(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146891
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20220928BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20220928BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A63F13/80 B
A63F13/537
G09B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024641
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036890
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518415679
【氏名又は名称】ナショナル インスティチュート オブ メテオロロジカル サイエンシズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シム,ソン ボ
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジョン チョル
(72)【発明者】
【氏名】ビョン,ヨン ファ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヒョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン-ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン-ヒ
【テーマコード(参考)】
2C028
【Fターム(参考)】
2C028AA08
2C028BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カーボン・ニュートラルと気候変動に対する教育効果を高める。
【解決手段】ゲーム・ボード、炭素排出量を表示する炭素カード及び炭素吸収量を表示する環境カードからなる一般カード、気候危機災害を表示する災害カード、温室効果ガス目標量変更権を表示する協約カード、勝ち点を表す地球通貨カード、並びに地球温暖化のレベル及び炭素排出量の目標を表示するインジケータを表示するゲーム・ディスプレイ部と、前記ゲーム・ディスプレイ部を制御して、ゲーム・ボード上に前記一般カード、前記災害カード、前記協約カード、前記地球通貨カード、又は前記インジケータを表示するようにするゲーム制御部と、を備えるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム・ボード、炭素排出量を表示する炭素カード及び炭素吸収量を表示する環境カードとからなる一般カード、気候危機災害を表示する災害カード、温室効果ガス目標量変更権を表示する協約カード、勝ち点を表す地球通貨カード、及び、地球温暖化のレベル及び炭素排出量目標を表示するインジケータを表示するゲーム・ディスプレイ部と、
前記ゲーム・ディスプレイ部を制御して、前記ゲーム・ボード上に前記一般カード、前記災害カード、前記協約カード、前記地球通貨カード又は前記インジケータを表示するようにするゲーム制御部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、
前記ゲーム・ディスプレイ部を介して表示される前記ゲーム・ボード上に、
前記インジケータが配置されて炭素排出量目標が表示される炭素排出量目標ディスプレイ部と、
前記インジケータが配置されて地球温暖化のレベルが表示される地球温暖化のレベル・ディスプレイ部と、
使用前後の前記一般カードが配置される一般カード位置と、
使用前後の前記災害カードが配置される災害カード位置と、
前記地球通貨カードが配置される地球通貨カード位置と、
使用前後の前記協約カードが配置される協約カード位置と、
ゲーマーによって提出される前記一般カードが配置されるボトム・カード位置と、を表示するように制御する、カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項2】
前記ゲーム制御部は、
各前記ゲーマー側に前記地球通貨カードを提供し、残りの前記地球通貨カードを前記地球通貨カード位置に配置し、前記災害カードを前記災害カード位置に配置し、前記協約カードを前記協約カード位置に配置し、
前記一般カードを前記一般カード位置に配置し、前記一般カード位置に配置される一般カードのうち、各1つを前記ゲーマーのボトム・カード位置に配置する、請求項1に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、
前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置に配置される一般カードを選択して裏返すと、最も高い数字の一般カードを提出するゲーマーに前記地球通貨カードを提供する、請求項1に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項4】
前記ゲーム制御部前記は、
前記ゲーマーが、前記ゲーマーのボトム・カード位置に4枚の一般カードを提出し、前記災難カード及び前記協約カードの提出が終わった後、各ゲーマーの前記ゲーマーのボトム・カード位置に配置される一般カードの数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部に表示される炭素排出量目標を超えないゲーマーのうち、前記一般カードの数字の合計が最も高いゲーマーが勝利し、
前記一般カードの数字の合計が最も低いゲーマーが2人以上の場合、前記一般カードの単一の数字が最も大きいカードを提出するゲーマーが勝利すると決定し、
前記勝利するゲーマーに前記地球通貨カードを1枚提供するように制御する、請求項3に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項5】
前記ゲーム制御部は、
前記ゲーマーのボトム・カード位置に配置される一般カードの合計が前記素排出量目標ディスプレイ部に表示される炭素排出量目標を超えるゲーマーは、
前記ゲーマーのボトム・カード位置に配置される一般カードの数字の合計が前記炭素排出量目標ディスプレイ部に表示される炭素排出量目標を超えていないゲーマーのうち、提出する前記一般カードの数字の合計が最も高いゲーマーに、又は、
前記一般カードの数字の合計が最も高いゲーマーが2人以上の場合、前記一般カードの単一の数字が最も大きいカードを提出するゲーマーに、
地球通貨カードを提供するように制御する、請求項4に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項6】
