(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022146997
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】選定支援装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048065
(22)【出願日】2021-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】東 直子
(72)【発明者】
【氏名】日笠山 大和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 歩
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】床暖房を敷設可能な領域に応じて、最適な床暖房マットを選定可能にすることができる技術を提供する。
【解決手段】縦および横の長さの入力を受け付ける受付部111と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受付部111が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部112と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦および横の長さの入力を受け付ける受付部と、
予め記憶された複数の床暖房マットの中から、前記受付部が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部と、
を備える選定支援装置。
【請求項2】
前記抽出部が抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部をさらに備える、
請求項1に記載の選定支援装置。
【請求項3】
前記抽出部は、複数の候補を抽出し、
前記算出部は、前記複数の候補それぞれの見積もり額を算出する
請求項2に記載の選定支援装置。
【請求項4】
前記抽出部が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部をさらに備える
請求項3に記載の選定支援装置。
【請求項5】
コンピュータに、
縦および横の長さの入力を受け付ける機能と、
予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する機能をさらに備える、
請求項5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選定支援装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温水等の熱媒循環を用いた床暖房工法として、下地材の上に温水マット等を敷設し、表面に床表面材(フローリング)を敷設する温水マット工法が広く用いられている。
例えば、特許文献1に記載された床暖房用温水マット(以下、「床暖房マット」と称する場合がある。)は、以下のように構成されている。すなわち、床暖房マットは、直線部とUターン部により構成される配管溝を上面側に備えたマット基材と、配管溝に敷設された放熱パイプと、直線部配管溝に平行に配設された小根太及び小小根太と、マット上表面に貼付された均熱シートと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
床暖房マットを敷設可能な領域に対して、予め大きさが定められた複数の床暖房マットの中から、どの床暖房マットを敷設するかを決定する必要がある。特に、敷設領域が大きい場合には、予め大きさが定められた複数の床暖房マットの中から、いくつかの床暖房マットを組み合わせる必要があるが、床暖房マットの組み合わせによって、敷設率やコストが異なる場合がある。それゆえ、床暖房を敷設可能な領域に応じて、最適な床暖房マットを選択し易いことが望ましい。
本発明は、床暖房を敷設可能な領域に応じて、最適な床暖房マットを選定可能にすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、縦および横の長さの入力を受け付ける受付部と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、前記受付部が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部と、を備える選定支援装置である。
ここで、前記抽出部が抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部をさらに備えても良い。
また、前記抽出部は、複数の候補を抽出し、前記算出部は、前記複数の候補それぞれの見積もり額を算出しても良い。
また、前記抽出部が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部をさらに備えても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、縦および横の長さの入力を受け付ける機能と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する機能と、を実行させるプログラムである。
ここで、抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する機能をさらに備えていても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、床暖房を敷設可能な領域に応じて、最適な床暖房マットを選定可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る選定支援装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】抽出部が行う抽出処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図4】床暖房マットと床暖房マットの単価との関係の一例を示す図である。
【
図5】表示部の表示画面に表示された比較表の一例を示す図である。
【
図6】表示部の表示画面に表示された比較表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係る選定支援装置100の構成の一例を示す図である。
選定支援装置100は、床暖房マットを敷設可能な領域に対して、予め大きさが定められた複数の床暖房マットの中から、どの床暖房マットを敷設するかを選定するのに有力な情報を提供することで、床暖房マットの選定を支援する装置である。
【0009】
選定支援装置100は、
図1に示すように、制御部110を備えている。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを格納する記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、プログラムの実行領域であるRAM(Random Access Memory)とを有している。
【0010】
また、選定支援装置100は、OS(Operating System)やソフトウェア等の各種プログラム、各種プログラムに対する入力データ、各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶部120を備えている。記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置であることを例示することができる。記憶部120は、ソフトウェアとして、PDFファイルを閲覧したり編集したりすることを可能とするアプリケーションを記憶している。
【0011】
