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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014708
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20220113BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220113BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20220113BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220113BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220113BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220113BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20220113BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20220113BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21V15/01 300
F21V23/00 120
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117212
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA03
(57)【要約】
【課題】電線が引っ張られた場合であっても、給電線、或いは電源部といった部品の損傷を防止でき、また、電線の断線を防止できる灯具及び照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】灯具は、第1面の側に光を発する光源部が配置されるとともに、第1面と前1面の反対側の面である第2面とを貫く貫通孔が形成された基台と、貫通孔を経由するとともに、一端部が光源部と電気的に接続され、他端部が第2面の側に配置される電線と、電線を挿通させる挿通部が形成されており、挿通部に配置された電線の移動を規制するための規制部を有し、貫通孔に挿通され第2面の側への移動が規制された状態で基台に取り付けられる電線保持具と、を備えたものである。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面の側に光を発する光源部が配置されるとともに、前記第1面と前記第1面の反対側の面である第2面とを貫く貫通孔が形成された基台と、
前記貫通孔を経由するとともに、一端部が前記光源部と電気的に接続され、他端部が前記第2面の側に配置される電線と、
前記電線を挿通させる挿通部が形成されており、前記挿通部に配置された前記電線の移動を規制するための規制部を有し、前記貫通孔に挿通され前記第2面の側への移動が規制された状態で前記基台に取り付けられる電線保持具と、
を備えた灯具。
【請求項2】
前記電線は、
前記貫通孔の縁部に接触しないように前記電線保持具に取り付けられる請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記電線保持具は、
前記貫通孔を塞ぐように前記基台に取り付けられる請求項1又は請求項2に記載の灯具。
【請求項4】
前記電線保持具は、
前記第1面の側に配置される保持具基部と、
前記第2面の側に配置される保持具本体部と、
前記保持具基部と前記保持具本体部とを繋ぐ保持具接続部と、
を有しており、
前記貫通孔を貫く方向に視て、
前記保持具基部の最大寸法は前記貫通孔の最大寸法よりも大きく形成されており、
前記保持具本体部の最大寸法は前記貫通孔の最大寸法よりも小さく形成されており、
前記保持具接続部の最大寸法は前記保持具本体部の最大寸法よりも小さく形成されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の灯具。
【請求項5】
前記保持具接続部は、
前記貫通孔に挿通されるように配置されており、
前記保持具基部は、
前記保持具接続部の前記第1面の側の端部から前記基台の前記第1面に沿った方向に延設されており、
前記保持具本体部は、
前記保持具接続部の前記第2面の側の端部から前記基台の前記第2面に沿った方向に延設されている請求項4に記載の灯具。
【請求項6】
前記保持具接続部は、
前記貫通孔を貫く方向に沿った長さの寸法が前記基台の厚さの寸法よりも大きく形成されている請求項4又は請求項5に記載の灯具。
【請求項7】
前記電線保持具は、
前記貫通孔の縁部の少なくとも一部が、前記保持具基部と前記保持具本体部との間に配置された状態で前記基台に取り付けられる請求項4から請求項6の何れか一項に記載の灯具。
【請求項8】
前記保持具基部は、
前記基台と前記光源部との間に配置される請求項4から請求項7の何れか一項に記載の灯具。
【請求項9】
前記電線保持具は、
前記電線を保護する電線保護部を有している請求項1から請求項8の何れか一項に記載の灯具。
【請求項10】
前記電線保持具は、
前記電線保護部が前記第2面の側に配置された状態で前記基台に取り付けられる請求項9に記載の灯具。
【請求項11】
前記電線保持具は、
前記第1面の側と前記第2面の側とを繋ぐように前記電線を案内するための案内部と前記電線の移動を規制すための前記規制部とを有しており、
前記電線は、
前記電線保持具が前記基台に取り付けられた状態で、前記規制部によって前記案内部からの移動が規制される請求項1から請求項10の何れか一項に記載の灯具。
【請求項12】
前記電線保持具は、
前記規制部を前記基台に固定するための固定部を有しており、
前記電線は、
前記規制部が前記基台に固定された状態で、前記基台からの移動が規制される請求項11に記載の灯具。
【請求項13】
請求項1から請求項12の何れか一項に記載の灯具と、
造営部に取り付けられるとともに、前記灯具が装着される器具と、
を備えた照明装置。
【請求項14】
前記灯具が前記器具に装着された状態で、前記基台の前記第2面と前記器具との間には、前記光源部に電力を供給する電源部が配置されており、
前記電線の前記他端部は、前記電源部と電気的に接続される請求項13に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具及び当該灯具を備えた照明装置に関するものであり、特に灯具の電線を保持する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の一面側にLED(Light Emitting Diode)が実装された灯具である光源ユニットと、基板の他面側に配置された点灯装置とを備えた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された照明装置は、基板の一面側と基板の他面側とを連通する貫通孔に電源部が実装されている。電源部は、基板の一面側において、はんだ付けによりLEDの配線パターンと接続される第一接続部と、基板の他面側において、一端が点灯装置に接続されたリード線の他端が接続される第二接続部と、を有する。そして、照明装置は、電源部の第二接続部側を覆うように電源部に被せられ、取付板に固定される電源部カバーを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6446330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の照明装置において、光源ユニットの給電線となるリード線は、張力止めが施されていない。そのため、特許文献1の照明装置は、光源ユニットの組み立て時、或いは照明装置の施工時に、リード線に対して引っ張るような応力が誤って加わってしまった場合に、リード線、或いは電源部といった部品が損傷してしまう恐れがある。また、特許文献1の照明装置は、光源ユニットの組み立て時、或いは照明装置の施工時に、リード線に対して引っ張るような応力が誤って加わってしまった場合に、リード線が電源部から外れてしまい断線してしまう恐れがある。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、電線が引っ張られた場合であっても、給電線、或いは電源部といった部品の損傷を防止でき、また、電線の断線を防止できる灯具及び当該灯具を備えた照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る灯具は、第1面の側に光を発する光源部が配置されるとともに、第1面と第1面の反対側の面である第2面とを貫く貫通孔が形成された基台と、貫通孔を経由するとともに、一端部が光源部と電気的に接続され、他端部が第2面の側に配置される電線と、電線を挿通させる挿通部が形成されており、挿通部に配置された電線の移動を規制するための規制部を有し、貫通孔に挿通され第2面の側への移動が規制された状態で基台に取り付けられる電線保持具と、を備えたものである。
【0008】
本開示に係る照明装置は、上記構成の灯具と、造営部に取り付けられるとともに、上記構成の灯具が装着される器具と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の灯具は、電線を挿通させる挿通部が形成されており、挿通部に配置された電線の移動を規制するための規制部を有し、貫通孔に挿通され第2面の側への移動が規制された状態で基台に取り付けられる電線保持具を備えたものである。本開示の灯具は、上記構成の電線保持具を有することによって、組み立て時、或いは照明装置の施工時に電線が引っ張られた場合であっても、電線と基板との接続部分に応力が加わらないように電線を保持することができる。そのため、本開示の灯具は、組み立て時、或いは照明装置の施工時に電線が引っ張られた場合であっても、給電線、或いは電源部といった部品の損傷を防止でき、また、電線の断線を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明装置の一構成例を示す斜視図である。
図2図1に示した照明装置の分解斜視図である。
図3図2に示した灯具を造営部側から視たときの斜視図である。
図4図3に示した灯具の分解斜視図である。
図5】実施の形態1に係る電線保持具を説明する灯具の要部を示す斜視図である。
図6】実施の形態1に係る給電線の保持の状態を説明する上面図である。
図7図6の灯具のA-A断面図である。
図8】第1保持具と第2保持具との係合状態を電源部と反対の側となる第2保持部の側から視た背面図である。
図9】第1保持具と第2保持具との係合状態を示す係止部付近の長手方向Xに沿った断面図である。
図10】天面部の内側を斜視した第2保持具の第1の斜視図である。
図11】天面部の外側を斜視した第2保持具の第2の斜視図である。
図12】第2係合部の側から天面部の内側を視た第2保持具の平面図である。
図13】灯具において電源部の側から視た第2保持具の正面図である。
図14】実施の形態1に係る給電線の保持の手順を説明する灯具の要部を示す斜視図であり、給電線が保持される前の状態を示す斜視図である。
図15】給電線が保持された後の状態を示す灯具の要部を示す斜視図である。
図16】給電線が電源部に接続された状態を示す灯具の要部を示す斜視図である。
図17】実施の形態1に係る給電線の接続の手順を説明する灯具の要部を示す下面図であり、基台に光源部が配置される前の状態を示した下面図である。
図18】基台に光源部が配置された後の状態を示す灯具の要部を示す下面図である。
図19】給電線の一端部が接続される前の状態を示す灯具の要部を示す下面図である。
図20】給電線の一端部が接続された後の状態を示す灯具の要部を示す下面図である。
図21】実施の形態1に係る給電線の接続の手順を説明する図17におけるB-B断面図であり、基台に光源部が配置される前の状態を示す断面図である。
図22図18におけるB-B断面図であり、基台に光源部が配置された後の状態を示す断面図である。
図23図19におけるB-B断面図であり、給電線の一端部が接続される前の状態を示す断面図である。
図24図20におけるB-B断面図であり、給電線の一端部が接続された後の状態を示す断面図である。
図25】灯具において第1保持具と基台との長手方向Xに沿った断面図である。
図26図25の第1保持具に給電線を配置した概念図である。
図27図26の給電線を折り曲げた概念図である。
図28】第1保持具に第2保持具を取り付けた概念図である。
図29】実施の形態2に係る給電線の保持の手順を説明する灯具の要部を示す斜視図であり、給電線が保持される前の状態を示す斜視図である。
図30】給電線が保持された後の状態を示す図である。
図31】実施の形態2に係る給電線の保持の手順を説明する長手方向X且つ上下方向Zに沿った断面図であり、給電線が保持される前の状態を示す断面図である。
図32】給電線が保持された後の状態を示す断面図である。
図33】実施の形態3に係る給電線の保持の手順を説明する灯具の要部を示す斜視図であり、電線保持具が基台に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。
図34】給電線が保持される前の状態を示す斜視図である。
図35】給電線が保持された後の状態を示す斜視図である。
図36】実施の形態4に係る電線保持具を説明する斜視図であり、第1保持具の外観を示す斜視図である。
図37】第1保持具の内部構造を示す斜視図である。
図38】第2保持具の外観を示す斜視図である。
図39】第2保持具の内部構造を示す斜視図である。
図40】実施の形態4に係る給電線の保持の状態を説明する図であり、給電線が保持される前の状態を示す平面図である。
図41図40における電線保持具のD-D断面図である。
図42図40における電線保持具のE-E断面図である。
図43】給電線が保持された後の状態を示す平面図である。
図44図43における電線保持具のD-D断面図である。
図45図43における電線保持具のE-E断面図である。
図46】実施の形態4にかかる給電線の保持の手順を説明する灯具の要部を示す斜視図であり、給電線が保持される前の状態を示した斜視図である。
図47】給電線が保持された後で電線保持具が基台に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。
図48】電線保持具が基台に取り付けられた後の状態を示す斜視図である。
図49】基板が基台に配置された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態に係る灯具3及び照明装置1等について図面等を参照しながら説明する。なお、明細書に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、断面図では、視認性に鑑みて、一部の図および機器において、ハッチングを省略している。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一、又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。ここで、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語或いは向きを適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上用いる記載であり、装置、器具、或いは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。方向或いは向きを表す用語は、例えば、上、下、右、左、前、後、表、又は裏等がある。
【0012】
実施の形態1.
