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  • 特開-ソケット構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146854
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ソケット構造
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20220928BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20220928BHJP
【FI】
G06F1/18 E
H01R24/60
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162957
(22)【出願日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】202110302580.X
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505326623
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉鴻志
(72)【発明者】
【氏名】蕭為凱
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB74
5E223AC03
5E223AC12
5E223BA01
5E223BA27
5E223CB25
5E223CB27
5E223CD01
5E223DB08
5E223EA33
5E223FA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金属フレームとケーシングが互いに組み合わされたソケット構造を提供する。
【解決手段】ソケット構造は、ケーシング1と、本体2と、フレーム3と、蓋部材4と、絶縁カバー5と、を備える。ケーシングは、複数の側壁11と、底部と開口部13と、収容空間14と、を備える。側壁は、開口部を画定する。側壁及び底部は、収容空間を画定し、開口部が収容空間に連通する。本体は、収容空間に設けられ、且つ、回路基板21と、接続ポート22と、を備える。接続ポートは、回路基板に設けられる。フレームは、少なくとも1つのシート部材(31a、31b)と、第1延伸部32と、を備える。シート部材は、開口部の外縁を取り囲んでいる。第1延伸部は、シート部材より延伸し、且つ、1つの側壁に接続される。蓋部材は、開口部を覆い、且つ、貫通孔41を備える。貫通孔は、プラグを通過させて接続ポートに接続するように設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット構造であって、ケーシングと本体とフレームと蓋部材とを備え、
前記ケーシングは、複数の側壁と、底部と、開口部と、収容空間とを備え、前記複数の側壁が前記開口部を画定し、前記複数の側壁と前記底部が前記収容空間を画定し、前記開口部が前記収容空間に連通され、
前記本体は、収容空間に設けられ、前記本体は、回路基板と接続ポートとを備え、前記接続ポートが前記回路基板に設けられ、
前記フレームは、少なくとも1つのシート部材と、第1延伸部とを備え、前記少なくとも1つのシート部材は、前記開口部の外縁を取り囲んでおり、前記第1延伸部は、前記少なくとも1つのシート部材から延伸し、且つ、前記複数の側壁のうちの1つに接続され、
前記蓋部材は、前記開口部を覆い、且つ貫通孔を備え、前記貫通孔は、プラグを通過させて前記接続ポートに接続するように設けられる、ことを特徴とするソケット構造。
【請求項2】
前記フレームは第2延伸部を備え、前記第2延伸部は、前記第1延伸部に接続され、且つ前記ケーシングの前記底部に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項3】
前記第1延伸部及び前記第2延伸部は、埋め込み射出成形技術によって、前記複数の側壁のうちの1つ及び前記底部のそれぞれに埋め込まれている、ことを特徴とする請求項2に記載のソケット構造。
【請求項4】
前記フレームは複数の位置決め穴を更に備え、前記位置決め穴は、前記第1延伸部及び前記第2延伸部のうちの少なくとも1つに設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のソケット構造。
【請求項5】
前記フレームは複数の第3延伸部を更に備え、前記複数の第3延伸部は、前記少なくとも1つのシート部材から延伸し、且つ前記複数の側壁に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項6】
前記第3延伸部は、埋め込み射出成形技術によって、前記複数の側壁に埋め込まれている、ことを特徴とする請求項5に記載のソケット構造。
【請求項7】
前記フレームは、第1シート部材と第2シート部材とを備え、前記第1シート部材がU字形状であり、且つ、前記第1シート部材と前記第2シート部材とが前記開口部の外縁を取り囲んでおり、前記第1延伸部は、前記第1シート部材の1つの辺から延伸する、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項8】
絶縁カバーを更に備え、前記第1延伸部が前記複数の側壁のうちの1つの表面に貼り付けられ、且つ、前記絶縁カバーは、前記複数の側壁と前記底部と前記第1延伸部とを覆う、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項9】
前記プラグがUSBプラグであり、前記接続ポートがUSB接続ポートである、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項10】
