(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146930
(43)【公開日】2022-10-05
(54)【発明の名称】非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20220928BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20220928BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044069
(22)【出願日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036755
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】522109227
【氏名又は名称】明知大學校産學協力團
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】李 彰健
(72)【発明者】
【氏名】韓 宇濬
(72)【発明者】
【氏名】金 宰舜
(72)【発明者】
【氏名】文 錫壹
(72)【発明者】
【氏名】成 基榮
(72)【発明者】
【氏名】林 勝雅
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA27
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA59
2H199CA64
2H199CA66
2H199CA68
2H199CA83
2H199CA97
2H249AA02
2H249AA06
2H249AA12
2H249AA60
2H249AA62
(57)【要約】
【課題】非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】開示されたディスプレイ装置は、仮想映像を形成する映像形成装置;及び仮想映像と外部風景を収めた光とを混合して観察者に提供するコンバイナ;を含み、コンバイナは、仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる曲面を含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
外部環境に対応する光を前記仮想映像と混合して観察者に提供するコンバイナと、
を含み、
前記コンバイナは、前記仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる曲面を含む、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記コンバイナは、前記仮想映像を伝達する透明導波路を含み、前記透明導波路の表面に前記曲面が形成されている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記曲面は、前記第1表面に形成された第1曲面及び前記第2表面に形成された第2曲面を含み、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1曲面と第2曲面は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第2方向に沿う断面を有する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1曲面と第2曲面は、前記第2方向に前記コンバイナの全体幅よりも狭幅を有する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置されており、
前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記映像形成装置は、前記第4表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第4表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記コンバイナは、透光板をさらに含み、前記透光板は、
前記第2表面に接し、前記第2表面に形成された第2曲面と相補的な形状を有する第5表面と、
第3表面と第4表面から延びる第6表面と、
第3表面と第4表面から延びる第7表面と、
を含む、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記コンバイナは、前記第2表面に配置された半透過コーティングをさらに含む、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記第1表面は、扁平な傾斜面であり、
前記第2表面に前記曲面が形成され、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記コンバイナは、透光板をさらに含み、前記透光板は、
前記曲面に接し、前記曲面と相補的な形状を有する第5表面と、
前記第3表面と第4表面から延びる第6表面と、
前記第3表面と第4表面から延びる第7表面と、
を含む、透光板をさらに備える、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、
前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されている、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記映像形成装置と前記第3表面との間に配置された投射光学系をさらに含み、
前記曲面と前記投射光学系は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる、請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記第1表面に前記曲面が形成されており、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置され、
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記コンバイナは、前記第4表面の一部領域に配置されて前記仮想映像を前記第3表面に向かって反射する回折パターンをさらに含む、請求項16に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記回折パターンは、傾斜して入射する前記仮想映像に対応する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する前記外部環境に対応する光を透過させる第2表面を含む、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記回折パターンは、ホログラム光学素子、回折光学素子、または、メタ表面である、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記映像形成装置は、前記曲面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、
前記ディスプレイ装置は、前記映像形成装置と前記曲面との間に配置された投射光学系をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記コンバイナは、前記曲面に配置された半透過コーティングをさらに含む、請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記コンバイナは、前記半透過コーティングを支持及び固定する透光板をさらに含む、請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