[照明装置1]
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の一構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示した照明装置1の分解斜視図である。照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明空間とは、照明装置1が設置される空間であり、例えば居住空間、倉庫等の空間、ビル或いは公共施設等の空間、エレベータ或いは廊下等の共有空間、又は、電車或いは船舶等の乗り物内の空間等を意味している。
【0013】
照明装置1は、器具2と、器具2に対して着脱自在に取り付けられる灯具3と、を備えている。照明装置1は、灯具3を室内に向けた状態で造営部9に取り付けられる装置である。造営部9は、器具2が取り付けられる被取付部であり、例えば、天井或いは壁等である。照明装置1は、灯具3を点灯させることによって灯具3から光を照射させ、照明空間を照らす。
【0014】
照明装置1は、所謂逆富士タイプと称される照明装置である。照明装置1、器具2及び灯具3はいずれも長尺状である。なお、以下の説明において、照明装置1の長手側に沿った方向を、第1方向となる長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手側に沿った方向を、第2方向となる短手方向Yとする。そして、長手方向Xおよび短手方向Yのいずれとも直交する方向を、第3方向となる上下方向Zとする。
【0015】
実施の形態1における上下方向Zは、鉛直方向であるものとする。上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる造営部9の側、すなわち天井、又は壁側への向きを、上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり、照明装置1から光が照射される照射空間側への向きを、下向きZ2とする。ここで、上向きZ1は、灯具3が器具2に取り付けられる向きである。また、下向きZ2は、灯具3が器具2から取り外される向きである。
【0016】
[器具2]
器具2は、造営部9に直接取り付けられる、所謂直付けタイプの照明器具である。器具2は、造営部9に設けられた取付具7に取り付けられる。器具2は、灯具装着具ともいう。器具2は、灯具3に対して、灯具3が取り付けられる被取付部である。器具2は、器具2に取り付けられた灯具3を保持し、灯具3に電力を供給する。
【0017】
器具2は、後述する灯具装着部22の両側に設けられた器具外面部202を有する、所謂V字タイプの直付型照明器具である。器具2は、これに限らず、器具外面部202が設けられないトラフタイプ、笠付タイプ等の直付型照明器具の他、埋込型照明器具であってもよい。
【0018】
器具2は、金属製の板材(板金)を用いて、折り曲げ、ロールフォーミング、又は、プレスといった加工を施すことによって、所望の形状に形成することができる。或いは、器具2は、金属材料を用いた押出成形、又は3Dプリンティングのような三次元造形等の製造方法で形成されてもよい。
【0019】
器具2は、長尺状の長手方向Xに延びる器具本体部20と、器具本体部20の両端に取り付けられる器具端部21とを有する。
【0020】
(器具本体部20)
器具本体部20は、天面部200、及び、天面部200の側方に配置される2つで一組となる器具側部として、内側に側面部201を、外側に器具外面部202を有する。
【0021】
天面部200は、長手方向Xに沿って長尺かつ平板状に形成されている。天面部200は、器具本体部20の底面部ともいう。天面部200には、ネジ孔及び電線挿通孔(図示は省略)が形成されている。
【0022】
側面部201は、天面部200の短手方向Yにおける両端に繋がり、器具外面部202は、側面部201の天面部200と反対側の端部に繋がっている。側面部201は、天面部200の長手方向Xに沿って、天面部200の側縁部に設けられている。側面部201は、天面部200の側縁部から造営部9と反対側に向かって立ち上がる。
【0023】
器具外面部202は、器具本体部20の傾斜部であり、照明装置1及び器具2の外観となる意匠部分である。器具外面部202は、器具本体部20の長手方向Xを構成する側面に設けられている。器具外面部202は、側面部201の長手方向Xに沿って、側面部201の下端部に設けられている。器具外面部202は、後述する灯具装着部22の両側に設けられている。
【0024】
器具外面部202は、天井等の水平面に対して傾斜している。器具外面部202は、側面部201の下端部から造営部9へ向かうように、斜め上方に折り曲げて形成されており、造営部9に向かうにつれて側面部201から離れるように形成されている。器具外面部202は、灯具3から照射される光の一部を反射させて側方に配光する機能を有してもよい。
【0025】
器具本体部20は、灯具装着部22を有する。灯具装着部22は、装着された灯具3の一部が収容される空間を形成する。灯具装着部22は、器具本体部20の天面部200及び一組の側面部201によって凹形状に形成されている。また、灯具装着部22は、器具本体部20の天面部200、一組の側面部201及び一組の器具端部21によって一側面が開口した箱状に形成されている。
【0026】
灯具装着部22には、バネ23と、端子台24と、器具側電線25とが設けられている。
【0027】
バネ23は、器具側連結具であり、器具本体部20の長手方向Xに沿って対になるように、天面部200に2つ取り付けられている。バネ23は、灯具3が器具2に取り付けられる際に、図2等に示す灯具側連結具であるバネ受具60と連結する。すなわち、バネ23とバネ受具60とが連結することによって、灯具3は器具2に取り付けられる。バネ23は、灯具3が有するバネ受具60と係合して灯具3を支持する。
【0028】
端子台24は、外部電源から供給された電力を灯具3に供給する中継装置となる。器具2の外部から供給される電力及び制御信号は、端子台24を経由して、灯具3の電源部40に伝達される。
【0029】
器具側電線25は、電力供給線及び制御信号線を含んでいる。
【0030】
(器具端部21)
2つで一組となる器具端部21は、器具本体部20の長手方向Xにおける両端に配置された板状の部材である。器具端部21は、天面部200及び器具外面部202の両端部と当接している。また、器具端部21には、ノックアウト部210が形成されている。
【0031】
ノックアウト部210は、器具端部21にノックアウト加工が施された部分であり、例えば、たたくことにより、或いは、切り取ることにより、現場で簡単に穴をあけることができる部分である。ノックアウト部210は、造営部9側から器具2に挿入される電力線(不図示)の挿入口を選択できるものである。
【0032】
[灯具3]
図3は、図2に示した灯具3を造営部9側から視たときの斜視図である。図4は、図3に示した灯具3の分解斜視図である。図5は、実施の形態1に係る電線保持具50を説明する灯具3の要部を示す斜視図である。図1図5を用いて灯具3について説明する。灯具3は、器具2の灯具装着部22に取り付けられた状態で、照明対象空間に向かって光を照射する。灯具3は、照明具、或いはライトユニット等ともいう。
【0033】
灯具3は、器具2に取り付けられて使用される。実施の形態1の灯具3は、長尺状に形成されており、器具2に対して着脱自在に装着される。灯具3は、光源ユニット30と、透光性のある外郭部39と、バネ受具60と、灯具側電線70と、電線配置具80と、電線保持具50と、を有する。
【0034】
(光源ユニット30)
光源ユニット30は、点灯電力を生成する電源部40と、光源部31と、光源部31が配置される台座となる基台34と、電源部40から光源部31に点灯電力を供給する給電線38とを有する。
【0035】
(電源部40)
電源部40は、電源装置及び制御装置であり、器具2に配置された端子台24を介して商用電源等の外部電源から供給された外部電力を、発光部33を点灯させるための点灯電力に変換して光源部31に供給し、発光部33を点灯させる。
【0036】
実施の形態1の照明装置1では、電源部40は、基台34の第2面342に、ネジ等の固定具85を用いて取り付けられ、光源部31等とともに灯具装着部22に収容される。電源部40は、灯具3が器具2に装着された状態で、後述する基台34の第2面342と器具2との間に配置されている。電源部40は、ネジ等の固定具85を用いずに基台34に取り付けられてもよい。
【0037】
(光源部31)
光源部31は、光を発する。光源部31は、受電する点灯電力によって光を出射する発光部33と、発光部33が設けられた基板32と、点灯電力を発光部33に供給する受電部324とを有する。
【0038】
発光部33は、電源部40から給電線38を介して供給される点灯電力を受けて光を出射する。発光部33は、面実装部品である。発光部33は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)素子等の発光素子である。本実施の形態1においては、発光部33が発光素子の場合で説明するが、発光部33は発光素子に限らない。例えば、発光部33は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、或いは、無機EL等の素子を用いてもよい。発光部33は、発光素子と他の光源とが組み合わされたものでもよい。
【0039】
基板32は、板状に形成されており、発光部33が配置された一面320と、一面320の反対側の面である他面321とを有する。一面320は、発光部33の実装面であり、照射空間側の面である。図1に示す構成例では、基板32の一面320には、複数の発光部33が列状に実装されている。ただし、発光部33の実装形態は、当該構成に限定されるものではない。他面321は、発光部33の非実装面であり、基台34との接合面である。他面321は、光源ユニット30において造営部9側の面を構成する。
【0040】
基板32は、リジットタイプ、又はフレキシブルタイプのいずれのタイプを採用しても構わない。基板32は、例えば、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、或いは、金属ベース基板等が用いられる。基板32は、他面321側が基台34の第1面341に装着される。より詳細には、基板32は、他面321を基台34の第1面341に対向させた状態で、接着部材(図示は省略)を用いて基台34の第1面341に接着固定される。
【0041】
基板32には、一面320に対して垂直方向(上下方向Z)において後述する第1案内部513及び電線挿通孔363と重なる位置に、基板32を貫通する基板貫通孔322が形成されている。
【0042】
基板32には、給電線38の一端部380における導体382を挿通するための基板貫通孔322が設けられている。基板貫通孔322は、基板32の一面320と他面321とを貫く貫通孔である。導体382は、導電性の芯線である。
【0043】
基板32は、基板貫通孔322の周囲に受電部324が形成されている。すなわち、受電部324は、基板32に設けられている。受電部324は、基板32において、導体382が接続される接続部である。受電部324は、接続パッドともいう。給電線38の一端部380における導体382は、はんだ等の接続部材を用いて受電部324に接続される。受電部324は、電源部40から供給される点灯電力を光源部31に中継する電極の役目を果たす。受電部324は、基板32の一面320及び他面321のうち、少なくともいずれかに設けられている。
【0044】
(基台34)
基台34は、長手方向Xに延びた長尺状の取付部材である。基台34は、光源部31を支持する第1面341及び電源部40を支持する第2面342を備えた配置部340と、外郭部39と組み合わされる側部343と、を有する。基台34は、光源部31及び電源部40等の台座であり、光源部31及び電源部40等の支持部材である。基台34は、シャーシともいう。配置部340は、光源部31及び電源部40等が配置される基部である。
【0045】
基台34は、基板32の他面321に対向する面であって光源部31を支持する第1面341と、第1面341の反対側の面であって電源部40を支持する第2面342とを有する。第1面341は、基台34のおもて面であり、光源配置面である。また、第1面341は、照射空間側の面を構成する。第2面342は、基台34のうら面であり、電源配置面である。第2面342は、照明装置1において造営部9の側の面を構成する。光源部31は、基台34の第1面341に配置され、取り付けられる。
【0046】
