(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146996
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】作図方法、プログラム、作図装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20220929BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G06F17/50 634C
G06F17/50 606D
G06F17/50 604G
G06F17/50 610A
G06F17/50 602A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048064
(22)【出願日】2021-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】東 直子
(72)【発明者】
【氏名】日笠山 大和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 歩
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕介
【テーマコード(参考)】
5B046
5B146
【Fターム(参考)】
5B046AA03
5B046BA05
5B046BA10
5B046DA07
5B046HA05
5B146AA04
5B146DE03
5B146DG00
5B146DG01
5B146DG02
5B146DL01
5B146FA02
(57)【要約】
【課題】PDFの住戸の間取り図に床暖房マットを作図する作業の効率を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程(S801)と、予め記憶された複数の床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する工程(S802)と、一のスタンプ名を選択したことに起因して表示される一のスタンプを間取り図の上に貼り付ける工程(S803)と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程と、
予め記憶された複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する工程と、
前記一のスタンプ名を選択したことに起因して表示される一のスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける工程と、
を有する作図方法。
【請求項2】
前記住戸の縦壁から貼り付けたスタンプまでの距離と、横壁から当該スタンプまでの距離とを入れる工程と、
をさらに有する請求項1に記載の作図方法。
【請求項3】
コンピュータに、
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する機能と、
予め記憶された複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける機能と、
受け付けた前記一のスタンプ名に対応するスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項4】
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する表示部と、
予め定められた前記床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数のスタンプの中から選択されたスタンプを前記表示部に表示された前記間取り図の上に貼り付ける処理を行う処理部と、
を備える作図装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作図方法、プログラムおよび作図装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CADにおける住宅設計方法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された方法は、CADの表示画面上で、住宅の建物形状と間取り図を描画し、当該描画された建物形状と間取り図における位置とその部位を指定する情報を入力して、部材情報データベースからその位置と部位に関して選択可能な候補を取り出して前記表示画面上に提示し、前記選択可能な候補に関する指定を入力し、前記指定された候補の設定あるいは候補の部材を、その位置あるいは部位に適用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ガス温水冷暖房システム(以下、「TES」と称する場合がある。)の設計作業は、住宅のCAD図面を入手し、CADの表示画面上で、住宅の建物形状と間取り図を描画し、CADを用いて作業を行い、CAD図面で提出するのが一般的である。
一方、PDF(Portable Document Format)ファイルは、ユーザが操作するPC(Personal Computer)等の端末装置の使用環境に左右されず、文章や画像のレイアウトが崩れることなく画面表示および印刷することができるため、広く利用されている。例えば、分譲マンションの販売用パンフレットの住戸間取り図にPDFファイルが利用されている。そのため、この住戸間取り図への床暖房のプロット図作成作業においては、PDFの住戸間取り図に床暖房範囲を示すことが求められる。かかる場合には、PDFの住戸間取り図をCADデータへ変換する作業を行った後、CADを用いて床暖房のプロット図を作成する必要がある。また、CADを用いて床暖房のプロット図を作成した後に、作成した図面をPDFへ変換する作業を行う必要がある。そのため、作業効率が悪い。
本発明は、PDFの住戸の間取り図に床暖房マットを作図する作業の効率を高めることができる作図方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程と、予め記憶された複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する工程と、前記一のスタンプ名を選択したことに起因して表示される一のスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける工程と、を有する作図方法である。
