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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147066
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20220929BHJP
   D06F 58/06 20060101ALI20220929BHJP
   D06F 58/08 20060101ALI20220929BHJP
   D06F 58/36 20200101ALI20220929BHJP
   D06F 34/14 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
D06F58/02 Z
D06F58/06
D06F58/08
D06F58/36
D06F34/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048164
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 開斗
(72)【発明者】
【氏名】染澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB24
3B166AB29
3B166AE04
3B166AE07
3B166BA48
3B166BA49
3B166BA83
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB12
3B166CB13
3B166CB14
3B166EA03
3B166EA15
3B166EB02
3B166EB14
3B166EC02
3B166EC13
3B166EC18
3B166EC22
3B166EC40
3B166EE04
3B166EE06
3B166GA02
3B166GA03
3B166GA07
3B166GA12
3B166GA45
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA24
3B167AB24
3B167AB29
3B167AE04
3B167AE07
3B167BA48
3B167BA49
3B167BA83
3B167JA41
3B167KA02
3B167KA08
3B167LC02
3B167LD16
3B167LE02
3B167LF30
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】衣類の取り忘れが生じ難い衣類乾燥装置を提供する。
【解決手段】筐体10と、筐体10の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心P周りに回転する回転ドラム12とを備え、回転ドラム12は、衣類Cを乾燥させるための乾燥室13が内部に形成された円筒状の円筒部26を備え、筐体10は、回転ドラム12内の乾燥室13に衣類Cを投入するための円形状の投入口16を備え、投入口16は、円筒部26より小径に形成されて、回転軸心Pが沿う軸心方向視で円筒部26内に位置し、回転ドラム12は、筐体10に対して昇降可能に備えられ、回転ドラム12を、回転ドラム12が回転する際の通常高さと、通常高さから上昇させた上昇高さとに昇降させる昇降手段40を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備え、
前記回転ドラムは、衣類を乾燥させるための乾燥室が内部に形成された円筒状の円筒部を備え、
前記筐体は、前記円筒部内の前記乾燥室に衣類を投入するための円形状の投入口を備え、
前記投入口は、前記円筒部より小径に形成されて、前記回転軸心が沿う軸心方向視で前記円筒部内に位置し、
前記回転ドラムは、前記筐体に対して昇降可能に備えられ、
前記回転ドラムを、前記回転ドラムが回転する際の通常高さと、前記通常高さから上昇させた上昇高さとに昇降させる昇降手段を備えている衣類乾燥装置。
【請求項2】
運転を制御する運転制御手段を備え、
前記運転制御手段は、前記通常高さの前記回転ドラムを回転させて前記乾燥室の衣類を攪拌させながら乾燥させる乾燥制御と、前記乾燥制御後において前記回転ドラムを前記通常高さから前記上昇高さに上昇させる上昇制御を実行する請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記乾燥室内の衣類を検出する衣類検出手段を備え、