図5に示すように、基台34には、基台34の配置部340を貫通する電線挿通孔363が形成されている。電線挿通孔363は、第1面341と第1面341の反対側の面である第2面342とを貫く貫通孔である。電線挿通孔363は、電線保持具取付孔ともいう。
【0047】
基台34は、図5に示すように、電線保持具取付部360を有する。電線保持具取付部360は、後述する電線保持具50が取り付けられる部分である。より詳細には、基台34の配置部340には、第2面342の側に突出する突出部361が形成されている。そして、突出部361の先端部である頂部362には、上述した電線挿通孔363が形成されている。この突出部361、頂部362及び電線挿通孔363は、電線保持具取付部360を構成する。
【0048】
頂部362は、第1面341に対して垂直方向(上下方向Z)に視て、概略四角形状に形成されている。また、電線挿通孔363は、頂部362の縁部によって形成されており、第1面341に対して垂直方向(上下方向Z)に視て、頂部362の縁部によって四角形状に形成されている。ただし、頂部362及び電線挿通孔363の形状は、電線保持具50の形状と対応した形状であればよく、当該形状に限定されるものではない。
【0049】
突出部361は、配置部340の第1面341の側に窪み部分(凹部)を形成する。すなわち、基台34は、突出部361において、頂部362と第1面341との間に段差が形成されている。頂部362は、第1面341に対して凹んでいる。突出部361は、配置部340の第2面342の側に隆起する部分を形成する。すなわち、基台34は、突出部361において、頂部362と第2面342との間に段差が形成されている。突出部361は、第2面342の側の配置部340において凸状に形成されている。頂部362は、第2面342に対して突出している。
【0050】
ここで、基台34は、鋼板等の金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。そして、基台34は、ロールフォーミング、又はプレス成形等の加工方法等で曲げられ、剛性を得る。ただし、基台34は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、例えば、樹脂或いはセラミック等、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよい。また、基台34は、押出成形、或いは、3Dプリンティングのような三次元造形等の加工方法で加工してもよい。さらに、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、或いは、光の利用効率(反射率)等を向上させるために、基台34に表面処理を施してもよいし、或いは、基台34に機能部材を敷設してもよい。
【0051】
(給電線38)
給電線38は、電源部40から光源部31に点灯電力を供給するための供給経路となる。給電線38は、基台34に形成された貫通孔である電線挿通孔363を経由して配置され、電源部40と光源部31とを電気的に接続する。給電線38は、導体382が、外装383で覆われている。外装383は、導体382を覆う被覆であり、導体382を絶縁する絶縁部である。
【0052】
給電線38は、電線挿通孔363を経由するとともに、一端部380が光源部31と電気的に接続され、他端部381が第2面342の側に配置される。給電線38の一端部380の側の導体382は、第2面342に形成された受電部324に接続され、給電線38の他端部381の側の導体382は、電源部40に設けられた出力端子41に接続される。
【0053】
電線保持具取付部360には、電線挿通孔363に嵌め込まれるようにして、電気絶縁性の電線保持具50が取り付けられており、給電線38は、電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部と接触しないように電線保持具50に保持される。
【0054】
(外郭部39)
外郭部39は、灯具3の外郭を形成し、光源部31を覆うカバーである。外郭部39は、基板32を覆うように基台34に取り付けられる。外郭部39は、灯具3の長手方向Xに延びるカバー主部390と、カバー主部390の両端に設けられたカバー端部395とを有する。
【0055】
カバー主部390は、光源ユニット30から出射される光を透過する透光部391と、光源ユニット30と連結される取付部392とを有する。外郭部39は、基台34の第1面341に取り付けられた状態の光源部31を覆う。
【0056】
透光部391は、外部に露出し、光源部31から発せられる光を透過して外部に対する照射を行う部分である。また、透光部391は、光源部31等を保護する部分となる。このため、透光部391は、光源部31との間に空間を形成する。取付部392は、基台34に取り付けられる部分である。取付部392は、基台34の側部343と係合する。
【0057】
取付部392は、図4に示すように、基台34の第1面341側に配置され配置部340を支持する第1取付部393と、側部343の外側に配置され側部343の先端部に係合される第2取付部394とを有する。第1取付部393は、支持部ともいい、第2取付部394は、係止部ともいう。
【0058】
カバー端部395は、灯具3の長手方向Xにおける端部となる端面を覆う部分である。ここでは、カバー端部395は、別部材として形成し、溶着、又は接着等により、透光部391に取り付けられるものとする。カバー端部395は、外郭部39の透光部391と基台34の配置部340とによって形成された空間の端面開口に嵌まり込み、その端面開口を塞ぐ。ただし、外郭部39の構成は、当該構成に限定されるものではなく、外郭部39は、カバー端部395と透光部391及び取付部392とが一体に形成されてもよい。
【0059】
外郭部39は、透光性の材料として、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、或いは、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂、又はガラス等の材料を用いて形成することができる。外郭部39は、これらの材料を用いて、射出成形、ブロー成形、押出成形、或いは、3次元造形といった方法を採用して形成することができる。
【0060】
(バネ受具60)
図3に示すバネ受具60は灯具側連結具である。バネ受具60と、器具側連結具であるバネ23(図2参照)とは、灯具3を器具2に取り付ける連結具を構成する。バネ受具60は、基台34の第2面342に取り付けられる。バネ受具60は、基台34から上下方向Zにおける造営部9側に立ち上がっている。器具2のバネ23と、灯具3のバネ受具60とが連結されることによって、灯具3は器具2に固定される。
【0061】
(灯具側電線70)
灯具側電線70は、電力供給線及び制御信号線を含んでいる。照明装置1は、灯具3の灯具側電線70と器具2の器具側電線25とが電気的に接続されている。
【0062】
(電線配置具80)
電線配置具80は、電線保護具である。電線配置具80は、基台34における第2面342に取り付けられ、灯具側電線70を保持し、第2面342に配置する。
【0063】
(電線保持具50)
図6は、実施の形態1に係る給電線38の保持の状態を説明する上面図である。図7は、図6の灯具3のA-A断面図である。図8は、第1保持具51と第2保持具52との係合状態を電源部40と反対の側となる第2保持部524の側から視た背面図である。図9は、第1保持具51と第2保持具52との係合状態を示す係止部付近の長手方向Xに沿った断面図である。図5図9を用いて電線保持具50について説明する。なお、図7は、電線保持具50及び給電線38の構成を説明するものであり、基板32の記載を省略している。
【0064】
電線保持具50は、給電線38を保持するものである。電線保持具50は、給電線38を基台34に固定する電線固定具であり、電線ホルダともいう。電線保持具50は、電気絶縁性を有する材料で形成されている。電線保持具50は、例えば、樹脂製である。電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363を塞ぐように基台34に取り付けられる。
【0065】
実施の形態1の電線保持具50は、図5に示すように、基台34の第1面341の側に取り付けられる第1保持具51と、基台34の第2面342の側に取り付けられる第2保持具52とを有する。第1保持具51は、第1電線ホルダともいい、第2保持具52は、第2電線ホルダともいう。
【0066】
第1保持具51は、第1基部510と、第1本体部511と、第1接続部512とを有する。第1基部510と第1本体部511とは、第1接続部512を間にして接続されており一体的に形成されている。第1保持具51は、基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部分(凹部)に第1基部510が収まり、第1本体部511が電線挿通孔363を通過し、第2面342側に突出するように形成されている。第1本体部511の、第1基部510の側の端部には、第1基部510と第1本体部511とを接続する部分である、第1接続部512が形成されている。
【0067】
第1基部510は、基台34において第1面341の側に配置される保持具基部である。第1基部510は、第1ベース部、或いは基部側延設部ともいう。第1基部510は、平板状に形成されている。第1基部510は、第1本体部511の上下方向Zにおける一方の端部の側において、上下方向Zと交わる方向に沿って第1本体部511から離れる向きに延びている。第1基部510は、第1本体部511の上下方向Zにおける一方の端部の側において、長手方向X且つ短手方向Yに沿って第1本体部511から離れる向きに延びるように形成されている。すなわち、保持具基部である第1基部510は、第1本体部511の一方の端部の側から基台34の第1面341に沿った方向に延設されている。換言すれば、保持具基部である第1基部510は、保持具接続部の第1面341の側の端部から基台34の第1面341に沿った方向に延設されている。第1基部510は、第1本体部511との関係において、第1本体部511に対して鍔状に形成されている。
【0068】
第1基部510は、突出部361により形成された窪み部分(凹部)に収納される。つまり、第1基部510は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、窪み部分(凹部)に第1基部510が収納される寸法で形成されている。そして、第1基部510は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも大きくなるように形成されている。そのため、電線保持具50が基台34に取り付けられた状態では、第1基部510は頂部362と対向し、頂部362と当接する。電線保持具50は、第1基部510が頂部362と対向し、頂部362と当接することによって造営部9の側への移動が規制される。
【0069】
第1本体部511は、概略直方体の外観形状をなすように形成されている。第1本体部511は、基台34の第2面342の側に配置される保持具本体部である。第1本体部511は、本体部側延設部ともいう。保持具本体部である第1本体部511は、保持具接続部の第2面342の側の端部から基台34の第2面342に沿った方向に延設されている。第1本体部511は、第1保持具51を基台34に取り付ける際に電線挿通孔363を挿通する。このため、第1本体部511は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも小さく形成されている。つまり、第1本体部511は、電線挿通孔363に沿った方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第1基部510の最大寸法よりも小さくなるように形成されている。
【0070】
第1接続部512は、保持具基部である第1基部510と、保持具本体部である第1本体部511とを繋ぐ保持具接続部である。第1接続部512は、電線挿通孔363の内部に配置される。このため、第1接続部512は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも小さく形成されている。そして、第1接続部512は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最小寸法が、保持具本体部である第1本体部511の最大寸法よりも小さく形成されている。
【0071】
