は、図2図4を参照して説明した導電層180(ビット線BL)と導通している。ノードN2は、図5図7を参照して説明したコンタクト電極CCと導通している。ノードN3は、接地電圧が供給される電圧供給線と導通している。ノードN4,N5は、それぞれ、図示しないシーケンサに接続されている。
【0090】
また、プリアンプ回路PAは、ノードN1,N2の間に接続されたトランジスタTr1と、ノードN2,N3の間に直列に接続されたトランジスタTr2,Tr3と、を備えている。トランジスタTr1~Tr3は、例えば、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。
【0091】
トランジスタTr1のソース電極は、ノードN2に接続されている。トランジスタTr1のドレイン電極は、ノードN1に接続されている。トランジスタTr1のゲート電極は、ノードN4に接続されている。
【0092】
トランジスタTr2のソース電極は、トランジスタTr3のドレイン電極に接続されている。トランジスタTr2のドレイン電極は、ノードN2に接続されている。トランジスタTr2のゲート電極は、ノードN5に接続されている。
【0093】
トランジスタTr3のソース電極は、ノードN3に接続されている。トランジスタTr3のドレイン電極は、トランジスタTr2のソース電極に接続されている。トランジスタTr3のゲート電極は、ノードN1に接続されている。
【0094】
次に、プリアンプ回路PAの動作について、簡単に説明する。
【0095】
例えば、半導体記憶装置の読出動作に際しては、まず、ノードN4,N5に“H,L”の信号を供給する。これにより、トランジスタTr1をON状態とし、トランジスタTr2をOFF状態とする。この状態で、ノードN1,N2を介して、ビット線BL(図1)の充電を行う。
【0096】
次に、ノードN4,N5に“L,L”の信号を供給する。これにより、トランジスタTr1,Tr2をOFF状態とする。この状態で、所定の導電層120(図2図4)に読出電圧を供給する。これにより、この導電層120に接続された選択メモリセルは、記録されたデータに応じてON状態又はOFF状態となる。また、複数の導電層120(図2図4)に、この読出電圧よりも大きい読出パス電圧を供給する。これにより、選択メモリセルが、ビット線BL(図1)及び図示しないソース線SLと導通する。これにより、ON状態の選択メモリセルに接続されたビット線の電荷は放電される。これに伴い、トランジスタTr3(図41)は、OFF状態となる。一方、OFF状態の選択メモリセルに接続されたビット線の電荷は維持される。この場合、トランジスタTr3(図41)は、ON状態に維持される。
【0097】
次に、ノードN4,N5に“L,H”の信号を供給する。これにより、トランジスタTr1をOFF状態とし、トランジスタTr2をON状態とする。この場合、ON状態の選択メモリセルに対応するコンタクト電極CCには電流が流れない。一方、OFF状態の選択メモリセルに対応するコンタクト電極CCには電流が流れる。従って、この電流を検出することにより、選択メモリセルに記録されたデータを検出可能である。
【0098】
この様な構成によれば、ノードN1と導通するビット線BL(図1)の放電を行う際、ビット線BLがコンタクト電極CCから電気的に切り離される。従って、ビット線BLの放電を、比較的高速に実行可能である。
【0099】
次に、プリアンプ回路PAの構成について、より詳しく説明する。
【0100】
フックアップ領域において、メモリ層ML2は、例えば図40に示す様に、導電層210を備える。また、フックアップ領域には、導電層210に沿って並ぶ複数の絶縁層211が設けられている。
【0101】
導電層210は、図41を参照して説明したノードN1として機能する。導電層210は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層と、タングステン(W)等の導電層と、を含んでいても良い。
【0102】
絶縁層211は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層211は、例えば図42に示す様に、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0103】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、導電層220を備える。また、フックアップ領域には、導電層220に沿って並ぶ複数の絶縁層221が設けられている。
【0104】
導電層220は、図41を参照して説明したノードN2として機能する。導電層220は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層と、タングステン(W)等の導電層と、を含んでいても良い。
【0105】
絶縁層221は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層221は、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0106】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、半導体層230を備える。また、フックアップ領域には、半導体層230に接続された導電層231が設けられている。
【0107】
半導体層230は、図41を参照して説明したトランジスタTr3のソース領域として機能する。半導体層230は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0108】
導電層231は、図41を参照して説明したノードN3として機能する。導電層231は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層と、タングステン(W)等の導電層と、を含んでいても良い。導電層231は、例えば図42に示す様に、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0109】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、複数の半導体層240を備える。また、フックアップ領域には、複数の半導体層240に対応して設けられた複数の導電層241と、これら複数の導電層241の外周面を覆う絶縁層242と、が設けられている。