外部環境に対応する光を前記仮想映像と混合して観察者に提供するコンバイナと、を含み、
前記コンバイナは、
傾斜して入射する前記仮想映像に対応する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する前記外部環境に対応する光を透過させる第2表面を備える回折パターンと、
前記映像形成装置と前記回折パターンとの間に配置された投射光学系と、
を含み、
前記回折パターンと前記投射光学系は、前記仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる、ディスプレイ装置。
【請求項24】
前記回折パターンと前記投射光学系は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記コンバイナは、前記回折パターンを支持する透光板をさらに含む、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
コンバイナと、
を含み、
前記コンバイナは、
前記仮想映像の縦横比を第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第2倍率ほど変化させ、
外部環境に対応する光を前記変化された仮想映像と結合して拡張映像を形成し、
観察者に前記拡張映像を提供するように構成され、
前記第2倍率は、前記第1倍率と互いに異なる、ディスプレイ装置。
ディスプレイ装置。
【請求項27】
前記コンバイナは、前記仮想映像の縦横比を変化させる曲面を含む、請求項26に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記コンバイナは、前記仮想映像の縦横比を変化させる回折パターンを含む、請求項26に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置に係り、非対称的な倍率を有するコンバイナを用いて仮想映像の縦横比を増加させうるディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(virtual reality,VR)を提供するヘッドマウントディスプレイは、現在商用化段階に至り、エンターテイメント産業に広く適用されている傾向にある。それと共に、医療、教育、産業分野において応用可能な形態に発展している。
【0003】
仮想現実ディスプレイの発展した形態である拡張現実(augmented reality,AR)ディスプレイは、現実世界と仮想現実とを結合する映像装置であって、現実と仮想との相互作用を導出する特徴を有する。現実と仮想現実との相互作用は、現実状況に対してリアルタイムで情報を提供する機能を基盤とし、現実世界の環境上に仮想の対象や情報を重ねて示すことで、現実の効果をさらに増加させうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置を提供する。
本発明が解決しようとする他の課題は、非対称的な倍率を有するコンバイナを用いて仮想映像の縦横比を増加させうるディスプレイ装置を提供する。
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、シネマスコープ規格の大きな縦横比を有する仮想映像を提供する拡張現実ディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によるディスプレイ装置は、仮想映像を形成する映像形成装置;及び前記仮想映像と外部風景とを収めた光を混合して観察者に提供するコンバイナ;を含み、前記コンバイナは、前記仮想映像の大きさを、第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる曲面を含んでもよい。
【0006】
前記コンバイナは、前記仮想映像を伝達する透明導波路を含み、前記透明導波路の表面に前記曲面が形成されうる。
【0007】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面を含み、前記曲面は、前記第1表面に形成された第1曲面及び前記第2表面に形成された第2曲面を含み、前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置されうる。
【0008】
前記第1曲面と第2曲面は、光軸上の第1位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第1方向に沿う断面を有し、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第2方向に沿う断面を有することができる。
【0009】
前記第1曲面と第2曲面は、前記第2方向に前記コンバイナの全体幅よりも狭幅を有することができる。
【0010】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置されており、前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されうる。
【0011】
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されうる。
【0012】
前記映像形成装置は、前記第4表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第4表面を透過した仮想映像を反射するように配置されうる。
【0013】
前記コンバイナは、前記第2表面に接し、前記第2表面に形成された第2曲面と相補的な形状を有する表面、及び前記第3表面と第4表面から延びる表面を有する透光板をさらに含んでもよい。
【0014】
前記コンバイナは、前記第2表面に配置された半透過コーティングをさらに含んでもよい。
【0015】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面を含み、前記第1表面は、扁平な傾斜面であり、前記第2表面に前記曲面が形成され、前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置されうる。
【0016】
前記コンバイナは、前記曲面に接し、前記曲面と相補的な形状を有する表面及び前記第3表面と第4表面から延びる表面を有する透光板をさらに含んでもよい。
【0017】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されうる。
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されうる。
【0018】
前記ディスプレイ装置は、前記映像形成装置と前記第3表面との間に配置された投射光学系をさらに含んでもよい。
【0019】
前記曲面と前記投射光学系は、光軸上の第1位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第1方向に沿う断面を有し、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第2方向に沿う断面を有することができる。