また、保持具接続部である第1接続部512の電線挿通孔363を貫く方向に沿った長さの寸法は、基台34の厚さの寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1接続部512は、電線挿通孔363を挿通し、少なくとも一部は電線挿通孔363の内部に配置される。したがって、電線保持具50が基台34に取り付けられた場合に、第1保持具51の第1本体部511は第2面342の側に突出する。
【0072】
第1保持具51は、給電線38の移動を規制するための第1規制部である第1保持部514を有する。第1保持部514は、第1本体部511において、第1基部510の形成側とは反対側の面である上面部5111に突起状に形成されている。第1保持部514は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第2保持具52に形成された第2規制部とによって一対の給電線38を押圧する押圧部である。第1保持部514は、第2規制部とともに一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の移動を規制する規制部である。この第1保持部514によって、給電線38は電線保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0073】
第1保持具51の第1本体部511は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第2保持具52の第2本体部521の最大寸法よりも小さく形成されている。したがって、第1本体部511は、第2本体部521の内部に配置される。第1本体部511には、第2本体部521がスライド装着される。
【0074】
保持具接続部である第1接続部512のうち、短手方向Yにおける両側面には、長手方向Xに沿って延びるように溝状に形成された係合溝部519が形成されている。係合溝部519は、第1基部510と第1本体部511との間に形成された内側に凹む溝であり、第1保持具51の第1係合部515を構成する。係合溝部519には、後述する第2保持具52の第2係合部525である係合鍔部529が係合される。本体部側延設部である第1本体部511の第1基部510が配置されている側の端部は、第1係合部515として機能する。
【0075】
第1保持具51には、第1基部510、第1接続部512、及び、第1本体部511を貫くように第1案内部513が形成されている。第1案内部513は、上下方向Zに沿って給電線38を挿通させるための挿通部である第1挿通部5131が形成されている。第1挿通部5131には、給電線38が挿通される。第1挿通部5131は、給電線38を案内する案内孔、或いは案内溝である。第1案内部513は筒状をなし、第1本体部511の内部に形成されており、第1本体部511と一体に形成されている。第1挿通部5131は、第1案内部513の筒軸方向に沿って形成されている。給電線38は、第1案内部513を経由して、一端部380が配置部340の第1面341の側に配置され、他端部381が配置部340の第2面342の側に配置される。給電線38の他端部381は、第1案内部513を経由して第1保持部514へ案内される。また、給電線38の他端部381は、第1案内部513を経由して第2保持部524へ案内される。第1案内部513における第1基部510と反対側の端部5132の一部は、第2規制部とともに給電線38の保持する第1規制部として機能する。
【0076】
図10は、天面部527の内側を斜視した第2保持具52の第1の斜視図である。図11は、天面部527の外側を斜視した第2保持具52の第2の斜視図である。図12は、第2係合部525の側から天面部527の内側を視た第2保持具52の平面図である。図13は、灯具3において電源部40の側から視た第2保持具52の正面図である。第2保持具52は、長手方向Xに対して垂直な断面において、全体として概略C字形状に形成されている。第2保持具52は、長手方向Xに対して垂直な断面において、U字形状に形成されている第2本体部521を有する。第2本体部521は、本体部側延設部ともいう。第2本体部521は、基台34において第2面342の側に配置される。第2本体部521は、給電線38を保護するための電線保護部であり、電線保持具50を基台34に固定するための固定部である。電線保持具50は、電線保護部である第2本体部521が第2面342の側に配置された状態で基台に取り付けられる。
【0077】
第2保持具52の第2本体部521は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第1保持具51の第1本体部511の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第2本体部521は、第1本体部511の外部に配置され、第2本体部521は、第1本体部511を覆う。
【0078】
そして、第2保持具52の第2本体部521は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、電線保持具50が基台34に取り付けられた状態では、第2本体部521は頂部362と対向し、頂部362と当接する。電線保持具50は、第2本体部521が頂部362と対向し、頂部362と当接することによって照明対象空間の側への移動が規制される。
【0079】
第2本体部521は、矩形状に形成されており、且つ、平板状に形成された第2基部520と、第2基部520の対向する側辺からそれぞれ立ち上がる一対の第2側部526と、を有する。
【0080】
第2基部520は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、第1本体部511の上面部5111と対向する位置に配置される壁を構成する天面部527と、天面部527における第1保持部514と対向する位置に形成される貫通孔である第2案内部523と、天面部527から上面部5111に向って突出する第2保持部524と、を有する。
【0081】
天面部527は、矩形状に形成されており、且つ、平板状に形成されている。第2保持部524は、突起であり、天面部527に対して段差を有する。第2保持部524は、第2基部520において、電源部40の配置側とは反対側の端部に沿って形成されている。天面部527の内側には、第1保持具51の上面部5111に向って突出するように係合爪部528が形成されている。
【0082】
なお、実施の形態1では、1つの係合爪部528が、第1保持具51の第1保持部514に係止されるように、天面部527の内側に形成された態様を例示している。第2保持具52は、これ以外に、例えば、2つの係合爪を第2側部526の内側に形成し、第1保持具51は、第1本体部511における両側面に2つの被係合爪部を形成してもよい。第1保持具51と第2保持具52との係合は、2つの係合爪と2つの被係合爪部とが相互に係止する構成を採用してもよい。
【0083】
第2保持部524は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第1保持具51に形成された第1規制部とによって一対の給電線38を第1保持具51に押圧する押圧部である。第2保持部524は、第1規制部とともに一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の動きを規制する規制部である。この第2保持部524によって、給電線38は電線保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0084】
第2基部520に形成された第2案内部523は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、給電線38の他端部381の側を電源部40の配置側に向かうように捕捉する。第2案内部523は、給電線38を電源部40に向かわせる案内孔、或いは案内溝である。
【0085】
第2案内部523における電源部40の側の電源部側縁部5231は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第1保持具51に形成された第1規制部とによって一対の給電線38を第1保持具51に押圧する押圧部である。電源部側縁部5231は、第1規制部とともに一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の動きを規制する規制部である。この電源部側縁部5231によって、給電線38は電線保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0086】
第2側部526は、第2保持具52の側壁を形成する。第2側部526は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、第1本体部511の長手方向Xに沿った側面部5112と対向する。第2側部526における第2基部520と反対側の端部には、係合鍔部529形成されている。固定部である第2本体部521は、保持具基部である第1基部510が配置されている側の端部から第1基部510に沿った方向に延設された係合鍔部529を有している。本体部側延設部である第2本体部521の、第1基部510が配置されている側の端部は、第2保持具52の第2係合部525として機能する。
【0087】
係合鍔部529は、短手方向Yに沿って互いに近づく向きに突出するように形成されている。係合鍔部529は、長手方向Xに延びるように直方体状に形成されている。係合鍔部529は、第1保持具51の第1接続部512のうち、短手方向Yにおける両側面に形成された係合溝部519と係合する。係合鍔部529と係合溝部519とが係合することによって、第2保持具52と第1保持具51とが互いに固定される。また、電線保持具50は、保持具基部である第1基部510と第2本体部521との間に基台34の少なくとも一部が配置された状態で基台34に取り付けられる。
【0088】
第2保持具52は、第1保持具51の第2面342の側に突出した部分である第1本体部511を覆うようにスライド装着される。この際、係合鍔部529と係合溝部519とは相互に係合する。第2保持具52が第1保持具51に装着されると、第1保持具51と第2保持具52とによって、基台34に設けられた突出部361の頂部362が挟持され、電線保持具50は、基台34の電線挿通孔363を覆うように取り付けられる。より詳細には、第2保持具52が第1保持具51に装着されると、第1保持具51の第1基部510と、第2保持具52の第2本体部521とによって、突出部361の頂部362が挟持される。
【0089】
図8及び図9に示すように、第1保持具51に対して第2保持具52がスライド装着され、第1保持具51の係合溝部519(第1係合部515)と第2保持具52の係合鍔部529(第2係合部525)とが相互に係合する。電線保持具50は、第1保持具51の係合溝部519(第1係合部515)と第2保持具52の係合鍔部529(第2係合部525)とが相互に係合することによって、電線挿通孔363から外れなくなり基台34に固定される。
【0090】
上述したように、第2保持具52は、天面部527から上面部5111に向って突出するように形成された係合爪部528を有する。係合爪部528は、第2保持具52が第1保持具51にスライド装着され、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第1保持具51の第1保持部514に係止される。つまり、第1保持部514は第1保持具51の第1係合部515として機能し、係合爪部528は第2保持具52の第2係合部525として機能する。この係合爪部528と第1保持部514とによって第2保持具52の第1保持具51に対するスライド方向の移動が規制され、第2保持具52は第1保持具51に対して固定される。給電線38は、相互に固定された第1保持具51と第2保持具52とによって保持され、動かないように基台34に固定される。
【0091】
すなわち、図8及び図9に示すように、第1保持具51に対して第2保持具52がスライド装着され、第1保持具51の第1保持部514(第1係合部515)と第2保持具52の係合爪部528(第2係合部525)とが相互に係止する。電線保持具50は、第1保持具51の第1保持部514(第1係合部515)と第2保持具52の係合爪部528(第2係合部525)とが相互に係止することによって、電線挿通孔363から外れなくなり基台34に固定される。
【0092】
