(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147064
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
D06F 58/22 20060101AFI20220929BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
D06F58/22
D06F58/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048162
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 開斗
(72)【発明者】
【氏名】染澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB24
3B166AB29
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA48
3B166BA73
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB12
3B166EA03
3B166EA12
3B166EA15
3B166EB03
3B166EB14
3B166EB18
3B166EC02
3B166EC13
3B166EC18
3B166EC22
3B166EC40
3B166EE04
3B166EE07
3B166GA02
3B166GA12
3B166GA45
3B166HA11
3B166HA31
3B166HA53
3B166HA54
3B166JM02
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】フィルターに付着した異物を除去する清掃作業の簡素化を図ること。
【解決手段】回転駆動自在な回転ドラム11と、その回転ドラム11の内部空間にて形成されて、衣類2を収容自在な乾燥室4と、その乾燥室4に乾燥用空気K1を供給自在な乾燥用空気供給部5と、乾燥室4の空気Kを外部に排気させる排気部6と、乾燥室4から排気する空気Kの通過位置に配設されたフィルター41と、回転ドラム11の回転に連動して、フィルター41に付着した異物を回収して異物貯留部に貯留させる清掃作動を行う清掃部51とが備えられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動自在な回転ドラムと、その回転ドラムの内部空間にて形成されて、衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を外部に排気させる排気部と、乾燥室から排気する空気の通過位置に配設されたフィルターと、回転ドラムの回転に連動して、フィルターに付着した異物を回収して異物貯留部に貯留させる清掃作動を行う清掃部とが備えられている衣類乾燥装置。
【請求項2】
前記清掃部は、異物を押圧移動させる移動部と、その移動部の移動により異物を異物貯留部に押圧移動させるように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させる連動機構部とが備えられている請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記フィルターは、回転ドラムと一体的に回転自在に備えられ、
前記清掃部は、フィルターに当接する固定状態にて備えられて、フィルターの回転により付着した異物を掻き取って受け止め保持する掻取受け止め保持部が備えられ、
前記連動機構部は、掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物を移動部にて異物貯留部に押圧移動させるように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させている請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記連動機構部は、
掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物に対して移動部を当接させる当接位置において、掻取受け止め保持部の長手方向に沿って初期位置から異物を異物貯留部に押し出し自在な押出位置まで移動部を移動させる押出移動操作と、
当接位置から掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物に対して移動部を離間させる離間位置に移動部を移動させて、押出位置から初期位置に移動部を復帰移動させる復帰移動操作とを順次行うように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させている請求項3に記載の衣類乾燥装置。
【請求項5】