【0020】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面を含み、前記第1表面に前記曲面が形成されており、前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置され、前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置されうる。
前記コンバイナは、前記第4表面の一部領域に配置され、前記仮想映像を前記第3表面に向かって反射する回折パターンをさらに含んでもよい。
【0021】
前記回折パターンは、傾斜して入射する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する光を透過させる第2表面を含んでもよい。
【0022】
例えば、前記回折パターンは、ホログラム光学素子、回折光学素子、または、メタ表面でもある。
【0023】
前記映像形成装置は、前記曲面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、前記ディスプレイ装置は、前記映像形成装置と前記曲面との間に配置された投射光学系をさらに含んでもよい。
【0024】
前記コンバイナは、前記曲面に配置された半透過コーティングをさらに含んでもよい。
【0025】
前記コンバイナは、前記半透過コーティングを支持及び固定する透光板をさらに含んでもよい。
【0026】
他の実施例によるディスプレイ装置は、仮想映像を形成する映像形成装置;及び前記仮想映像と外部風景とを収めた光を混合して観察者に提供するコンバイナ;を含み、前記コンバイナは、傾斜して入射する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する光を透過させる第2表面を備える回折パターン;及び前記映像形成装置と前記回折パターンとの間に配置された投射光学系;を含み、前記回折パターンと前記投射光学系は、前記仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させうる。
【0027】
前記回折パターンと前記投射光学系は、光軸上の第1位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第1方向に沿う断面を有し、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第2方向に沿う断面を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図2】一実施例によるコンバイナの概略的な形態を例示的に示す正面図である。
【
図3】
図2に図示されたコンバイナの曲面に光学的に等価である光学系の主平面と焦点面を例示的に示す図面である。
【
図4】
図2に図示されたコンバイナによる仮想映像の縦横比の増加を例示的に示す図面である。
【
図5】実施例によるディスプレイ装置を採用した電子機器を例示的に示す図面である。
【
図6】他の実施例によるコンバイナの概略的な形態を例示的に示す正面図である。
【
図7】他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図8】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図9】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図10】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図11】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図12】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図13】さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に基づいて、非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置について詳細に説明する。以下の図面において同じ参照符号は、同じ構成要素を指称し、図面上で各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜のために、誇張されてもいる。また、後述する実施例は、ただ例示に過ぎず、そのような実施例から多様な変形が可能である。
【0030】
以下、「上部」または「上」という記載は、接触して直ぐ上にあるものだけではなく、非接触で上にあるものも含む。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0031】
「前記」及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数をいずれも含む。方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、それに反する記載がなければ、そのような段階は、適当な順序で行われ、必ずしも記載された順序に限定されるものではない。
【0032】
また、明細書に記載の「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0033】
図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または、回路的連結を例示的に示したものであって、実際装置では、代替可能であるか、追加されうる多様な機能的な連結、物理的な連結、または、回路連結としても示される。
【0034】
全ての例または例示的な用語の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであって、請求範囲によって限定されない限り、そのような例または例示的な用語によって範囲が限定されるものではない。
【0035】
図1は、一実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図1を参照すれば、一実施例によるディスプレイ装置100は、仮想映像を形成する映像形成装置110、及び仮想映像と外部風景とを収めた光を混合して観察者に提供するコンバイナ120を含んでもよい。実施例によれば、コンバイナ120は、周辺環境を収めた光を仮想映像に混合して観察者に提供することができる。また、ディスプレイ装置100は、映像形成装置110及び図示されていない駆動回路、電源、追加的な光学系などを包装するケース130をさらに含んでもよい。ケース130は、映像形成装置110をコンバイナ120に固定させる役割が行える。
【0036】
映像形成装置110は、観察者に提供する仮想映像に対する映像情報によって光を変調して仮想映像を形成して観察者に仮想映像を提供する。映像形成装置110で形成される仮想映像は、例えば、観察者の左眼と右眼とにそれぞれ提供されるステレオ(stereo)映像でもあり、またはホログラフィック映像、ライトフィールド(light field)映像、IP(integral photography)映像などでもあり、マルチビュー(multi-view)あるいは、スーパーマルチビュー(super multi-view)方式の映像を含んでもよい。また、映像形成装置110で形成される仮想映像は、それに限定されず、一般的な2次元映像でもある。
【0037】