前記ゲーム制御部は、
前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置に4枚の一般カードを提出し、前記災害カード及び前記協約カードの提出が完了した後、各ゲーマーの前記ボトム・カードに配置される一般カードの数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部に表示される炭素排出量目標を超えるゲーマーは、1つの前記地球通貨カードを返却するように制御する、請求項5に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項7】
前記ゲーム制御部は、
ゲームが終了した後、前記地球通貨カードを最も多く所有するゲーマーが勝利すると判定し、
前記地球温暖化のレベル・ディスプレイ部を介して表示される地球温暖化のレベルが4℃を超えると、すべてのゲーマーが敗北すると判定し、
前記災害カード又は前記炭素排出量の目標を超えるために返却する必要がある地球通貨カードを有しないゲーマーは、敗北すると判定したり、代わりに他のゲーマーが地球通貨カードを提出したりするように制御する、請求項6に記載のカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システム。
【請求項8】
ゲーム・ボードと、
炭素排出量を表示する炭素カード、及び炭素吸収量を表示する環境カードからなる一般カードと、
気候危機災害を表示する災害カードと、
温室効果ガス目標量の変更権を表示する協約カードと、
勝ち点を表す地球通貨カードと、
地球温暖化のレベル及び炭素排出量の目標を表示するインジケータと、を備え、
前記ゲーム・ボードは、
前記インジケータが配置されて炭素排出量目標が表示される炭素排出量目標ディスプレイ部と、
前記インジケータが配置されて地球温暖化のレベルが表示される地球温暖化のレベル・ディスプレイ部と、
使用前後の前記一般カードが配置される一般カード位置と、
使用前後の前記災害カードが配置される災害カード位置と、
前記地球通貨カードが配置される地球通貨カード位置と、
使用前後の前記協約カードが配置される協約カード位置と、
ゲーマーによって提出される前記一般カードが配置されるボトム・カード位置と、を含む、カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン・ニュートラル(炭素中立)教育向けのボード・ゲーム、カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法、及び、そのシステムに関し、より詳しくは、ゲーマー(gamer)が地球温暖化の危険性を認識し、温室効果ガスの排出量を抑制し、カーボン・ニュートラルを通じて持続可能な地球環境を作るための国家の政策決定者の立場から、環境を保存しながらも開発を見逃せない戦略を立てるようにし、カーボン・ニュートラルの概念を習得し、国家気候変動政策の樹立過程を間接的に経験し、さらに気候危機状況を解決する方案を模索しながら、緊張感と心理感を用いて楽しさを高めることができるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム、カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法、及び、そのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化に伴って猛暑、台風、洪水、山火事など極限の気象現象が頻繁に発生し、変化された生態系のために伝染病まで拡散されているなどから、我ら人間の生活が直接的に脅かされているため、国内外で大気への温室効果ガス排出量を減らして温暖化のレベルを下げるために大きな努力を傾けている。2020年我が国(韓国)政府でも2050年までカーボン・ニュートラル達成を宣言し、「カーボン・ニュートラル委員会」を設立したのに続き、炭素負担金の導入など多様な制度を検討しており、低炭素産業を支援するグリーン(green)投資を活性化している。
【0003】
カーボン・ニュートラル(ネットゼロ)は、化石燃料の使用による炭素ガスの排出量を減らし、環境にやさしいエネルギー使用を増加させ、炭素ガスの排出量と吸数量が等しくなってゼロになることを意味する。近年、地球温暖化のスピードが加速されるにつれて、気候変動の問題が深刻になっているため、地球が耐え抜く限界を超えないようにするには、遅れずにネットゼロを達成しなければならない。
【0004】
しかし、経済発展のためにエネルギーを使用することから、温室効果ガス排出を完全に減らすことは困難である。したがって、無分別な開発を抑制し、温室効果ガスを削減するために、国際社会は炭素排出権を導入して国別の温室効果ガス排出量を規制しており、なお気候変動条約に従って温室効果ガスの目標排出量を設定し、実際の温室効果ガス排出量を評価して余分や不足分に対し温室効果ガス排出量の取引を許容している。
【0005】
カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームは、このように地球温暖化による気候危機状況と、それを解決するためのカーボン・ニュートラル及び気候変動に関する複雑な政策とをより容易に理解するように助ける。それだけではなく、直接に政策決定者になって経済発展のために温室効果ガスをさらに排出するか、又は地球温暖化のレベルを下げるために努力するかを交渉を通じて調整し、気候危機状況に合わせて対応し、目標排出量を超えないように運営するゲーム方式を通じて、気候変動とカーボン・ニュートラルに対する国家政策を間接的に体験することができる。
【0006】
なお、このようなカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームは、複雑な形態の構造ではなく加算や減算などの演算だけでも可能である。気候変動危機対応方法がゲーマー間の協力と競争構造からなるのであれば、本来の目的である娯楽的用途はもちろん、問題解決と知能発達のための教育力量の強化まで、その活用性はさらに大きくなるだろう。
【0007】
これに関連して、従来も炭素排出権の環境教育向けのボード・ゲームが使用されていた。
【0008】
しかし、従来技術では、ゲームが終了するまで他のゲーマーの状態を全く知ることができず、自分の順番にカード交換過程でも他ゲーマーとの相互作用が全くなく、炭素排出による気候変動状況が体感されていないため、緊張感と心理感を形成しにくいだけではなく、ゲームが退屈になって本来の目的である気候変動問題に対する教育効果を期待しにくかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述された問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ゲームが終了するまで緊張感と心理感を形成することができるようにし、カーボン・ニュートラルと気候変動に対する教育効果を高めるために、ゲームの進行過程に地球温暖化のレベルを確認することができるようにし、地球温暖化の増加に伴う気候災害状況を演出してゲーマーの緊張感と興味を増加させ、カード交換の過程で他のゲーマーとの相互作用や牽制行動ができるようにし、スコアを得ることができるルールを追加することで戦略的な活用性を増大させ、カーボン・ニュートラルの概念と気候変動の問題解決に対する教育的効果を期待できるようにすることにある。