ここで、前記住戸の縦壁から貼り付けたスタンプまでの距離と、横壁から当該スタンプまでの距離とを入れる工程と、をさらに有しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する機能と、予め記憶された複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける機能と、受け付けた前記一のスタンプ名に対応するスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける機能と、を実行させるプログラムである。
また、他の観点から捉えると、本発明は、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する表示部と、予め定められた前記床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数のスタンプの中から選択されたスタンプを前記表示部に表示された前記間取り図の上に貼り付ける処理を行う処理部と、を備える作図装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、PDFの住戸の間取り図に床暖房マットを作図する作業の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る作図装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】表示部の表示画面に表示された間取り図の一例を示す図である。
【
図4】表示制御部が表示部の表示画面に表示させた第1プルダウンメニュー、第2プルダウンメニューの一例である。
【
図5】表示部の表示画面に表示された間取り図上に選択部により選択されたスタンプが表示された状態の一例を示す図である。
【
図6】表示部の表示画面において、表示スタンプが移動させられている様子の一例を示す図である。
【
図7】表示部の表示画面において、間取り図に表示スタンプが貼り付けられた状態の一例を示す図である。
【
図8】作図作業を行う際のフローチャートの一例を示す図である。
【
図9】表示部の表示画面において、間取り図に距離スタンプが貼り付けられた状態の一例を示す図である。
【
図10】表示部の表示画面に表示された間取り図上に敷設可能な領域を確認するための確認用スタンプが表示された状態の一例を示す図である。
【
図11】選定支援装置の構成の一例を示す図である。
【
図12】抽出部が行う抽出処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図13】床暖房マットと床暖房マットの単価との関係の一例を示す図である。
【
図14】表示部の表示画面に表示された比較表の一例を示す図である。
【
図15】表示部の表示画面に表示された比較表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係る作図装置1の構成の一例を示す図である。
作図装置1は、PDFの住戸の間取り図に、床暖房マットを敷設する範囲をPDFのままプロット(描画)することを可能にする装置である。
【0009】
作図装置1は、
図1に示すように、制御部10を備えている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを格納する記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、プログラムの実行領域であるRAM(Random Access Memory)とを有している。
【0010】
また、作図装置1は、OS(Operating System)やソフトウェア等の各種プログラム、各種プログラムに対する入力データ、各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶部20を備えている。記憶部20は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置であることを例示することができる。記憶部20は、ソフトウェアとして、PDFファイルを閲覧したり編集したりすることを可能とするアプリケーションを記憶している。
【0011】
また、記憶部20は、PDFファイルを記憶する。PDFファイルとしては、図、文書、表、画像等やそれらを組み合わせたものが記録されたPDFの電子文書を指し、そのページ数も1ページに限らず複数ページであっても良い。本実施形態においては、記憶部20は、分譲マンションの販売用パンフレットの住戸間取り図のPDFファイルを記憶することを例示することができる。
【0012】
また、作図装置1は、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部30と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部40と、外部装置との通信に用いられる通信部50と、を備えている。
表示部30は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。
操作部40は、キーボード、マウス、タッチパネルであることを例示することができる。操作部40がタッチパネルである場合には、当該タッチパネルは、操作部40および表示部30として機能する。
通信部50は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
作図装置1は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)であることを例示することができる。
【0013】
(記憶部20)
図2は、スタンプの一例を示す図である。
記憶部20は、予め定められた床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する。より具体的には、
図2に示すように、記憶部20は、スタンプとして、予め定められた床暖房マットの大きさに応じた四角形を記憶している。
図2に示した例においては、記憶部20は、敷設可能な床暖房マットの縦の長さと横の長さとの組み合わせ毎に、当該縦の長さと横の長さの四角形に予め定められた値を乗算することにより得た大きさのスタンプを記憶している。予め定められた値は、分譲マンションの販売用パンフレットの間取り図に一般的に用いられる縮尺である、1/50、1/70、1/80、1/100であることを例示することができる。
図2に示した例では、縦の長さおよび横の長さは、300(mm)毎に設定されている。例えば、縦の長さ(mm)および横の長さ(mm)は、それぞれ、1800、2100、2400、2700、3000のいずれかに設定されている。そして、記憶部20は、例えば、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マットであって縮尺1/50に応じたスタンプとして、縦の辺の長さが42(mm)、横の辺の長さが48(mm)の四角形を記憶している。
