(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147058
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】作業管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048155
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521121798
【氏名又は名称】株式会社伸和トータルエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】荒木 崇
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】複数の作業者が同時に編集することを可能とする。
【解決手段】作業管理システム10は、複数の作業者4が作業内容を報告し、複数の管理者6が作業内容の管理を行うための作業管理システム10であって、複数の作業者4が作業内容について電子的に入力をするための入力部12と、入力部12により入力された作業内容に基づいて自動的に帳票を作成する帳票作成部14と、帳票作成部14により作成された帳票について承認を行う複数の管理者6の順番である承認ルートを決定する承認ルート決定部16と、帳票に基づいて作業全体の工程管理を行うための工程管理部18と、 を備え、入力部12は、複数の作業者による作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに該保存操作を行った作業者の編集内容によって作業内容を上書する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者が作業内容を報告し、複数の管理者が前記作業内容の管理を行うための作業管理システムであって、
前記複数の作業者が前記作業内容を入力するための入力部と、
前記入力部により入力された前記作業内容に基づいて帳票を作成する帳票作成部と、
前記帳票作成部により作成された前記帳票について承認を行う前記複数の管理者の順番である承認ルートを決定する承認ルート決定部と、
前記帳票に基づいて作業全体の工程管理を行うための工程管理部と、
を備え、
前記入力部は、前記複数の作業者による前記作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに該保存操作を行った前記作業者の編集内容によって前記作業内容を上書することを特徴とする作業管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業管理システムにおいて、
前記承認ルート決定部により決定された前記承認ルートの中から特定の前記管理者の順番を組み替える承認者組み替え部を備えることを特徴とする作業管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の作業管理システムにおいて、
前記作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する前記管理者へのメールの送信の有無を決定する送信決定部を備えることを特徴とする作業管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、建設現場などにおいて、作業者が作業を報告するための報告書を手書きで記載し、カメラなどで現場の写真を撮影している。そして、作業者が現場から職場に戻った後、報告書を清書し、または、パーソナルコンピュータで入力し、写真のデータを取り込み、帳票を作成して、上司や関係者への回覧を行っている。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、業務命令者側の端末または業務遂行者側の端末から任意に閲覧可能な所定のWEBサイトとして機能し、前記業務命令者側の端末から業務命令情報を受信入力し、前記業務遂行者側の端末から前記業務命令情報に対する業務完了報告を受信入力するメインサーバーと、前記業務命令情報と前記業務完了報告のデータを読み出し可能に蓄積するデータ蓄積手段とを備えたことを特徴とする業務処理システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、業務を処理する者を指定する指示手段と指示者に対する業務報告を実行する報告手段と前記業務報告を承認する承認手段とを有する業務モジュールと、前記業務モジュールによる実行結果に基づき、前記指示手段により指定した指示者、前記報告手段により実行する報告者、または前記承認手段により承認する承認者を含む指示系統に係る情報を記録する系統記憶手段と、前記業務モジュールによる指示系統に係る情報を組み合わせて業務を管理する管理手段とを備える業務管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-16238号公報
【特許文献2】特開2004-287575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、上記特許文献1,2に示すような業務管理システムが開発されているが、建設現場などでは複数の作業者がそれぞれ報告書を作成する必要がある。一般的に、これらの報告書は一人が編集している間は、他人は閲覧のみ可能な状態で編集ができないため、効率が悪い。
【0007】
本発明の目的は、複数の作業者が同時に編集することを可能とする作業管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る作業管理システムは、複数の作業者が作業内容を報告し、複数の管理者が前記作業内容の管理を行うための作業管理システムであって、前記複数の作業者が前記作業内容を入力するための入力部と、前記入力部により入力された前記作業内容に基づいて帳票を作成する帳票作成部と、前記帳票作成部により作成された前記帳票について承認を行う前記複数の管理者の順番である承認ルートを決定する承認ルート決定部と、前記帳票に基づいて作業全体の工程管理を行うための工程管理部と、を備え、前記入力部は、前記複数の作業者による前記作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに該保存操作を行った前記作業者の編集内容によって前記作業内容を上書することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る作業管理システムにおいて、前記承認ルート決定部により決定された前記承認ルートの中から特定の前記管理者の順番を組み替える承認者組み替え部を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る作業管理システムにおいて、前記作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する前記管理者へのメールの送信の有無を決定する送信決定部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の作業者が同時に編集することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態において、作業管理システムを示す図である。