前記異物貯留部は、筐体の内部に位置してフィルターに付着している異物を貯留自在な貯留状態と筐体の外部に露出して貯留された異物を取り出し自在な取出状態とに切替自在に構成されている請求項1~4の何れか1項に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿った衣類を乾燥させる衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥装置として、衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を外部に排気させる排気部とが備えられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の衣類乾燥装置では、回転駆動自在な回転ドラムの内部空間が乾燥室として備えられている。これにより、回転ドラムを回転駆動させて、乾燥室内において衣類を一定の位置に止めることなく移動させることで、衣類を効率よく乾燥させている。
【0004】
乾燥室内の空気には、塵埃等が含まれており、乾燥室内にて移動される衣類から糸屑等が発生することから、乾燥室から外部に排気する空気の通過位置にフィルターが配設されており、そのフィルターにて糸屑や塵埃等の異物を取り除いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の衣類乾燥装置では、フィルターにて、乾燥室から排気される空気に含まれる糸屑や塵埃等の異物を取り除いているが、フィルターに異物が溜まると、排気抵抗になり、乾燥時間が延びる等の不都合を生じる可能性があるので、フィルターに付着した異物を清掃(除去)する必要がある。
【0007】
しかしながら、フィルターから異物を除去する清掃作業は、フィルターに付着した異物を掻き取る作業を利用者の手作業にて行っており、大変手間のかかる作業となっている。特に、衣類乾燥装置を洗濯機の上部等に設置した場合には、衣類乾燥装置が高所に設置されることになるので、利用者が手作業にてフィルターに付着した異物を掻き取る作業を行うこと自体が困難なものとなっている。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、フィルターに付着した異物を除去する清掃作業の簡素化を図ることができる衣類乾燥装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、回転駆動自在な回転ドラムと、その回転ドラムの内部空間にて形成されて、衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を外部に排気させる排気部と、乾燥室から排気する空気の通過位置に配設されたフィルターと、回転ドラムの回転に連動して、フィルターに付着した異物を回収して異物貯留部に貯留させる清掃作動を行う清掃部とが備えられている点にある。
【0010】
本構成によれば、回転ドラムの回転に連動して、フィルターに付着した異物を回収して異物貯留部に貯留させる清掃作動を行う清掃部が備えられているので、フィルターに付着した異物を掻き取る作業を手作業にて行わなくても、清掃部にてフィルターに付着した異物をフィルターから除去して異物貯留部に貯留させることができる。これにより、利用者は、異物貯留部に貯留されている異物を取り出して捨てる等の作業を行うだけで、フィルターから異物を除去することができるので、フィルターに付着した異物を除去する清掃作業の簡素化を図ることができる。しかも、清掃部は、回転ドラムの回転に連動して清掃作動を行うので、清掃作動を行うための駆動部等を備えなくてもよく、構成の簡素化を図りながら、フィルターに付着した異物を除去する清掃作業の簡素化を図ることができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記清掃部は、異物を押圧移動させる移動部と、その移動部の移動により異物を異物貯留部に押圧移動させるように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させる連動機構部とが備えられている点にある。
【0012】
本構成によれば、連動機構部は、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させるので、回転ドラムの回転を効率よく利用しながら、移動部を移動させることができる。移動部は、異物を押圧移動させるので、移動部の移動によって異物を異物貯留部まで適切に移動させて、異物貯留部への異物の貯留を的確に行うことができる。このように、清掃部は、移動部と連動機構部とを備えることで、回転ドラムの回転を利用した合理的な構成とすることができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、前記フィルターは、回転ドラムと一体的に回転自在に備えられ、
前記清掃部は、フィルターに当接する固定状態にて備えられて、フィルターの回転により付着した異物を掻き取って受け止め保持する掻取受け止め保持部が備えられ、