【0014】
(制御部10)
制御部10は、表示部30の表示画面31に間取り図等を表示させる表示制御部11と、記憶部20に予め記憶された複数のスタンプの中から一のスタンプを選択する選択部12と、選択部12が選択したスタンプについてのスタンプ処理を行う処理部13とを備えている。
【0015】
《表示制御部11》
図3は、表示部30の表示画面31に表示された間取り図の一例を示す図である。
表示制御部11は、記憶部20に記憶されたPDFファイルを読み込み、表示部30の表示画面31に表示させる。例えば、表示制御部11は、間取り図についてのPDFファイルを読み込み、表示部30の表示画面31に、
図3に示すように、当該間取り図をPDFで表示させる。なお、表示制御部11は、例えばネットワークにて接続されたサーバに記憶されたPDFファイルであって通信部50を介して取得したPDFファイルを読み込み、表示部30の表示画面31に表示させても良い。
また、表示制御部11は、選択部12にて選択されたスタンプを表示部30の表示画面31に表示させる。この機能については後で詳述する。
【0016】
《選択部12》
図4は、表示制御部11が表示部30の表示画面31に表示させた第1プルダウンメニュー61、第2プルダウンメニュー62の一例である。
選択部12は、表示部30の表示画面31に表示された間取り図のPDF操作画面上で、複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名が選択された場合に、複数のスタンプの中から当該一のスタンプ名に対応するスタンプを選択する。
【0017】
より具体的には、PDF操作画面上に表示されたスタンプアイコン71が選択された場合に、表示制御部11は、
図4に示す第1プルダウンメニュー61を表示画面31に表示させる。その後、第1プルダウンメニュー61の中から、床暖房マットのスタンプを選択可能な、「マットプロット用スタンプ」と記載された項目72が選択された場合に、表示制御部11は、第2プルダウンメニュー62を表示画面31に表示させる。
【0018】
表示制御部11は、第2プルダウンメニュー62に、記憶部20に記憶された複数のスタンプそれぞれに対応するスタンプ名の一覧を表示画面31に表示させる。例えば、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マットに応じたスタンプのスタンプ名は、「2124」と名付けられている。
【0019】
そして、第2プルダウンメニュー62に表示された複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名が選択された場合に、選択部12は、複数のスタンプの中から一のスタンプ名に対応するスタンプを選択する。例えば、第2プルダウンメニュー62に表示された複数のスタンプ名の中から、一のスタンプ名である「2124」が選択された場合には、選択部12は、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マットに応じたスタンプを選択する。
【0020】
なお、PDF操作画面上における、各種スタンプ、アイコンおよび項目の選択とは、各種スタンプ、アイコンおよび項目の上にマウスカーソルを置くこと、あるいは、各種スタンプ、アイコンおよび項目をマウスでクリックすることであることを例示することができる。
【0021】
図5は、表示部30の表示画面31に表示された間取り図上に選択部12により選択されたスタンプが表示された状態の一例を示す図である。
選択部12が一のスタンプを選択した場合、表示制御部11は、選択部12にて選択されたスタンプを表示部30の表示画面31に表示させる。以下の説明において、表示画面31に表示されたスタンプを、「表示スタンプ73」と称する場合がある。なお、表示制御部11は、実際の住戸のサイズに予め定められた値を乗算することにより得た大きさの間取り図を100%で表示しているときに、表示スタンプ73を100%で表示する。例えば、表示制御部11は、1/50サイズの間取り図を100%で表示しているときに、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マットに応じたスタンプとして、縦の辺の長さが42(mm)、横の辺の長さが48(mm)の四角形を表示させる。
【0022】
《処理部13》
図6は、表示部30の表示画面31において、表示スタンプ73が移動させられている様子の一例を示す図である。
図7は、表示部30の表示画面31において、間取り図に表示スタンプ73が貼り付けられた状態の一例を示す図である。
処理部13は、選択部12が選択したスタンプであって表示部30の表示画面31に表示されたスタンプである表示スタンプ73を貼る位置が決定された場合に、間取り図上において決定された位置に表示スタンプ73のスタンプ処理を行う。貼る位置の決定は、
図6に示すように、PDF操作画面上で、間取り図上に表示された表示スタンプ73にマウスカーソルが合わせられてマウスの所定のボタン(例えば左ボタン)が押された状態でマウスカーソルが移動させられ、その後、当該所定のボタンが押されなくなったときに表示されている位置に決定する。なお、スタンプ処理とは、PDFデータにスタンプのデータを合成する等して挿入する処理である。本実施形態においては、間取り図にスタンプを重ねる処理であることを例示することができる。言い換えれば、間取り図に床暖房マットのサイズに応じた四角形をプロットする(描く)処理である。
【0023】
以上説明したように、作図装置1は、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する表示部30と、予め定められた床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する記憶部20とを備える。また、作図装置1は、記憶部20に記憶された複数のスタンプの中から選択されたスタンプを表示部30に表示された間取り図の上に貼り付ける処理の一例としてのスタンプ処理を行う処理部13を備える。
【0024】
図8は、作図作業を行う際のフローチャートの一例を示す図である。
以上のように構成された作図装置1を用いて作図作業を行う際、ユーザは、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する(S801)。例えば、ユーザは、記憶部20に記憶された複数のPDFファイルの中から操作部を介して一のPDFファイルを選択する。これにより、制御部10の表示制御部11は、選択された一のPDFファイルを読み込み、