また、選定支援装置100は、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部130と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部140と、外部装置との通信に用いられる通信部150と、を備えている。
表示部130は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。
操作部140は、キーボード、マウス、タッチパネルであることを例示することができる。操作部140がタッチパネルである場合には、当該タッチパネルは、操作部140および表示部130として機能する。
通信部150は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
選定支援装置100は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、サーバであることを例示することができる。
【0012】
(記憶部120)
図2は、床暖房マットの一例を示す図である。
記憶部120は、予め定められた大きさの床暖房マットを記憶する。より具体的には、
図2に示すように、記憶部120は、敷設可能な床暖房マットの縦の長さ(mm)と横の長さ(mm)との組み合わせ毎に、複数の床暖房マットを記憶している。
図2に示す例では、記憶部120は、縦の長さが3000(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「3024マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが3000(mm)、横の長さが1800(mm)の床暖房マット(以下、「3018マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2700(mm)、横の長さが2700(mm)の床暖房マット(以下、「2727マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2700(mm)、横の長さが2100(mm)の床暖房マット(以下、「2721マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが3000(mm)の床暖房マット(以下、「2430マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「2424マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2400(mm)、横の長さが1800(mm)の床暖房マット(以下、「2418マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2100(mm)、横の長さが3000(mm)の床暖房マット(以下、「2130マット」と称する場合がある。)を記憶している。また、記憶部120は、縦の長さが2100(mm)、横の長さが2400(mm)の床暖房マット(以下、「2124マット」と称する場合がある。)を記憶している。なお、縦の長さは、床暖房マットのパイプ方向の長さであり、横の長さは、床暖房マットにおける小根太が配置されている方向の長さであることを例示することができる。
【0013】
(制御部110)
制御部110は、ユーザによる操作部140を介した入力を受け付ける受付部111を備える。受付部111は、例えば、予め定められた入力欄に入力された値を、床暖房マットを敷設可能な領域における縦の長さおよび横の長さの入力として受け付ける。以下、入力された縦の長さ(mm)を「入力縦寸」、入力された横の長さ(mm)を「入力横寸」と称する場合がある。
【0014】
また、制御部110は、予め記憶部120に記憶された複数の床暖房マットの中から、床暖房マットを敷設可能な領域に対して適用可能な床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部112を備える。
また、制御部110は、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部113を備える。
また、制御部110は、表示部130の表示画面131に比較表等を表示させる表示制御部114を備える。
【0015】
《抽出部112》
図3は、抽出部112が行う抽出処理のフローチャートの一例を示す図である。
抽出部112は、受付部111が縦の長さ(mm)と、横の長さ(mm)との入力を受け付けた場合に抽出処理を開始する。
抽出部112は、先ず、縦の長さ(mm)と、横の長さ(mm)を把握する(S301)。
次に、抽出部112は、記憶部120に記憶された複数の床暖房マットの中から、一の床暖房マットを選択する(S302)。そして、抽出部112は、S302にて抽出した一の床暖房マットの縦の長さが入力縦寸以下であるとともに横の長さを入力横寸以下である、という長さ条件を満たすか否かを判定する(S303)。
【0016】
長さ条件を満たす場合(S303でYES)、抽出部112は、候補になり得る床暖房マットとして決定する(S304)。そして、候補になり得る床暖房マットとして選択した後、および、長さ条件を満たさない場合(S303でNO)、抽出部112は、記憶部120に記憶された複数の床暖房マット全てをS302にて選択したか否かを判定する(S305)。選択していない場合(S305でNO)、抽出部112は、S302以降の処理を行う。
【0017】
全てを選択した場合(S305でYES)、S304にて決定された床暖房マット、および、S304にて決定された床暖房マットを組み合わせた組み合わせの内、予め定められた選定条件を満たすものを抽出する(S306)。
選定条件は、縦の長さが入力縦寸以下であり、かつ、横の長さが入力横寸以下であるとともに、敷設率が、60%以上、100%以下であることを例示することができる。敷設率は、より好ましくは、70%以上、90%以下であることを例示することができる。ただし、敷設率は、その他の値であっても良い。
敷設率は、床暖房マットが1枚である場合には以下の式(1)で算出される値であり、複数の床暖房マットの組み合わせである場合には以下の式(2)で算出される値である。
(床暖房マットの面積)/(入力縦寸×入力横寸)×100(%)・・・(1)
(複数の床暖房マットの面積の合計)/(入力縦寸×入力横寸)×100(%)・・・(2)
なお、同じ床暖房マットを組み合わせても良い。
【0018】
(a)例えば、入力縦寸が2500(mm)、入力横寸が2500(mm)である場合を考える。
抽出部112は、S304の処理において、3024マット、3018マット、2727マット、2721マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定しない。縦の長さが入力縦寸よりも長いからである。また、抽出部112は、S304の処理において、2430マット、2130マットを、候補の床暖房マットとして決定しない。横の長さが入力横寸よりも長いからである。そして、抽出部112は、S304の処理において、2424マット、2418マット、2124マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定する。
【0019】
抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補の床暖房マットとして決定した2424マット、2418マット、2124マットそれぞれの敷設率を、式(1)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が60%以上100%以下であるものを抽出する。2424マット、2418マット、2124マットの敷設率は、それぞれ、92.1%、69.1%、80.6%であることから、抽出部112は、2424マット、2418マット、2124マットを、選定条件を満たす床暖房マットとして抽出する。