前記連動機構部は、掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物を移動部にて異物貯留部に押圧移動させるように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させている点にある。
【0014】
本構成によれば、清掃部は、掻取受け止め保持部を備えることで、回転ドラムと一体的に回転自在なフィルターの回転を利用しながら、そのフィルターに付着した異物を適切に掻き取って受け止め保持することができる。連動機構部は、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させて、掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物を移動部にて異物貯留部に押圧移動させるので、回転ドラムの回転を利用しながら、異物貯留部への異物の貯留も適切に行うことができる。このように、回転ドラムの回転を、異物の掻き取りだけでなく、移動部の移動にも有効に活用しながら、回転ドラムの回転に連動した清掃部の清掃作動を的確に行い、フィルターに付着した異物を除去する清掃作業を効率よく且つ的確に行うことができる。
【0015】
本発明の第4特徴構成は、前記連動機構部は、
掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物に対して移動部を当接させる当接位置において、掻取受け止め保持部の長手方向に沿って初期位置から異物を異物貯留部に押し出し自在な押出位置まで移動部を移動させる押出移動操作と、
当接位置から掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物に対して移動部を離間させる離間位置に移動部を移動させて、押出位置から初期位置に移動部を復帰移動させる復帰移動操作とを順次行うように、回転ドラムの回転と移動部の移動とを連動させている点にある。
【0016】
本構成によれば、連動機構部は、押出移動操作を行うことで、掻取受け止め保持部にて受け止め保持された異物に移動部を当接させる状態で移動部にて異物を押圧移動させ、最終的に、移動部にて異物を異物貯留部に押し出して、異物貯留部に異物を貯留させることができる。
【0017】
しかしながら、単純に、移動部を押出位置から初期位置に復帰移動させると、その移動途中にて異物を押圧移動させてしまい、異物を異物貯留部とは別の箇所に押圧移動させてしまう可能性がある。そこで、本構成によれば、単純に、移動部を押出位置から初期位置に復帰移動させるのではなく、連動機構部が復帰移動操作を行っている。これにより、移動部を異物に当接させずに初期位置に復帰移動させることができ、異物を異物貯留部とは別の箇所に押圧移動させてしまうのを防止することができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、前記異物貯留部は、筐体の内部に位置してフィルターに付着している異物を貯留自在な貯留状態と筐体の外部に露出して貯留された異物を取り出し自在な取出状態とに切替自在に構成されている点にある。
【0019】
本構成によれば、異物貯留部を、貯留状態だけでなく、取出状態に切り替えることができるので、利用者は、異物貯留部を取出状態に切り替えるだけで、筐体の外部に露出された異物貯留部から異物を簡易に取り出して捨てることができる。よって、異物貯留部に貯留されている異物を取り出す作業も簡易に行うことができ、作業の簡素化を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】フィルター及び掻取受け止め保持部を示す正面図
【
図6】異物貯留部の貯留状態と取出状態とを示す斜視図
【
図7】清掃部における掻取受け止め保持部及び連動機構部を示す正面図
【
図8】清掃部における掻取受け止め保持部及び連動機構部を示す正面図
【
図9】清掃部における掻取受け止め保持部及び連動機構部を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る衣類乾燥装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
この衣類乾燥装置1は、
図1に示すように、燃料ガスNの燃焼により生成した高温空気K1によって、脱水後等の湿った衣類2を乾燥させるものである。衣類乾燥装置1は、箱状の筐体3が備えられ、その筐体3には、衣類2を収容自在な乾燥室4と、その乾燥室4に高温空気K1(乾燥用空気)を供給自在な乾燥用空気供給部5と、乾燥室4の空気Kを外部に排気させる排気部6とが備えられている。
【0022】
筐体3の前面側には、
図1及び
図6に示すように、片開き式の扉7が開閉自在に支持されている。この扉7を開閉することで、
図1に示すように、筐体3の前方側部位に備えられた衣類投入口8が閉塞及び開放可能に構成されている。利用者は、扉7を開き状態として、衣類投入口8を通して衣類2を乾燥室4内に投入したり、乾燥室4内の衣類2を取り出している。
【0023】