【0110】
半導体層240は、図41を参照して説明したトランジスタTr1,Tr2のチャネル領域として機能する。半導体層240は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0111】
導電層241は、図41を参照して説明したTr1,Tr2のゲート電極として機能する。また、導電層241は、図41を参照して説明したノードN4又はノードN5として機能する。導電層241は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電層と、タングステン(W)等の導電層と、を含んでいても良い。
【0112】
絶縁層242は、図41を参照して説明したトランジスタTr1,Tr2のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層242は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。導電層241及び絶縁層242は、例えば図42に示す様に、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0113】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、半導体層230の外周面の一部に接続された半導体層250と、半導体層250の外周面の一部に接続された絶縁層251と、を備える。また、フックアップ領域には、半導体層250に接続された絶縁層252と、半導体層250の外周面の一部に接続された半導体層253と、が設けられている。
【0114】
半導体層250は、図41を参照して説明したトランジスタTr3のチャネル領域として機能する。半導体層250は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0115】
絶縁層251は、図41を参照して説明したトランジスタTr3のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層251は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。
【0116】
絶縁層252は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層252は、例えば図42に示す様に、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0117】
半導体層253は、半導体層250等によって構成されるトランジスタTr3において、リーク電流を抑制する。半導体層253は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。尚、半導体層253に含まれる不純物の濃度は、半導体層250に含まれる不純物の濃度よりも大きい。半導体層253は、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0118】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、複数の半導体層260を備える。また、フックアップ領域には、複数の半導体層260に接続された複数の絶縁層261が設けられている。
【0119】
複数の半導体層260の一部は、導電層210及び半導体層240に接続されている。この様な半導体層260は、図41を参照して説明したトランジスタTr1のドレイン領域として機能する。また、複数の半導体層260の一部は、2つの半導体層240、及び、導電層220に接続されている。この様な半導体層260は、図41を参照して説明したトランジスタTr1のソース領域、及び、トランジスタTr2のドレイン領域として機能する。また、複数の半導体層260の一部は、半導体層240及び半導体層250に接続されている。この様な半導体層260は、図41を参照して説明したトランジスタTr2のソース領域、及び、トランジスタTr3のドレイン領域として機能する。半導体層260は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0120】
絶縁層261は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層261は、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0121】
また、フックアップ領域において、メモリ層ML2は、半導体層270を備える。半導体層270は、絶縁層251を介して半導体層250に対向し、且つ、導電層210に接続されている。また、フックアップ領域には、半導体層270に接続された絶縁層271が設けられている。
【0122】
半導体層270は、図41を参照して説明したトランジスタTr3のゲート電極として機能する。半導体層270は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)等を含んでいても良い。
【0123】
絶縁層271は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含んでいても良い。絶縁層271は、複数のメモリ層ML2を貫通してZ方向に延伸する。
【0124】
[製造方法]
図43図72は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図又は平面図である。図43図45図47図51図55図59、及び、図63図69は、図40に対応する平面を示している。図44図46図48図50図52図54図56図58図60図62、及び、図70図72は、図42の一部に示した断面に対応している。
【0125】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に製造される。
【0126】
ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法においては、図12及び図13を参照して説明した工程、又は、図15及び図16を参照して説明した工程において、例えば図43及び図44に示す様に、絶縁層211に対応する位置に、開口210Aを形成する。また、絶縁層221に対応する位置に、開口220Aを形成する。また、導電層231に対応する位置に、開口230Aを形成する。また、導電層241に対応する位置に、開口240Aを形成する。また、絶縁層252に対応する位置に、開口250Aを形成する。また、半導体層253に対応する位置に、開口253Aを形成する。また、絶縁層261に対応する位置に、開口260Aを形成する。また、絶縁層271に対応する位置に、開口270Aを形成する。これらの開口210A、開口220A、開口230A、開口240A、開口250A、開口253A、開口260A及び開口270Aは、図44に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の絶縁層102のX方向の側面を露出させる。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0127】
次に、例えば図45及び図46に示す様に、開口210A、開口220A、開口230A、開口240A、開口250A、開口253A、開口260A及び開口270Aの内部に、犠牲層230B、犠牲層240B、犠牲層250B、犠牲層253B、犠牲層260B及び犠牲層270Bを形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0128】
次に、例えば図47及び図48に示す様に、犠牲層250Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0129】
次に、例えば図49に示す様に、半導体層250を形成する。この工程では、例えば、開口250Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層250が形成される。
【0130】
次に、例えば図50に示す様に、開口250Aの内部に、絶縁層251が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0131】
次に、例えば図51及び図52に示す様に、犠牲層240Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0132】
次に、例えば図53に示す様に、半導体層240を形成する。この工程では、例えば、開口240Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層240が形成される。
【0133】
次に、例えば図54に示す様に、開口240Aの内部に、絶縁層242及び導電層241が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0134】
次に、例えば図55及び図56に示す様に、犠牲層230Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0135】
次に、例えば図57に示す様に、半導体層230を形成する。この工程では、例えば、開口230Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層230が形成される。
【0136】
次に、例えば図58に示す様に、開口230Aの内部に、導電層231が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0137】
次に、例えば図59及び図60に示す様に、犠牲層260Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0138】
次に、例えば図61に示す様に、半導体層260を形成する。この工程では、例えば、開口260Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、半導体層260が形成される。
【0139】
次に、例えば図62に示す様に、開口260Aの内部に、絶縁層261が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0140】
次に、例えば図63に示す様に、犠牲層270Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0141】
次に、例えば図64に示す様に、絶縁層251を形成する。この工程では、例えば、開口270Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、熱酸化処理等の方法によって半導体層250の外周面の一部が酸化され、これによって絶縁層251が形成される。
【0142】
次に、例えば図65に示す様に、半導体層270を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0143】
次に、例えば図66に示す様に、開口270Aの内部に、絶縁層271が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0144】
次に、例えば図67に示す様に、犠牲層253Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0145】
次に、例えば図68に示す様に、開口253Aの内部に、半導体層253が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0146】
次に、例えば図27及び図28を参照して説明した工程において、例えば図69及び図70に示す様に、犠牲層210B,220Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0147】
次に、例えば図29を参照して説明した工程において、例えば図71に示す様に、導電層210を形成する。また、図示は省略するものの、導電層220を形成する。この工程では、例えば、開口210A,220Aを介したウェットエッチング等の方法によって、絶縁層102の一部が除去される。また、CVD等の方法によって、導電層210,220が形成される。
【0148】
次に、例えば図72に示す様に、開口210Aの内部に、絶縁層211が形成される。また、図示は省略するものの、開口220Aの内部に、絶縁層221が形成される。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0149】
[プリアンプ回路PAの構成例]
図40図42に例示した様なプリアンプ回路PAの構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0150】