前記フレームは金属材料で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項11】
シーリング層を更に備え、前記シーリング層は、前記ケーシングの前記底部と前記回路基板の底部との間に充填される、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【請求項12】
前記本体は熱伝導部材を更に備え、前記熱伝導部材は、前記回路基板に接続され、且つ前記回路基板から前記ケーシングの前記底部に向かって延伸する、ことを特徴とする請求項1に記載のソケット構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケット構造に関し、詳しくは、金属フレームとケーシングが互いに組み合わされたソケット構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源としてのソケットは、生活に欠かせない製品である。従来のUSB接続ポートは電子製品の充電時に汎用されるインターフェースであるため、ソケット構造にも徐々にUSBスロットが装備されるようになっている。消費者が充電速度を要求するにつれて、消費電力向上の需要も増加している。ただし、ソケット構造内部の構成及びサイズの制限により、USBソケットは過度の局所温度の問題を起こしやすい。高温による電子部品の損傷を避けるために、現在のUSBソケットの消費電力ワート数をさらに増やすことは依然として困難である。
【0003】
したがって、従来技術が直面する問題を解決するためには、上記の欠点を解決できる、ソケット構造を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、先行技術における上記の問題及び欠点を解決できる、ソケット構造を提供することである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、ソケット構造を提供し、前記ソケット構造は、フレームとケーシングとが互いに組み合わされ、ソケット構造の熱伝導能力を改善することによって、ソケット構造内部の熱を外部に効果的に伝導して散熱効果を向上させることができる。また、ソケット構造の局所構造の高温の問題を解決でき、高電力の需要を満たすために、ソケット構造の総ワット数を増やすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明はソケット構造を提供する。ソケット構造は、ケーシング、本体、フレーム、蓋部材を備える。ケーシングは、複数の側壁、底部、開口部、収容空間を備える。側壁は開口部を画定する。側壁及び底部は収容空間を画定し、開口部が収容空間に連通している。本体は収容空間に設けられ、回路基板と接続ポートとを備える。接続ポートが回路基板に設けられる。フレームは、少なくとも1つのシート部材と第1延伸部とを備える。シート部材は開口部の外縁を取り囲んでいる。第1延伸部はシート部材より延伸しており、1つの側壁に接続されている。蓋部材は開口部を覆い、且つ貫通孔を備える。貫通孔は、プラグを通過させて接続ポートに接続するように設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態におけるソケット構造の構造概念図である。
図2図1に示すソケット構造の分解図である。
図3図1に示すソケット構造のA-A'断面図である。
図4】本発明の第2実施形態におけるソケット構造の分解図である。
図5図4に示すソケット構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の特徴及び利点を具体化するいくつかの実施形態の詳細について説明する。なお、本発明は様々な変更が可能であり、その変更のいずれも本発明の範囲から逸脱しないことを留意されたい。また、本明細書における説明及び図面は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0009】
図1図2及び図3を参考されたい。図1は、本発明の第1実施形態におけるソケット構造の構造概念図である。図2は、図1に示すソケット構造の分解図である。図3は、図1に示すソケット構造のA-A'断面図である。これらの図に示すように、ソケット構造は、ケーシング1と、本体2と、フレーム3と、蓋部材4とを備える。ケーシング1は、複数の側壁11と、底部12と、開口部13と、収容空間14とを備える。側壁11によって開口部13が画定される。側壁11及び底部12によって収容空間14が画定され、開口部13が収容空間14に連通する。本体2が収容空間14に設けられ、且つ回路基板21と接続ポート22とを備える。接続ポート22が回路基板21に設けられる。フレーム3は、少なくとも1つのシート部材31と、第1延伸部32とを備える。シート部材31は、開口部13の外縁を取り囲んでいる。第1延伸部32は、シート部材31から延伸し、且つ側壁11の1つに接続されている。蓋部材4は、開口部13を覆い、且つ貫通孔41を備える。貫通孔41は、プラグ(図示せず)が通過して接続ポート22に接続することを可能にするように構成される。本実施形態では、プラグがUSBプラグであり、接続ポート22がUSB接続ポートである。フレーム3は金属材料で構成されるので、ソケット構造の熱伝導効率を向上させ、ソケット構造内部の熱を外側に伝導し、局所的な過熱の問題を改善することができる。なお、本発明はこれに限定されない。
【0010】
本実施形態では、ケーシング1は立方体であり、すなわち、4つの側壁11を備え、且つ4つの側壁11によって正方形の開口部13を形成する。本実施形態では、側壁11及び底部12の厚さは、1.0 mm~3.0 mmであっても良いが、これには限定されない。蓋部材4は、4つの側壁11の内面に接続されることで、開口部13を覆うことができる。本実施形態では、フレーム3の厚さは、限定されないが、例えば、0.5 mm~2.0 mmである金属シート部材で構成され、且つ第1シート部材31aと第2シート部材31bとを備える。第1シート部材31aは、U字形状であり、第2シート部材31bと共に開口部13の外縁を取り囲んでいる。なお、これに限定されない。他の実施形態では、第1シート部材31a及び第2シート部材31bは一体的に形成されても良い。