【0010】
なお、本発明の目的は、現在の温暖化のレベルと炭素抑制目標値、得点状況などを容易に確認できるようにシステムを構成してゲームの戦略性と興味を確保し、教育や広報などの多方面で活用性を増大させることができるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述された問題を解決するための本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムは、ゲーム・ボード10、炭素排出量を表示する炭素カード26及び炭素吸収量を表示する環境カード27とからなる一般カード(26、27)、気候危機災害を表示する災害カード28、温室効果ガスの目標量変更権を表示する協約カード29、勝ち点を表す地球通貨カード30、並びに地球温暖化のレベル及び炭素排出量の目標を表示するインジケータ31を表示するゲーム・ディスプレイ部100と、前記ゲーム・ディスプレイ部を制御して、前記ゲーム・ボード上に前記一般カード、前記災害カード、前記協約カード、前記地球通貨カード、前記インジケータに表示するようにするゲーム制御部200と、を備え、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーム・ディスプレイ部100を介して表示される前記ゲーム・ボード10上に、前記インジケータ31が配置されて炭素排出量の目標を表示する炭素排出量目標ディスプレイ部11と、前記インジケータ31が配置されて地球温暖化のレベルを表示する地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12と、使用前後の前記一般カードが配置される一般カード位置(13、14)と、使用前後の前記災害カードが配置される災害カード位置(15、16、17、18)と、前記地球通貨カードが配置される地球通貨カード位置19と、使用前後の前記協約カードが配置される協約カード位置(20、21)と、ゲーマーによって提出される前記一般カードが配置されるボトム(bottom)カード位置(22、23、24、25)と、を表示するように制御することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部200は、各前記ゲーマー側に前記地球通貨カード30を提供し、残りの前記地球通貨カード30を前記地球通貨カード位置19に配置し、前記災害カード28を前記災害カード位置15に配置し、前記協約カード29を前記協約カード位置20に配置し、前記一般カード(26、27)を前記一般カード位置13に配置し、前記一般カード位置13に配置される一般カード(26、27)のうち、各1つを前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置することができる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部220は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26,27)を選択して裏返すと、最も高い数字の一般カード(26,27)を提出するゲーマーに前記地球通貨カード30を提供することができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部220は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に4枚の一般カード(26,27)を提出し、前記災害カード28及び前記協約カード29の提出が終わった後、各ゲーマーの前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えていないゲーマーのうち、前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマーが勝利し、前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマーが2人以上の場合には、前記一般カード(26、27)の単一の数字が最も大きいカードを提出するゲーマーが勝利すると決定し、前記勝利するゲーマーに前記地球通貨カード30を提供するように制御することができる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部220は、前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えているゲーマーは、前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に示される炭素排出量目標を超えていないゲーマーのうち、提出する前記前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマー又は前記一般カード(26、27)の数の合計が最も低いゲーマーが、2人以上の場合、前記一般カード(26、27)の単一数字が最も大きいカードを提出するゲーマーに、前記地球通貨カード30を1枚提供するように制御することができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部220は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に4枚の一般カード(26,27)を提出し、前記災害カード28及び前記協約カード29の提出が終わった後、各ゲーマーの前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えるユーザーは、1つの前記地球通貨カード30を返却するように制御することができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記ゲーム制御部220は、ゲームが終了した後、前記地球通貨カード30を最も多く所有するゲーマーが勝利すると判定し、前記地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12を介して表示される地球温暖化のレベルが4℃を超えると、すべてのゲーマーが敗北すると判定し、前記災害カード28又は前記炭素排出量目標の超過により返却しなければならない地球通貨カード30のないゲーマーは敗北すると判定するか、又は他のゲーマーが、代わりに地球通貨カード30を提出するように制御することができる。