【
図2】従来の建設現場等における業務報告などを管理する流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態の作業管理システム10を示す図である。
図2は、従来の建設現場等における業務報告などを管理する流れを示す図である。
【0015】
作業管理システム10は、複数の作業者4(
図1の例では、現場担当者)が作業内容を報告し、複数の管理者6(
図1の例では、現場関係者)が作業内容等の管理を行うためのシステムである。
【0016】
また、作業管理システム10は、ネットワーク2を介して複数の作業者4と、複数の管理者6に接続され、さらに、作業内容などが登録されることにより形成されるデータなどを管理するデータ管理者8も接続されている。
【0017】
作業管理システム10は、入力部12と、帳票作成部14と、承認ルート決定部16と、工程管理部18と、承認者組み替え部20と、送信決定部22とを備える。
【0018】
入力部12は、複数の作業者4が作業内容について、スマートフォンやタブレット端末を用いて電子的に入力をする機能を有している。作業内容としては、作業者4が行った作業の詳細について記載するほか、例えば、保守作業現場などにおいて、建物などにヒビ割れなどがあった場合に、カメラで撮影した写真を、入力部12を用いてアップロードするとともに、「ヒビ割れあり、即修復の必要あり」等のコメントを手書きで入力してもよい。
【0019】
なお、入力部12を用いて、作業者4が入力した作業内容は、各管理者6に共有され、作業内容に対して電子的な付箋などを用いて、例えば、「ワレ箇所に腐食がないか要確認!」といったメモを付することも出来る。
【0020】
入力部12は、作業者4が作業入力をしやすいように様々な工夫が施されており、例えば、作業日などの日付は日付ダイアログから選択させ、所属チームや担当者名をプルダウンリストから選択することができ、ラジオボタンやチェックボックスの中から予めテンプレートで設定登録した内容を選択させることができる。これにより、迅速に入力させることができるとともに、使用する文言を統一することも出来る。また、入力部12は、イメージファイル(例えば、PDF、jpeg、png)を用いて入力することができる。
【0021】
入力部12は、複数の作業者4による作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに保存操作を行った作業者4の編集内容によって作業内容を上書する。
【0022】
作業内容は、従来の紙の報告書のフォーマットが電子化されたものであり、複数のセルが結合されている。ここで、同時編集は、同一のセル内でも行うことができ、この場合、複数の作業者4が編集して保存した場合に、最後に保存操作をした作業者4の編集の内容によって上書き保存されることになる。
【0023】
帳票作成部14は、入力部12により入力された作業内容に基づいて自動的に帳票を作成する。具体的には、作業者4が入力部12を用いて作業内容を入力することで完成した報告書が自動的に帳票として生成されて複数の管理者6に共有され、管理者6の中から選択される承認者に承認してもらうことができるようになる。
【0024】
承認ルート決定部16は、帳票作成部14により作成された帳票について承認を行う複数の管理者6の順番である承認ルートを決定する。例えば、管理者6が、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんの6人が存在する場合に、Aさん→Dさん→Bさん→Fさん→Cさん→Eさんの順番で承認してもらうように設定することが出来る。
【0025】
工程管理部18は、帳票作成部14によって作成された帳票に基づいて、建設現場等における作業全体の工程管理を行う。これにより、管理者6は、例えば、作業工程全体の中で、現在、どの工程まで進んでいるのか等について把握することができる。
【0026】
承認者組み替え部20は、承認ルート決定部16により決定された承認ルートの中から特定の管理者の順番を組み替える機能を有する。例えば、上記のように、承認ルートをAさん→Dさん→Bさん→Fさん→Cさん→Eさんの順番で承認してもらうようにされた場合に、Bさんがお休みなどの場合に承認作業が滞ってしまうため、Bさんの承認を飛ばした状態の承認ルート(Aさん→Dさん→Fさん→Cさん→Eさん)に変更することができる。
【0027】
送信決定部22は、作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する管理者6へのメールの送信の有無を決定する。具体的には、管理者6の中の上記承認者に対して、承認を促すためのメールを送信し、その他の作業内容を管理者6に共有してもらうためのメールを送信するように設定することができる。
【0028】
ただし、これらのメールが多数来てしまうと管理者6は大切なメールがその他のメールに埋もれて見逃してしまう虞があるため、メールを送信しないように設定することも出来る。
【0029】
続いて、上記構成の作業管理システム10の作用について説明する。
図2に示されるように、従来の建設現場では以下のような業務報告等がなされていた。具体的には、作業現場において、作業者4は、報告書の用紙を事前に準備し、カメラで写真撮影をして、会社又は事務所に戻って業務報告書作成作業を行っていた。このようなやり方であれば、報告用のメモを取りながら写真を撮影する必要があり、時間が足りないことが多い。また、報告書の用紙を紛失してしまうことがある。
【0030】