電線保持具50は、上述した構成によって、給電線38を挿通させる第1挿通部5131が形成されており、第1挿通部5131に配置された給電線38の移動を規制するための第1規制部と第2規制部とからなる規制部を有する。そして、電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363に挿通され基台34の第2面342の側への移動が規制された状態で基台34に取り付けられる。換言すれば、電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363に取り付けられた状態で第2面342の側への移動が規制される。
【0093】
このように、第1本体部511に第2本体部521が装着された状態では、突出部361の頂部362に形成された電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部が、第1基部510と第2本体部521との間に配置されることによって、電線保持具50は電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、配置部340に取り付けられる。
【0094】
換言すれば、電線保持具50は、第1挿通部5131が形成された第1案内部513と案内孔である第2案内部523とからなる案内部、及び、第1保持部が形成された第1本体部511と第2保持部524が形成された第2本体部521とからなる規制部、を有している。そして、給電線38は、第1案内部513の第1挿通部5131に挿通された状態で、第1本体部511に第2本体部521が装着されることによって移動が規制される。第1挿通部5131が形成された第1案内部513と案内孔である第2案内部523とからなる案内部は、第1面341の側と第2面342の側とを繋ぐように給電線38を案内する。
【0095】
(給電線38の保持及び接続の手順)
図14は、実施の形態1に係る給電線38の保持の手順を説明する灯具3の要部を示す斜視図であり、給電線38が保持される前の状態を示す斜視図である。図15は、給電線38が保持された後の状態を示す灯具3の要部を示す斜視図である。図16は、給電線38が電源部40に接続された状態を示す灯具3の要部を示す斜視図である。
【0096】
図17は、実施の形態1に係る給電線38の接続の手順を説明する灯具3の要部を示す下面図であり、基台34に光源部31が配置される前の状態を示した下面図である。図18は、基台34に光源部31が配置された後の状態を示す灯具3の要部を示す下面図である。図19は、給電線38の一端部380が接続される前の状態を示す灯具3の要部を示す下面図である。図20は、給電線38の一端部380が接続された後の状態を示す灯具3の要部を示す下面図である。
【0097】
図21は、実施の形態1に係る給電線38の接続の手順を説明する図17におけるB-B断面図であり、基台34に光源部31が配置される前の状態を示す断面図である。図22は、図18におけるB-B断面図であり、基台34に光源部31が配置された後の状態を示す断面図である。図23は、図19におけるB-B断面図であり、給電線38の一端部380が接続される前の状態を示す断面図である。図24は、図20におけるB-B断面図であり、給電線38の一端部380が接続された後の状態を示す断面図である。なお、図21図24の断面図は、図17図24の下面図にそれぞれ対応する。
【0098】
給電線38の保持及び接続の手順について、図5及び図14図24を用いて説明する。
【0099】
(手順1)
図5に示すように、基台34には、電線保持具取付部360が形成される。電線保持具取付部360は、電線挿通孔363を含む。電線保持具50は、基台34の第1面341側に突出しないように取り付けられる。そのため、基台34において、電線保持具50が取り付けられる部分は、絞り加工等によって第2面342の側に突出する突出部361が設けられ、突出部361の頂部362に電線挿通孔363が設けられる。
【0100】
(手順2)
図14図17及び図21に示すように、基台34の第1面341の側に第1保持具51が取り付けられる。第1保持具51は、第1基部510が基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部(凹部)に収まるように電線保持具取付部360に取り付けられる。この状態で、第1保持具51の一部である第1接続部512は、電線挿通孔363に配置され、第1保持具51の一部である第1本体部511は、電線挿通孔363を通過し、基台34の第2面342の側に突出する。
【0101】
ここで、第1基部510の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きくなるように形成されているので、第1基部510は、電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第1保持具51は、第1基部510が電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部に引っ掛かることによって、基台34の第1面341の側に留まり、第2面342の側への移動が規制される。
【0102】
(手順3)
図17図18及び図22に示すように、基板32は、接着剤等の接着部材37を用いて、基台34の第1面341に接着固定される。この際、電線挿通孔363を貫く方向において、第1保持具51の第1案内部513に設けられた貫通孔である第1挿通部5131と、基板32に設けられた基板貫通孔322とが重なるように、基板32の位置が決められる。なお、基板32と基台34との固定は、接着剤の代わりに粘着シート、ネジ、リベットなどを使用して基台34に固定されてもよい。
【0103】
第1保持具51の第1基部510は、突出部361の第1面341の側の窪み部分(凹部)に収まるように形成されているため、基板32の基台34に対する接着固定を妨げることがない。この状態において、保持具基部である第1基部510は、基台34と光源部31の基板32との間に配置されている。つまり、基板32が基台34に接着固定されることによって、電線挿通孔363を貫く方向において、第1保持具51が基台34から取り外される向きの移動が規制される。このため、第1保持具51は、第1基部510が基板32によって覆われることによって、第1保持具51は、基台34から脱落しない状態となる。
【0104】
(手順4)
給電線38の一端部380の側の外装383は予め除去され、導体382を露出させた状態で、一端部380を基台34の第2面342側から、第1保持具51の第1挿通部5131と基板32の基板貫通孔322とに挿通させる。すなわち、給電線38の一端部380は、第1保持具51の第1挿通部5131と基板32の基板貫通孔322とを通過する。給電線38は、一端部380の導体382が基板32の一面320の側に露出するように、第1保持具51の第1挿通部5131と基板貫通孔322とに挿通される。
【0105】
この際、給電線38は、第1保持具51内に配置された状態であり、基台34の電線挿通孔363に配置された状態である。給電線38と、電線挿通孔363を形成する基台34の縁部との間には第1保持具51が存在するため、給電線38と、電線挿通孔363を形成する基台34の縁部とは接することがない。すなわち、給電線38は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に接触しないように電線保持具50に取り付けられる。換言すれば、電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に給電線38が接触しないように基台34に取り付けられる。
【0106】
実施の形態1では、給電線38の一端部380は、露出させた導体382を基板32の受電部324に接続する構成を示している。なお、給電線38と受電部324との接続は当該構成に限定されるものではない。例えば、灯具3は、予め、端子、或いはコネクタといった接続部品を一端部380に取り付け、基板32に実装された端子、或いはコネクタといった実装部品と接続部品とが接続される構成でもよい。
【0107】
実施の形態1では、給電線38の一端部380は、基板32を貫通する構成を示している。なお、給電線38と基板32との関係は当該構成に限定されるものではない。例えば、給電線38の一端部380は、基板32を貫通しない経路で配置されて基板32に接続される構成であってもよい。
【0108】
(手順5)
図14図15図18及び図22に示すように、基板32の一面320の側に給電線38の導体382が露出した状態を維持しながら、第2保持具52を第1保持具51の第1本体部511にスライド装着する。この状態で、電線保持具50は、給電線38を保持した状態で、基台34に固定される。
【0109】
第1保持具51の第1本体部511と第2保持具52とには、互いに係合する係合機構が設けられている。この係合機構は、図5に示すように、第1本体部511に形成された第1係合部515(係合溝部519、第1保持部514)、及び、第2保持具52に形成された第2係合部525(係合鍔部529、係合爪部528)である。
【0110】
第2保持具52の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きくなるように形成されているので、第2保持具52は、電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第2保持具52は、第1保持具51の第1本体部511に装着された状態で、電線挿通孔363の縁部に引っ掛かることによって基台34の第2面342の側に留まり、第1面341の側への移動が規制される。
【0111】
電線保持具50は、第2保持具52を第1保持具51の第1本体部511に装着することによって、基板32が基台34の第1面341に接着固定されていなくても、電線保持具50の基台34に対する取り付け状態は維持される。
【0112】
なお、電線保持具50は、基板32が基台34に取り付けられる前に、給電線38を保持した状態で基台34に固定されてもよい。この際、給電線38の一端部380は、基台34に取り付けられる基板32の一面320の側に導体382が露出するように電線保持具50に保持される。
【0113】
(手順6)
図22に示すように、電線保持具50によって保持されることによって移動が規制された給電線38は、他端部381の側の導体382が、電源部40の出力端子41に差し込まれて、給電線38が電源部40に接続される。なお、導体382と出力端子41との接続は、導体382が出力端子41に差し込まれる態様に限定されるものではない。
【0114】
(手順7)
図19及び図23に示すように、基板32の一面320の側に露出した給電線38の一端部380の側の導体382について、導体382の先端が受電部324の側に近付くように折り曲げられる。
【0115】
手順7は、導体382と受電部324との接続において、レーザを用いてはんだ付け、溶接といった接続を行う場合に、電線保持具50、或いは給電線38を保護するために行う手順である。手順7によって、基板貫通孔322から離れた位置で導体382と受電部324との接続を行うことができるため、レーザが基板貫通孔322を通過して、基板32の他面321の側に配置されている電線保持具50、或いは給電線38の外装383を損傷させるおそれがない。
【0116】
(手順8)
図20及び図24に示すように、はんだ等の接続部材86を用いて、給電線38の一端部380の側の導体382が受電部324に接続される。なお、導体382と受電部324との接続は、はんだの他、異方性導電部材を用いた接続、或いは溶接による接続を採用することができる。
【0117】
手順7及び手順8に示すように、実施の形態1では、給電線38の一端部380は、基板32の一面320の側で受電部324に接続される構成を示している。なお、給電線38の一端部380と受電部324との接続は、当該構成に限定されるものではない。例えば、給電線38の一端部380は、基板32の他面321の側に設けられた受電部324と接続されてもよい。
【0118】
灯具3は、手順5によって、給電線38が電線保持具50に保持された状態で基台34に固定されており、手順7及び手順8を完了した後に手順6を実施しても給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わらない。
【0119】
また、灯具3は、手順5を完了した後であれば、手順6と手順7及び手順8との順番を限定することなく灯具3の組み立て作業を行うことができる。
【0120】
なお、図17図20と、図21図24の図とは、基板32の取り付け順等が異なっているが、図21図24の図に記載の手順で灯具3が組み立てられてもよい。例えば、基板32が基台34に取り付けられる前に、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられてもよい。
【0121】