【0018】
本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムを用いたカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法は、一般カード位置13に配置される一般カード(26、27)を前記ゲーマーに提供する第1段階と、前記ゲーマーが各々前記一般カード(26、27)をゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に前記一般カード(26、27)の裏面が見えるように配置する第2段階と、前記一般カード(26、27)の前面が見えるように裏返されると、最も高い数字の一般カード(26、27)を提出するゲーマーに地球通貨カード30を提供する第3段階と、前記ゲーマーが提出する一般カード(26、27)の数字の合計が、0(ゼロ)より大きい場合には、地球温暖化のレベルを一間上昇させ、0(ゼロ)より小さい場合には、前記地球温暖化のレベルを一間下落させ、0(ゼロ)の場合には、前記地球温暖化のレベルを変更しない第4段階と、1つの協約カード29を選択して前記選択される協約カード29に示される値の範囲内で、前記ゲーマーが炭素排出量目標を変更させると、インジケータ31を介して前記排出量目標を表示する第5段階と、前記地球温暖化のレベルが設定温度以上の場合、1つの災害カード28を選択し、前記災害カード28に表示される情報にしたがって、前記ゲーマーから前記地球通貨カード30を返却される第6段階と、前記一般カード(26、27)の数字の合計によって地球通貨カード30を提供されるか、又は返却する第7段階と、前記地球通貨カード30を最も多く所有しているゲーマーが勝利すると判定する第8段階と、を備える。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、前記第1段階~前記第5段階又は前記第1段階~前記第6段階を繰り返すことができる。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、前記第7段階では、前記提出する4枚の一般カード(26、27)の合計が、前記炭素排出量目標を超えないゲーマーのうち、前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲームに2枚の地球通貨カード30を提供することができる。
【0021】
本発明の別の一実施形態によれば、前記第7段階では、前記提出する4枚の一般カード(26、27)の合計が、前記炭素排出量目標を超えるゲーマーは、1枚の地球通貨カード30を返却し、前記提出する4枚の一般カード(26、27)の合計が、前記炭素排出量目標を超えないゲーマーのうち、前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も低いゲーマーに、前記返却した地球通貨カード30を提供することができる。
【0022】
本発明の他の実施形態によれば、前記第7段階では、すべてのゲーマーが提出する4枚の一般カード(26、27)の合計が、各々前記炭素排出量目標を超えると、前記すべてのゲーマーは、前記地球通貨カード30を返却することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームは、ゲーム・ボード10と、炭素排出量を表示する炭素カード26及び炭素吸収量を表示する環境カード27からなる一般カード(26、27)と、気候危機災害を表示する災害カード28と、温室効果ガス目標量変更権を表示する協約カード29と、勝ち点を表す地球通貨カード30と、地球温暖化のレベル及び炭素排出量目標を表示するインジケータ31と、を備える。前記ゲーム・ボード10は、前記インジケータが配置されて炭素排出量目標を表示する炭素排出量目標ディスプレイ部11と、前記インジケータ31が配置されて地球温暖化のレベルを表示する地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12と、使用前後の前記一般カードが配置される一般カード位置(13、14)と、使用前後の前記災害カードが配置される災害カード位置(15、16、17、18)と、前記地球通貨カードが配置される地球通貨カード位置19と、使用前後の前記協約カードが配置される協約カード位置(20、21)と、ゲーマーによって提出される前記一般カードが配置されるボトム・カード位置(22、23、24、25)と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、老若男女の誰もがゲームをしながら気候変動の問題を体験し、気候危機の状況を克服し、持続可能な地球環境を作るために、他のゲーマーと協力あるいは牽制するなどの心理を用いた戦略を立ててゲームの楽しみを倍増させることで、ゲーマーの親睦をより一層強く固めるようになり、カーボン・ニュートラルと気候変動の問題に関する複雑な政策に対し自然に理解できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態によりカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法によるゲームの最終勝利者を決定する方法を説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照して好ましい本発明の一実施形態について詳しく説明する。ただし、実施形態を説明するにあたって、関連される公知の機能又は構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を不必要にぼやかすことができると判定される場合、それについての詳しい説明は省略する。なお、図面中の各構成要素のサイズは、説明のために誇張されることがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0027】
図1~
図7は、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するための図である。より詳しく説明すると、
図1は本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームを示す図で、
図2は本発明の一実施形態による炭素排出量を表示する一般カード(炭素カード)を示す図で、
図3は本発明の一実施形態による炭素吸収量を表示する一般カード(環境カード)を示す図で、
図4は本発明の一実施形態による協約カードを示す図であり、
図5は本発明の一実施形態による災害カードを示す図であり、
図6は本発明の一実施形態による地球通貨カードを示す図で、
図7は本発明の一実施形態によるインジケータを示す図である。
【0028】
以下では、
図1~
