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特開2022-147073制菌ティッシュペーパー製品の製造方法及び制菌ティッシュペーパー製品
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  • 特開-制菌ティッシュペーパー製品の製造方法及び制菌ティッシュペーパー製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147073
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】制菌ティッシュペーパー製品の製造方法及び制菌ティッシュペーパー製品
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/16 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A47K10/16 D
A47K10/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048173
(22)【出願日】2021-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月9日に株式会社山高商事(岐阜県岐阜市鹿島町6-26-2)にて公開。 令和3年3月22日に広島銀行三島支店(愛媛県四国中央市三島中央1丁目7-34)にて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】505074366
【氏名又は名称】株式会社ヨンパ
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(72)【発明者】
【氏名】薦田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直行
(72)【発明者】
【氏名】岡田 千博
【テーマコード(参考)】
2D135
【Fターム(参考)】
2D135AA02
2D135AA14
2D135AB03
2D135AB10
2D135AD09
2D135AD21
2D135AD26
2D135BA06
2D135BA11
2D135BA12
2D135DA28
(57)【要約】
【課題】高い制菌効果を有する制菌ティッシュペーパー製品の製造方法及び制菌ティッシュペーパー製品を提供する。
【解決手段】ティッシュペーパーの原紙に、該原紙の強度を高めるための粘性を有する液体である補強剤と、除菌効果を有する液体である抗菌剤とからなる薬液を塗工する塗工工程を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制菌効果を有する制菌ティッシュペーパー製品の製造方法であって、
ティッシュペーパーの原紙に、該原紙の強度を高めるための補強剤と抗菌剤とからなる薬液を塗工する塗工工程を含む制菌ティッシュペーパー製品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の制菌ティッシュペーパー製品の製造方法であって、さらに、
前記塗工工程において薬液を塗工されたティッシュペーパーの原紙をティッシュペーパー製品として販売する際の態様にする製品化工程を含み、
前記塗工工程及び前記製品化工程が装置によって連続的に行われることを特徴とする制菌ティッシュペーパー製品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の制菌ティッシュペーパー製品の製造方法であって、
前記補強剤が粘性を有することを特徴とする制菌ティッシュペーパー製品の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一に記載の制菌ティッシュペーパー製品の製造方法であって、
前記補強剤がグリセリンを含むことを特徴とする制菌ティッシュペーパー製品の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一に記載の制菌ティッシュペーパー製品の製造方法により製造された制菌ティッシュペーパー製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制菌効果を有する制菌ティッシュペーパー製品の製造方法と制菌ティッシュペーパー製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュペーパーは、不織布にアルコールや次亜塩素酸ナトリウム等の水溶液を含ませたものであり、人体や器物の表面を拭うことで汚れを取り除くことができる。また、例えば、特許文献1及び特許文献2に示されるように、除菌(殺菌)効果が高いウェットティッシュペーパーも存在し、日常生活において手軽に除菌を行うことができることから日用品として広く普及している。
【0003】
また、ウェットティッシュペーパーと同じく汚れを拭き取る用途で使用される日用品として、ティッシュペーパーも広く普及している。ティッシュペーパーは、難水溶性の特性を有する薄くて柔らかい紙のことであり、ウェットティッシュペーパーとは乾湿の程度が大きく異なっている。ティッシュペーパーは上記用途に加え鼻をかむ用途にも使用されるため、使用頻度はウェットティッシュペーパーよりも高いといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2019-506402号公報