乾燥室4は、回転駆動自在な回転ドラム11にて形成されている。回転ドラム11は、円形状の衣類投入口8よりも大径の円筒状の内部空間を有しており、その内部空間が乾燥室4として備えられている。回転ドラム11は、前方側が開放された前方開口部11a(
図2参照)が備えられ、その前方開口部11aが衣類投入口8に連通されている。回転ドラム11は、略水平方向に延びる支持軸(図示省略)にて回転軸心P周りで回転自在に支持されている。回転ドラム11を回転駆動するために、駆動モータ12と第1伝達ベルト14とが備えられている。第1伝達ベルト14は、駆動モータ12の第1駆動プーリ13と回転ドラム11の外周部とに巻き掛けられている。駆動モータ12にて第1駆動プーリ13を回転駆動させて、第1伝達ベルト14を巻回作動させることで、駆動モータ12の駆動力を回転ドラム11に伝達して、回転ドラム11を回転駆動させている。
【0024】
乾燥用空気供給部5は、燃料ガスNを燃焼させるバーナ21と、そのバーナ21の燃焼により生成(加熱)された高温空気K1(乾燥用空気)を乾燥室4に供給する高温空気供給路22とが備えられている。バーナ21に燃料ガスNを供給する燃料供給路23が備えられ、その燃料供給路23の下流側端部に備えられた燃料ノズル24から燃料ガスNを噴出して、バーナ21に燃料ガスNを供給している。燃料供給路23の途中部位には、燃料供給弁25が備えられ、燃料ガスNの供給が断続され、その燃料ガスNの供給量を調整自在としている。ちなみに、
図1では、1つの燃料供給弁25を図示しているが、例えば、燃料ガスNの供給を断続する断続弁と、燃料ガスNの供給量を調整する供給量調整弁との2つの弁を備えることができる。
【0025】
筐体3の下面部には、開口部26が形成され、その開口部26から筐体3の内部に空気Kが流入自在となっている。バーナ21は、その流入した空気Kを燃焼用空気として、燃料供給路23にて供給される燃料ガスNを燃焼させて、高温空気K1(乾燥用空気)を生成している。高温空気供給路22は、回転ドラム11の前方下方側に形成された給気口27を通して乾燥室4内に連通され、バーナ21にて生成された高温空気K1(乾燥用空気)を乾燥室4内に供給自在となっている。
【0026】
排気部6は、排気ファン31と、乾燥室4の空気Kを外部に排気させる排気通路32とが備えられている。排気ファン31を駆動させるために、駆動モータ12と第2伝達ベルト16とが備えられている。第2伝達ベルト16は、駆動モータ12の第2駆動プーリ15と排気ファン31とに巻き掛けられている。駆動モータ12にて第2駆動プーリ15を回転駆動させて、第2伝達ベルト16を巻回作動させることで、駆動モータ12の駆動力を排気ファン31に伝達して、排気ファン31を作動させている。このように、1つの駆動モータ12の駆動力を回転ドラム11と排気ファン31とに伝達させて、回転ドラム11と排気ファン31という2つの機器を作動自在としている。
【0027】
排気ファン31は、回転ドラム11の後方側に配設され、乾燥室4内の空気Kを吸引するように備えられている。排気通路32は、筐体3内の内部通路部位33と筐体3外の外部通路部位34とが備えられ、内部通路部位33に外部通路部位34(排気筒)を接続することで、乾燥室4内の空気Kを屋外に排気させる排気通路32を形成している。排気ファン31を作動させることで、筐体3の下面部の開口部26から筐体3の内部に空気Kを取り込み、その取り込んだ空気Kをバーナ21を介して乾燥室4内に供給し、乾燥室4内の空気Kを排気通路32を通して屋外に排気するという空気Kの流れを生じさせている。
【0028】
回転ドラム11の後方側には、乾燥室4から排気する空気Kの通過位置にフィルター41が配設されている。フィルター41は、空気Kの通流方向で、乾燥室4の下流側(排気側)で且つ排気ファン31の上流側に配設され、乾燥室4から排気される空気Kに含まれる塵埃や糸屑等の異物を取り除いている。
【0029】
フィルター41には、異物G(
図7参照)が付着することから、その異物Gを除去して清掃する必要がある。そこで、この実施形態では、
図1に示すように、回転ドラム11の回転に連動して、フィルター41に付着した異物を回収して異物貯留部42に貯留させる清掃作動を行う清掃部51が備えられている。
図1では、清掃部51について模式的に図示している。
【0030】
以下、フィルター41及び清掃部51について説明する。
回転ドラム11の後壁部11bの中央側には、
図1に示すように、円形状の開口部43が形成され、その開口部43を閉塞する状態で円形状のフィルター41が配設されている。これにより、フィルター41は、回転ドラム11の後壁部11bに嵌まり込む状態で備えられ、回転ドラム11と一体的に回転自在に構成されている。
【0031】
清掃部51は、
図2~
図4に示すように、フィルター41の回転により付着した異物を掻き取って受け止め保持する掻取受け止め保持部52と、異物Gを押圧移動自在な移動部53と、回転ドラム11の回転と移動部53の移動とを連動させる連動機構部54とが備えられている。