前記運転制御手段は、前記上昇制御後において前記衣類検出手段の検出に基づいて前記乾燥室内の衣類が無くなったと判定した場合に前記回転ドラムを前記上昇高さから前記通常高さに下降させる下降制御を実行する請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記回転ドラムを前記回転軸心周りに回転させる回転駆動手段と、
前記乾燥室内に温風を供給する温風供給手段とを備え、
前記回転ドラムと前記回転駆動手段と前記温風供給手段とが乾燥ユニットとしてユニット化され、
前記昇降手段は、前記乾燥ユニットを昇降させて前記回転ドラムを前記通常高さと前記上昇高さとに昇降させる請求項1から3の何れか一項に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を乾燥する衣類乾燥装置で、特に、筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備えている衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体(本体ケース2)と、筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラム3とを備えている衣類乾燥装置が示されている。このような衣類乾燥装置は、回転ドラムの円筒状の円筒部の内部に乾燥室が形成されており、筐体には、円筒部内の乾燥室に対して衣類を出し入れするための円形状の投入口(衣類投入口4)が備えられている。そして、回転ドラムの回転によって乾燥室の衣類を攪拌しながら乾燥させた後、その乾燥した衣類を投入口から取り出すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-047066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、衣類乾燥装置の投入口は、回転ドラムの円筒部より小径に形成されており、乾燥室の下部が筐体の投入口の周縁部で遮られることによって目視し難い構造となっている。そのため、乾燥した衣類を投入口から取り出す場合に、乾燥室の下部にある衣類に気付かず、衣類の取り忘れが生じることがある。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、衣類の取り忘れが生じ難い衣類乾燥装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備え、
前記回転ドラムは、衣類を乾燥させるための乾燥室が内部に形成された円筒状の円筒部を備え、
前記筐体は、前記円筒部内の前記乾燥室に衣類を投入するための円形状の投入口を備え、
前記投入口は、前記円筒部より小径に形成されて、前記回転軸心が沿う軸心方向視で前記円筒部内に位置し、
前記回転ドラムは、前記筐体に対して昇降可能に備えられ、
前記回転ドラムを、前記回転ドラムが回転する際の通常高さと、前記通常高さから上昇させた上昇高さとに昇降させる昇降手段を備えている点にある。
【0007】
本構成によれば、乾燥した衣類を投入口から取り出す際に、回転ドラムを通常高さから上昇高さに上昇させておくことで、乾燥室の下部が筐体の投入口に遮られ難くなり、乾燥室の下部にある衣類を目視し易くなる。そのため、乾燥室の下部にある衣類に気付き易くなり、衣類を取り忘れが生じ難くなる。
また、回転ドラムの全体を昇降させる構成であり、回転ドラムを変形させる必要がないため、回転ドラムの構成の複雑化を抑制することができる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、運転を制御する運転制御手段を備え、
前記運転制御手段は、前記通常高さの前記回転ドラムを回転させて前記乾燥室の衣類を攪拌させながら乾燥させる乾燥制御と、前記乾燥制御後において前記回転ドラムを前記通常高さから前記上昇高さに上昇させる上昇制御を実行する点にある。
【0009】
本構成によれば、乾燥制御による衣類の乾燥が終わった場合は、上昇制御によって自動的に回転ドラムが上昇高さに上昇するため、衣類を取り出す作業を行う者は、特別な操作をすることなく、乾燥室の下部にある衣類を目視し易い状態で作業を行うことができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記乾燥室内の衣類を検出する衣類検出手段を備え、
前記運転制御手段は、前記上昇制御後において前記衣類検出手段の検出に基づいて前記乾燥室内の衣類が無くなったと判定した場合に前記回転ドラムを前記上昇高さから前記通常高さに下降させる下降制御を実行する点にある。
【0011】