映像形成装置110は、例えば、LCoS(liquid crystal on silicon)素子、LCD(liquid crystal display)素子、OLED(organic light emitting diode)ディスプレイ素子、DMD(digital micromirror device)を含んでもよく、また、Micro LED, QD(quantum dot) LEDなどの次世代ディスプレイ素子を含んでもよい。映像形成装置110がOLEDディスプレイ素子、Micro LEDのように自発光型ディスプレイ素子である場合、映像形成装置110は、ただ1つのディスプレイパネルのみを含む。しかし、映像形成装置110がLCoS素子、LCD素子のように非発光型である場合、映像形成装置110は、照明光を提供する光源及び照明光の経路を調節するための光学系などをさらに含んでもよい。
【0038】
コンバイナ120は、映像形成装置110で形成された仮想映像を収めた光L0を観察者の目に伝達するだけではなく、それと共に観察者前方(front)の外部の風景を収めた光L1も観察者の目に伝達することができる。例えば、コンバイナ120は、仮想映像を収めた光L0を観察者の目に向かって反射し、外部の風景を収めた光L1を観察者の目に向かって透過させうる。
【0039】
外部の光L1は、別途のディスプレイパネルによって表示される人工的な映像ではなく、観察者の正面に存在する実際の全景を収めている。したがって、観察者は、映像形成装置110で人工的に生成された仮想映像と実際前景とを共に認知することができる。これにより、ディスプレイ装置100は、透視型(see-through type)ディスプレイとして機能する。また、そのような点で、本実施例によるディスプレイ装置100は、拡張現実(AR)または混合現実(mixed reality、MR)の具現に適用されうる。特に、本実施例によるディスプレイ装置100は、メガネ型、ゴーグル型、またはヘッドマウント型ニアアイ(near-eye)ARディスプレイ装置でもある。
【0040】
また、コンバイナ120は、映像形成装置110で形成された仮想映像の第1方向(すなわち、x方向)の大きさを、第1方向に垂直な第2方向(すなわち、z方向)の大きさよりもさらに増加させることで、シネマスコープ規格の広い視野角で仮想映像を提供することができ、外部の風景を収めた光L1を実質的に歪曲なしに透過させうる。そのために、コンバイナ120は、仮想映像を収めた光L0の光経路上に配置された非対称的な倍率を有する光学要素、及び外部の風景を収めた光L1の経路上に配置された透明な平板を含んでもよい。
【0041】
一例によれば、コンバイナ120は、仮想映像を伝達する透明導波路121を含んでもよい。透明導波路121は、複数の表面を含み、複数の表面のうち、少なくとも1つの表面に自由形状(freeform)を有する曲面が形成されうる。
図1に図示されたように、透明導波路121は、第2方向(z方向)に沿って互いに対向して配置された第1表面S1と第2表面S2、及び第1表面S1と第2表面S2との間で第1方向(x方向)及び第2方向に垂直な第3方向(y方向)に沿って互いに対向して配置された第3表面S3と第4表面S4を含んでもよい。曲面は、第1表面S1に形成された第1曲面及び第2表面S2に形成された第2曲面を含んでもよい。第3表面S3と第4表面S4は、屈折力を有さないように、互いに平行に配置されうる。実施例によれば、第1表面S1に形成された第1曲面と第2表面S2に形成された第2曲面によって仮想映像を収めた光L0は、観察者の目にフォーカシングされうる。したがって、観察者は、広い視野角を有する仮想映像を鑑賞することができる。
【0042】
映像形成装置110は、仮想映像を収めた光L0を透明導波路121の第1表面S1に提供するように配置されうる。また、ケース130は、透明導波路121の第1表面S1を覆うように配置されうる。映像形成装置110は、ケース130内において透明導波路121の第1表面S1に対向するように固定されうる。第1表面S1は、第1表面S1を透過した仮想映像を収めた光L0が透明導波路121の内部に向かって傾斜して進むように傾斜して配置されうる。例えば、第1表面S1の中心軸が第3表面S3と第4表面S4に対して傾斜して配置されうる。それにより、
図1に図示されたように、仮想映像を収めた光L0は、透明導波路121の内部で第3表面S3と第4表面S4に傾斜して入射することができる。
【0043】
仮想映像を収めた光L0は、第1表面S1を通じて透明導波路121の内部に入って行った後、第3表面S3と第4表面S4とで全反射されつつ、-z方向に沿って透明導波路121の内部を進むようになる。その後、仮想映像を収めた光L0は、第2表面S2で-y方向に反射されて第3表面S3を経て観察者の目に入射する。ここで、負(-)のy方向及び負(-)のz方向は、
図1に図示された座標において矢印で指示された方向と反対方向を示す。第2表面S2は、第2表面S2で反射された光が第3表面S3にほぼ垂直に入射するように傾斜して配置されうる。例えば、第2表面S2の中心軸が第3表面S3と第4表面S4とに対して傾斜して配置されうる。
【0044】
一方、コンバイナ120は、透明導波路121の第2表面S2に接し、第2表面S2に形成された第2曲面と相補的な形状を有する表面、及び第3表面S3と第4表面S4からそれぞれ連続して延びる表面を有する透光板122をさらに含んでもよい。したがって、透光板122は、透明導波路121の第2表面S2、第3表面S3、及び第4表面S4を共に共有することができる。外部の風景を収めた光L1は、-y方向に沿って第4表面S4に入射した後、第2表面S2と第3表面S3とを順次に通過して観察者の目に入射することができる。
【0045】
仮想映像を収めた光L0を反射し、外部の風景を収めた光L1を透過させるために、第2表面S2には、半透過コーティングが配置されうる。半透過コーティングは、単純に入射光の一部を反射し、残りの一部を通過させうる。それにより、仮想映像を収めた光L0の一部が第2表面S2で半透過コーティングによって反射して観察者の目に向かって進行し、外部の風景を収めた光L1の一部が第2表面S2で半透過コーティングを透過して観察者の目に向かって進みうる。映像形成装置110で形成された仮想映像を収めた光L0が偏光特性を有するならば、半透過コーティングは、特定の偏光成分を有する光を反射し、他の偏光成分を有する光を透過させるようにも構成される。例えば、仮想映像を収めた光L0が第1偏光成分を有するならば、半透過コーティングは、第1偏光成分を有する光を反射し、第1偏光成分に垂直な第2偏光成分を有する光を透過させうる。
【0046】
図2は、一実施例によるコンバイナ120の概略的な形態を例示的に示す正面図である。
図2を参照すれば、透明導波路121と透光板122とが互いに接合されてコンバイナ120は、全体としてメガネのような形状を有するように構成されうる。その場合、第1表面S1において仮想映像を収めた光L0に対して光学的に有効な一部領域にのみ第1曲面C1が形成され、第2表面S2において仮想映像を収めた光L0に対して光学的に有効な一部領域にのみ第2曲面C2が形成されうる。すなわち、第1曲面C1と第2曲面C2は、仮想映像を収めた光L0が通る第1表面S1と第2表面S2との一部領域にだけ形成されうる。第1表面S1と第2表面S2は、x方向に沿って延び、x方向に第1表面S1の一部領域に第1曲面C1が形成され、x方向に第2表面S2の一部領域に第2曲面C2が形成されうる。したがって、第1曲面C1と第2曲面C2とのx方向幅Wは、コンバイナ120のx方向全体幅よりも狭い。
【0047】