図7を参照して、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム、及びカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明する。
【0029】
本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲームは、ゲーム・ボード10、炭素排出量を表示する炭素カード26と炭素吸収量を表示する環境カード27からなる一般カード(26、27)、気候危機災害を表示する災害カード28、温室ガス標目量を表示する協約カード29、勝ち点を表す地球通貨カード30、及び地球温暖化のレベルと炭素排出量目標を表示するインジケータ31を含む。
【0030】
前記炭素カード26は、+1~+7が表示されるカードが8枚のセットで構成されて総計56枚で構成され得、前記環境カード27は、-1~-6まで表示されるカードが4枚のセットで構成されて総計24枚で構成され得る。
【0031】
なお、前記協約カード29は、+/-1~5が表示されるカードが総計5枚で構成され、前記災害カード28は、台風カード、旱魃カード、山火事カード、猛暑カードが、各2枚セットで総計8枚として構成され、このとき、前記台風カードは、すべてのゲーマーが地球通貨カード1枚を返却しなければならず、前記旱魃カードは、提出される環境カードの一つもないゲーマーが地球通貨1枚を返却しなければならず、前記山火事カードは、該当するターンに環境カードを提出するゲーマーが地球通貨1枚を返却しなければならず、前記猛暑カードは、該当するターンに炭素カードを提出するゲーマーが地球通貨1枚を返却しなければならないカードである。
【0032】
なお、前記地球通貨カード30は、総計30枚で構成され、前記インジケータ31は、2つで構成されてもよい。
【0033】
前記ゲーム・ボード10には、前記インジケータ31が配置されて炭素排出量目標を表示する炭素排出量目標ディスプレイ部11と、前記インジケータ31が配置されて地球温暖化のレベルを表示する地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12と、使用前後の前記一般カードを配置する一般カード位置(13、14)と、使用前後の前記災害カードを配置する災害カード位置(15、16、17、18)と、前記地球通貨カードを配置する地球通貨カード位置19と、使用前後の前記協約カードを配置する協約カード位置(20、21)と、ゲーマーによって提出される前記一般カードを配置するボトム・カード位置(22、23、24、25)と、が含まれてもよい。
【0034】
まず、すべてのゲーマーに地球通貨カード30を3枚分け与えて始める。残りの地球通貨カード30は、地球通貨カード位置19に載せる。進行者は災害カードをよく混ぜた後、災害カード位置(使用前)15にカードの裏面を上から見せるように載せる。そして、協約カード29をよく混ぜた後、協約カード位置(使用前)20にカードの裏面を上から見えるように載せる。以後、進行者は一般カード(炭素/環境)(26、27)をよく混ぜた後、一般カード位置(使用前)13にカードの裏面を上から見えるように載せてから、ランダムに4枚のカードを抜き出して、各ゲーマーにカードの裏面を上から見えるように提供する。ゲーマーは、分け与えられた一般カード(26、27)を他のゲーマーに見えないように手に持つ。初めてラウンドを開始するとき、進行者は、炭素排出量目標11を10~15の間に定めることができ、地球温暖化のレベル12は、1℃に決めてインジケータ31に載せておけば、ゲームの開始準備を完了することができる。
【0035】
ゲーマーのゲーム進行順序は、多様な方法で定められ、時計又は反時計回り方向に進行され、次のラウンドからは、以前ラウンドで勝利するゲーマーから始まる。もし以前のラウンドで勝利するゲーマーがない場合、以前のラウンドと同じ順序に従う。進行者は、ゲーマーらに今回ラウンドの目標排出量と地球温暖化のレベルを説明する。ラウンド内の温室効果ガス排出量の抑制基準は、ゲーム中に交渉カードを介して変更されることがあり、地球温暖化のレベルは、ゲーマーが提出する一般カード(26、27)の合計に応じて毎ターン変更されてもよい。
【0036】
なお、1ラウンドは、4回のターンからなっており、ゲームは、総計4回のラウンドで進行される。各ターンごとにゲーマーは持っている一般カード(26、27)のうち、1枚を各自のボトム・カード位置(22、23、24、25)にカードの裏面を見えるように載せて置いた後、すべてのゲーマーの提出が終わって、共に裏返して確認する。進行者は、最高の数字の炭素カード26を提出するゲーマーに1つの地球通貨カード30を提供する。
【0037】
各ラウンドの勝利条件は、すべてのゲーマーがボトム・カード位置(22、23、24、25)に4枚のカードを提出し、協約カード29及び災害カード28の実行が終了した後、ラウンドが終了するとき、各ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に置かれた一般カード(26、27)の合計が、今回のラウンドの炭素排出量目標を超えていない人のうち、一般カード(26、27)の数字の合計の最も高いゲーマーが勝利する。このとき、数字の合計が最も高いゲーマーが2人以上の場合、ボトム・カード位置に置かれた一般カードの単一数字が大きいカードを有するゲーマーが勝利する。進行者は、ラウンドで勝利するゲーマーに2つの地球通貨30を提供する。
【0038】
もしラウンドの終了時に、ボトム・カード位置(22、23、24、25)に置かれた一般カード(26、27)の合計が、今回のラウンドの炭素排出量目標を超えるゲーマーは、炭素排出量目標を超えていないゲーマーのうち、ボトム・カード位置(22、23、24、25)に置かれた一般カード(26、27)の合計が、最も低いゲーマーに地球通貨30の1枚を奪われる。このとき、一般カードの合計が最も低いゲーマーが2人以上の場合、ボトム・カード位置に置かれた一般カード(26、27)の単一の数字が小さいカードを有するゲーマーに地球通貨30の1枚を奪われる。もしラウンドの終了時に、すべてのゲームが、排出量制限基準を超える場合、すべてのゲーマーは、地球通貨30の1枚を進行者に提出しなければならない。
【0039】
総計4回ラウンドのゲームを進行したときに、有している地球通貨30が最も多いゲーマーが勝利する。ただし、各ラウンドが終わるとき、地球温暖化のレベルが4℃を超えると、進行者は、今回のゲームでは勝者なしにすべてのゲーマーが敗北すると宣言してゲームを終了する。なお、災害カード28の費用又は炭素排出量目標超過による費用で、地球通貨30を返却することができない場合、該当するゲーマーは敗北する。ただし、ゲーマーがその費用を支払うことができない場合、他のゲーマーが、代わりにこれを返却してもよいが、強制事項ではない。
【0040】
図8~