本構成によれば、乾燥室内に衣類が存在している状態では回転ドラムは上昇位置にあるため、衣類を取り出す作業を行う者は、回転ドラムの高さから乾燥室内の衣類の存否を判断することが可能となる。また、乾燥室内の衣類の取り出しが終わった場合は、自動的に回転ドラムが通常高さに下降するため、衣類を取り出す作業を行った者は、特別な操作をすることなく、回転ドラムの高さを元の高さに戻すことができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記回転ドラムを前記回転軸心周りに回転させる回転駆動手段と、
前記乾燥室内に温風を供給する温風供給手段とを備え、
前記回転ドラムと前記回転駆動手段と前記温風供給手段とが乾燥ユニットとしてユニット化され、
前記昇降手段は、前記乾燥ユニットを昇降させて前記回転ドラムを前記通常高さと前記上昇高さとに昇降させる点にある。
【0013】
本構成によれば、乾燥ユニットを昇降させることで回転ドラムと回転駆動手段と温風供給手段とが一体的に昇降し、回転ドラムを回転駆動手段や温風供給手段に対して昇降可能な構成とする必要がないため、回転ドラムと回転駆動手段や温風供給手段とを接続する構成が複雑化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】乾燥ユニットが通常高さにある衣類乾燥装置の概略構成図
図2】乾燥ユニットが上昇高さにある衣類乾燥装置の概略構成図
図3】運転制御部の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る衣類乾燥装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態の衣類乾燥装置1は、脱水後の湿った衣類Cを乾燥させるための乾燥装置であって、筐体10と、前扉15を開放して内部に形成された乾燥室13に衣類Cが投入される回転ドラム12と、当該乾燥室13に温風Hを供給するための温風供給手段Yと、当該乾燥室13から排気Eを排出するための排気風路23及び通気ファン20と、回転ドラム12を筐体10に対して昇降させる昇降手段40と、回転ドラム12を回転軸心P周りに回転させる回転駆動手段Xと、衣類乾燥装置1の運転を制御する運転制御部50(運転制御手段の一例)などが備えられている。回転ドラム12、温風供給手段Y、排気風路23、通気ファン20、昇降手段40、回転駆動手段X、及び運転制御部50などは、筐体10の内部に設けられている。
【0016】
筐体10は、回転ドラム12内の乾燥室13に衣類Cを投入するための円形状の投入口16を備えている。回転ドラム12は、水平方向に沿う回転軸心P周りに回転する。衣類乾燥装置1は、乾燥させる衣類Cを投入口16から乾燥室13に投入し、回転ドラム12を回転させて乾燥室13内の衣類Cを攪拌させながら乾燥室13内に温風Hを供給して衣類Cを乾燥させ、その乾燥した乾燥室13内の衣類Cを投入口16から取り出すようになっている。以下、衣類乾燥装置1の各構成について説明するが、回転ドラム12の回転軸心Pが沿う軸心方向において、回転ドラム12に対して投入口16がある側を前方側とし、その反対側を後方側として説明する。
【0017】
回転ドラム12は、水平の回転軸心P周りに回転自在に支持されており、駆動モータ25によりベルトB12を介して回転駆動される。そして、回転ドラム12が回転駆動されることで、その内部に形成された乾燥室13に収容されている衣類Cが攪拌される。駆動モータ25によってベルトB12を介して回転ドラム12を回転駆動する機構が、回転駆動手段Xとして機能する。尚、「水平方向に沿う」には、水平方向に対して数度程度傾いた状態も含んでおり、回転ドラム12は、水平に対して前方側ほど上方側に位置するように数度程度傾けた傾斜姿勢で回転自在に支持されていても構わない。
【0018】
乾燥室13の前方側壁面には、給気口36が乾燥室13に臨む姿勢で開口しており、乾燥室13の後方側は、フィルタ17が装着された後側開口28を通じて通気ファン20の一次側(吸引側)に連通されている。乾燥室13の前方側壁面を形成する前壁部18は、筐体10に固定されている。前壁部18には、回転軸心Pが中心に位置するように投入口16が形成されている。そして、前壁部18における投入口16より下方側の部分に給気口36が形成されている。
【0019】
衣類乾燥装置1には、乾燥室13内の衣類Cを検出する衣類検出手段39が備えられている。衣類検出手段39は、例えば、レーザセンサ等によって乾燥室13内の衣類Cを直接的に検出する他、回転ドラム12の重量を検出する重量センサ等によって乾燥室13内の衣類Cを間接的に検出するようにしても構わない。本実施形態では、衣類検出手段39として、昇降手段40が支持している重量を検出する重量センサを用いており、昇降手段40によって後述する乾燥ユニット41を上昇させた場合に、回転ドラム12を含む乾燥ユニット41の重量を検出可能となっている。そして、運転制御部50は、衣類検出手段39からの検出情報に基づいて乾燥室13内の衣類Cの存否を判定するように構成されている。説明を加えると、運転制御部50は、判定重量(例えば、乾燥室13に衣類Cが存在していない状態における乾燥ユニット41の重量の±100gの値)を記憶しており、衣類検出手段39からの検出情報に基づく乾燥ユニット41の重量が判定重量の範囲内である場合に、乾燥室13内に衣類Cが存在しないと判定するように構成されている。