映像形成装置110から出射された仮想映像を収めた光L0は、第1表面S1のうち、第1曲面C1が形成された領域にのみ入射することができる。また、仮想映像を収めた光L0は、第2表面S2のうち、第2曲面C2が形成された領域にのみ入射することができる。したがって、仮想映像を収めた光L0を観察者に反射する半透過コーティング123は、
図2に図示されたように、第2表面S2全体に形成されず、第2曲面C2にのみ形成されうる。
【0048】
映像形成装置110から観察者の目に入射される仮想映像の大きさと縦横比は、第1曲面C1と第2曲面C2との幾何学的な形態によって決定されうる。水平方向、すなわち、x方向の視野角を増加させてシネマスコープ規格の広い視野角で仮想映像を提供するために、第1曲面C1と第2曲面C2は、非対称的な倍率を有することができる。すなわち、第1曲面C1と第2曲面C2は、仮想映像の大きさを水平方向であるx方向に第1倍率、垂直方向であるz方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる非対称的な曲面形態を有することができる。一実施例において、第2倍率は、第1倍率と互いに異なってもいる。
【0049】
図3は、
図2に図示されたコンバイナ120の曲面に光学的に等価である光学系の主平面と焦点面とを例示的に示す。
図1及び
図2に図示されたコンバイナ120では、仮想映像を収めた光L0と外部の風景を収めた光L1とを結合させるために、第1曲面C1と第2曲面C2とが傾斜して配置され、第1曲面C1の光軸と第2曲面C2の光軸とが互いに一致していない。しかし、仮想映像を収めた光L0に対して第1曲面C1と第2曲面C2とに光学的に等価である役割を行いつつ、共通光軸上において互いに対向して配列された曲面を有する光学系を設定することができる。以下、説明の便宜上、等価である光学系の曲面をコンバイナ120の第1及び第2曲面C1、C2と同一に記載する。
【0050】
図3を参照すれば、第1曲面C1と第2曲面C2は、x方向とz方向に互いに異なる曲面形態を有することができる。すなわち、第1曲面C1のx方向曲面成分C1xは、z方向曲面成分C1zと互いに異なる形態を有し、第2曲面C2のx方向曲面成分C2xは、z方向曲面成分C2zと互いに異なる形態を有することができる。ここで、x方向曲面成分C1x、C2xは、光軸OXを含む平面においてx方向に平行であり、z方向に垂直な平面に沿う第1曲面C1と第2曲面C2の断面であって、入射光をx方向に屈折させる。また、z方向曲面成分C1z、C2zは、光軸OXを含む平面においてz方向に平行であり、x方向に垂直な平面に沿う第1曲面C1と第2曲面C2の断面であって、入射光をz方向に屈折させる。
【0051】
したがって、x方向に沿う第1倍率は、第1曲面C1のx方向曲面成分C1xの形態と、第2曲面C2のx方向曲面成分C2xの形態によって決定され、z方向に沿う第2倍率は、第1曲面C1のz方向曲面成分C1zの形態と、第2曲面C2のz方向曲面成分C2zの形態によって決定されうる。一般に、光学系の倍率は、光学系の有効焦点距離(effective focal length)によっても決定される。ところで、x方向とz方向に光学系の焦点面(focal plane)の位置が異なると、観察者が仮想映像を鮮明に見える位置がx方向とz方向とで異なる。
【0052】
実施例によれば、x方向とz方向に主平面(principal plane)の位置が異なるように第1曲面C1と第2曲面C2とを構成することができる。主平面は、レンズに入射される平行光線が屈折され始めるように見える仮想の屈折面である。
図3に図示されたように、光軸OX上においてx方向に沿う主平面Pxの位置とz方向に沿う主平面Pzの位置が異なってもいる。しかし、光軸OX上において、x方向に沿う焦点面Pの位置とz方向に沿う焦点面Pの位置は同一でもある。その場合、x方向とz方向に有効焦点距離、すなわち、倍率が異なりつつ、x方向とz方向に沿う仮想映像の像面(image plnae)が一致しうる。x方向に沿う主平面Pxの位置と焦点面Pの位置は、x方向曲面成分C1x、C2xの形態によって決定され、z方向に沿う主平面Pzの位置と焦点面Pの位置は、z方向曲面成分C1z、C2zの形態によっても決定される。
【0053】
上述したように、x方向とz方向に沿う主平面の位置が互いに異なり、焦点面の位置が一致するようにx方向とz方向に互いに異なる断面形態を有する第1曲面C1と第2曲面C2とを用いることで、コンバイナ120は、仮想映像の縦横比を増加させ、x方向の視野角を増加させうる。例えば、
図4は、
図2に図示されたコンバイナ120による仮想映像の縦横比増加を例示的に示す。
図4を参照すれば、映像形成装置110が、例えば、16:9の縦横比を有する仮想映像を形成する場合、コンバイナ120を通じて観察者に示す仮想映像は、シネマスコープ規格である21:9の縦横比を有することができる。映像形成装置110は、x方向に仮想映像が拡大される程度を考慮し、x方向に圧縮された仮想映像を形成することができる。それにより、観察者には、仮想映像が正常の比率で示される。
図4には、コンバイナ120が仮想映像の縦横比を16:9から21:9に変えると図示されたが、これは、ただの例示に過ぎず、必ずしもそれに限定されるものではない。映像形成装置110が形成する仮想映像の縦横比及びコンバイナ120を通じて観察者に示す仮想映像の縦横比は、ディスプレイ装置100の設計によって異なって選択されうる。
【0054】
実施例によれば、コンバイナ120に複数の複雑な曲面を形成せず、ただ対向する第1表面S1と第2表面S2にのみ非対称的な第1曲面C1と第2曲面C2とをそれぞれ形成することで、コンバイナ120の厚さを薄くすることができる。例えば、約3mm~6mm程度の薄厚を有するコンバイナ120にも、第1曲面C1と第2曲面C2とを形成することができる。したがって、薄厚のコンバイナ120でも、大きな縦横比を有する広い視野角の仮想映像を提供することができる。また、コンバイナ120を含むディスプレイ装置100の大きさと重さとを低減することができる。
【0055】
前述したように、上述したディスプレイ装置100は、拡張現実または混合現実を具現するところに適用されうる。例えば、
図5は、実施例によるディスプレイ装置100を採用した電子機器を例示的に図示する。
図5を参照すれば、電子機器200は、例えば、ウェアラブル(wearable)装置、ヘッドマウントディスプレイ(HMD;head mounted display)、メガネ型ディスプレイ(glasses-type display)、またはゴーグル型ディスプレイ(goggle-type display)でもある。電子機器200は、スマートフォン(smart phone)と連動されて動作されうる。電子機器200は、仮想の現実を提供するか、または仮想の映像と外部の実際映像とを共に提供可能なヘッドマウント型、メガネ型またはゴーグル型仮想現実(VR)ディスプレイ装置、拡張現実(AR)ディスプレイ装置、または混合現実(MR)ディスプレイ装置でもある。
【0056】
特に、電子機器200がメガネ型ニアアイディスプレイまたはゴーグル型ニアアイディスプレイである場合、コンバイナ120は、観察者の目の前に配置されてメガネスクリーンの役割を行い、ケース130は、コンバイナ120を支持するメガネのフレームの役割が行える。ケース130は、メガネのテンプル(temple)231に延びうる。テンプル231には、図示されていない映像処理プロセッサなどを含む制御回路が配置されうる。また、電子機器200は、左眼と右眼にそれぞれ1つずつ配置された2個のディスプレイ装置100を含み、または左眼と右眼とのいずれか1つにのみ配置されるただ1つのディスプレイ装置100を含んでもよい。
【0057】