図3に示すように、表示部30の表示画面31に間取り図を表示させる。
【0025】
次に、ユーザは、予め登録された複数のスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する(S802)。例えば、ユーザは、表示画面31に表示されたスタンプアイコン71等を選択することにより表示された第2プルダウンメニュー62に表示された複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する。一のスタンプ名が選択された場合に、制御部10の選択部12は、予め登録された複数のスタンプの中から、一のスタンプ名に対応するスタンプを選択する。そして、表示制御部11は、
図5に示すように、選択部12が選択したスタンプを表示画面31に表示させる。
【0026】
次に、ユーザは、表示画面31に表示されたスタンプ(表示スタンプ73)を、間取り図の上に貼り付ける(S803)。例えば、ユーザは、
図5に示したPDF操作画面上で、間取り図上に表示されたスタンプにマウスカーソルを合わせ、マウスの所定のボタンを押した状態でマウスカーソルを移動し、床暖房マットを敷設する位置を決定し、当該所定のボタンの押下を止める。ユーザが所定のボタンの押下を止めた場合には、制御部10の処理部13は、押下を止めたときにスタンプが表示された位置にスタンプ処理を行う。
【0027】
以上、説明したように、作図装置1を用いる作図方法は、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程(S801)と、予め記憶された複数の床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名を選択する工程(S802)とを有する。また、床暖房マットプロット方法は、一のスタンプ名を選択したことに起因して表示される一のスタンプを間取り図の上に貼り付ける工程(S803)を有する。この方法により、ユーザは、PDFの間取り図に床暖房マットをプロットすることができる。これにより、ユーザは、PDFの間取り図をCADデータへ変換する作業を行うことなく床暖房マットを間取り図上にプロットすることができるので、作業効率を高めることができる。また、CADを用いて設計を行う場合には、CADのソフトウェアが必要になるとともに、CADのオペレーターが必要になるので、コストが高くなるが、以上のように構成された装置を用いることで、CADのソフトウェアやオペレーターが必要なくなるので、低廉にプロット作業を行うことができる。
なお、ユーザは、間取り図上に床暖房マットの敷設領域を示すスタンプをプロットしたPDFを保存するための所定の操作(例えば「保存」ボタンの押下)を行うことで、記憶部20に記憶させることが可能となる。
【0028】
なお、ユーザは、S803にて表示スタンプ73を間取り図の上に貼り付けた後に、住戸の縦壁(
図3において上下方向に延びる壁)から、貼り付けた表示スタンプ73までの距離と、横壁(
図3において左右方向に延びる壁)から表示スタンプ73のまでの距離とを入れても良い。
【0029】
図9は、表示部30の表示画面31において、間取り図に距離スタンプ74が貼り付けられた状態の一例を示す図である。
記憶部20は、縦壁または横壁から床暖房マットまでの距離として予め定められた距離が記載された距離スタンプ74を記憶しておく。予め定められた距離は、100(mm)、150(mm)、200(mm)、250(mm)、300(mm)等であることを例示することができる。そして、ユーザは、表示スタンプ73を間取り図の上に貼り付けた後に、縦壁または横壁と、表示スタンプ73との間に距離スタンプ74を貼り付けると良い。
あるいは、ユーザは、PDFのものさしツールを用いて、縦壁または横壁から表示スタンプ73までの距離を記入しても良い。
【0030】
なお、以上のように構成された作図装置1において、間取り図の縮尺として、1/50、1/70、1/80、1/100等、複数の縮尺が用いられる場合には、記憶部20は、床暖房マットの一の大きさに対応するスタンプとして、複数の縮尺それぞれの大きさのスタンプを記憶すると良い。例えば、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マットに対応するスタンプとして、縮尺1/50に対応する、縦の辺の長さが42(mm)、横の辺の長さが48(mm)の四角形と、縮尺1/70に対応する、縦の辺の長さが30(mm)、横の辺の長さが34(mm)の四角形と、縮尺1/80に対応する、縦の辺の長さが26(mm)、横の辺の長さが30(mm)の四角形と、縮尺1/100に対応する、縦の辺の長さが21(mm)、横の辺の長さが24(mm)の四角形とを記憶すると良い。そして、第1プルダウンメニュー61または第2プルダウンメニュー62に、どの縮尺のスタンプであるかを表示すると良い。
【0031】
次に、ユーザが選択する一のスタンプ名を決定する手法について説明する。
例えば、ユーザは、先ず、
図3に示した、表示部30の表示画面31に表示された間取り図に記載された寸法を見ることにより、床暖房マットを敷設可能な領域の縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)を把握する。その後、ユーザは、記憶部20に記憶された複数のスタンプの内、敷設可能な領域の縦の長さ以下でありかつ横の長さ以下である床暖房マットに対応するスタンプ名に決定する。もし、敷設可能な領域の縦の長さ以下でありかつ横の長さ以下である床暖房マットが複数ある場合には、その中で最も大きな床暖房マットに決定することを例示することができる。
【0032】
また、ユーザは、記憶部20に記憶された複数のスタンプの内、敷設可能な領域の縦の長さから10(mm)を減算した長さ以下であり、かつ、横の長さから10(mm)を減算した長さ以下である床暖房マットに対応するスタンプ名に決定しても良い。そして、この条件を満たす床暖房マットが複数ある場合には、その中で最も大きな床暖房マットに決定することを例示することができる。
なお、ユーザは、床暖房マットを敷設可能な領域の縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)を把握する際に、PDFのものさしツールを用いても良い。
【0033】
図10は、表示部30の表示画面31に表示された間取り図上に敷設可能な領域を確認するための確認用スタンプ75が表示された状態の一例を示す図である。
記憶部20は、