例えば、図40に例示した構成は、半導体層250と、この外周面の一部に接する半導体層253と、を備える。一方、図73に例示する構成は、基本的には図40に例示した構成と同様に構成されているものの、半導体層250のかわりに、半導体層350を備える。また、この構成は、半導体層253を備えていない。
【0151】
半導体層350は、基本的には半導体層250と同様に構成されている。ただし、半導体層250の外周面には1つの絶縁層251が設けられており、半導体層250はこの絶縁層251を介して1つの半導体層270と対向していた。一方、半導体層350の外周面には2つの絶縁層251が設けられており、半導体層350はこれらの絶縁層251を介して2つの半導体層270と対向している。この様な構成では、半導体層350によって構成されるトランジスタTr3のチャネル幅を大きくして、ON電流を増大させることが可能である。
【0152】
また、例えば、図40に例示した構成は、半導体層250と、この半導体層250に接する1つの絶縁層252と、を備える。一方、図74に例示する構成は、基本的には図40に例示した構成と同様に構成されているものの、半導体層250のかわりに、半導体層450と、この半導体層450に接する2つの絶縁層252と、を備える。
【0153】
半導体層450は、基本的には半導体層250と同様に構成されている。ただし、半導体層250の外周面の一部は、1つの絶縁層252の中心位置を中心とする1つの円の円周に沿って設けられていた。また、半導体層250の外周面のその他の部分は、この円の範囲内に設けられていた。一方、半導体層450の外周面の一部は、2つの絶縁層252の中心位置をそれぞれ中心とする2つの円の円周に沿って設けられている。また、半導体層450の外周面のその他の部分は、この2つの円の少なくとも一方の範囲内に設けられている。また、半導体層450と半導体層270との対向面積は、半導体層250と半導体層270との対向面積よりも大きい。この様な構成では、半導体層450によって構成されるトランジスタTr3のチャネル長を大きくして、OFFリーク電流を抑制することが可能である。
【0154】
また、プリアンプ回路PAは、例えば図75に示す様に、ノードN1,N2の間に並列に接続された2以上の回路要素paを備えていても良い。回路要素paは、それぞれ、図41を参照して説明したトランジスタTr1,Tr2,Tr3を備えていても良い。この様な場合には、例えば図76に示す様に、上述したいずれかの構成の構成要素を2組以上フックアップ領域に設け、共通の導電層210,220の間に並列に接続しても良い。
【0155】
また、以上の例では、導電層210,220、及び、半導体層230,240,250,260,270の輪郭線の少なくとも一部が、これらを貫通する構成の中心位置を中心とする円の円周に沿って、曲線状に形成されていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば図77の例では、導電層210,220及び半導体層230,240,250,260,270の輪郭線が、X方向又はY方向に延伸する直線に沿って形成されている。この様な構成を製造する場合には、例えば、図9及び図10を参照して説明した工程においてフックアップ領域のパターニングを行い、複数の溝を形成し、図11を参照して説明した工程において、これら複数の溝に酸化シリコン(SiO)等の絶縁層を形成することが可能である。
【0156】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0157】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置は、いわゆるNANDフラッシュメモリを備えていた。しかしながら、第1実施形態及び第2実施形態において例示した様な構成は、NANDフラッシュメモリ以外の半導体記憶装置についても適用可能である。例えば、複数のメモリ層ML,ML2に、Y方向に延伸する半導体層を設け、この半導体層をチャネル領域とする一又は複数のメモリトランジスタを備える構成に対して、第1実施形態及び第2実施形態において例示した様な構成を適用することも可能である。また、その他のメモリトランジスタを備える構成に対して、第1実施形態及び第2実施形態において例示した様な構成を適用することも可能である。また、その他のメモリに対して、第1実施形態及び第2実施形態において例示した様な構成を適用することも可能である。
【0158】
また、図1等を参照して説明した様に、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置は、Y方向に並ぶ複数のメモリブロック領域RBLKと、これら複数のメモリブロック領域RBLKに対応して設けられた1のフックアップ領域RHUと、を備えていた。しかしながら、フックアップ領域RHUの配置は、適宜調整可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては、複数のメモリブロック領域RBLKに対応して、複数のフックアップ領域RHUを設けても良い。この様な場合には、ビット線領域RBLを省略しても良い。
【0159】
また、図5図7を参照して説明した様に、第1実施形態及び第2実施形態に係るコンタクト電極CCは、Z方向に延伸する部分192と、部分192の下端に接続された略円盤状の部分193と、を備えていた。しかしながら、コンタクト電極CCの構成は、適宜調整可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては、コンタクト電極CCから略円盤状の部分193を省略しても良い。この様な場合、例えば、Z方向に積層された複数の導電層190の上面に、それぞれ、複数のコンタクト電極CCの下端を接続しても良い。
【0160】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0161】
110…半導体層、120…導電層、130…ゲート絶縁層、140…導電層、150…導電層、160…半導体層、170…導電層、180…導電層、RBLK…メモリブロック領域、RHU…フックアップ領域、RBL…ビット線領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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