なお、抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した2424マット、2418マット、2124マットをどのように組み合わせても、縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるため、複数の床暖房マットの組み合わせを抽出しない。
【0020】
(b)例えば、入力縦寸が2500(mm)、入力横寸が5000(mm)である場合を考える。
抽出部112は、S304の処理において、3024マット、3018マット、2727マット、2721マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定しない。縦の長さが入力縦寸よりも大きいからである。そして、抽出部112は、S304の処理において、2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットを、候補になり得る床暖房マットとして決定する。
【0021】
抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットそれぞれの敷設率を、式(1)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する。なお、上記(a)の場合においては、抽出部112が、敷設率が60%以上100%以下であるものを抽出した例を示したが、(b)の場合においては、抽出部112が、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する例を示す。
2430マット、2424マット、2418マット、2130マット、2124マットの敷設率は、それぞれ、57.6%、46.0%、34.5%、50.4%、40.3%であることから、抽出部112は、これらの床暖房マット1枚のみを選定条件を満たす床暖房マットとして抽出しない。
【0022】
抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の2つの床暖房マットから構成される以下の組み合わせを、選定条件を満たす床暖房マットの組み合わせとして抽出しない。縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるためである。つまり、2430マットと2430マット、2430マットと2424マット、2430マットと2130マット、2430マットと2124マット、2424マットと2130マット、2130マットと2130マット、2130マットと2124マットの組み合わせを抽出しない。
【0023】
また、抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の3つの床暖房マットから構成される組み合わせを、選定条件を満たす床暖房マット組として抽出しない。縦の長さの合計が入力縦寸よりも長くなるか、または、横の長さの合計が入力横寸よりも長くなるためである。
【0024】
抽出部112は、S306の処理において、S304の処理にて候補になり得る床暖房マットとして決定した5つの床暖房マットの内の2つの床暖房マットから構成される組み合わせの内、残りの組み合わせの敷設率を、式(2)を用いて算出する。そして、抽出部112は、敷設率が70%以上90%以下であるものを抽出する。2430マットと2418マット、2424マットと2424マットの組み合わせの敷設率は、それぞれ、92.1%、92.0%であることから、抽出部112は、これらの組み合わせを抽出しない。また、2418マットと2418マットの組み合わせの敷設率は、69.0%であることから、抽出部112は、この組み合わせを抽出しない。他方、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットの組み合わせの敷設率は、それぞれ、80.5%、86.3%、84.9%、74.8%、80.6%であることから、抽出部112は、これらの組み合わせを抽出する。
【0025】
図4は、床暖房マットと床暖房マットの単価との関係の一例を示す図である。
算出部113は、
図4に示すように記憶部120に記憶された床暖房マットと床暖房マットの単価との関係を用いて、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する。例えば、上記(a)の場合、抽出部112が、2418マット1枚と、2124マット1枚との、2通りを抽出していることから、算出部113は、2418マット、2124マットそれぞれの単価をそのまま見積もり額として算出する。また、上記(b)の場合、抽出部112が、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットの組み合わせの5通りを抽出していることから、算出部113は、5通りの組み合わせそれぞれの見積もり額を算出する。その際、算出部113は、組み合わされた2枚の床暖房マットの単価を加算することにより得た値を見積もり額として算出する。
【0026】
表示制御部114は、算出部113が算出した見積もり額を表示部130の表示画面に表示させる。その際、表示制御部114は、抽出部112が複数の見積もり額を抽出している場合には、これらの見積もり額を比較可能に表示させる。また、表示制御部114は、複数の見積もり額それぞれに対応する敷設率を表示させる。
【0027】
図5、
図6は、表示部130の表示画面131に表示された比較表の一例を示す図である。
図5は、上記(a)の場合の比較表であり、
図6は、上記(b)の場合の比較表である。
図5に示すように、表示制御部114は、抽出部112が抽出した、2424マット1枚、2418マット1枚、2124マット1枚それぞれを、候補1、候補2、候補3として表示させるとともに、それぞれの候補の敷設率と算出部113が算出した見積もり額を表示させる。
【0028】
また、
図6に示すように、表示制御部114は、抽出部112が抽出した、5通りの組み合わせである、2424マットと2418マット、2424マットと2124マット、2418マットと2130マット、2418マットと2124マット、2124マットと2124マットを、それぞれ、候補1、候補2、候補3、候補4、候補5として表示させる。また、表示制御部114は、それぞれの候補の敷設率の合計を合計敷設率として表示させ、算出部113が算出した見積もり額の合計を見積もり額として表示させる。
【0029】
以上説明したように選定支援装置100は、縦および横の長さの入力を受け付ける受付部111と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受付部111が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部112とを備える。これにより、ユーザは、床暖房マットを敷設可能な領域に対して、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、どの床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを用いることが可能かを漏れなくかつ素早く把握することができる。
【0030】
また、選定支援装置100は、抽出部112が抽出した候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部113を備える。これにより、ユーザは、候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせが予算内であるか否かを確認した後に、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを選定することができる。