図10に示すような寸法が記入された確認用スタンプ75を記憶しておく。間取り図の縮尺として、1/50、1/70、1/80、1/100等、複数の縮尺が用いられる場合には、記憶部20は、確認用スタンプ75として、複数の縮尺それぞれの大きさのスタンプを記憶すると良い。
【0034】
そして、ユーザは、床暖房マットを敷設可能な領域に適合する床暖房マットの縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)を把握する際、
図10に示すように、間取り図上に確認用スタンプ75を表示すると良い。つまり、ユーザは、PDF操作画面上に表示されたスタンプアイコン71が選択された場合に表示される、
図4に示す第1プルダウンメニュー61の中の所定の項目を選択することにより表示される所定のプルダウンメニューの中の所定の項目を選択することにより確認用スタンプ75を表示画面31に表示させる。そして、ユーザは、PDF操作画面上で、間取り図上に表示された確認用スタンプ75にマウスカーソルを合わせてマウスの所定のボタン(例えば左ボタン)が押した状態でマウスカーソルを移動して、敷設可能な領域の寸法を測定可能な位置まで確認用スタンプ75を移動して当該所定のボタンを押すことを止める。そして、確認用スタンプ75に記入された寸法を見ることにより、床暖房マットの縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)を把握すると良い。
【0035】
また、ユーザは、以下に述べる、床暖房マットを敷設可能な領域に対して、予め大きさが定められた複数の床暖房マットの中から、どの床暖房マットを敷設するかを決定するのを支援する選定支援装置100を用いて、一のスタンプ名を決定しても良い。
【0036】
以下に、選定支援装置100について説明する。
図11は、選定支援装置100の構成の一例を示す図である。
選定支援装置100は、
図11に示すように、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、操作部140と、通信部150と、を備えている。制御部110、記憶部120、表示部130、操作部140、および、通信部150は、それぞれ、作図装置1の、制御部10、記憶部20、表示部30、操作部40、通信部50と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
選定支援装置100は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)であることを例示することができる。
【0037】
(記憶部120)
記憶部120は、予め定められた大きさの床暖房マットを記憶する。より具体的には、記憶部120は、
図2に示したスタンプに対応する床暖房マットを記憶しており、床暖房マットの縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)との組み合わせ毎に、複数の床暖房マットを記憶している。記憶部120は、縦の長さが3000(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「3024マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが3000(mm)、横の長さが1800(mm)の床暖房マット(以下、「3018マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2700(mm)、横の長さが2700(mm)の床暖房マット(以下、「2727マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2700(mm)、横の長さが2100(mm)の床暖房マット(以下、「2721マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが3000(mm)の床暖房マット(以下、「2430マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「2424マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが1800(mm)の床暖房マット(以下、「2418マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2100(mm)、横の長さが3000(mm)の床暖房マット(以下、「2130マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「2124マット」と称する場合がある。)を記憶している。なお、縦の長さは、床暖房マットのパイプ方向の長さであり、横の長さは、床暖房マットにおける小根太が配置されている方向の長さであることを例示することができる。
【0038】
(制御部110)
制御部110は、ユーザによる操作部140を介した入力を受け付ける受付部111を備える。受付部111は、例えば、予め定められた入力欄に入力された値を、床暖房マットを敷設可能な領域における縦の長さおよび横の長さの入力として受け付ける。以下、入力された縦の長さ(mm)を「入力縦寸」、入力された横の長さ(mm)を「入力横寸」と称する場合がある。
【0039】
また、制御部110は、予め記憶部120に記憶された複数の床暖房マットの中から、床暖房マットを敷設可能な領域に対して適用可能な床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部112を備える。
また、制御部110は、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部113を備える。
また、制御部110は、表示部130の表示画面131に比較表等を表示させる表示制御部114を備える。
【0040】
《抽出部112》
図12は、抽出部112が行う抽出処理のフローチャートの一例を示す図である。
抽出部112は、受付部111が縦の長さ(mm)と、横の長さ(mm)との入力を受け付けた場合に抽出処理を開始する。
抽出部112は、先ず、縦の長さ(mm)と、横の長さ(mm)を把握する(S1201)。
次に、抽出部112は、記憶部120に記憶された複数の床暖房マットの中から、一の床暖房マットを選択する(S1202)。そして、抽出部112は、S1202にて抽出した一の床暖房マットの縦の長さが入力縦寸以下であるとともに横の長さを入力横寸以下である、という長さ条件を満たすか否かを判定する(S1203)。
【0041】