一方、上述したコンバイナ120の第1曲面C1と第2曲面C2のうち、第2曲面C2は、光学的に第2曲面C2と同じ役割が可能な回折パターンに代替されうる。その場合、透光板122を省略し、透明導波路121のみでコンバイナを構成することもできる。例えば、
図6は、他の実施例によるコンバイナの概略的な形態を例示的に示す正面図である。
図6を参照すれば、コンバイナ120aは、透明導波路121a及び回折パターン125を含んでもよい。透明導波路121aは、互いに対向して配置された第1表面S1と第2表面S2、及び第1表面S1と第2表面S2との間に対向して配置された第3表面S3と第4表面S4とを含んでもよい。曲面は、第1表面S1にのみ形成され、第3表面S3と第4表面S4は、屈折力を有さないように互いに平行に配置されうる。
【0058】
回折パターン125は、透明導波路121aの第4表面S4の一部領域内に配置されうる。仮想映像を収めた光L0は、第1表面S1を介して透明導波路121aの内部に入射された後、第3表面S3と第4表面S4とで全反射を介して透明導波路121aの内部を進むことができる。その後、仮想映像を収めた光L0は、第4表面S4に配置された回折パターン125に入射することができる。
【0059】
回折パターン125は、傾斜して入射する仮想映像を収めた光L0を第3表面S3に向かって反射すると共に、仮想映像を収めた光L0をフォーカシングするように構成されうる。特に、回折パターン125は、第2曲面C2と同じ光学的効果を達成するようにも構成される。また、外部の風景を収めた光L1に対して回折パターン125は、単に透明な平板の役割が行える。そのために、回折パターン125は、傾斜して入射する光を法線方向に反射する第1表面125a、及び第1表面125aに対向して配置され、垂直に入射する光を透過させる第2表面125bを含んでもよい。回折パターン125の第1表面125aは、透明導波路121aの第4表面S4と直接接するようにも配置される。
【0060】
そのような回折パターン125は、回折光学素子(diffractive optical element;DOE)、ホログラフィック光学素子(holographic optical element;HOE)、または、メタ表面からなりうる。回折光学素子(DOE)は、多数の周期的な微細な格子パターンを含んでもよい。回折光学素子(DOE)の多数の格子パターンは、回折格子の役割を行って入射光を回折させる。特に、格子パターンの大きさ、高さ、周期などによって、特定の角度範囲に入射する光を回折させて消滅干渉と補強干渉とを発生させることで、光の進行方向を変えてフォーカシングすることができる。ホログラフィック光学素子(HOE)は、格子パターンの代わりに、屈折率の異なる材料の周期的な微細パターンを含んでもよい。ホログラフィック光学素子(HOE)は、回折光学素子(DOE)と単に構成の差のみあり、動作原理は、回折光学素子(DOE)と同一でもある。また、回折パターン125は、メタ表面からもなる。メタ表面は、周辺よりも高い屈折率を有し、入射光の波長よりも小さな大きさを有するナノサイズのパターンを含んでもよい。そのようなナノサイズのパターンの大きさ、高さ、周期、配列分布、屈折率などによって、メタ表面は、特定の光学的効果を達成することができる。
【0061】
仮想映像を収めた光L0に対して回折パターン125が第2曲面C2と同じ光学的効果を有するために、第1表面S1に形成された曲面と回折パターン125は、
図3での説明と同じ機能を遂行する光学系を構成することができる。したがって、
図1に図示されたコンバイナ120の光学的機能に係わる前記説明は、
図6に図示されたコンバイナ120aにもそのまま適用されうる。
【0062】
図7は、他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図7を参照すれば、ディスプレイ装置100aは、映像形成装置110、コンバイナ120b、及びケース130を含んでもよい。コンバイナ120bは、透明導波路121b及び透光板122を含んでもよい。透明導波路121bは、互いに対向して配置された第1表面S1と第2表面S2、及び第1表面S1と第2表面S2との間に対向して配置された第3表面S3と第4表面S4とを含んでもよい。曲面は、第2表面S2にのみ形成され、第3表面S3と第4表面S4は、屈折力を有さないように互いに平行に配置されうる。第1表面S1は、屈折力を有さない平面形態を有することができる。また、第1表面S1は、第1表面S1を透過した仮想映像を収めた光L0を、透明導波路121b内に傾斜して進行させる扁平な傾斜面でもある。映像形成装置110、ケース130、及び透光板122は、
図1の説明と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0063】
図7に図示されたコンバイナ120bの場合、透明導波路121bの第2表面S2に形成された1つの曲面のみで仮想映像を収めた光L0の縦横比を増加させうる。その場合、曲面によって観察者の目にフォーカシングされる仮想映像のx方向像面位置とz方向像面位置とが互いに異なってもいる。観察者がx方向像面位置とz方向像面位置との差が認知できないように曲面のx方向倍率とz方向倍率との差が小さい。例えば、透明導波路121bの第2表面S2に形成された曲面のx方向倍率は、z方向倍率の約1.05倍~1.15倍でもある。
図7に図示されたコンバイナ120bは、製作が容易であり、設計費用が安い。
【0064】
図8は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図8を参照すれば、ディスプレイ装置100bは、映像形成装置110、コンバイナ120c、及びケース130を含んでもよい。コンバイナ120cは、透明導波路121c及び透光板122を含んでもよい。透明導波路121cは、互いに対向して配置された第1表面S1と第2表面S2、及び第1表面S1と第2表面S2との間に対向して配置された第3表面S3と第4表面S4とを含んでもよい。第1表面S1と第2表面S2には、仮想映像を収めた光L0をフォーカシングするための曲面が形成されており、第3表面S3と第4表面S4は、互いに平行に配置されうる。
【0065】
映像形成装置110は、第3表面S3の一部領域に対向して配置されうる。例えば、映像形成装置110は、第3表面S3の上部領域に対向して配置されうる。
図8には、映像形成装置110と第3表面S3との間に間隔があると図示されたが、映像形成装置110が第3表面S3に密着して配置されうる。映像形成装置110で形成された仮想映像を収めた光L0は、+y方向に沿って第3表面S3を透過して第1表面S1に入射することができる。その後、仮想映像を収めた光L0は、第1表面S1によって傾斜して反射することができる。そのために、第1表面S1には、反射コーティングが形成されうる。したがって、第1表面S1に形成された曲面は、凹状の反射面でもある。第1表面S1の反射面は、第3表面S3に向かって傾斜して配置されうる。
【0066】
図9は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図9に図示されたディスプレイ装置100cは、
図8に図示されたディスプレイ装置10
【0067】
0bと類似した構成を有し、単に映像形成装置110の位置が互いに異なり、コンバイナ120dの透明導波路121dの第1表面S1が