【0031】
また、抽出部112は、複数の候補を抽出し、算出部113は、複数の候補それぞれの見積もり額を算出する。これにより、ユーザは、複数の候補の中から、例えば最も安い床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせとして選定することができる。
さらに、算出部113は、複数の候補それぞれの敷設率を算出する。これにより、ユーザは、複数の候補の中から、見積もり額と敷設率とを考慮して、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを選定することができる。
【0032】
また、選定支援装置100は、抽出部112が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、
図5、
図6に示すように、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部130をさらに備える。これにより、ユーザは、複数の候補の良し悪しを把握し易くなるので、最終的に設置する床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを容易に選定することができる。また、例えば地場の工務店で働く者は、床暖房を設置しようとする顧客に対して表示部130に表示された比較表を見せながら、床暖房マットの仕様を選定することができる。
【0033】
なお、表示制御部114は、
図5、
図6に示した比較表とともに、あるいは、比較表の一部に、候補の床暖房マットまたは床暖房マットの組み合わせを間取り図上にプロットした図を表示させても良い。
また、表示制御部114は、
図6に示した比較表のように、複数の床暖房マットの組み合わせを複数の候補として表示する場合に、床暖房マット毎に色分けして表示すると良い。例えば、「2424マット」を緑色のフォントで示し、「2418マット」を黄色のフォントで示し、「2130マット」を青色のフォントで示し、「2124マット」を紫色のフォントで示すと良い。また、フォントの色を異ならせるとともに、あるいは、フォントの色を異ならせる代わりに、ハイライトの色を異ならせても良い。これにより、ユーザに、比較し易くすることができる。
【0034】
また、記憶部120が記憶する、床暖房マットの大きさや単価等の情報は、例えば選定支援装置100とネットワークにて接続された他の装置(例えばデータベースサーバ)に記憶されていても良い。そして、制御部110は、通信部150およびネットワークを介して、他の装置から床暖房マットの情報を取得して、候補を抽出したり、見積もり額を算出したりしても良い。
【0035】
また、制御部110のCPUによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いてダウンロードされても良い。
【0036】
そして、本発明を構成するプログラムは、選定支援装置100に、縦および横の長さの入力を受け付ける機能と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する機能と、を実行させる。
また、プログラムは、抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する機能をさらに備える。
【符号の説明】
【0037】
100…選定支援装置、110…制御部、111…受付部、112…抽出部、113…算出部、114…表示制御部、120…記憶部、130…表示部、140…操作部
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦および横の長さの入力を受け付ける受付部と、
予め記憶された複数の床暖房マットの中から、前記受付部が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部と、
を備え、
前記抽出部は、前記複数の床暖房マットの中から、予め定められた条件を満たす当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせを候補として全て抽出する選定支援装置。
【請求項2】
前記抽出部が抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部をさらに備える、
請求項1に記載の選定支援装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記抽出部が複数の候補を抽出した場合、当該複数の候補それぞれの見積もり額を算出する
請求項2に記載の選定支援装置。
【請求項4】
前記抽出部が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部をさらに備える
請求項3に記載の選定支援装置。
【請求項5】
コンピュータに、
縦および横の長さの入力を受け付ける機能と、
予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する機能と、
を実行させ、
前記抽出する機能は、前記複数の床暖房マットの中から、予め定められた条件を満たす当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせを候補として全て抽出するプログラム。
【請求項6】
抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する機能をさらに備える、
請求項5に記載のプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、縦および横の長さの入力を受け付ける受付部と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、前記受付部が受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する抽出部と、を備え、前記抽出部は、前記複数の床暖房マットの中から、予め定められた条件を満たす当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせを候補として全て抽出する選定支援装置である。
ここで、前記抽出部が抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する算出部をさらに備えても良い。
また、前記算出部は、前記抽出部が複数の候補を抽出した場合、当該複数の候補それぞれの見積もり額を算出しても良い。
また、前記抽出部が抽出した複数の候補の内の一の候補と当該一の候補の見積もり額との組み合わせを、当該複数の候補の内の他の候補と当該他の候補の見積もり額との組み合わせと比較可能に表示する表示部をさらに備えても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、縦および横の長さの入力を受け付ける機能と、予め記憶された複数の床暖房マットの中から、受け付けた縦および横の長さに基づく広さに適用可能な当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの候補を抽出する機能と、を実行させ、前記抽出する機能は、前記複数の床暖房マットの中から、予め定められた条件を満たす当該床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせを候補として全て抽出するプログラムである。
ここで、抽出した候補の前記床暖房マットまたは当該床暖房マットの組み合わせの見積もり額を算出する機能をさらに備えていても良い。