【特許文献2】特開2003-319887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在、ティッシュペーパー製品には、高い制菌効果を有するものが存在せず(物理的に製造できなかった。詳細は後述する。)、使用後のティッシュペーパーに付着した菌が例えばゴミ箱の中で増殖してしまうといった問題があった。また、いわゆるポップアップ方式のティッシュペーパー製品において、包装体外にでたティッシュペーパーは、使用前に、菌が付着するという問題があった。
【0006】
本発明は、従来のこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、高い制菌効果を有する制菌ティッシュペーパー製品の製造方法及び制菌ティッシュペーパー製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の第1の側面に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、ティッシュペーパーの原紙に、該原紙の強度を高めるための補強剤と抗菌剤とからなる薬液を塗工する塗工工程を含むことができる。一般的に、単に、ティッシュペーパーに抗菌剤を塗工すると、ティッシュペーパーはその形を留めておくことができず、分解してしまうところ、前記構成によれば、ティッシュペーパーの原紙に、抗菌剤と補強材を合わせて塗工することで、抗菌剤を多く含浸させた制菌ティッシュペーパー製品を製造することができる。
【0008】
また、本発明の第2の側面に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、さらに、前記塗工工程において薬液を塗工されたティッシュペーパーの原紙をティッシュペーパー製品として販売する際の態様にする製品化工程を含み、前記塗工工程及び前記製品化工程を装置によって連続的に行うことができる。前記構成によれば、製造過程で人が制菌ティッシュペーパーに触れる回数を減らす、又は、全く触れないようにすることができる。すなわち、制菌ティッシュペーパーが製品化された時点で保有する菌の数を減らすことができ、また、制菌効果により菌が増えないので、使用者が制菌ティッシュペーパー製品の使用を開始された時点で、制菌ティッシュペーパー製品が保有する菌の数を限りなく少なくすることができる。
【0009】
さらにまた、本発明の第3の側面に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、前記補強剤が粘性を有することができる。
【0010】
さらにまた、本発明の第4の側面に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、前記補強剤がグリセリンを含むことができる。
【0011】
さらにまた、本発明の第5の側面に係る制菌ティッシュペーパー製品は、前述の制菌ティッシュペーパー製品の製造方法により製造されてなることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】黄色ブドウ球菌を塗布した場合の繊維製品の抗菌性製品の抗菌性試験・定量試験の結果を示す表である。
図2】肺炎桿菌を塗布した場合の繊維製品の抗菌性製品の抗菌性試験・定量試験の結果を示す表である。
図3】本発明の一実施の形態に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法を説明するフローチャートである。
図4図3に示す塗工工程及び折り畳み工程を実施するために用いる折り畳み機の一例に係る説明図である。
図5図4に示す塗工装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明はそれらを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(ティシュペーパーに制菌効果を付加する際の問題点)
【0014】
ティッシュペーパーは、難水溶性の特性を有するものの、ウェットティッシュペーパーに用いられる不織布ほど水への耐性が高いわけではない。このため、単に、ティッシュペーパーに抗菌剤を塗工すると、ティッシュペーパーはその形を留めておくことができず、分解してしまう。
【0015】
また、ティッシュペーパーが分解しないよう、抗菌剤をティッシュペーパーに噴霧する方法が考えられる。しかしながら、この方法で製造された制菌ティッシュペーパー製品は、抗菌剤の含有率が十分ではなく、その効果はいわゆる抗菌効果に留まる(制菌効果を有することができない。)。
【0016】
以下で説明する制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、このような問題を解決し、高い制菌効果を有する制菌ティッシュペーパー製品1を提供できる。
(制菌ティッシュペーパー製品1)
【0017】
本発明の一実施の形態に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法により製造される制菌ティッシュペーパー製品1は、いわゆるポップアップ方式で積層された複数の制菌ティッシュペーパー11と、制菌ティッシュペーパー11を内包する包装体12とからなる。ここで、ポップアップ方式とは、上下に隣接するティッシュペーパーの端部が互いに挟まれるよう、ティッシュペーパーを断面V字状又は断面Z字状に折り畳む方式である。この方式により、最上層のティッシュペーパーを包装体の取出口より取り出すと、その下層に位置するティッシュペーパーの端部が包装体の取出口から引き出され、容易にティッシュペーパーを連続して取り出すことが可能となる。