【0011】
本実施形態では、第1延伸部32は、第1シート部材31aの片側から延在し、例えば、第2シート部材31bの反対側の第1シート部材31aの側から延在することができるが、これには限定されない。本実施形態では、フレーム3は第2延伸部33を更に備える。第2延伸部33は第1延伸部32に接続され、且つ第1延伸部32と共にL字形状の構造を形成する。本実施形態では、第1延伸部32及び第2延伸部33は、それぞれ、埋め込み射出成形技術によって、ケーシング1の側壁11及び底部12に埋め込まれている。本実施形態では、フレーム3は複数の位置決め穴35を更に備える。位置決め穴35は、第1延伸部32及び第2延伸部33に設けられ、埋め込み射出成形過程においてケーシング1の材料が流れるために用いられる同時に、第1延伸部32及び第2延伸部33をケーシング1に位置決めさせることができる。本実施形態では、位置決め穴35の直径は0.5 mm~1.0 mmであるが、これには限定されない。これにより、フレーム3がケーシング1と組み合わせることができ、ケーシング1の熱伝導効率を向上させる同時に、ソケット構造を取り付ける後続の手順を減らすことができ、組立コストの削減する効果を達成することができる。
【0012】
本実施形態では、フレーム3は複数の第3延伸部34を更に備える。第3延伸部34は、第1シート部材31a及び第2シート部材31bから延在して、ケーシング1の側壁11に接続される。本実施形態では、第3延伸部34は、例えば、埋め込み射出成形技術(これに限定されない)によって、側壁11に埋め込まれることで、フレーム3をケーシング1としっかりと組み立てって固定することができる。本実施形態では、第1シート部材31aには、4つの第3延伸部34が設けられ、第1延伸部32が設けられた片側を除く各側は2つの第3延伸部34を有し、第2シート部材31bでは2つの第3延伸部34を有するが、これには限定されない。
【0013】
図4及び図5を参照されたい。図4は本発明の第2実施形態におけるソケット構造の分解図である。図5図4に示すソケット構造の断面図である。本発明の第1実施形態と第2実施形態との主な違いは、フレーム3'とケーシング1との組合せであり、ここでは、本体2及び蓋部材4の構造的特徴に関する説明を省略する。本実施形態では、第1延伸部32'及び第2延伸部33'は、それぞれ側壁11の表面及び底部12の表面に貼り付けられ、第3延伸部34もまた、ケーシング1の側壁11に埋め込まれている。なお、これには限定されない。他の実施形態では、第3延伸部34は側壁11の表面に取り付けられている。本実施形態では、位置決め穴35は、第2延伸部33'にのみ設けられているが、これに限定されない。
【0014】
本実施形態では、ソケット構造は、絶縁カバー5を更に備える。絶縁カバー5は、側壁11と底部12と第1延伸部32'と第2延伸部33'とを覆って絶縁効果を達成する。本実施形態では、ソケット構造は4つの固定部材Sをさらに備える。フレーム3'は4つの固定溝部36を備える。固定溝部36は、第1シート部材31a及び第2シート部材31bの各辺にそれぞれ設けられている。固定部材Sはフレーム3'の固定溝部36を貫通して絶縁カバー5に接続されるので、フレーム3'とケーシング1と絶縁カバー5とを互いに組み立てって固定する。
【0015】
本発明の第1及び第2実施形態では、ソケット構造はシーリング層(図示せず)を備えている。シーリング層は、ケーシング1の底部12と回路基板21の底面との間に充填され、ソケット構造の熱伝導性能を向上させることができる。また、本体2は、例えば、板状構造などの熱伝導部材23をさらに備えることができる。ただし、これには限定されない。熱伝導部材23が回路基板21に接続され、且つ回路基板21からケーシング1の底部12に向かって延伸する。換言すれば、熱伝導部材23の延伸方向は、フレーム3,3'の第1延伸部32,32'の延伸方向に平行であるが、これに限定されるものではない。他の実施形態では、熱伝導部材23が第1延伸部32,32'に直接接触する。他の実施形態では、シーリング層は、熱伝導部材23とフレーム3,3'の第1延伸部32,32'との間に充填される。これにより、本体2の接続ポート22から発生された熱を、熱伝導部材23を介してフレーム3,3'及びケーシング1に十分に伝導することができ、散熱効果をさらに高めることができる。
【0016】
以上のように、本発明はフレームの第1延伸部と第2延伸部と第3延伸部とを介してフレーム及びケーシングは互いにしっかりと組み立てられるソケット構造を提供できる。ソケット構造の散熱効果が効果的に向上し、ソケット構造の局所温度が高い問題を回避することができる。また、ソケット構造を取り付けに必要な手順を削減でき、組み立てコストを低減することができる。
【0017】
本発明は、当業者が様々な方法で変更できるが、その変更のいずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれている。
【符号の説明】
【0018】
1:ケーシング
11:側壁
12:底部
13:開口部
14:収容空間
2:本体
21:回路基板
22:接続ポート
23:熱伝導部材
3、3':フレーム
31:シート部材
31a:第1シート部材
31b:第2シート部材
32、32':第1延伸部
33、33':第2延伸部
34:第3延伸部
35:位置決め穴
36:固定溝部
4:蓋部材
41:貫通孔
5:絶縁カバー
A-A':切断線
S:固定部材
図1
図2
図3
図4
図5