図14は、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明するためのフローチャートである。
【0041】
今後、
図8~
図14を参照して、一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法を説明する。
【0042】
本発明によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法は、カーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムを用いて提供することができる。
【0043】
まず、
図8を参照すると、順序に従ってゲーマーは、自分の順番になると、一般カード位置(使用前)13で一般カード(26,27)の1枚を受け取る。ゲーマーは、カードの中から一般カード(26、27)の1枚を選択してボトム・カード位置(1ターンカード)22に数字が見えないように裏返して提出し、自分のターンを終了する。
【0044】
同様に、すべてのゲーマーがボトム・カード位置(1ターンカード)(22、23、24、25)に一般カード(26、27)を載せてから、ゲーマーらが、共にカードを裏返して公開するようにする(S110)。今回ターンに最も高い一般カード(26、27)を提出したゲーマーに地球通貨30の1枚を提供する(S120、S130)。
【0045】
以後、1ターンの精算が終わったら、ゲーマーらが提出する炭素カード26と環境カード27との合計が0より大きい場合、地球温暖化のレベル12を一間上昇させる。もし今回の一般カード(26、27)の合計が0より小さい場合、地球温暖化のレベル12を一間下げる。このとき、前記一間の間隔は、0.25℃、0.5℃、1℃などに設定されてもよい。
【0046】
今回ターンに提出される一般カード(26、27)の合計が0に等しい場合、地球温暖化のレベルの変更はない。進行者は、インジケータ31を介して現在の地球温暖化のレベルを表示し、ゲーマーに変更点を知らせる(S140)。
【0047】
このように、1ターンの精算と地球温暖化のレベルの変更が終わってからは、進行者は、協約カード位置(使用前)20上端で協約カード29の1枚を裏返して確認する。この協約カード29を介して、ゲーマーは、現在のラウンドの炭素排出量目標11を上げたり下げたりすることができ、このときゲーマーらは多数決を通じて交渉することができる。決められない場合は、優先順序であるゲーマーが、これを決定することができる。決定する符号によって、今回のラウンドの炭素排出量目標が変更される(S150)。たとえば、+/-3の数字が表示される交渉カードをゲーマーがマイナス符号に決定すると、現在の温室効果ガス炭素排出量目標が15である場合、抑制基準値から3を引いて12になる。なお、インジケータ31を介して現在の炭素排出量目標を表示し、ゲーマーらに変更点を知らせる。
【0048】
以後、
図9を参照すると、
図8におけるゲーム方法と同様に、順序に応じてゲーマーは、自分の順番になると一般カード位置(使用前)13の上端で一般カード(26、27)の一枚を受ける。ゲーマーは、カードのうち一般カード(26、27)の1枚を選択して、ボトム・カード位置(2ターンカード)22に数字が見えないように裏返して提出し、自分のターンを終了する。
【0049】
同様に、すべてのゲーマーが、ボトム・カード位置(2ターンカード)(22、23、24、25)に一般カード(26、27)を載せてからは、ゲーマーらが、共にカードを裏返して公開する(S210)。今回ターンで最高の炭素カード26を提出するゲーマーに地球通貨30の1枚を提供する(S220、S230)。
【0050】
以後、2ターンの精算が終わったらゲーマーらが提出する炭素カード26と環境カード27との合計が0より大きい場合、進行者は地球温暖化のレベル12を一間上昇させる。もし今回ターンに一般カード(26、27)の合計が0より小さい場合、地球温暖化のレベル12を一間下げる。今回ターンに提出される一般カード(26、27)の合計が0に等しい場合、地球温暖化のレベルの変更はない。進行者は、インジケータ31を介して現在の地球温暖化のレベルを表示し、ゲーマーらに変更点を知らせる(S240)。
【0051】
以後、現在ラウンドの地球温暖化のレベルが4℃以上であれば(S250)、進行者は、災害カード28の1枚を裏返して災害カード位置(2ターン)16に載せておき、該当する命令に従ってゲーマーらに被害費用を請求する(S260)。例えば、台風カードの場合、すべてのゲーマーが地球通貨30の1枚を返却し、旱魃カードの場合、提出されるカードのうち、環境カード27の1つもないゲーマーが、地球通貨30の1枚を返却し、山火事カードの場合、今回ターンに環境カード27を提出するゲーマーが地球通貨30の1枚を返却する。猛暑カードの場合、今回ターンに炭素カード26を提出するゲーマーが地球通貨30の1枚を返却する。
【0052】
以後、
図10を参照すると、順序に従ってゲーマーは、自分の順番になると一般カード位置(使用前)13で一般カード(26,27)の一枚を受け取る。ゲーマーは、カードのうち一般カード(26、27)の1枚を選択して、ボトム・カード位置(3ターンカード)22に数字が見えないように裏返して提出し、自分のターンを終了する。
【0053】
同様に、すべてのゲーマーがボトム・カード位置(3ターンカード)(22、23、24、25)に一般カード(26、27)を載せてからは、ゲーマーらが共にカードを裏返して公開する(S310)。今回ターンに最も高い一般カード(26、27)を提出するゲーマーに地球通貨30の1枚を提供する(S320、S330)。
【0054】
以後、1ターンの精算が終わったら、ゲーマーらが提出する炭素カード26と環境カード27との合計が0より大きい場合、地球温暖化のレベル12を一間上昇させる。もし今回ターンに一般カード(26、27)の合計が0より小さい場合、地球温暖化のレベル12一間下げる。今回ターンに提出される一般カード(26、27)の合計が0に等しい場合、地球温暖化のレベルの変更はない。進行者は、インジケータ31を介して現在の地球温暖化のレベルを表示し、ゲーマーらに変更点を知らせる(S340)。
【0055】
以後、現在のラウンドの地球温暖化のレベルが3℃以上であれば(S350)、進行者は、災害カード28の1枚を裏返して災害カード位置(3ターン)17に載せて置き、該当する命令に従ってゲーマーらに被害費用を請求する(S360)。例えば、台風カードの場合、すべてのゲーマーが地球通貨30の1枚を返却し、旱魃カードの場合、提出されるカードのうち環境カード27が一つもないゲーマーは、地球通貨30の1枚を返却し、山火事カードの場合、今回ターンに環境カード27を提出するゲーマーは、地球通貨30の1枚を返却し、猛暑カードの場合、今回ターンに炭素カードを提出するゲーマーは、地球通貨30の1枚を返却する。
【0056】