図8に図示された透明導波路121cの第1表面S1と左右反転された形態を有する。映像形成装置110は、透明導波路121dの第4表面S4の上部領域に対向して配置されうる。それにより、映像形成装置110で形成された仮想映像を収めた光L0は、-y方向に沿って第4表面S4を透過して第1表面S1に入射することができる。第1表面S1の反射面は、第4表面S4に向かって傾斜して配置されうる。
【0068】
図10は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図10を参照すれば、ディスプレイ装置100dは、映像形成装置110、投射光学系140、コンバイナ120e、及びケース130を含んでもよい。投射光学系140は、映像形成装置110とコンバイナ120eとの間に配置され、映像形成装置110と共に、ケース130内に配置されうる。
【0069】
コンバイナ120eは、透明導波路121e及び透光板122を含んでもよい。透明導波路121eの第2表面S2には、曲面が形成されており、第3表面S3と第4表面S4は、互いに平行に配置されうる。透明導波路121eの第1表面S1は、屈折力を有さない扁平な傾斜面であり、第3表面S3に向かって傾斜して配置されうる。
【0070】
映像形成装置110と投射光学系140は、第3表面S3の上部領域に対向して配置されうる。映像形成装置110で形成された仮想映像を収めた光L0は+y方向に沿って第3表面S3を透過して第1表面S1に入射することができる。その後、仮想映像を収めた光L0は、第1表面S1によって傾斜して反射することができる。そのために、透明導波路121eの第1表面S1には、反射コーティングが形成されうる。
【0071】
投射光学系140は、透明導波路121eの第2表面S2に形成された曲面と共に、仮想映像の縦横比を増加させる役割を行う。すなわち、投射光学系140は、
図2に図示された第1曲面C1と同じ役割を行う。したがって、投射光学系140と透明導波路121eの第2表面S2に形成された曲面は、
図3の説明と同じ機能を行う光学系を構成することができる。投射光学系140は、映像の歪曲または収差を補償するために複数のレンズ要素を含んでもよい。
【0072】
図7ないし
図10に図示された実施例は、
図6に図示された実施例と結合されうる。例えば、
図7ないし
図10において透明導波路の第2表面に形成された曲面は、いずれも
図6に図示された回折パターン125に代替されうる。
【0073】
以上、コンバイナが全反射方式の透明導波路を含んでいると説明した。しかし、透明導波路を使用せず、空気中に仮想映像を直接伝達してもよい。例えば、
図11は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図11を参照すれば、ディスプレイ装置100eは、映像形成装置110、投射光学系150、及びコンバイナ120fを含んでもよい。コンバイナ120fは、曲面を有する半透過コーティング123を含んでもよい。また、コンバイナ120fは、半透過コーティング123を支持及び固定する透光板124をさらに含んでもよい。透光板124は、互いに接合された第1部分124aと第2部分124bとを含んでもよい。半透過コーティング123は、透光板124の第1部分124aと第2部分124bとの接合面に配置されうる。透光板124の第1部分124aと第2部分124bとの接合面は、互いに相補的な曲面を有することができる。
【0074】
投射光学系150は、仮想映像を収めた光L0を半透過コーティング123に直接提供するように配置されうる。
図11には、便宜上、映像形成装置110が投射光学系150に直接光を伝達すると図示されているが、中継光学系が映像形成装置110と投射光学系150との間にさらに配置されうる。投射光学系150を介して空気中において仮想映像を投射させるために、映像形成装置110の位置自由度が増加しうる。
【0075】
投射光学系150と半透過コーティング123の曲面は、共に仮想映像の縦横比を増加させる役割を行う。すなわち、投射光学系140は、
図2に図示された第1曲面C1と同じ役割を行い、半透過コーティング123の曲面は、
図2に図示された第2曲面C2と同じ役割を行う。投射光学系150と半透過コーティング123の曲面は、
図3の説明と同じ機能を遂行する光学系を構成することができる。
【0076】
図11に図示された半透過コーティング123は、回折パターンに代替されうる。例えば、
図12は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図12を参照すれば、ディスプレイ装置100fのコンバイナ120gは、半透過コーティング123の代わりに、回折パターン125を含んでもよい。また、コンバイナ120gは、回折パターン125を支持及び固定する透光板124をさらに含んでもよい。透光板124は、第1部分124aと第2部分124bとを含み、回折パターン125は、透光板124の第1部分124aと第2部分124bとの間に固定されうる。
【0077】
投射光学系150は、仮想映像を収めた光L0を回折パターン125に直接提供するように配置されうる。回折パターン125は、投射光学系150から傾斜して入射する仮想映像を収めた光L0を観察者の目に向かって反射し、フォーカシングするように構成されうる。また、回折パターン125は、外部の風景を収めた光L1に対して透明な平板の役割を行う。そのような回折パターン125の構成と動作は、
図6で説明した回折パターン125と同一でもある。また、投射光学系150と回折パターン125は、
図3の説明と同じ機能を遂行する光学系を構成することができる。
【0078】
図13は、さらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略的な構成を示す断面図である。
図13を参照すれば、ディスプレイ装置100gのコンバイナ120hは、回折パターン125及び回折パターン125を支持及び固定する透光板124を含んでもよい。
図12に図示された実施例と異なって、
図13に図示された透光板124は、一体に構成された1つの平板であり、回折パターン125は、1つの透光板124の表面に取り付けることができる。それ以外のディスプレイ装置100gの構成と動作は、
図12に図示されたディスプレイ装置100fと同一でもある。
【0079】
上述した非対称的な倍率を有するコンバイナを含むディスプレイ装置は、図面に図示された実施例を参照に説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。よって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。権利範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に開示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、権利範囲に含まれていると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0080】
100 ディスプレイ装置
110 映像形成装置
120 コンバイナ
130 ケース
121 透明導波路
122 透光板
L0、L1 光
S1、 S2、 S3、 S4 第1~第4表面
【手続補正書】
【提出日】2022-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
外部環境に対応する光を前記仮想映像と混合して観察者に提供するコンバイナと、
を含み、