図25は、灯具3において第1保持具51と基台34との長手方向Xに沿った断面図である。図26は、図25の第1保持具51に給電線38を配置した概念図である。図27は、図26の給電線38を折り曲げた概念図である。図28は、第1保持具51に第2保持具52を取り付けた概念図である。図25図28を用いて、更に電線保持具50に対する給電線38の保持の詳細について説明する。
【0122】
図25に示すように、第1保持具51は、第1基部510が基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部(凹部)に収まるように電線保持具取付部360に取り付けられる。
【0123】
図26に示すように、予め、一端部380の側の外装383が除去された給電線38を、導体382が露出した状態で、一端部380を基台34の第2面342側から第1面341の側に向って、第1保持具51の第1挿通部5131に挿通させる。なお、先に基板32が基台34に固定されてもよく、この場合、給電線38の一端部380を基台34の第2面342側から基板32の一面320の側に向って、第1保持具51の第1挿通部5131と基板貫通孔322とに挿通させる。
【0124】
図27に示すように、給電線38は、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132付近で電源部40の側に向って屈曲される。給電線38は、第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に向かって屈曲されるため、一端部380が第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に沿う張力を受けても第1挿通部5131から外れない。また、給電線38は、第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に向かって屈曲されるため、他端部381が第1挿通部5131に挿通される方向(Z)に沿う張力を受けても第1挿通部5131から外れない。このように、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132は、給電線38の移動を規制する規制部(第1規制部)として機能する。
【0125】
第1保持具51に対して第2保持具52がスライド装着された状態では、給電線38は、第1案内部513である第1挿通部5131と第2案内部523とによって配線の経路(配置される場所)が決まる。そして、給電線38は、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132(第1規制部)と第2保持部524(第2規制部)とによって保持されて移動が規制される。また、給電線38は、第2保持部524(第2規制部)と第1保持部514(第1規制部)とによって保持されて移動が規制される。更に、給電線38は、第1保持部514(第1規制部)と第2案内部523における電源部40の側の電源部側縁部5231(第2規制部)とによって保持されて移動が規制される。第1保持具51に対して第2保持具52が装着されることによって、電線保持具50は、基台34に固定される。給電線38は、規制部が基台34に固定された状態で、基台34からの移動が規制される。
【0126】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
灯具3は、電線保持具50を備えている。この電線保持具50は、給電線38を挿通させる第1挿通部5131が形成されており、第1挿通部5131に配置された給電線38の移動を規制するための第1保持部514と第2保持部524とからなる規制部を有する。そして、電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363に挿通され基台34の第2面342の側への移動が規制された状態で基台34に取り付けられる。
【0127】
灯具3は、上記構成の電線保持具50を有することによって、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38と基板32との接続部分に応力が加わらないように給電線38を保持することができる。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0128】
また、灯具3は、上記構成の電線保持具50を有することによって、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の電線保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0129】
また、給電線38は、上記構成の電線保持具50に保持されて、基台34に固定されているので、灯具3を組み立てる際、及び照明装置1を施工する際に、給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わらない。
【0130】
また、給電線38は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に接触しないように電線保持具50に取り付けられる。そのため、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の電線保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0131】
また、電線保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363を塞ぐように基台34に取り付けられる。そのため、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の電線保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0132】
また、保持具基部である第1基部510の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されており、保持具本体部である第2本体部521の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。また、保持具接続部である第1本体部511の最大寸法は、保持具本体部である第2本体部521の最大寸法よりも小さく形成されている。そのため、第2保持具52は電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第2保持具52は、第1保持具51の第1本体部511に装着された状態で、電線挿通孔363の端縁部に引っ掛かることによって基台34の第2面342の側に留まり、第1面341の側への移動が規制される。また、電線保持具50は、第1保持具51aと第2保持具52aとによって、基台34が挟持され、電線保持具50は、基台34aの電線挿通孔363を塞ぐように取り付けられる。
【0133】
また、保持具接続部である第1接続部512の、電線挿通孔363を貫く方向に沿った長さ寸法は、基台34の厚さの寸法よりも大きく形成されており、電線保持具50が基台34に取り付けられた状態で、第1接続部512は、電線挿通孔363を挿通し、少なくとも一部が電線挿通孔363の内部に配置される。灯具3は、当該構成により、電線挿通孔363の端縁と給電線38の外装383との間に第1接続部512を配置することができる。その結果、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の電線保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0134】
また、電線保持具50は、保持具基部である第1基部510と第2係合部525との間に基台34の少なくとも一部が配置された状態で基台34に取り付けられる。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0135】
また、保持具基部である第1基部510は、基台34と光源部31との間に配置されている。第1保持具51が基台34から取り外される方向において、電線保持具50は、第1基部510が光源部31によって覆われるため、第1保持具51が基台34から脱落することを防止できる。
【0136】
また、給電線38は、第1案内部513の第1挿通部5131に挿通された状態で、第1案内部513に固定部である第2本体部521が装着されることによって移動が規制される。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0137】
また、第1案内部513と固定部である第2本体部521とは、電線保持具50が基台34に取り付けられた状態で、貫通孔である電線挿通孔363を貫く方向に沿った方向に隣接して配置される。そのため、電線保持具50は、第2保持具52を第1保持具51にスライド装着させることができる。また、電線保持具50は、上記構成によって、給電線38を電源部40の方向に向かって配線することができる。灯具3は、上記構成によって、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0138】
また、照明装置1は、灯具3が器具2に装着された状態で、基台34の第2面342と器具2との間には、光源部31に電力を供給する電源部40が配置されており、給電線38の他端部381は、電源部40と電気的に接続される。照明装置1は、電線保持具50を有するため、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、照明装置1は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0139】
また、照明装置1は、灯具3を備えているため、上述した灯具3の効果を発揮させることができる。
【0140】
(電線保持具50の変形例1)
図示は省略するが、第1保持具51の保持具接続部である第1接続部512のうち、長手方向Xにおける端部の少なくとも何れかに、短手方向Yに沿って延びる溝状の嵌合溝部517が形成されてもよい。嵌合溝部517は、第1基部510と第1本体部511との間に形成された内側に凹む溝であり、第1保持具51の第1係合部515を構成する。
【0141】
第1保持具51を、保持具接続部である第1接続部512が電線挿通孔363に配置された状態から、第1接続部512が電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部に当接するまで、長手方向Xに沿って嵌合溝部517の側にスライドさせることによって、第1接続部512が頂部362の縁部に当接した状態で、電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部は嵌合溝部517に嵌め込まれる。つまり、電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部が第1基部510と第1本体部511との間に配置されるので、第1保持具51は、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、配置部340に固定される。
【0142】
変形例1の電線保持具50は、第2保持具52が取り付けられていない状態であっても、第1保持具51を基台34に固定することができるので、光源ユニット30の組立性を向上させることができる。
【0143】
(電線保持具50の変形例2)
なお、図示は省略するが、第1保持具51の嵌合溝部517は、保持具接続部である第1接続部512のうち、短手方向Yにおける側面の少なくとも何れかに、長手方向Xに沿って延びるように溝状に形成されてもよい。この場合、第1保持具51は、短手方向Yに沿って嵌合溝部517の側にスライドさせる。
【0144】
(電線保持具50の変形例3)
また、図示は省略するが、第1保持具51は、第1本体部511の少なくとも一部を、電線挿通孔363を貫く方向に視て電線挿通孔363よりも大きくなるように突出させた嵌合凸部518を有してもよい。嵌合凸部518は弾性変形を伴いながら電線挿通孔363を通過し、基台34における第2面342の側に配置される。第1保持具51は、嵌合凸部518が電線挿通孔363に嵌め込まれ、電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部と係り合う状態で、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、配置部340に固定される。
【0145】
実施の形態2.