長さ条件を満たす場合(S1203でYES)、抽出部112は、候補になり得る床暖房マットとして決定する(S1204)。そして、候補になり得る床暖房マットとして選択した後、および、長さ条件を満たさない場合(S1203でNO)、抽出部112は、記憶部120に記憶された複数の床暖房マット全てをS1202にて選択したか否かを判定する(S1205)。選択していない場合(S1205でNO)、抽出部112は、S1202以降の処理を行う。
【0042】
全てを選択した場合(S1205でYES)、S1204にて決定された床暖房マット、および、S1204にて決定された床暖房マットを組み合わせた組み合わせの内、予め定められた選定条件を満たすものを抽出する(S1206)。
選定条件は、縦の長さが入力縦寸以下であり、かつ、横の長さが入力横寸以下であるとともに、敷設率が、60%以上、100%以下であることを例示することができる。敷設率は、より好ましくは、70%以上、90%以下であることを例示することができる。ただし、敷設率は、その他の値であっても良い。
敷設率は、床暖房マットが1枚である場合には以下の式(1)で算出される値であり、複数の床暖房マットの組み合わせである場合には以下の式(2)で算出される値である。
(床暖房マットの面積)/(入力縦寸×入力横寸)×100(%)・・・(1)
(複数の床暖房マットの面積の合計)/(入力縦寸×入力横寸)×100(%)・・・(2)
なお、同じ床暖房マットを組み合わせても良い。
【0043】
(a)例えば、入力縦寸が2500(mm)、入力横寸が2500(mm)である場合を考える。
抽出部112は、S1204の処理において、3024マット、3018マット、2727マット、2721マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定しない。縦の長さが入力縦寸よりも長いからである。また、抽出部112は、S1204の処理において、2430マット、2130マットを、候補の床暖房マットとして決定しない。横の長さが入力横寸よりも長いからである。そして、抽出部112は、S1204の処理において、2424マット、2418マット、2124マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定する。
【0044】
抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補の床暖房マットとして決定した2424マット、2418マット、2124マットそれぞれの敷設率を、式(1)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が60%以上100%以下であるものを抽出する。2424マット、2418マット、2124マットの敷設率は、それぞれ、92.1%、69.1%、80.6%であることから、抽出部112は、2424マット、2418マット、2124マットを、選定条件を満たす床暖房マットとして抽出する。
なお、抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した2424マット、2418マット、2124マットをどのように組み合わせても、縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるため、複数の床暖房マットの組み合わせを抽出しない。
【0045】
(b)例えば、入力縦寸が2500(mm)、入力横寸が5000(mm)である場合を考える。
抽出部112は、S1204の処理において、3024マット、3018マット、2727マット、2721マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定しない。縦の長さが入力縦寸よりも大きいからである。そして、抽出部112は、S1204の処理において、2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定する。
【0046】
抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットそれぞれの敷設率を、式(1)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する。なお、上記(a)の場合においては、抽出部112が、敷設率が60%以上100%以下であるものを抽出した例を示したが、(b)の場合においては、抽出部112が、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する例を示す。
2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットの敷設率は、それぞれ、57.6%、46.0%、34.5%、50.4%、40.3%であることから、抽出部112は、これらの床暖房マット1枚のみを選定条件を満たす床暖房マットとして抽出しない。
【0047】
抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の2つの床暖房マットから構成される以下の組み合わせを、選定条件を満たす床暖房マットの組み合わせとして抽出しない。縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるためである。つまり、2430マットと2430マット、2430マットと2424マット、2430マットと2130マット、2430マットと2124マット、2424マットと2130マット、2130マットと2130マット、2130マットと2124マットの組み合わせを抽出しない。
【0048】
また、抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の3つの床暖房マットから構成される組み合わせを、選定条件を満たす床暖房マット組として抽出しない。縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるためである。
【0049】
抽出部112は、S1206の処理において、S1204の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の2つの床暖房マットから構成される組み合わせの内、残りの組み合わせの敷設率を、式(2)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する。2430マットと2418マット、2424マットと2424マットの組み合わせの敷設率は、それぞれ、92.1%、92.0%であることから、抽出部112は、これらの組み合わせを抽出しない。また、2418マットと2418マットの組み合わせの敷設率は、69.0%であることから、抽出部112は、この組み合わせを抽出しない。他方、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットの組み合わせの敷設率は、それぞれ、80.5%、86.3%、84.9%、74.8%、80.6%であることから、抽出部112は、これらの組み合わせを抽出する。