前記コンバイナは、前記仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる曲面を含む、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記コンバイナは、前記仮想映像を伝達する透明導波路を含み、前記透明導波路の表面に前記曲面が形成されている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記曲面は、前記第1表面に形成された第1曲面及び前記第2表面に形成された第2曲面を含み、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1曲面と第2曲面は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる前記第2方向に沿う断面を有する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1曲面と第2曲面は、前記第2方向に前記コンバイナの全体幅よりも狭幅を有する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置されており、
前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記映像形成装置は、前記第4表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第4表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記コンバイナは、透光板をさらに含み、前記透光板は、
前記第2表面に接し、前記第2表面に形成された第2曲面と相補的な形状を有する第5表面と、
第3表面と第4表面から延びる第6表面と、
第3表面と第4表面から延びる第7表面と、
を含む、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記第1表面は、扁平な傾斜面であり、
前記第2表面に前記曲面が形成され、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記コンバイナは、透光板をさらに含み、前記透光板は、
前記曲面に接し、前記曲面と相補的な形状を有する第5表面と、
前記第3表面と第4表面から延びる第6表面と、
前記第3表面と第4表面から延びる第7表面と、
を含む、透光板をさらに備える、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、
前記第1表面は、前記第1表面を透過した仮想映像が前記透明導波路の内部を進むように配置されている、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記映像形成装置は、前記第3表面の一部領域に対向して配置されており、前記第1表面は、前記第3表面を透過した仮想映像を反射するように配置されている、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記映像形成装置と前記第3表面との間に配置された投射光学系をさらに含み、
前記曲面と前記投射光学系は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる、請求項13に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記透明導波路は、互いに対向して配置された第1表面と第2表面、及び前記第1表面と第2表面との間に対向して配置された第3表面と第4表面とを含み、
前記第1表面に前記曲面が形成されており、
前記第3表面と第4表面は、屈折力を有さないように互いに平行に配置され、
前記映像形成装置は、前記第1表面に向かって前記仮想映像を提供するように配置される、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記コンバイナは、前記第4表面の一部領域に配置されて前記仮想映像を前記第3表面に向かって反射する回折パターンをさらに含む、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記回折パターンは、傾斜して入射する前記仮想映像に対応する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する前記外部環境に対応する光を透過させる第2表面を含む、請求項16に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記回折パターンは、ホログラム光学素子、回折光学素子、または、メタ表面である、請求項16に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記映像形成装置は、前記曲面に向かって前記仮想映像を提供するように配置され、
前記ディスプレイ装置は、前記映像形成装置と前記曲面との間に配置された投射光学系をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記コンバイナは、前記曲面に配置された半透過コーティングをさらに含む、請求項9または19に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記コンバイナは、前記半透過コーティングを支持及び固定する透光板をさらに含む、請求項20に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
外部環境に対応する光を前記仮想映像と混合して観察者に提供するコンバイナと、を含み、
前記コンバイナは、
傾斜して入射する前記仮想映像に対応する光を法線方向に反射する第1表面及び垂直に入射する前記外部環境に対応する光を透過させる第2表面を備える回折パターンと、
前記映像形成装置と前記回折パターンとの間に配置された投射光学系と、
を含み、
前記回折パターンと前記投射光学系は、前記仮想映像の大きさを第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第1倍率よりも小さい第2倍率ほど変化させる、ディスプレイ装置。
【請求項23】
前記回折パターンと前記投射光学系は、
第1方向に、光軸上の第1位置に第1主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させ、
第2方向に、光軸上の第1位置と互いに異なる第3位置に第2主平面を形成させ、光軸上の第2位置に焦点面を形成させる、請求項22に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記コンバイナは、前記回折パターンを支持する透光板をさらに含む、請求項22に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
仮想映像を形成する映像形成装置と、
コンバイナと、
を含み、
前記コンバイナは、
前記仮想映像の縦横比を第1方向に第1倍率、前記第1方向に垂直な第2方向に第2倍率ほど変化させ、
外部環境に対応する光を前記変化された仮想映像と結合して拡張映像を形成し、
観察者に前記拡張映像を提供するように構成され、
前記第2倍率は、前記第1倍率と互いに異なる、ディスプレイ装置。
ディスプレイ装置。
【請求項26】
前記コンバイナは、前記仮想映像の縦横比を変化させる曲面を含む、請求項25に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記コンバイナは、前記仮想映像の縦横比を変化させる回折パターンを含む、請求項25に記載のディスプレイ装置。