作業員4が会社又事務所に帰った後は、建設現場で書いた手書きのメモを見ながら、報告書(帳票)の清書を行い、カメラで撮影したデータをパーソナルコンピュータなどで取り込む。このようなやり方であれば、転記漏れが発生し、必要な現場の写真が写っていないなどといった課題がある。また、作業者4は、この作業をするためにわざわざ会社又は事務所に戻る必要がある。
【0031】
この後、上司や関係者などの管理者6に帳票を回覧し、承認をもらう必要がある。このようなやり方であれば、回覧をスムーズに行うことができず、帳票が紛失してしまう虞がある。
【0032】
また、従来は、このように作業者4によって作成され、承認者である管理者6に回覧された帳票などに基づいて、データ管理者8は、データを入力し、帳票をファイリングし、予備として複製するなどの作業が必要であった。このようなやり方では、作業者4によって書き方がバラバラであったり、入力漏れがあったり、誤字脱字があるなど、データ管理者8が正確にデータを入力できないという課題がある。
【0033】
このような課題に対して、本発明の実施形態に係る作業管理システム10は顕著な効果を発揮する。
【0034】
作業管理システム10によれば、入力部12の機能を用いて、作業者4は現場で手書きメモを残すとともに、カメラで撮影した写真をアップロードすることができ、または、必要に応じてイメージファイルを挿入することができる。作業者4は、会社又は事務所に戻らずとも現場で報告書を作成することができ、写真もすぐに反映できるともに、管理者6にも迅速に報告することができる。
【0035】
また、入力部12を用いて作業者4が入力した作業内容が管理者6に共有され、管理者6から作業者4に対して確認事項などがある場合は、電子的な付箋などのメモ機能などにより、作業者4に通知することが出来る。
【0036】
そして、入力部12によって入力された作業内容に基づいて帳票作成部14で帳票が作成され、承認ルート決定部16により決定された承認者(管理者6)に電子的に回覧される。これにより、管理者6は端末されあればどこにいてもすぐに確認することができるとともに、スムーズに承認することができるという利点がある。
【0037】
また、データ管理者8は、従来の紙の報告書を確認しつつ手入力する必要がないため、統計データ・過去データ・在庫管理などのデータの正確性が向上する。
【0038】
次いで、作業管理システム10によれば、複数の作業者4による作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに保存操作を行った作業者4の編集内容によって作業内容を上書する。これにより、複数の作業者4が同時に報告書を作成する作業を行うことができるため、効率がよくなるという利点がある。
【0039】
さらに、作業管理システム10によれば、承認ルート上の承認者(管理者6)が不在で承認が滞ってしまった場合に、当該承認者を飛ばすように組み替えさせた承認ルートに変更して回覧させることができるため、短時間で回覧を終えることができる。なお、飛ばした承認者については、その他の承認者の承認完了後に承認させるようにルートを組み替えてもよい。
【0040】
また、作業管理システム10によれば、送信決定部22の機能により、作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する管理者6へのメールの送信の有無を決定することが出来る。これにより、報告先を選定することができるため、必要な情報のみを必要な人に対してのみ送信することができるため、より的確に管理者6に報告することができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0041】
2 ネットワーク、4 作業者、6 管理者、8 データ管理者、10 作業管理システム、12 入力部、14 帳票作成部、16 承認ルート決定部、18 工程管理部、20 承認者組み替え部、22 送信決定部。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者が作業内容を報告し、複数の管理者が前記作業内容の管理を行うための作業管理システムであって、
前記複数の作業者が前記作業内容を入力するための入力部と、
前記入力部により入力された前記作業内容に基づいて帳票を作成する帳票作成部と、
前記帳票作成部により作成された前記帳票について承認を行う前記複数の管理者の順番である承認ルートを決定する承認ルート決定部と、
前記帳票に基づいて作業全体の工程管理を行うための工程管理部と、
前記承認ルート決定部により決定された前記承認ルートの中から特定の前記管理者の承認を飛ばすように順番を組み替える承認者組み替え部と、
前記作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する前記管理者への承認を促すためにメールを送信する決定を行い、かつ、前記メールを送信しないことを希望する前記管理者への前記メールの送信を停止する決定を行う送信決定部と、
を備え、
前記入力部は、前記複数の作業者による前記作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに該保存操作を行った前記作業者の編集内容によって前記作業内容を上書することを特徴とする作業管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る作業管理システムは、複数の作業者が作業内容を報告し、複数の管理者が前記作業内容の管理を行うための作業管理システムであって、前記複数の作業者が前記作業内容を入力するための入力部と、前記入力部により入力された前記作業内容に基づいて帳票を作成する帳票作成部と、前記帳票作成部により作成された前記帳票について承認を行う前記複数の管理者の順番である承認ルートを決定する承認ルート決定部と、前記帳票に基づいて作業全体の工程管理を行うための工程管理部と、前記承認ルート決定部により決定された前記承認ルートの中から特定の前記管理者の承認を飛ばすように順番を組み替える承認者組み替え部と、前記作業内容に基づいた作業工程の進捗を把握する前記管理者への承認を促すためにメールを送信する決定を行い、かつ、前記メールを送信しないことを希望する前記管理者への前記メールの送信を停止する決定を行う送信決定部と、を備え、前記入力部は、前記複数の作業者による前記作業内容の同時編集を許可し、各編集に対する保存操作がなされるたびに該保存操作を行った前記作業者の編集内容によって前記作業内容を上書することを特徴とする。