【0020】
排気風路23は、屋内に敷設されて屋外に通じる排気ダクト22が接続される風路である。そして、通気ファン20は、乾燥室13の温風Hを排気Eとして取り込んで排気風路23及び排気ダクト22内に送出するファンであって、駆動モータ25によりベルトB20を介して回転駆動される。そして、通気ファン20が回転駆動されて作動することにより、筐体10の底面に形成された開口部を通じて屋内から筐体10内に空気Aを流入させ、その流出した空気Aを、給気風路35を通して温風Hとして給気口36から乾燥室13に取り込み、乾燥室13から排気風路23及び排気ダクト22内に向けて通気させることができる。回転ドラム12の下方には、温風Hを生成して給気口36に通じる給気風路35に供給するバーナ31が設けられている。そして、通気ファン20を作動させて乾燥室13に通気させながらバーナ31を作動して乾燥室13に流入する空気Aを加熱して温風Hを生成する機構が、乾燥室13に温風Hを供給する温風供給手段Yとして機能する。
【0021】
回転ドラム12は、衣類Cを乾燥させるための乾燥室13が内部に形成された円筒状の円筒部26と、乾燥室13の後方側壁面を形成する後壁部27とを備えている。後壁部27には、フィルタ17が装着された後側開口28が形成されている。
円筒部26は、その内径が投入口16より大径に形成されており、軸心方向に沿う軸心方向視で投入口16より外側に位置している。換言すれば、投入口16は、円筒部26より小径に形成されて、軸心方向視で円筒部26内に位置している。
【0022】
図1及び図2に示すように、回転ドラム12は、筐体10に対して昇降可能に備えられている。説明を加えると、回転ドラム12は、回転ドラム12が回転する際の通常高さ(図1参照)と、通常高さから上昇させた上昇高さ(図2参照)とに昇降可能に備えられている。そして、昇降手段40が、回転ドラム12を通常高さと上昇高さとに昇降させるように構成されている。
【0023】
本実施形態では、回転ドラム12と回転駆動手段Xと温風供給手段Yとが乾燥ユニット41としてユニット化されており、この乾燥ユニット41が昇降することで回転ドラム12が通常高さと上昇高さとに昇降するように構成されている。つまり、昇降手段40は、乾燥ユニット41を昇降させて回転ドラム12を通常高さと上昇高さとに昇降させるように構成されている。
【0024】
乾燥ユニット41は、回転ドラム12と回転駆動手段Xと温風供給手段Yとが一体的に昇降可能なように一体化されている。本実施形態では、乾燥ユニット41には、回転ドラム12に加えて、回転駆動手段Xを構成する駆動モータ25やベルトB12、温風供給手段Yを構成する通気ファン20やバーナ31の他、前壁部18、ベルトB20、給気風路35や排気風路23を形成するダクトが含まれている。本実施形態では、乾燥ユニット41は、乾燥ユニット41に含まれる回転ドラム12や回転駆動手段Xや温風供給手段Yを図外のユニットフレームに固定することで一体化されている。
【0025】
本実施形態では、昇降手段40は、Xリンク機構42と、Xリンク機構42の上端部に接続されている接触部43と、Xリンク機構42を構成する一方のリンク体の下端部(図中左側)を水平方向に沿って移動させてXリンク機構42を上下方向に沿って伸縮させる駆動部44とを備えてXリンク式の昇降装置としている。そして、昇降手段40は、図1に示すように回転ドラム12が通常高さにある状態で、駆動部44によってXリンク機構42を上方側に向けって伸長させることで、図2に示すように接触部43が上方側に移動させると共に乾燥ユニット41が上方側に移動させて、回転ドラム12が上昇高さに上昇させる。また、昇降手段40は、図2に示すように回転ドラム12が上昇高さにある状態で、駆動部44によってXリンク機構42を下方側に向けて短縮させることで、接触部43が下方側に移動すると共に乾燥ユニット41が下方側に移動して、回転ドラム12が図1に示す通常高さに下降する。尚、Xリンク式の昇降装置としては、Xリンク機構42を上下方向に複数並べた構成としてもよく、また、駆動部44によってリンク体の上端部を水平方向に沿って移動させる構成でもよく、また、Xリンク機構42を上下方向に複数並べた場合においてXリンク機構42同士を接続した箇所を水平方向に沿って移動させる構成でもよい。
【0026】