【0018】
また、制菌ティッシュペーパー11は、ティッシュペーパーの原紙の質量に対して、約30%の質量の補強材と、約2%の質量の抗菌剤とを混合してなる薬液が塗工され、制菌効果を有する。
(補強材)
【0019】
補強材は粘性を有する液体であって、薬液の約94%を占める。つまり、制菌ティッシュペーパー11には、ティッシュペーパーの原紙の質量に対して約30%の質量の補強材が用いられる。補強材には、例えば、グリセリンを主成分とするローション剤等が使用可能である。
(抗菌剤)
【0020】
抗菌剤は除菌効果を有する液体であって、ティッシュペーパーの原紙の質量に対して約2%の質量の抗菌剤が用いられる。抗菌剤は、例えば、ノン・アルコール型品質保持抗菌剤である。また、主成分は、例えば、塩化ベンゼンコニウムである。
【0021】
前述のように、制菌ティッシュペーパー11は、ティッシュペーパーの原紙に粘性を有する液体である補強材と合わせて抗菌剤が塗工されることで、ティッシュペーパーの原紙を分解させることなく抗菌剤を十分に含有させることができる。なお、薬液中の補強材と抗菌剤の割合等は前述のものに限定されない。
(制菌効果を検証するための試験)
【0022】
出願人は、JISL1902:2015に基づく繊維製品の抗菌性製品の抗菌性試験・定量試験を行い、制菌ティッシュペーパー11の制菌効果について検証した。簡単に説明すると、制菌ティッシュペーパー11と比較対象の標準布とに、黄色ブドウ球菌及び肺炎桿菌を塗布し、塗布直後のタイミングと、塗布から18時間経過後のタイミングとで生菌数を測定する。試験の結果は、図1及び図2の表に示す通りであり、標準布は、塗布から18時間経過後のタイミングで大幅に菌が増殖しているのに対し、制菌ティッシュペーパー11は塗布直後のタイミング及び塗布から18時間経過後のタイミングの両方で生菌数が20以下であった(試験の操作上、20以下の算出ができない。)。以上のことから、制菌ティッシュペーパー11は少なくとも99.9%の菌を減少させるという高い制菌効果を有するといえる。
(制菌ティッシュペーパー製品の製造方法)
【0023】
本発明の一実施の形態に係る制菌ティッシュペーパー製品1の製造方法について、図3図5に基づいて説明する。
【0024】
図3に示すように、制菌ティッシュペーパー製品1の製造方法は、ティッシュペーパーの原紙に、該広幅の原紙の強度を高めるための補強剤と抗菌剤とからなる薬液を塗工する塗工工程ST1と、塗工工程ST1において薬液を塗工されたティッシュペーパーの原紙をティッシュペーパー製品として販売する際の態様にする製品化工程ST2とを含んでいる。さらに、製品化工程ST2は、折り畳み工程ST21と、切断工程ST22と、一個の製品箱に制菌ティシュペーパー11を所要枚数だけ詰める箱詰め工程ST23とを含んでいる。
【0025】
塗工工程ST1及び折り畳み工程ST21は、生産性を高めるために、図4に示す折り畳み機2を使用して連続的に実施される。折り畳み機2は、巻戻し部3、塗工部4、折り畳み部5を備えている。この折り畳み機2では、ティッシュペーパーの原紙として、製品ティシュペーパー複数枚分の幅を有すると共に、製品ティシュペーパー複数枚分の長さを有する帯状の二つの広幅原紙W01、W02を用いる。この広幅原紙W01、W02は、ロール状に巻取られて広幅原紙ロールR01、R02となっており、広幅原紙ロールR01、R02は、巻戻し時に巻戻し部3の広幅原紙ロール支持装置31、32によって支持される。
【0026】
塗工工程ST1では、広幅原紙W01、W02を広幅原紙ロールR01、R02から同時に巻戻しながら、塗工装置C1、塗工装置C2とからなる塗工部4に供給して、二つの広幅原紙W01、W02のうちの片方の広幅原紙W01の表面に薬液を塗布すると共に、もう片方の広幅原紙W02の裏面に薬液を塗布する。
【0027】
塗工部4は、二つの塗工装置C1、C2からなり、夫々被駆動の塗工ローラ41と、塗工時に塗工ローラ41への押圧力が付与される被駆動の押圧ローラ42と、塗工ローラ41に、当該塗工ローラ41の略全幅にわたって薬液を塗布する薬液塗布バー43とを備えている。塗工ローラ41及び押圧ローラ42は、広幅原紙W01、W02の幅より僅かに大きい幅の外周面を有している。
【0028】
図5に示すように、薬液塗布バー43は、薬液Lを溜める薬液貯留室431と、塗工ローラ41に対向する開口432とを有する塗工ローラ41の全幅に伸長したバー本体433と、バー本体433の、開口432の上縁部に装着した下流側ドクター刃434、バー本体433の、開口432の下縁部に装着した上流側ドクター刃435、バー本体433の、開口部432の左右両縁に装着したシール材436とを備えている。下流側ドクター刃434、上流側ドクター刃435及びシール材436の各先端部は、塗工時に塗工ローラ41の外周面と接触状態になり、塗工時に塗工ローラ41とバー本体433との間から薬液Lが漏れ出るのを防ぐことができる。また上流側ドクター刃435は、塗布ローラ41の外周面に塗布される薬液Lの量を調節する役目を果たす。
【0029】