以後、
図11を参照すると、順序に応じてゲーマーは自分の順番になると、一般カード位置(使用前)13で一般カード(26,27)の一枚を受け取る。ゲーマーは、カードのうち一般カード(26、27)の1枚を選択して、ボトム・カード位置(4ターンカード)22に数字が見えないように裏返して提出し、自分のターンを終了する。
【0057】
同様に、すべてのゲーマーが、ボトム・カード位置(4ターンカード)(22、23、24、25)に一般カード(26、27)を載せてからは、ゲーマーらが共にカードを裏返して公開する(S410)。今回ターンに最も高い一般カード(26、27)を提出するゲーマーに地球通貨30の1枚を提供する(S420、S430)。
【0058】
以後、4ターンの精算が終わったら、ゲーマーらが提出する炭素カード26と環境カード27との合計が0より大きい場合、地球温暖化のレベル12を一間上昇させる。もし今回ターンに一般カード(26、27)の合計が0より小さい場合、地球温暖化のレベル12を一間下げる。今回ターンに提出される一般カード(26、27)の合計が0に等しい場合、地球温暖化のレベルの変更はない。進行者は、インジケータ31を介して現在の地球温暖化のレベルを表示し、ゲーマーらに変更点を知らせる(S440)。
【0059】
以後、現在のラウンドの地球温暖化のレベルが2℃以上であれば(S450)、進行者は、災害カード28の1枚を裏返して災害カード位置(4ターン)18に載置し、該当する命令に従ってゲーマーらに被害費用を請求する(S460)。例えば、台風カードの場合、すべてのゲーマーが地球通貨の1枚を返却し、旱魃カードの場合、提出されるカードのうち、環境カードが一つもないゲーマーは地球通貨の1枚を返却し、山火事カードの場合、今回ターンに環境カードを提出するゲーマーは地球通貨の1枚を返却し、猛暑カードの場合、今回ターンに炭素カードを提出するゲーマーは、地球通貨の1枚を返却する。
【0060】
上記のような順序に従って4ターンまで終了すると、今回のラウンドのゲームが終了する。
【0061】
図12を参照すると、各ゲーマーが提出する4枚の一般カード(26、27)の合計が、今回のラウンドの炭素排出量目標11を超えないゲーマーのうち(S510)、合計が最も高いゲーマーに2枚の地球通貨30を提供する(S520、S530)。
【0062】
もしボトム・カード位置(22、23、24、25)に提出する4枚のカードの合計が、今回のラウンドの炭素排出量目標11を超えるゲーマーがいる場合、超過するゲーマーらに各々1枚の地球通貨30を返却され、炭素排出量目標11を超えないゲーマーのうち、カードの合計が最も低いゲーマーに提供する。すべてのゲームが炭素排出量目標11を超える場合、進行者は、ゲーマー全員に1つの地球通貨30を持ってくる(S540)。
【0063】
なお、今回のラウンドでゲーマーらが使用する一般カードをボトム・カード位置から全て収集して一般カード位置(使用後)14によく集めて載せておく。
【0064】
このようなラウンド精算がすべて完了すると、次のラウンドに移って上記のような
図8~
図14のゲーム方法を再び繰り返す。このとき、炭素排出量目標と地球温暖化のレベル12は、前回のラウンド終了時の数値で維持する。総計4回のラウンドゲームを進行して最も多くの地球通貨30を獲得するゲーマーが、最終勝利者として決定される。
【0065】
図13は、本発明の一実施形態によりカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法によるゲームの最終勝利者を決定する方法を説明するための図である。
【0066】
より具体的には、
図13は、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法において最後のラウンドが終わったときのゲームのルールを示しているもので、現在まで炭素排出量目標は13であり、地球温暖化のレベルは3℃である。
【0067】
下側のゲーマー(第1ゲーマー)はボトム・カードの合計が14で、左側のゲーマー(第2ゲーマー)はボトム・カードの合計が12で、上側のゲーマー(第3ゲーマー)はボトム・カードの合計が14で、右側のゲーマー(第4ゲーマー)はボトム・カードの合計が4である。
【0068】
この場合、下側と上側のゲーマーは目標排出量を超えたため、勝者は左側のゲーマー(第2ゲーマー)であり、進行者から地球通貨30の2枚を受け取る。
【0069】
下側のゲーマー(第1ゲーマー)と上側のゲーマー(第3ゲーマー)は、各々地球通貨カード30の1枚を右側のゲーマー(第4ゲーマー)に奪われる。
【0070】
最終のラウンドで精算が終わったとき、地球通貨カード30は、下側のゲーマーが2枚で、左側のゲーマーが2枚で、上側のゲームが1枚、右側のゲーマーが3枚であるため、右側のゲーマーが最終勝利者になった。
【0071】
このように、本発明によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム方法によれば、現在の地球温暖化のレベルを考慮して他のゲーマーと協力し、持続可能な発展を図る必要があり、無分別な開発による炭素排出量の増加は、気候災害を引き起こし、最悪の状況ではすべての人が敗北する結果をもたらす。したがって、ゲーマーらは常に温暖化状態を確認しながら自分の戦略を隠すか、又は他のゲーマーと協力あるいは牽制するなどの心理を用いて勝利を勝ち取ることになり、ゲームが開始して終わるまで、すべてのゲーマーは、自分の手札と状況の変化を予測して判定できるようにした。
【0072】
そして、ラウンドが終了するときに、炭素排出量の高いゲーマーだけが勝ち点を獲得するのではなく、温暖化のレベルを抑えるために努力する炭素排出量が低いゲーマーも勝ち点を獲得する方法を追加し、無分別に炭素排出量を増加させるゲーマーにはペナルティを与えるなど、多様な方法で勝ち点を得ることができるため、ゲーマーは最後まで緊張と心理を用いて楽しさを強調するようにした。
【0073】
なお、地球温暖化のレベルと気候災害発生条件を容易に判定できるように構成し、最終勝利者の判定が容易になるようにコインカードを追加することで、ゲーマーは現在の状況とスコアを簡単に確認できるようにした。
【0074】
図14は、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムの構成図である。
【0075】
以後、
図14を参照して、本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムの構成を説明する。
【0076】
本発明の一実施形態によるカーボン・ニュートラル教育向けのボード・ゲーム・システムは、ゲーム・ディスプレイ部100と、ゲーム制御部200と、を備える。
【0077】