図29は、実施の形態2に係る給電線38の保持の手順を説明する灯具3の要部を示す斜視図であり、給電線38が保持される前の状態を示す斜視図である。図30は、給電線38が保持された後の状態を示す図である。図31は、実施の形態2に係る給電線38の保持の手順を説明する長手方向X且つ上下方向Zに沿った断面図であり、給電線38が保持される前の状態を示す断面図である。図32は、給電線38が保持された後の状態を示す断面図である。なお、実施の形態1の照明装置1及び灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0146】
実施の形態2では、基台34aに電線保持具取付部360aが形成されている。電線保持具取付部360aの頂部362aには、長手方向Xにおいて、電線挿通孔363を間にして、電線保持具50aを取り付けるための2つの取付孔364が形成されている。第1保持具51aの第1基部510aには、第1本体部511aを間にして、2つの取付爪部516が形成されている。取付爪部516は、取付フックともいう。第1本体部511aは、第1保持具51aの保持具接続部であり、第1接続部512aを構成する。
【0147】
第1保持具51aは、2つの取付爪部516が電線保持具取付部360aの2つの取付孔364に対して基台34aの第1面341の側から差し込まれて係着されることによって、第1面341の側における電線保持具取付部360aに取り付けられる。第1基部510a及び第1本体部511aには、第1挿通部5131aを形成する第1案内部513aが設けられている。第1挿通部5131aは、一対の給電線38を挿通する貫通孔である。
【0148】
第1本体部511aの一部を構成する第1案内部513aにおいて、第1挿通部5131aは、第1本体部511aにおける第1基部510aと反対側の端部の側の開口端部に向って徐々に広がるすり鉢形状をなしており、その一部は第1規制部として機能する。詳しくは、実施の形態2では、第1案内部513aにおける第1基部510aと反対側の端部の一部は、第2規制部とともに給電線38の保持する第1保持部514aである。第1本体部511aの上端側の開口端部は、第2保持具52aの第2基部520aの内壁面と対向する。
【0149】
第2保持具52aは、第1保持具51aの第2面342から突出した部分である第1本体部511aを覆うように装着される。第2保持具52aは、少なくとも第1保持具51aと対向する面が開口した箱状に形成されている。第2保持具52aは、平板状に形成された第2基部520aと、第2基部520aの周縁から立ち上がる側壁を構成する第2側部526aとを有する。
【0150】
第2保持具52aの第2基部520aには、一対の給電線38を挿通する貫通孔である第2案内部523aが設けられている。第2案内部523aは、第2保持具52aが第1保持具51aの第1本体部511aに装着された状態で、第1案内部513aと重なり、連通するように形成されている。
【0151】
第2保持具52aは、一対の給電線38を保持するための一対の第2保持部524aを有する。一対の第2保持部524aは、各第2案内部523aに形成されている。一対の第2保持部524aは、第2案内部523aを間にして、互いに対向するように形成されている。第2保持部524aの先端部524a1は、球状に形成されてもよい。
【0152】
一対の第2保持部524aは、弾性体であり、棒状、或いは板状に形成されている。一対の第2保持部524aは、第2基部520aの内壁面から突出して上下方向Zに延びている。一対の第2保持部524aの間には、給電線38が配置される。
【0153】
一対の第2保持部524aは、第1保持具51aの第1保持部514aと対向するように形成されている。一対の第2保持部524aは、第2保持具52aが第1保持具51aに装着される過程で、第1保持部514aに形成された第1挿通部5131aの傾斜面に当接しながら第1案内部513aの中心に向かって窄まるように弾性変形し、給電線38を押圧する。第2保持部524aの先端部524a1が球状に形成されている場合には、先端部524a1は、摩擦面が少なく第1挿通部5131aに沿って移動しやすくなし、給電線38を把持しやすい。
【0154】
第1保持部514a及び第2保持部524aによって構成される電線保持部によって、給電線38は電線保持具50aに保持され、電線保持具50によって動かないように基台34aに固定される。
【0155】
第1保持具51aの第1本体部511aには、凸状に形成された第1係合部515aが設けられている。また、第2保持具52aの第2本体部521aには、凹状に形成された第2係合部525aが設けられている。第1係合部515aと第2係合部525aとは、互いに係合する係合機構として機能する。そして、第2保持具52aが第1保持具51aに装着されると、第1保持具51aと第2保持具52aとによって、突出部361の頂部362aが挟持され、電線保持具50aは、基台34aの電線挿通孔363を覆うように取り付けられる。
【0156】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
実施の形態2に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る電線保持具50に相当する電線保持具50aを有する。電線保持具50aの基本的な機能は、電線保持具50と同様である。そのため、実施の形態2に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る灯具3及び照明装置1と同様の効果を発揮させることができる。
【0157】
実施の形態3.
図33は、実施の形態3に係る給電線38の保持の手順を説明する灯具3の要部を示す斜視図であり、電線保持具50bが基台34bに取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図34は、給電線38が保持される前の状態を示す斜視図である。図35は、給電線38が保持された後の状態を示す斜視図である。なお、実施の形態1及び2の照明装置1及び灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0158】
実施の形態3では、基台34bに電線保持具取付部360bが形成されている。電線保持具取付部360bにおける基台34bの配置部340bには、絞り加工等による凹凸が部を形成されていない。平坦な電線保持具取付部360bには、電線挿通孔363bと、電線挿通孔363bを間にして、電線保持具50bを取り付けるための2つの取付孔364bが形成されている。
【0159】
第1保持具51bの第1基部510bには、第1本体部511bを間にして、2つの取付爪部516bが形成されている。第1本体部511bは、第1保持具51bの保持具接続部であり、第1接続部512bを構成する。
【0160】
第1保持具51bは、2つの取付爪部516bが電線保持具取付部360bの2つの取付孔364bに対して基台34bの第2面342の側から差し込まれて係着されることによって、第2面342の側における電線保持具取付部360bに取り付けられる。第1保持具51bは、電線挿通孔363bから基台34bの第1面341の側に突出しないように基台34bに取り付けられる。また、2つの取付爪部516bは、電線挿通孔363bを貫く方向に視て、基板32の配置領域と重ならない位置に差し込まれる。
【0161】
第1保持具51bが電線保持具取付部360bに装着されると、基台34bの電線挿通孔363bを覆う。第1基部510b及び第1本体部511bには、第1挿通部5131bを形成する第1案内部513bが設けられている。第1挿通部5131bは、一対の給電線38を挿通する貫通孔である。給電線38の他端部381は、第1案内部513bである第1挿通部5131bを経由して第1保持部514b、或いは第2保持部524へ案内される。
【0162】
実施の形態3では、第2保持具52は、実施の形態1と同じものを用いている。第2保持具52は、第1保持具51bの第1基部510bから突出した部分である第1本体部511bにスライド装着される。実施の形態3において、給電線38は、実施の形態1と同様に第1規制部と第2規制部とによって移動を規制されることによって電線保持具50bに固定される。
【0163】
第1本体部511bの短手方向Yに位置する両側面には、溝状に形成された第1係合部515bが形成されている。第1係合部515bは、第1本体部511bの内部に凹む溝であり、照明装置1の長手方向Xに沿って延びるように形成されている。第1係合部515bには、第2保持具52の第2係合部525が係合される。
【0164】
第1保持具51bと第2保持具52との少なくともいずれかには、第2保持具52が第1保持具51bに装着された状態で一対の給電線38を押圧して移動を規制する第1保持部514b及び第2保持部524の電線保持部が形成されている。この第1保持部514b及び第2保持部524の電線保持部、或いは、第1保持部514b又は第2保持部524の電線保持部によって、給電線38は電線保持具50bに保持され、電線保持具50bによって動かないように基台34bに固定される。
【0165】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
実施の形態3に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る電線保持具50に相当する電線保持具50bを有する。電線保持具50bの基本的な機能は、電線保持具50と同様である。そのため、実施の形態3に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る灯具3及び照明装置1と同様の効果を発揮させることができる。
【0166】
実施の形態4.