【0032】
図2は、フィルター41を正面から見たものであるが、フィルター41と掻取受け止め保持部52との概略構成や位置関係が分かり易くなるように、フィルター41と掻取受け止め保持部52のみを示しており、その他の構成を省略している。
図3は、フィルター41と清掃部51との概略構成や位置関係が分かり易くなるように、フィルター41と清掃部51のみを示す側面図であり、その他の構成を省略している。
図4は、清掃部51の概略構成を示す斜視図であるが、掻取受け止め保持部52とリンク機構81とを分けて、掻取受け止め保持部52を右上方側に図示し、リンク機構81を左下方側に図示している。
【0033】
掻取受け止め保持部52は、
図2~
図4に示すように、上方側が開放された有底箱状の受け止め保持部61と、その受け止め保持部61の側壁部61aの上端部に配設された掻取部65とが備えられている。掻取受け止め保持部52は、例えば、回転ドラム11やフィルター41を貫通する状態で回転ドラム11の外部に延びる図外の固定支持部等により、回転されるフィルター41に対して、掻取部65をフィルター41に当接させる固定状態で備えられている。
【0034】
受け止め保持部61は、
図4に示すように、4つの側壁部61a~61d及び底壁部61eにて囲まれた有底箱状であり、
図2に示すように、フィルター41の面方向(略水平方向)に沿って延設された横長形状に形成され、その長手方向をフィルター41の面方向(略水平方向)に沿う方向としている。受け止め保持部61は、例えば、円形状のフィルター41に対して、その上下方向の中央側部位において左右方向でフィルター41の中心部位から外周部よりも外側に延びる状態で設置されている。このように、フィルター41が回転軸心P周りで1回転する間に受け止め保持部61の設置位置を通過するように、フィルター41と受け止め保持部61との位置関係が設定されている。
【0035】
受け止め保持部61は、
図4に示すように、長手方向に直交する短手方向において、フィルター41に接近する側の側壁部61aがフィルター41から離間する側の側壁部61bよりも上方側に延長され、その長手方向視での断面形状が台形状に形成されている。受け止め保持部61は、異物G(
図7参照)を下方側から受け止める底壁部61eを有しており、4つの側壁部61a~61d及び底壁部61eにて囲まれた内部空間を、受け止め保持した異物Gの収容空間62として備えている。受け止め保持部61は、
図3及び
図4に示すように、フィルター41に接近する側の側壁部61aがフィルター41とは当接せずに多少の隙間を空け、掻取部65だけがフィルター41に当接する状態で備えられている。
【0036】
掻取部65は、
図2及び
図4に示すように、例えば、ブラシ状に形成され、フィルター41に当接する状態で備えられている。これにより、
図7に示すように、掻取部65がフィルター41に当接する状態でフィルター41が回転することで、フィルター41に付着した異物Gを掻取部65にて掻き取っている。掻取部65にて掻き取った異物Gは、そのまま下方側に落下されて、上方開放部から受け止め保持部61内に侵入して受け止め保持されて、収容空間62に収容されている。
【0037】
図2及び
図4に示すように、異物Gを押圧移動自在な移動部53は、異物Gに対して押圧作用する押圧作用部71と、その押圧作用部71から略水平方向に延びる棒状の延設部72とが備えられている。押圧作用部71と延設部72とを有する移動部53は、受け止め保持部61の収容空間62内に収容され、その収容空間62の長手方向に沿って移動自在に備えられている。
【0038】
押圧作用部71は、その下端部が受け止め保持部61の底壁部61eに当接する状態で備えられ、
図4に示すように、矩形状の板状体にて構成されている。押圧作用部71は、その横幅が収容空間62の横幅よりも少し小さく形成され、その両側部が受け止め保持部61の両側壁部61a、61bと当接せずに、受け止め保持部61の収容空間62を長手方向に沿って移動自在に備えられている。押圧作用部71の上下幅は、受け止め保持部61の側壁部61bの上下幅と略同じ又は側壁部61bの上下幅よりも少し小さく形成されている。
【0039】
延設部72は、受け止め保持部61の側壁部61cに形成された孔部63を貫通する状態で備えられている。延設部72は、孔部63を貫通した状態で受け止め保持部61の収容空間62を長手方向に沿って移動自在に備えられている。
【0040】
延設部72が、孔部63を貫通した状態で移動することで、延設部72の移動が孔部63により規制されており、この規制により押圧作用部71の移動も規制されている。孔部63は、上下方向に長尺な形状に形成され、延設部72及び押圧作用部71に対して、左右方向での移動が許容されておらず、上下方向での移動が所定量(孔部63の上下方向での長さ分に相当する移動量)だけ許容されている。これにより、延設部72及び押圧作用部71は、受け止め保持部61の収容空間62を長手方向に沿って移動するに当たり、左右方向での移動が許容されておらず、上下方向で所定量の移動が許容されている。