前記ゲーム・ディスプレイ部100は、ゲーム・ボード10、炭素排出量を表示する炭素カード26及び炭素吸収量を表示する環境カードからなる一般カード(26、27)、気候危機災害を表示する災害カード28、温室効果ガス目標量変更権を表示する協約カード29、勝ち点を表す地球通貨カード30、並びに地球温暖化のレベル及び炭素排出量目標を表示するインジケータ30をディスプレイする。
【0078】
前記ゲーム制御部200は、前記ゲーム・ディスプレイ部100を制御して、前記ゲーム・ボード10上に前記一般カード(26、27)、前記災害カード28、前記協約カード29、前記地球通貨カード30、又は前記インジケータ30を表示するようにする。
【0079】
このとき、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーム・ディスプレイ部100を介して表示される前記ゲーム・ボード10上に、炭素排出量目標ディスプレイ部11、地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12、一般カード位置(13、14)、災害カード位置(15、16、17、18)、地球通貨カード位置19、協約カード位置(20、21)、及びボトム・カード位置(22、23、24、25)を表示するように制御する。
【0080】
なお、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11は、前記インジケータ31が配置されて炭素排出量目標が表示され、前記地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12は、前記インジケータ31が配置されて地球温暖化のレベルが表示され、前記一般カード位置(13、14)は使用前後の前記一般カード(26、27)が配置され、前記災害カード位置(15、16、17、18)には使用前後の前記災害カード28が配置され、前記地球通貨カード位置19には前記地球通貨カード30が配置され、前記協約カード位置(20、21)には、使用前後の前記協約カード29が配置され、前記ボトム・カード位置(22、23、24、25)には、ゲーマーによって提出される前記一般カード(26、27)が配置されるように表示されてもよい。
【0081】
なお、前記ゲーム制御部200は、各前記ゲーマー側に前記地球通貨カード30を提供し、残りの前記地球通貨カード30を前記地球通貨カード位置19に配置し、前記災害カード28を前記災害カード位置15に配置し、前記協約カード29を前記協約カード位置20に配置し、前記一般カード(26、27)を前記一般カード位置13に配置し、前記一般カード位置(13)に配置される一般カード(26、27)のうち、各1つを前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置するように構成されてもよい。
【0082】
なお、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)を選択して裏返すと、最も高い数字の一般カード(26、27)を提出するゲーマーに前記地球通貨カード30を提供することができる。
【0083】
なお、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に4枚の一般カード(26、27)を提出し、前記災害カード28及び前記協約カード29の提出が終わった後、各ゲーマーの前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えていないゲーマーのうち、前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマーが勝利する。
【0084】
なお、前記ゲーム制御部200は、前記一般カード(26、27)の数字の合計が、最も高いゲーマーが2人以上の場合、前記一般カード(26、27)の単一の数字が最大のカードを提出するゲーマーが勝利すると決定し、前記勝利するゲーマーに前記地球通貨カード30を提供するように制御することができる。
【0085】
なお、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えるゲーマーは、前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えないゲーマーのうち、提出する前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマー、又は前記一般カード(26、27)の数字の合計が最も高いゲーマーが2人以上の場合、前記一般カード(26、27)の単一の数字が最も低いカードを提出するゲーマーに、地球通貨カード30を提供するように制御することができる。
【0086】
なお、前記ゲーム制御部200は、前記ゲーマーが前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に4枚の一般カード(26、27)を提出し、前記災害カード28及び前記協約カード29の提出が終わった後、各ゲーマーの前記ゲーマーのボトム・カード位置(22、23、24、25)に配置される一般カード(26、27)の数字の合計が、前記炭素排出量目標ディスプレイ部11に表示される炭素排出量目標を超えるゲーマーは、1つの前記地球通貨カード30を返却するように制御することができる。
【0087】
なお、前記ゲーム制御部200は、ゲームが終了した後、前記地球通貨カード30を最も多く所有するゲーマーが、勝利すると判定し、前記地球温暖化のレベル・ディスプレイ部12を介して表示される地球温暖化のレベルが4℃を超えると、すべてのゲーマーが敗北すると判定し、前記災害カード28又は炭素排出量目標の超過によって返却しなければならない地球通貨カード30のないゲーマーは、敗北すると判定するか、又は代わりに他のゲーマーが地球通貨カード30を提出するように制御することができる。
【0088】
前述したような本発明の詳しい説明では、具体的な実施形態に対して説明した。しかし、本発明の範囲から逸脱しない限りでは、多様な変形が可能である。本発明の技術的思想は、本発明の前述した実施形態に限定されて定められてはならず、特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲に均等なものによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0089】
10:ゲーム・ボード
11:炭素排出量目標ディスプレイ部
12:地球温暖化のレベル・ディスプレイ部
13、14:一般カード位置
15、16、17、18:災害カード位置
19: 地球通貨カード位置
20、21:協約カード位置
22、23、24、25:ボトム・カード位置
26:一般カード(炭素カード)
27:一般カード(環境カード)
28:災害カード
29:協約カード
30:地球通貨カード
31:インジケータ
100:ゲーム・ディスプレイ部
200:ゲーム制御部