【0050】
図13は、床暖房マットと床暖房マットの単価との関係の一例を示す図である。
算出部113は、
図13に示すように記憶部120に記憶された床暖房マットと床暖房マットの単価との関係を用いて、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する。例えば、上記(a)の場合、抽出部112が、2418マット1枚と、2124マット1枚との、2通りを抽出していることから、算出部113は、2418マット、2124マットそれぞれの単価をそのまま見積もり額として算出する。また、上記(b)の場合、抽出部112が、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットの組み合わせの5通りを抽出していることから、算出部113は、5通りの組み合わせそれぞれの見積もり額を算出する。その際、算出部113は、組み合わされた2枚の床暖房マットの単価を加算することにより得た値を見積もり額として算出する。
【0051】
表示制御部114は、算出部113が算出した見積もり額を表示部130の表示画面に表示させる。その際、表示制御部114は、抽出部112が複数の見積もり額を抽出している場合には、これらの見積もり額を比較可能に表示させる。また、表示制御部114は、複数の見積もり額それぞれに対応する敷設率を表示させる。
【0052】
図14、
図15は、表示部130の表示画面131に表示された比較表の一例を示す図である。
図14は、上記(a)の場合の比較表であり、
図15は、上記(b)の場合の比較表である。
図14に示すように、表示制御部114は、抽出部112が抽出した、2424マット1枚、2418マット1枚、2124マット1枚それぞれを、候補1、候補2、候補3として表示させるとともに、それぞれの候補の敷設率と算出部113が算出した見積もり額を表示させる。
【0053】
また、
図15に示すように、表示制御部114は、抽出部112が抽出した、5通りの組み合わせである、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットを、それぞれ、候補1、候補2、候補3、候補4、候補5として表示させる。また、表示制御部114は、それぞれの候補の敷設率の合計を合計敷設率として表示させ、算出部113が算出した見積もり額の合計を見積もり額として表示させる。
【0054】
以上説明したように選定支援装置100は、縦および横の長さの入力を受け付ける受付部111と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受付部111が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部112とを備える。これにより、ユーザは、床暖房マットを敷設可能な領域に対して、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、どの床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを用いることが可能かを漏れなくかつ素早く把握することができる。
【0055】
また、選定支援装置100は、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部113を備える。これにより、ユーザは、候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせが予算内であるか否かを確認した後に、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを選定することができる。
【0056】
また、抽出部112は、複数の候補を抽出し、算出部113は、複数の候補それぞれの見積もり額を算出する。これにより、ユーザは、複数の候補の中から、例えば最も安い床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせとして選定することができる。
さらに、算出部113は、複数の候補それぞれの敷設率を算出する。これにより、ユーザは、複数の候補の中から、見積もり額と敷設率とを考慮して、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを選定することができる。
【0057】
また、選定支援装置100は、抽出部112が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、
図14、
図15に示すように、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部130をさらに備える。これにより、ユーザは、複数の候補の良し悪しを把握し易くなるので、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを容易に選定することができる。また、例えば地場の工務店で働く者は、床暖房を設置しようとする顧客に対して表示部130に表示された比較表を見せながら、床暖房マットの仕様を選定することができる。
【0058】
そして、ユーザは、上述するようにして決定した最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせに対応するスタンプ名に決定すると良い。例えば、ユーザは、上記(a)の場合に、
図14に示す候補2の2124マットを選定し、2124マットに対応するスタンプ名に決定すると良い。
【0059】
なお、表示制御部114は、
図14、
図15に示した比較表とともに、あるいは、比較表の一部に、候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを間取り図上にプロットした図を表示させても良い。
また、表示制御部114は、
図15に示した比較表のように、複数の床暖房マットの組み合わせを複数の候補として表示する場合に、床暖房マット毎に色分けして表示すると良い。例えば、「2424マット」を緑色のフォントで示し、「2418マット」を黄色のフォントで示し、「2130マット」を青色のフォントで示し、「2124マット」を紫色のフォントで示すと良い。また、フォントの色を異ならせるとともに、あるいは、フォントの色を異ならせる代わりに、ハイライトの色を異ならせても良い。これにより、ユーザに、比較し易くすることができる。