【0041】
図2及び
図4に示すように、受け止め保持部61の長手方向の一端部(フィルター41の外方側)における下方側には、異物Gを貯留自在な異物貯留部42が備えられている。受け止め保持部61の底壁部61eは、側壁部61a、61bよりも長手方向での長さが短く形成されており、受け止め保持部61の長手方向の一端部(フィルター41の外方側)には、開口部64が形成されている。受け止め保持部61の長手方向の一端部(フィルター41の外方側)における下方側には、この開口部64を上部開口とする箱状の異物貯留部42が配設されている。
【0042】
連動機構部54は、
図4に示すように、回転ドラム11の回転と移動部53の移動とを連動させるためのものであり、回転ドラム11の回転に連動するリンク機構81と、そのリンク機構81と移動部53とを連結する連結部82とが備えられている。
【0043】
リンク機構81は、
図4の左側に示すように、回転ドラム11又はフィルター41から延設されて回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83と、その回転軸部83に連結された第1リンク84と、その第1リンク84に連結された第2リンク85と、その第2リンク85の途中部位に連結された第3リンク86とが備えられている。
【0044】
回転軸部83は、回転ドラム11の回転軸心Pとなる部位に略水平方向に延びる状態で備えられている。第1リンク84の一端部84aは、回転軸部83と一体的に回転するように回転軸部83に固定連結され、第1リンク84が、回転軸部83の回転により回転軸心P周りで回転自在に備えられている。第1リンク84の他端部84bには、第2リンク85の一端部85aが枢支連結され、第2リンク85が、第1リンク84との枢支連結箇所を支点として揺動自在に備えられている。第3リンク86の一端部86aは、固定軸部87に枢支連結され、第3リンク86が、固定軸部87との枢支連結箇所を支点として揺動自在に備えられている。固定軸部87は、例えば、回転ドラム11やフィルター41を貫通する状態で回転ドラム11の外部に延びる図外の固定支持部等により固定状態で備えられている。第3リンク86の他端部86bは、第2リンク85の途中部位(中央部位)に枢支連結されている。
【0045】
このリンク機構81は、回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83の回転に連動して、第1リンク84、第2リンク85及び第3リンク86の3つのリンクを回転及び揺動させることで、
図5に示すように、第2リンク85の他端部85bを移動軌跡88に沿って移動させるものであり、いわゆるチェビシェフリンク機構にて構成されている。
図5は、リンク機構81における移動軌跡を模式的に示したものであり、移動軌跡88が、第2リンク85の他端部85bにおける移動軌跡を示しており、移動軌跡89が、回転自在な第1リンク84の他端部84bにおける移動軌跡を示している。
【0046】
このリンク機構81では、
図5に示すように、第1リンク84が上下方向に沿う姿勢となり、第1リンク84の他端部84bが点Aに回転移動した場合に、第2リンク85の他端部85bが点A1に移動される。第1リンク84が水平方向に沿う姿勢となり、第1リンク84の他端部84bが点Bに回転移動した場合には、第2リンク85の他端部85bが点B1に移動される。第1リンク84が上下方向に沿う姿勢となり、第1リンク84の他端部84bが点Cに回転移動した場合には、第2リンク85の他端部85bが点C1に移動される。第1リンク84が水平方向に沿う姿勢となり、第1リンク84の他端部84bが点Dに回転移動した場合には、第2リンク85の他端部85bが点D1に移動される。
【0047】
このように、リンク機構81は、回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83の回転に連動して、第1リンク84の他端部84bを点Cから点Aまで回転移動させることで、第2リンク85の他端部85bを点C1から点A1まで移動させるように、第2リンク85の他端部85bを水平方向に沿う直線に沿って移動させる直線移動操作を行う。また、リンク機構81は、回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83の回転に連動して、第1リンク84の他端部84bを点Aから点Cまで回転移動させることで、第2リンク85の他端部85bを点A1から点C1まで移動させるように、第2リンク85の他端部85bを上方側に膨出する湾曲状曲線に沿って移動させる湾曲移動操作を行う。
【0048】
直線移動操作では、第2リンク85の他端部85bを、水平方向に沿う直線に沿って直線的に移動させるのに対して、湾曲移動操作では、第2リンク85の他端部85bを、上方側に膨出する湾曲状曲線に沿って湾曲状に移動させている。これにより、湾曲移動操作では、第2リンク85の他端部85bが、直線移動操作のときの移動軌跡よりも上方側に離間(退避)した位置にて点C1まで復帰している。