運転制御部50は、乾燥制御と停止制御と上昇制御と下降制御とを実行する。これら乾燥制御と停止制御と上昇制御と下降制御とは記載順に実行される。乾燥制御は、通常高さの回転ドラム12を回転させて乾燥室13の衣類Cを攪拌させながら乾燥させる制御である。上昇制御は、乾燥制御後において回転ドラム12を通常高さから上昇高さに上昇させる制御である。下降制御は、上昇制御後において衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13内の衣類Cが無くなったと判定した場合に回転ドラム12を上昇高さから通常高さに下降させる制御である。
【0027】
図3の制御フローチャートに基づいて運転制御部50の制御について説明を加えると、運転制御部50は、筐体10の外面に備えられている操作盤(図示省略)によって乾燥運転の操作が行われる(S1のYesの場合)と、乾燥制御を開始する(S2)。乾燥制御では、回転ドラム12を回転させて乾燥室13内の衣類Cを攪拌させながら乾燥させるように温風供給手段Yと回転駆動手段Xとを制御する。そして、回転ドラム12の回転を開始させてから設定時間経過後、又は、図外の乾燥度検出手段の検出に基づいて乾燥室13の衣類Cが乾燥したと判定した場合に停止制御を開始する(S3)。停止制御では、回転ドラム12を停止させるように回転駆動手段Xを制御する。このように、乾燥制御と停止制御とを実行することで、乾燥室13内の衣類Cを乾燥させることができる。
【0028】
そして、運転制御部50は、停止制御によって回転ドラム12の回転が停止した後、上昇制御を実行する(S4)。上昇制御では、乾燥ユニット41を上昇させるように昇降手段40を制御して、回転ドラム12を通常高さから上昇高さに上昇させる。このように、上昇制御を実行することで、回転ドラム12が上方側に移動するため、乾燥室13の下部が投入口16の周縁部に遮られ難くなる。
【0029】
そして、運転制御部50は、上昇制御を実行した後、乾燥室13に衣類Cが存在すると判定した場合(S5のNoの場合)は、回転ドラム12を上昇高さに維持し、乾燥室13内の衣類Cが取り除かれ、衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13に衣類Cが存在しないと判定した場合(S5のYesの場合)は、下降制御を実行する(S6)。下降制御では、乾燥ユニット41を下降させるように昇降手段40を制御して、回転ドラム12を上昇高さから通常高さに下降させる。このように、下降制御を実行することで、回転ドラム12が下降高さに下降する。
【0030】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0031】
(1)上記実施形態では、回転駆動手段Xと温風供給手段Yとを乾燥ユニット41に含めたが、回転駆動手段X及び温風供給手段Yのうちの何れか一方のみを乾燥ユニット41に含める、又は、運転制御部50を乾燥ユニット41に含める等、乾燥ユニット41に含めるものは適宜変更してもよい。尚、温風供給手段Yにおける通気ファン20を乾燥ユニット41に含めながらバーナ31は筐体10に固定して乾燥ユニット41に含めない等、温風供給手段Yの一部のみを乾燥ユニット41に含めてもよく、回転駆動手段Xについても同様に一部のみを乾燥ユニット41に含めてもよい。
【0032】
(2)上記実施形態では、昇降手段40が、乾燥ユニット41を昇降させて回転ドラム12を通常高さと上昇高さとに昇降させる構成としたが、回転ドラム12を他のものとユニット化せずに、昇降手段40が、回転ドラム12のみを昇降させて回転ドラム12を通常高さと上昇高さとに昇降させる構成としてもよい。
【0033】
(3)上記実施形態では、運転制御部50は、衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13内の衣類Cがなくなったと判定した場合に下降制御を実行したが、例えば、前扉15が開き状態から閉じられたと判定した場合等の、他の条件に基づいて下降制御を実行してもよい。
【0034】
(4)上記実施形態では、昇降手段40を、上下方向に沿って伸縮するXリンク式の昇降機構によって構成したが、昇降手段40を、上下方向に沿って伸縮するように設置された1つ又は複数のシリンダによって構成する、又は、ラックとピニオンとによって構成する等、昇降手段40の構成は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 衣類乾燥装置
10 筐体
12 回転ドラム
13 乾燥室
16 投入口
26 円筒部
39 衣類検出手段
40 昇降手段
41 乾燥ユニット
50 運転制御部(運転制御手段)
C 衣類
P 回転軸心
X 回転駆動手段
Y 温風供給手段
図1
図2
図3