【0060】
また、記憶部120が記憶する、床暖房マットの大きさや単価等の情報は、例えば選定支援装置100とネットワークにて接続された他の装置(例えばデータベースサーバ)に記憶されていても良い。そして、制御部110は、他の装置から床暖房マットの情報を取得して、候補を抽出したり、見積もり額を算出したりしても良い。
【0061】
また、上述した作図装置1は、選定支援装置100が有する機能を有していても良い。例えば、作図装置1の制御部10は、選定支援装置100の制御部110が有する、受付部111、抽出部112、算出部113および表示制御部114を有していても良い。また、作図装置1の記憶部20は、選定支援装置100の記憶部120が記憶する3024マット等を記憶していても良い。これにより、ユーザは、同じ端末で、表示制御部114が表示させた比較表を見ながら、床暖房マット床暖房マットのプロット作業を行うことができる。
【0062】
また、制御部10のCPUによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いてダウンロードされても良い。
【0063】
そして、本発明を構成するプログラムは、作図装置1に、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する機能と、予め記憶された複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける機能と、受け付けた前記一のスタンプ名に対応するスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける機能と、を実行させる。
【符号の説明】
【0064】
1…作図装置、10…制御部、11…表示制御部、12…選択部、13…処理部、20…記憶部、30…表示部、31…表示画面、40…操作部、73…表示スタンプ、74…距離スタンプ、75…確認用スタンプ、100…選定支援装置、110…制御部、111…受付部、112…抽出部、113…算出部、114…表示制御部、120…記憶部、130…表示部、140…操作部
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程と、
予め記憶された大きさが異なる複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける工程と、
前記一のスタンプ名の選択を受け付けた場合に、当該一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける工程と、
を実行する作図方法。
【請求項2】
前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる工程をさらに実行する請求項1に記載の作図方法。
【請求項3】
前記住戸の縦壁から貼り付けたスタンプまでの距離と、横壁から当該スタンプまでの距離とを入れる工程をさらに実行する請求項1に記載の作図方法。
【請求項4】
コンピュータに、
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する機能と、
予め記憶された大きさが異なる複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける機能と、
受け付けた前記一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる機能をさらに実行させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する表示部と、
予め定められた複数の前記床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数のスタンプに対応する複数のスタンプ名の中から選択された一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記表示部に表示された前記間取り図の上に貼り付ける処理を行う処理部と、
を備える作図装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる処理を行う請求項6に記載の作図装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、コンピュータが、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する工程と、予め記憶された大きさが異なる複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける工程と、前記一のスタンプ名の選択を受け付けた場合に、当該一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける工程と、を実行する作図方法である。
ここで、前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる工程をさらに実行しても良い。
また、前記住戸の縦壁から貼り付けたスタンプまでの距離と、横壁から当該スタンプまでの距離とを入れる工程をさらに実行しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する機能と、予め記憶された大きさが異なる複数の前記床暖房マットのスタンプそれぞれに対応する複数のスタンプ名の中から一のスタンプ名の選択を受け付ける機能と、受け付けた前記一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記間取り図の上に貼り付ける機能と、を実行させるプログラムである。
ここで、前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる機能をさらに実行させても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、床暖房マットを敷設する住戸の間取り図をPDFで表示する表示部と、予め定められた複数の前記床暖房マットの大きさに対応する大きさの複数のスタンプを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数のスタンプに対応する複数のスタンプ名の中から選択された一のスタンプ名に対応する大きさのスタンプを前記表示部に表示された前記間取り図の上に貼り付ける処理を行う処理部と、を備える作図装置である。
ここで、前記処理部は、前記住戸の壁から貼り付けたスタンプまでの距離を入れる処理を行っても良い。