【0049】
連動機構部54は、
図4に示すように、回転ドラム11の回転と移動部53の移動とを連動させるために、リンク機構81に加えて、リンク機構81と移動部53とを連結する連結部82が備えられている。連結部82は、リンク機構81における第2リンク85の他端部85bと移動部53における押圧作用部71とを連結しており、連結部82の一端部が第2リンク85の他端部85bに固定連結され、且つ、連結部82の他端部が押圧作用部71に固定連結されている。これにより、回転ドラム11の回転に連動して、リンク機構81における第2リンク85の他端部85bと移動部53における押圧作用部71とが一体的に移動するように備えられている。よって、移動部53における押圧作用部71は、
図5に示すように、リンク機構81における第2リンク85の他端部85bと同様の移動軌跡88に沿って移動することになる。
【0050】
リンク機構81が、回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83の回転に連動して、
図5に示すように、第2リンク85の他端部85bを点C1から点A1まで移動させるように、第2リンク85の他端部85bを水平方向に沿う直線に沿って移動させる直線移動操作を行うことで、
図7から
図8に推移するように、移動部53における押圧作用部71も、水平方向に沿う直線に沿って移動させることができる。また、リンク機構81が、回転ドラム11及びフィルター41と一体的に回転自在な回転軸部83の回転に連動して、
図5に示すように、第2リンク85の他端部85bを点A1から点C1まで移動させるように、第2リンク85の他端部85bを上方側に膨出する湾曲状曲線に沿って移動させる湾曲移動操作を行うことで、
図8から
図9を経由して
図7に遷移するように、移動部53における押圧作用部71も、上方側に膨出する湾曲状曲線に沿って移動させることができる。
【0051】
図7~
図9は、主に、リンク機構81の状態と押圧作用部71の位置との関係を示すためのものであり、各図において、リンク機構81の状態と押圧作用部71の位置とが異なっている。このようにして、連動機構部54は、
図7~
図9に示すように、回転ドラム11の回転に連動して、移動部53を移動させる操作として、押出移動操作と復帰移動操作とを順次繰り返し行うように構成されている。
【0052】
押出移動操作では、連動機構部54が、
図7から
図8に推移するように、掻取受け止め保持部52における受け止め保持部61の収容空間62に収容された異物Gに対して移動部53の押圧作用部71が当接して押圧作用させる当接位置において、掻取受け止め保持部52の長手方向に沿って初期位置(
図7にて示す位置)から異物Gを異物貯留部42に押し出し自在な押出位置(
図8にて示す位置)まで押圧作用部71を直線的に移動させている。ここで、当接位置は、押圧作用部71の下端部が受け止め保持部61の底壁部61eに当接する位置となっている。これにより、押圧作用部71による押圧移動により、受け止め保持部61の収容空間62に収容された異物Gが押出位置まで移動され、更にその先に押し出されて、開口部64を通して下方側に落下して異物貯留部42に貯留されている。
【0053】
復帰移動操作では、
図8から
図9を経由して
図7に推移するように、当接位置(
図7及び
図8参照)から掻取受け止め保持部52における受け止め保持部61の収容空間62に収容された異物Gに対して移動部53の押圧作用部71を離間させる離間位置(
図9参照)に押圧作用部71を移動させて、押出位置(
図8参照)から初期位置(
図7参照)に移動部53の押圧作用部71を復帰移動させている。ここで、離間位置は、
図9に示すように、押圧作用部71の下端部が受け止め保持部61の底壁部61eに当接せずに上方側に離れた位置となっている。これにより、押圧作用部71は、受け止め保持部61の収容空間62に収容された異物Gとは当接せずに、押出位置から初期位置まで復帰移動している。
【0054】
このように、連動機構部54が、
図7~
図9に示すように、回転ドラム11の回転に連動して、押出移動操作と復帰移動操作とを順次繰り返し行うことで、フィルター41に付着した異物Gを掻取部65にてフィルター41から掻き取って受け止め保持部61の収容空間62に収容された異物Gを異物貯留部42に押し出して順次貯留させることができる。よって、受け止め保持部61の収容空間62に収容される異物Gが多く溜まる前に、異物貯留部42に押し出して貯留させることができる。
【0055】
以下、衣類乾燥装置1の制御について説明する。
筐体3の前方下方側部位には、
図1に示すように、各機器の作動状態を制御する制御部9が備えられている。制御部9は、各機器の作動状態を制御することで、複数種の運転を実行可能であるが、主として、乾燥用空気供給部5及び排気部6を作動させて、乾燥室4に収容された衣類2を乾燥させる乾燥運転を実行可能に構成されている。
【0056】
筐体3の前面部には、