塗工時に薬液貯留室431内の薬液Lの量を適正に保つために、薬液塗布バー43の薬液貯留室431には、タンク44に貯留された薬液Lが、ポンプ451と流量調整弁452を有する送り管路45を経て適量だけ供給され、薬液貯留室431内に溜められた薬液Lの量が多すぎるときは、余分な薬液Lは戻り管路46を経てタンク44に戻るようになっている。このように薬液塗布バー43により塗工ローラ41に薬液Lを塗布するようにすれば、塗工ローラ41の下方に上側に開口のあるタンクを設け、そのタンク内の薬液に塗工ローラ41の外周面下部を直接漬けることで薬液を塗布する場合に比べて、薬液に埃等が混入し難くなり、また塗工機の占有空間を小さくすることができる。
【0030】
塗工部4に供給された広幅原紙W01、W02は、塗工ローラ41と押圧ローラ42との間に導かれ、それらが塗工ローラ41を通過する際に、塗工ローラ41の表面に塗布されている薬液Lが広幅原紙W01、W02に付着することで、広幅原紙W01、W02に薬液Lが塗布される。そして薬液Lを塗布された広幅原紙W01、W02は、薬液塗布原紙W11、W12となり、所要の張力を保ちつつ折り畳み部5へ供給される。
【0031】
折り畳み工程ST21では、薬液塗布原紙W11、W21を、製品ティシュペーパーの長さに応じた長さに切断して切断広幅シートS11、S12とし、その切断広幅シートS11、S12を、ポップアップ方式で積層するよう、切断広幅シートS11の裏面と切断広幅シートS12の表面とを対向させると共に、長手方向に所定距離だけ互いにずれた状態で重ね合わせて、つまり薬液が塗布されていない面同士が対向するよう重ね合わせてジグザグに折り畳む。そして切断広幅シートS11、S12は、重ね合わされて折り畳まれることで折り畳み広幅シートS2となる。
【0032】
折り畳み工程ST21を実施する折り畳み部5は、公知の折り畳み装置からなり、図4に示すように、塗工ローラ41、42と同期して塗工ローラ41、42と同じ周速となるよう回転駆動される、一対の折り畳みローラ51a、51bと、切断刃52を有する切断ローラ52a、52bと、折り畳み広幅シートS2を折り畳ローラ51a、51bの外周面から剥がす押し下げ部材53a、53bを備えている。
【0033】
折り畳みローラ51a、51bは、互いに接触しながら矢印で示すように反対方向に回転し、薬液塗布原紙W11、W21は折り畳みローラ51a、51b外周面に沿って走行し、折り畳みローラ51a、51bとの接触位置より上流側で、切断刃52により切断される。折り畳ローラ51a、51b、押し下げ部材53a、53bは、例えば実開昭60-101122号公報に開示されているものと同様に構成されており、同様に動作するので、詳しい説明は省略する。
【0034】
押し下げ部材53a、53bによって折り畳みローラ51a、51bから剥がされた折り畳み広幅シートS2は、ガイド54に沿って支持台55上に移動する。
【0035】
図3に示す切断工程ST22では、折り畳み広幅シートS2を制菌ティッシュペーパー11と同じ幅に切断する。それによって折り畳み広幅シートS2は制菌ティシュペーパー11となる。
【0036】
折り畳み広幅シートS2を制菌ティッシュペーパー11と同じ幅に切断するために、図5に示す支持台55に移動した折り畳み広幅シートS2は、箱詰めされる枚数毎に、図示しないコンベアに自動的に移載され、そのコンベアで、図示しない公知の切断装置に供給され、その切断装置により箱詰めされる枚数毎に一括して自動的に切断される。その後、制菌ティッシュペーパー11は、箱詰め装置にコンベアで搬送され、その箱詰め装置により自動的に製品箱に詰められる。
【0037】
以上説明したように、本発明に係る制菌ティッシュペーパー製品の製造方法は、ティッシュペーパーの原紙に粘性を有する液体である補強材と合わせて抗菌剤が塗工されることで、ティッシュペーパーの原紙を分解させることなく抗菌剤を十分に含有させることができ、抗菌剤を多く含浸させた制菌ティッシュペーパー製品を提供することができる。
【0038】
また、製造過程で人が制菌ティッシュペーパー11に触れる回数を減らす、又は、全く触れないようにすることができるので、制菌ティッシュペーパー11が製品化され、制菌ティッシュペーパー製品1となった時点で保有する菌の数を減らすことができる。これにより、制菌効果により菌が増えないので、使用者が制菌ティッシュペーパー製品1の使用を開始された時点で、制菌ティッシュペーパー製品が保有する菌の数を限りなく少なくすることができる。
【符号の説明】
【0039】
1…制菌ティッシュペーパー製品
11…制菌ティッシュペーパー
12…包装体
2…折り畳み機
3…巻戻し部;31、32…原紙ロール支持装置
4…塗工部
41…塗工ローラ
42…押圧ローラ
43…薬液塗布バー;431…薬液貯留室;432…開口;433…バー本体;434…下流側ドクター刃;435…上流側ドクター刃;436…シール材
44…タンク
45…送り管路;451…ポンプ;452…流量調整弁
46…戻り管路
5…折り畳み部
51a、51b…折り畳みローラ
52…切断刃
52a、52b…切断ローラ
53a、53b…押し下げ部材
54…ガイド
55…支持台
ST1…塗工工程
ST2…製品化工程;ST21…折り畳み工程;ST22…切断工程;ST23…箱詰め工程
C1、C2…塗工装置
L…薬液
R01、R02…広幅原紙ロール
W01、W02…広幅原紙
W11、W12…薬液塗布原紙
S11、S12…切断広幅シート
S2…折り畳み広幅シート
図1
図2
図3
図4
図5