図36は、実施の形態4に係る電線保持具50cを説明する斜視図であり、第1保持具54の外観を示す斜視図である。図37は、第1保持具54の内部構造を示す斜視図である。図38は、第2保持具55の外観を示す斜視図である。図39は、第2保持具55の内部構造を示す斜視図である。
【0167】
図36図39を用いて実施の形態4に係る電線保持具50cについて説明する。なお、実施の形態1~3の照明装置1及び灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0168】
実施の形態4では、電線保持具50cは、電線挿通孔363を貫く方向に沿って分割された第1保持具54及び第2保持具55の2つの部分から構成される。
【0169】
電線保持具50cには、給電線38を保持する構成として、第1挿通部5431、第1保持部544、第2案内部553、及び第2保持部554等が形成されている。以下、各構成について説明する。
【0170】
第1保持具54には、給電線38が保持される部分となる第1挿通部5431を形成する第1案内部543を有する。第1挿通部5431は、溝部であり、案内溝である。第1挿通部5431は、略直方体状に形成された第1本体部541に形成された溝であり、第1本体部541の上下方向Zに沿って延びるように形成されている。
【0171】
第1案内部543の第1挿通部5431には、第1保持部544が形成されている。第1保持部544は、第1挿通部5431において給電線38が保持される部分に形成されている。
【0172】
第1保持部544は、第1保持具54と第2保持具55とが組み合わされた状態において、一対の給電線38を第2保持具55に押圧する押圧部であり、一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の移動を規制する規制部である。この第1保持部544によって、給電線38は電線保持具50cに保持され、動かないように基台34に固定される。
【0173】
第2保持具55には、第2案内部553が形成されている。第2案内部553は、案内蓋であり、給電線38を第1挿通部5431の給電線38が保持される部分に案内する。第2案内部553は、直方体状に形成された第2本体部551から突出する部分である。第2案内部553は、第1挿通部5431の延びる方向に沿って、直方体状に形成されている。第2本体部521は、固定部である。
【0174】
第2案内部553の先端部には、第2保持部554が形成されている。第2保持部554は、第2案内部553の先端部に形成された突起状の部分である。第2保持部554は、給電線38を保持する部分に形成されている。
【0175】
第2保持部554は、第1保持具54と第2保持具55とが組み合わされた状態において、一対の給電線38を第1保持具54に押圧する押圧部であり、一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の動きを規制する規制部である。この第2保持部554によって、給電線38は電線保持具50cに保持され、動かないように基台34に固定される。
【0176】
図40は、実施の形態4に係る給電線38の保持の状態を説明する図であり、給電線38が保持される前の状態を示す平面図である。図41は、図40における電線保持具50cのD-D断面図である。図42は、図40における電線保持具50cのE-E断面図である。図43は、給電線38が保持された後の状態を示す平面図である。図44は、図43における電線保持具50cのD-D断面図である。図45は、図43における電線保持具50cのE-E断面図である。
【0177】
給電線38は、第1保持具54の第1挿通部5431と第2保持具55の第2案内部553との間に配置される。給電線38は、第1挿通部5431と第2案内部553との間に配置された状態で、第1挿通部5431に形成された第1保持部544と、第2案内部553に形成された第2保持部554とによって、押圧される。給電線38は、第1保持部544と、第2保持部554とに押圧されることによって、電線保持具50cに保持される。
【0178】
第1保持具54と第2保持具55とは、第1保持具54の第1対向部547と第2保持具55の第2対向部557とを対向させた状態で一体化され、給電線38を保持する。第1対向部547は、電線保持具50cの第1対向面であり、第2対向部557は、電線保持具50cの第2対向面である。
【0179】
第1保持具54は、第1対向部547から突出するように形成された位置決め部545を有する。第2保持具55の第2本体部551は、第2対向部557から後退するように形成された位置決め孔558と、位置決め孔558に形成された位置決め部559とを有する。実施の形態4では、位置決め部559は、位置決め孔558の周縁部である。位置決め部545は、位置決め突起であり、ボスである。位置決め孔558は、位置決め突起嵌入孔であり、ボス貫入孔である。位置決め部559は、位置決め突起接触部であり、ボス接触部である。
【0180】
第1保持具54と第2保持具55とは、位置決め部545を位置決め孔558に嵌入させながら一体化される。
【0181】
第1保持具54は、第1対向部547から後退するように形成された係合爪挿入孔548と係合爪挿入孔548に形成された係合爪係合部549とを有する。第2保持具55の第2本体部551は、第2対向部557から突出するように形成された係合爪555を有する。
【0182】
位置決め部545を位置決め孔558に嵌入させる際に、係合爪555が係合爪挿入孔548に挿入され、第1対向部547と第2対向部557とが近づくと、係合爪555は係合爪係合部549と係合する。係合爪555と係合爪係合部549とが係合すると、第1保持具54と第2保持具55とは、給電線38を保持する一体不可分の電線保持具50cとなる。なお、リワーク(修繕)等を想定して、電線保持具50cには、第1保持具54と第2保持具55とを再度分離させることができる係合を解除する機能を設けてもよい。
【0183】
図46は、実施の形態4にかかる給電線38の保持の手順を説明する灯具3の要部を示す斜視図であり、給電線38が保持される前の状態を示した斜視図である。図47は、給電線38が保持された後で電線保持具50cが基台34に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図48は、電線保持具50cが基台34に取り付けられた後の状態を示す斜視図である。図49は、基板32が基台34に配置された状態を示す斜視図である。
【0184】
電線保持具50cは、給電線38を保持した状態で基台34の電線保持具取付部360に取り付けられる。この際、電線保持具50cから、給電線38の一端部380の側の導体382が露出する。また、第1基部540と第2基部550とは、基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部分(凹部)に収まり、基板32の取り付けを妨げない。
【0185】
基板32は、基板貫通孔322に給電線38の一端部380の側の導体382を貫通させた状態で、接着剤等の接着部材を用いて、基台34の第1面341に接着固定される。
【0186】
電線保持具50cは、第1挿通部5431が形成された第1案内部543と、第2保持部554が形成された第2本体部551と、を有している。そして、給電線38は、第1案内部543の第1挿通部5431に挿通された状態で、第1案内部543に第2本体部551が装着されることによって移動が規制される。
【0187】
第1案内部543と固定部である第2本体部551とは、電線保持具50cが基台34に取り付けられた状態で、基台34の第1面341に沿った方向に沿って隣接して配置される。
【0188】
電線保持具50cの長手方向Xにおける両端部には、第1保持具54の第1接続部542に第1嵌合溝部5420が、第2保持具55の第2接続部552に第2嵌合溝部5520が、それぞれ形成されている。第1嵌合溝部5420、及び、第2嵌合溝部5520は、保持具基部と保持具本体部との間に形成された内側に凹む溝である。
【0189】
第1保持具51を、保持具接続部である第1接続部542と第2接続部552が電線挿通孔363に配置された状態から、第1接続部542又は第2接続部552が電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部に当接するまで、長手方向Xに沿って何れかの向きにスライドさせることによって、第1接続部542又は第2接続部552が頂部362の縁部に当接した状態で、電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部は第1嵌合溝部5420又は第2嵌合溝部5520の何れかに嵌め込まれる。つまり、電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部が保持具基部と保持具本体部との間に配置されるので、電線保持具50cは、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、配置部340に固定される。
【0190】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
実施の形態4に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る電線保持具50に相当する電線保持具50cを有する。電線保持具50cの基本的な機能は、電線保持具50と同様である。そのため、実施の形態2に係る灯具3及び照明装置1は、実施の形態1に係る灯具3及び照明装置1と同様の効果を発揮させることができる。
【0191】
また、第1案内部543と固定部である第2本体部551とは、電線保持具50cが基台34に取り付けられた状態で、基台34の第1面341に沿った方向に沿って隣接して配置される。電線保持具50は、上記構成によって、給電線38の向きを自由に選択することができる。また、灯具3は、上記構成によって、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342側に配置され給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。さらに、電線保持具50cは、基台34に基板32が取り付けられていない状態であっても、基台34に固定することができるので、光源ユニット30の組立性を向上させることができる。
【0192】
以上、実施の形態1から4について説明したが、これらの実施の形態の2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。また、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体として或いは部分的に、可能な限りどのように組み合わせて実施しても構わない。
【0193】
なお、上記の実施の形態は、あくまで例示であって、その適用や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、照明装置1は、逆富士タイプ以外の直付型の照明装置であってもよいし、埋込型の照明装置であってもよい。
【符号の説明】
【0194】
1 照明装置、2 器具、3 灯具、7 取付具、9 造営部、20 器具本体部、21 器具端部、22 灯具装着部、23 バネ、24 端子台、25 器具側電線、30 光源ユニット、31 光源部、32 基板、33 発光部、34 基台、34a 基台、34b 基台、38 給電線、39 外郭部、40 電源部、41 出力端子、50 電線保持具、50a 電線保持具、50b 電線保持具、50c 電線保持具、51 第1保持具、51a 第1保持具、51b 第1保持具、52 第2保持具、52a 第2保持具、54 第1保持具、55 第2保持具、60 バネ受具、70 灯具側電線、80 電線配置具、85 固定具、86 接続部材、200 天面部、201 側面部、202 器具外面部、210 ノックアウト部、320 一面、321 他面、322 基板貫通孔、324 受電部、340 配置部、340b 配置部、341 第1面、342 第2面、343 側部、360 電線保持具取付部、360a 電線保持具取付部、360b 電線保持具取付部、361 突出部、362 頂部、362a 頂部、363 電線挿通孔、363b 電線挿通孔、364 取付孔、364b 取付孔、380 一端部、381 他端部、382 導体、383 外装、390 カバー主部、391 透光部、392 取付部、393 第1取付部、394 第2取付部、395 カバー端部、510 第1基部、510a 第1基部、510b 第1基部、511 第1本体部、511a 第1本体部、511b 第1本体部、512 第1接続部、512a 第1接続部、512b 第1接続部、513 第1案内部、513a 第1案内部、513b 第1案内部、514 第1保持部、514a 第1保持部、514b 第1保持部、515 第1係合部、515b 第1係合部、516 取付爪部、516b 取付爪部、517 嵌合溝部、519 係合溝部、520 第2基部、520a 第2基部、521 第2本体部、523 第2案内部、523a 第2案内部、524 第2保持部、524a 第2保持部、524a1 先端部、525 第2係合部、526 第2側部、526a 第2側部、527 天面部、528 係合爪部、529 係合鍔部、540 第1基部、541 第1本体部、542 第1接続部、543 第1案内部、544 第1保持部、545 位置決め部、547 第1対向部、548 係合爪挿入孔、549 係合爪係合部、550 第2基部、551 第2本体部、552 第2接続部、553 第2案内部、554 第2保持部、555 係合爪、557 第2対向部、558 位置決め孔、559 位置決め部、5111 上面部、5112 側面部、5131 第1挿通部、5131a 第1挿通部、5131b 第1挿通部、5132 端部、5231 縁部、5420 嵌合溝部、5431 第1挿通部、5520 嵌合溝部。
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