図6に示すように、操作部91及び表示部92が備えられている。操作部91には、例えば、電源スイッチ、運転や運転コースを選択する選択スイッチ、乾燥運転を開始及び一時停止させるためのスイッチ、乾燥運転の乾燥時間を設定する設定スイッチ等の各種のスイッチが備えられている。表示部92には、例えば、運転状態を表示する表示部や、乾燥の残り時間の目安等を表示するデジタル表示部等の各種の表示部が備えられている。
【0057】
乾燥運転では、制御部9が、
図1に示すように、バーナ21による燃焼を行うように、乾燥用空気供給部5における燃料供給弁25等を制御し、排気部6における排気ファン31を作動させるように、駆動モータ12の作動状態を制御している。この乾燥運転では、制御部9が、駆動モータ12を作動させることで、排気ファン31を作動させるとともに、回転ドラム11を回転駆動させて、乾燥室4内の衣類2を一定の位置に止めることなく移動させ、衣類2を効率よく乾燥させている。
【0058】
制御部9は、乾燥運転の運転開始から設定時間が経過すると、バーナ21での燃焼を停止させるように、乾燥用空気供給部5における燃料供給弁25等を制御し、排気部6における排気ファン31を作動停止させるように、駆動モータ12の作動状態を制御して、乾燥運転を終了している。
【0059】
設定時間については、例えば、予め設定した初期設定時間としたり、乾燥室4に投入された衣類2の量や重さ等から、その予め設定した初期設定時間を変更設定することができる。また、乾燥運転を終了させるための条件としては、設定時間が経過するという条件に限らず、例えば、衣類2の乾燥度を検知自在な乾燥度センサの検出情報に基づいて、衣類2の乾燥完了を検知した場合に、乾燥運転を終了させることもできる。
【0060】
この乾燥運転中には、回転ドラム11が回転駆動されることから、清掃部51が、
図7~
図9に示すように、回転ドラム11の回転に連動して、フィルター41に付着した異物Gを回収して異物貯留部42に貯留させる清掃作動を行っている。これにより、乾燥運転中に、回転ドラム11の回転に連動して清掃部51が清掃作動を行い、フィルター41にて除去される塵埃や糸屑等の異物Gが異物貯留部42に順次貯留されることになる。
【0061】
異物貯留部42は、
図2や
図4に示すように、多数の異物Gを貯留できるだけの貯留量を有している。異物貯留部42における異物Gの貯留量は、例えば、乾燥運転を設定回数(例えば、3回)実行したときにフィルター41から除去される異物Gの全てを貯留できるだけの容量に設定することができる。これにより、乾燥運転を行うごとに異物貯留部42から異物Gを取り出して捨てる等の作業を行う必要がなく、異物Gを取り出して捨てる等の作業の回数を減少させて、作業手間の軽減を図ることができる。
【0062】
異物貯留部42は、
図6に示すように、筐体3の内部に位置してフィルター41に付着している異物Gを貯留自在な貯留状態(
図6において点線にて示す状態)と筐体3の外部に露出して貯留された異物Gを取り出し自在な取出状態(
図6において実線にて示す状態)とに切替自在に構成されている。異物貯留部42は、筐体3に対して左右方向にスライド移動自在に備えられ、このスライド移動により貯留状態と取出状態とに切替自在に構成されている。異物貯留部42は、筐体3の側面部よりも外側に膨出することで、取出状態に切替自在に備えられている。異物貯留部42を貯留状態から取出状態に切り替える際に、利用者が手で異物貯留部42を引っ張り出すための引っ掛け部42aが異物貯留部42の側面部に備えられている。
【0063】
異物貯留部42には、異物Gの貯留量を検出自在な貯留量検出部を備えることもできる。この場合には、貯留量検出部にて異物Gの貯留量が設定量以上となると、利用者に対して異物貯留部42における異物Gの貯留量が一杯であり、その異物Gを取り出して捨てる等の作業を促す注意喚起の表示を表示部92にて行うことができる。
【0064】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0065】
(1)上記実施形態では、バーナ21の燃焼により高温空気K1(乾燥用空気)を生成しているが、例えば、電気ヒータによる加熱によって高温空気(乾燥用空気)を生成することもでき、高温空気K1を生成するための加熱部については、バーナに限らず、他の加熱部を適用することもできる。
【0066】
(2)上記実施形態では、略水平方向に沿う回転軸心P周りで回転ドラム11を回転駆動させているが、略上下方向に沿う回転軸心周りで回転ドラムを回転駆動させることもでき、回転ドラムの回転軸心をどのように設定するか適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 衣類乾燥装置
2 衣類
3 筐体
4 乾燥室
5 乾燥用空気供給部
6 排気部
9 制御部
11 回転ドラム
41 フィルター
42 異物貯留部
51 清掃部
52 掻取受け止め保持部
53 移動部
54 連動機構部
61 受け止め保持部
65 掻取部
G 異物